JPH11277134A - コイルの巻取方法及び装置 - Google Patents

コイルの巻取方法及び装置

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JPH11277134A
JPH11277134A JP10079924A JP7992498A JPH11277134A JP H11277134 A JPH11277134 A JP H11277134A JP 10079924 A JP10079924 A JP 10079924A JP 7992498 A JP7992498 A JP 7992498A JP H11277134 A JPH11277134 A JP H11277134A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板厚の薄いコイルを高速で巻き取る際にコイ
ルに腹伸びによる形状不良が発生しないようにして歩留
りの向上を図る。 【解決手段】 巻取終了前にコイル5の外巻面にラッパ
ーロール6を押し付けてコイル5の回転を制動し、これ
により、巻取終了時に該コイル5の回転を短時間で停止
させるようにしたコイルの巻取方法において、ラッパー
ロール6の押し付け力を10〜50kNとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延のように
高速で圧延されたストリップを高速でコイルに巻き取る
際のコイルの巻取方法及び装置に関し、特に巻取終了前
にコイルの外巻面にラッパーロールを押し付けて前記コ
イルの回転を制動し、これにより、巻取終了時に該コイ
ルの回転を短時間で停止させるようにしたコイルの巻取
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延ラインでは、熱間圧延されたス
トリップを仕上圧延機の下流側に配置した巻取機により
巻き取ってコイルとしている。従来は、一本の被圧延材
を仕上圧延すると、圧延した被圧延材を一つのコイルに
前記巻取機により巻き取っていた。前記被圧延材の先端
部や尾端部といった非定常部は、被圧延材の形状制御や
蛇行制御が困難である、また、近年、熱間圧延されるス
トリップの薄物化が求められているが、圧延されるスト
リップの厚さが薄くなると前記形状制御や前記蛇行制御
はますます困難になる。このため、一本の被圧延材の重
量を大きくしたり、前記仕上圧延機の入側で先行する被
圧延材と後行する被圧延材とを接合したりして、1回の
仕上圧延にて圧延される重量を大きくして、前記非定常
部の占める割合を小さくすることが行われている。
【0003】この場合、巻取機が1回に巻き取ることが
できる重量には限度があるため、前記巻取機を複数台配
置するとともに、仕上圧延機と巻取機との間にストリッ
プシャーを設けて、熱間仕上圧延機から送り出されたス
トリップを該ストリップシャーで所定長さに切断した
後、複数台の巻取装置によって交互にコイル状に巻き取
る。この時、次の巻取装置によるコイルの巻き取りを開
始するまでの時間を短縮すべく、現在の巻取装置による
コイルの巻き取りが終了したらできるだけ短時間でコイ
ルの回転を停止させる必要がある。
【0004】かかる要請に応えるコイルの巻取装置とし
ては、例えば、特開平5−154550号公報に記載の
ものが開示されている。このコイルの巻取装置は、図6
に示すように、複数のラッパーロールaをコイルbの外
巻面に対して接近離間移動可能に配設し、巻取終了前に
該ラッパーロールaをコイルbの外巻面に向けて接近移
動させて該外巻面に所定の押し付け力を付与し、これに
より、巻取終了時に、コイルbの尾端のばたつきを防止
するとともに、コイルbの回転を制動して短時間で停止
させるようにしたものである。また、ラッパーロールa
は巻取開始時に巻取装置cのマンドレルdに接近配置さ
れてストリップの先端を該マンドレルdとの間で挟み込
み、これにより、巻取開始動作を確実に行う機能も併せ
持っている。なお、巻取が開始された後はラッパーロー
ルaは巻取が終了する所定時間前までコイルbの外巻面
から離間配置されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば前述
の仕上圧延機入側で先行被圧延材と後行被圧延材とを接
合する熱間圧延方法では、数本から数十本の圧延素材を
繋ぎ合わせたものを連続して圧延することによって、全
長にわたり安定した張力を付与して、薄物圧延を高速で
行うことを可能にしている。
【0006】しかしながら、上記従来のコイルの巻取装
置を用いて板厚の薄いコイルを高速で巻き取る場合にお
いては、図7に示すように、ラッパーロールaにてコイ
ルbの外巻面を押しつける際に、コイルbの外巻面にお
けるコイルbの内巻き最先端部(ストリップ先端)fと
マンドレルdの表面との段差に位置する部分(以下、段
差部eという。)に該ラッパーロールaが当たると、コ
イルbは高速で回転しているため、該段差部eが高い圧
力で圧延されてしまう。この結果、巻き取られているス
トリップの段差部eに位置する部分が形状不良を引き起
こし、歩留りが悪くなるという不都合がある。そして、
この形状不良は特に板厚が2.3mm以下で、巻取速度
が700mpm以上の場合に顕著になることが確認され
た。なお、ラッパーロールaには凸クラウンが設けられ
ることが多く、そのため、前記形状不良は腹伸びが主で
ある。
【0007】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、板厚の薄いコイルを高速で巻き取る
際に形状不良が発生しないようにして歩留りの向上を図
ることができるコイルの巻取方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1に係るコイルの巻取方法は、巻取終了前
にコイルの外巻面にラッパーロールを押し付けて前記コ
イルの回転を制動し、これにより、巻取終了時に該コイ
ルの回転を停止させるようにしたコイルの巻取方法にお
いて、前記ラッパーロールの押し付け力を10〜50k
Nとしたことを特徴とする。
【0009】請求項2に係るコイルの巻取方法は、巻取
終了前にコイルの外巻面にラッパーロールを押し付けて
前記コイルの回転を制動し、これにより、巻取終了時に
該コイルの回転を停止させるようにしたコイルの巻取方
法において、前記コイルの内巻最先端部とマンドレル表
面との段差に起因して該コイルの外巻面に現出する段差
部の位置を検出し、該段差部が前記ラッパーロールの位
置を通過する前後の所定時間だけ、該ラッパーロールの
押し付け力を弱めることを特徴とする。
【0010】請求項3に係るコイルの巻取方法は、巻取
終了前にコイルの外巻面にラッパーロールを押し付けて
前記コイルの回転を制動し、これにより、巻取終了時に
該コイルの回転を停止させるようにしたコイルの巻取方
法において、前記コイルの内巻最先端部とマンドレル表
面との段差に起因して該コイルの外巻面に現出する段差
部の位置を検出し、該段差部が前記ラッパーロールの位
置を通過する前後の所定時間だけ、該ラッパーロールを
前記コイルの外巻面から離間させることを特徴とする。
【0011】請求項4に係るコイルの巻取方法は、請求
項1〜3のいずれか一項において、前記ラッパーロール
を待機位置から前記コイルの外巻面に向けて接近移動さ
せて該外巻面の押し付けを開始する際に、該コイルの内
巻最先端部とマンドレル表面との段差に起因して前記コ
イルの外巻面に現出する段差部の位置を検出し、該段差
部が前記ラッパーロールの位置を通過する前後の所定時
間だけ、該ラッパーロールを前記コイルの外巻面から離
間させることを特徴とする。
【0012】請求項5に係るコイルの巻取装置は、スト
リップをコイル状に巻き取るマンドレルと、該マンドレ
ルに巻き取られたコイルの外巻面を押し付けるラッパー
ロールと、該ラッパーロールを支持して前記コイルの外
巻面に対して接近離間移動可能に設けられた支持フレー
ムと、該支持フレームを前記コイルの外巻面に対して接
近離間移動させる駆動手段とを備えるコイルの巻取装置
において、前記コイルの内巻最先端部と前記マンドレル
表面との段差に起因して該コイルの外巻面に現出する段
差部の位置を検出する段差部位置検出手段と、該段差部
位置検出手段による検出位置に基づいて、前記ラッパー
ロールと前記外巻面との間隙又は前記ラッパーロールに
よる前記外巻面の押し付け力を変化させるように前記駆
動手段を制御するラッパーロール制御手段とを備えたこ
とを特徴とするQ
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は本発明の第1の態様の実施の
形態の一例であるコイルの巻取装置を説明するための概
略図、図2は巻取終了段階におけるコイル外巻面に対す
るラッパーロールの相対的動作を説明するための説明
図、図3は押し付け開始時におけるコイル外巻面に対す
るラッパーロールの相対的動作を説明するための説明
図、図4は巻取終了段階におけるコイル外巻面に対する
ラッパーロールの相対的動作を説明するための説明図、
図5は巻取終了段階におけるコイル外巻面に対するラッ
パーロールの相対的動作を説明するための説明図であ
る。
【0014】まず、図1〜図3を参照して本発明の第1
の態様の実施の形態から説明すると、図において符号2
は熱間仕上圧延機を通過した後、ストリップシャー(共
に図示せず。)によって所定長さに切断されたストリッ
プ3をピンチロール4を介してコイル状に巻き取るマン
ドレルであり、このマンドレル2に巻き取られたコイル
5の外巻面側には複数(図では4か所)のラッパーロー
ル6が周方向に所定の間隔で配設されている。
【0015】各ラッパーロール6はそれぞれコイル5の
外巻面に対して接近離間する方向に回動支点7aを介し
て回動自在に設けられた支持フレーム(図1では一箇所
のみ図示)7によって支持されており、この支持フレー
ム7には油圧シリンダ(駆動手段)8のピストンロッド
8aが連結されている。ピストンロッド8aを伸長させ
ることにより支持フレーム7がコイル5の外巻面に接近
する方向に回動してラッパーロール6が該外巻面に接触
し、収縮させることにより支持フレーム7がコイル5の
外巻面から離間する方向に回動してラッパーロール6が
該外巻面から離間するようになっている。
【0016】また、コイル5とピンチロール4との間に
はストリップ3の先端が通過したことを検知するレーザ
センサ9が配設され、マンドレル2にはコイル5の回転
速度を検出する回転速度検出センサ10が取り付けら
れ、ピンチロール4にはストリップ3の搬送速度(板
速)を検出する板速検出センサ11が取り付けられ、支
持フレーム7には回動角度を検出する回動角検出センサ
12が取り付けられ、油圧シリンダ8には作動圧を検出
する圧力検出センサ13a,13bが取り付けられてい
る。そして、各センサからの信号に基づいてコントロー
ラ14が駆動回路15を介して油圧シリンダ8を制御す
るようになっている。
【0017】コントローラ14は、レーザセンサ9、回
転速度検出センサ10及び板速度検出センサ11からの
信号に基づいてコイル5の内巻最先端部5aとマンドレ
ル2表面との段差に起因して該コイル5の外巻面に現出
する段差部16の位置を演算する演算部17と、駆動回
路15を介して油圧シリンダ8を制御することによりラ
ッパーロール6のコイル5の外巻面に対する位置制御及
び押し付け力制御を行う制御部(制御手段)18とを備
える。ここで、この実施の形態では、レーザセンサ9、
回転速度検出センサ10、板速度検出センサ11及び演
算部17によって本発明の段差部位置検出手段を構成す
るが、他の公知のトラッキング手段等によって段差部1
6の位置を検出するようにしてもよい。
【0018】制御部18は巻取開始段階及び巻取終了段
階で油圧シリンダ8を制御するようになっており、巻取
開始段階においては巻取開始動作を確実に行うべく、レ
ーザセンサ9からの信号に基づいて得られたストリップ
3先端の巻取開始タイミングに同期させて油圧シリンダ
8のピストンロッド8aを伸長させ、これにより、支持
フレーム7をマンドレル2の外面に接近する方向に所定
角度回動させてストリップ3の先端をラッパーロール6
とマンドレル2との間で挟み込み、また、巻取開始から
所定時間経過後にピストンロッド8aを収縮させて支持
フレーム7をコイル5の外巻面から離間する方向に所定
角度回動させ、これにより、巻取が終了する所定時間前
までラッパーロール6をコイル5の外巻面から退避させ
て所定位置に待機させる。
【0019】なお、この場合の油圧シリンダ8のピスト
ンロッド8aの伸長・収縮量は回動角検出センサ12に
よって得られた検出角度が予めラッパーロール6におけ
るストリップ3先端の挟み込み位置及び退避位置に応じ
て設定された支持フレーム7の回動角度(図示しない記
憶領域に記憶されている。)に一致するように制御され
る。また、巻取開始時にラッパーロール6とマンドレル
2との間にストリップ3の先端を挟み込んだ後、コイル
5の巻数を重ねていくとコイル5の内巻き最先端部(ス
トリップ先端)5aとマンドレル2の表面との段差に対
応してコイル5外巻面に上述した段差部16が現出し、
この段差部16は巻取が終了するまでコイル5の外巻面
に現れる。
【0020】一方、巻取終了段階においては、まず、ラ
ッパーロール6によるコイル5外巻面の押し付け開始時
に、レーザセンサ9、回転速度検出センサ10及び板速
度検出センサ11からの信号に基づいて演算部17で演
算された段差部16の位置が予め図示しない記憶領域に
記憶されたコイル5外巻面へのラッパーロール6の接触
位置に一致するか否かを判断し、一致しない場合には、
コイル5の回転を制動して短時間で停止させるべく、予
め設定された押し付け開始タイミングに同期させて油圧
シリンダ8のピストンロッド8aを伸長させ、これによ
り、支持フレーム7をコイル5の外巻面に接近する方向
に所定角度回動させラッパーロール6をコイル5外巻面
に接触させる。
【0021】段差部16の位置とラッパーロール6の接
触開始位置とが一致する場合には、該接触を回避すべ
く、図3に示すように、段差部16がラッパーロール6
の接触開始位置に到達する所定時間前に油圧シリンダ8
のピストンロッド8aを収縮させ、これにより、支持フ
レーム7をコイル5の外巻面から離間する方向に所定角
度回動させラッパーロール6をコイル5外巻面から退避
させるとともに、段差部16の位置がラッパーロール6
の接触位置を通過して所定時間経過した後に油圧シリン
ダ8のピストンロッド8aを伸長させ、これにより、支
持フレーム7をコイル5の外巻面に接近する方向に所定
角度回動させラッパーロール6をコイル5外巻面に接触
させる。
【0022】なお、この場合の油圧シリンダ8のピスト
ンロッド8aの伸長・収縮量は回動角検出センサ12に
よって得られた検出角度が予めラッパーロール6におけ
るコイル5の外巻面に対する接触位置及び退避位置に応
じて設定された支持フレーム7の回動角度(図示しない
記憶領域に記憶されている。)に一致するように制御さ
れる。
【0023】ラッパーロール6がコイル5の外巻面に接
触した後においては、圧力検出センサ13a,13bか
ら得られる検出圧が予め設定されたコイル5の外巻面に
対して所定の押し付け力を付与するための作動圧に一致
するように油圧シリンダ8を制御する。ここで、コイル
5の外巻面に対するラッパーロール6の押し付け力は1
0〜50kNの範囲とする。押し付け力が10kN未満
では回転に対して必要な制動力を得られず、一方、50
kNを越えると高速で回転するコイル5の段差部16に
ラッパーロール6が衝突した際に高い圧力が発生してコ
イル5に腹伸びが発生してしまう。
【0024】次に、制御部18の作動について説明す
る。まず、巻取開始段階においては、レーザセンサ9か
らの信号に基づいて得られたストリップ3先端の巻取開
始タイミングに同期して油圧シリンダ8のピストンロッ
ド8aを回動角検出センサ12によって得られた検出角
度が予めラッパーロール6におけるストリップ3先端の
挟み込み位置に応じて設定された支持フレーム7の回動
角度一致するように伸長させて支持フレーム7をマンド
レル2の外面に接近する方向に回動させ、これにより、
ストリップ3の先端をラッパーロール6とマンドレル2
との間で挟み込んで巻取開始動作を確実に行う。
【0025】また、巻取開始から所定時間経過後にピス
トンロッド8aを回動角検出センサ12によって得られ
た検出角度が予めラッパーロール6の退避位置に応じて
設定された支持フレーム7の回動角度に一致するように
収縮させて支持フレーム7をコイル5の外巻面から離間
する方向に回動させ、これにより、巻取が終了する所定
時間前までラッパーロール6をコイル5の外巻面から退
避させて所定位置に待機させる。
【0026】巻取終了段階においては、まず、ラッパー
ロール6によるコイル5外巻面の押し付け開始時に、段
差部16の位置がラッパーロール6の接触位置に一致す
るか否かを判断し、一致しない場合は、コイル5の回転
を制動して短時間で停止させるべく、予め設定された押
し付け開始タイミングに同期させて油圧シリンダ8のピ
ストンロッド8aを回動角検出センサ12によって得ら
れた検出角度が予めラッパーロール6におけるコイル5
の外巻面に対する接触位置に応じて設定された支持フレ
ーム7の回動角度に一致するように伸長させ、これによ
り、支持フレーム7をコイル5の外巻面に接近する方向
に回動させラッパーロール6をコイル5外巻面に接触さ
せる。
【0027】段差部16の位置とラッパーロール6の接
触位置とが一致する場合は、該接触を回避すべく、図3
に示すように、段差部16の位置がラッパーロール6の
接触位置に到達する所定時間前に油圧シリンダ8のピス
トンロッド8aを回動角検出センサ12によって得られ
た検出角度が予めラッパーロール6のコイル5外巻面に
対する退避位置に応じて設定された支持フレーム7の回
動角度に一致するように収縮させ、これにより、支持フ
レーム7をコイル5の外巻面から離間する方向に回動さ
せラッパーロール6をコイル5外巻面から退避させると
ともに、段差部16の位置がラッパーロール6の接触位
置を通過して所定時間経過した後に油圧シリンダ8のピ
ストンロッド8aを回動角検出センサ12によって得ら
れた検出角度が予めラッパーロール6のコイル5外巻面
に対する接触位置に応じて設定された支持フレーム7の
回動角度に一致するように伸長させ、これにより、支持
フレーム7をコイル5の外巻面に接近する方向に回動さ
せラッパーロール6をコイル5外巻面に接触させる。
【0028】ラッパーロール6がコイル5の外巻面に接
触した後においては、圧力検出センサ13a,13bか
ら得られる検出圧が、予め設定されたコイル5の回転に
対して必要な制動力を得られ、且つ、高速で回転するコ
イル5の段差部16にラッパーロール6が衝突しても段
差部16に形状不良が生じることがないコイル5の外巻
面に対する押し付け力10〜50kNを付与するための
作動圧に一致するように油圧シリンダ8を制御し、コイ
ル5が所定の回転速度(回転するコイル5の段差部16
に50kN超の押し付け力で押し付けたラッパーロール
6が衝突しても段差部16に形状不良が生じない速度)
に減速するまでこの押し付け力でコイル5の外巻面を押
し続け、所定の回転速度に減速された後は押し付け力を
増大させてコイル5の回転制動力を大きくする。
【0029】上記の説明から明らかように、この実施の
形態では、巻取終了段階において、コイル5の回転に対
して必要な制動力を得られ、且つ、高速で回転するコイ
ル5の段差部16にラッパーロール6が衝突しても段差
部16に形状不良が生じることがない押し付け力でコイ
ル5の外巻面を押し付けるようにしているので、板厚の
薄い(2.3mm以下)ストリップを高速(700mp
m以上)でコイルに巻き取った後、段差部16位置にあ
るストリップに形状不良が発生しないようにすることが
でき、この結果、歩留りの向上を図ることができる。
【0030】また、ラッパーロール6によるコイル5外
巻面の押し付け開始時に該ラッパーロール6が段差部1
6に接触しないようにしているので、押し付け開始時に
ラッパーロール6と高速で回転するコイル5の段差部1
6との衝突が回避されて形状不良の発生を確実に防止す
ることができる。
【0031】なお、上記実施の形態では、本発明をスト
リップシャーによって所定長さに切断されたストリップ
3をコイル状に巻き取る際に適用した場合を例に採った
が、通常のバッチ圧延にも本発明を適用してもよいのは
勿論である。
【0032】次に、図1及び図4を参照して、本発明の
第2の態様の実施の形態であるコイルの巻取方法につい
て説明する。なお、この巻取方法は上述した巻取装置1
に対して巻取終了段階でラッパーロール6がコイル5の
外巻面に接触した後におけるコントローラ14の制御部
18による油圧シリンダ8の制御方法が相違するのみで
ある。
【0033】制御部18は、巻取終了段階でラッパーロ
ール6がコイル5の外巻面に接触した後においては、レ
ーザセンサ9、回転速度検出センサ10及び板速度検出
センサ11からの信号に基づいて演算部17で演算され
た段差部16の位置が予め図示しない記憶領域に記憶さ
れたコイル5外巻面へのラッパーロール6の接触位置に
到達する所定時間前までは圧力検出センサ13a,13
bから得られる検出圧が、予め設定されたコイル5の外
巻面に対して強制的にコイル5の回転を制動する押し付
け力を付与するための作動圧に一致するように油圧シリ
ンダ8を制御する。この時の押し付け力は、ラッパーロ
ール6によるコイル5の回転の制動力が得られるよう
に、大きい値(50kN超)であるとよい。
【0034】また、段差部16がラッパーロール6の接
触位置に到達する所定時間前から段差部16がラッパー
ロール6の接触位置を通過してから所定時間が経過する
までの間は圧力検出センサ13a,13bから得られる
検出圧が、高速で回転するコイル5の段差部16にラッ
パーロール6が衝突しても該段差部16に形状不良が生
じることがないように予め設定された弱い押し付け力5
0kN以下を付与するように油圧シリンダ8を制御す
る。
【0035】なお、ラッパーロール6による押し付け力
を弱くする制御は、コイル5が所定の回転速度(回転す
るコイル5の段差部16に強い押し付け力(50kN
超)で押し付けているラッパーロール6が衝突しても段
差部16に形状不良が生じない速度)に減速するまで行
われ、所定の回転速度に減速された後は押し付け力を増
大させてコイル5の回転制動力を大きくする。
【0036】上記の説明から明らかなように、この実施
の形態では、巻取終了段階において、コイル5の回転に
対して十分な制動力が得られ、且つ、段差部16がラッ
パーロール6の接触位置を通過する前後の間は高速で回
転するコイル5の段差部16にラッパーロール6が衝突
しても段差部16に位置するストリップに形状不良が生
じることがない弱い押し付け力でコイル5の外巻面を押
し付けるようにしているので、板厚の薄い(2.3mm
以下)ストリップのコイル5を高速(700mpm以
上)で巻き取った後、該ストリップに形状不良を発生さ
せないようにすることができ、この結果、歩留りの向上
を図ることができる。なお、その他の作用効果について
は上述した第1の態様の実施の形態と同一であるのでそ
の説明を省略する。
【0037】次に、図1及び図5を参照して、本発明の
第3の態様の実施の形態であるコイルの巻取方法につい
て説明する。なお、この巻取方法についても上述した巻
取装置1に対して巻取終了段階でラッパーロール6がコ
イル5の外巻面に接触した後におけるコントローラ14
の制御部による油圧シリンダ8の制御方法が相違するの
みである。
【0038】制御部18は、巻取終了段階でラッパーロ
ール6がコイル5の外巻面に接触した後においては、レ
ーザセンサ9、回転速度検出センサ10及び板速度検出
センサ11からの信号に基づいて演算部17で演算され
た段差部16の位置が予め図示しない記憶領域に記憶さ
れたコイル5外巻面へのラッパーロール6の接触位置に
到達する所定時間前までは圧力検出センサ13a,13
bから得られる検出圧が予め設定されたコイル5の外巻
面に対して強制的にコイル5の回転を制動する押し付け
力を付与するための作動圧に一致するように油圧シリン
ダ8を制御する。
【0039】また、段差部16がラッパーロール6の接
触位置に到達する所定時間前から段差部16がラッパー
ロール6の接触位置を通過してから所定時間が経過する
までの間は油圧シリンダ8のピストンロッド8aを回動
角検出センサ12によって得られた検出角度が予めラッ
パーロール6のコイル5外巻面に対する退避位置に応じ
て設定された支持フレーム7の回動角度に一致するよう
に収縮させ、これにより、支持フレーム7をコイル5の
外巻面から離間する方向に回動させラッパーロール6を
コイル5外巻面から退避させるように制御する。
【0040】また、段差部16の位置が前記接触位置を
通過して所定時間経過した後においては、油圧シリンダ
8のピストンロッド8aを回動角検出センサ12によっ
て得られた検出角度が予めラッパーロール6のコイル5
外巻面に対する接触位置に応じて設定された支持フレー
ム7の回動角度に一致するように伸長させ、これによ
り、支持フレーム7をコイル5の外巻面に接近する方向
に回動させラッパーロール6をコイル5外巻面に接触さ
せ、その後、速やかに圧力検出センサ13a,13bか
ら得られる検出圧が予め設定されたコイル5の外巻面に
対して強制的にコイル5の回転を制動する押し付け力を
付与するための作動圧に一致するように油圧シリンダ8
を制御する。
【0041】なお、ラッパーロール6を段差部16から
退避させる制御は、コイル5が所定の回転速度(回転す
るコイル5の段差部16にラッパーロール6が衝突して
もコイル5に腹伸びが生じない速度)に減速するまで行
われ、所定の回転速度に減速された後は押し付け力を増
大させてコイル5の回転制動力を大きくする。
【0042】上記の説明から明らかなように、この実施
の形態では、巻取終了段階において、コイル5の回転に
対して十分な制動力が得られ、且つ、段差部16がラッ
パーロール6の接触位置を通過する前後の間は高速で回
転するコイル5の段差部16にラッパーロール6が衝突
しないようにしているので、板厚の薄い(2.3mm以
下)ストリップを高速(700mpm以上)でコイル5
に巻き取った後、ストリップに形状不良を発生させない
ようにすることができ、この結果、歩留りの向上を図る
ことができる。なお、その他の作用効果については上述
した第1の態様の実施の形態と同一であるのでその説明
を省略する。
【0043】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、板厚の薄いストリップを高速でコイルに巻き
取った後、巻き取ったストリップに形状不良を発生させ
ないようにすることができるので、歩留りの向上を図る
ことができるという効果が得られる。
【0044】また、ラッパーロールによるコイル外巻面
の押し付け開始時に、該ラッパーロールが段差部に接触
しないように制御することにより、押し付け開始時にラ
ッパーロールと高速で回転するコイルの段差部との衝突
を回避することができるので、形状不良の発生を確実に
防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様の実施の形態の一例である
コイルの巻取装置を説明するための概略図である。
【図2】巻取終了段階におけるコイル外巻面に対するラ
ッパーロールの相対的動作を説明するための説明図であ
る。
【図3】押し付け開始時におけるコイル外巻面に対する
ラッパーロールの相対的動作を説明するための説明図で
ある。
【図4】巻取終了段階におけるコイル外巻面に対するラ
ッパーロールの相対的動作を説明するための説明図であ
る。
【図5】巻取終了段階におけるコイル外巻面に対するラ
ッパーロールの相対的動作を説明するための説明図であ
る。
【図6】従来のコイルの巻取装置を説明するための概略
図である。
【図7】コイルの内巻最先端部とマンドレル表面との段
差に起因して該コイルの外巻面に現出する段差部を説明
するための説明図である。
【符号の説明】
1…巻取装置 2…マンドレル 3…ストリップ 4…ピンチロール 5…コイル 5a…コイルの内巻最先端部 6…ラッパーロール 7…支持フレーム 8…油圧シリンダ(駆動手段) 9…レーザセンサ(段差部位置検出手段) 10…回転速度検出センサ(段差部位置検出手段) 11…板速検出センサ(段差部位置検出手段) 12…回動角検出センサ 13a,13b…圧力検出センサ 14…コントローラ 15…駆動回路 16…段差部 17…演算部(段差部位置検出手段) 18…制御部(制御手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻取終了前にコイルの外巻面にラッパー
    ロールを押し付けて前記コイルの回転を制動し、これに
    より、巻取終了時に該コイルの回転を停止させるように
    したコイルの巻取方法において、前記ラッパーロールの
    押し付け力を10〜50kNしたことを特徴とするコイ
    ルの巻取方法。
  2. 【請求項2】 巻取終了前にコイルの外巻面にラッパー
    ロールを押し付けて前記コイルの回転を制動し、これに
    より、巻取終了時に該コイルの回転を停止させるように
    したコイルの巻取方法において、 前記コイルの内巻最先端部とマンドレル表面との段差に
    起因して該コイルの外巻面に現出する段差部の位置を検
    出し、該段差部が前記ラッパーロールの位置を通過する
    前後の所定時間だけ、該ラッパーロールの押し付け力を
    弱めることを特徴とするコイルの巻取方法。
  3. 【請求項3】 巻取終了前にコイルの外巻面にラッパー
    ロールを押し付けて前記コイルの回転を制動し、これに
    より、巻取終了時に該コイルの回転を停止させるように
    したコイルの巻取方法において、 前記コイルの内巻最先端部とマンドレル表面との段差に
    起因して該コイルの外巻面に現出する段差部の位置を検
    出し、該段差部が前記ラッパーロールの位置を通過する
    前後の所定時間だけ、該ラッパーロールを前記コイルの
    外巻面から離間させることを特徴とするコイルの巻取方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ラッパーロールを待機位置から前記
    コイルの外巻面に向けて接近移動させて該外巻面の押し
    付けを開始する際に、該コイルの内巻最先端部とマンド
    レル表面との段差に起因して前記コイルの外巻面に現出
    する段差部の位置を検出し、該段差部が前記ラッパーロ
    ールの位置を通過する前後の所定時間だけ、該ラッパー
    ロールを前記コイルの外巻面から離間させることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコイルの巻
    取方法。
  5. 【請求項5】 ストリップをコイル状に巻き取るマンド
    レルと、該マンドレルに巻き取られたコイルの外巻面を
    押し付けるラッパーロールと、該ラッパーロールを支持
    して前記コイルの外巻面に対して接近離間移動可能に設
    けられた支持フレームと、該支持フレームを前記コイル
    の外巻面に対して接近離間移動させる駆動手段とを備え
    るコイルの巻取装置において、 前記コイルの内巻最先端部と前記マンドレル表面との段
    差に起因して該コイルの外巻面に現出する段差部の位置
    を検出する段差部位置検出手段と、該段差部位置検出手
    段による検出位置に基づいて、前記ラッパーロールと前
    記外巻面との間隙又は前記ラッパーロールによる前記外
    巻面の押し付け力を変化させるように前記駆動手段を制
    御するラッパーロール制御手段とを備えたことを特徴と
    するコイルの巻取装置。
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