JPH11274882A - 弾性表面波フィルタ装置及びこれに用いる一方向性変換器 - Google Patents

弾性表面波フィルタ装置及びこれに用いる一方向性変換器

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JPH11274882A
JPH11274882A JP7928298A JP7928298A JPH11274882A JP H11274882 A JPH11274882 A JP H11274882A JP 7928298 A JP7928298 A JP 7928298A JP 7928298 A JP7928298 A JP 7928298A JP H11274882 A JPH11274882 A JP H11274882A
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surface acoustic
acoustic wave
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JP7928298A
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Yasubumi Horio
保文 堀尾
Tatsuya Tsuruoka
達也 鶴岡
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】振幅特性に歪みが生じなく、また、位相リップ
ルを大きくすることなく、弾性表面波フィルタ装置のイ
ンピーダンスを高くする。 【解決手段】正電極2及び負電極3は、λを基本弾性表
面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形
成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複
数の電極指5及び6を有する。共通電極4は、λのピッ
チで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほ
ぼλ/12の複数の電極指7及び8を正電極2側及び負
電極3側にそれぞれ有し、各電極指7及び8は、電極指
5及び電極指6とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位
置する。短絡型浮き電極9及び10は、弾性表面波の伝
播方向の幅がほぼλ/12の2個の電極指を有し、各電
極指が、これに隣接する電極指5及び6と電極指7及び
8との中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは
反対の方向にλ/12偏位してそれぞれ位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波フィル
タ装置、例えば、CDMA通信方式に用いられる弾性表
面波フィルタ装置及びこのような弾性表面波フィルタ装
置に用いられる一方向性変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような弾性表面波フィルタ装置を用
いて回路設計をするに当たり、弾性表面波フィルタ装置
のインピーダンスを、これに接続される回路に応じて調
整する必要がある。
【0003】通常、弾性表面波フィルタ装置を高インピ
ーダンスにする場合、弾性表面波フィルタ装置で用いら
れる変換器の正電極及び負電極の電極指の交叉幅を小さ
くすれば容量が小さくなるため、そのインピーダンスを
高くすることができるが、しかしながら、交叉幅を小さ
くすると、弾性表面波の回折が顕著になるために弾性表
面波の広がりが大きくなり、弾性表面波フィルタ装置の
高周波側の特性が悪化する。
【0004】したがって、弾性表面波フィルタ装置を高
インピーダンスにするに当たり、弾性表面波フィルタ装
置が正規型電極構造の変換器を有する場合、その正電極
又は負電極を垂直方向に分割し、これら電極を直列接続
した変換器が提案されている。弾性表面波フィルタ装置
のインピーダンスは、それに用いられる変換器の対数の
2乗に反比例するので、このように電極を分割すると、
対数が同一である場合には、電極が分割されていない場
合に比べてインピーダンスが8倍になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、正規型
電極構造の一方向性変換器の電極を垂直方向に分割した
場合、分割した電極の電位分布が非対称になるため、分
割した電極の各インピーダンスが完全に一致せず、位相
リップルが大きくなるという不都合がある。
【0006】例えば、図19に示すように、入力側変換
器101として、電極を垂直方向に分割した正規型の一
方向性変換器を使用し、出力側変換器102として、ア
ポタイズ法によって重み付けをした双方向性変換器を使
用した弾性表面波フィルタ装置を用いる場合、図20に
実線で示すように振幅特性に歪みが生じ、破線で示すよ
うに位相リップルが9.8°となる。
【0007】図21は、電極を分割しない正規型一方向
性変換器を用いた弾性表面波フィルタ装置を示す図であ
る。この場合、入力側変換器103として、電極を垂直
方向に分割しない正規型の一方向性変換器を使用し、出
力側変換器104として、アポタイズ法によって重み付
けをした双方向性変換器を使用する。この場合、図22
に実線で示すように、振幅特性が中心周波数f0 に対し
てほぼ対称となり、破線で示すように位相リップルが
6.7°となる。
【0008】したがって、電極を垂直方向に分割した正
規型の一方向性変換器を使用した場合、電極を垂直方向
に分割しないものに比べて、振幅特性及び位相リップル
が悪化している。
【0009】本発明の第1の目的は、上記不都合の生じ
ることのない高インピーダンスの弾性表面波フィルタ装
置を提供することである。
【0010】本発明の第2の目的は、このような弾性表
面波フィルタ装置に用いられる一方向性変換器を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1記
載の一方向性変換器は、弾性表面波フィルタ装置用の一
方向性変換器であって、電気機械結合係数が0.1〜
1.5%の圧電性基板と、λを基本弾性表面波の伝播波
長とした場合に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/
12の複数の電極指を延在方向に対して一方の側にλの
ピッチで形成した正と負のうちの一方の極性の第1電極
と、前記電極指が延在する側に前記第1電極とほぼ平行
に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の
複数の電極指を前記第1電極側にλのピッチで形成した
正と負のうちの他方の極性の第2電極と、前記第1電極
と第2電極との間に前記第1及び第2電極にほぼ平行に
延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複
数の電極指を前記第1電極指側にλのピッチで形成し、
各電極指を前記第1電極の電極指又は隣接する電極指と
λ/2の中心間距離を以て配置するとともに、弾性表面
波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を前記
第2電極指側にλのピッチで形成し、各電極指を前記第
2電極の電極指とλ/2の中心間距離を以て配置したフ
ローティング状態の共通電極と、前記第1及び第2電極
の電極指と共通電極の電極指との間に配置され、弾性表
面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の2個の電極指を有
し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電
極の電極指との中間位置から弾性表面波の伝播方向又は
これとは反対の方向にλ/12偏位してそれぞれ位置す
る複数の短絡型浮き電極とを具えることを特徴とするも
のである。
【0012】本発明による請求項1記載の一方向性変換
器は、正と負のうちの一方の極性の第1電極及び正と負
のうちの他方の極性の第2電極を平行に配置し、これら
第1及び第2電極の間にフローティング状態の共通電極
を配置し、第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極
指との間に短絡型浮き電極を配置する。このような一方
向性変換器を弾性表面波フィルタ装置に用いた場合、正
電極及び負電極の対数が第1電極及び共通電極並びに第
2電極及び共通電極の対数の和に等しい一方向性変換器
を用いた弾性表面波フィルタ装置に比べて、インピーダ
ンスが8倍となる。したがって、このような一方向性変
換器を用いた弾性表面波フィルタ装置では、正電極及び
負電極の対数が第1電極及び共通電極並びに第2電極及
び共通電極の対数の和に等しい場合には高インピーダン
スになる。
【0013】なお、このような電極配置では、電極の電
位分布が対称となるので、各電極のインピーダンスが完
全に一致し、位相リップルが大きくなることはない。
【0014】このような一方向性変換器を入力側変換器
又は出力側変換器として用いた弾性表面波フィルタ装置
の圧電性基板としては、通常、ニオブ酸リチウム基板
(LiNbO3 )、水晶基板、タンタル酸リチウム基板
(LiTaO3 )、ほう酸リチウム基板(Li2 4
7 )、ランガサイト基板(La3 Ga5 SiO14)等が
用いられている。これら基板のうち、ニオブ酸リチウム
基板は比較的大きな5.5%の電気機械結合係数
(K2 )を有するので、良好な変換特性が得られるとい
う利点を有する。しかしながら、温度特性に難点がある
ため、すなわち、温度変化に対する帯域幅の変化が大き
くなるという不都合があり、広帯域用のフィルタとして
だけ用いられてきた。共振型のフィルタは、その構造か
らG.D.T.が大きい不具合が強く指摘されていた。
それに対して、浮き電極型の変換器を有する弾性表面波
フィルタ装置は、電極の非対称構造を有効に利用してい
るため、挿入損失、G.D.T.(Group Delay Time)を
大幅に低減させることができる。したがって、非対称構
造の内部反射型電極構造を温度特性に優れた圧電性基板
に適用すれば、G.D.T.及び挿入損失に優れるとと
もに、温度変化に対する通常帯域の変化が極めて小さい
弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。
【0015】このような状況を考慮すると、本発明によ
る弾性表面波フィルタ装置によれば、周波数に対する温
度特性が極めて小さく、電気機械結合係数がニオブ酸リ
チウム基板に比べて1/3から1桁小さく、かつ、電極
指による反射係数が浮き電極に対して正の反射係数を有
する圧電性基板を用いる。これら基板は、温度変化に対
する周波数変動が微小であるので、圧電性基板としてこ
れら基板のうちのいずれかを用いると、温度特性に対す
る通過周波数帯域の変化を微小範囲に維持することがで
きる。しかしながら、電気機械結合係数が小さい基板上
に既存の変換器をそのまま形成すると、挿入損失の観点
から良好な特性の弾性表面波フィルタ装置を実現するこ
とができない。
【0016】本発明者が、電機機械結合係数の小さい基
板における挿入損失について詳細な検討を行った結果、
浮き電極の反射係数の符号が挿入損失に大きく影響して
いることが判明した。このような基板の場合、開放型浮
き電極に比べて短絡型浮き電極の方が反射係数が大き
い。したがって、上記一部のピッチ以外のピッチについ
ては、浮き電極として短絡型浮き電極を用いるのが好適
である。このように構成することによって、電気機械結
合係数の小さい基板を用いても挿入損失を極めて小さい
範囲に抑制することができ、その結果、温度特性に優れ
るとともに低損失の広帯域弾性表面波フィルタ装置を実
現することができる。
【0017】本発明による請求項2記載の一方向性変換
器は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル酸リチウ
ム基板、ほう酸リチウム基板又はランガサイト基板とし
たことを特徴とするものである。
【0018】本発明では、電気機械結合係数が0.1〜
1.5%の圧電性基板として、電気機械結合係数が0.
1〜1.5%である水晶基板(0.14%)、タンタル
酸リチウム基板(0.64%)、ほう酸リチウム基板
(1.0%)又はランガサイト基板(0.3〜0.4
%)を用いる。
【0019】本発明による請求項3記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.0%の
圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号
が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換
する入力側変換器と、前記基板上に形成され、前記入力
側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、
この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、
前記入力側変換器及び出力側変換器をそれぞれ一方向性
変換器とし、これら一方向性変換器の各々は、λを基本
弾性表面波の伝播波長とした場合に、弾性表面波の伝播
方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を延在方向に対
して一方の側にλのピッチで形成した正と負のうちの一
方の極性の第1電極と、前記電極指が延在する側に前記
第1電極とほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方向の
幅がほぼλ/12の複数の電極指を前記第1電極側にλ
のピッチで形成した正と負のうちの他方の極性の第2電
極と、前記第1電極と第2電極との間に前記第1及び第
2電極にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅
がほぼλ/12の複数の電極指を前記第1電極指側にλ
のピッチで形成し、各電極指を前記第1電極の電極指又
は隣接する電極指とλ/2の中心間距離を以て配置する
とともに、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の
複数の電極指を前記第2電極指側にλのピッチで形成
し、各電極指を前記第2電極の電極指とλ/2の中心間
距離を以て配置したフローティング状態の共通電極と、
前記第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との
間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
2の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する
第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との中間
位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向
にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数の短絡型浮き
電極とを具えることを特徴とするものである。
【0020】このような弾性表面波フィルタ装置では、
請求項1記載の一方向性変換器を二つ組み合わせた弾性
表面波フィルタ装置と同様の作用効果を有する。
【0021】本発明による請求項4記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.0%の
圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号
が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換
する入力側変換器と、前記基板上に形成され、前記入力
側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、
この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、
前記入力側変換器及び出力側変換器をそれぞれ一方向性
変換器とし、これら一方向性変換器のうちの一方は、λ
を基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、弾性表面波
の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を延在方
向に対して一方の側にλのピッチで形成した正と負のう
ちの一方の極性の第1電極と、前記電極指が延在する側
に前記第1電極とほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播
方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を前記第1電極
側にλのピッチで形成した正と負のうちの他方の極性の
第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に前記第1
及び第2電極にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方
向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を前記第1電極指
側にλのピッチで形成し、各電極指を前記第1電極の電
極指又は隣接する電極指とλ/2の中心間距離を以て配
置するとともに、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/
12の複数の電極指を前記第2電極指側にλのピッチで
形成し、各電極指を前記第2電極の電極指とλ/2の中
心間距離を以て配置したフローティング状態の共通電極
と、前記第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指
との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ
/12の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接
する第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との
中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の
方向にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数の短絡型
浮き電極とを具え、これら一方向性変換器のうちの他方
は、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播
方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極
と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波
の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、
各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を
以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と
負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方
向の幅がほぼλ/12の2個の電極指を有し、各電極指
が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指と
の間の中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは
反対の方向にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数の
短絡型浮き電極とを具えることを特徴とするものであ
る。
【0022】このように、請求項1記載の一方向性変換
器と、正電極、負電極及び短絡型浮き電極の各電極指の
弾性表面波の伝播方向の幅をλ/12に設定したλ/1
2型の一方向性変換器とを用いて弾性表面波フィルタ装
置を構成することもできる。
【0023】本発明による請求項5記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.0%の
圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号
が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換
する入力側変換器と、前記基板上に形成され、前記入力
側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、
この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、
前記入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を一方向
性変換器とするとともに、その他方を双方向性変換器と
し、この一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播
波長とした場合に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ
/12の複数の電極指を延在方向に対して一方の側にλ
のピッチで形成した正と負のうちの一方の極性の第1電
極と、前記電極指が延在する側に前記第1電極とほぼ平
行に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12
の複数の電極指を前記第1電極側にλのピッチで形成し
た正と負のうちの他方の極性の第2電極と、前記第1電
極と第2電極との間に前記第1及び第2電極にほぼ平行
に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の
複数の電極指を前記第1電極指側にλのピッチで形成
し、各電極指を前記第1電極の電極指又は隣接する電極
指とλ/2の中心間距離を以て配置するとともに、弾性
表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を
前記第2電極指側にλのピッチで形成し、各電極指を前
記第2電極の電極指とλ/2の中心間距離を以て配置し
たフローティング状態の共通電極と、前記第1及び第2
電極の電極指と共通電極の電極指との間に配置され、弾
性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の2個の電極指
を有し、各電極指が、これに隣接する第1及び第2電極
の電極指と共通電極の電極指との中間位置から弾性表面
波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位し
てそれぞれ位置する複数の短絡型浮き電極とを具えるこ
とを特徴とするものである。
【0024】このように、請求項1記載の一方向性変換
器を双方向性変換器と組み合わせて、本発明による弾性
表面波フィルタ装置を構成することができ、このような
弾性表面波フィルタ装置は、特にCDMA用の弾性表面
波フィルタ装置に好適である。
【0025】また、このような弾性表面波フィルタ装置
によって得られる電気信号の周波数特性は、一方向性変
換器の特性と双方向性変換器の特性とが掛け合わされた
特性となる。したがって、周波数特性については双方向
性変換器の良好な特性が活用され、挿入損失及びT.
T.E.(Triple Transit Echo) レベルについては一方
向性変換器の有用な特性が生かされた弾性表面波フィル
タ装置を実現することができる。その結果、周波数特
性、挿入損失及びT.T.E.レベルの要件を全て満足
する弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。
【0026】本発明による請求項6記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の
圧電性基板と、この圧電性基板上に形成された双方向性
変換器と、この双方向性変換器の弾性表面波の伝播軸線
の両側に配置した第1の一方向性変換器及び第2の一方
向性変換器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換
器とする場合、前記第1の出力側変換器及び第2の一方
向性変換器を出力側変換器とし、前記双方向性変換器を
出力側変換器とする場合、前記第1の一方向性変換器及
び第2の一方向性変換器を入力側変換器とし、前記第1
の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器の各々は、
λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、弾性表面
波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を延在
方向に対して一方の側にλのピッチで形成した正と負の
うちの一方の極性の第1電極と、前記電極指が延在する
側に前記第1電極とほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝
播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を前記第1電
極側にλのピッチで形成した正と負のうちの他方の極性
の第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に前記第
1及び第2電極にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播
方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を前記第1電極
指側にλのピッチで形成し、各電極指を前記第1電極の
電極指又は隣接する電極指とλ/2の中心間距離を以て
配置するとともに、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ
/12の複数の電極指を前記第2電極指側にλのピッチ
で形成し、各電極指を前記第2電極の電極指とλ/2の
中心間距離を以て配置したフローティク状態の共通電極
と、前記第1及び第2電極の電極指と第3電極の電極指
との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ
/12の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接
する第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との
中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の
方向にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数の短絡型
浮き電極とを具えることを特徴とするものである。
【0027】このように、請求項1記載の一方向性変換
器を双方向性変換器の両側に配置して本発明による弾性
表面波フィルタ装置を構成することもでき、このような
弾性表面波フィルタ装置も、特にCDMA用の弾性表面
波フィルタ装置において好適である。
【0028】また、このように双方向性変換器の両側に
一方向性変換器を配置した場合、双方向性変換器で励振
されたエネルギーをほとんど全て有効に利用することが
でき、挿入損失を大幅に低減させるのに有利である。
【0029】本発明による請求項7記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の
圧電性基板と、この圧電性基板上に形成された双方向性
変換器と、この双方向性変換器の弾性表面波の伝播軸線
の両側に配置した第1の一方向性変換器及び第2の一方
向性変換器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換
器とする場合、前記第1の出力側変換器及び第2の一方
向性変換器を出力側変換器とし、前記双方向性変換器を
出力側変換器とする場合、前記第1の一方向性変換器及
び第2の一方向性変換器を入力側変換器とし、前記第1
の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器のうちの一
方は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、弾
性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指
を延在方向に対して一方の側にλのピッチで形成した正
と負のうちの一方の極性の第1電極と、前記電極指が延
在する側に前記第1電極とほぼ平行に延在し、弾性表面
波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を前記
第1電極側にλのピッチで形成した正と負のうちの他方
の極性の第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に
前記第1及び第2電極にほぼ平行に延在し、弾性表面波
の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を前記第
1電極指側にλのピッチで形成し、各電極指を前記第1
電極の電極指又は隣接する電極指とλ/2の中心間距離
を以て配置するとともに、弾性表面波の伝播方向の幅が
ほぼλ/12の複数の電極指を前記第2電極指側にλの
ピッチで形成し、各電極指を前記第2電極の電極指とλ
/2の中心間距離を以て配置したフローティング状態の
共通電極と、前記第1及び第2電極の電極指と共通電極
の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅
がほぼλ/12の2個の電極指を有し、各電極指が、こ
れに隣接する第1及び第2電極の電極指と共通電極の電
極指との中間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれと
は反対の方向にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数
の短絡型浮き電極とを具え、前記第1の一方向性変換器
及び第2の一方向性変換器のうちの他方は、λのピッチ
で周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼ
λ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλの
ピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅
がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記
正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位
置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指
との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ
/12の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接
する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置
から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ
/12偏位してそれぞれ位置する複数の短絡型浮き電極
とを具えることを特徴とするものである。
【0030】このように、請求項1記載の一方向性変換
器を双方向性変換器の一方の側に配置するとともに、正
電極、負電極及び短絡型浮き電極の各電極指の弾性表面
波の伝播方向の幅をλ/12に設定したλ/12型の一
方向性変換器を双方向性変換器の他方の側に配置するこ
とによって本発明による弾性表面波フィルタ装置を構成
することもでき、このような弾性表面波フィルタ装置
も、特にCDMA用の弾性表面波フィルタ装置に好適で
あり、この場合も、挿入損失を大幅に低減させるのに有
利である。
【0031】本発明による請求項8記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記双方向性変換器は、λ/4の中心間
距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8
である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成し
た正電極と、同様にλ/4の中心間距離を以て位置し、
弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指
の組をλのピッチで周期的に形成され、各電極指の組が
前記正電極の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離
を以てそれぞれ位置する負電極とを具えることを特徴と
するものである。
【0032】双方向性変換器として、正電極及び負電極
の各電極指の幅をλ/4に設定した変換器がある。この
変換器は励振効率の面では極めて有益である。しかしな
がら、電極指の各端間のピッチがλ/4となるため、電
極指の各端縁で生じた反射波が互いに同相になり、その
結果、1dB以上の大きなリップルが生じる。したがっ
て、一方向性変換器と組み合わせた場合、周波数特性を
満足することができない。
【0033】また、各電極指の幅をλ/8に設定した双
方向性変換器の場合、電極指の面積がλ/4型のものよ
りも少なくなるため、励振効率はλ/4型のものよりも
低下する。また、電極指の端縁で生じる反射波の位相が
互いにずれるために、周波数特性にリップルが生じてし
まう。したがって、一方向性変換器と組み合わせた場
合、挿入損失及び周波数特性について満足できる特性を
得ることができない。
【0034】これに対して、幅がλ/8の2本の電極指
を対とし、正電極及び負電極の電極指を2本の電極指対
で構成したλ/8スプリット型の双方向性変換器の場
合、電極指の面積はλ/4型のものと同一であり、高い
変換効率が得られる。また、電極指端縁で発生する反射
波は互いに位相が反転した反射波同士だけであるので、
リップルのない極めて良好な周波数特性が得られる。し
たがって、このλ/8スプリット型の電極構造を有する
双方向性変換器をλ/12型の一方向性変換器と組み合
わせれば、挿入損失、周波数特性及びT.T.E.減衰
レベルについて各変換器が有する固有の欠点が互いに補
完され、その結果、優れた特性を有する弾性表面波フィ
ルタ装置を実現することができる。
【0035】本発明による請求項9記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記双方向性変換器は、λ/4の中心間
距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8
である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成し
た正電極と、同様にλ/4の中心間距離を以て位置し、
弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指
の組をλのピッチで周期的に形成され、前記正電極と弾
性表面波の伝播方向にλ離間して位置する負電極と、同
様にλ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝
播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッ
チで周期的に形成され、各電極指の組が前記正電極及び
負電極の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を以
てそれぞれ位置するフローティング状態の共通電極とを
具えることを特徴とするものである。
【0036】このように、双方向性変換器として電極を
分割したものを用いることもでき、これは、整合回路が
高インピーダンスである場合に好適なものとなる。
【0037】本発明による請求項10記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記双方向性変換器を重み付け電極構
造としたことを特徴とするものである。
【0038】このように双方向性変換器を重み付けした
電極構造とすることによって、更に良好な周波数特性の
波形が得られるようになる。
【0039】本発明による請求項11記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記双方向性変換器の重み付け電極構
造を、弾性表面波の伝播方向に沿って前記正電極の電極
指と負電極の電極指との交叉幅が順次変換するアポタイ
ズ法、又は弾性表面波の伝播方向に沿って前記正電極の
電極指と負電極の電極指との交叉幅が一様で、励振強度
を変化させることによって重み付けを行う間引き法によ
って構成したことを特徴とするものである。
【0040】重み付けの方法として、電極指の間隔を変
化させるバリビッチ法が既知である。しかしながら、こ
の方法では、電極指における反射波に位相のずれが生
じ、これがリップルの原因となる。それに対して、アポ
タイズ法では、電極指の弾性表面波の伝播方向と直交す
る方向の長さを順次変化させているので、位相ずれによ
るリップルの発生を防止し、リップルのない良好な周波
数特性の波形が得やすくなる。
【0041】本発明による請求項12記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記重み付け電極構造は、電極指交叉
幅が順次変化して対向する電極指間の空隙の軌跡を表
し、前記双方向性変換器の中心部に位置するメインロー
ブと、前記空隙の軌跡を表し、前記メインローブの両側
に位置するサイドローブとを有し、前記重み付け電極構
造を、これらサイドローブを、前記メインローブの弾性
表面波伝播中心軸に対して互いに反対側に配置したチル
ト型電極構造としたことを特徴とするものである。
【0042】このようなチルト型電極構造にすることに
よって、双方向性変換器に入射される又は双方向性変換
器から出射される弾性表面波の伝播方向を調整すること
ができ、双方向性変換器を入力側変換器として用いる場
合、弾性表面波を一方向性変換器の開口部に有効に入射
させることができ、出力側変換器として用いる場合、一
方向性変換器によって変換された弾性表面波を有効に入
射することができる。その結果、弾性表面波から電気信
号への変換効率が向上する。
【0043】本発明による請求項13記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタ
ル酸リチウム基板、ほう酸リチウム基板又はランガサイ
ト基板としたことを特徴とするものである。
【0044】このような弾性表面波フィルタ装置は、上
記請求項2記載の一方向性変換器を用いた弾性表面波フ
ィルタ装置と同様の作用効果を有する。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明による弾性表面波フィルタ
装置及びこれに用いる一方向性変換器を、図面を参照し
て詳細に説明する。なお、図面は線形的であり、寸法通
りではない。
【0046】図1は、本発明による一方向製変換器の第
1の実施の形態を示す図である。この一方向性変換器を
入力側変換器として用いる場合、図において右方向に弾
性表面波が伝播し、出力側変換器として用いる場合、図
において左方向から弾性表面波が伝播する。
【0047】本実施の形態において、圧電性基板として
矩形の水晶基板1を用いる。水晶基板は、温度変化に対
する帯域幅変化が微小であるので、温度変化による通過
周波数帯域の変化を微小に維持することができる。
【0048】この一方向性変換器は、正電極2、負電極
3及びフローティング状態の共通電極4を具える。正電
極2及び負電極3は、λを基本弾性表面波の伝播波長と
した場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面
波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指5及び
6を有する。共通電極4は、同様にλのピッチで周期的
に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12
の複数の電極指7及び8を正電極2側及び負電極3側に
それぞれ有し、各電極指7及び8は、正電極2の電極指
5及び負電極3の電極指6とλ/2の中心間距離を以て
それぞれ位置する。
【0049】正電極2及び負電極3の電極指5及び6と
共通電極4の電極指7及び8との間に、短絡型浮き電極
9及び10をそれぞれ配置する。これら短絡型浮き電極
9及び10は、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
2の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する
正電極2及び負電極3の電極指5及び6と共通電極4の
電極指7及び8との中間位置から弾性表面波の伝播方向
又はこれとは反対の方向にλ/12偏位してそれぞれ位
置する。
【0050】なお、正電極2及び共通電極4並びに負電
極3及び共通電極4の対数をそれぞれ、例えば、200
対に設定するが、この対数は、要求される変換器特性に
応じて適宜最適条件に設定することができる。
【0051】本実施の形態の動作を説明する。図1に示
した一方向性変換器を入力側変換器として弾性表面波フ
ィルタ装置に用いた場合、弾性表面波フィルタ装置のイ
ンピーダンスはそれに用いられる変換器の対数の2乗に
反比例するので、正電極及び負電極の対数が正電極2及
び共通電極4並びに負電極3及び共通電極4の対数の和
に等しい一方向性変換器を用いた弾性表面波フィルタ装
置に比べて、インピーダンスが8倍となる。したがっ
て、このような一方向性変換器を用いた弾性表面波フィ
ルタ装置では、正電極及び負電極の対数が正電極2及び
共通電極4並びに負電極3及び共通電極4の対数の和に
等しい場合には高インピーダンスになる。
【0052】なお、このような電極配置では、電極の電
位分布が対称となるので、各電極のインピーダンスが完
全に一致し、位相リップルが生じることはない。
【0053】図2は、本発明による一方向性変換器の第
2の実施の形態を示す図である。本実施の形態でも、圧
電性基板として矩形の水晶基板11を用いる。この一方
向性変換器の正電極12は、λのピッチで形成した弾性
表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指1
3を有し、負電極14は、λのピッチで周期的に形成し
た弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電
極指15を有し、共通電極16は、λのピッチで形成さ
れ、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の
電極指17を正電極12側に有するとともに、λのピッ
チで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほ
ぼλ/12の複数の電極指18を負電極14側に有す
る。また、各電極指17は、正電極12の電極指13と
λ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置し、各電極指1
8は、正電極14の電極指15とλ/2の中心間距離を
以てそれぞれ位置する。
【0054】このような一方向性変換器を弾性表面波フ
ィルタ装置の入力側変換器又は出力側変換器として用い
た場合でも、第1の実施の形態の一方向性変換器を弾性
表面波フィルタ装置の入力側変換器又は出力側変換器と
同様な作用効果を有する。
【0055】図3は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第1の実施の形態を示す図である。本実施の形態
でも、圧電性基板として矩形の水晶基板22を用いる。
この水晶基板22の表面上に、入力された電気信号を弾
性表面波に変換する入力側変換器23と、シールド電極
24と、入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信
号に変換するとともにこの電気信号を外部に出力する出
力側変換器25とを、弾性表面波の伝播方向に沿って形
成する。
【0056】入力側変換器23を、図1に示した正規型
水平分割電極構造の一方向性変換器と同一のものとす
る。出力側変換器25を、正電極を負電極にするととも
に負電極を正電極とし、正電極の電極指と負電極の電極
指の中間位置から弾性表面波の伝播方向にλ/12だけ
偏位するように短絡型浮き電極を配置した点を除いて、
図1に示した一方向性変換器と同一構造を有する。
【0057】このような弾性表面波フィルタ装置では、
図1に示した一方向性変換器と、正電極を負電極にする
とともに負電極を正電極とし、正電極の電極指と負電極
の電極指の中間位置から弾性表面波の伝播方向にλ/1
2だけ偏位するように短絡型浮き電極を配置した点を除
いて、図1に示した一方向性変換器と同一構造のものと
を組み合わせた弾性表面波フィルタ装置と同様な作用効
果を有する。
【0058】図4は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第2の実施の形態を示す図である。本実施の形態
において、入力側変換器26は、正電極27及び負電極
28と、これら正電極27及び負電極28の電極指間に
配置した短絡型浮き電極29とを具える。本実施の形態
では、正電極27、負電極28及び短絡型浮き電極29
の弾性表面波の伝播方向における電極指の幅を、全てλ
/12に設定する。また、正電極27及び負電極28の
各電極指をλのピッチでそれぞれ形成し、正電極27の
電極指とそれに隣接する負電極28の電極指との間の中
心間距離を、λ/2に設定する。また、短絡型浮き電極
29の電極指を、これに隣接する正電極27の電極指及
び負電極28の電極指との中間位置から、弾性表面波の
伝播方向と反対方向にλ/12だけ偏位するように配置
して、電極の非対称に基づく一方向性を高める。なお、
出力側変換器30を、図3に示した出力側変換器25と
同一のものとする。
【0059】このように、図3に示したような一方向性
変換器と、正電極、負電極及び短絡型浮き電極の各電極
指の弾性表面波の伝播方向の幅をλ/12に設定したλ
/12型の一方向性変換器とを用いて弾性表面波フィル
タ装置を構成することもできる。
【0060】図5は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第3の実施の形態を示す図である。本実施の形態
では、入力側変換器31を、λ/4の中心間距離を以て
配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数
形成した正電極32及び負電極33を有するスプリット
電極構造の双方向性変換器で構成し、正電極32の各電
極指の組が負電極33の隣接する電極指の組とλ/2の
中心間距離を以てそれぞれ位置するように設定する。本
実施の形態では、弾性表面波の変換効率を良くするため
に、これら正電極32及び負電極33の電極指の幅をλ
/8に設定する。このように構成することによって、互
いに隣接する電極指間の間隔が全てλ/8に設定される
ことになる。入力側変換器31の対数を、例えば、30
0対に設定する。
【0061】また、入力側変換器31には、アポタイズ
法による重み付けが行われており、正電極32の電極指
と負電極33の電極指との交叉幅、すなわち、開口長
を、弾性表面波の伝播方向に沿って変化させている。
【0062】なお、出力側変換器34を、図3に示した
出力側変換器25と同一のものとする。
【0063】このように、本発明による一方向性変換器
を双方向性変換器と組み合わせて、本発明による弾性表
面波フィルタ装置を構成することができ、このような弾
性表面波フィルタ装置は、特にCDMA用の弾性表面波
フィルタ装置に好適である。
【0064】また、このような弾性表面波フィルタ装置
によって得られる電気信号の周波数特性は、一方向性変
換器の特性と双方向性変換器の特性とが掛け合わされた
特性となる。したがって、周波数特性については双方向
性変換器の良好な特性が活用され、挿入損失及びT.
T.E.レベルについては一方向性変換器の有用な特性
が生かされた弾性表面波フィルタ装置を実現することが
できる。その結果、周波数特性、挿入損失及びT.T.
E.レベルの要件を全て満足する弾性表面波フィルタ装
置を実現することができる。
【0065】図6は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第4の実施の形態を示す図である。本実施の形態
では、入力側変換器35を、λ/4の中心間距離を以て
配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数
形成した正電極36及び負電極37並びに共通電極38
を有するスプリット電極構造の双方向性変換器で構成
し、正電極36及び負電極37の各電極指の組が共通電
極38の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を以
てそれぞれ位置するように設定する。本実施の形態で
も、これら正電極36及び負電極37並びに共通電極3
8の電極指の幅をλ/8に設定し、アポタイズ法による
重み付けが行われている。
【0066】なお、出力側変換器39を、図3に示した
出力側変換器25と同一のものとする。
【0067】本実施の形態のように、双方向性変換器と
して正電極を分割したものを用いることもでき、これ
は、整合回路が高インピーダンスである場合に好適なも
のとなる。
【0068】図7は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第5の実施の形態を示す図である。本実施の形態
では、入力側変換器40を、λ/4の中心間距離を以て
配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数
形成した正電極41及び負電極42を有するスプリット
電極構造の双方向性変換器で構成し、正電極41の各電
極指の組が負電極42の隣接する電極指の組とλ/2の
中心間距離を以てそれぞれ位置するように設定する。本
実施の形態でも、これら正電極41及び負電極42の電
極指の幅をλ/8に設定し、アポタイズ法による重み付
けが行われている。
【0069】本実施の形態では、入力側変換器40は、
サイドローブ43及び44を、入力側変換器40のメイ
ンローブ45の弾性表面波伝播中心軸46に対して互い
に反対側に配置したチルト型電極構造を有する。なお、
出力側変換器47を、図3に示した出力側変換器25と
同一のものとする。
【0070】このようなチルト型電極構造にすることに
よって、入力側変換器40の弾性表面波の伝播方向を調
整することができ、入力側変換器40によって変換され
た弾性表面波を、出力側変換器の開口部に有効に入射さ
せることができ、弾性表面波から電気信号への変換効率
が向上する。
【0071】図8は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第6の実施の形態を示す図である。本実施の形態
では、入力側変換器48を、λ/4の中心間距離を以て
配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数
形成した正電極49及び負電極50並びに共通電極51
を有するスプリット電極構造の双方向性変換器で構成
し、正電極49及び負電極50の各電極指の組が共通電
極51の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を以
てそれぞれ位置するように設定する。本実施の形態で
も、これら正電極49、負電極及び共通電極51の電極
指の幅をλ/8に設定し、アポタイズ法による重み付け
が行われ、チルト型電極構造を有する。なお、出力側変
換器52を、図3に示した出力側変換器25と同一のも
のとする。
【0072】図9は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第7の実施の形態を示す図である。本実施の形態
では、入力側変換器53の両側に第1及び第2の出力側
変換器54及び55を配置する。入力側変換器53を、
図5の入力側変換器31と同一のものとし、第1の出力
側変換器54を、図3の入力側変換器23と同一のもの
とし、第2の出力側変換器55を、図3の出力側変換器
25と同一のものとする。
【0073】このように、図1に示した一方向性変換器
を双方向性変換器の両側に配置することによって、特に
CDMA用の弾性表面波フィルタ装置に好適な弾性表面
波フィルタ装置を構成することができる。また、このよ
うな双方向性変換器の両側に一方向性変換器を配置する
ことによって、双方向性変換器で励振されたエネルギー
をほとんど全て有効に利用することができ、挿入損失を
大幅に低減させるのに有利である。
【0074】図10は、本発明による弾性表面波フィル
タ装置の第8の実施の形態を示す図である。本実施の形
態でも、入力側変換器56の両側に第1及び第2の出力
側変換器57及び58を配置する。入力側変換器56
を、図6の入力側変換器35と同一のものとし、第1の
出力側変換器57を、図3の入力側変換器23と同一の
ものとし、第2の出力側変換器58を、図3の出力側変
換器25と同一のものとする。
【0075】図11は、本発明による弾性表面波フィル
タ装置の第9の実施の形態を示す図である。本実施の形
態でも、入力側変換器59の両側に第1及び第2の出力
側変換器60及び61を配置する。入力側変換器59
を、図7の入力側変換器40と同一のものとし、第1の
出力側変換器60を、図3の入力側変換器23と同一の
ものとし、第2の出力側変換器61を、図3の出力側変
換器25と同一のものとする。
【0076】図12は、本発明による弾性表面波フィル
タ装置の第10の実施の形態を示す図である。本実施の
形態でも、入力側変換器62の両側に第1及び第2の出
力側変換器63及び64を配置する。入力側変換器62
を、図8の入力側変換器48と同一のものとし、第1の
出力側変換器63を、図3の入力側変換器23と同一の
ものとし、第2の出力側変換器64を、図3の出力側変
換器25と同一のものとする。
【0077】図13は、本発明による弾性表面波フィル
タ装置の第11の実施の形態を示す図である。本実施の
形態でも、入力側変換器65の両側に第1及び第2の出
力側変換器66及び67を配置する。入力側変換器65
を、図5の入力側変換器31と同一のものとし、第1の
出力側変換器66を、図4の入力側変換器26と同一の
ものとし、第2の出力側変換器67を、図4の出力側変
換器30と同一のものとする。
【0078】図14は、本発明による弾性表面波フィル
タ装置の第12の実施の形態を示す図である。本実施の
形態でも、入力側変換器68の両側に第1及び第2の出
力側変換器69及び70を配置する。入力側変換器68
を、図6の入力側変換器35と同一のものとし、第1の
出力側変換器69を、図4の入力側変換器26と同一の
ものとし、第2の出力側変換器70を、図4の出力側変
換器30と同一のものとする。
【0079】図15は、本発明による弾性表面波フィル
タ装置の第13の実施の形態を示す図である。本実施の
形態でも、入力側変換器71の両側に第1及び第2の出
力側変換器72及び73を配置する。入力側変換器71
を、図7の入力側変換器40と同一のものとし、第1の
出力側変換器72を、図4の入力側変換器26と同一の
ものとし、第2の出力側変換器73を、図4の出力側変
換器30と同一のものとする。
【0080】図16は、本発明による弾性表面波フィル
タ装置の第14の実施の形態を示す図である。本実施の
形態でも、入力側変換器74の両側に第1及び第2の出
力側変換器75及び76を配置する。入力側変換器74
を、図8の入力側変換器48と同一のものとし、第1の
出力側変換器75を、図4の入力側変換器26と同一の
ものとし、第2の出力側変換器76を、図4の出力側変
換器30と同一のものとする。
【0081】次に、本発明による弾性表面波フィルタ装
置によって得られる特性を説明する。図17は、図5の
弾性表面波フィルタ装置の特性図である。この場合、破
線で示すように位相リップルは6.3°となり、図19
の弾性表面波フィルタ装置の場合、すなわち、正電極又
は負電極を垂直分割した一方向性変換器を用いた場合に
対して位相リップルが改善されている。また、振幅特性
も実線で示すように中心周波数f0 に対してほぼ対称に
なる。
【0082】図18は、図7の弾性表面波フィルタ装置
の特性図である。この場合、破線で示すように位相リッ
プルは3.6°となる。したがって、チルト型電極の傾
斜を適切に変更することによって、位相リップルを著し
く改善されている。また、振幅特性も実線で示すように
中心周波数f0 に対してほぼ対称になる。
【0083】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例え
ば、上記実施の形態において、圧電性基板として水晶基
板を用いたが、タンタル酸リチウム基板、ほう酸リチウ
ム基板又はランガサイドん基板を代わりに用いることも
できる。
【0084】また、上記弾性表面波フィルタ装置の第1
〜5の実施の形態において、入力側変換器を出力側変換
器として用いるとともに、出力側変換器を入力側変換器
として用いることもできる。
【0085】さらに、一方向性変換器及び双方向性変換
器の正電極を負電極とするとともに、負電極を正電極と
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一方向製変換器の第1の実施の形
態を示す図である。
【図2】本発明による一方向製変換器の第2の実施の形
態を示す図である。
【図3】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1の
実施の形態を示す図である。
【図4】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第2の
実施の形態を示す図である。
【図5】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第3の
実施の形態を示す図である。
【図6】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第4の
実施の形態を示す図である。
【図7】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第5の
実施の形態を示す図である。
【図8】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第6の
実施の形態を示す図である。
【図9】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第7の
実施の形態を示す図である。
【図10】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第8
の実施の形態を示す図である。
【図11】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第9
の実施の形態を示す図である。
【図12】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1
0の実施の形態を示す図である。
【図13】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1
1の実施の形態を示す図である。
【図14】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1
2の実施の形態を示す図である。
【図15】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1
3の実施の形態を示す図である。
【図16】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1
4の実施の形態を示す図である。
【図17】図5の弾性表面波フィルタ装置の特性図であ
る。
【図18】図7の弾性表面波フィルタ装置の特性図であ
る。
【図19】正電極又は負電極を垂直分割した一方向性変
換器と、重み付けした双方向性変換器とを用いた弾性表
面波フィルタ装置を示す図である。
【図20】図19の弾性表面波フィルタ装置の特性図で
ある。
【図21】従来の弾性表面波フィルタ装置を示す図であ
る。
【図22】従来の弾性表面波フィルタ装置の周波数特性
である。
【符号の説明】
1,11,22 水晶基板、2,12,27,32,3
6,41,49 正電極、3,14,28,33,3
7,42,50 負電極、4,6,38,51共通電
極、5,6,7,8,13,15,17,18 電極
指、9,10,19,20,29 短絡型浮き電極、2
3,26,31,35,40,48,53,56,5
9,62,65,68,71,74 入力側変換器、2
4 シールド電極、25,30,34,47,52,5
4,55,57,58,60,61,63,64,6
6,67,69,70,72,73,75,76 出力
側変換器、43,44 サイドローブ、45 メインロ
ーブ、46 弾性表面波伝播中心軸

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性表面波フィルタ装置用の一方向性変換
    器であって、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧
    電性基板と、 λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、弾性表面
    波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を延在
    方向に対して一方の側にλのピッチで形成した正と負の
    うちの一方の極性の第1電極と、 前記電極指が延在する側に前記第1電極とほぼ平行に延
    在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数
    の電極指を前記第1電極側にλのピッチで周期的に形成
    した正と負のうちの他方の極性の第2電極と、 前記第1電極と第2電極との間に前記第1及び第2電極
    にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼ
    λ/12の複数の電極指を前記第1電極指側にλのピッ
    チで形成し、各電極指を前記第1電極の電極指又は隣接
    する電極指とλ/2の中心間距離を以て配置するととも
    に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の
    電極指を前記第2電極指側にλのピッチで形成し、各電
    極指を前記第2電極の電極指とλ/2の中心間距離を以
    て配置したフローティング状態の共通電極と、 前記第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との
    間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
    2の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する
    第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との中間
    位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向
    にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数の短絡型浮き
    電極とを具えることを特徴とする一方向性変換器。
  2. 【請求項2】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル酸
    リチウム基板、ほう酸リチウム基板又はランガサイト基
    板としたことを特徴とする請求項1又は2記載の一方向
    性変換器。
  3. 【請求項3】電気機械結合係数が0.1〜1.0%の圧
    電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が
    外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換す
    る入力側変換器と、前記基板上に形成され、前記入力側
    変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、こ
    の電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、 前記入力側変換器及び出力側変換器をそれぞれ一方向性
    変換器とし、これら一方向性変換器の各々は、λを基本
    弾性表面波の伝播波長とした場合に、弾性表面波の伝播
    方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を延在方向に対
    して一方の側にλのピッチで形成した正と負のうちの一
    方の極性の第1電極と、 前記電極指が延在する側に前記第1電極とほぼ平行に延
    在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数
    の電極指を前記第1電極側にλのピッチで形成した正と
    負のうちの他方の極性の第2電極と、 前記第1電極と第2電極との間に前記第1及び第2電極
    にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼ
    λ/12の複数の電極指を前記第1電極指側にλのピッ
    チで形成し、各電極指を前記第1電極の電極指又は隣接
    する電極指とλ/2の中心間距離を以て配置するととも
    に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の
    電極指を前記第2電極指側にλのピッチで形成し、各電
    極指を前記第2電極の電極指とλ/2の中心間距離を以
    て配置したフローティング状態の共通電極と、 前記第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との
    間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
    2の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する
    第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との中間
    位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向
    にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数の短絡型浮き
    電極とを具えることを特徴とする弾性表面波フィルタ装
    置。
  4. 【請求項4】電気機械結合係数が0.1〜1.0%の圧
    電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が
    外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換す
    る入力側変換器と、前記基板上に形成され、前記入力側
    変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、こ
    の電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、 前記入力側変換器及び出力側変換器をそれぞれ一方向性
    変換器とし、これら一方向性変換器のうちの一方は、λ
    を基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、弾性表面波
    の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を延在方
    向に対して一方の側にλのピッチで形成した正と負のう
    ちの一方の極性の第1電極と、 前記電極指が延在する側に前記第1電極とほぼ平行に延
    在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数
    の電極指を前記第1電極側にλのピッチで形成した正と
    負のうちの他方の極性の第2電極と、 前記第1電極と第2電極との間に前記第1及び第2電極
    にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼ
    λ/12の複数の電極指を前記第1電極指側にλのピッ
    チで形成し、各電極指を前記第1電極の電極指又は隣接
    する電極指とλ/2の中心間距離を以て配置するととも
    に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の
    電極指を前記第2電極指側にλのピッチで形成し、各電
    極指を前記第2電極の電極指とλ/2の中心間距離を以
    て配置したフローティング状態の共通電極と、 前記第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との
    間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
    2の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する
    第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との中間
    位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向
    にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数の短絡型浮き
    電極とを具え、 これら一方向性変換器のうちの他方は、λのピッチで周
    期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/
    12の複数の電極指を有する正電極と、 同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝
    播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電
    極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以て
    それぞれ位置する負電極と、 前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置さ
    れ、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の2個の
    電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電
    極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾性表面波
    の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して
    それぞれ位置する複数の短絡型浮き電極とを具えること
    を特徴とする弾性表面波フィルタ装置。
  5. 【請求項5】電気機械結合係数が0.1〜1.0%の圧
    電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が
    外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換す
    る入力側変換器と、前記基板上に形成され、前記入力側
    変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、こ
    の電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、 前記入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を一方向
    性変換器とするとともに、その他方を双方向性変換器と
    し、この一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播
    波長とした場合に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ
    /12の複数の電極指を延在方向に対して一方の側にλ
    のピッチで形成した正と負のうちの一方の極性の第1電
    極と、 前記電極指が延在する側に前記第1電極とほぼ平行に延
    在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数
    の電極指を前記第1電極側にλのピッチで形成した正と
    負のうちの他方の極性の第2電極と、 前記第1電極と第2電極との間に前記第1及び第2電極
    にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼ
    λ/12の複数の電極指を前記第1電極指側にλのピッ
    チで形成し、各電極指を前記第1電極の電極指又は隣接
    する電極指とλ/2の中心間距離を以て配置するととも
    に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の
    電極指を前記第2電極指側にλのピッチで形成し、各電
    極指を前記第2電極の電極指とλ/2の中心間距離を以
    て配置したフローティング状態の共通電極と、 前記第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との
    間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
    2の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する
    第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との中間
    位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向
    にλ/12偏位してそれぞれ位置する複数の短絡型浮き
    電極とを具えることを特徴とする弾性表面波フィルタ装
    置。
  6. 【請求項6】電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧
    電性基板と、この圧電性基板上に形成された双方向性変
    換器と、この双方向性変換器の弾性表面波の伝播軸線の
    両側に配置した第1の一方向性変換器及び第2の一方向
    性変換器とを具え、 前記双方向性変換器を入力側変換器とする場合、前記第
    1の出力側変換器及び第2の一方向性変換器を出力側変
    換器とし、前記双方向性変換器を出力側変換器とする場
    合、前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換
    器を入力側変換器とし、 前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器の
    各々は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、
    弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極
    指を延在方向に対して一方の側にλのピッチで形成した
    正と負のうちの一方の極性の第1電極と、 前記電極指が延在する側に前記第1電極とほぼ平行に延
    在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数
    の電極指を前記第1電極側にλのピッチで形成した正と
    負のうちの他方の極性の第2電極と、 前記第1電極と第2電極との間に前記第1及び第2電極
    にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼ
    λ/12の複数の電極指を前記第1電極指側にλのピッ
    チで形成し、各電極指を前記第1電極の電極指又は隣接
    する電極指とλ/2の中心間距離を以て配置するととも
    に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の
    電極指を前記第2電極指側にλのピッチで形成し、各電
    極指を前記第2電極の電極指とλ/2の中心間距離を以
    て配置したフローティング状態の共通電極と、 前記第1及び第2電極の電極指と共通電極の電極指との
    間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
    2の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する
    正電極の電極指と負電極の電極指との中間位置から弾性
    表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏
    位してそれぞれ位置する複数の短絡型浮き電極とを具え
    ることを特徴とする弾性表面波フィルタ装置。
  7. 【請求項7】電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧
    電性基板と、この圧電性基板上に形成された双方向性変
    換器と、この双方向性変換器の弾性表面波の伝播軸線の
    両側に配置した第1の一方向性変換器及び第2の一方向
    性変換器とを具え、 前記双方向性変換器を入力側変換器とする場合、前記第
    1の出力側変換器及び第2の一方向性変換器を出力側変
    換器とし、前記双方向性変換器を出力側変換器とする場
    合、前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換
    器を入力側変換器とし、 前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器の
    うちの一方は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場
    合に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数
    の電極指を延在方向に対して一方の側にλのピッチで形
    成した正と負のうちの一方の極性の第1電極と、 前記電極指が延在する側に前記第1電極とほぼ平行に延
    在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数
    の電極指を前記第1電極側にλのピッチで形成した正と
    負のうちの他方の極性の第2電極と、 前記第1電極と第2電極との間に前記第1及び第2電極
    にほぼ平行に延在し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼ
    λ/12の複数の電極指を前記第1電極指側にλのピッ
    チで形成し、各電極指を前記第1電極の電極指又は隣接
    する電極指とλ/2の中心間距離を以て配置するととも
    に、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の
    電極指を前記第2電極指側にλのピッチで形成し、各電
    極指を前記第2電極の電極指とλ/2の中心間距離を以
    て配置したフローティング状態の共通電極と、 前記第1及び第2電極の電極指と第3電極の電極指との
    間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
    2の2個の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する
    正電極の電極指と負電極の電極指との中間位置から弾性
    表面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏
    位してそれぞれ位置する複数の短絡型浮き電極とを具
    え、 前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器の
    うちの他方は、λのピッチで周期的に形成され、弾性表
    面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有
    する正電極と、 同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝
    播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電
    極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以て
    それぞれ位置する負電極と、 前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置さ
    れ、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の2個の
    電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電
    極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾性表面波
    の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して
    それぞれ位置する複数の短絡型浮き電極とを具えること
    を特徴とする弾性表面波フィルタ装置。
  8. 【請求項8】前記双方向性変換器は、λ/4の中心間距
    離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8で
    ある2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成した
    正電極と、 同様にλ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の
    伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピ
    ッチで周期的に形成され、各電極指の組が前記正電極の
    隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞ
    れ位置する負電極とを具えることを特徴とする請求項5
    から7のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装
    置。
  9. 【請求項9】前記双方向性変換器は、λ/4の中心間距
    離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8で
    ある2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成した
    正電極と、 同様にλ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の
    伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピ
    ッチで周期的に形成され、前記正電極と弾性表面波の伝
    播方向にλ離間して位置する負電極と、 同様にλ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の
    伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピ
    ッチで周期的に形成され、各電極指の組が前記正電極及
    び負電極の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を
    以てそれぞれ位置するフローティング状態の共通電極と
    を具えることを特徴とする請求項5から7のうちのいず
    れかに記載の弾性表面波フィルタ装置。
  10. 【請求項10】前記双方向性変換器を、重み付け電極構
    造としたことを特徴とする請求項9又は10記載の弾性
    表面波フィルタ装置。
  11. 【請求項11】前記重み付け電極構造を、弾性表面波の
    伝播方向に沿って前記電極指の交叉幅が順次変化するア
    ポタイズ法によって構成したことを特徴とする請求項1
    0記載の弾性表面波フィルタ装置。
  12. 【請求項12】前記重み付け電極構造は、電極指交叉幅
    が順次変化して対向する電極指間の空隙の軌跡を表し、
    前記双方向性変換器の中心部に位置するメインローブ
    と、前記空隙の軌跡を表し、前記メインローブの両側に
    位置するサイドローブとを有し、 前記重み付け電極構造を、これらサイドローブを、前記
    メインローブの弾性表面波伝播中心軸に対して互いに反
    対側に配置したチルト型電極構造としたことを特徴とす
    る請求項11記載の弾性表面波フィルタ装置。
  13. 【請求項13】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル
    酸リチウム基板、ほう酸リチウム基板又はランガサイト
    基板としたことを特徴とする請求項3から12のうちの
    いずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。
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