JP2003326153A - 高粘度スラリー供給装置及びその起動方法 - Google Patents

高粘度スラリー供給装置及びその起動方法

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JP2003326153A
JP2003326153A JP2002135167A JP2002135167A JP2003326153A JP 2003326153 A JP2003326153 A JP 2003326153A JP 2002135167 A JP2002135167 A JP 2002135167A JP 2002135167 A JP2002135167 A JP 2002135167A JP 2003326153 A JP2003326153 A JP 2003326153A
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Japan
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pressure pump
valve
viscosity slurry
pressure
storage tank
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JP2002135167A
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English (en)
Inventor
Hironori Kako
啓憲 加来
Shunichi Kanamori
春一 金森
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Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高粘度スラリーを安定的に高圧送液できる高
粘度スラリー供給装置等を提供する。 【解決手段】 高粘度スラリー供給装置5の貯留槽11
には、下水汚泥やし尿、浄化槽汚泥、破砕樹脂等の高粘
度スラリーが貯留される。貯留槽11と反応容器3間の
供給配管13には、低圧ポンプ20、入側バルブ21、
入側逆止弁23、高圧ポンプ25、出側逆止弁27、出
側バルブ29が組み込まれている。入側バルブ21には
送水管31が接続され、出側バルブ29には背圧弁35
を備える排水管33が接続されている。この供給装置5
は、起動時に送水管31から高圧ポンプ25に水を送
り、高圧ポンプ25の出側が昇圧した後に、貯留槽11
内から供給配管35を通して高圧ポンプ25に高粘度ス
ラリーを送る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水汚泥やし尿、
浄化槽汚泥、破砕樹脂等の高粘度スラリーを供給する装
置、及び、その装置の起動方法に関する。特には、高粘
度スラリーを安定的に高圧送液できる高粘度スラリー供
給装置等に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】水熱反
応の応用の一形態として、廃棄物中の有機物等を酸化さ
せて、廃棄物を処理する方法がある。この方法において
は、水の超臨界又は亜臨界状態で有機物を含む廃棄物と
酸化剤とを反応させることで酸化反応を起こし、廃棄物
中の有機物を短時間でほぼ完全に分解することができ
る。
【0003】水の超臨界状態とは、温度が374℃以上
で、圧力が22MPa以上の状態である。亜臨界状態と
は、例えば、温度が374℃以上で、圧力が2.5MP
a以上22MPa未満の状態、又は、温度が374℃未
満で、圧力が22MPa以上の状態、又は温度が374
℃以下で、圧力が22MPa未満の状態であって、臨界
点に近い高温高圧状態である(特開2002−1088
号公報参照)。
【0004】水熱酸化反応によって廃棄物中の有機物を
酸化分解する際は、廃棄物、酸化剤及び水を反応容器内
へ供給して反応させると、有機物は酸化分解され、主に
水と二酸化炭素が生じる。そして、生じた反応生成物
は、エネルギー回収されるか又は冷却・減圧された後、
気体と液体とに分離される。なお、廃棄物が適正量の水
を含んでいる場合は、別途に水を供給する必要はない。
また、廃棄物中の有機物の分解のみでは反応温度を維持
できない場合は、反応助剤として油やアルコール等も反
応容器内に供給する。
【0005】ところで、前述の廃棄物は、廃棄物を貯留
する貯留槽から反応容器内へと供給される。この貯留槽
から反応容器へと繋がる供給配管には、貯留槽内の廃棄
物を加圧して送液する往復動式の高圧ポンプが組み込ま
れている。この高圧ポンプの吸い込み側(入側)及び吐
き出し側(出側)には、それぞれチェック弁(逆止弁)
が配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】廃棄物が下水汚泥やし
尿、浄化槽汚泥、破砕樹脂等の高粘度スラリーの場合
は、高圧ポンプ自身の吸引力のみでは安定的な吸い込み
ができない。そこで、低圧ポンプで高圧ポンプに高粘度
スラリーを押し込むようにしている。ところが、高圧ポ
ンプに高粘度スラリーを押し込みながら同ポンプを起動
すると、高圧ポンプでの昇圧・吐出がうまくいかないこ
とがある。
【0007】このような現象が起きる要因としては、以
下が考えられる。まず、往復動式の高圧ポンプとその前
後の逆止弁の構成と作用の概要を説明する。図3は、本
発明における高圧ポンプの一例を示すもので、シリンダ
式の往復動高圧ポンプ及びその前後の逆止弁の構成を模
式的に示す図である。図3に示す往復動式の高圧ポンプ
25は、スラリー供給配管13のラインの一部に設置さ
れている。この高圧ポンプ25は、本体部25aと駆動
部25b(油圧シリンダ)を備えている。同ポンプ25
は、駆動部25bから繰り出されるピストンロッド25
c及びその先端のプランジャ25dの往復動に伴って、
本体部25aが吸い込み・吐き出し作動を行なう。高圧
ポンプ25の入側(図の下側)及び出側(図の上側)に
おいて、配管13にはそれぞれ入側逆止弁23及び出側
逆止弁27が組み込まれている。
【0008】正常な高圧ポンプ25の吸い込み時には、
ピストンロッド25c及びプランジャ25dが図の右方
向に動き、本体部25a内の室25e内に液を吸い込
む。このとき、入側逆止弁23の弁体23aが浮いて、
同弁23が開く。一方、出側逆止弁27は、その弁体2
7aがポンプ25側に引かれて閉じている。高圧ポンプ
25の吐き出し時には、ピストンロッド25c及びプラ
ンジャ25dが図の左方向に動き、本体部25a内の室
25e内の液を図の上方向に吐出する。このとき、出側
逆止弁27の弁体27aは浮いて、同弁27が開く。一
方、入側逆止弁23の弁体23aが図の下方向に押され
て、同弁23は閉じる。このような動きによって、ポン
プ25から液が吐出され、同ポンプ25の出側が昇圧さ
れる。
【0009】しかしながら、粘度の高いスラリーを、ポ
ンプ出側の圧力が低いままで送液しようとすると、逆止
弁23、27の弁体23a、27aにかかる圧力が小さ
い状態で、その動きがスラリーの抵抗により遅くなるた
め、これら逆止弁23、27の閉動作が高圧ポンプ25
の吸い込み・吐き出し動作に適切に追従しない。そのた
め、ポンプ25のプランジャ25dが左右に動いても、
スラリーが入出側配管13の中を行ったり来たりするだ
けになり、スラリーを高圧で安定して吐き出すことがで
きない。
【0010】本発明は、前記の課題を解決するためにな
されたものであり、高粘度スラリーを安定的に高圧送液
できる高粘度スラリー供給装置等を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の高粘度スラリー供給装置は、高粘度スラリ
ーをその処理装置に供給する装置であって、 前記高粘
度スラリーを貯留する貯留槽と、 該貯留槽から前記処
理装置に至る供給配管と、 該供給配管の貯留槽出側部
に配設された往復動式高圧ポンプと、 該高圧ポンプの
入側及び出側にそれぞれ配設された逆止弁と、 前記高
圧ポンプの入側の前記供給配管に合流する送水管と、
前記高圧ポンプに前記貯留槽からの前記高粘度スラリー
を送るか前記送水管からの水を送るかを選択する、前記
高圧ポンプの入側に配設された入側バルブと、 前記高
圧ポンプの出側の前記供給配管から分岐する、背圧弁を
備える排水管と、 前記高圧ポンプの出側に配設され
た、前記高圧ポンプの吐出液を前記処理装置に送るか前
記排水管に送るかを選択する出側バルブと、を具備する
ことを特徴とする。本発明の高粘度スラリー供給装置
は、 前記排水管における前記背圧弁の先から前記貯留
槽に至る、切替弁を備える循環配管をさらに具備するこ
ととしてもよい。本発明の高粘度スラリー供給装置は、
前記高圧ポンプ出側の圧力が昇圧した後、前記循環配
管を通して高粘度スラリーを循環させながら、前記高圧
ポンプのスラリー吐出量を調整し、その後、本格的に前
記貯留槽から前記供給配管を通して前記処理装置に高粘
度スラリーを送ることとしてもよい。本発明の高粘度ス
ラリー供給装置は、 前記処理装置が水熱反応処理装置
であることとすることができる。本発明の高粘度スラリ
ー供給装置の起動方法は、 高粘度スラリーの供給配管
に配設された往復動式高圧ポンプと、 該高圧ポンプの
入側及び出側にそれぞれ配設された逆止弁と、を備える
高粘度スラリー供給装置の起動方法であって、まず前記
高圧ポンプに送水して、該ポンプの往復動に前記逆止弁
が追従作動し得る状態で該ポンプの運転を開始し、 次
いでポンプ出側の圧力が一定以上に昇圧した後に、前記
高圧ポンプに高粘度スラリーを送ることを特徴とする。
【0012】この装置は、起動時に送水管→入側バルブ
→供給配管を通して高圧ポンプに水を送る。水は低粘度
であるため、高圧ポンプの入側及び出側の逆止弁が高圧
ポンプの往復動に追従して適切に作動する。ポンプから
吐出された水は、出側バルブ→排水管を通して排水され
る。このとき、排水管の背圧弁の作用で、高圧ポンプの
出側が圧力保持される。その後、高圧ポンプの入側バル
ブ及び出側バルブを切り替え、貯留槽内の高粘度スラリ
ーを供給配管を通して高圧ポンプに送る。このときは、
既に高圧ポンプの出側圧が充分に高くなっているので、
粘度の高いスラリーを高圧ポンプに押し込んだ際にも逆
止弁が適切に追従作動する。したがって、高粘度スラリ
ーを安定して送液することができる。
【0013】なお、高圧ポンプ起動時に、水以外の低粘
度流体を高圧ポンプに送ってもよい。排水管から先の水
の処理方法としては、適当に処理して外部に排出しても
よいし、他の何らかの系統に送ってもよい。
【0014】本発明の高粘度スラリー供給装置において
は、前記排水管における前記背圧弁の先から前記貯留槽
に至る、切替弁を備える循環配管をさらに具備すること
ができる。この場合、まず水を送ってポンプ出側を昇圧
した後、貯留槽→供給配管→排水管→循環配管→貯留槽
のルートでスラリーを循環させながら、高圧ポンプのス
ラリー吐出量を調整する。この後、本格的に貯留槽から
供給配管を通して処理装置にスラリーを送る。
【0015】さらに、本発明の高粘度スラリー供給装置
においては、前記高圧ポンプ出側の圧力が昇圧した後、
前記循環配管を通して高粘度スラリーを循環させなが
ら、前記高圧ポンプのスラリー吐出量を調整し、その
後、本格的に前記貯留槽から前記供給配管を通して前記
処理装置に高粘度スラリーを送ることができる。
【0016】本発明の高粘度スラリー供給装置において
は、前記処理装置が水熱反応処理装置であるものとする
ことができる。
【0017】本発明の高粘度スラリー供給装置の起動方
法は、高粘度スラリーの供給配管に配設された往復動式
高圧ポンプと、 該高圧ポンプの入側及び出側にそれぞ
れ配設された逆止弁と、を備える高粘度スラリー供給装
置の起動方法であって、 まず、前記高圧ポンプに送水
して、該ポンプの往復動に前記逆止弁が追従作動し得る
状態で該ポンプの運転を開始し、 次いで、ポンプ出側
の圧力が一定以上に昇圧した後に、前記高圧ポンプに高
粘度スラリーを送ることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一つの実施の
形態に係る高粘度スラリー供給装置の構成を示す系統図
である。図2は、本発明の一つの実施の形態に係る高粘
度スラリー供給装置を具備した水熱反応処理装置の構成
を示す系統図である。
【0019】図2に示す水熱反応処理装置1は、超臨界
水酸化処理装置(Super CriticalWater Oxidation装
置;略称SCWO装置)とも呼ばれる。同装置1は、有
機系廃棄物等を水熱反応により分解する反応容器3と、
この反応容器3内に高粘度スラリー(被処理液)を供給
する高粘度スラリー供給装置5と、反応容器3から出る
反応生成物を分離する反応物分離装置7とを具備してい
る。
【0020】まず、図1を参照しつつ、高粘度スラリー
供給装置5について説明する。なお、ここでいう高粘度
スラリーとは、例えば粘度1000mPa・s以上のス
ラリーのことである。図1に示すように、高粘度スラリ
ー供給装置5は、貯留槽11を備えている。この貯留槽
11には、下水汚泥やし尿、浄化槽汚泥、破砕樹脂等の
高粘度スラリーが貯留される。
【0021】貯留槽11と反応容器3間には、供給配管
13が配設されている。この供給配管13は、入側(上
流側)端が貯留槽11の底部に接続され、出側(下流
側)端が反応容器3に接続されている。この供給配管1
3には、貯留槽11から反応容器3に向けて順に、低圧
ポンプ20、入側バルブ(三方弁)21、入側逆止弁2
3、高圧ポンプ25、出側逆止弁27、出側バルブ(三
方弁)29が組み込まれている。
【0022】低圧ポンプ20は、貯留槽11内の高粘度
スラリーを高圧ポンプ25に押し込むためのポンプであ
る。入側バルブ21は三方弁であって、ポート21aに
送水管31が接続されている。この送水管31は、図示
せぬ水源に繋がっている。入側バルブ21を切り替える
ことにより、高圧ポンプ25に貯留槽11からの高粘度
スラリーを送るか、又は、送水管31からの水を送るか
を選択できる。
【0023】入側逆止弁23及び出側逆止弁27は、高
圧ポンプ25の入側及び出側に付属しており、上流側へ
の逆流を阻止する。この高圧ポンプ25と各逆止弁2
3、27は、図3を参照しつつ前述した通りのものであ
る。すなわち、この往復動式の高圧ポンプ25は、駆動
部25bのピストン25cの往復動に伴い、本体部25
aが吸い込み・吐き出し作動を行なう。高圧ポンプ25
の吸い込み時には、入側逆止弁23が開となり、出側逆
止弁27が閉となる。逆に、高圧ポンプ25の吐き出し
時には、入側逆止弁23が閉となり、出側逆止弁27が
開となる。前述のように高圧ポンプ25の作動と逆止弁
23、27の作動が適切に追従すれば、高圧ポンプ25
は正常に吐出を行うことができる。
【0024】出側バルブ29は三方弁であって、ポート
29aに排水管33が接続されている。この排水管33
には、背圧弁35が組み込まれている。出側バルブ29
を切り替えることにより、高圧ポンプ25の吐出液を反
応容器3に送るか、又は、排水管33に送るかを選択で
きる。
【0025】排水管33の背圧弁35よりも先(下流
側)には、切替弁37が組み込まれている。この切替弁
37は三方弁であって、ポート37aに循環配管39が
接続されている。この循環管路39の先(下流端)は、
貯留槽11内部に接続されている。なお、排水管33の
先においては、水を適当に処理して外部に排出してもよ
いし、他の何らかの系統に送ってもよい。
【0026】ここで、高粘度スラリー供給装置5の起動
方法について説明する。この供給装置5は、起動時に図
1中のルート(一点鎖線で示すルート)で水を送る。
すなわち、まず送水管31→入側バルブ21→供給配管
13を通して高圧ポンプ25に水を送る。水は低粘度で
あるため、高圧ポンプ25両側の入側及び出側逆止弁2
3及び27が、高圧ポンプ25の往復動(吸い込み・吐
き出し)に追従して前述のように適切に作動し、高圧ポ
ンプ25は正常に水を吐出する。この水は、さらに出側
バルブ29→排水管33を通して排水される。このと
き、排水管33の背圧弁35とポンプ25の作用によ
り、高圧ポンプ25の出側では充分な圧力(例えば25
MPaまで)に昇圧される。
【0027】その後、入側バルブ21及び出側バルブ2
9を切り替える。次いで、切替弁37を切り替え、図1
中のルート(実線で示すルート)、つまり貯留槽11
→供給配管13→排水管33→循環配管39→貯留槽1
1の循環ルートで貯留槽11内の高粘度スラリーを送っ
て、高粘度スラリーを循環させながら高圧ポンプ25の
スラリー吐出量を調整する。そして、図1中のルート
(点線で示すルート)で、貯留槽11内から供給配管1
3を通して高圧ポンプ25に高粘度スラリーを送る。こ
のとき、高圧ポンプ25の出側圧は既に充分に高くなっ
ているので、粘度の高いスラリーを高圧ポンプ25に送
っても、ポンプ入出側の両逆止弁23、27が適切に追
従作動する。このようにして、高粘度スラリーを反応容
器3内に安定して送液することができる。
【0028】なお、前述の高粘度スラリー供給装置5の
起動方法においては、のルートを介さず、のルート
で流した後にのルートで流すこともできる。本発明に
おける往復動式ポンプとしては、前述したシリンダ式に
限らず、ダイヤフラム式等の任意の往復動式ポンプを使
用することができる。
【0029】次に、図1の処理装置が水熱反応処理装置
である場合について、図2を参照しつつ説明する。本発
明における水熱反応装置1は、汚泥等の高粘度スラリー
を水熱反応させ、有機物の酸化分解を行う装置である。
水熱反応装置1は、汚泥等を酸化剤の存在下に水の超臨
界又は亜臨界状態で水熱反応により酸化分解するように
構成される。
【0030】ここで水熱反応は、超臨界又は亜臨界状態
の高温高圧の水及び酸化剤の存在下に汚泥等を酸化反応
により酸化分解する反応である。超臨界状態とは、温度
が374℃以上で、圧力が22MPa以上の状態であ
る。亜臨界状態とは、例えば、温度が374℃以上で、
圧力が2.5MPa以上22MPa未満の状態、又は、
温度が374℃未満で、圧力が22MPa以上の状態、
又は温度が374℃以下で、圧力が22MPa未満の状
態であって、臨界点に近い高温高圧状態である。
【0031】このような水熱反応は、被反応物である高
粘度スラリーが酸化剤槽50からコンプレッサー55で
供給配管53を通して供給された酸化剤と混合した状態
で、反応容器3内で水熱反応が行われる。酸化剤として
は、空気、酸素、液体酸素、過酸化水素水、オゾン、硝
酸、亜硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩等を用いることができ
る。酸化剤は、高粘度スラリーと混合されて供給されて
もよいし、供給口56を二重管ノズルにして複層流とし
て供給してもよい。また必要により触媒や中和剤等が添
加される場合があるが、これらも高粘度スラリーと混合
して、あるいは別々に、反応容器3に供給することがで
きる。
【0032】本発明で用いられる水熱反応処理装置1
は、超臨界又は亜臨界状態で水熱反応を行うように、耐
熱・耐圧材料により、実質的に垂直方向に配置した筒状
反応器で形成される。反応熱だけでは超臨界又は亜臨界
状態に達しない場合には、外部加熱手段(図示されず)
を設けることができる。反応容器3の形状は、円筒、楕
円筒、多角筒のものを用いることができ、下端部はコー
ン状とすることができる。このような水熱反応装置1に
より超臨界又は亜臨界状態で水熱反応を行うと、被反応
物の有機物は酸化剤により酸化されて最終的に水と二酸
化炭素に分解され、あるいは加水分解により低分子化
し、無機物は固体あるいは溶融状態で分離する。反応生
成物は、固形物を分離後、冷却・減圧され、ガス分と液
分に分離される。
【0033】前記の水熱反応処理装置1は、従来より水
熱反応に用いられているものをそのまま用いることがで
きるが、特開平11−156186号に示されているよ
うに、上部に逆流を伴う混合反応域、下部に栓状流反応
域を形成する実質的に垂直な反応容器に、さらに上部に
設けられた噴射装置から被反応物と酸化剤の混合流を下
向流で噴射して上部の混合反応域で逆流を伴う混合流を
形成して水熱反応を行い、下部の栓状流反応域で平行な
下向栓流を形成して追加の水熱反応を行う構造のものが
好ましい。
【0034】水熱反応装置の材質は制限されないが、ハ
ステロイ、インコネル、ステンレス等の耐食性の材質が
好ましい。水熱反応装置には、耐腐食性ライナーを設け
るのが好ましい。耐腐食性ライナーは特に限定されず、
特開平11−156186号に開示されたような耐腐食
性ライナーと圧力負荷壁との間に間隙が存在するような
耐腐食性ライナーを用いることができる。
【0035】水熱反応装置1には、反応混合物を排出口
から排出する前に冷却するための冷却手段(図示され
ず)を設けることができる。冷却手段は特に限定されな
いが、反応容器3内に水を導入して冷却し、無機塩を溶
解してその排出を促進することができる。また、反応容
器3内に酸やアルカリを含む水を導入して冷却し、アル
カリや酸の中和を行うことができる。固体の付着性が著
しい場合には、反応容器3の内壁に付着した固体を除去
するための機械的除去装置を設けることができる。固体
除去のための機械的除去装置は特に限定されないが、特
開平11−156186号で開示された切欠窓部分を含
む実質的に円筒状のスクレーパが好適である。
【0036】水熱反応装置1から排出される反応流体中
の固形物を分離する固体分離器62を設けることができ
る。特に、超臨界状態の反応流体中では無機塩類が溶解
せずに固体として含まれているため、不溶化している無
機物を分離することにより、処理水の再利用が容易にな
る。固体分離器は特に限定されず、反応容器3から反応
流体を導入する流入口及び固体を除去した流体を排出す
る流出口を備えた容器と、容器内に配設されて前記反応
流体に含まれている前記固体を除去し、排出する手段と
を備えたものが使用できる。なお、冷却・減圧の工程
で、固体分離や気液分離の手段を含むこともできる。
【0037】水熱反応装置1による反応開始の手段は特
に制限されない。通常、反応容器3は、反応開始に当た
って所定の反応温度付近に予熱される。予熱は加熱装置
を反応容器3に設けるか、あるいは高粘度スラリー及び
/又は酸化剤供給路に設けて加熱された水や空気を導入
して実施することができる。また、通常、反応容器3に
水や酸化剤を供給し、通常設けられる圧力調整弁によっ
て所定の圧力に加圧される。所定の温度・圧力に調整さ
れた後、被反応物である高粘度スラリーを含む流体を供
給して水熱反応を開始する。反応によって有機物が分解
され、反応熱が発生する。
【0038】水熱反応装置上部(反応容器上部)に逆流
を伴う混合反応域を設けた場合、ここで逆流を伴う混合
作用で被反応物、酸化剤及び反応容器内容物等が十分に
混合されるため、流体の温度が上昇する。これにより供
給される被反応物は速やかに水熱反応を開始し、安定し
た反応が継続されることになる。反応流体は反応容器3
内を下向きに移動し、栓状流反応域で継続反応した後、
排出口から排出される。反応容器3の長さ:直径の比
は、1:1〜100:1が好ましい。
【0039】水熱反応装置1を出た反応流体は、固体を
分離した後、熱交換器63で冷却して減圧され、気液分
離される。反応容器3内で冷却して液体が生成している
場合は、水熱反応装置を出た段階で固体とともに液体と
分離し、必要によりさらに冷却及び気液分離を行う。最
終的に生成した水、気体、固体は、気液分離器70へ送
られる。
【0040】気液分離器70の底部には、排液管67が
接続されている。この排液管67には、減圧弁68が設
けられている。この減圧弁68を操作して、気液分離器
70から排出される高圧の液体を、例えば大気圧にまで
減圧する。一方、気体は気体排出路65を通り、減圧弁
66により減圧され、大気へ放出される。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高粘度スラリーを安定的に高圧送液できる高粘度スラリ
ー供給装置等を提供できる。その結果、水熱反応装置に
適用した場合、良好な高粘度スラリーの供給状態を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る高粘度スラリ
ー供給装置の構成を示す系統図である。
【図2】本発明の一つの実施の形態に係る高粘度スラリ
ー供給装置を具備した水熱反応処理装置の構成を示す系
統図である。
【図3】本発明における高圧ポンプの一例を示すもの
で、シリンダ式の往復動高圧ポンプ及びその前後の逆止
弁の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 水熱反応処理装置 3 反応容器 5 高粘度スラリー供給装置 7 反応物分
離装置 11 貯留槽 13 供給配
管 20 低圧ポンプ 21 入側バ
ルブ 23 入側逆止弁 25 高圧ポ
ンプ 25a 本体部 25b 駆動
部 25c ピストン 25d プラ
ンジャ 25e 室 27 出側逆
止弁 29 出側バルブ 31 送水管 33 排水管 35 背圧弁 37 切替弁 39 循環配
管 50 酸化剤槽 53 供給配
管 55 コンプレッサー 56 供給口 61 排出管 62 固体分
離器 63 熱交換器 65 気体排
出路 66、68 減圧弁 67 液体排
出路 70 気液分離器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金森 春一 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D059 AA01 AA02 AA03 AA07 BC01 BC02 CB01 DA31 DA43 DA47 DA70

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高粘度スラリーをその処理装置に供給す
    る装置であって、 前記高粘度スラリーを貯留する貯留槽と、 該貯留槽から前記処理装置に至る供給配管と、 該供給配管の貯留槽出側部に配設された往復動式高圧ポ
    ンプと、 該高圧ポンプの入側及び出側にそれぞれ配設された逆止
    弁と、 前記高圧ポンプの入側の前記供給配管に合流する送水管
    と、 前記高圧ポンプに前記貯留槽からの前記高粘度スラリー
    を送るか前記送水管からの水を送るかを選択する、前記
    高圧ポンプの入側に配設された入側バルブと、 前記高圧ポンプの出側の前記供給配管から分岐する、背
    圧弁を備える排水管と、 前記高圧ポンプの出側に配設された、前記高圧ポンプの
    吐出液を前記処理装置に送るか前記排水管に送るかを選
    択する出側バルブと、を具備することを特徴とする高粘
    度スラリー供給装置。
  2. 【請求項2】 前記排水管における前記背圧弁の先から
    前記貯留槽に至る、切替弁を備える循環配管をさらに具
    備することを特徴とする請求項1記載の高粘度スラリー
    供給装置。
  3. 【請求項3】 前記高圧ポンプ出側の圧力が昇圧した
    後、前記循環配管を通して高粘度スラリーを循環させな
    がら、前記高圧ポンプのスラリー吐出量を調整し、その
    後、本格的に前記貯留槽から前記供給配管を通して前記
    処理装置に高粘度スラリーを送ることを特徴とする請求
    項2記載の高粘度スラリー供給装置。
  4. 【請求項4】 前記処理装置が水熱反応処理装置である
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の高粘
    度スラリー供給装置。
  5. 【請求項5】 高粘度スラリーの供給配管に配設された
    往復動式高圧ポンプと、 該高圧ポンプの入側及び出側にそれぞれ配設された逆止
    弁と、を備える高粘度スラリー供給装置の起動方法であ
    って、 まず前記高圧ポンプに送水して、該ポンプの往復動に前
    記逆止弁が追従作動し得る状態で該ポンプの運転を開始
    し、 次いでポンプ出側の圧力が一定以上に昇圧した後に、前
    記高圧ポンプに高粘度スラリーを送ることを特徴とする
    高粘度スラリー供給装置の起動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014109160A1 (ja) 2013-01-10 2014-07-17 住友金属鉱山株式会社 スラリー移送設備、並びにスラリーの移送制御方法
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