JPH11272122A - 電子写真用感光ドラム装置およびその製造方法 - Google Patents

電子写真用感光ドラム装置およびその製造方法

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JPH11272122A
JPH11272122A JP7739998A JP7739998A JPH11272122A JP H11272122 A JPH11272122 A JP H11272122A JP 7739998 A JP7739998 A JP 7739998A JP 7739998 A JP7739998 A JP 7739998A JP H11272122 A JPH11272122 A JP H11272122A
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photosensitive drum
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Hiroshi Emori
弘 江森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アース−駆動ギヤ付きフランジを感光ドラム
の塗布開始側に取り付けても、従来と比較し、その機能
をより長く維持することが可能な電子写真用感光ドラム
装置およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 円筒形基板1上に引き上げによる浸漬塗
布法により感光層2が塗布された電子写真用感光ドラム
の端部にフランジが嵌着された電子写真用感光ドラム装
置において、前記感光層2の塗布開始側Xの膜厚が塗布
終了側Yの膜厚と同等以上に形成されてなり、かつ該ア
ース駆動ギヤ付きフランジ3が塗布開始側Xに取り付け
らている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式のプ
リンタ、複写機等の心臓部として使用される電子写真用
感光ドラム装置およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光ドラムは、通常、その回
転駆動および支持のためにギヤ付きフランジが両端部ま
たは片側端部に嵌着され、複写機などの電子写真用感光
体装置本体の所定部分に取り付けられる。最近ではコス
トの観点からギヤ付きフランジの材料としてポリカーボ
ネート(PC)やポリアセタールやポリオキシメチレン
(POM)などの合成樹脂が広く使われている。
【0003】他方、電子写真プロセスにおいて良好な画
像を得るためには、感光層と複写機等との間に良好な電
気的な導通を確保する必要があるので、コストを考慮し
て上述の合成樹脂製のギヤ付きフランジを用いた場合
は、その導通を確保する手段として金属製のアース板を
用いて樹脂フランジと組み合わせる必要がある。
【0004】また、円筒形基板上に、例えば特開平7−
271077号公報などに開示されている如く引き上げ
による浸漬塗布法により感光層が塗布されている場合、
塗布開始側の基板に未塗布部を残して浸漬するので、塗
布液の回り込みはないが、塗布終了側の感光ドラム内面
には塗布液の回り込みが発生する。この塗布液の回り込
みは前記電気的導通の妨げとなるため、前述のようなア
ース板による導通機能を持つ樹脂製のギヤ付きフランジ
は塗布開始側へ取り付けられるのが一般的である。
【0005】また、従来行なわれていた引き上げによる
感光層の塗布は、上述のような塗布方式に起因して、図
3に模式的に示すように感光ドラムの塗布終了側Yの塗
布層(感光層)2の膜厚が塗布開始側Xのそれと比較し
厚くなる。また、電子写真装置内の感光ドラムは、その
印字プロセスにおいて塗布層が摩耗により減少するが、
この摩耗は、感光ドラムの回転駆動トルクを受ける側に
おいてより顕著であることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、前述のように
コスト的観点から、導通機能と回転駆動機能を兼ね備え
たアース−駆動ギヤ付きフランジを感光ドラムの塗布開
始側の一端に嵌着する場合には、膜厚の薄い塗布開始側
が駆動トルクを受けて、より顕著に摩耗を受けることに
なる。従って、このようなフランジを用いた感光体の寿
命は、導通機能と回転駆動機能が夫々別々のフランジを
用いる場合よりも、短くなるという問題がある。
【0007】そこで本発明の目的は、コスト的観点か
ら、より好ましいアース−駆動ギヤ付きフランジを感光
ドラムの塗布開始側に取り付けても、従来よりも、良好
な画像形成機能をより長く維持することができ、寿命の
長い電子写真用感光ドラム装置およびその製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、基板の軸方向への引き
上げによる浸漬塗布法により円筒形基板に感光層を塗布
する際の引き上げ速度を塗布の進行に伴い徐々に遅くし
て、塗布開始側の塗布層の膜厚を塗布終了側と同等以上
にすることにより、アース−駆動ギヤ付きフランジを感
光ドラムの塗布開始側の端部Xに取り付けた場合におい
ても、従来と比較し、塗布開始側の感光層が先に摩耗す
ることなく、その機能をより長く維持することができる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の電子写真用感光ドラム装置
は、円筒形基板を軸方向に引き上げる浸漬塗布法により
感光層が塗布された電子写真用感光ドラムの端部にフラ
ンジが嵌着された電子写真用感光ドラム装置において、
前記感光層は塗布開始側が塗布終了側と同等以上の膜厚
を備え、前記フランジについては、塗布開始側のドラム
端部に前記感光層に対する電気的導通及び回転駆動の機
能を併せ持つアース−駆動ギヤ付きフランジが嵌着され
ていることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明は、前記電子写真用感光ドラ
ム装置を製造するにあたり、軸方向への引き上げによる
浸漬塗布法により円筒状基板に感光層を塗布する際に、
引き上げ速度を塗布の進行に伴い徐々に遅くすることを
特徴とする電子写真用感光ドラム装置の製造方法に関す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に使用される円筒形基板と
しては、アルミニウム又はアルミニウム合金製円筒や円
筒形プラスチック基体へアルミニウムフィルムを蒸着し
て導電性基体としたもの、さらに該導電性基体の表面を
アルマイト化したもの、あるいは樹脂皮膜等による表面
修飾を施したものが用いられる。
【0012】また、感光層としては、感光ドラムの塗布
開始側の膜厚が塗布終了側の膜厚と同等以上に形成され
ている限り、単層型感光層や、電荷発生層と電荷輸送層
とを有する積層型感光層とすることができ、また必要に
応じて基体と感光層の間に下引き層が形成される。な
お、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層に使用される材
料に特に制限はなく、既知の材料を用いることができ
る。
【0013】感光層が塗布された電子写真用感光ドラム
の端部に嵌着されるフランジは、例えば、図1に示すよ
うな、感光ドラムに対する電気的導通及び回転駆動の機
能を併せ持つアース−駆動ギヤ付きフランジ3であり、
本発明においては、このアース−駆動ギヤ付きフランジ
を電子写真用感光ドラムの塗布開始側Xに取り付ける。
かかる絶縁性のフランジ本体は、通常、前述のようなP
CやPOMなどの合成樹脂製である。このフランジのド
ラム内面側には感光ドラム基板1の内面と接点部4にて
導通可能状態で、導電性金属の板からなるアース板5が
固着されている。アース板5からは導電性支持軸(図示
せず)の端面に弾性的に摺接する接点部51が延在す
る。また、フランジの外周面には駆動ギヤ部31が形成
されている。
【0014】また、本発明においては、引き上げによる
浸漬塗布法により円筒状基板に感光層を塗布する際に、
引き上げ速度を塗布の進行に伴い徐々に遅くする。かか
る引き上げ速度および徐々に遅くする程度は、感光ドラ
ムの寸法、感光層材料等に基づき適宜選定すればよく、
これにより塗布開始側の塗布層の膜厚を塗布終了側と同
等以上にすることができる。引き上げによる浸漬塗布法
においては、図2に示すように基板1を支持部材7に取
り付けられたチャッキング部材6に保持し、モーター
(図示せず)とボールねじ8等を用いて昇降させる。塗
布液9は塗布液槽10に入れておき、この塗布液槽10
内にチャッキング部材6に保持された基板1を未塗布部
11を残して浸漬させた後、基板1を引き上げて塗布を
開始する。その際、上述のように引き上げ速度を塗布の
進行に伴い徐々に遅くしながら引き上げることにより円
筒状基板1上に感光層2を形成せしめる。なお、本発明
における浸漬塗布法に用いる浸漬塗布装置は既知のもの
を用いることができ、特に制限されるべきものではな
い。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。 実施例 直径30mm、長さ254mmの円筒形基板に基体端部
から5mmの幅で未塗布部を形成するようにして0.1
μm厚の下引き層、同様に0.3μm厚の電荷発生層を
塗布した後、平均分子量約3万の樹脂バインダーを含む
電荷輸送層を、同様に塗布開始側の塗布層端部から8m
mまでを1.8mm/秒、それ以降を1.65mm/秒
の引き上げ速度にて塗布した。このとき、塗布開始側お
よび塗布開始側層端部より30mmの位置での膜厚は3
5.7μm、塗布終了側から30mmの位置での膜厚は
34.7μmであった。この感光ドラムに対して、その
塗布開始側にアース−駆動ギヤ付きフランジを取り付け
た。
【0016】比較例 電荷輸送層を引き上げ速度を常に1.65mm/秒で塗
布した以外は実施例と同様にして作製した感光ドラムに
おいては、塗布開始側の塗布層端部より30mmの位置
での膜厚は32.2μm、塗布終了側端部から30mm
の位置での膜厚は34.2μmであった。この感光ドラ
ムに対して、その塗布開始側にアース−駆動ギヤ付きフ
ランジを取り付けた。
【0017】実施例および比較例の感光ドラムを用い、
レターサイズ普通紙30000枚の印字試験を夫々行っ
た結果、実施例においては塗布層の摩耗に起因する画像
欠陥の発生がなかったのに対し、比較例においては感光
ドラムの塗布開始側に塗布層の摩耗に起因する画像欠陥
が発生した。このことは、本発明による実施例では摩耗
の受けやすいギヤ付きフランジ取り付け側の感光層があ
らかじめ、他側よりも膜厚が厚く形成されているため、
より顕著に摩耗を受けても画像欠陥に結びつかなかった
ためと考えられる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、アース−駆動ギヤ付き
フランジを感光ドラムの塗布開始側に取り付けても、従
来と比較し、感光体としての機能をより長く維持するこ
とができ、より多くの印字を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用されるアース−駆動ギヤ付きフラ
ンジの一部切欠断面図である。
【図2】引き上げによる浸漬塗布方法および装置を示す
説明図である。
【図3】従来の感光ドラムの、塗布終了Y側と塗布開始
X側の塗布層の膜厚状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 感光層(塗布層) 3 アース−駆動ギヤ付きフランジ 31 駆動ギヤ部 4 接点部 5 アース板 6 チャッキング部材 7 支持部材 8 ボールねじ 9 塗布液 10 塗布液槽 11 未塗布部 X 塗布開始側 Y 塗布終了側

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形基板を軸方向に引き上げる浸漬塗
    布法により感光層がその外周面に塗布された電子写真用
    感光ドラムの端部にフランジが嵌着された電子写真用感
    光ドラム装置において、前記感光層は、塗布開始側が塗
    布終了側と同等以上の膜厚を備え、前記フランジについ
    ては、塗布開始側のドラム端部に、前記感光層に対する
    電気的導通及び回転駆動の機能を併せ持つアース−駆動
    ギヤ付きフランジが嵌着されていることを特徴とする電
    子写真用感光ドラム装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真用感光ドラム装
    置を製造するにあたり、軸方向への引き上げによる浸漬
    塗布法により円筒状基板に感光層を塗布する際に、引き
    上げ速度を塗布の進行に伴い徐々に遅くすることを特徴
    とする電子写真用感光ドラム装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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