JPH11291640A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JPH11291640A
JPH11291640A JP10114302A JP11430298A JPH11291640A JP H11291640 A JPH11291640 A JP H11291640A JP 10114302 A JP10114302 A JP 10114302A JP 11430298 A JP11430298 A JP 11430298A JP H11291640 A JPH11291640 A JP H11291640A
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JP
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weight
hot
thermal transfer
transfer sheet
ink layer
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English (en)
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Toshifusa Hirano
利総 平野
Kanji Mitsusaka
完児 三坂
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性、印字品質、耐性が良好な熱転写
シートを提供する。 【解決手段】 基材の少なくとも一方の面に、着色剤お
よび分子量が1000〜30000の範囲内にあるエチ
レンアクリル酸共重合体を少なくとも含有し、かつ、エ
チレンアクリル酸共重合体の含有量が2〜90重量%の
範囲内である熱溶融性インキ層を形成して熱転写シート
とし、熱溶融性インキ層に含有されるエチレンアクリル
酸共重合体により着色剤が熱溶融性インキ層に均一に分
散されたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写シートに係
り、特に耐擦過性に優れた画像形成が可能な高感度の熱
転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターやワードプロセッ
サー等の出力プリント等に、熱溶融転写方式を利用した
熱転写シートが使用されている。一般に、熱溶融転写方
式を利用した熱転写シートは、基材として厚さ2〜20
μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、こ
の基材に熱溶融性インキを塗布して熱溶融性インキ層を
形成したものである。
【0003】従来の熱転写シートに用いられる熱溶融性
インキは、バインダ樹脂やワックスに着色剤を分散させ
たものであるが、印字濃度が高く、印字品質の良好な熱
転写シートを作製するためには着色剤の分散性が優れた
熱溶融性インキを使用する必要がある。また、熱溶融性
インキ層は、基材の裏面側からのサーマルヘッドの加熱
によって、いわゆる白抜けや欠けを生じることなく被転
写体に転写することが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カーボ
ンブラックや他の着色剤は、その凝集力の程度によりワ
ックス類やバインダ樹脂との加熱混合が難しい場合があ
り、熱溶融性インキ層における着色剤の分散性が不十分
となり印字品質の良好な熱転写シートが得られないとい
う問題があった。
【0005】このような問題を解消するために、着色剤
をバインダ樹脂で被覆して分散性、相溶性を向上させる
ことが考えられる。これは、予め加熱混合し、チップ化
する手法であるため、着色剤を被覆するバインダ樹脂と
して比較的低融点で流動性の高い樹脂を使用する必要が
ある。このため、バインダ樹脂が限定されるとともに、
印字画像の耐擦過性が低い等、熱転写シートとしての特
性が不十分であった。
【0006】本発明は、上記のような実情に鑑みてなさ
れたものであり、保存安定性、印字品質、耐性が良好な
熱転写シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は基材の少なくとも一方の面に熱溶融
性インキ層を備え、該熱溶融性インキ層は少なくとも着
色剤および分子量が1000〜30000の範囲内にあ
るエチレンアクリル酸共重合体を含有し、かつ、前記エ
チレンアクリル酸共重合体の熱溶融性インキ層における
含有量は2〜90重量%の範囲内であるような構成とし
た。
【0008】また、本発明の熱転写シートは、前記基材
と前記熱溶融性インキ層との間にワックスを主成分とす
る剥離層を備えるような構成とした。
【0009】また、本発明の熱転写シートは、前記基材
と前記熱溶融性インキ層との間にプライマー層を備える
ような構成とした。
【0010】さらに、本発明の熱転写シートは、前記熱
溶融性インキ層上に表面層を備えるような構成とした。
【0011】このような本発明では、熱溶融性インキ層
に含有されるエチレンアクリル酸共重合体が着色剤を均
一に分散させる作用をなり、着色剤が均一に分散した熱
溶融性インキ層を可能とする。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0013】図1は、本発明の熱転写シートの一例を示
す断面図である。図1において、本発明の熱転写シート
1は、基材2と、この基材2の一方の面に形成された熱
溶融性インキ層3と、基材2の他方の面に形成された背
面層4とを備えている。
【0014】本発明の熱転写シート1を構成する基材2
としては、従来の熱転写シートに使用されている基材を
使用することができ、特に限定されることはない。使用
する基材の具体例としては、ポリエステル、ポリプロピ
レン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラ
スチックフィルム、グラシン紙、コンデンサー紙、パラ
フィン紙等の紙類、不織布等を挙げることができる。ま
た、これらの複合体を基材2として使用することもでき
る。
【0015】このような基材2の厚さは、要求される強
度、熱伝導性が得られるように適宜決定することがで
き、例えば、1〜100μm程度とすることができる。
【0016】本発明の熱転写シート1を構成する熱溶融
性インキ層3は、少なくともエチレンアクリル酸共重合
体と着色剤を含有し、エチレンアクリル酸共重合体の分
子量は1000〜30000の範囲内、好ましくは20
00〜20000の範囲内であり、熱溶融性インキ層3
におけるエチレンアクリル酸共重合体の含有量は2〜9
0重量%、好ましくは5〜60重量%の範囲内である。
【0017】熱溶融性インキ層3に含有されるエチレン
アクリル酸共重合体の分子量が1000未満であると、
粘着性が高くなり熱転写シート1をロール状にしたとき
のブロッキング発生、印字時の熱溶融性インキ層3と被
転写体とのブロッキング発生がみられようになり好まし
くない。一方、分子量が30000を超えると、後述す
るような熱溶融性インキにおける着色剤の分散性が低下
するとともに、印字感度も低下するので好ましくない。
また、熱溶融性インキ層3に含有されるエチレンアクリ
ル酸共重合体が2重量%未満であると、分散できる顔料
等の着色剤の量が限定され、高濃度かつ高耐擦過性の印
字物は得られず、90重量%を超えると、着色剤やバイ
ンダの含有量が制限されてしまい、感度、印字濃度の点
で好ましくない。エチレンアクリル酸共重合体は、エチ
レン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共
重合体等の他のオレフィン系共重合体に比べて結晶性が
高いので常温で硬く、このため、高感度でありながらブ
ロッキング現象を起こしにくい熱転写シートを可能とす
る。
【0018】熱溶融性インキ層3に使用する着色剤は、
ブラック単色印字用にはカーボンブラックが好ましく、
多色印字用には、イエロー、マゼンタ、シアン等の有彩
色顔料を使用する。多色印字用の場合、例えばイエロー
のインキ層、マゼンタのインキ層、シアンのインキ層を
面順次に形成することができる。これらの着色剤の使用
量は、熱溶融性インキ層3中で1〜80重量%、好まし
くは5〜25重量%程度とする。
【0019】また、熱溶融性インキ層3はバインダを含
有するものでよく、バインダとしては、バインダ樹脂を
主成分とし、必要に応じてワックス、乾性油、樹脂、鉱
油、セルロースおよびゴムの誘導体等の混合物が用いら
れる。
【0020】バインダ樹脂の具体例としては、上記のエ
チレンアクリル酸共重合体、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、ポロプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ア
イオノマー樹脂、エチレン−アクリレート樹脂、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体、ポリスチレン樹脂等を挙げることができ
る。このようなバインダ樹脂の含有量は、熱溶融性イン
キ層3中で1〜90重量%、好ましくは20〜80重量
%程度とすることができる。
【0021】ワックスは印字感度の向上を目的として添
加するものであり、従来から熱転写シートに使用されて
いるワックスを使用することができる。具体的には、マ
イクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラ
フィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各
種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、
イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリ
ラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、
部分変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の
ワックスを挙げることができる。このようなワックスの
含有量は、熱溶融性インキ層3中で1〜70重量%、好
ましくは2〜20重量%程度であり、含有量が70重量
%を超えると、熱溶融性インキ層3の溶融粘度が低くな
りすぎて、印字部の熱溶融性インキ層3内で凝集破壊が
生じたり、非平滑な被転写体において表面凹凸を隠蔽で
きずにボイドが発生し易くなり好ましくない。
【0022】基材2上への熱溶融性インキ層3の形成
は、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロール
コート等の公知の手段により行うことができる。上記の
熱溶融性インキは、次のように調製することが好まし
い。まず、分子量が1000〜30000の範囲内にあ
るエチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョンに着
色剤を分散させる。このときの着色剤とエチレンアクリ
ル酸共重合体エマルジョンの割合は、着色剤100重量
部に対してエチレンアクリル酸共重合体エマルジョン2
0重量部以上が好ましい。この着色剤分散は、ビーズミ
ル等を用いて行うことができる。次いで、上記のバイン
ダや必要な添加剤を加えて混練することにより熱溶融性
インキを得ることができる。尚、熱溶融性インキのバイ
ンダとエチレンアクリル酸共重合体エマルジョンとが相
溶系の場合、印字時には透明性の高い画像が得られ、カ
ラーの熱転写シートには有用である。
【0023】背面層4は、サーマルヘッドの滑り性を良
くし、かつスティッキングを防止する目的で形成される
ものである。このような背面層4は、バインダ樹脂とそ
の他の必要な添加剤から形成される。バインダ樹脂とし
ては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿等の
セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、
ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリルア
ミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のビニル
系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコ
ーン変性またはフッ素変性ウレタン樹脂等が挙げられ
る。これらの中では、若干の反応性基、例えば水酸基を
有しているものを使用し、架橋剤としてポリイソシアネ
ート等を併用して架橋樹脂層とすることが好ましい。
尚、背面層4には、帯電防止剤等の他の必要な添加剤を
添加してもよい。
【0024】本発明の熱転写シートは上述の実施形態に
限定されるものではない。例えば、熱溶融性インキ層3
の被転写体への転写をより良好なものとするために、図
2に示されるように、基材2と熱溶融性インキ層3との
間に剥離層5を設けることができる。この剥離層5は、
ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、アクリル樹脂等の剥離剤から形成する。形成
方法は、上記のような樹脂に必要な添加剤を加えたもの
を適当な溶剤に溶解または分散して調製したインキを、
基材2上に公知の手段により塗布・乾燥させて形成す
る。このような剥離層5の厚さは0.1〜5μm程度が
好ましい。
【0025】また、基材2と熱溶融性インキ層3との密
着性(箔持ち性)を向上させるとともに、熱転写時にサ
ーマルヘッドによって印字された印字物にマット感を与
え熱転写シートに帯電防止効果をもたせるために、図3
に示されるように、基材2と熱溶融性インキ層3との間
にプライマー層6を設けることができる。このプライマ
ー層6は、一般に着色剤や無機あるいは有機のフィラー
を、基材2との密着性が良好な樹脂(例えば、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂等)に分散させたものであり、
0.1〜5μm程度の厚みを有している。プライマー層
6の塗工手段としては、グラビアダイレクト方式、グラ
ビアリバース方式が一般的である。
【0026】さらに、非平滑な被転写体への良好な転写
を可能とし、また、ロール状にされた状態でブロッキン
グが発生するのを防止するために、図4に示されるよう
に、熱溶融性インキ層3上に表面層7を設けることがで
きる。この表面層7は、従来の熱転写シートに形成され
ていた表面層と同様のものであってよく、熱溶融性イン
キ層に用いたバインダ樹脂およびワックス類から、熱転
写シートの使用目的によって適宜選択して構成すること
ができる。さらに、表面層7には、帯電防止剤等の他の
必要な添加剤を添加してもよい。このような表面層7の
厚さは、0.1〜5μm程度が好ましい。
【0027】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。熱溶融性インキの調製 まず、本発明の熱溶融性インキとして、下記の各組成の
熱溶融性インキA〜Kを調製した。この熱溶融性インキ
の調製は、まず、エチレンアクリル酸共重合体の水系エ
マルジョンにカーボンブラックを加えてビーズミルで分
散し、その後、エチレン酢酸ビニル共重合体とパラフィ
ンワックスを添加し混練することにより行った。尚、以
下に示す組成の配合比率は、固形分換算での配合比で示
してある。
【0028】 (熱溶融性インキAの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 20重量部 分子量2000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 20重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 40重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキBの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 20重量部 分子量20000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 20重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 40重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキCの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 20重量部 分子量30000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 20重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 40重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキDの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 20重量部 分子量500、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 20重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 40重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキEの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 20重量部 分子量50000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 20重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 40重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキFの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 2重量部 分子量20000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 10重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 68重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキGの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 90重量部 分子量20000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 6重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 4重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキHの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 1重量部 分子量20000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 5重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 74重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキIの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 95重量部 分子量20000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 3重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 2重量部 (融点=75℃) (熱溶融性インキJの組成) ・エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン … 1重量部 分子量20000、平均粒径0.05μm ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 20重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 59重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃) また、エチレンアクリル酸共重合体の水系エマルジョン
にカーボンブラック、エチレン酢酸ビニル共重合体およ
びパラフィンワックスを同時に加えてビーズミルで分散
し、その後、混練した他は、上記の熱溶融性インキBと
同組成の熱溶融性インキB´を調整した。
【0029】上述のように調製した各熱溶融性インキに
ついて、使用したエチレンアクリル酸共重合体の分子
量、カーボンブラックに対するエチレンアクリル酸共重
合体の割合を下記の表1に示した。
【0030】また、比較として下記の組成の水/アルコ
ール系の熱溶融性インキKを調製した。
【0031】 (熱溶融性インキKの組成) ・ノニオン系界面活性剤 … 3重量部 ・カーボンブラック(平均粒径40nm) … 20重量部 ・エチレン酢酸ビニル共重合体の水系エマルジョン … 57重量部 ・パラフィンワックスの水系エマルジョン … 20重量部 (融点=75℃)熱転写シートの作製 基材として厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ(株)製ルミラー)上に、下記に示す
剥離層用インキをグラビアコーティング法により塗布量
が1g/m2 (固形分)となるように塗布して剥離層を
形成した。
【0032】 (剥離層用インキの組成) ・パラフィンワックス … 40重量部 ・マイクロクリスタリンワックス … 10重量部 この剥離層上に、上述のように調製した各熱溶融性イン
キをグラビアコーティング法により塗布量が1g/m2
(固形分)となるように塗布して熱溶融性インキ層を形
成した。形成した各熱溶融性インキ層について、エチレ
ンアクリル酸共重合体の含有量を下記の表1に示した。
【0033】
【表1】 また、基材の裏面に下記組成の背面層用インキをグラビ
アコーティング法により塗布量が0.1g/m2 (固形
分)となるように塗布して背面層を形成して、熱転写シ
ート(試料1〜12)を得た。
【0034】 (背面層用インキの組成) ・シリコン変性ウレタン樹脂 … 10重量部 ・ポリイソシアネート … 5重量部 ・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) … 85重量部 上記のようにして作製した各熱転写シート(試料1〜1
2)のロール状態での保存安定性を評価し、また、各熱
転写シート(試料1〜12)を用いて下記の印字条件で
印字を行い、印字品質および耐擦過性を評価して下記の
表2に結果を示した。
【0035】(保存安定性の評価方法)200m長の熱
転写シートを直径32mmのコアに熱溶融性インキ層側
を表にしてロール状に巻き取り、これを50℃、80%
RHの環境に2日間放置した後の状態を下記の基準で評
価した。
【0036】 評価基準 ◎:問題なし ○:熱溶融性インキ層と背面層が若干密着しているが 問題なし ×:熱溶融性インキ層が背面層に移行している (印字条件) ・印字装置 : シリアルプリンター ・印字エネルギー: 10mJ/dot (300dpi厚膜サーマルヘッド) ・印圧 : 2.0kg ・印字速度 : 100mm/秒 ・被転写体 : PPC用紙(ベック平滑度=40秒) (印字品質の評価方法)ベタ・細線・パターンを連続で
5枚印字し、ベタ転写性、細線のからみ、再現性を判断
した。
【0037】 評価基準 (ベタ部) − (細線部) ◎:問題なし − からみもなく良好である ○:多少白くなるがほぼ問題なし− 少しからむ又は欠ける △:白抜けが目立つ − からみ又は欠けが多い ×:かなり白抜けが発生する − かなりからむ又は未転写である (耐擦過性の評価方法)専用の評価機を用い、直径1c
mの鉄球に200gの荷重をかけ、印字物上を20回往
復して、印字物の耐性を評価した。
【0038】
【0039】
【表2】 表2に示されるように、熱転写シート(試料1〜9)の
なかで、熱溶融性インキ層に含有されるエチレンアクリ
ル酸共重合体が分子量1000〜30000の範囲内で
あり、かつ、熱溶融性インキ層におけるエチレンアクリ
ル酸共重合体の含有量が2〜90重量%の範囲内である
熱転写シート(試料1〜3、6、7)は、保存安定性が
良好であるとともに、印字品質が良好であり、また、耐
擦過性にも優れることが確認された。
【0040】また、上記の熱転写シート(試料6、8)
と熱転写シート(試料10)との対比から、熱溶融性イ
ンキのカーボンブラックとエチレンアクリル酸共重合体
との割合は、カーボンブラック100重量部に対して2
0重量部以上のエチレンアクリル酸共重合体で分散する
ことが好ましいことが確認された。
【0041】また、上記の熱転写シート(試料2)と熱
転写シート(試料11)との対比から、熱溶融性インキ
の製造段階で、まず、カーボンブラックをエチレンアク
リル酸共重合体エマルジョンで分散することが好ましい
ことが確認された。
【0042】さらに、水/アルコール系の熱溶融性イン
キKを用いた熱転写シート(試料12)では、印字品
質、印字物の耐擦過性がいずれも不十分なものであっ
た。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば基
材の少なくとも一方の面に、着色剤および分子量が10
00〜30000の範囲内にあるエチレンアクリル酸共
重合体を少なくとも含有し、かつ、エチレンアクリル酸
共重合体の含有量が2〜90重量%の範囲内である熱溶
融性インキ層を形成して熱転写シートとするので、熱溶
融性インキ層に含有されるエチレンアクリル酸共重合体
により着色剤は熱溶融性インキ層に均一に分散され、バ
インダ樹脂として高耐擦過性で低コストのバインダ樹脂
の使用が可能となり、保存安定性が高く高感度でありな
がら耐性が良好で、かつ、製造コストの低い熱転写シー
トが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートの一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の熱転写シートの他の例を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の熱転写シートの他の例を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の熱転写シートの他の例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1,11,21,31…熱転写シート 2…基材 3…熱溶融性インキ層 4…背面層 5…剥離層 6…プライマー層 7…表面層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に熱溶融性イ
    ンキ層を備え、該熱溶融性インキ層は少なくとも着色剤
    および分子量が1000〜30000の範囲内にあるエ
    チレンアクリル酸共重合体を含有し、かつ、前記エチレ
    ンアクリル酸共重合体の熱溶融性インキ層における含有
    量は2〜90重量%の範囲内であることを特徴とする熱
    転写シート。
  2. 【請求項2】 前記基材と前記熱溶融性インキ層との間
    にワックスを主成分とする剥離層を備えることを特徴と
    する請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記基材と前記熱溶融性インキ層との間
    にプライマー層を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の熱転写シート。
  4. 【請求項4】 前記熱溶融性インキ層上に表面層を備え
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載の熱転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190017525A (ko) * 2017-08-11 2019-02-20 주상명 열 전사인쇄용 조성물, 상기 조성물을 포함한 전사지 및 이를 이용한 전사방법

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