JPH11278711A - 高摩擦ローラ及びその製造方法 - Google Patents

高摩擦ローラ及びその製造方法

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JPH11278711A
JPH11278711A JP8306398A JP8306398A JPH11278711A JP H11278711 A JPH11278711 A JP H11278711A JP 8306398 A JP8306398 A JP 8306398A JP 8306398 A JP8306398 A JP 8306398A JP H11278711 A JPH11278711 A JP H11278711A
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JP
Japan
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roller
sheet
high friction
layer
belt
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Withdrawn
Application number
JP8306398A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Aoyanagi
博之 青柳
Chiaki Oguchi
千昭 小口
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送するシートSの紙質に左右されず、長期
的に紙粉の影響も受け難く、更に厚み斑の無い高摩擦層
4を備えた搬送精度の高い高摩擦ローラを提供するこ
と。 【解決手段】 ローラ2の表面3に高摩擦層4が接着さ
れて成り、高摩擦層4は、ローラ表面3を部分的に覆う
ように周方向に巻かれた複数の帯状層7,7,…から成
り、帯状層7,7,…はローラ表面3に接着するための
基材となるシート14と、シート14に接合されて一体
化されると共に耐摩耗性粒子5がほぼ均一に分散された
接着材6を素材とする高摩擦部材15との積層体16か
ら成り、且つ帯状層7,7,…の帯長がその始点8と終
点9との間に隙間17ができる長さに形成されて成り、
前記隙間17の位置は、ローラ軸方向に隣り合う帯状層
では互いに周方向ずれていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート、例えば、
普通紙、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェク
タ)用シート、光沢紙、光沢フィルム等の各種シートを
搬送するための高摩擦ローラ及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種の高摩擦ローラの従来技術とし
て、特開平1−256438号公報に開示されたものが
挙げられる。この高摩擦ローラは、紙送り装置用の紙送
りローラを構成するものであり、ゴム、合成樹脂、金属
等からなるローラ本体の外周面にシリコーンゴムをコー
ティングして成る。このシリコーンゴムから成るコーテ
ィング層の高い摩擦抵抗により紙を滑ることなくしっか
りと保持して紙送りすることができるというものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ーンゴムからなるコーティング層は、普通紙等に対して
は高い摩擦抵抗を安定して発揮し、精度良く搬送するこ
とができるが、光沢フィルム等の滑らかなシートに対し
ては、搬送時に不用意に滑りやすく、搬送精度が悪い。
すなわち、搬送精度が紙質に左右され易いという問題が
あった。
【0004】また、普通紙であっても、長期的には、紙
粉が次第にシリコーンゴムからなるコーティング層の表
面に着き、その結果徐々に摩擦抵抗が低下し、搬送精度
が低下するという問題があった。
【0005】更に、前記シリコーンゴムのコーティング
層は、ローラ本体の表面全体を覆っているが、このよう
な構造のコーティング層は、その製造に際し、ローラ本
体の表面を周方向にコーティングする際にその始点と終
点が重なるため、その重なり部分に厚み斑が発生しやす
く、その結果ローラ径が不均一になり、紙送り精度も低
くなるという問題があった。
【0006】本発明の課題は、搬送するシートの紙質に
左右されず、長期的な紙粉の影響も受け難く、更に周方
向に厚み斑の無い高摩擦層を備えた搬送精度の高い高摩
擦ローラを提供することにある。
【0007】また、そのような高摩擦ローラの製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
本願請求項1に記載の発明は、ローラ表面に高摩擦層が
接着されて成り、該高摩擦層は、前記ローラ表面を部分
的に覆うように周方向に巻かれた複数の帯状層から成
り、該帯状層は、基材となるシートと、該シートに接合
されて一体化されると共に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分
散された接着材を素材とする高摩擦部材との積層体から
成り、且つ該帯状層の帯長が前記ローラの外周より僅か
に短く形成されてその始点と終点との間に隙間ができる
長さに形成されて成り、前記隙間の位置は、ローラ軸方
向に隣り合う帯状層では互いに周方向ずれていることを
特徴とする高摩擦ローラである。
【0009】本発明によれば、前記高摩擦層はその表面
側の高摩擦部材が耐摩耗性粒子をほぼ均一に分散した接
着材を素材としているため、その分散粒子によるシート
への鋭角的な接触が可能となり、普通紙等に対してだけ
でなく、光沢フィルム等の滑らかなシートに対しても高
い摩擦抵抗を安定して発揮できる。よって、搬送精度が
紙質に左右されず、安定している。また、紙粉は粒子部
分にはほとんど付着しないし仮に着いてもすぐに剥落す
るため、長期的にも摩擦抵抗は低下せず、搬送精度を高
く維持できる。
【0010】更に、前記高摩擦層は、ローラ表面に周方
向に巻かれた複数の帯状層から成り、該帯状層の帯長が
前記ローラの外周より僅かに短く形成されてその始点と
終点との間に隙間ができる長さに形成されているため、
該帯状層は、その製造に際し、ローラの表面でその始点
と終点が重ならない。しかもその隙間の位置がローラ軸
方向に隣り合う帯状層では互いに周方向ずれているた
め、このずれによって前記隙間があってもローラ全体と
しては周方向に一様に帯状層が在ることになる。従っ
て、従来のような重なりに起因した厚み斑発生の恐れは
無いと同時に、全体としてはローラ径が均一となり、紙
送り精度も高い。
【0011】また、帯状層は、シートとシートに接合さ
れて一体化される高摩擦部材との積層体から成り、該積
層体のシートを接着剤により前記ローラの表面に巻き付
けて接着した構造であるので、その製造が容易であると
共に大掛かりな製造設備は不要にできる。
【0012】また本願請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載された発明において、前記帯状層は、その始点
及び終点の一定範囲が前記高摩擦部材の無いシート単層
に形成されていることを特徴とする。一般に、接着され
た帯状のものはその端面すなわち始点及び終点の所は、
外力が加わると最も剥がれやすい。ところが、本発明に
おいては、帯状層の始点及び終点の一定範囲はその表面
に位置する高摩擦部材が無くシート単層で低いため、紙
送り時にこのシートの始点及び終点には外力が加わらな
い。よって、本発明によれば、紙送り時に、シートの始
点及び終点は外力が加わらないので剥がれにくくなる。
【0013】また本願請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2に記載された発明において、前記耐摩耗性粒子
はアルミナ、炭化珪素等のセラミックから成ることを特
徴とする。このようにセラミック粒子を用いたので、搬
送精度が紙質に左右されず、紙粉の影響を受けないとい
う作用効果が一層確実に得られると共に、その硬質で塑
性変形を受けにくいという性質に基づいて耐久性も一層
優れたものとなる。しかも安価である。
【0014】また本願請求項4に記載の発明は、請求項
1〜3のいずれかに記載された発明において、前記耐摩
耗性粒子は、その平均粒径が20μm〜70μmである
ことを特徴とする。平均粒径をこの範囲にしたので、大
き過ぎることに基づくシートの損傷を確実に防止でき、
また小さ過ぎることに基づく紙粉詰まりの恐れを確実に
防止できると共に高精度搬送のために必要な摩擦係数が
容易に得られる。
【0015】また本願請求項5に記載の発明は、請求項
1〜4のいずれかに記載された発明において、前記耐摩
耗性粒子は、高摩擦層表面における分布密度が20%〜
80%であることを特徴とする。これにより、分布密度
が大き過ぎることに基づく粒子の重層(団子)状態の発
生及び小さ過ぎることに基づく粒子による凸部の不足と
それによる摩擦抵抗の低下を確実に防止することができ
る。
【0016】また本願請求項6に記載の発明は、請求項
1〜5のいずれかに記載された高摩擦ローラの製造方法
であって、前記シートと高摩擦部材との積層体を作り、
該積層体のシートを接着剤により前記ローラの表面に巻
き付けて接着することにより前記複数の帯状層を設ける
ことを特徴とする高摩擦ローラの製造方法である。本発
明に係る製造方法によれば、シートと高摩擦部材との積
層体を単独に作れる。その結果、平面形状のシートに高
摩擦部材を塗布して一体に接合し、次いで前記帯状層の
形状に裁断して作れるので、その製造が容易である。特
に粘着材付きのシートを用いれば、高摩擦部材との接合
が一層簡単になる。そして、裁断した積層体をローラ表
面に接着剤で接着することにより、目的の高摩擦ローラ
が得られ、この点においても製造が容易である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る高摩擦ロー
ラの一実施の形態を示す斜視図であり、図2は当該高摩
擦ローラを組み付けたシート搬送装置の使用状態を示す
要部拡大断面図である。
【0018】図1に示した如く、高摩擦ローラ1は、ロ
ーラ2の表面3に高摩擦層4が接着されている。ローラ
2の材質は金属、ゴム、又はプラスチック(エラストマ
を含む)等が挙げられるが、この形態例では高剛性の金
属である。高摩擦層4は、ローラ表面3を総て覆うので
はなく、一定間隔をあけて部分的に且つ規則的に覆うよ
うに周方向に巻かれた複数の帯状層7,7,…に分かれ
て形成されている。
【0019】帯状層7,7,…は、ローラ2の表面3に
接着剤を介して接着するための基材となるシート14
と、このシート14に接合されて一体化される高摩擦部
材15との積層体16により形成されている。このシー
ト14は合成樹脂シートが用いられているが、前記の如
く基材としての機能を発揮できる強度を備えたシートで
あれば、特定の素材に限定されない。
【0020】前記高摩擦部材15は、図2に拡大してそ
の断面を示したように、耐摩耗性粒子5がほぼ均一に分
散された接着材6を素材として構成され、該耐摩耗性粒
子5の分散により表面に凹凸が形成されている。耐摩耗
性粒子5として比較的鋭く尖っている形状のものを用い
ることにより一層高摩擦な凹凸となる。
【0021】耐摩耗性粒子5は、この例ではアルミナ、
炭化珪素等のセラミックから成り、その平均粒径は20
μm〜70μmであり、更に高摩擦層4の表面における
分布密度は20%〜80%であるように形成されてい
る。また接着材6は、耐摩耗性粒子5を分散させて強固
にシート14に接合して一体化し前記積層体16を形成
するためのもので、この観点から適宜選定できる。この
例では、具体的にはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の
合成樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリル
メラミン樹脂等の接着剤が用いられている。
【0022】帯状層7,7,…は、その帯長が前記ロー
ラ2の外周より僅かに短く形成されて、その始点8と終
点9との間に隙間17ができる長さに形成されている。
更に、この例では、前記始点8及び終点9の一定範囲が
前記高摩擦部材15の無いシート単層8s、9sに形成
され、該シート単層8s、9sの部分が低くなるように
形成されている。ここで、シート単層8s、9sの範囲
すなわち前記高摩擦部材15の無い一定範囲は、紙送り
時に外力がシート14の端部に直接加わらないようにす
ることを基準に定められる。
【0023】また、帯状層7,7,…の始点8と終点9
の間にできる前記隙間17は、その位置がローラ2の軸
方向に隣り合う帯状層7,7同士では互いに周方向ずれ
ているように形成される。この形態例では、隙間17の
位置が交互に180度ずれて形成されている。
【0024】ここで、図1に示した高摩擦ローラ1の製
造方法を説明する。先ず、前記シート14と高摩擦部材
15との積層体16で前記帯状層7,7,…の形状に対
応するものを独立して作る。具体的には、平面形状の大
きなシートに高摩擦部材を塗布して一体に接合し、次い
で前記帯状層7,7,…の形状に裁断する。特に粘着材
付きのシートを用いれば、高摩擦部材との接合が簡単に
なる。そして、裁断した積層体をローラ2の表面3に巻
き付けて接着剤で接着することにより、目的の高摩擦ロ
ーラ1が得られる。ここで用いられる接着剤としては、
エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、アク
リル樹脂、アクリルメラミン樹脂、ニトリルゴム系、S
BS・CRゴム系等の接着剤が挙げられる。
【0025】図2に示した如く、高摩擦ローラ1を組み
付けたシート搬送装置は、プリンタ等に用いられるもの
であるが、当該高摩擦ローラ1を駆動ローラとし、従動
ローラ10と対を成している。Sは搬送シートである。
駆動ローラ1は図示しない駆動手段によって例えば矢印
f方向に回転駆動される。従動ローラ10はその軸11
が図示しない付勢手段により駆動ローラ1に向けて付勢
されている。この付勢力によって、従動ローラ10は駆
動ローラ1に圧接されて従動するようになっている。従
って、駆動ローラ1と従動ローラ10との間に搬送シー
トSが供給されると、この搬送シートSは、図示のよう
に駆動ローラ1と従動ローラ10とで挟持されて矢印a
方向に搬送されることになる。
【0026】従動ローラ10は、ゴム等からなる弾性ロ
ーラ12の表面に低摩擦材料のコーティング層13を設
けたものである。この形態例ではフッ素コーティング層
から成り、その層厚は5μm〜20μmである。20μ
mを越えると弾性ローラ12自体の円滑な弾性変形が阻
害されるからであり、逆に、5μm未満であると従動ロ
ーラ10のシートSに対する摩擦係数の低減を図ること
ができないからである。また、弾性ローラ12の硬度
は、ゴム硬度で60°〜95°である。硬度が高い(9
5°を越える)と、駆動ローラ1と圧接したときに、搬
送シートSに対する挟持部(いわゆるニップ部)Nの幅
(シート搬送方向における長さ)が不十分となって搬送
シートの送り動作が不安定となり、逆に、硬度が低い
(60°未満である)と、従動ローラ10が変形し過ぎ
て、搬送シートSの食いつきが不安定になるからであ
る。
【0027】次に上記実施の形態例の作用について説明
する。上記実施の形態例によれば、高摩擦層4はその高
摩擦部材15が耐摩耗性粒子5をほぼ均一に分散した接
着材6を素材としているため、その分散粒子5による搬
送シートSへの鋭角的な接触が可能となり、普通紙等に
対してだけでなく、光沢フィルム等の滑らかな搬送シー
トに対しても高い摩擦抵抗を安定して発揮できる。よっ
て、搬送精度が紙質に左右されず、安定している。ま
た、紙粉は粒子部分にはほとんど付着しないし仮に着い
てもすぐに剥落するため、長期的にも摩擦抵抗は低下せ
ず、搬送精度を高く維持できる。
【0028】更に、高摩擦層4は複数の帯状層7,7,
…から成り、この帯状層7,7,…の帯長がローラ表面
に巻き付けられた状態でその始点8と終点9との間に隙
間17ができる長さに形成されているため、該帯状層
7,7,…はローラ2の表面3でその始点8と終点9が
重ならない。しかもその隙間17の位置がローラ軸方向
に隣り合う帯状層では互いに周方向ずれているため、こ
のずれによって前記隙間17があっても当該高摩擦ロー
ラ1全体としては周方向に一様な層厚の帯状層7,7,
…となる。従って、従来のような端部同士の重なりに起
因した厚み斑発生の恐れは無いと同時に、全体としては
ローラ径が均一となり、紙送り精度も高い。
【0029】また、帯状層7,7,…は、シート14と
高摩擦部材15との積層体16から成り、該積層体16
のシート14を接着剤により前記ローラ2の表面3に巻
き付けて接着した構造であるので、その製造が容易であ
ると共に大掛かりな製造設備は不要にできる。
【0030】また、帯状層7,7,…の始点8及び終点
9の一定範囲がシート単層8s、9sに形成されている
ものは、その一定範囲はその表面に位置する高摩擦部材
15が無く低いため、紙送り時にこのシート14の両端
部すなわちその始点及び終点には外力が加わらない。よ
って、本発明によれば、紙送り時に、シート14の始点
及び終点(単層8s、9s部分)は外力が加わらないの
で剥がれにくくなる。
【0031】また、耐摩耗性粒子5としてセラミック粒
子を用いたものは、セラミックの硬質性及び塑性変形し
にくい性質に基づいて耐久性が一層優れたものになると
共に、搬送精度が紙質に左右されず、また紙粉の影響を
受けないという効果が一層確実なものとなる。
【0032】また、耐摩耗性粒子5の平均粒径が20μ
m〜70μmの範囲としたものは、粒径が大き過ぎない
ためシートの損傷を確実に防止でき、また粒径が小さ過
ぎないため表面への紙粉詰まりを確実に防止できると共
に高精度搬送のために必要な摩擦係数が容易に得られ
る。
【0033】また、耐摩耗性粒子5の高摩擦層表面にお
ける分布密度が20%〜80%であるものは、分布密度
が大き過ぎないため粒子の重層(団子)状態の発生を確
実に防止でき、また小さ過ぎないため粒子と搬送シート
Sとの接触点数を充分に確保でき、もって必要な摩擦抵
抗のものを確実に得ることができる。
【0034】また、本発明に係る高摩擦ローラの製造方
法によれば、シート14と高摩擦部材15との積層体1
6を単独に作れるので、平面形状のシートに高摩擦部材
15を塗布して一体に接合し、次いで前記帯状層7,
7,…の形状に裁断して作ることが可能となり、その製
造が簡単である。そして、裁断した積層体16をローラ
表面3に接着することにより簡単に目的の高摩擦ローラ
が得られる。
【0035】次に、図3に基づいて本願発明の他の実施
の形態を説明する。この実施の形態に係る高摩擦ローラ
1は、基本的には図1に示した形態例と同様であり、異
なる点は、帯状層7,7,…の各隙間17の位置がロー
ラ軸方向に徐々に周方向にずれていることである。その
作用効果は図1に示したものより隙間17と搬送シート
Sとが同時に対向する状態になる割合が大幅に減少する
ため、この形態例では実質的に隙間17の存在をほとん
ど無視できることになる。
【0036】図4は、本発明に係る上記高摩擦ローラ1
を用いたインクジェットプリンタの一例を示す概略側面
図である。このインクジェットプリンタは、駆動ローラ
である高摩擦ローラ1及び従動ローラ10からなるシー
ト搬送装置30と、このシート搬送装置30にシートS
を供給するシート供給装置40と、シート搬送装置30
により搬送されるシートSの表面にインクを吐出して画
像(文字を含む)を形成する印字ヘッド50と、印字済
のシートSを排出する排出ローラ対60を備えている。
また、これらの装置等を取り付けるためのメインフレー
ム70と、第1のサブフレーム71と、第2のサブフレ
ーム72と、図示しない一対のサイドフレーム等を備え
ている。
【0037】シート搬送装置30は、その駆動ローラ
(高摩擦ローラ)1が図示しないサイドフレームに支持
されており、適宜の駆動手段で駆動されるようになって
いる。従動ローラ10は、後述する支持機構により、駆
動ローラ1に対して少し押圧状態で従動回転可能に支持
されている。
【0038】シート供給装置40は、供給ローラ41
と、該供給ローラ41に向けてシートSを付勢する図示
しないホッパと、供給ローラ41との間でシートSを挟
圧してシートSを分離する分離パッド42とを備えてい
る。ホッパには複数枚のシートSがセットされており、
シート供給持には、1回転する供給ローラ41に向けて
シートSがホッパにより押圧され、分離パッド42で分
離されて、1枚のシートSのみがシート搬送装置30に
向けて供給されるようになっている。供給されるシート
Sは、第1サブフレーム71に取り付けられた下ガイド
80と、メインフレーム70に取り付けられた上ガイド
90とにより、シート搬送装置30に向けて案内され
る。
【0039】印字ヘッド50は、キャリッジ51に取り
付けられている。キャリッジ51はメインフレーム70
の上端70aと、キャリッジガイド軸52とによって、
紙面と直交する方向に移動可能に取り付けられている。
キャリッジ51にはインクタンク53が搭載されてい
る。その印字動作は、キャリッジ51が紙面と直交方向
に移動しつつ印字ヘッド50からインクが吐出されるこ
とにより1行分の印字がなされ、その1行分の印字がな
される毎に、シート搬送装置30でシートSが所定ピッ
チ(通常行間分)搬送され、これらの動作が繰り返され
ることによって行われる。なお、54はシートSの下面
を支持して案内するとともにシートSと印字ヘッド50
との間隔を規定する基底部材である。
【0040】排出ローラ対60は、駆動ローラ61と、
これに向けて付勢されている従動スターホイール62と
からなっており、印字済のシートSを機外に排出するも
のである。従動スターホイール62は第2サブフレーム
72に取り付けられている。
【0041】次に、シート搬送装置30の従動ローラ1
0の支持構造について図4乃至図6に基づいて説明す
る。これらの図に示したように、従動ローラ10は上ガ
イド90の先端部に回転可能に支持されている。この上
ガイド90は、全体として略板状体をなしており、図5
に拡大して示した如く、その基部91が支持軸20に回
転可能に取り付けられている。支持軸20はメインフレ
ーム70の下端において折り曲げ形成されたフック部7
3、74によって上下から挟まれるようにして支持され
ている。また、支持軸20は、図5においてその左方が
メインフレーム70の背面(図5で右側の面)75に当
接している。これによって、支持軸20は、シート搬送
装置30の駆動ローラ1の軸線と平行に配置されるよう
になっている。
【0042】従動ローラ10は、図6に示した如く、1
本の軸11と、この軸11の軸線方向中央部11aに対
して対称に、且つこの中央部21aを避けて該軸11に
装着された従動ローラ単体対10’、10’とを有して
いる。一方、上ガイド90の先端部には、前記軸11の
両端11b、11bを支持する、上下方向(駆動ローラ
1に向かう方向)に伸びる長穴92、92と、前記軸1
1の中央部11aと当接する押圧部93とが形成されて
いる。長穴92、92は、基部91すなわち支持軸20
に対して等距離に設けられている。
【0043】前記支持軸20には、ねじりバネ100が
装着されている。このねじりバネ100の一端101は
図4に示したように、メインフレーム70のフック部7
6に掛け止めされ、他端102は上ガイド90の押圧部
93に当接してこれを駆動ローラ1に向けて付勢してい
る。
【0044】従って、従動ローラ10は、軸11の両端
11b、11bが駆動ローラ1方向に向かってのみ移動
可能に支持されているとともに、軸11の中央部11a
のみが駆動ローラ1方向に向けて付勢されているから、
該軸11は支持軸20とは独立してその中央部1a(正
面視で)まわりに揺動可能であり、駆動ローラ1に沿う
ようにして駆動ローラ1に圧接されることになる。尚、
図示しないが、このプリンタにおいては、上記構造の従
動ローラ10が駆動ローラ1に対してその軸方向に複数
設けられている。
【0045】また軸11の両端11b、11bを支持し
ている長穴92、92が支持軸20に対して等距離に設
けられているので、軸11と支持軸20は平行であり、
且つ支持軸20は、ねじりバネ100によってメインフ
レーム70の背面75に押し付けられた状態となるか
ら、支持軸20と駆動ローラ1との平行度は高精度に保
たれ、結果として、従動ローラ10の軸11と駆動ロー
ラ1の軸線との平行度が高精度に保たれることになる。
とりわけ、従動ローラ10の軸11が支持軸20と独立
して中央部11a(正面視で)まわりに揺動可能である
ことによって、正面視での平行度は極めて高精度に保た
れることになる。
【0046】そして、従動ローラ10は、上記したよう
に軸11の両端11b、11bが駆動ローラ1方向に向
かってのみ移動可能に支持されているとともに、軸11
の中央部11aのみが駆動ローラ1方向に向けて付勢さ
れているので、駆動ローラ1に対して均等に圧接される
こととなり、シートSが真っ直ぐ搬送されることとな
る。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、高摩擦層は耐摩耗性粒
子がほぼ均一に分散された接着材を素材としているた
め、その分散粒子によるシートへの鋭角的な接触が可能
となり、高い摩擦抵抗を安定して発揮でき、搬送精度が
紙質に左右されないようにすることができる。また、紙
粉が発生してもその影響をほとんど受けず、長期的にも
摩擦抵抗は低下せず、搬送精度を高く維持することがで
きる。
【0048】更に、高摩擦層は複数の帯状層から成り、
該帯状層の帯長がその始点と終点との間に隙間ができる
長さでローラに巻き付けられているため、該帯状層は、
ローラの表面でその始点と終点が重ならない。しかも、
その隙間の位置が、ローラ軸方向に隣り合う帯状層では
互いに周方向ずれているため、このずれによって前記隙
間があってもローラ全体としては周方向に一様な帯状層
となる。従って、従来のような両端部の重なりに起因し
た厚み斑発生の恐れは無いと同時に、全体としてはロー
ラ径が均一となり、紙送り精度も高い。
【0049】また、帯状層は、シートと高摩擦部材との
積層体から成り、該積層体のシートを前記ローラの表面
に巻き付けて接着した構造であるので、その製造が容易
であると共に大掛かりな製造設備は不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高摩擦ローラの一実施の形態を示
す斜視図である。
【図2】本発明に係る高摩擦ローラを組み付けた搬送装
置の一例を示す要部拡大断面図である。
【図3】本発明に係る高摩擦ローラの他の実施の形態を
示す斜視図である。
【図4】本発明に係る高摩擦ローラを組み付けたインク
ジェットプリンタを示す概略側面図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】従動ローラの支持構造の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 高摩擦ローラ 2 ローラ 3 ローラ表面 4 高摩擦層 5 耐摩耗性粒子 6 接着材 7 帯状層 8 始点 9 終点 10 従動ローラ 11 軸 14 シート 15 高摩擦部材 16 積層体 17 隙間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ表面に高摩擦層が接着されて成
    り、 該高摩擦層は、前記ローラ表面を部分的に覆うように周
    方向に巻かれた複数の帯状層から成り、 該帯状層は、基材となるシートと、該シートに接合され
    て一体化されると共に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分散さ
    れた接着材を素材とする高摩擦部材との積層体から成
    り、且つ該帯状層の帯長が前記ローラの外周より僅かに
    短く形成されてその始点と終点との間に隙間ができる長
    さに形成されて成り、 前記隙間の位置は、ローラ軸方向に隣り合う帯状層では
    互いに周方向ずれていることを特徴とする高摩擦ロー
    ラ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記帯状層は、その
    始点及び終点の一定範囲が前記高摩擦部材の無いシート
    単層に形成されていることを特徴とする高摩擦ローラ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記耐摩耗性
    粒子はアルミナ、炭化珪素等のセラミックから成ること
    を特徴とする高摩擦ローラ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記
    耐摩耗性粒子は、その平均粒径が20μm〜70μmで
    あることを特徴とする高摩擦ローラ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    耐摩耗性粒子は、高摩擦層表面における分布密度が20
    %〜80%であることを特徴とする高摩擦ローラ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載された高
    摩擦ローラの製造方法であって、前記シートと高摩擦部
    材との積層体を作り、該積層体のシートを接着剤により
    前記ローラの表面に巻き付けて接着することにより前記
    複数の帯状層を設けることを特徴とする高摩擦ローラの
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193239A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Funai Electric Co Ltd プリンタ装置
KR102650320B1 (ko) * 2023-08-21 2024-03-27 주식회사 영진플렉스 고정바의 위치 조절이 용이한 플렉시블 스프링클러 호스

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