JPH11276879A - 高圧反応容器 - Google Patents

高圧反応容器

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JPH11276879A
JPH11276879A JP10105547A JP10554798A JPH11276879A JP H11276879 A JPH11276879 A JP H11276879A JP 10105547 A JP10105547 A JP 10105547A JP 10554798 A JP10554798 A JP 10554798A JP H11276879 A JPH11276879 A JP H11276879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱的性能を良くし、耐圧部分の腐食をなく
し、スケールの付着を軽減し、コストを下げる。 【解決手段】 高圧反応容器は、外筒1a、蓋1b、1
cから成り出入口5〜9を備えた耐圧容器1、中間筒
2、内筒3、間隙12のシール材4等から成る。この装
置では、水入口5から高圧水を入れ、冷却部13で反応
後の流体を冷却し、水出口6から出し、加熱器22で再
加熱すると共に酸素を供給して水再入口から反応部11
内に臨界温度になった高温水を入れ、同時に廃液等を入
れ、酸化反応させて超臨界環境下で難分解性有機物等を
分解することができる。 【効果】 冷却部13が長く反応熱の回収率がよい。外
側流路10に廃液が入らず外筒が腐食せず、高耐蝕性材
料を用いる必要がない。反応後の流体を冷却・液化し、
スケール成分を吸着・溶解して外部に取り出し、中間筒
へのスケール付着を軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の超臨界領域の
環境下で被処理物を反応処理するための高圧反応容器に
関し、難分解性有機物の分解処理に好都合に利用され
る。
【0002】
【従来の技術】高圧反応容器としては、従来、外筒内に
先端の開口した内筒を入れた二重管構造のものが知られ
ている(例えば特開平7ー313987号公報参照)。
このような高圧反応容器では、水をポンプで臨界圧力以
上に加圧すると共にヒータで加熱し、これを外筒の後端
側から内外筒間で形成する外側空間に入れて先端側に送
り、その間に内筒側から熱を吸収させ、臨界温度近傍の
温度まで昇温させ、反転させて内筒に入れ、一方、内筒
に先端側から被処理物を含有する原水及び酸化剤による
酸素を入れ、高温に加熱された水と原水及び酸素が混合
されることにより、水の臨界領域近傍以上の環境下にお
いて原水中の被処理物と酸素とを内筒内で酸化反応さ
せ、被処理物を分解しつつ分解時の発熱によって原水を
臨界温度以上の高温になった反応流体にし、これを後端
側から導入される前記水と熱交換させて冷却し、後端か
ら排出することにより、被処理物を酸化処理することが
できる。このような超臨界領域近傍以上の環境における
反応を利用した装置によれば、被処理物が難分解性の有
害有機物を含む場合であっても、これを無害な分子等に
分解して排水することができる。
【0003】しかしながら、このような高圧反応容器に
は次のような諸問題があった。即ち: 外筒内に導入された水を基本的に内外筒間の熱交換
を最終段階として超臨界温度まで昇温させなければなら
ないため、外筒への導入前に水を相当の温度まで予熱す
る必要があった。そのため、反応流体から除去できる熱
量が少なくなり、超臨界状態から凝縮する水量が少なか
った。その結果、凝縮水によって反応生成物である無機
塩等のスケール成分を流し出す効果が小さく、反応容器
へのスケール付着量が多かった。又、反応容器内におけ
る熱回収効率も低かった。 上記のように目的とする最終温度を得るために水を
予熱するが、このときには、反応容器内での熱吸収によ
る水の温度上昇を予測して予熱器を温度制御する必要が
ある。そのため、温度制御が間接的になり、目的とする
最終温度を精度良く制御できなかった。従って、設定温
度の変更等も容易でなく、運転の自由度に欠けていた。 内筒の先端側では、反応部の熱が内筒壁を介して水
側に伝達されるため、反応温度が下がり易く反応条件に
悪影響を与えていた。 外筒内で水が加熱されて温度が高くなると共に、反
応部が外筒に開口し双方が導通しているため、被処理物
によって外筒の内側表面が腐食され易い。そのため、高
圧になる外筒に耐蝕性の大きい高級材料を使用すると共
に、腐食を考慮した余分の厚み付与しなければならず、
製品コストが高くなっていた。
【0004】上記の諸問題の一部分を解決できる高圧反
応容器としては、内外筒間を均圧化し、内筒を耐圧容器
にすることなく外筒の腐食を防止し、コスト低減を図っ
たものが提案されている(特開平9ー85075号公報
参照)。しかしながら、この容器の特長は耐圧性能と耐
蝕性能とを分離した点に止り、この容器では、熱的性能
の向上やスケール付着の軽減等について全く考慮されて
いない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、耐圧部分の耐蝕性を軽減して低
コスト化を図ると共に、熱的性能が良く、スケール付着
が軽減され、運転操作の自由度の高い高圧反応容器を提
供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、超臨界領域の水の環境
下で被処理物を反応させて処理するための高圧反応容器
において、一方側から高圧水を入れるための水入口と他
方側から前記高圧水を出すための水出口と前記高圧水を
前記他方側から再度入れるための水再入口と前記被処理
物を前記他方側から入れるための原料入口と前記被処理
物が反応処理された後の流体を前記一方側から出すため
の流体出口とを備えた耐圧容器と、前記一方側の端から
前記他方側に向けて該他方側の端の近くまで前記耐圧容
器との間で仕切られた外側空間を形成するように前記耐
圧容器の内側に設けられた中間仕切体と、前記他方側の
端から前記一方側に向けて途中まで延設され前記反応の
ための反応部となるように仕切られた内側空間を形成す
ると共に前記中間仕切体との間で間隙を形成するように
前記中間仕切体の内側に設けられた内側仕切体と、前記
間隙における流体の導通を制限するシール手段と、を有
し、前記水入口と前記水出口とは前記外側空間に導通す
るように設けられ、前記水再入口と前記原料入口と前記
流体出口とは前記内側空間に導通するように設けられて
いる、ことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した高圧反応
容器の構造例及びこのような高圧反応容器の機能を発揮
させることができる超臨界反応装置の全体構成の一例を
示す。高圧反応容器は、超臨界領域である圧力218気
圧、温度374℃以上の領域の水の環境下で有害有機物
等の被処理物を反応させて処理するためのものであり、
外筒1a並びにその一端及び他端になる蓋1b及び1c
で構成された耐圧容器1、その内側に設けられた中間仕
切体としての中間筒2、更にその内側に設けられた内側
仕切体としての内筒3、シール手段としてのシール材
4、等によって構成されている。
【0008】耐圧容器1は、一方側である蓋1b側から
高圧水を入れるための水入口5、他方側である蓋1c側
から高圧水を出すための水出口6、高圧水を蓋1c側か
ら再度入れるための水再入口7、被処理物として難分解
性有機物等を含む廃液を蓋1c側から入れるための原料
入口である廃液入口8、廃液が反応処理された後の流体
を蓋1b側から出すための流体出口9、等を備えてい
る。耐圧容器1の主要部分となる外筒1aには、通常程
度の耐蝕性を備えた材料として例えば厚肉のステンレス
鋼管にフランジを付けた管ピースが用いられる。蓋1
b、1cには例えばインコロイ(商標名)のような高耐
蝕性材料が用いられる。なお、蓋1b、1cとしては、
フランジに代えて耐圧性及び気密性のあるネジ継手状部
材も好都合に0用される。
【0009】中間筒2は、蓋1b側の端である蓋1bか
ら蓋1c側に向けてその端である蓋1cの近くまで耐圧
容器1との間で仕切られた外側空間である外側流路10
を形成するように設けられている。中間筒2も蓋と同様
に高耐蝕性材料で出来ている。内筒3は、蓋1c側の端
である蓋1cから蓋1b側に向けて途中まで延設され反
応のための反応部になるように仕切られた内側空間とし
ての反応部11を形成すると共に中間筒2との間で間隙
12を形成するように導設されている。内筒3の延設さ
れた先端3aから蓋1bまでの中間筒2の内側空間は冷
却部13になる。内筒3も中間筒2と同材質のものであ
る。
【0010】内筒3の長さは、取り扱う被処理物の種
類、導入する高圧水の温度や圧力、これらの流量、その
他の反応の諸条件によって異なり、実際の装置に適合す
るように定められる。この長さは、内筒3内で反応がほ
ぼ完了する程度であってもよいが、できれば冷却部13
による冷却作用が反応に悪影響を及ぼさないように長め
に設けられることが望ましい。又、必要によってはバッ
チ処理試験を行い、反応に必要な内部流体の滞留時間を
求め、処理量と流速からその滞留時間を満足する長さを
定めるようにしてもよい。一方、内筒の先端3aから蓋
1bまで形成された冷却部13の長さは、耐圧容器1の
長さと先端3aの位置とによって決まる。この場合冷却
部13の長さは、冷却効果の点からは長い方がよいが、
これを長くすると耐圧容器1や中間筒2の長さが長くな
って装置コストが高くなるので、これらの兼ね合いから
実際の設計等において最適なように定められる。
【0011】シール材4は、間隙12における流体の導
通を制限する。即ち、高圧反応容器内の各部分は同じ高
圧条件になっているが、内部流体の流れ方向ではある程
度の圧力差を持つので、本例では、シール材4を内筒3
に固定して中間筒2側に圧接させることにより、外側流
路10と反応部12及び冷却部13との間の導通を遮断
している。この場合、中間筒2と内筒3との間は運転時
と冷態時とで相互に反対方向に膨張/収縮するので、シ
ール材4の部分で多少の漏れを生ずる可能性があるが、
このような漏れは実質的に問題になることなく許容され
る。なお、シール手段としては例えばラビリンスシール
のように少量のリークを前提とした構造のものや、中間
筒2又は内筒3の一部分に縮管部又は拡管部を設けるこ
とによってシールするような構造のもの等であってもよ
い。
【0012】このような構造において、水入口5と水出
口6とは外側流路10に導通するように設けられ、水再
入口7と廃液入口8と流体出口9とは反応部11に導通
するように設けられている。なお、本例では水再入口7
と廃液入口8とをそれぞれ別々に設けているが、このよ
うにすれば、後述する廃液の酸化反応を反応部11に入
ってから開始させることができる。但し、これらに導入
される管系を入口の近傍で共通の1ラインにし、入口
7、8を1つの入口にしてその数を減らし、蓋の解放を
容易にすることも可能である。
【0013】このような高圧反応容器を作動可能にする
超臨界反応装置は、脱気水又は清浄水を水入口5に高圧
で圧送するポンプ20、外部で熱回収を図る熱回収器2
1、水出口6から出た高圧水を更に高温まで必要に応じ
て自由に加熱し加熱後の高温高圧水を水再入口7に供給
できる加熱器22、加熱器22の入口部もしくは出口部
又はこれらの両方に酸化剤等によって酸素を供給する酸
素供給系23、加熱器22の出口の高圧高温水の温度又
は反応温度を制御するための温調器24、図示しないポ
ンプによって廃液入口8に廃液を供給する廃液供給系2
5、これにアルカリ剤を注入するアルカリ剤注入系2
6、流体出口9から出た流体を導入して液体、水、蒸
気、固体及び非凝縮性ガスを分離する気液固分離器2
7、これから分離された気体を前記熱回収器21を通過
させて導入し水蒸気を凝縮させ非凝縮性ガスを分離する
第1フラッシュタンク28、その前に設けられ上流側の
圧力を高圧に維持して下流側を減圧するための第1定圧
弁29、液を通過させるドレンセパレータ30、上流側
の系を高圧に維持して下流側を減圧するための第2定圧
弁31、高温高圧水を大気圧近傍の圧力まで減圧して水
蒸気をフラッシュ蒸発させる第2フラッシュタンク3
2、この中の圧力を低圧に維持するための水蒸気及びガ
ス排出管33、等によって構成されている。第1及び第
2フラッシュタンク28、32には、それぞれ水蒸気及
び非凝縮ガス出口28a並びに非溶解固体を含む液出口
32aが設けられている。
【0014】以上のような超臨界反応装置は次のように
運転され、その中で高圧反応容器は次のような作用をす
る。ポンプ20が運転され脱気水又は清浄水が圧送され
る。定圧弁29、31は、その上流側の圧力を水の超臨
界圧力として例えば230気圧程度に維持する。このよ
うにポンプ20から常温で超臨界圧で圧送される清浄な
高圧水は、熱回収器21で気液分離器27から排出され
る気体を冷却することによってその熱を回収し、ある程
度温度上昇して外側流路10に導入され、その上流側部
分で冷却部13内の反応後の高温流体を冷却し、それに
よって例えば200°C程度まで昇温され、更に外側流
路10で昇温してその水出口6から300℃程度で排出
され、加熱器22及び温調器24で臨界温度である37
4°C以上に加熱されると共に酸素を注入され、超臨界
状態となって水再入口7から今度は高圧反応容器の反応
部11内に入れられる。
【0015】このような超臨界水の流れと並行して、難
分解性有機物を含む廃液がアルカリ剤と共に廃液入口7
から反応部11内に入れられ、この中で超臨界水と接触
して一挙に昇温する。その結果、水の超臨界状態の環境
下で廃液中の有機物等が酸素と反応して発熱し、混合流
体は超臨界温度に到達する。そして、このような高温環
境が維持されることにより、流入する廃液の全体におい
て酸化反応が完結し、難分解性の有害有機物は、C
2 、N2 、SO2 、HCL等の超臨界状態のガスや無
機物に分解され、酸はアルカリと反応して塩を生成す
る。この場合、本発明では、内筒と中間筒との間にシー
ル材4でシールされた間隙12を設けているので、間隙
12が上記ガスで充満され、反応部11と外部空間10
との間に断熱効果が生じ、反応部11内の温度低下が抑
制され、反応条件として必要な高温状態が良好に維持さ
れる。なお、アルカリ剤は、廃液中に塩素等の酸生成成
分が含まれる場合に生成した塩酸等の酸を中和して塩に
し、腐食を防止するためのものである。
【0016】超臨界条件で酸化反応した後の流体は、上
記の如く超臨界状態の水を主成分としてこれに生成した
各種ガス及び析出した小量の無機固形物が混在した状態
になっている。このような流体は、前述の如く外側流路
10を流れる高圧水によって冷却部13内で冷却され
る。その場合、外側流路10を流れる高圧水が比較的低
温であるため冷却効率が良いので、冷却部13をある程
度長くとることにより、反応後の流体を例えば300°
C程度の臨界温度より低い温度まで冷却し、そのうちの
相当量を復水させることができる。
【0017】一方、酸化反応によって生成した前記無機
物の一部は、反応直後にはドライな状態のミクロン単位
の大きさの粉体になっているが、冷却部で冷却される
と、付着性を持ったスケール成分になる。しかし、上記
のように超臨界水が冷却されその相当量が復水して水に
なるため、この水と共に外部に排出される。その結果、
中間筒内部へのスケールの付着が少なくすることができ
る。
【0018】排出された流体は気液分離器27に入り、
その上方及び下方からそれぞれガスと水及び固形分とし
て取り出される。ガスは前記の如く熱回収器21を通過
して高圧水を予熱することによって冷却され、定圧弁2
9を通過して大気圧近くまで減圧され、第1フラッシュ
タンク28の水中に噴出されてそのエネルギーを吸収さ
れた後、ガス出口28aから排出される。ガスに随伴し
て導入された水蒸気は、凝縮して液出口28bから排出
される。
【0019】水及び固形分はドレンセパレータ30及び
定圧弁31を介して第2フラッシュタンク32内に噴出
される。この中で発生した水蒸気及び水中に混在してし
て分離されたガスは、ガス出口32bから排出され第1
フラッシュタンク28に導入される。水及び固形分は液
出口32aから排出される。なお、図示していないが、
第1、第2フラッシュタンク内の水は冷却管等によって
冷却されている。又、これらから排出された水を、脱
気、PH調整、軟水化等の必要な処理をした後、ポンプ
20に供給する清浄水として再使用してもよい。
【0020】以上のように運転される超臨界反応装置に
おいて、本発明を適用した高圧反応容器によれば、外側
流路10において冷却部13の高温流体から吸熱した高
圧水を、従来のように反転させて内側の反応部に入れる
ことなく、その全量を一度外部に出して加熱器22によ
って再加熱するので、反応部11に入れる前に高圧水を
確実に臨界温度近傍の温度又はそれ以上の十分高い温度
まで昇温させ、反応開始に必要な温度条件に確実に到達
させることができる。又、加熱器22により、処理対象
物等によってある程度変化する可能性のある反応条件に
適合するように、容易且つ自在に最終温度を設定できる
ので、運転のフレキシビリティを得ることができる。
【0021】又、このように高圧水を加熱器22で最終
加熱するので、高圧反応容器内ではこれを臨界温度まで
昇温させなくてもよいため、従来のように容器内へ導入
される高圧水を特別の加熱器によって高い温度まで予熱
する必要がない。本例では熱回収器21で排熱回収をし
ている程度である。従って、反応後の高温流体は外側流
路10内の比較的温度の低い高圧水によって冷却される
ことになり、冷却部における伝熱温度差が大きくなって
冷却効果が良くなる。その結果、冷却部13をある程度
の長さにするだけで、熱回収によって反応流体を従来よ
りも低い温度まで下げ、その相当量を復水させることが
できる。従って本発明によれば、耐圧容器や中間筒をそ
れ程長くすることなく、装置コストを抑えて熱的性能を
向上させることができる。
【0022】更に、高圧反応容器に三重部分を設けて間
隙12を形成させているので、この部分に反応ガスを充
満させて断熱効果を発揮させ、反応部の流体と外側の高
圧水との間の熱伝達を制限し、反応部11内の超臨界状
態にある高い温度を維持し、良好な反応条件を持続させ
ることができる。又、外側流路10内には高圧水のみを
流し、この中に廃液や酸素を入れないと共に、従来のよ
うに高圧水が反応水と導通する開口反転部がなくその部
分での反応水との混合のおそれがないので、耐圧容器1
の外筒1aの内部が廃液中の成分や反応生成物及び酸素
によって腐食されることがない。その結果、外筒1aに
高級な耐蝕材料を使用しなくてもよくなると共に、腐食
のための余分の厚みを付与する必要もなくなる。
【0023】一方、中間筒2及び内筒3は反応生成物等
によって腐食作用を受けるので、これらに対しては高耐
蝕性材料を使用する必要がある。しかし、高圧反応容器
内は定圧弁29、31によって全体的にほぼ同じ圧力に
なっているので、中間筒2及び内筒3には殆ど圧力によ
る周応力が生じない。従って、これらに対しては厚みの
薄い材料を用いることができる。その結果、全体として
高圧反応容器のコスト低減を図ることができる。
【0024】そして更に、外側流路10には前記の如く
廃液が流れないため、スケール成分がなくその壁面へス
ケールが付着することがない。一方、中間筒2の内部で
は、前述の如く冷却効果の向上によって臨界状態の流体
の復水量が多くなるので、冷却されて付着性の生じたス
ケール成分の多くを復水と共に多く外部に排出すること
ができる。その結果、中間筒内部へのスケールの付着が
少なくなる。なお、加熱器22に送られる高圧水は非凝
縮性ガスを含まないので、反応流体との熱交換や加熱器
における加熱において熱交換効率が良い。
【0025】図2は、高圧反応容器にスケール対策用の
構造部分としてガイド筒14及びスケール剥離部材15
を設けた例を示す。ガイド筒14は、反応部11内の反
応後の流体が中央部分から噴出するように案内する。そ
の結果、流体中に存在する反応によって生成した灰状の
スケール成分が、冷却部13内で既に冷却され液化した
流体のある下方に噴出され、これに混合・吸着される。
そして、このようなスケール成分が冷却部13で直接中
間筒2の壁面に当たって冷却され、付着性を付与されて
そのまま壁面に付着する不具合が防止されることにな
る。
【0026】スケール剥離部材15は、心材15aの回
りに切欠スパイラル15bを取り付けて形成されてい
て、内筒3に嵌め込み等によって着脱可能に取り付けら
れ、熱による膨張/収縮作用、即ち、使用時と冷態時と
で中間筒2及び内筒3が互いに反対方向に伸び縮みする
ことを利用し、スパイラルの先端エッジで中間筒2の内
面に付着したスケールを掻き落とすようにしている。
【0027】このような構造部分を設ければ、スケール
の付着を軽減させ、高圧反応容器を分解してスケールを
除去する保守作業を減らすことができる。又、装置の停
止時に、容器を開放することなく蓋1cと共に内筒3を
回転させるだけの操作により、中間筒2の内面に付着し
たスケールを掻き取ることができ、その作業を容易にす
ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、超臨界領域
の水の環境下で被処理物を反応処理するための高圧反応
容器は、それぞれ必要な構成部分を備えた耐圧容器と中
間仕切体と内側仕切体とシール手段とを有するので、耐
圧容器の一方側の水入口から高圧水を中間仕切体との間
で形成された外側空間に入れ、水出口から一度外部に出
し、加熱器等の適当な加熱手段で自由に加熱することが
できる。その結果、高圧水を、水再入口から内側空間に
入れる前に、臨界温度の近傍の温度又はそれ以上の十分
高い温度まで確実に昇温させ、被処理物を分解させるた
めの反応開始に必要な温度に確実に到達させることがで
きる。又、水再入口から入れる高温高圧水の設定温度を
変更する必要が生じたようなときには、外部に設けられ
るべき加熱器等を調整することにより、容易且つ自在に
温度変更が可能になるので、運転操作の自由度が得られ
る。
【0029】中間仕切体と内側仕切体とはそれぞれ一方
側の端及び他方側の端から設けられていると共に、内側
仕切体は内部で反応が行われる位置まで内側空間を形成
するように一方側端に到達するまでの途中まで設けられ
ているので、内側空間を被処理物の反応処理部分とし、
これに連続して形成される中間仕切体の内側を反応後の
流体の冷却部分にすることができる。この場合、上記の
ように高圧水を外部の加熱手段で最終加熱できるので、
特別に予熱することなく適当に低い温度で外部空間に入
れて反応熱の回収効率を良くし、冷却部分を適当な長さ
にして反応流体の復水量を多くすることができる。
【0030】更に、中間仕切体と内側仕切体との間に間
隙を形成させ、シール手段によって間隙の導通を制限し
ているので、内側空間における被処理物の反応処理によ
って生成したガスをこの間隙に充満させて断熱効果を発
揮させ、内側空間の反応部の流体と外側空間の高圧水と
の間の熱伝達を大幅に制限し、反応部分における超臨界
状態の高い温度を維持し、良好な反応条件を持続させる
ことができる。又、外側空間内には高圧水のみを流し、
この中に被処理物及び酸素を入れないので、耐圧容器の
主要部である外側空間に面した部分が被処理物中の成分
や反応生成物によって腐食されることがない。その結
果、耐圧容器の主要部分に高級且つ高価な耐蝕材料を使
用しなくてもよくなると共に、腐食のための余分の厚み
を付与する必要もなくなる。
【0031】一方、中間仕切体及び内側仕切体は反応生
成物等によって腐食作用を受けるので、これらに対して
は高耐蝕性材料を使用する必要がある。しかし、高圧反
応容器内は通常定圧弁等によって全体的にほぼ同じ圧力
にされているので、両仕切体には殆ど圧力による周応力
がかからない。従って、これらに対しては厚みの薄い材
料を用いることができる。その結果、全体として高圧反
応容器のコスト低減を図ることができる。
【0032】そして更に、外側空間には前記の如く被処
理物を入れないので、スケール成分がなくその壁面にス
ケールが付着しない。一方、中間仕切体の内部では、前
記の如く超臨界状態の流体を多く復水させることができ
るので、冷却されて付着性の生じたスケール成分の多く
を復水した水に吸着・溶解させ、これと共に外部に排出
することができる。その結果、中間仕切体の内部へのス
ケールの付着が少なくなる。又、外部の加熱手段に送ら
れる高圧水は非凝縮性ガスを含まないため、この点にお
いても反応後の流体との熱交換や加熱器での加熱におけ
る熱交換効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧反応容器を含む超臨界反応装置の構成例を
示す説明図である。
【図2】スケール対策用の構造部分を備えた高圧反応容
器の説明図である。
【符号の説明】
1 耐圧容器 1a 外筒(耐圧容器) 1b、1c 蓋(耐圧容器、一方側及び他方側の
端) 2 中間筒(中間仕切体) 3 内筒(内側仕切体) 4 シール材(シール手段) 5 水入口 6 水出口 7 水再入口 8 原料入口 9 流体出口 10 外側流路(外側空間) 11 反応部(内側空間) 12 間隙

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界領域の水の環境下で被処理物を反
    応させて処理するための高圧反応容器において、 一方側から高圧水を入れるための水入口と他方側から前
    記高圧水を出すための水出口と前記高圧水を前記他方側
    から再度入れるための水再入口と前記被処理物を前記他
    方側から入れるための原料入口と前記被処理物が反応処
    理された後の流体を前記一方側から出すための流体出口
    とを備えた耐圧容器と、前記一方側の端から前記他方側
    に向けて該他方側の端の近くまで前記耐圧容器との間で
    仕切られた外側空間を形成するように前記耐圧容器の内
    側に設けられた中間仕切体と、前記他方側の端から前記
    一方側に向けて途中まで延設され前記反応のための反応
    部となるように仕切られた内側空間を形成すると共に前
    記中間仕切体との間で間隙を形成するように前記中間仕
    切体の内側に設けられた内側仕切体と、前記間隙におけ
    る流体の導通を制限するシール手段と、を有し、前記水
    入口と前記水出口とは前記外側空間に導通するように設
    けられ、前記水再入口と前記原料入口と前記流体出口と
    は前記内側空間に導通するように設けられている、こと
    を特徴とする高圧反応容器。
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