JPH11271533A - ホログラム偏光分離素子 - Google Patents

ホログラム偏光分離素子

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JPH11271533A
JPH11271533A JP10075738A JP7573898A JPH11271533A JP H11271533 A JPH11271533 A JP H11271533A JP 10075738 A JP10075738 A JP 10075738A JP 7573898 A JP7573898 A JP 7573898A JP H11271533 A JPH11271533 A JP H11271533A
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hologram
linearly polarized
light
diffracted
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JP10075738A
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Kazuhiro Inoko
和宏 猪子
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Sharp Corp
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    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3033Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不用偏光成分の吸収による発熱がなく、劣化
が抑制され、また、偏光の分離度も良好で、軽量かつシ
ステムの小型化が可能なホログラム偏光分離素子及びそ
れを用いた液晶投影表示装置を提供する。 【解決手段】 ホログラム1の表面に垂直に入射してき
た入射自然光Iは、回折されずに進行する第1の直線偏
光E1と、ホログラム1によって回折され、かつ、第1
の直線偏光E1に偏光方向が直交した第2の直線偏光E2
に分離される。第1の直線偏光E1はそのまま基盤ガラ
ス2を通過していくが、第2の直線偏光E2は、ガラス
−空気境界線で内部全反射を起こし、当該ホログラム偏
光分離素子の出射側へ出射することはできない。従って
このホログラム偏光分離素子により、入射自然光のうち
一方の直線偏光成分のみを所定方向に通過させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不定偏光である自
然光のうち、1方向の偏光方向を持つ直線偏光のみを取
り出す偏光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な液晶プロジェクタ(液晶投影表
示装置)では、液晶パネルの原理的な特性により、映像
を作るために出射光のうち不要な光を偏光板などでカッ
トする必要がある。しかしながら従来の2色性を利用し
た偏光板は不要光を吸収するため、吸収された光は熱と
なり、偏光板の温度上昇やそれによる性能の劣化を生じ
ることが問題となっている。これを避けるために、出射
側偏光板の代替として薄膜蒸着の偏光ビームスプリッタ
を用いたり、特公昭61−240204号公報や特公昭
63−26604号公報,特開昭62−249107号
公報に示される回折型偏光素子を用いるなどの工夫もな
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法には、以下のような問題があった。薄膜蒸着の偏光
ビームスプリッタを使用する場合、一般的な偏光ビーム
スプリッタはガラスプリズムを2枚張り合わせてなる形
状を有しているので全体として厚みがあり、従って容積
及び重量が大きくなり、例えば液晶プロジェクタの出射
側偏光板として用いた場合、投影レンズのバックフォー
カスが長くなってしまいレンズ径の拡大化,投影距離の
増大、さらに光学系全体の重量の増大などの問題点が生
じることになる。また、回折型偏光子のうち特公昭61
−240204号公報に示されるものは、偏光の分離度
が完全でなくもれ光が生じるので、例えば、液晶プロジ
ェクタの出射側偏光板として用いた場合、コントラスト
のよい鮮明な画像を得ることは難しい。また、特公昭6
3−26605号公報に示される回折偏光子は特公昭6
1−240204号公報に比べ偏光の分離度が良くコン
トラストが大きくとれる上、波長による回折の違いも媒
質の屈折率分散による程度であるが、回折格子部分の屈
折率差が小さく成らざるを得ないので回折角度が大きく
取れず、従って、例えば液晶プロジェクタの出射側偏光
板として用いた場合、投影レンズのバックフォーカスを
伸ばす要因となる。また、特開昭62−249107号
公報に示されるホログラム偏光分離素子では偏光の分離
度も良く、分離角度も大きくとれるが、入射光がホログ
ラム面法線に対して大きい角度で入射するよう設定され
ているため結果として場所をとり、例えば液晶プロジェ
クタの出射側偏光板として用いた場合、投影レンズのバ
ックフォーカスを伸ばす要因となる。
【0004】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、不用偏光成分の吸収による発熱がなく、劣
化が抑制され、また、偏光の分離度も良好で、軽量かつ
システムの小型化が可能なホログラム偏光分離素子及び
それを用いた液晶投影表示装置を提供することをその解
決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ガラ
ス基板にホログラムを形成してなり、入射光における互
いに直交する直線偏光成分のうち、一方の直線偏光成分
を所定の方向に出射させる機能を有するホログラム偏光
分離素子であって、前記ホログラムの作用により、入射
光のうち一方の直線偏光成分を回折させ、かつ他方の直
線偏光成分を回折させることなく通過させることによ
り、入射光を回折直線偏光と非回折直線偏光とに分離
し、さらに前記ガラス基板内部を進行した前記回折直線
偏光が、前記ガラス基板と前記ホログラム偏光分離素子
の周囲の媒質との界面で少なくとも一回以上全反射する
ように構成することにより、前記非回折直線偏光のみを
前記所定の方向に出射させることを特徴とし、高い偏光
分離度が得られ、また偏光分離を行うに際し、従来の2
色性の吸収偏光素子のような不要光成分の吸収がないた
め、発熱が生じることがなく、長期の信頼性を維持で
き、さらに、板状の素子を光学系の光軸に垂直に配置で
きるため、コンパクトな光学系を軽量で構成できるホロ
グラム偏光分離素子が得られるようにしたものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記回折直線偏光及び前記非回折直線偏光がそれぞ
れ入射光のp偏光成分,s偏光成分により得られ、か
つ、前記回折直線偏光と前記非回折直線偏光の進行方向
のなす角度が60度となるように前記ホログラムの回折
特性が設定されていることを特徴とし、高い分離度で偏
光分離を行うためのホログラムの回折特性の設定条件が
与えられるようにしたものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記回折直線偏光及び前記非回折直線偏光がそれぞ
れ入射光のs偏光成分,p偏光成分により得られ、か
つ、前記回折直線偏光と前記非回折直線偏光の進行方向
のなす角度が48.2度となるように前記ホログラムの
回折特性が設定されていることを特徴とし、高い分離度
で偏光分離を行うためのホログラムの回折特性の設定条
件が与えられるようにしたものである。
【0008】請求項4の発明は、液晶パネルと、該液晶
パネルの入射側及び出射側にそれぞれ少なくとも第1の
偏光子と、第2の偏光子とを備える液晶投影表示装置に
おいて、前記第1の偏光子及び/または前記第2の偏光
子として請求項1ないし3いずれか1記載のホログラム
偏光分離素子を用いることを特徴とし、光の吸収による
発熱がなく、高コントラストで偏光分離を行うことがで
き、また投影レンズのバックフォーカスを短く抑えるこ
とができるため、コンパクトな光学系の液晶投影表示装
置が得られるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によるホログラム偏光分離
素子は、素子表面に垂直に入射した自然光のうち一方の
直線偏光成分を回折し、それと直交した直線偏光成分に
ついては回折を生じさせないようにつくられた透過型ホ
ログラムをガラス基板上に形成してなるもので、このと
き回折される偏光の回折角度は、回折効率が高く、また
基板ガラス−空気境界面において全反射を生じるよう、
ホログラムの格子角度,格子幅,厚み,屈折率振幅が設
定されているものである。
【0010】以下、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。図1は、本発明のホログラム偏光分離素
子において分離される回折光と透過光とを説明するため
の図で、図中、1はホログラム、2は基盤ガラス、Iは
入射自然光、E1は第1の直線偏光(透過光)、E2は第
2の直線偏光(回折光)である。図2は、本発明のホロ
グラム偏光分離素子に適用される回折角度の選択方法を
説明するための図で、図中、dはホログラムの厚さ、
θ,θsはそれぞれ入射光,回折光がホログラム表面法
線となす角である。
【0011】本発明のホログラム偏光分離素子は、ホロ
グラム1が基盤ガラス2上に形成されて構成される。こ
のホログラム1は体積型位相ホログラムであり、その材
料および厚さなどは回折効率がもっとも高くなるように
選択されている。またホログラム1における回折角度は
自然光を2つの直交した直線偏光、すなわち回折せずに
そのまま透過する第1の直線偏光E1とホログラム1に
よって回折される第2の直線偏光E2をもっとも精度良
く分離するように設定されている。以下、図2を用いて
回折特性の設定理論について説明する。Kogelnikの結合
波理論によれば、透過型の体積位相ホログラムによる回
折効率ηは、材料の吸収がなく、ブラッグ条件を満たす
とき、
【0012】
【数1】
【0013】で示される。このとき
【0014】
【数2】
【0015】である。回折しない光がホログラム内部に
おいて表面法線と為す角は入射光と同じくθである。上
記(2)式におけるκは結合定数と称され、p偏光とs
偏光では値が異なり、それぞれの結合定数をκp,κs
すれば、
【0016】
【数3】
【0017】で表され、従ってp偏光とs偏光で回折効
率が異なることになる。請求項2のp偏光回折型のホロ
グラム偏光分離素子の場合はp偏光の回折効率がηp
1,s偏光の回折効率がηs=0となればよいので、上
記(1)式よりそれぞれν=π/2,ν=πとなる。こ
のとき上記(2)式,(3)式,4(式)から、
【0018】
【数4】
【0019】という条件が導かれる。入射光がホログラ
ム表面に対して垂直に入射するときθ=0である。θs
=60°のとき、p偏光の回折効率を1,s偏光の回折
効率を0とすることができる。このとき図1に示される
第1の直線偏光E1はs偏光となり、かつ第2の直線偏
光E2はp偏光となる。
【0020】また、請求項3のs偏光回折型のホログラ
ム偏光分離素子においては、p偏光とs偏光のそれぞれ
のνがν=π,ν=3π/2を満たす。このとき上記の
(5)式と同様にして
【0021】
【数5】
【0022】の条件が得られるので、θ=0なら、θs
=48.2°のときs偏光の回折効率を1,p偏光の回
折効率を0にすることができる。このとき図1に示され
るところの第1の直線偏光E1はp偏光となり、かつ、
第2の直線偏光E2はs偏光となる。
【0023】ホログラム1の表面に垂直に入射してきた
入射自然光Iは、回折されずに進行する第1の直線偏光
1と、ホログラム1によって前記回折角度で回折さ
れ、かつ、第1の直線偏光E1に偏光方向が直交した第
2の直線偏光E2とに分離される。回折されなかった第
1の直線偏光E1はそのまま基盤ガラス2を通過してい
くが、回折された第2の直線偏光E2は、例えば基盤ガ
ラス2が屈折率ng=1.52のガラスであれば、請求
項2,3のホログラム偏光素子におけるいずれの場合
も、その回折角度がガラス−空気境界面における臨界角
41°よりも大きくなるため、ガラス−空気境界線で内
部全反射を起こし、当該ホログラム偏光素子の出射側へ
出射することはできない。従ってこのホログラム偏光素
子は、入射してきた自然光のうち一方の直線偏光成分の
みを選択的に所定方向へ通過させることができる。
【0024】図3は、本発明のホログラム偏光分離素子
の一実施例を説明するための概略構成図で、図中、11
はホログラム、12は基盤ガラスである。図4は、図3
に示すホログラム偏光分離素子の作製方法を説明するた
めの図で、図中、11eは感光材料、13a,13bは
それぞれ第1,第2の台形プリズム,Oは物体光、Rは
参照光で、その他図3と同一の要素には図3と同じ符号
が付してある。
【0025】式(5)により前述したごとくに、ホログ
ラムにおけるp偏光の回折角度を回折しないs偏光に対
して60°の角度を持たせるようにすれば、これらの2
つの偏光を分離することができる。一例として厚さd=
12.2μmのフォトポリマ(n=1.54)を感光材料
として用いた構成例について説明する。この構成例のホ
ログラムは、図4に示すような光学系を用いて感光材料
11eを露光して作製する。第1及び第2の台形プリズ
ム13a,13bはその長方形の4隅の一つが61.3
°の角度を有する台形状の断面を持ったプリズムであ
り、基盤ガラス12(ng=1.52)と同じ硝材で作
られている。素子作製に際しては、フォトポリマによる
感光材料11eを基盤ガラス12に取り付けてなるホロ
グラム乾板の両面に、上記各台形プリズム13a,13
bをマッチングオイルを用いて対称に取り付ける。そし
て基盤ガラス12の法線に対し61.3°の角度で参照
光R及び参照光Rとコヒーレントな物体光Oを図4に示
すごとく入射させて露光する。このとき物体光Oは第1
の台形プリズム13aと感光材料11eとの境界で屈折
し、ホログラムの表面法線に対し60°の角度となって
参照光Rと干渉し、感光材料11eの内部に干渉縞を形
成する。この後、各台形プリズム13a,13bを取り
外して処理を行ってホログラム偏光分離素子を得る。完
成した素子におけるホログラムに記録された格子縞の屈
折率振幅はn1=0.03であるとする。上述した露光を
514nmの光で行ったときホログラム内部の格子縞間
隔は0.33μmとなり、格子縞法線はホログラム表面
法線と60°の角度を為す。
【0026】作成されたホログラム偏光分離素子に基盤
ガラス12の法線方向から514nmの自然光を入射さ
せたとき、図3に示すようにp偏光成分はすべて回折さ
れてガラス−空気境界面で全反射を起こし、また、s偏
光成分は回折せずに直進して通過するため、偏光分離を
行うことができる。また、複数のホログラムを重ねた
り、多重露光を行うことでさらに波長帯域を広げること
ができる。
【0027】図5は、本発明のホログラム偏光分離素子
の他の実施例を説明するための概略構成図で、図中、2
1はホログラム、22は基盤ガラスである。図6は、図
5に示すホログラム偏光分離素子の作製方法を説明する
ための図で、図中、21eは感光材料、23a,23b
はそれぞれ第1,第2の台形プリズム、Oは物体光、R
は参照光で、その他図5と同一の要素には、図5と同じ
符号が付してある。
【0028】式(6)により前述したごとくに、ホログ
ラムにおけるs偏光の回折角度を回折しないp偏光に対
して48.2°の角度を持たせれば2つの偏光は分離で
きる。一例として厚さd=21μmのフォトポリマ(n
=1.54)を感光材料として用いた構成例について説
明する。この構成例のホログラムは、図6に示すような
光学系を用いて感光材料21eを露光して作製する。第
1及び第2の台形プリズム23a,23bはその長方形
の4隅の一つが49°の角度を有する台形状の断面を持
ったプリズムであり、基盤ガラス22(ng=1.5
2)と同じ硝材で作られている。素子作製に際しては、
フォトポリマによる感光材料21eを基盤ガラス22に
取り付けてなるホログラム乾板の両面に、上記各台形プ
リズム23a,23bをマッチングオイルを用いて対称
に取り付ける。そして基盤ガラス22の法線に対し49
°の角度で参照光R及び参照光Rとコヒーレントな物体
光Oを図6に示すごとく入射させて露光する。このとき
物体光Oは第1の台形プリズム23aと感光材料21e
の境界で屈折し、ホログラムの表面法線に対し48.2
°の角度となって参照光Rと干渉し、感光材料21eの
内部に干渉縞を形成する。その後、各台形プリズム23
a,23bを取り外して処理を行ってホログラム偏光分
離素子を得る。完成した素子におけるホログラムに記録
された格子縞の屈折率振幅はn1=0.03であるとす
る。上記の露光を514nmの光で行ったときホログラ
ム内部の格子縞間隔は0.41μmとなり、格子縞法線
はホログラム表面法線と65.9°の角度を為す。
【0029】作成されたホログラム偏光分離素子に基盤
ガラス22の法線方向から514nmの自然光を入射さ
せたとき、図5に示すようにs偏光成分はすべて回折さ
れてガラス一空気境界で全反射を起こし、また、p偏光
成分は回折せずに直進して通過するため、偏光分離を行
うことができる。また、複数のホログラムを重ねたり、
多重露光を行うことでさらに波長帯域を広げることがで
きる。
【0030】図7は、本発明による液晶投影表示装置の
一実施例を説明するための要部概略構成図で、図中、3
1は液晶パネル、32a,32bはそれぞれ第1,第2
のホログラム偏光分離素子である。本実施例による液晶
投影表示装置は、液晶パネル31の前後に第1のホログ
ラム偏光分離素子32aと第2のホログラム偏光分離素
子32bをそれぞれ配置している。図示しない光源から
照明光学系を経て、第1のホログラム偏光分離素子32
aに到達した自然光のうち一方の直線偏光成分は回折後
にガラス部で全反射されて液晶パネル31には到達しな
い。他方、それと直交した偏光方向を持つ直線偏光成分
は第1のホログラム偏光分離素子32aを透過し、液晶
パネル31に到達する。液晶パネル31によって、入射
してきた直線偏光は変調を加えられ、映像として不要な
光である偏光成分は第2のホログラム偏光分離素子32
bによって回折し、全反射される。本発明による液晶投
影表示装置は液晶パネル前後の偏光素子として従来の2
色性偏光板でなくホログラム偏光分離素子を用いている
ため吸収がなく、従って発熱による劣化がない。
【0031】図8は、本発明による液晶投影表示装置の
他の実施例を説明するための要部概略構成図で、図中、
41は液晶パネル、42はホログラム偏光分離素子、4
3aは入射側偏光板、43bは出射側偏光板である。本
実施例による液晶投影表示装置は、液晶パネル41の前
面に入射側偏光板43a、出射側に出射側偏光板43b
が配置されており、さらに液晶パネル41と出射側偏光
板43bの間にはホログラム偏光分離素子42が配置さ
れている。図示しない光源から照明光学系を経て、入射
側偏光板43aに到達した自然光のうち一方の直線偏光
成分は吸収され、それと直交した偏光方向を持つ直線偏
光は透過して、液晶パネル41に到達する。液晶パネル
41によって、入射してきた直線偏光は変調される。映
像として不要な偏光成分は、従来出射側偏光板で吸収さ
れていたが、ホログラム偏光分離素子42により回折
し、全反射されるため出射側偏光板43bには到達せ
ず、従って出射側偏光板43bに生じる吸収は少なく、
発熱及びその発熱に起因する劣化を防止することができ
る。
【0032】
【発明の効果】請求項1の効果:最適化されたホログラ
ムの回折特性を用いて偏光分離を行うことにより、高い
偏光分離度が得られ、また偏光分離を行うに際し、従来
の2色性の吸収偏光素子のような不要光成分の吸収がな
いため、発熱が生じることがなく、長期の信頼性を維持
でき、さらに、板状の素子を光学系の光軸に垂直に配置
できるため、コンパクトな光学系を軽量で構成できるホ
ログラム偏光分離素子が得られる。
【0033】請求項2及び3の効果:請求項1の効果に
加えて、高い分離度で偏光分離を行うためのホログラム
の回折特性の設定条件が与えられる。
【0034】請求項4の効果:光の吸収による発熱がな
く、高コントラストで偏光分離を行うことができ、また
投影レンズのバックフォーカスを短く抑えることができ
るため、コンパクトな光学系の液晶投影表示装置が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるホログラム偏光分離素子において
分離される回折光と透過光とを説明するための図を示
す。
【図2】本発明のホログラム偏光分離素子に適用される
回折特性の設定理論を説明するための図を示す。
【図3】本発明のホログラム偏光分離素子の一実施例を
説明するための概略構成図を示す。
【図4】図3に示すホログラム偏光分離素子の作製方法
を説明するための図を示す。
【図5】本発明のホログラム偏光分離素子の他の実施例
を説明するための概略構成図を示す。
【図6】図5に示すホログラム偏光分離素子の作製方法
を説明するための図を示す。
【図7】本発明による液晶投影表示装置の一実施例を説
明するための要部概略構成図を示す。
【図8】本発明による液晶投影表示装置の他の実施例を
説明するための要部概略構成図を示す。
【符号の説明】
1,11,21…ホログラム、2,12,22…基盤ガ
ラス、11e,21e…感光材料、13a,23a…第
1の台形プリズム、13b,23b…第2の台形プリズ
ム、21e…感光材料、31,41…液晶パネル、32
a…第1のホログラム偏光分離素子、32b…第2のホ
ログラム偏光分離素子、42…ホログラム偏光分離素
子、43a…入射側偏光板、43b…出射側偏光板、d
…ホログラムの厚さ、E1…第1の直線偏光(透過
光)、E2…第2の直線偏光(回折光)、I…入射自然
光、O…物体光、R…参照光、θ…入射光がホログラム
表面法線となす角、θs…回折光がホログラム表面法線
となす角。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板にホログラムを形成してな
    り、入射光における互いに直交する直線偏光成分のう
    ち、一方の直線偏光成分を所定の方向に出射させる機能
    を有するホログラム偏光分離素子であって、前記ホログ
    ラムの作用により、入射光のうち一方の直線偏光成分を
    回折させ、かつ他方の直線偏光成分を回折させることな
    く通過させることにより、入射光を回折直線偏光と非回
    折直線偏光とに分離し、さらに前記ガラス基板内部を進
    行した前記回折直線偏光が、前記ガラス基板と前記ホロ
    グラム偏光分離素子の周囲の媒質との界面で少なくとも
    一回以上全反射するように構成することにより、前記非
    回折直線偏光のみを前記所定の方向に出射させることを
    特徴とするホログラム偏光分離素子。
  2. 【請求項2】 前記回折直線偏光及び前記非回折直線偏
    光がそれぞれ入射光のp偏光成分,s偏光成分により得
    られ、かつ、前記回折直線偏光と前記非回折直線偏光の
    進行方向のなす角度が60度となるように前記ホログラ
    ムの回折特性が設定されていることを特徴とする請求項
    1記載のホログラム偏光分離素子。
  3. 【請求項3】 前記回折直線偏光及び前記非回折直線偏
    光がそれぞれ入射光のs偏光成分,p偏光成分により得
    られ、かつ、前記回折直線偏光と前記非回折直線偏光の
    進行方向のなす角度が48.2度となるように前記ホロ
    グラムの回折特性が設定されていることを特徴とする請
    求項1記載のホログラム偏光分離素子。
  4. 【請求項4】 液晶パネルと、該液晶パネルの入射側及
    び出射側にそれぞれ少なくとも第1の偏光子と、第2の
    偏光子とを備える液晶投影表示装置において、前記第1
    の偏光子及び/または前記第2の偏光子として請求項1
    ないし3いずれか1記載のホログラム偏光分離素子を用
    いることを特徴とする液晶投影表示装置。
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