JPH11270627A - 車両用ドライブシャフト - Google Patents

車両用ドライブシャフト

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JPH11270627A
JPH11270627A JP7810698A JP7810698A JPH11270627A JP H11270627 A JPH11270627 A JP H11270627A JP 7810698 A JP7810698 A JP 7810698A JP 7810698 A JP7810698 A JP 7810698A JP H11270627 A JPH11270627 A JP H11270627A
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JP
Japan
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damper
drive shaft
weight
flexible sleeve
resonance frequency
Prior art date
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Application number
JP7810698A
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English (en)
Inventor
Hajime Igami
肇 伊神
Takamasa Kido
孝昌 城戸
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダンパを取付けたドライブシャフトの量産性
を高める。 【解決手段】 ウエイト11を包んだ可撓性スリーブ1
2からなるダンパ10を軸の途中に取付けた車両用ドラ
イブシャフト6において、可撓性スリーブ12のばね定
数を高めることにより、ダンパ10の共振周波数を少な
くとも1000Hzに設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダンパを取付けた車
両用ドライブシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のドライブシャフトは、エンジンの
出力を駆動輪へ伝達する動力伝達系統に設けた軸であ
り、この軸には、エンジンの振動や走行時の駆動輪から
の振動が伝わる。このような振動に対して、ウエイト
を包んだ可撓性スリーブからなるダンパを軸の途中に取
付けることや、ウエイトを軸に直接取付けることによ
って、ドライブシャフトの共振を防止している。
【0003】上記の技術としては、例えば、特開平8
−28627号公報「ダイナミックダンパ付ロッド状振
動体」がある。この技術は、その公報の図1及び図2に
よれば、ウエイトとしての質量体28(番号は公報に記
載されたものを引用した。以下同じ。)をスリーブ状の
被覆ゴム層30で包み、被覆ゴム層30の両端の弾性支
持部26,26をドライブシャフト10に嵌合するとい
うものである。すなわち、ダイナミックダンパ12は、
質量体28と被覆ゴム層30と弾性支持部26,26と
の組合せからなる。ダイナミックダンパ12の共振周波
数は、公報の図3に示すように、質量体28の質量と弾
性支持部26,26のばね定数とによって決まる。
【0004】次に、このようなダイナミックダンパを取
付けたドライブシャフトの、一般的な振動特性を図5に
基づき説明する。図5はダイナミックダンパを取付けた
車両用ドライブシャフトの振動特性を示すグラフであ
り、横軸をドライブシャフトの周波数f(Hz)、すな
わち振動数とし、縦軸を振動の強さのレベル(dB)と
して表したものである。破線にて示す曲線D1は、ダイ
ナミックダンパ無しドライブシャフトの振動特性曲線で
あり、ドライブシャフトが特定の周波数、例えば、80
〜400Hzで共振し得ることを示す。実線にて示す曲
線D2は、ウエイトを包んだ可撓性スリーブからなるダ
イナミックダンパを、軸の途中に取付けたドライブシャ
フトの振動特性曲線である。これによれば、ダイナミッ
クダンパは上記特定の周波数において、ドライブシャフ
トの制振効果、すなわち、ダイナミックダンパ効果を発
揮することが判る。「ダイナミックダンパ効果」とは、
主振動系であるドライブシャフトの振動に対し、副振動
系としてのダイナミックダンパの挙動が遅れることによ
って、振動の位相がずれることを利用した制振効果を言
う。
【0005】一方、上記の技術としては、図6及び図
7に示すものがある。図6はマスダンパを取付けた車両
用ドライブシャフトの説明図であり、ドライブシャフト
101の軸方向中央に、マスダンパとしてのウエイト1
02を溶接にて直接取付けたことを示す。ウエイト10
2は鉄鋼等の金属製環状体からなる。
【0006】図7はマスダンパを取付けた車両用ドライ
ブシャフトの振動特性を示すグラフであり、横軸をドラ
イブシャフトの周波数f(Hz)、すなわち振動数と
し、縦軸を振動の強さのレベル(dB)として表したも
のである。破線にて示す曲線M1は、マスダンパ無しド
ライブシャフトの振動特性曲線であり、ドライブシャフ
トが特定の周波数、例えば、80〜400Hzで共振し
得ることを示す。実線にて示す曲線M2は、マスダンパ
を取付けたドライブシャフトの振動特性曲線である。こ
れによれば、上記図6のドライブシャフト101に、ウ
エイト102を直接固定して質量を付加することによ
り、ドライブシャフト101の共振周波数を下げ、この
共振周波数を越えた広い周波数域で、ドライブシャフト
101の制振効果(以下、「マスダンパ効果」と記
す。)を発揮することが判る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術(特開平
8−28627号公報に開示された技術)は、主振動系
であるドライブシャフト10の振動に対し、副振動系と
してのダイナミックダンパ12の挙動が遅れることによ
って、振動の位相がずれることを利用したものである。
従って、このようなダイナミックダンパ12を取付けた
ドライブシャフト10の制振効果を高めるには、ダイナ
ミックダンパ12の共振周波数を所望値に正確に設定す
る必要がある。ダイナミックダンパ12の共振周波数が
ばらつくと、ドライブシャフト10を制振する効果が低
下するからである。ダイナミックダンパ12を正確な共
振周波数にするには、弾性支持部26,26の材質や寸
法等の品質管理を十分にする必要がある。しかし、ゴム
材料からなる弾性支持部26,26の品質を、十分に管
理することは面倒である。従って、ダイナミックダンパ
12を取付けたドライブシャフト10の量産性を高める
ためには、改良の余地がある。
【0008】一方、上記の技術(上記図6に示す技
術)は、ドライブシャフト101にウエイト102を溶
接するので、溶接による熱歪みを防止し強度を維持する
など、種々の配慮を十分にする必要がある。これらを配
慮したウエイト102の取付け作業は面倒であり、取付
け工数も多い。従って、ウエイト102を取付けたドラ
イブシャフト101の量産性を高めるためには、改良の
余地がある。
【0009】そこで本発明の目的は、ダンパを取付けた
ドライブシャフトの、量産性を高める技術を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ウエイト
と可撓性スリーブとからなるダンパにおいて、ドライブ
シャフトの制振効果を得るダンパに要求される特性や、
ダンパ付きドライブシャフトの構造を詳しく研究した結
果、ダンパの共振周波数を増大させることにより、マス
ダンパ効果を顕在化させることを創案した。
【0011】具体的には、ウエイトを包んだ可撓性スリ
ーブからなるダンパを軸の途中に取付けた車両用ドライ
ブシャフトにおいて、可撓性スリーブのばね定数を高め
ることにより、ダンパの共振周波数を少なくとも100
0Hzに設定したことを特徴とする。ここで、「ダンパ
の共振周波数」とは、主振動系としてのドライブシャフ
トの振動の位相に対し、副振動系としてのダンパの振動
の位相のずれによって、有効な制振効果(ダイナミック
ダンパ効果)を発揮し得る周波数のことを言う。
【0012】一般に、車両用エンジンや駆動輪からドラ
イブシャフトへ伝わる振動の周波数は、80〜400H
zである。これに対し、可撓性スリーブのばね定数を高
めることによって、副振動系のばね部材としての機能を
極力抑えた。そして、ばね定数を高めることにより、ダ
ンパの共振周波数を少なくとも1000Hzに設定し
た。ダンパの共振周波数と、外部からドライブシャフト
へ伝わる振動の周波数とが大きく異なるので、ダンパの
ダイナミックダンパ効果は、ほとんど期待できない。一
方、可撓性スリーブのばね定数を高めても、ドライブシ
ャフトにウエイトを取付ける機能は残る。従って、ウエ
イトはドライブシャフトに直接に固定された構成と概ね
同様の構成であり、マスダンパ効果を発揮する。ドライ
ブシャフトの共振周波数は、ウエイトの質量に応じて下
がる。
【0013】しかも、ウエイトを可撓性スリーブによっ
てドライブシャフトに取付けるので、ドライブシャフト
にウエイトを溶接する必要はない。さらには、マスダン
パによって、ドライブシャフトの共振周波数を所定値に
設定するようにしたので、ダイナミックダンパ効果を利
用する場合に比べて、可撓性スリーブの品質の影響を受
け難い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る車両の動力伝達系統
の模式図である。車両の動力伝達系統1は、エンジン2
とトランスミッション3とプロペラシャフト4と差動装
置5とドライブシャフト6,6と駆動輪(後輪)7,7
とからなる。差動装置5は終減速装置8を組込んだもの
である。終減速装置8は、エンジン2の回転を最終的に
駆動輪7,7の回転数まで減速するものであり、例え
ば、歯車機構からなる。ドライブシャフト6,6は、終
減速装置8から駆動輪7,7へエンジン2の出力を伝達
する回転軸である。9,9は前輪である。なお、車両の
動力伝達系統1は、前輪駆動式や前後輪駆動式であって
もよい。
【0015】図2は本発明に係るダンパを取付けたドラ
イブシャフトの構成図であり、ドライブシャフト6の軸
方向中央(軸の途中)にダンパ10を取付けたことを示
す。ダンパ10の詳細については後述する。ドライブシ
ャフト6は、両端にスプライン加工された連結部6a,
6aを設けたものであり、これら連結部6a,6aは図
示せぬユニバーサルジョイントを介して、図1の駆動輪
7や終減速装置8に連結するものである。
【0016】図3は本発明に係るダンパの断面図であ
る。ダンパ10は、ウエイト(重錘)11を可撓性スリ
ーブ12で包んだものである。詳しくは、ダンパ10
は、質量体としてのウエイト11と、ウエイト11をド
ライブシャフト6に嵌合にて取付けるための可撓性スリ
ーブ12と、可撓性スリーブ12をドライブシャフト6
に固定するためのバンド13とからなる。
【0017】ウエイト11は、鉛や鉄鋼等の高密度の金
属材料からなる、所定質量の環状体又は円筒体である。
可撓性スリーブ12は、ゴムや軟質樹脂等の可撓性を有
する材料からなる、環状体又は円筒体である。可撓性ス
リーブ12が天然ゴムや合成ゴム等のゴム製品からなる
場合には、可撓性スリーブ12はウエイト11の外面
に、加硫にて接着することになる。
【0018】この可撓性スリーブ12は、ドライブシャ
フト6に嵌合する円筒状の弾性嵌合部12aと、弾性嵌
合部12aの外周面に設けたウエイト11を包む薄肉の
被覆部12bとからなる。ウエイト11は、可撓性スリ
ーブ12に同心で埋設するように一体的に成形したもの
であり、全周囲が覆われるので、錆びの心配がない。
【0019】ところで本発明は、ドライブシャフト6に
ウエイト11を固定に近い状態で取付けることを特徴と
する。このために、可撓性スリーブ12のばね定数kを
高めて、ドライブシャフト6に嵌合できる限界程度ま
で、弾性変形の度合い(柔軟性)を下げた。
【0020】ドライブシャフト6にダンパ10を取付け
る場合の具体的な設定手法としては、例えば、次の
(1)〜(4)のステップからなる。 (1)ウエイト11を取付けない状態で、ドライブシャ
フト6の共振周波数を測定する。このときの共振周波数
は、例えば100Hzである。 (2)このドライブシャフト6の共振周波数を、マスダ
ンパ効果によって所定の低減量(例えば10Hz程度)
だけ低減させるのに必要な、ウエイト11の重量wを設
定する。 (3)ウエイト11の重量wと可撓性スリーブ12のば
ね定数kとにより決定される、ダンパ10の共振周波数
を少なくとも1000Hzに設定する。 (4)このときの可撓性スリーブ12のばね定数kを設
定する。 (5)このばね定数kに基づき、可撓性スリーブ12の
具体的な形状、材質、硬度、寸法等を設定する。ここ
で、「ダンパ10の共振周波数」とは、主振動系として
のドライブシャフト6の振動の位相に対し、副振動系と
してのダンパ10の振動の位相のずれによって、有効な
制振効果を発揮し得る周波数を意味する。
【0021】可撓性スリーブ12のばね定数kを設定す
るための具体的な構成としては、可撓性スリーブ12
の硬度を少なくとも50HS(ショア硬度50)に設定
し、 弾性嵌合部12aの厚みtを5mm以下に設定した。
この厚みtは、可撓性スリーブ12をダイナミックダン
パに組込む場合に比べて、半分以下である。このように
して、可撓性スリーブ12のばね定数kを、少なくとも
1000kgf/mmを越える値に設定した。そして、
ばね定数kを極めて大きくすることで、このばね定数k
とウエイト11の質量mとによって決定されるダンパ1
0の共振周波数fnを、少なくとも1000Hzに設定
し、このときのダンパ10のゲイン(共振倍率)Gを、
多くとも6dBに設定した。
【0022】このような可撓性スリーブ12によって、
ウエイト11をドライブシャフト6に固定に近い状態で
取付けるので、ドライブシャフト6にウエイト11を溶
接する必要はなく、ドライブシャフト6に容易に取付け
ることができる。
【0023】次に、上記ダンパ10の動特性を説明す
る。一般に、ダンパの共振周波数をfn、ウエイト11
の質量をm(重量をw)、可撓性スリーブ12のばね定
数をk、重力加速度をg(9.8m/s2)とすれば、
fnは次式(1)で表すことができる。
【0024】
【数1】
【0025】図4はダンパの動特性を示すグラフであ
り、横軸をダンパの共振周波数fn(Hz)とし、縦軸
をダンパのゲインG(dB)、すなわち、共振倍率とし
て表したものである。破線にて示す曲線Gdは、比較例
のダンパの動特性を示す曲線である。比較例のダンパ
は、上記図3に示すダンパ10と類似した構成品であっ
て、ダンパの共振周波数fn=80〜400Hzのうち
の、特定の周波数のときに、ダンパのゲインGが15〜
20dBとなるように設定したものである。このような
比較例のダンパは、外部からドライブシャフトへ伝わる
振動の周波数f=80〜400Hzのうちの、特定の周
波数において、対応するダンパの共振周波数fnで、ダ
イナミックダンパ効果によってドライブシャフトを制振
する作用をなすことができる。
【0026】一方、実線にて示す曲線Gmは、本発明の
実施例のダンパの動特性を示す曲線であり、上記図3に
示すダンパ10の動特性を示す。曲線Gmで示すよう
に、上記式(1)に適当なばね定数kと重量wを代入す
ることでダンパ10の共振周波数fnを、少なくとも1
000Hzに設定し、このときのダンパ10のゲインG
を、多くとも6dBに設定した。このような本発明のダ
ンパ10は、外部からドライブシャフト6へ伝わる振動
の周波数f=80〜400Hzに対して、ダイナミック
ダンパ効果が極めて小さいことが判る。
【0027】なお、ダンパのゲインGは、標準状態の振
動の強さa0に対するダンパの振動の強さをa1として、
次式(2)で表したものである。 G=20・log(a1/a0) ………(2)
【0028】次に、ダンパ10の共振周波数fnを、少
なくとも1000Hzに設定した理由を説明する。 (1)車両用エンジンや駆動輪からドライブシャフト6
へ伝わる振動は、一般に80〜400Hzの周波数域
(特定の周波数域)が主成分である。この特定の周波数
域で、ドライブシャフト6の共振を防止するためには、
何等かのダンパを取付けたい。このためには、ウエイト
を包んだ可撓性スリーブからなるダイナミックダンパ
を、ドライブシャフト6の途中に取付けることが考えら
れる。
【0029】(2)ところで、ダイナミックダンパ付き
ドライブシャフト6の制振効果を高めるには、ダイナミ
ックダンパの共振周波数を、上記特定の周波数域に正確
に設定する必要がある。ダイナミックダンパの共振周波
数がばらつくと、ダイナミックダンパ効果が低下するか
らである。 (3)そこで、上記図3に示すように、ウエイト11を
包んだ可撓性スリーブ12からなるダンパ10を、ドラ
イブシャフト6の途中に取付けて、マスダンパ効果によ
ってドライブシャフト6を制振することが考えられる。
【0030】(4)ダンパ10がマスダンパ効果を発揮
するためには、可撓性スリーブ12の機能のうち、副振
動系のばね部材としての機能を抑制する必要がある。そ
こで、可撓性スリーブ12のばね定数kを高めることに
よって、副振動系のばね部材としての機能を抑制すれば
よい。ばね定数kが高まれば、ばね定数kとウエイト1
1の質量mとによって決定される、ダンパ10の共振周
波数fnは高まる。 (5)ダンパ10の共振周波数fnを、上記特定の周波
数域よりも大きくすることによって、ダンパ10のダイ
ナミックダンパ効果を抑制することができる。具体的に
は、上記特定の周波数域80〜400Hzに対して、ダ
ンパ10の共振周波数fnを少なくとも1000Hzに
設定した。ダンパ10の共振周波数fnと特定の周波数
域との差をこの程度にすれば、ダイナミックダンパ効果
の抑制に十分役立つ。
【0031】(6)一方、可撓性スリーブ12のばね定
数kを高めても、ドライブシャフト6にウエイト11を
取付ける機能は残る。従って、ウエイト11はドライブ
シャフト6に直接に固定された構成と概ね同様の構成と
なり、マスダンパ効果を発揮する。 (7)このように、ダンパ10の共振周波数fnを増大
させることにより、ダンパ10は、ダイナミックダンパ
効果が大幅に低減するとともに、マスダンパ効果が十分
に顕在化する。 (8)これが、ダンパ10の共振周波数fnを、少なく
とも1000Hzに設定した理由である。ダンパ10の
共振周波数fnの上限は、可撓性スリーブ12がドライ
ブシャフト6に嵌合できる限界程度まで、ばね定数kを
高めたときの共振周波数fnとする。
【0032】以上のように、ドライブシャフト6にダン
パ10を備えたので、ウエイト11の質量mを大きくす
るに従って、ドライブシャフト6の共振周波数fnは低
下する。これに伴い、ドライブシャフト6の共振周波数
が、車両としての常用域(特定の周波数域80〜400
Hz)よりも下がり、この結果、ドライブシャフトの制
振効果を、広い周波数域で得ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1の発明では、ウエイトを包んだ可撓性ス
リーブのばね定数を高めて、ダンパの共振周波数を少な
くとも1000Hzに設定したので、可撓性スリーブの
機能のうち、副振動系のばね部材としての機能を極力抑
えて、ドライブシャフトにウエイトを取付ける機能に限
定することができる。従って、ドライブシャフトへ伝わ
る振動の周波数80〜400Hzに対して、ダンパの共
振周波数は少なくとも1000Hzであり、大きく異な
るので、ダンパのダイナミックダンパ効果は、ほとんど
ない。一方、ドライブシャフトにウエイトを概ね直接的
に固定したので、ウエイトはマスダンパ効果を発揮す
る。マスダンパ効果を利用するダンパは、ダイナミック
ダンパ効果を利用するダンパに比べて、可撓性スリーブ
の品質の影響を受け難い。品質が緩くてすむ可撓性スリ
ーブの生産管理は容易である。しかも、ウエイトを可撓
性スリーブによってドライブシャフトに取付けるので、
ドライブシャフトにウエイトを溶接する必要はない。こ
の結果、ダンパ付きドライブシャフトの量産性を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の動力伝達系統の模式図
【図2】本発明に係るダンパを取付けたドライブシャフ
トの構成図
【図3】本発明に係るダンパの断面図
【図4】ダンパの動特性を示すグラフ
【図5】ダイナミックダンパを取付けた車両用ドライブ
シャフトの振動特性を示すグラフ
【図6】マスダンパを取付けた車両用ドライブシャフト
の説明図
【図7】マスダンパを取付けた車両用ドライブシャフト
の振動特性を示すグラフ
【符号の説明】
1…車両の動力伝達系統、2…エンジン、6…ドライブ
シャフト、7…駆動輪、8…終減速装置、10…ダン
パ、11…ウエイト、12…可撓性スリーブ、13…バ
ンド。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエイトを包んだ可撓性スリーブからな
    るダンパを軸の途中に取付けた車両用ドライブシャフト
    において、前記可撓性スリーブのばね定数を高めること
    により、前記ダンパの共振周波数を少なくとも1000
    Hzに設定したことを特徴とする車両用ドライブシャフ
    ト。
JP7810698A 1998-03-25 1998-03-25 車両用ドライブシャフト Pending JPH11270627A (ja)

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Cited By (3)

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