JPH11277923A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JPH11277923A
JPH11277923A JP10102184A JP10218498A JPH11277923A JP H11277923 A JPH11277923 A JP H11277923A JP 10102184 A JP10102184 A JP 10102184A JP 10218498 A JP10218498 A JP 10218498A JP H11277923 A JPH11277923 A JP H11277923A
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JP
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thermal transfer
release layer
transfer sheet
layer
hot
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JP10102184A
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English (en)
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Toshifusa Hirano
利総 平野
Kanji Mitsusaka
完児 三坂
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材への熱溶融性インキ層の安定した密着性
と剥離時の良好な膜切れ性を兼ね備え、熱時剥離タイプ
のプリンターにて高解像度の印字を可能とする熱転写シ
ートを提供する。 【解決手段】 基材の一方の面に、分子量が3000〜
20000の範囲内にあるエチレンアクリル酸共重合体
の微粒子とワックスの微粒子とを少なくとも含有する剥
離層を介して、剥離層の溶融粘度よりも高い溶融粘度を
もつ熱溶融性インキ層を形成し、剥離層におけるエチレ
ンアクリル酸共重合体微粒子の含有量が1〜30重量%
であるように熱転写シートを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写シートに係
り、特に熱時剥離タイプのプリンターに使用する熱転写
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターやワードプロセッ
サー等の出力プリント等に、基材に熱溶融性インキ層を
形成した熱転写シートが使用されている。一般に、熱転
写シートを用いたプリンターの印字方式には、熱転写
シートをサーマルヘッドによって被転写体に熱圧着し、
所定の時間が経過した後に熱転写シートと被転写体とを
剥離する方式(冷時剥離タイプ)と、熱転写シートを
サーマルヘッドによって被転写体に熱圧着すると同時、
あるいは熱圧着した直後に熱転写シートと被転写体とを
剥離する方式(熱時剥離タイプ)とがある。の冷時剥
離タイプのプリンターは比較的低速で印字するプリンタ
ーであり、被転写体に熱融着された熱溶融性インキが、
印字された後に剥離されるまでの間にある程度固化し、
被転写体との接着力が増大することにより転写される。
また、の熱時剥離タイプのプリンターは高速のシリア
ルプリンター、ニアエッジ型サーマルヘッドを用いた高
速ラインプリンターであり、被転写体に熱融着された熱
溶融性インキは、熱転写シートと被転写体との剥離時も
粘着性をおびた状態で被転写体に転写される。
【0003】ところで、表面凹凸の大きい非平滑な被転
写体に熱溶融印字方式により印字等を行う場合、被転写
体の表面凹凸を隠蔽できるように熱溶融性インキの凝集
力を大きくしたり、熱溶融性インキ層の厚みを大きくす
ることが行われているが、上述のの冷時剥離タイプで
は、熱転写シートと被転写体の剥離時の熱溶融性インキ
層の膜切れが悪くなり、解像度の低いものとなってしま
う。
【0004】一方、非平滑な被転写体にの熱時剥離タ
イプのプリンターを用いて熱溶融印字方式により印字等
を行う場合、熱溶融性インキの凝集力を大きくしたり厚
みを大きくしても、熱転写シートと被転写体の剥離時に
は印字部分の熱溶融性インキは未だ軟化状態にあるた
め、非印字部(高凝集力をもつ)との差別化ができてお
り膜切れが良好で解像度の高い印字が可能である。ま
た、上記のように凝集力の高い熱溶融性インキを用いる
ことにより、高速印字においても熱溶融されたインキが
にじみ難く高解像度の印字を可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなの熱時
剥離タイプのプリンターに用いる熱転写シートとして、
ワックスを主体とした剥離層を介して基材上に高粘度の
熱溶融性インキ層を設けた熱転写シートが開発されてい
る。このような熱転写シートでは、熱転写シートと被転
写体の剥離時に、印字部分の熱溶融性インキよりも低粘
度となっている剥離層内で凝集破壊が発生し、印字部が
確実に被転写体に転写される。
【0006】しかしながら、上記の剥離層は印字時(剥
離時)の溶融粘度が低いことが要求されるためにワック
ス材料により形成されているが、ワックス材料は常温で
は硬くもろい性質を有しているものが多く、熱溶融性イ
ンキ層が剥離層と共に基材から脱落し易い状態になる場
合がある。このような熱転写シートを用いてハーフトー
ンのような印字を行うと、印字ドット間の非印字部にお
いて熱溶融性インキ層が剥離層と共に基材から脱落する
現象(カラミ)が発生し易く、印字品質の著しい低下を
来す。また、このようなカラミ現象が発生すると、被転
写体が汚れたり、プリンター内部の熱転写シート搬送系
において不具合が生じるという問題もある。
【0007】また、上記の問題を解決するために、剥離
層を構成するワックス材料中に基材との密着性を高める
成分を配合することが行われているが、この場合、印字
時(剥離時)の剥離機構が阻害されて高解像度の印字が
困難なものとなる。
【0008】本発明は、上記のような実情に鑑みてなさ
れたものであり、基材への熱溶融性インキ層の安定した
密着性と剥離時の良好な膜切れ性を兼ね備え、熱時剥離
タイプのプリンターにて高解像度の印字を可能とする熱
転写シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は基材の一方の面に剥離層を介して熱
溶融性インキ層を備え、前記剥離層は分子量が3000
〜20000の範囲内にあるエチレンアクリル酸共重合
体の微粒子とワックスの微粒子とを少なくとも含有し、
かつ、前記エチレンアクリル酸共重合体微粒子の剥離層
における含有量は1〜30重量%の範囲内であり、前記
熱溶融性インキ層の溶融粘度は前記剥離層の溶融粘度よ
りも高いような構成とした。
【0010】また、本発明の熱転写シートは、前記エチ
レンアクリル酸共重合体の微粒子の平均粒径が0.01
〜0.3μmの範囲にあるような構成とした。
【0011】さらに、本発明の熱転写シートは、前記剥
離層がエチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン
とワックスの水系エマルジョンとを用いて形成されたも
のであるような構成とした。
【0012】このような本発明では、剥離層に含有され
るワックスの微粒子が熱転写シートと被転写体の剥離時
に印字部における剥離層内での凝集破壊を安定して生じ
させ、エチレンアクリル酸共重合体の微粒子が上記の印
字部における剥離層内の凝集破壊性能を阻害することな
く、非印字部での基材と剥離層の密着性を維持する作用
をなす。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の熱転写シートの
一例を示す断面図である。図1において、本発明の熱転
写シート1は、基材2と、この基材2の一方の面に剥離
層3を介して形成された熱溶融性インキ層4と、基材2
の他方の面に形成された背面層5とを備えている。
【0014】本発明の熱転写シート1を構成する基材2
としては、従来の熱転写シートに使用されている基材を
使用することができ、特に限定されることはない。使用
する基材の具体例としては、ポリエステル、ポリプロピ
レン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラ
スチックフィルム、グラシン紙、コンデンサー紙、パラ
フィン紙等の紙類、不織布等を挙げることができる。ま
た、これらの複合体を基材2として使用することもでき
る。
【0015】このような基材2の厚さは、要求される強
度、熱伝導性が得られるように適宜決定することがで
き、例えば、1〜100μm程度とすることができる。
【0016】本発明の熱転写シート1を構成する剥離層
3は、熱転写時にサーマルヘッドによって加熱された領
域の熱溶融性インキ層4を被転写体に転写し易くするた
めの層である。この剥離層3は、少なくとも分子量が3
000〜20000の範囲内にあるエチレンアクリル酸
共重合体の微粒子を1〜30重量%の範囲内で含有する
とともに、ワックスの微粒子を含有する。剥離層3に含
有されるエチレンアクリル酸共重合体微粒子の分子量が
3000未満であると、基材との密着力が不十分となり
好ましくない。一方、分子量が20000を超えると、
印字時の溶融粘度が高くなりすぎて、印字部における剥
離層3内の凝集破壊性能に支障を来すとともに、非印字
部における基材2と剥離層3の密着力と印字部における
剥離性とのバランスが乱れるので好ましくない。また、
剥離層3に含有されるエチレンアクリル酸共重合体微粒
子が1重量%未満であると、非印字部における基材2と
剥離層3の密着性が不十分となり、30重量%を超える
と、印字部における剥離層3内の凝集破壊性能を阻害す
るので好ましくない。さらに、エチレンアクリル酸共重
合体の微粒子の平均粒径は、0.01〜0.3μmの範
囲が好ましい。平均粒径が0.01μm未満であると、
印字部における剥離層3内の凝集破壊性能に支障を来し
て印字性能が低下する。一方、0.3μmを超えると、
点在する微粒子数が見かけ上減少するため、非印字部に
おける基材への密着性を良好にする効果が十分に発現さ
れないこととなり好ましくない。
【0017】ワックスの微粒子は、従来から熱転写シー
トに使用されているワックスからなるものでよく、例え
ば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワッ
クス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、
鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キ
ャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワ
ックス、部分変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸ア
ミド等のワックスの微粒子であってよい。このようなワ
ックス微粒子の平均粒径は、0.1〜2.0μmの範囲
が好ましい。
【0018】上述のような剥離層3は、エチレンアクリ
ル酸共重合体の水系エマルジョンとワックスの水系エマ
ルジョンとの混合物に必要な添加剤を加えたものを基材
2上に公知の手段により塗布・乾燥させて形成すること
ができる。このような剥離層3の厚さは0.1〜2μm
程度が好ましい。
【0019】本発明の熱転写シート1を構成する熱溶融
性インキ層4は、顔料とバインダとからなり、さらに必
要に応じて種々の添加剤を加えたものでもよい。そし
て、熱溶融性インキ層4の溶融粘度は、剥離層3の溶融
粘度よりも高くなるように設定する。これにより、熱転
写シートと被転写体の剥離時において、印字部の剥離層
3内で凝集破壊が生じて、印字部の熱溶融性インキ層4
の全転写が行われる。
【0020】熱溶融性インキ層4に使用する顔料は、ブ
ラック単色印字用にはカーボンブラックが好ましく、多
色印字用には、イエロー、マゼンタ、シアン等の有彩色
顔料を使用する。多色印字用の場合、例えばイエローの
インキ層、マゼンタのインキ層、シアンのインキ層を面
順次に形成することができる。これらの顔料の使用量
は、熱溶融性インキ層4中で1〜80重量%、好ましく
は5〜25重量%程度とする。
【0021】バインダとしては、樹脂を主成分とし、必
要に応じてワックス、乾性油、樹脂、鉱油、セルロース
およびゴムの誘導体等の混合物が用いられる。
【0022】バインダ樹脂の具体例としては、直鎖状低
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ポロプロピレン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリレー
ト樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、ポリスチレン樹脂等を挙げ
ることができる。このようなバインダ樹脂の含有量は、
熱溶融性インキ層4中で1〜90重量%、好ましくは2
0〜80重量%程度とすることができる。
【0023】ワックスは印字感度を向上することを目的
として添加するものであり、従来から熱転写シートに使
用されているワックスを使用することができる。具体的
には、剥離層3に使用するワックスとして上述したもの
を挙げることができる。このようなワックスの含有量
は、熱溶融性インキ層4中で1〜70重量%、好ましく
は2〜20重量%程度であり、含有量が上記範囲を超え
ると、熱溶融性インキ層4の溶融粘度が低くなりすぎ
て、印字部の熱溶融性インキ層4内で凝集破壊が生じた
り、非平滑な被転写体において表面凹凸を隠蔽できずに
ボイドが発生し易くなり好ましくない。
【0024】基材2に設けた剥離層3上に熱溶融性イン
キ層4を形成する方法としては、ホットメルトコートの
他に、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビ
アリバースコート、ロールコート、エマルジョンコー
ト、その他の公知の手段が挙げられる。上述のようにし
て形成する熱溶融性インキ層4の厚さは、0.5〜20
μm程度が好ましい。
【0025】背面層5は、サーマルヘッドの滑り性を良
くし、かつスティッキングを防止する目的で形成される
ものである。このような背面層5は、バインダ樹脂とそ
の他の必要な添加剤から形成される。バインダ樹脂とし
ては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿等の
セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、
ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリルア
ミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のビニル
系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコ
ーン変性またはフッ素変性ウレタン樹脂等が挙げられ
る。これらの中では、若干の反応性基、例えば水酸基を
有しているものを使用し、架橋剤としてポリイソシアネ
ート等を併用して架橋樹脂層とすることが好ましい。
尚、背面層5には、帯電防止剤等の他の必要な添加剤を
添加してもよい。
【0026】本発明の熱転写シートは上述の実施形態に
限定されるものではない。例えば、非平滑な被転写体へ
の良好な転写を可能とし、また、ロール状にされた状態
でブロッキングが発生するのを防止するために、熱溶融
性インキ層4上に表面層を形成してもよい。
【0027】このような表面層は、従来の熱転写シート
に形成されていた表面層と同様のものであってもよい
が、接着性樹脂および離型性樹脂とから構成することが
できる。この場合、接着性樹脂としては、比較的低融点
の熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、エ
チレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸エステ
ル共重合体、ポリブテン、石油樹脂、塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられ、上記の熱
溶融性インキ層4の形成に使用するバインダよりも溶融
粘度の高い樹脂が好ましい。また、離型性樹脂は、シリ
コン系樹脂を使用することができる。シリコン樹脂とし
ては、例えばシリコン変性アクリル樹脂、シリコン変性
ウレタン樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂、シリコン変
性ウレア樹脂等を挙げることができる。
【0028】表面層中の接着性樹脂および離型性樹脂の
割合は、固形分比で接着性樹脂:離型性樹脂=10:
0.1〜10:20の範囲が好ましい。さらに、表面層
には、帯電防止剤等の他の必要な添加剤を添加してもよ
い。このような表面層の厚さは、0.1〜5μm程度が
好ましい。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。剥離層の形成 まず、分子量5000、平均粒径0.2μmのエチレン
アクリル酸共重合体(EAA)の水系エマルジョンとパ
ラフィンワックス(溶融温度75℃)の水系エマルジョ
ンとを固形分比を適宜変えて混合し、この混合物をグラ
ビアコーティング法により厚み4.5μmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布(塗布量
1g/m2 (固形分))し乾燥(65℃)して剥離層を
形成した(試料1〜3、比較試料1〜2)。各試料の剥
離層のEAA微粒子含有量は下記の表1に示されるよう
に設定した。
【0030】また、分子量20000、平均粒径0.2
μmのEAAの水系エマルジョンとパラフィンワックス
(溶融温度75℃)の水系エマルジョンとを固形分比を
適宜変えて混合し、この混合物をグラビアコーティング
法により厚み4.5μmのPETフィルム上に塗布(塗
布量1g/m2 (固形分))し乾燥(65℃)して剥離
層を形成した(試料4〜6、比較試料3〜4)。各試料
の剥離層のEAA微粒子含有量は下記の表1に示される
ように設定した。
【0031】さらに、分子量1000、平均粒径0.2
μmのEAAの水系エマルジョンとパラフィンワックス
(溶融温度75℃)の水系エマルジョンとを固形分比1
0:90となるように混合して調製した混合物をグラビ
アコーティング法により厚み4.5μmのPETフィル
ム上に塗布(塗布量1g/m2 (固形分))し乾燥(6
5℃)して剥離層を形成した(比較試料5)。また、分
子量30000のEAAの水系エマルジョンを使用して
同様の固形分比(10:90)で混合物を調製した他
は、上記と同様にして剥離層を形成した(比較試料
6)。
【0032】比較として、EAAの水系エマルジョンの
代わりに、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)(酢
酸ビニル=28重量%、メルトインデックス=400)
の水系エマルジョンを使用し、パラフィンワックス(溶
融温度75℃)の水系エマルジョンとの固形分比を適宜
変えて混合し、この混合物をグラビアコーティング法に
より厚み4.5μmのPETフィルム上に塗布(塗布量
1g/m2 (固形分))し乾燥(65℃)して剥離層を
形成した(比較試料7〜9)。各試料の剥離層のEVA
微粒子含有量は下記の表1に示されるように設定した。
【0033】さらに、比較として、EAAの水系エマル
ジョンの代わりに、分子量10000、平均粒径0.2
μmのアクリルの水系エマルジョンを使用し、パラフィ
ンワックス(溶融温度75℃)の水系エマルジョンとの
固形分比を適宜変えて混合し、この混合物をグラビアコ
ーティング法により厚み4.5μmのPETフィルム上
に塗布(塗布量1g/m2 (固形分))し乾燥(65
℃)して剥離層を形成した(比較試料10〜12)。各
試料の剥離層のアクリル微粒子含有量は下記の表1に示
されるように設定した。熱溶融性インキ層の形成 次に、上述のように形成した剥離層(試料1〜6、比較
試料1〜12)上に、下記に示す組成物のトルエン分散
体からなる熱溶融性インキをグラビアコーティング法に
より塗布量が2.0g/m2 (固形分)となるように塗
布し乾燥(65℃)して熱溶融性インキ層を形成した。
【0034】 (熱溶融性インキの組成(固形分比)) ・カーボンブラック … 40重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体 … 50重量部 (酢酸ビニル=28重量%、メルトインデックス=150) ・パラフィンワックス(溶融温度75℃) … 10重量部背面層の形成 次に、基材の裏面に下記組成の背面層用インキをグラビ
アコーティング法により塗布量が0.1g/m2 (固形
分)となるように塗布して背面層を形成して熱転写シー
ト(試料1〜6、比較試料1〜12)を得た。
【0035】 (背面層用インキの組成) ・シリコン変性ウレタン樹脂 … 10重量部 ・ポリイソシアネート … 5重量部 ・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) … 85重量部 上記のようにして作製した各熱転写シート(試料1〜
6、比較試料1〜12)を用いて下記の印字条件で印字
を行い、下記の条件で印字品質を評価して下記の表1に
結果を示した。
【0036】 (印字条件) ・印字装置 : 熱時剥離タイプのシリアルプリンター ・印字エネルギー: 14mJ/dot(300dpi) ・印字速度 : 100cps ・被転写体 : 熱転写用平滑紙(ベック平滑度=200秒) コピー用紙(ベック平滑度=40秒) (印字品質の評価方法)ベック平滑度=200秒の用紙
については、解像度(熱溶融インキ層の脱落(カラミ現
象)の有無)と汚れの有無を下記の基準で評価した。
【0037】解像度の評価基準 ○:カラミ現象がなく良好 △:少しカラミ現象が生じる ×:カラミ現象が著しく発生する汚れ有無の評価基準 ○:問題なし △:用紙周辺が少し汚れる ×:用紙がかなり汚れる ベック平滑度=40秒の用紙については、ボイド発生を
下記の基準で評価した。
【0038】ボイド発生の評価基準 ◎:ボイドの発生がみられない ○:極めて微小のボイドが発生する △:ボイドの発生が少しみられる ×:ボイドの発生が多い ××:ボイドが著しく発生する
【0039】
【表1】 表1に示されるように、本発明の熱転写シート(試料1
〜6)を使用した印字では、汚れを生じることなく高い
解像度の印字が可能であり、非平滑の用紙(ベック平滑
度=40秒の用紙)に対しても問題となるようなボイド
を生じることなく印字することが可能であった。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば基
材の一方の面に、分子量が3000〜20000の範囲
内にあるエチレンアクリル酸共重合体の微粒子とワック
スの微粒子とを少なくとも含有する剥離層を介して、剥
離層の溶融粘度よりも高い溶融粘度をもつ熱溶融性イン
キ層を形成し、上記剥離層におけるエチレンアクリル酸
共重合体微粒子の含有量を1〜30重量%として熱転写
シートを構成するので、剥離層に含有されるワックスの
微粒子により熱転写シートと被転写体の剥離時に印字部
における剥離層内での凝集破壊が安定して生じ、エチレ
ンアクリル酸共重合体の微粒子によって上記の印字部に
おける剥離層内の凝集破壊性能を阻害することなく非印
字部における基材への剥離層の密着性が維持され、これ
により、基材への熱溶融性インキ層の安定した密着性と
剥離時の良好な膜切れ性を兼ね備え、熱時剥離タイプの
プリンターにて高解像度の印字が可能となり、例えば、
熱溶融性インキ層が剥離層と一緒に基材から脱落するよ
うな現象(カラミ)を生じることなく、かつ、プリンタ
ー内部の熱転写シート搬送系に不具合を生じることなく
非平滑な被転写体に対しても高解像度の印字を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートの一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…熱転写シート 2…基材 3…剥離層 4…熱溶融性インキ層 5…背面層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に剥離層を介して熱溶融
    性インキ層を備え、前記剥離層は分子量が3000〜2
    0000の範囲内にあるエチレンアクリル酸共重合体の
    微粒子とワックスの微粒子とを少なくとも含有し、か
    つ、前記エチレンアクリル酸共重合体微粒子の剥離層に
    おける含有量は1〜30重量%の範囲内であり、前記熱
    溶融性インキ層の溶融粘度は前記剥離層の溶融粘度より
    も高いことを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記エチレンアクリル酸共重合体の微粒
    子の平均粒径は0.01〜0.3μmの範囲にあること
    を特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記剥離層は、エチレンアクリル酸共重
    合体の水系エマルジョンとワックスの水系エマルジョン
    とを用いて形成されたものであることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の熱転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20190041017A (ko) * 2016-09-30 2019-04-19 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 열전사 시트
WO2020175082A1 (ja) 2019-02-26 2020-09-03 大日本印刷株式会社 熱転写シート

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