JPH11271145A - ボロメータ用検知膜とその製造方法、及びボロメータ素子 - Google Patents

ボロメータ用検知膜とその製造方法、及びボロメータ素子

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JPH11271145A
JPH11271145A JP10075389A JP7538998A JPH11271145A JP H11271145 A JPH11271145 A JP H11271145A JP 10075389 A JP10075389 A JP 10075389A JP 7538998 A JP7538998 A JP 7538998A JP H11271145 A JPH11271145 A JP H11271145A
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vanadium
vanadium dioxide
film
insulating substrate
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JP10075389A
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Takehiko Sato
剛彦 佐藤
Akira Yamada
朗 山田
Toshio Umemura
敏夫 梅村
Hidefusa Uchikawa
英興 内川
Shigeru Matsuno
繁 松野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線検知素子等に用いるボロメータ用検知
膜において、25℃から120℃の温度領域で、相転移
の発生しない二酸化バナジウム層からなるボロメータ用
検知膜を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板上に形成されたボロメータ用
検知膜を、絶縁性基板の表面に垂直な方向に配向したc
軸を有する二酸化バナジウム結晶より形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボロメータ用検知
膜に関し、特に、赤外線検知素子等のボロメータ素子に
用いられるボロメータ用検知膜に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線検知素子に用いられるボロメータ
用検知膜は、一般に、約25℃から125℃の温度領域
で使用されるが、その特性としては、第1に、ボロメー
タ素子とともに集積化される読み出し回路等との電気的
な整合、ノイズとの兼ね合いから、抵抗率(体積抵抗
率)は、素子形状、サイズにもよるが、概略、数mΩm
〜数10mΩm程度であることが必要である。また、第
2に、抵抗率の温度に対する変化率(以下「TCR」と
いう。)は、大きい方が検出精度の点から好ましいが、
過大となった場合は、逆に、厳密な温度制御が必要とな
るとともに、残像などの影響が発生しやすくなるため、
TCRの絶対値が、2〜5%/K程度となることが必要
である(以下、TCRについては、絶対値で示す)。
【0003】これに対して、各種材料の検討を行った結
果、金属系材料は、充分に低い抵抗率を示すが、TCR
が最大でも0.7%/K程度と小さく、ボロメータ用検
知膜としては不適当であった。
【0004】また、サーミスタと呼ばれる一群の酸化物
半導体は、比較的低い抵抗率を有し、かつ、TCRも大
きいが、一般的には、抵抗率が高い材料では、比較的大
きなTCRを示すが、抵抗率が低い材料になるにつれて
TCRも低下し、例えば、27℃において、絶対値とし
て2%/K以上のTCRを有する材料では、抵抗率を1
00mΩm以上とすることは困難であり(セラミック工
学ハンドブック第1版、1989年、社団法人日本セラ
ミックス協会編、技報堂出版、1834頁参照)、抵抗
率が小さく、かつTCRが大きい材料を得ることは困難
であった。
【0005】一方、バナジウム酸化物は、バナジウムの
価数及びその含有酸素量によって多様な結晶相を持ち、
その特性も、その結晶相により変化し、特に、二酸化バ
ナジウムでは、上記第1及び第2の条件を備えた特性を
有するボロメータ用検知膜の形成が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】二酸化バナジウムは、
66℃近傍に、結晶構造が変化する相転移点を有し、か
かる相転移に伴ってTCRも大きく変化する。これに対
して、米国特許5,450,053号公報では、かかる
相転移を利用することによりTCRを大きくできること
が記載されているが、かかる相転移点を挟んだ温度領域
でボロメータ素子を用いた場合、相転移を挟む抵抗率の
変化により、測定データがヒステリシスを有し、測定精
度が低下する。また、2次元赤外線画像検知器等に用い
た場合には、ヒステリシスの発生は残像の原因ともな
り、高精度、高感度な検知レベルが要求されるボロメー
タ素子に用いることは困難であった。また、ヒステリシ
スの影響を受けないためには、相転移点を挟まない温度
領域でボロメータ素子を使用することが必要となるが、
上述のように二酸化バナジウムの相転移点は66℃近傍
であるため、25℃から120℃程度の広い温度領域で
の使用ができなかった。なお、使用温度領域内で、ボロ
メータ素子を温度Aから他の温度Bに変化させた後、再
び温度Aに戻して測定した抵抗率が、温度Aにおける元
の抵抗率に対して、誤差±1%範囲に入る場合は、ヒス
テリシスがないものと定義する。一方、二酸化バナジウ
ム以外の他のバナジウム酸化物では、10-5Ωm以下の
ように低抵抗率であったり、又は、数100mΩm以上
と高抵抗率であったりするため、上記特性が得にくく、
又、測定結果の再現性、安定性といった面でも制御が困
難であった。そこで、本発明は、25℃から120℃程
度の広い温度領域において、相転移が発生しない二酸化
バナジウム層からなるボロメータ用検知膜を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは鋭意
研究の結果、絶縁性基板上に形成された二酸化バナジウ
ム結晶を、絶縁性基板の表面に垂直方向に配向したc軸
を備えた結晶とすることにより、25℃から120℃程
度の温度領域において相転移点のない二酸化バナジウム
薄膜が得られること、又、二酸化バナジウム薄膜中に窒
素を含有することにより、c軸配向した二酸化バナジウ
ム薄膜を再現性良く形成できることを見出し、本発明を
完成した。ここで、二酸化バナジウムのc軸とは、二酸
化バナジウムの(001)面に垂直な結晶軸、即ち、
[001]方向の結晶軸をいう。
【0008】即ち、本発明は、 絶縁性基板上に形成さ
れた二酸化バナジウム層からなり、該二酸化バナジウム
層の抵抗を測定して照射された輻射エネルギー強度を測
定するボロメータ用検知膜であって、上記二酸化バナジ
ウム層を形成する二酸化バナジウムの結晶が、そのc軸
が上記絶縁性基板の表面に対して垂直な方向に配向する
ように形成されたことを特徴とするボロメータ用検知膜
である。ボロメータ用検知膜に、二酸化バナジウムを用
いることにより、約25℃から125℃の温度領域で、
抵抗率が数mΩm〜数10mΩm程度、TCRの絶対値
が2〜5%/K程度と、良好な特性を得ることが可能と
なるが、二酸化バナジウムは66℃近傍の相転移点を有
し、かかる相転移点を挟んでTCRが大きく変化するた
めに、測定結果がヒステリシスを有するようになり、測
定精度が低下する。これに対して、絶縁性基板上の二酸
化バナジウム層を、そのc軸が上記絶縁性基板の表面に
対して垂直な方向に配向するように形成することによ
り、約25℃から125℃の温度領域で、相転移点を有
さないようになり、測定結果がヒステリシスを持たず、
高精度の測定を行うことが可能となる。
【0009】上記二酸化バナジウム層は、少なくともバ
ナジウム、酸素及び窒素を含むことが好ましい。c軸が
絶縁性基板の表面に対して垂直な方向に配向する二酸化
バナジウム層を安定して得ることができるからである。
【0010】上記二酸化バナジウム層は、少なくとも窒
素を含み、該窒素の含有量が、10atm%以下である
ことが好ましい。特に、二酸化バナジウム層が10at
m%以下の窒素を含むことにより、c軸が絶縁性基板の
表面に対して垂直な方向に配向する二酸化バナジウム層
を安定して得ることが可能なる。
【0011】上記二酸化バナジウム層は、バナジウム原
子と窒素原子との結合を含む構造を有することが好まし
い。
【0012】また、本発明は、絶縁性基板上に、該絶縁
性基板の表面に対して垂直な方向にc軸が配向した二酸
化バナジウム結晶を形成するボロメータ用検知膜の製造
方法であって、バナジウムをターゲットとし、窒化性ガ
スと酸化性ガスとの混合ガスを用いた反応性スパッタ法
により、上記絶縁性基板上に二酸化バナジウム結晶を形
成することを特徴とするボロメータ用検知膜の製造方法
でもある。
【0013】上記窒化性ガスとして窒素ガスを、上記酸
化性ガスとして酸素ガスを用い、総流量に対する酸素流
量の比が、0.2〜0.4であることが好ましい。総流
量に対する酸素流量の比を、0.2〜0.4とすること
により、他の結晶構造の混在しない二酸化バナジウム結
晶を再現性良く形成できるからである。
【0014】また、本発明は、絶縁性基板上に、該絶縁
性基板の表面に対して垂直な方向にc軸が配向した二酸
化バナジウム結晶を形成するボロメータ用検知膜の製造
方法であって、バナジウム酸化物をターゲットとし、少
なくとも窒化性ガスを用いた反応性スパッタ法により、
上記絶縁性基板上に二酸化バナジウム結晶を形成するこ
とを特徴とするボロメータ用検知膜の製造方法でもあ
る。
【0015】上記窒化性ガスは、窒素ガスであることが
好ましい。窒素ガスを用いることにより、酸素ガスに対
する混合率を比較的大きくでき、窒素ガスの流量調整の
精度が向上するからである。これにより、所定のボロメ
ータ用検知膜を再現性良く作製することが可能となる。
【0016】上記絶縁性基板の温度は、300〜400
℃であることが好ましい。かかる温度領域を用いること
により、他の結晶構造の混在しない二酸化バナジウム結
晶を再現性良く形成できるからである。
【0017】また、本発明は、絶縁性基板上に、2つの
電極と、該電極間を接続するボロメータ用検知膜とを備
え、該電極間の抵抗を検出して、該ボロメータ用検知膜
への輻射エネルギー強度を測定するするボロメータ素子
であって、上記ボロメータ用検知膜が、そのc軸が上記
絶縁性基板の表面に対して垂直な方向に配向するように
形成された二酸化バナジウムからなることを特徴とする
ボロメータ素子でもある。
【0018】上記電極は、白金又はバナジウムから形成
されることが好ましい。かかる電極材料を用いることに
より、ボロメータ用検知膜と電極との界面における接触
抵抗を低減できるからである。
【0019】上記電極が窒化チタンから形成される場合
は、該電極と上記ボロメータ用検知膜との間に、白金又
はバナジウムから形成されるバッファ層を備えることが
好ましい。かかるバッファ層を備えることによっても、
ボロメータ用検知膜と窒化チタン電極との界面における
接触抵抗を低減できるからである。また、窒化チタンを
電極材料に用いることにより、電極の加工が容易とな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明では、多様な酸化数を持つ
酸化バナジウム系の薄膜を形成し、上記所望の特性を備
えたボロメータ用検知膜を得る条件を見出すために、ま
ず、金属バナジウムをターゲットとし、アルゴン/酸素
混合ガスを反応ガス(スパッタガス)として用いた反応
性物理蒸着法(反応性スパッタ法)により、ボロメータ
用検知膜の作製を試みた。かかる方法を採用することに
より、ボロメータ用検知膜中の酸素量、及びバナジウム
の酸化数を制御することが可能となった。
【0021】次に、25℃〜125℃の温度領域で、相
転移点を有しない酸化バナジウム膜を得るべく、ボロメ
ータ用検知膜形成時のアルゴン/酸素の流量比、及び基
板温度を変化させ、最適なボロメータ用検知膜及びその
作製条件を検討した。
【0022】この結果、試料温度300〜400℃の条
件で作製した酸化バナジウム薄膜が、絶縁性基板に対し
て垂直方向にc軸が配向した二酸化バナジウムの結晶構
造を有し、かつ、かかる薄膜では、25℃〜125℃の
温度領域において、相転移点を有しないことを見出し
た。
【0023】しかし、スパッタガスとしてアルゴン/酸
素の混合ガスを用いた場合、上記所望の二酸化バナジウ
ム薄膜を得るためには、アルゴン流量に対して非常に少
量の酸素流量を混合する必要があり、特性の制御が困難
であるとともに、再現性も悪いことが分かった。
【0024】これに対して、スパッタガスとしてアルゴ
ンの代わりに、N2、NH3等の窒化性ガスを用いた場合
には、アルゴンガスよりバナジウムターゲットに対する
スパッタ効率が小さいため、酸素に対する流量比を大き
くできることを見出し、アルゴンの代わりに窒素を混合
することを検討した。
【0025】まず、アルゴン/酸素の混合ガス中のアル
ゴンを、窒素で置き換える実験を行った(アルゴンに対
する窒素の混入比は、0%<X≦100%)。また、窒
素とアルゴンの比率を変化させることにより、ボロメー
タ用検知膜中に取り込まれる窒素量の最適条件も調べ
た。また、酸素の流量も変化させることにより、ボロメ
ータ用検知膜の酸化数の最適条件も検討した。
【0026】かかる検討の結果、以下の実施の形態に示
すような窒素/酸素混合ガスを用いたスパッタ法によ
り、窒素を含んだ二酸化バナジウムからなるボロメータ
用検知膜を用いることにより、上述のボロメータ素子に
要求される抵抗率等を備え、かつ、ボロメータ素子の使
用温度領域(25〜125℃程度)において、相転移点
を有しないボロメータ用検知膜が得られることを見出し
た。以下、その内容について、実施の形態1〜3に詳説
する。
【0027】実施の形態1.本発明の実施の形態1につ
いて、図1、2を参照して説明する。一般に、酸化バナ
ジウム薄膜は、スパッタ法により形成されるが、本実施
の形態では、3インチ径の金属バナジウムのターゲット
を用い、反応ガス(スパッタガス)に、窒素/酸素混合
ガス、又はアルゴン/酸素混合ガスを用いたRFマグネ
トロンスパッタ法により、酸化バナジウム薄膜を作製し
た。かかる酸化バナジウム薄膜は、表面が熱酸化された
(酸化膜の膜厚:5000Å)Si基板上に形成され
る。窒素/酸素反応ガス、アルゴン/酸素反応ガス、双
方の総流量は、200ccm一定とし、かかる条件の下
で、流量比を変化させた。また、Si基板の基板温度
は、250℃〜400℃の範囲で変化させた。スパッタ
出力は100W(ターゲットは3インチφ)、ガス圧は
7.5mTorr一定とした。
【0028】図1は、酸化バナジウム薄膜の抵抗率の測
定工程の一例を示すものである。表面が酸化されたSi
基板上に、スパッタ法により形成された酸化バナジウム
薄膜は、その表面上に、1mm角の白金電極が1mm間
隔で形成され、4端子法により抵抗率が測定される。抵
抗率測定は、ボロメータ素子の使用温度領域である25
℃〜120℃の温度範囲で行い、昇温、降温過程におい
て、1℃間隔で抵抗率を測定し、相転移の有無、ヒステ
リシスの有無を確認した。また、絶対温度Tの逆数と、
抵抗率ρの対数(log ρ)とをプロットし(図
2)、ρ=ρ∞exp(B/T)の関係より、サーミス
タ定数Bを算出し、その測定結果により、27℃におけ
る抵抗率の変化率(TCR)を求めた。また、作製した
酸化バナジウム薄膜は、X線回折により回折チャートを
測定し、ASTM(アメリカ材料試験協会)のASTM
データを用いて結晶構造の同定を行った。
【0029】この結果、反応ガスとして、アルゴン/酸
素混合ガスを用いた場合、窒素/酸素混合ガスを用いた
場合、双方に共通して、流量比の変化に伴い、形成され
た酸化バナジウム膜の結晶構造、電気特性が変化してい
ることがわかった。ここで、酸化バナジウムの電気特性
は、結晶構造に大きく依存しているため、流量比を制御
することにより、酸化バナジウムの結晶構造の制御が可
能となる。また、酸化バナジウムの結晶構造をXRD
(X線回折)解析で調べたところ、4価のバナジウムか
らなるVO2(二酸化バナジウム)、V49、V37
5価のバナジウムからなるV25等の結晶が認められ
た。
【0030】図2に、アルゴン/酸素混合ガス、窒素/
酸素混合ガスを用いて、基板温度400℃で形成した酸
化バナジウム薄膜の抵抗率の測定温度依存性を示す。図
2(a)は、アルゴン/酸素混合ガスを用いた場合、図
2(b)は、窒素/酸素混合ガスを用いた場合であり、
横軸は絶対温度の逆数、縦軸は抵抗率を示す。また、図
3に、基板温度が300℃、及び400℃の条件で形成
した酸化バナジウム薄膜の結晶構造の解析結果と、その
電気特性を示す。かかる電気特性は、上記図2の測定結
果を元に表したものである。
【0031】図3に示すように、反応ガスとして、アル
ゴン/酸素混合ガス(図3(a))、窒素/酸素混合ガ
ス(図3(b))のいずれを用いた場合も、基板温度が
300℃、400℃の双方の条件において、高い酸素流
量比(図3の右側)で形成した酸化バナジウムは、XR
D解析におけるピークが、V49、V37、V25等の
結晶であることを示していたが、電気特性としては、抵
抗率が非常に高く、目標とするボロメータ用検知膜(抵
抗率:数mΩm〜数10mΩ)としては、不適当であっ
た。また、アモルファス状態となった領域でも、同様
に、抵抗率が非常に高くなった。
【0032】また、低い酸素流量比(図3の左側)で形
成された薄膜(以下、「M相」という。)では、測定温
度27℃近傍では、数mΩm〜数10mΩの抵抗率を有
するものが多く、ボロメータ用検知膜としての条件を備
えるが、その殆どの薄膜が、60℃近傍に相転移点を有
し、かかる相転移点を挟んだ領域でボロメータ素子とし
て使用した場合、相転移による抵抗率の温度変化に伴う
ヒステリシスを有するため、測定誤差が大きくなり、ボ
ロメータ用検知膜としては不適当であった。
【0033】一方、図3中に、「c軸配向VO2」とし
て表した酸化バナジウム薄膜は、ボロメータ素子の使用
温度(約25℃〜120℃)内で、相転移点を有さず、
相転移に伴うヒステリシスが発生しないことがわかっ
た。また、測定温度27℃近傍で、絶対値が2%以上
(最大2.79%)のTCRを有しており、ボロメータ
素子としての目標条件(TRCが2〜5%/K)を備え
ることもわかった。c軸配向した二酸化バナジウムの結
晶構造は、アルゴン/酸素混合ガスを用いた場合は、
1)基板温度:400℃、酸素流量:10ccm、2)
基板温度:300℃、酸素流量:5ccmの条件で、
又、窒素/酸素混合ガスを用いた場合は、1)基板温
度:400℃、酸素流量:60ccm、2)基板温度:
300℃、酸素流量:40ccmの条件で得られた。
【0034】表1は、上記4種類のc軸配向した二酸化
バナジウム薄膜の特性の比較である。
【0035】
【表1】
【0036】表1より明らかなように、アルゴン/酸素
混合ガスを使用した場合と、窒素/酸素混合ガスを使用
した場合とを比較すると、ボロメータ用検知膜の抵抗率
は、窒素/酸素混合ガスの場合よりも、アルゴン/酸素
混合ガスの場合の方が、大きくなっている。これは、ア
ルゴン/酸素混合ガスを使用した場合は、XRDのピー
ク強度の解析結果から分かるように、c軸に配向した二
酸化バナジウム以外の結晶構造(V49、V37等)が
混在しているためと考えられる。即ち、アルゴン/酸素
混合ガスを用いて、基板温度300℃、酸素流量5cc
mの条件で成膜した場合は、二酸化バナジウムの結晶
が、V49、V37、V25等の結晶と混在しており、
抵抗率が685mΩmとなる。また、アルゴン/酸素混
合ガスを用いて、基板温度400℃、酸素流量10cc
mの条件で成膜した場合も、二酸化バナジウムの結晶以
外に、V37の結晶構造がみられ、抵抗率も45.3Ω
mと比較的大きいなっている。
【0037】これに対して、窒素/酸素混合ガスを用い
て、基板温度300℃、酸素流量40ccmの条件で成
膜した場合は、二酸化バナジウムの結晶が殆どで、わず
かにV49の結晶が混在しており、抵抗率は18.5m
Ωmと良好な値となる。また、窒素/酸素混合ガスを用
いて、基板温度400℃、酸素流量60ccmの条件で
成膜した場合には、二酸化バナジウム以外の結晶以外は
認められず、抵抗率も20.5mΩmと良好な値となっ
ている。
【0038】このように、アルゴン/酸素混合ガスを用
いた場合に比べて、窒素/酸素混合ガスを用いた場合
に、他の酸化バナジウムが混在しない良質の二酸化バナ
ジウム薄膜が得られるのは、混合ガス中の酸素の流量比
が、アルゴン/酸素混合ガスを用いた場合よりも、窒素
/酸素混合ガスを用いた場合の方が大きくなり、酸素ガ
スの流量制御がより厳密に行えるためと考えられる。即
ち、上記c軸配向したVO2を得る条件では、アルゴン
/酸素混合ガスを用いた場合には、総流量200ccm
に対して酸素が10ccm又は5ccmと、流量比が非
常に小さいのに対し、窒素/酸素混合ガスを用いた場合
は、その6〜8倍の窒素流量である40ccm又は60
ccmとなっているため、流量比の制御がより厳密に行
えるためと考えられる。
【0039】このように、アルゴン/酸素混合ガスを用
いた場合は、流量比の制御が困難で、作製した酸化バナ
ジウムの膜質の安定性、均一性に問題を生じやすく、デ
バイス化を考えた場合の支障になる。これに対して、窒
素/酸素混合ガスを用いた場合は、膜質が安定で、均一
な二酸化バナジウム膜が作製でき、デバイス化への適用
が可能となる。
【0040】実施の形態2.本実施の形態2では、上記
実施の形態1に用いたスパッタ装置とは異なるスパッタ
装置を用いて、8インチ径の金属バナジウムをターゲッ
トに用い、反応ガスに窒素/酸素混合ガスを用いて、R
Fマグネトロンスパッタ法により酸化バナジウム膜の作
製を行った。酸化バナジウム膜は、実施の形態1の場合
と同様に、表面が熱酸化された(酸化膜厚:5000
Å)Si基板上に形成した。本実施の形態では、窒素/
酸素混合ガスの総流量が50ccmになるように調整し
た。また、膜形成中の基板温度は、150℃〜400℃
の範囲で変化させた。スパッタ出力は、800W(ター
ゲットは3インチφ)、ガス圧は、実施の形態1と同様
の7.5mTorrに固定した。
【0041】このように作製した酸化バナジウム膜表面
に、図1に示す方法を用いて、白金電極を形成して、4
端子法により抵抗率を測定した。また、X線回折によ
り、回折チャートを測定し、ASTM(アメリカ材料試
験協会)のASTMデータより、結晶構造の同定を行っ
た。
【0042】図4に、窒素/酸素混合ガスを用いて形成
した酸化バナジウム薄膜と、アルゴン/酸素混合ガスを
用いて形成した酸化バナジウム薄膜との室温(27℃)
における抵抗率の測定結果を示す。図中、横軸は、総流
量に対する酸素流量の流量比、縦軸は抵抗率であり、総
流量は50ccm一定とした。図4から明らかなよう
に、窒素/酸素混合ガスでは、上記実施の形態1の場合
と同様の傾向を示し、流量比:0.3近傍で、目標の抵
抗率(数mΩm〜数10mΩ)、及び目標の抵抗変化率
(2〜5%/K)を得ることができたが、一方、アルゴ
ン/酸素混合ガスでは、流量比:0.05近傍領域か
ら、流量比の増加に伴って抵抗率の増加が顕著に認めら
れ、上記目標の抵抗率を備えた膜を得ることはできなか
った。このように、上記実施の形態1に用いた装置で
は、アルゴン/酸素混合ガスを用いた場合でも、c軸配
向した二酸化バナジウム膜を形成することは可能であっ
たが、本実施の形態で用いた装置では、アルゴン/酸素
混合ガスを用いて、c軸配向した二酸化バナジウム膜を
形成することは困難であり、スパッタ装置等の条件の変
化によらず、安定してc軸配向した二酸化バナジウム膜
を形成するためには、窒素/酸素混合ガスを用いること
が、特に有効であることがわかった。
【0043】図5は、窒素/酸素混合ガスを用いて作製
した、抵抗率が数mΩm、TCRの絶対値が2.5%/
K以上の、良好な特性を有する酸化バナジウム薄膜のX
RDチャートである。図中、大きなピーク(VO2(0
01)、VO2(002)、VO2(003))は、全
てSi基板表面に対して、垂直な方向にc軸が配向した
二酸化バナジウムに起因するものであり、その配向度
は、ほぼ100%であった。
【0044】次に、上記試料について、XPSにより、
元素及び原子間の化学結合状態の分析を行った。二酸化
バナジウム膜内部の結合状態を調べるために、イオンエ
ッチングで表面をエッチングしながら、深さ方向につい
て測定を行った。図6は、XPSチャート(図示せず)
のピーク面積より算出した元素組成比である。横軸は、
二酸化バナジウム膜の最表面からの深さであり、縦軸
は、原子数比である。図6から分かるように、膜表面か
ら内部にかけてバナジウムに対する酸素の組成比は減少
するものの、膜内部では、バナジウムと酸素との組成比
が、ほぼ1:2であった。また、膜中には、約6%の組
成比で、窒素が存在していた。
【0045】図7(a)は、バナジウム(V2p)のX
PSチャートであり、図7(b)は、窒素(Nls)の
XPSチャートである。図7(a)(b)より、膜内部
では、酸素とバナジウムの結合に加え、窒素とバナジウ
ムとの結合も存在していることがわかった。他の同様な
特性を示すサンプルについて、同様に、窒素の組成比及
び窒素とバナジウムの結合の有無を調査したところ、窒
素は、組成比が0atm%より大きく、10atm%以
下の範囲で存在し、かつ窒素とバナジウムの結合が存在
していることが分かった。
【0046】実施の形態3.本実施の形態では、実施の
形態2で使用した装置を用いて、良好な特性の得られる
条件で二酸化バナジウム薄膜を形成し、ボロメータ素子
を形成した。図8は、ボロメータ素子の構造図である。
かかるボロメータ素子の製造方法は、まず、図8(a)
に示すように、表面にSiO2膜(5000Å)を形成
したシリコン基板上に、TiN膜を形成し、写真製版及
びドライエッチングによりTiN膜を加工し、TiN電
極を形成した。次に、上記実施の形態2で使用したスパ
ッタ装置を用いて、二酸化バナジウム薄膜を形成し、写
真製版及びドライエッチングにより加工し、ボロメータ
素子とした。
【0047】ボロメータ素子の電気特性の評価は、Ti
N電極とTiNの薄膜配線により電気的に接続されたパ
ッド上に針状のプローブで接触を取り、2端子抵抗率を
測定することにより行った。TiNを電極として形成し
た酸化バナジウム膜の抵抗は、酸化バナジウム薄膜の4
端子抵抗率から予想される値より非常に大きな値となっ
た(5倍程度)。これは、TiN電極と酸化バナジウム
膜との接触部における膜の変質等により、接触抵抗が大
きくなったことが原因であると考えられる。そこで、図
8(b)に示すように、TiN電極と、二酸化バナジウ
ムとの間に、バッファ層としてPt/Ti膜を挟むこと
により、接触抵抗の低減を試みた。
【0048】表2は、Pt/Ti膜の有無によるボロメ
ータ素子の特性を比較したものである。
【0049】
【表2】
【0050】Pt/Ti膜を、TiN電極と、二酸化バ
ナジウムとの間に挟むことにより(Pt/Tiコー
ト)、画素抵抗値は、4端子抵抗率から算出される値ま
で減少した。また、接触抵抗も、2×10-4Ωから8×
10-7Ωに低減することができた。従って、かかるPt
/Tiバッファ層を設けることにより、TiN電極と酸
化バナジウム膜との接触部における膜の変質等を、防止
することが可能となる。一方、Ptは、エッチング等の
加工が難しいという欠点を有するため、図8(b)に示
すように、Pt/Tiの代わりに、酸化バナジウムの構
成元素であるとともに、酸素プラズマ等でドライエッチ
ングが可能な金属バナジウムで、上記バッファ層を形成
し、同様の測定を行った(Vコート電極)。表2に示す
ように、バナジウムをバッファ層に用いた場合でも、P
t/Tiと同等以上の効果を得ることが可能である。な
お、バッファ層を設けるかわりに、電極をPt又はバナ
ジウムで形成することも可能であり、かかる構造を用い
ることによっても、接触抵抗の低減を図ることが可能と
なる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のボロメータ用検知膜では、抵抗率が数mΩm〜数10
mΩm程度で、抵抗率の温度に対する変化率の絶対値が
2〜5%/K程度であることに加えて、約25℃から1
25℃の温度領域で、相転移点を有さないため、かかる
ボロメータ用検知膜を赤外線検知素子に用いた場合に、
測定結果がヒステリシスを持たず、高精度な温度測定を
行うことが可能となる。
【0052】二酸化バナジウム層が、少なくともバナジ
ウム、酸素、及び窒素を含むことにより、c軸が絶縁性
基板の表面に対して垂直な方向に配向する二酸化バナジ
ウム層を安定して得ることが可能となる。
【0053】二酸化バナジウム層が10atm%以下の
窒素を含むことにより、c軸が絶縁性基板の表面に対し
て垂直な方向に配向する二酸化バナジウム層を安定して
得ることが可能なる。特に、二酸化バナジウム層は、バ
ナジウム原子と窒素原子との結合を含む構造を有するこ
とが好ましい。
【0054】また、本発明にかかるボロメータ用検知膜
の製造方法を用いることにより、製造条件の制御が容易
となり、安定性、再現性良くボロメータ用検知膜を形成
することが可能となる。
【0055】酸素ガスの流量の、総流量に対する比を
0.2〜0.4とすることにより、他の結晶構造の混在
しない二酸化バナジウム結晶を再現性良く形成できる。
【0056】また、本発明にかかる他のボロメータ用検
知膜の製造方法を用いることによっても、製造条件の制
御が容易となり、安定性、再現性良くボロメータ用検知
膜を形成することが可能となる。
【0057】かかる方法に窒素ガスを用いることによ
り、酸素ガスに対する混合率を比較的大きくでき、窒素
ガスの流量調整の精度が向上し、所定のボロメータ用検
知膜を再現性良く作製することが可能となる。
【0058】絶縁性基板の温度を300〜400℃とす
ることにより、他の結晶構造の混在しない二酸化バナジ
ウム結晶を再現性良く形成できる。
【0059】また、本発明にかかるボロメータ素子を用
いることにより、約25℃から125℃の温度領域で、
高精度な温度測定が可能となる。
【0060】ボロメータ素子の電極を白金又はバナジウ
ムから形成することにより、ボロメータ用検知膜と電極
との界面における接触抵抗を低減できる。
【0061】電極が窒化チタンから形成される場合は、
電極とボロメータ用検知膜との間に、白金又はバナジウ
ムから形成されるバッファ層を備えることにより、ボロ
メータ用検知膜と窒化チタン電極との界面における接触
抵抗を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるボロメータ用
検知膜の抵抗率の測定方法である。
【図2】 本発明の実施の形態1にかかるボロメータ用
検知膜の抵抗率の温度特性である。
【図3】 本発明の実施の形態1にかかるボロメータ用
検知膜のXRD結晶構造解析結果である。
【図4】 本発明の実施の形態2にかかるボロメータ用
検知膜の抵抗率の流量比依存性である。
【図5】 本発明の実施の形態2にかかるボロメータ用
検知膜のXRDチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態2にかかるボロメータ用
検知膜のXPS元素分析結果である。
【図7】 本発明の実施の形態2にかかるボロメータ用
検知膜のXPSプロファイルである。
【図8】 本発明の実施の形態3にかかるボロメータ素
子の構造図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内川 英興 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 松野 繁 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に形成された二酸化バナジ
    ウム層からなり、該二酸化バナジウム層の抵抗を測定し
    て照射された輻射エネルギー強度を測定するボロメータ
    用検知膜であって、 上記二酸化バナジウム層を形成する二酸化バナジウムの
    結晶が、そのc軸が上記絶縁性基板の表面に対して垂直
    な方向に配向するように形成されたことを特徴とするボ
    ロメータ用検知膜。
  2. 【請求項2】 上記二酸化バナジウム層が、少なくとも
    バナジウム、酸素、及び窒素を含むことを特徴とする請
    求項1に記載のボロメータ用検知膜。
  3. 【請求項3】 上記二酸化バナジウム層が、少なくとも
    窒素を含み、該窒素の含有量が、10atm%以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用検知
    膜。
  4. 【請求項4】 上記二酸化バナジウム層が、バナジウム
    原子と窒素原子との結合を含む構造を有することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のボロメータ用検
    知膜。
  5. 【請求項5】 絶縁性基板上に、該絶縁性基板の表面に
    対して垂直な方向にc軸が配向した二酸化バナジウム結
    晶を形成するボロメータ用検知膜の製造方法であって、 バナジウムをターゲットとし、窒化性ガスと酸化性ガス
    との混合ガスを用いた反応性スパッタ法により、上記絶
    縁性基板上に二酸化バナジウム結晶を形成することを特
    徴とするボロメータ用検知膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記窒化性ガスとして窒素ガスを、上記
    酸化性ガスとして酸素ガスを用い、総流量に対する酸素
    流量の比が、0.2〜0.4であることを特徴とする請
    求項5に記載のボロメータ用検知膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁性基板上に、該絶縁性基板の表面に
    対して垂直な方向にc軸が配向した二酸化バナジウム結
    晶を形成するボロメータ用検知膜の製造方法であって、 バナジウム酸化物をターゲットとし、少なくとも窒化性
    ガスを用いた反応性スパッタ法により、上記絶縁性基板
    上に二酸化バナジウム結晶を形成することを特徴とする
    ボロメータ用検知膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記窒化性ガスが、窒素ガスであること
    を特徴とする請求項7に記載のボロメータ用検知膜の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 上記絶縁性基板の温度が、300〜40
    0℃であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに
    記載のボロメータ用検知膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 絶縁性基板上に、2つの電極と、該電
    極間を接続するボロメータ用検知膜とを備え、該電極間
    の抵抗を検出して、該ボロメータ用検知膜への輻射エネ
    ルギー強度を測定するするボロメータ素子であって、 上記ボロメータ用検知膜が、そのc軸が上記絶縁性基板
    の表面に対して垂直な方向に配向するように形成された
    二酸化バナジウムからなることを特徴とするボロメータ
    素子。
  11. 【請求項11】 上記電極が、白金又はバナジウムから
    形成されることを特徴とする請求項10に記載のボロメ
    ータ素子。
  12. 【請求項12】 上記電極が窒化チタンから形成され、
    該電極と上記ボロメータ用検知膜との間に、白金又はバ
    ナジウムから形成されるバッファ層を備えることを特徴
    とする請求項10に記載のボロメータ素子。
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