JP2001322359A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP2001322359A
JP2001322359A JP2000144809A JP2000144809A JP2001322359A JP 2001322359 A JP2001322359 A JP 2001322359A JP 2000144809 A JP2000144809 A JP 2000144809A JP 2000144809 A JP2000144809 A JP 2000144809A JP 2001322359 A JP2001322359 A JP 2001322359A
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transfer sheet
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cellulose ester
parts
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Yoshihiko Tamura
仁彦 田村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライクリーニングにおける塩素系溶剤等の
耐溶剤性、耐熱性、耐水性等における耐性に優れ、また
転写性が良好で、解像度の優れた印画物が得られる熱転
写シートを提供する。 【解決手段】 支持体上に、1層または2層以上の熱転
写層を形成する熱転写シートにおいて、熱転写層の少な
くとも1層に、ブチリル基含有量が10〜50質量%の
セルロースアセテートブチレート、及びプロピオニル基
含有量が20〜60質量%のセルロースアセテートプロ
ピオネートから選ばれる少なくとも1種以上のセルロー
スエステルを含有することにより、ドライクリーニング
における塩素系溶剤等の耐溶剤性、耐熱性、耐水性等に
おける耐性に優れ、また転写性が良好で、解像度の優れ
た印画物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体上に、熱溶
融性着色層を設けた熱転写シートに関し、さらに詳しく
は、耐溶剤性、耐熱性、耐水性等の各種耐性に優れた熱
転写画像が得られる熱転写シート及びその熱転写シート
と被転写体を組合わせた熱転写記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、パーソナルコンピュータやワード
プロセッサ等のハードコピーを熱転写方式により印字す
る場合、熱転写シートとして支持体の一方の面(表面)
に、ワックスに顔料を混合したインキを塗工装置で塗布
して、熱溶融性インキ層を設けた溶融型熱転写シートが
数多く利用されている。これらのワックスを主成分とし
た熱転写インキ層を有する熱転写シートは、背面からサ
ーマルヘッドのヒーターエレメントを画像形状にON・
OFF制御加熱して転写インキを溶融させ、その際に生
じるインキ層の接着性により被転写材に画像を形成する
ものであるため、転写層は、低融点材料から形成され
る。そのため、これらの熱転写シートによる印字物は、
擦れや引っ掻きに弱く、また、各種汎用溶剤に対する耐
久性も劣るため、耐スクラッチ性、耐溶剤性を必要とす
る用途には使用不可能であった。
【0003】それに対して、特開平1−226390号
公報には、熱転写性インク層中に水溶性ポリエステル樹
脂を含有させ、表面平滑性の低い被記録体に対しても、
転写欠けがなく、かつ切れ、定着性の高い転写像、つま
り耐擦過性の高い印字物が得られることが開示されてい
る。しかし、ここでは水溶性ポリエステルを添加剤とし
て使用しているため、十分な耐溶剤性を得るには至らな
い。また、特開平4−131284号公報には、熱溶融
性色材層に水溶性ポリマー及び/又はポリマーラテック
スを含有し、製造時の作業環境を改善でき、かつ生保存
性、耐溶剤性、耐擦過性に優れる熱転写記録媒体が開示
されている。しかし、ここでは水溶性ポリエステルを色
材を含む層に使用しているため、ポリエステル繊維等へ
の転写性が十分得られない。
【0004】さらに、特開平3−211090号公報に
は、支持体上に複数層からなる転写層を有する感熱転写
記録媒体において、転写層の少なくとも一層がガラス転
移温度が120℃以上の熱可塑性樹脂を主成分として含
有することにより、例えば、バーコード等の印字に好適
に使用できる耐溶剤性、耐擦過性、耐熱性等に優れた感
熱転写記録媒体となる。しかし、単にTg120℃以上
の樹脂を転写層の少なくとも1層に主成分として含有し
ただけでは、十分な耐溶剤性を得るには至らない。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】以上のような従来の
熱転写シートでは、得られる印字物において、クリーニ
ング溶媒(塩素系溶剤)等の耐溶剤性、耐熱性、耐水性
等における耐性が十分に満足できるものではない。した
がって、本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解
決し、ドライクリーニングにおける塩素系溶剤等の耐溶
剤性、耐熱性、耐水性等における耐性に優れ、また転写
性が良好で、解像度の優れた印画物が得られる熱転写シ
ートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、支持体上に、1
層または2層以上の熱転写層を形成する熱転写シートに
おいて、熱転写層の少なくとも1層に、ブチリル基含有
量が10〜50質量%のセルロースアセテートブチレー
ト、及びプロピオニル基含有量が20〜60質量%のセ
ルロースアセテートプロピオネートから選ばれる少なく
とも1種以上のセルロースエステルを含有することを特
徴とする。また、支持体上に、1層または2層以上の熱
転写層を形成する熱転写シートにおいて、熱転写層の少
なくも1層に、セルロースエステルを含有し、かつセル
ロースエステルのASTM D−1343で規定される
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリス
チレン換算数平均分子量が50000以下であることを
特徴とする。
【0007】さらに、支持体上に、1層または2層以上
の熱転写層を形成する熱転写シートにおいて、熱転写層
の少なくも1層に、セルロースエステルを含有し、かつ
セルロースエステルのASTM D−817で規定され
る落球粘度が10秒以下であることを特徴とする。前記
のセルロースエステルが、ブチリル基含有量が10〜5
0質量%のセルロースアセテートブチレート、及びプロ
ピオニル基含有量が20〜60質量%のセルロースアセ
テートプロピオネートから選ばれる少なくとも1種以上
であることが好ましい。また、前記のセルロースエステ
ルのガラス転移点が100℃以上であることが好まし
い。
【0008】前記のセルロースエステルが、融点200
℃以下のセルロースアセテートブチレートであることが
望ましい。また、前記の熱転写シートが、少なくとも着
色剤を含有する熱転写層と、着色剤を含有しない熱転写
層とを有し、かつ着色剤を含有しない熱転写層が支持体
から最も遠い位置に形成されていることが好ましい。
尚、上記の支持体から最も遠い位置に形成されている着
色剤を含有しない熱転写層としては、接着層が挙げられ
る。前記の2層以上からなる熱転写層のうちの1層が、
セルロースエステルを含有する組成物を有機溶媒に溶解
もしくは分散したインキを塗布して形成した層であり、
該熱転写層に隣接する熱転写層のうち少なくとも1層が
水を含む溶媒に溶解もしくは分散したインキを塗布して
形成した熱転写層であることが好ましい。ここで、上記
の水を含む溶媒に溶解もしくは分散したインキを塗布し
て形成した熱転写層として、剥離層、中間層、接着層の
いずれかが挙げられる。尚、セルロースエステルを含有
する組成物を有機溶媒に溶解もしくは分散したインキを
塗布して形成した層としては、着色層、中間層のいずれ
かが挙げられる。また、前記の着色剤を含有しない熱転
写層が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を酸成分中
に0.1〜15モル%の割合で有するポリエステル樹脂
を主成分として含有していることが好ましい。前記の水
を含む溶媒に溶解もしくは分散したインキが、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸を酸成分中に0.1〜15モ
ル%の割合で有するポリエステル樹脂を主成分として含
有していることが好ましい。
【0009】前記ポリエステル樹脂で、アルコール成分
のうちの50モル%以上がエチレングリコールとジエチ
レングリコールとから選ばれる1種以上のアルコールで
あることが好ましい。前記ポリエステル樹脂の数平均分
子量が30000以下であることが望ましい。また、前
記ポリエステル樹脂のガラス転移点が100℃以下であ
ることが好ましい。本発明は、熱転写シートと被転写体
との組み合わせからなる熱転写記録媒体において、前記
のいずれか1つの熱転写シートと被転写体を重ねて、熱
転写記録を行うことを特徴とする。また、本発明の熱転
写シートを用いて得られる印字物は、上記のいずれか1
つの熱転写シ−トを用いて、被転写体に熱転写記録が施
されたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱転写シートの好
ましい実施形態を挙げて、更に詳しく説明する。図1は
本発明の熱転写シートである一つの実施形態を示す断面
図である。図1において、支持体1上に熱転写層とし
て、着色層2を設け、該支持体の他方の面に背面層3を
形成したものである。また、図2は本発明の熱転写シー
トである他の実施形態を示す断面図であり、支持体1上
に熱転写層として、中間層4、着色層2を順次設け、該
支持体の他方の面に背面層3を形成したものである。
【0011】図3は、本発明の熱転写シートである他の
実施形態を示す断面図であり、支持体1上に熱転写層と
して、着色層2、接着層5を順次設け、該支持体の他方
の面に背面層3を形成したものである。また、図4に示
すような実施形態として、支持体1上に熱転写層とし
て、中間層4、着色層2、接着層5を順次設け、該支持
体の他方の面に背面層3を形成することができる。さら
に、図5に示すような実施形態として、支持体1上に熱
転写層として、剥離層6、着色層2を順次設け、該支持
体の他方の面に背面層3を形成することができる。
【0012】また、本発明の熱転写シートでは、図6に
示すような実施形態をとることができ、すなわち支持体
1上に熱転写層として、剥離層6、中間層4、着色層2
を順次設け、該支持体の他方の面に背面層3を形成する
ことができる。図7は、本発明の熱転写シートである他
の実施形態を示す断面図であり、支持体1上に熱転写層
として、剥離層6、着色層2、接着層5を順次設け、該
支持体の他方の面に背面層3を形成したものである。さ
らに、図8に示すような実施形態として、支持体1上に
熱転写層として、剥離層6、中間層4、着色層2、接着
層5を順次設け、該支持体の他方の面に背面層3を形成
することができる。
【0013】以上の図示した実施形態のように、本発明
の熱転写シートは、熱転写層として、剥離層、中間層、
着色層、接着層の中で、着色層は必須であり、その他の
層は必要に応じて形成することができる。以下に本発明
の熱転写シートを構成する各層について、説明する。 〔支持体〕本発明で用いる支持体1としては、従来の熱
転写シートに用いられている支持体と同じ物でよく、特
に限定はない。好ましい支持体の具体例としては、例え
ばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ
ート等のポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポ
リカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹
脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィル
ム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等
が挙げられ、また、これらのいずれかを複合した支持体
であってもよい。このような支持体1の厚さは、使用す
る材料に応じて強度および熱伝導性が適切になるように
適宜選択することができ、例えば2〜25μm程度が好
ましい。
【0014】〔着色層〕本発明の熱転写シートの支持体
上に設ける着色層2の厚さは、0.1μm〜5.0μm
程度が好ましく、バインダーとしての樹脂成分と着色剤
とを含有しており、更に必要に応じて、種々の添加剤を
加えたものである。着色層に用いるバインダー樹脂とし
ては、セルロースエステル、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアルキルアクリレー
ト、ポリアルキルメタクリレート等のアクリル系樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂
等の塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、
天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、
クロロプレンゴムなどのエラストマー類が挙げられる。
特に、上記のバインダー樹脂の中でもセルロースエステ
ルを用いることが、得られる印字物のクリーニング溶媒
(塩素系溶剤)等の耐溶剤性、耐熱性、耐水性等におけ
る耐性が強く、好ましい。バインダーとして用いられる
樹脂成分として、セルロースエステルを使用する際に、
該セルロースエステルのASTM D−1343で規定
されるゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる
ポリスチレン換算数平均分子量が50000以下である
ものが用いられる。また、着色剤のバインダー樹脂とし
て、セルロースエステルでASTM D−817で規定
される落球粘度が10秒以下であるものが用いられる。
上記のようにセルロースエステルのポリスチレン換算数
平均分子量が50000以下、あるいは落球粘度が10
秒以下であると、印字おける転写性に優れ、解像度の良
好な画像が得られる。
【0015】上記のセルロースエステルとしては、セル
ロースの3個の水酸基を、硝酸、酢酸、プロピオン酸、
酪酸、その他高級脂肪酸等の酸で適度にエステル化した
ものが用いられ、ニトロセルロース、酢酸セルロース、
セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセ
テートブチレート等が好ましく用いられる。セルロース
アセテートブチレートではブチリル基を10〜50質量
%含有しているものが、またセルロースアセテートプロ
ピオネートではプロピオニル基を20〜60質量%含有
しているものが、印字物におけるドライクリーニングに
おける塩素系溶剤等の耐溶剤性に優れたものとなる。上
記のセルロースエステルのガラス転移点が100℃以上
のものが好ましく、耐熱性に優れた印字が得られる。
尚、セルロースエステルのガラス転移点の上限は180
℃程度である。また、上記のセルロースエステルのセル
ロースアセテートブチレートにおける融点が200℃以
下で、下限は100℃程度のものが好ましく用いられ、
印字の転写性、耐熱性等に優れたものとなる。
【0016】着色層のバインダー樹脂として、上記のよ
うなポリスチレン換算数平均分子量や落球粘度による規
定とは関係なく、ブチリル基含有量が10〜50質量%
のセルロースアセテートブチレート、及びプロピオニル
基含有量が20〜60質量%のセルロースアセテートプ
ロピオネートから選ばれる少なくとも1種以上のセルロ
ースエステルを含有することが好ましい。これによっ
て、耐溶剤性、耐熱性、耐水性等の各種耐性に優れた熱
転写画像が得られる。
【0017】着色剤としては、公知の有機または無機の
顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、
例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、
退色しないものが好ましい。また、加熱により発色する
物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触す
ることにより発色するような物質であってもよい。さら
に、着色剤の色としては、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着
色剤を使用することができる。着色層に含有される樹脂
成分と着色剤との質量比は15:85〜95:5、更に
好ましくは25:75〜90:10の範囲にあることが
好ましい。また、添加剤として、ワックス類、高級脂肪
酸のアミド、エステルまたは塩、フッ素樹脂、無機物質
の粉末等を添加してもよい。
【0018】〔背面層〕また、支持体の他方の面に、サ
ーマルヘッドの粘着を防止し、且つ、滑り性を良くする
ために、背面層3を設けることも可能である。この背面
層は、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒
子、有機粒子、顔料等を添加したものを、好適に使用
し、形成される。背面層に使用されるバインダー樹脂
は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿など
のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリ
ルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などの
ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン樹脂等が挙げ
られる。これらの中で、数個の反応性基、例えば、水酸
基を有しているものを使用し、架橋剤として、ポリイソ
シアネートなどを利用して、架橋させて用いてもよい。
背面層を形成する手段は、上記のごとき、バインダー樹
脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等
を添加した材料を、適当な溶剤中に溶解または分散させ
て、塗工液を調製し、この塗工液をグラビアコーター、
ロールコーター、ワイヤーバーなどの慣用の塗工手段に
より、塗工し、乾燥するものである。
【0019】〔中間層〕本発明の熱転写シートでは、支
持体と着色層との間に、中間層4を設けることができ、
印字された画像の表面がこの中間層4により保護される
ことになって、耐溶剤性、耐熱性、耐水性等の各種耐性
に優れた熱転写画像が得られる。中間層は、バインダー
と必要に応じて添加剤を加えることができる。中間層の
バインダーは樹脂成分を主体とし、ワックス成分も含有
させることができる。中間層に用いられるバインダー樹
脂成分としては、上記の着色層で説明したセルロースエ
ステルを含有させることができ、またその他の従来公知
の樹脂成分も使用できる。その他の樹脂成分として、例
えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体(EEA)、ポリ酢酸
ビニル、アクリル樹脂(アクリル酸及びそのエステル、
アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸及び
そのエステル等の重合体および共重合体)、ポリスチレ
ン、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等の
ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、石油樹脂、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニリデン樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリカ
ーボネート、フッ素樹脂、ポリイソブチレン等の耐熱性
の高い公知の熱可塑性樹脂或いはメラミン樹脂、ウレタ
ン樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。
【0020】添加剤としては、例えば、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タル
ク、マイカ、カオリン等、あるいはカーボン、グラファ
イト、二硫化モリブデン、銅、銀、ニッケル、アルミニ
ウム等の熱伝導性機能も有する物質等の無機微粉末、あ
るいはポリスチレン、ポリアミド等の有機微粒子等が挙
げられる。これらのなかでも、分散安定性、マット形状
等の点でシリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボ
ン等が好ましい。また、微分体の粒径は0.1〜10μ
mの範囲が好ましい。中間層の厚みは0.1〜5μm程
度であれば足りる。薄すぎれば所望の性能が得らず、厚
すぎると印字エネルギーが多量に必要になり、印字濃度
が低くなる。
【0021】〔接着層〕本発明の熱転写シートは、着色
層の上に接着層5を設けることができる。接着層は、受
像シートと転写される着色層との接着性を向上させるこ
とができる。本発明の接着層は、着色剤を含有しない熱
転写層として、かつ着色剤を含有しない熱転写層として
支持体から最も遠い位置に形成されているものである。
上記の着色剤を含有しない熱転写層が、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸を酸成分中に0.1〜15モル%の
割合で有するポリエステル樹脂を主成分として含有して
いることが好ましく、より優れた接着性を有するものと
なる。
【0022】上記ポリエステル樹脂は、アルコール成分
のうちの50モル%以上がエチレングリコールとジエチ
レングリコールとから選ばれる1種以上のアルコールで
あることが望ましい。但し、上記ポリエステル樹脂は、
アルコール成分の全てがエチレングリコール及び/また
はジエチレングリコールであっても良い。また、接着層
で使用するポリエステル樹脂の数平均分子量は3000
0以下であることが望ましい。また、該ポリエステル樹
脂の数平均分子量の下限としては、2000程度であ
り、数平均分子量が上記範囲より大きいと、印字時での
熱感度が低下し、高解像度の画像が得られなくなってく
る。一方、数平均分子量が上記範囲より小さいと、被転
写体への定着性が劣ってきて、転写画像の耐摩耗性等の
耐性が低下してくる。
【0023】さらに、接着層のポリエステル樹脂は、そ
のガラス転移点が100℃以下であることが好ましく用
いられる。尚、そのポリエステル樹脂のガラス転移点の
下限は30℃程度であり、そのガラス転移点が高すぎる
と、被転写体への定着性が不十分になり、また印字時の
熱感度が低下してくる。一方で、接着層のポリエステル
樹脂のガラス転移点が低すぎると、熱転写シートの巻取
りの保存時に熱転写シートの背面側に熱転写層(接着
層)が裏移り(ブロッキング)現象が生じ易くなり、好
ましくない。この接着層は、サーマルヘッド、レーザー
等の加熱により、軟化して接着性を発揮する、上記に挙
げたようなポリエステル樹脂を主体とし、ポリエチレン
ワックス等のワックス類、ステアリン酸亜鉛等の高級脂
肪酸金属塩、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド
等の油脂類、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラ
ー、フッ素系フィラーや、シリカ、炭酸カルシウム、水
酸化マグネシウムやクレー等の無機フィラーを添加する
ことができる。
【0024】接着層のバインダー樹脂としては、上記に
説明したポリエステル樹脂を主体とし、以下に説明する
熱可塑性樹脂を加えて使用することができる。その熱可
塑性樹脂は、サーマルヘッド、レーザー等の加熱によ
り、軟化して接着性を発揮するもので、上記の着色層で
説明したセルロースエステルや、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体(EEA)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
プロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコー
ル、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂(アクリル酸及
びそのエステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、
メタクリル酸及びそのエステル等の重合体および共重合
体)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリビニルフォ
ルマール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポ
リイソブチレン、ポリアセタール、アイオノマーなどが
挙げられる。また、接着層のバインダー樹脂は、上記に
説明したポリエステル樹脂を用いないで、上記に挙げた
サーマルヘッド、レーザー等の加熱により、軟化して接
着性を発揮する熱可塑性樹脂を主体にして、構成するこ
とも可能である。
【0025】接着層の形成は、上記の熱可塑性樹脂と添
加剤をホットメルトコートまたは適当な有機溶剤または
水に溶解または分散した接着層形成用塗工液を、従来公
知のホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラ
ビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイ
フコート、エアコート、ロールコート等の方法により、
乾燥状態で厚さ0.05〜5μmを設けるものである。
乾燥塗膜の厚さが、0.05μm未満の場合、受像シー
ト及び着色層との接着性が劣り、印字の際に転写不良と
なる。また、厚さが5μmを越えた場合、印字時の転写
感度が低下し、満足のいく印字品質が得られない。
【0026】〔剥離層〕本発明で用い、上記支持体1上
に形成することができる剥離層6は、熱転写時に溶融し
て着色層の剥離性を良くし、転写後は転写画像の表面に
少なくとも一部が着色層と共に転写され、着色層の保護
層、特に転写画像に良好な滑り性を与えて、転写画像の
耐擦過性を向上させる作用をする。剥離層は、例えば、
剥離性に優れたアクリル樹脂、シリコーン樹脂、弗素樹
脂、シリコーン或は弗素で変性した各種の樹脂が使用出
来るが、好ましいものはワックスである。かかるワック
スとしては、印字時に溶融して剥離性を発揮する各種の
ワックスが好ましい。好適に使用されるワックスとして
は、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバ
ワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシ
ュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツ
ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワック
ス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性
ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワ
ックスが挙げられる。特に好ましいワックスは比較的融
点が高く且つ溶剤に溶けにくいマイクロクリスタリンワ
ックス及びカルナバワックス等である。上記剥離層は熱
転写シートの感度を低下させることがないように薄い
層、例えば、乾燥状態で0.1〜2μm程度の厚みであ
るのが好ましい。
【0027】以上説明してきた熱転写シートと組み合せ
て用いる被転写体(受像シート)としては、紙、フィル
ム、布等が目的に応じて用いられるが、耐洗たく性が要
求される用途には、クリーニング溶媒に溶解しない物質
を主成分とした紙、フィルム、布が用いられる。被転写
体の基材としては厚さ30〜200μm程度のプラスチ
ックフィルム(合成紙を含む)、基材内部にミクロボイ
ドを有するフィルム、布、不織布、紙等が使用できる。
プラスチックフィルムには、ポリエステル、ポリプロピ
レン、三弗化エチレン、テトラクロロエチレン、ポリカ
ーボネート、ナイロン6、ナイロン12、ポリ塩化ビニ
リデン、セルローストリアセテート等の耐熱性に優れた
フィルム等が例示でき、その他、白色顔料等を添加して
白色化したり、表面のマット効果或いは白色顔料を含む
塗料で塗布して白色化したもの等が使用できる。基材内
部にミクロボイドを有するフィルムは、上記の耐熱性フ
ィルムの中に発泡剤を含有させ加熱発泡させたものであ
る。布については従来公知のもの、例えばレーヨン、ア
セテート、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロ
ン、ポリプロピレン、サラン等の人造繊維、あるいは、
綿、絹、麻、羊毛等の天然繊維等が使用出来る。不織布
は上記の人造・天然繊維の繊維を薄くならべて接着剤で
接着して布状にしたものである。
【0028】本発明で、熱転写シートをクリーニング用
タグの印字で使用する場合、紙については、洗濯性に良
い耐洗紙が好ましい。耐洗紙スーパーキャレンダー等を
して平滑化することが望ましい。基材はそれ自体クリー
ニング溶媒に溶解しないで、かつ、アイロンの温度(熱
150℃)に耐える耐熱性が必要である。尚、プラスチ
ックフィルムや布を被転写体に使用する場合、熱転写シ
ートからの転写層の定着性を高め、また受像面の平滑性
を高める等のために、クリーニング溶媒に溶解しない物
質を主成分とする受容層を設けることが望ましい。本発
明の印字物は、クリーニング用途だけでなく、電子部品
用の商品タグ、製造工程管理用のタグ等、耐溶剤性、耐
熱性、耐水性等の各種耐性の要求される用途に使用で
き、被転写体としては紙、プラスチックフィルム、布等
の基材に対し、熱可塑性樹脂あるいは熱可融性物質等を
塗布して受容層を設けたり、熱可塑性樹脂あるいは熱可
融性物質等を基材に対し、含浸や練り込み等したものが
好ましく用いられる。
【0029】上記の基材に受容層を設ける場合、受容層
で用いる熱可塑性樹脂としては、ポリビニルブチラー
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体樹脂、フッ素系樹脂、
ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、NBR、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ア
クリル樹脂(アクリル酸及びそのエステル、アクリルア
ミド、アクリロニトリル、メタクリル酸及びそのエステ
ル等の重合体および共重合体)、ポリウレタン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。また、
クリーニング用途で用いる場合は、クリーニング溶媒に
溶解しない樹脂として、特にポリアミド、ポリウレタン
樹脂が好ましい。また、受容層で用いる熱可融性物質と
しては、次のものが挙げられる。カルナバワックス、酸
化ポリエチレンワックス、キャンデリラワックス、ライ
スワックスなどのワックス類、フタル酸誘導体、脂肪酸
誘導体、フェノール誘導体、トリメリット酸誘導体、ス
ルホン誘導体、リン酸誘導体、グリコール誘導体、パラ
フィン誘導体、エポキシ誘導体、アジピン酸系ポリエス
テル、低分子量ポリエチレン、カルバミン酸ブチルなど
の可塑剤類、ビスフェノールS型、ビスフェノールA
型、ビスフェノールF型、オルソクレゾールノボラック
型、臭素化フェノールノボラック型、多官能型、脂環型
などのエポキシ樹脂類、分岐ポリエステル、ポリオール
類、樟脳、ステアリン酸、BPAなど。
【0030】また、受容層には、上記の熱可塑性樹脂あ
るいは熱可融性物質の他にも、被転写体の白色度あるい
は熱転写性を向上させるために酸化チタン、シリカ、ア
ルミナ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の白色顔料等、必
要に応じて、添加剤を加えることができる。前記受容層
材料は適当な溶媒に溶解あるいは分散させて使用するか
又は溶融分散させて使用する。このような被転写体の基
材上に設ける受容層の厚さは0.3〜5μm程度であ
る。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例及び比較例を挙げて、よ
り詳細に説明する。但し、ここでの部及び%は断りのな
い限り、質量基準である。 (実施例及び比較例)支持体として厚さ4.5μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラ
ー)を準備し、この支持体の一方の面に下記の組成を有
する背面層用インキを塗布乾燥させて背面層を形成し
た。(背面層用インキ:塗布量0.15g/m2
【0032】 〔背面層用インキ〕 スチレン/アクリロニトリル共重合体 6.0部 (セビアンAD、ダイセル化学(株)製) 線状飽和ポリエステル 0.3部 (エリエールUB3200、ユニチカ(株)製) ジンクステアリルホスフェート 3.0部 (LBT1830、堺化学(株)製) 尿素樹脂架橋粉末 3.0部 (有機フィラー、粒径0.14μm、日本化成(株)製) メラミン樹脂架橋粉末 1.5部 (エポスターS、粒径0.3μm、日本触媒化学(株)製) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比)) 86.2部
【0033】以下、支持体の背面層が設けられている面
と、反対側に剥離層を0.3μm、中間層を0.3μ
m、着色層を0.8μm、接着層を0.2μmの厚さ
(乾燥時)で、形成した。すなわち、実施例1〜40及
び比較例1〜3で用いる各層のインキは表1及び表2に
示す組合わせで、インキ組成は以下に示す。
【表1】
【表2】
【0034】 〔剥離層用インキ1〕 カルナバワックスエマルジョン(固形分40%) 5部 エチルアルコール/水(2/1;質量比) 10部
【0035】〔中間層用インキ1〕下記に示すポリエス
テル1の水/IPA混合溶液分散体(固形分30%) 〔中間層用インキ2〕下記に示すポリエステル2の水/
IPA混合溶液分散体(固形分30%) 〔中間層用インキ3〕下記に示すポリエステル3の水/
IPA混合溶液分散体(固形分30%) 〔中間層用インキ4〕下記に示すポリエステル4の水/
IPA混合溶液分散体(固形分30%) 〔中間層用インキ5〕下記に示すポリエステル5の水/
IPA混合溶液分散体(固形分30%)
【0036】〔中間層用インキ6〕表3に示すセルロー
スエステル1のトルエン/MEK混合溶液(固形分20
%) 〔中間層用インキ7〕表3に示すセルロースエステル2
のトルエン/MEK混合溶液(固形分20%) 〔中間層用インキ8〕表3に示すセルロースエステル3
のトルエン/MEK混合溶液(固形分20%)
【0037】〔中間層用インキ9〕表3に示すセルロー
スエステル4のトルエン/MEK混合溶液(固形分5
%) 〔中間層用インキ10〕表3に示すセルロースエステル
5のトルエン/MEK混合溶液(固形分20%) 〔中間層用インキ11〕表3に示すセルロースエステル
6のトルエン/MEK混合溶液(固形分5%) 〔中間層用インキ12〕表3に示すセルロースエステル
7のトルエン/エタノール混合溶液(固形分20%)
【0038】〔中間層用インキ13〕表3に示すセルロ
ースエステル8のトルエン/MEK混合溶液(固形分2
0%) 〔中間層用インキ14〕 表3に示すセルロースエステル1 15部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分15%) 30部 トルエン/MEK混合溶液 75部 〔中間層用インキ15〕 表3に示すセルロースエステル3 15部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分15%) 30部 トルエン/MEK混合溶液 75部
【0039】 〔中間層用インキ16〕 BR83(三菱レイヨン(株)製、メタクリレート樹脂) 15部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分15%) 30部 トルエン/MEK混合溶液 75部 〔中間層用インキ17〕 BR80(三菱レイヨン(株)製、メタクリレート樹脂) 15部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分15%) 30部 トルエン/MEK混合溶液 75部 〔中間層用インキ18〕 表3に示すセルロースエステル9 15部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分15%) 30部 トルエン/MEK混合溶液 75部
【0040】 〔着色層用インキ1〕 表3に示すセルロースエステル1 20部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ2〕 表3に示すセルロースエステル2 20部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ3〕 表3に示すセルロースエステル3 20部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ4〕 表3に示すセルロースエステル4 10部 カーボンブラック溶剤分散体 50部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 90部
【0041】 〔着色層用インキ5〕 表3に示すセルロースエステル1 20部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 50部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ6〕 表3に示すセルロースエステル2 20部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 50部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ7〕 表3に示すセルロースエステル3 20部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 50部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部
【0042】 〔着色層用インキ8〕 表3に示すセルロースエステル5 20部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 50部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ9〕 表3に示すセルロースエステル6 10部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 25部 カーボンブラック溶剤分散体 50部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 90部 〔着色層用インキ10〕 表3に示すセルロースエステル7 20部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 50部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/エタノール混合溶液 90部
【0043】 〔着色層用インキ11〕 表3に示すセルロースエステル8 20部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 50部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ12〕 表3に示すセルロースエステル1 10部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 25部 マゼンタ顔料溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Magenta 1038;固形分10%) トルエン/MEK混合溶液 40部 〔着色層用インキ13〕 表3に示すセルロースエステル2 10部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 25部 マゼンタ顔料溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Magenta 1038;固形分10%) トルエン/MEK混合溶液 40部 〔着色層用インキ14〕 表3に示すセルロースエステル3 10部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 25部 マゼンタ顔料溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Magenta 1038;固形分10%) トルエン/MEK混合溶液 40部
【0044】 〔着色層用インキ15〕 BR83(三菱レイヨン(株)製、メタクリレート樹脂) 20部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ16〕 BR80(三菱レイヨン(株)製、メタクリレート樹脂) 20部 カルナバワックスのMEK分散体(固形分10%) 50部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部
【0045】 〔着色層用インキ17〕 表3に示すセルロースエステル9 20部 カーボンブラック溶剤分散体 100部 (御国色素製、MHI Black 201;固形分37%) トルエン/MEK混合溶液 80部 〔着色層用インキ18〕 下記に示すポリエステル1の水/IPA混合溶液分散体 40部 (固形分30%) カーボンブラック水分散体(固形分20%) 100部
【0046】 〔接着層用インキ1〕 下記に示すポリエステル1の水/IPA混合溶液分散体 100部 (固形分30%) 〔接着層用インキ2〕 下記に示すポリエステル2の水/IPA混合溶液分散体 100部 (固形分30%) 〔接着層用インキ3〕 下記に示すポリエステル3の水/IPA混合溶液分散体 100部 (固形分30%) 〔接着層用インキ4〕 下記に示すポリエステル4の水/IPA混合溶液分散体 100部 (固形分30%) 〔接着層用インキ5〕 下記に示すポリエステル5の水/IPA混合溶液分散体 100部 (固形分30%) 〔接着層用インキ6〕 下記に示すポリエステル6のトルエン/MEK混合溶液 100部 (固形分30%)
【0047】 〔ポリエステル1〕 テレフタル酸 48 イソフタル酸 48 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 4 エチレングリコール 80 ジエチレングリコール 20 上記の酸成分及びアルコール成分を上記モル比で重合さ
せて得られる数平均分子量5000のポリエステル。 〔ポリエステル2〕水分散型ポリエステル1と同様の酸
成分及びアルコール成分を同様のモル比で重合させて得
られる数平均分子量1000のポリエステル。 〔ポリエステル3〕水分散型ポリエステル1と同様の酸
成分及びアルコール成分を同様のモル比で重合させて得
られる数平均分子量2000のポリエステル。
【0048】 〔ポリエステル4〕 テレフタル酸 64 イソフタル酸 32 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 4 エチレングリコール 80 ジエチレングリコール 20 上記の酸成分及びアルコール成分を上記モル比で重合さ
せて得られる数平均分子量10000のポリエステル。 〔ポリエステル5〕 テレフタル酸 48 イソフタル酸 48 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 4 エチレングリコール 60 ジエチレングリコール 40 上記の酸成分及びアルコール成分を上記モル比で重合さ
せて得られる数平均分子量10000のポリエステル。 〔ポリエステル6〕 テレフタル酸 50 イソフタル酸 50 エチレングリコール 60 ネオペンチルグリコール 40 上記の酸成分及びアルコール成分を上記モル比で重合さ
せて得られる数平均分子量10000のポリエステル。
【0049】
【表3】
【0050】〔印字及び評価〕上記のように作製した熱
転写シートを用いて、以下の条件で印字した。 (印字条件) プリンター;評価用プリンター ライン速度;5msec/line パルスデューティ;80% 電圧;20V サーマルヘッド抵抗値;3100Ω (被転写体) ポリエステルサテン布 (印字方法)被転写体と作製した熱転写シートを重ね合
わせて、上記の印字条件にて、1cm×1cm四方のベ
タ画像を階調80、90、100、110、120、1
30、140、150、160でそれぞれ印字した。
【0051】上記の実施例及び比較例の各印字物に対
し、下記の通り、耐トリクロロエチレン性及び定着性に
ついて、評価を行った。 (耐トリクロロエチレン性)各印字物をトリクロロエチ
レンとともにポリ容器に入れ、振動試験機で10分間振
動攪拌を行った後、印字画像の欠損を目視にて観察し
た。評価の基準は以下の通りである。 ○:階調値120以上の領域で、多少濃度低下はあって
も、印字画像の欠損が殆ど無い状態である。 ×:階調値120以上の領域で、濃度低下が著しく、印
字画像が殆ど欠損した状態である。
【0052】(定着性)上記の条件で印字した印字物の
印字部上に、セロハンテープを指で1回擦って貼付し、
そのテープを180°剥離角度で手により引張って剥が
した後で、印字物の画像欠損の状態を目視にて観察し
た。評価の基準は以下の通りである。 ○:階調値120以上の領域で、画像欠損及びセロハン
テープへの画像移行が殆ど無い状態である。 △:階調値120以上の領域で、画像欠損があり、セロ
ハンテープへ画像の半分以上が移行した状態である。 ×:階調値120以上の領域で、画像欠損及びセロハン
テープへの画像移行が著しく多い状態である。
【0053】評価結果を下記表4及び表5に示す。
【表4】
【表5】
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明は、支持体上に、
1層または2層以上の熱転写層を形成する熱転写シート
において、熱転写層の少なくとも1層に、ブチリル基含
有量が10〜50質量%のセルロースアセテートブチレ
ート、及びプロピオニル基含有量が20〜60質量%の
セルロースアセテートプロピオネートから選ばれる少な
くとも1種以上のセルロースエステルを含有することに
より、ドライクリーニングにおける塩素系溶剤等の耐溶
剤性、耐熱性、耐水性等における耐性に優れ、また転写
性が良好で、解像度の優れた印画物が得られる。
【0055】また、支持体上に、1層または2層以上の
熱転写層を形成する熱転写シートにおいて、熱転写層の
少なくも1層に、セルロースエステルを含有し、かつセ
ルロースエステルのASTM D−1343で規定され
るゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリ
スチレン換算数平均分子量が50000以下である、ま
たは同様の条件で、セルロースエステルのASTM D
−817で規定される落球粘度が10秒以下であること
により、耐溶剤性、耐熱性、耐水性等の各種耐性を有
し、転写性が良好で、解像度の優れた熱転写画像が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートである一つの実施形態を
示す断面図である。
【図2】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図3】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図4】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図5】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図6】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図7】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図8】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 着色層 3 背面層 4 中間層 5 接着層 6 剥離層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、1層または2層以上の熱転
    写層を形成する熱転写シートにおいて、熱転写層の少な
    くとも1層に、ブチリル基含有量が10〜50質量%の
    セルロースアセテートブチレート、及びプロピオニル基
    含有量が20〜60質量%のセルロースアセテートプロ
    ピオネートから選ばれる少なくとも1種以上のセルロー
    スエステルを含有することを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 支持体上に、1層または2層以上の熱転
    写層を形成する熱転写シートにおいて、熱転写層の少な
    くも1層に、セルロースエステルを含有し、かつセルロ
    ースエステルのASTM D−1343で規定されるゲ
    ルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチ
    レン換算数平均分子量が50000以下であることを特
    徴とする熱転写シート。
  3. 【請求項3】 支持体上に、1層または2層以上の熱転
    写層を形成する熱転写シートにおいて、熱転写層の少な
    くも1層に、セルロースエステルを含有し、かつセルロ
    ースエステルのASTM D−817で規定される落球
    粘度が10秒以下であることを特徴とする熱転写シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記のセルロースエステルが、ブチリル
    基含有量が10〜50質量%のセルロースアセテートブ
    チレート、及びプロピオニル基含有量が20〜60質量
    %のセルロースアセテートプロピオネートから選ばれる
    少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載する熱転写シート。
  5. 【請求項5】 前記のセルロースエステルのガラス転移
    点が100℃以上であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1つに記載する熱転写シート。
  6. 【請求項6】 前記のセルロースエステルが、融点20
    0℃以下のセルロースアセテートブチレートであること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載する熱
    転写シート。
  7. 【請求項7】 前記の熱転写シートが、少なくとも着色
    剤を含有する熱転写層と、着色剤を含有しない熱転写層
    とを有し、かつ着色剤を含有しない熱転写層が支持体か
    ら最も遠い位置に形成されていることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか1つに記載する熱転写シート。
  8. 【請求項8】 前記の2層以上からなる熱転写層のうち
    の1層が、セルロースエステルを含有する組成物を有機
    溶媒に溶解もしくは分散したインキを塗布して形成した
    層であり、該熱転写層に隣接する熱転写層のうち少なく
    とも1層が水を含む溶媒に溶解もしくは分散したインキ
    を塗布して形成した熱転写層であることを特徴とする請
    求項1〜7のいずれか1つに記載する熱転写シート。
  9. 【請求項9】 前記の着色剤を含有しない熱転写層が、
    5−ナトリウムスルホイソフタル酸を酸成分中に0.1
    〜15モル%の割合で有するポリエステル樹脂を主成分
    として含有していることを特徴とする請求項7に記載す
    る熱転写シート。
  10. 【請求項10】 前記の水を含む溶媒に溶解もしくは分
    散したインキが、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を
    酸成分中に0.1〜15モル%の割合で有するポリエス
    テル樹脂を主成分として含有していることを特徴とする
    請求項8に記載する熱転写シート。
  11. 【請求項11】 前記ポリエステル樹脂で、アルコール
    成分のうちの50モル%以上がエチレングリコールとジ
    エチレングリコールとから選ばれる1種以上のアルコー
    ルであることを特徴とする請求項9または10に記載す
    る熱転写シート。
  12. 【請求項12】 前記ポリエステル樹脂の数平均分子量
    が30000以下であることを特徴とする請求項9〜1
    1のいずれか1つに記載する熱転写シート。
  13. 【請求項13】 前記ポリエステル樹脂のガラス転移点
    が100℃以下であることを特徴とする請求項9〜12
    のいずれか1つに記載する熱転写シート。
  14. 【請求項14】 熱転写シートと被転写体との組み合わ
    せからなる熱転写記録媒体において、請求項1〜13の
    いずれか1つの熱転写シートと被転写体を重ねて、熱転
    写記録を行うことを特徴とする熱転写記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記請求項1〜13のいずれか1つの
    熱転写シ−トを用いて、被転写体に熱転写記録が施され
    たことを特徴とする印字物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2016175247A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 凸版印刷株式会社 感熱転写記録媒体
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CN114312064A (zh) * 2021-12-27 2022-04-12 湖南鼎一致远科技发展有限公司 一种可快速打印的热转印树脂碳带及其制备方法

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