JPH08177976A - ダイナミックダンパ - Google Patents

ダイナミックダンパ

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JPH08177976A
JPH08177976A JP32461694A JP32461694A JPH08177976A JP H08177976 A JPH08177976 A JP H08177976A JP 32461694 A JP32461694 A JP 32461694A JP 32461694 A JP32461694 A JP 32461694A JP H08177976 A JPH08177976 A JP H08177976A
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JP
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elastic
axis
mass member
dynamic damper
elastic member
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JP32461694A
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Osamu Ohashi
修 大橋
Yoshitaka Fujiwara
義高 藤原
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MARUGO GOMME KOGYO KK
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MARUGO GOMME KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性部材の寸法の大幅な変更を伴うことな
く、回転軸の軸線と直交する方向におけるばね定数と軸
線方向におけるばね定数との比を広範囲に調整すること
のできるダイナミックダンパを提供することを目的とす
る。 【構成】 円筒状の質量部材2と、この質量部材と回転
軸Sとを連結する弾性部材3とを備え、前記弾性部材
が、前記質量部材の周方向に間隔をおいて複数設けら
れ、かつ、これらの各弾性部材が、前記質量部材の軸線
を通る面内において前記質量部材の軸線に対して傾斜さ
せられ、かつ、隣接する弾性部材の傾斜方向が相互に逆
方向となされていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のドライブシャフ
トやプロペラシャフト等の回転軸に取り付けられて、こ
れらの回転軸に発生する振動を抑制するようにしたダイ
ナミックダンパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のドライブシャフトやプロ
ペラシャフト等の回転軸においては、質量バランスがと
れていないことに起因した振動や、曲げ振動あるいは捩
じり振動等の振動が発生することが知られている。
【0003】そして、特に、前輪駆動車においては、操
舵機構が連結されている前輪に前記ドライブシャフトが
連結されていることから、このドライブシャフトにて発
生した振動が前記操舵機構を介して運転者へ伝達され易
い。
【0004】このような不具合を解消するために従来例
では、前記回転軸にダイナミックダンパを取り付けて、
前述した回転軸において発生する振動エネルギを吸収す
ることにより、前記振動を抑制することが行なわれてい
る。
【0005】このダイナミックダンパは、回転軸に嵌着
される固定部材と、この固定部材を取り囲むようにして
配設される質量部材と、これらの固定部材と質量部材と
を連結する弾性部材とを備え、この弾性部材が回転軸の
軸線と直交する方向に沿って配設された構成とされてお
り、回転軸の軸線と直交する方向の振動との共振によ
り、回転軸と質量部材とが相対移動させられるとともに
前記弾性部材が弾性変形させられ、この弾性部材の弾性
変形を利用して前記回転軸の振動エネルギを吸収して、
前記回転軸の振動を抑制するようになっている。
【0006】そして、前述した回転軸とダイナミックダ
ンパとを共振させるためには、回転軸の制振のターゲッ
トとなる振動数にダイナミックダンパの固有振動数を一
致させる必要があるが、この固有振動数が、質量部材の
質量と、弾性部材のばね定数とによって決定されること
から、従来においては、主に弾性部材の形状を変更して
そのばね定数を調整することによりダイナミックダンパ
の固有振動数を設定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来のダイナミックダンパにおいては、その制振方向が、
回転軸と直交する方向のみを対象としているが、実際に
は、回転軸の軸線方向への振動も無視できない場合が発
生している。
【0008】しかしながら、前述した従来のダイナミッ
クダンパにおいて、回転軸の軸線方向における制振を行
なわせようとすると、つぎのような問題点が発生する。
【0009】すなわち、従来のダイナミックダンパのよ
うに、弾性部材を回転軸と直交する方向に沿って配設さ
れている場合、回転軸の軸線と直交する方向の変形(圧
縮・引っ張り変形)時の弾性率(α)と、軸線方向の変
形(剪断変形)時の弾性率(β)との関係は次の1式で
表わされる。
【0010】 α/β=(3+6.58S2 )・(1+1/48S2 )・・・・・1式 ここで、Sは、弾性部材の拘束面積(受圧面積)と自由
表面積との比で表わされる値である。
【0011】この1式から明らかなように、弾性部材に
おける圧縮・引っ張り方向の弾性率と剪断方向の弾性率
との比が、弾性部材の形状によって決定される。
【0012】このことから、従来においては、前記弾性
率比を変更ないしは調整する場合には、弾性部材の形状
変更を余儀なくされるが、実際には、ダイナミックダン
パに要求される強度から、前記弾性部材の形状や寸法等
がある範囲内に制限され、これに伴って、前記弾性率比
の調整範囲も制限されてしまい、両方向のばね定数をと
もに実用に供し得るような目標値に設定することが困難
となっている。
【0013】本発明は、前述した従来の問題点に鑑みて
なされたもので、弾性部材の寸法の大幅な変更を伴うこ
となく、回転軸の軸線と直交する方向におけるばね定数
と軸線方向におけるばね定数との比を広範囲に調整する
ことのできるダイナミックダンパを提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のダイナミックダンパは、前述した目的を達成するため
に、回転軸まわりに、この回転軸との間に間隔をおいて
略同心状に配設される円筒状の質量部材と、この質量部
材と前記回転軸とを連結する弾性部材とを備えたダイナ
ミックダンパにおいて、前記弾性部材が、前記質量部材
の周方向に間隔をおいて複数設けられ、かつ、これらの
各弾性部材が、前記質量部材の軸線を通る面内において
前記質量部材の軸線に対して傾斜させられ、かつ、隣接
する弾性部材の傾斜方向が相互に逆方向となされている
ことを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項2に記載のダイナミ
ックダンパは、請求項1において、各弾性部材の少なく
とも一方の端部に、前記質量部材の軸線と直交する方向
に沿った延設部が連設されていることを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の請求項3に記載のダイナ
ミックダンパは、請求項1あるいは請求項2において、
質量部材の内部には、前記各弾性部材の先端部が接続さ
れる固定部材が同心状に設けられ、この固定部材を介し
て前記回転軸に取り付けられるようになされていること
を特徴とする。
【0017】
【作用】本発明の請求項1に記載のダイナミックダンパ
によれば、各弾性部材が質量部材の軸線に対して傾斜さ
せられていることから、各弾性部材における長さ方向
(圧縮・引っ張り方向)の縦弾性率および長さ方向と直
交する方向(剪断方向)の横弾性率が、それぞれ、質量
部材の軸線に沿った軸方向成分とそれと直交する軸直角
方向成分とを含むこととなる。
【0018】したがって、これらの前記軸方向成分どう
し、また、軸直角方向成分どうしのそれぞれの合成値
が、弾性部材の軸方向における弾性率および軸直角方向
における弾性率となり、これらの弾性率により、弾性部
材の軸方向および軸直角方向のばね定数が決定される。
【0019】そして、前記縦弾性率および横弾性率にお
ける軸方向成分と軸直角方向成分との比は、質量部材の
軸線に対する各弾性部材の傾斜角によって変化し、換言
すれば、この傾斜角を変更することにより、これらの軸
方向成分と軸直角方向成分との比の調整が可能となると
ともに、弾性部材の軸方向と軸直角方向のばね定数比の
調整が可能となる。
【0020】したがって、弾性部材における質量部材の
軸線に対する軸直角方向のばね定数と軸方向のばね定数
との比の調整に際し、弾性部材の形状変更が最小限度に
抑さえられる。
【0021】さらに、各弾性部材が質量部材の軸線に沿
って設けられることにより、軸線方向から見た状態にお
いてアンダーカット部がなくなり、これによって、成形
時の型開きが円滑に行なわれる。
【0022】また、本発明の請求項2に記載のダイナミ
ックダンパによれば、質量部材の移動によって、各弾性
部材の本体とともに、その端部に連設された延設部が弾
性変形させられる。
【0023】ここで、前記延設部が、質量部材の軸線に
対して直交する方向に沿って設けられていることから、
この延設部における軸直角方向のばね定数および軸方向
のばね定数と、弾性部材の本体部分における同一方向の
ばね定数との合成値によって、弾性部材の各方向におけ
るばね定数が決定され、これによって、弾性部材におけ
る、質量部材の軸線に対して直交する軸直角方向と軸方
向とのばね定数比の調整範囲が拡大される。
【0024】さらに、本発明の請求項3に記載のダイナ
ミックダンパによれば、ダイナミックダンパが、各弾性
部材の先端に連設されている固定部材を介して回転軸へ
取り付けられる。
【0025】これによって、回転軸への取り付けが簡便
かつ確実に行なわれるとともに、弾性部材に回転軸との
固定部分がなくなって、この固定部分による弾性部材の
機能への影響が軽減され、また、弾性部材の弾性変形領
域が明確になり、弾性部材の機能の実際値と計画値との
ずれが抑制される。
【0026】また、前記固定部材が円筒状であることか
ら、質量部材の軸線方向においてアンダーカット部がな
く、成形時の型抜きが容易に行なわれるとともに、固定
部材がその全長に亙って回転軸に接触させられて、両者
間に空隙が形成されることがない。
【0027】したがって、水等が内部に滞留することが
防止される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。
【0029】図1中、符号1は、本実施例に係わるダイ
ナミックダンパを示し、このダイナミックダンパ1は、
回転軸Sまわりに、この回転軸Sとの間に間隔をおいて
略同心状に配設される円筒状の質量部材2と、この質量
部材2と前記回転軸Sとを連結する弾性部材3とを備
え、この弾性部材3が、図2に示すように、前記質量部
材2の周方向に間隔をおいて複数設けられ、かつ、これ
らの各弾性部材3が、前記質量部材2の軸線を通る面内
において前記質量部材2の軸線に対して傾斜させられ
(図1参照)、かつ、隣接する弾性部材3の傾斜方向が
相互に逆方向となされた概略構成となっている。
【0030】さらに詳述すれば、前記質量部材2は、た
とえば、所定の肉厚を有する鋼管等の金属管を所定長さ
に切断することによって形成されたもので、その表面
が、天然ゴム等からなる被覆層4によって覆われて、外
気から遮蔽された構成となっている。
【0031】そして、この質量部材2は、所定の質量が
得られるのであれば、他の金属や金属以外の材料も使用
可能である。
【0032】前記各弾性部材3は、たとえば、天然ゴム
等の弾性材料によって形成されており、本実施例におい
ては、前記質量部材2の周方向に90度の間隔で4箇所
に設けられているとともに、前述したように、隣接する
弾性部材3どうしの傾斜が逆方向となされ、これらの逆
傾斜となされた弾性部材3の質量部材2(被覆材4)と
の接続部分が、質量部材2の軸線と直交する面に対して
両側に位置するように配設されている(図1参照)。
【0033】また、本実施例においては、前記質量部材
2の中心部に、天然ゴム等の弾性材料によって形成され
た円筒状の固定部材5が同心状に配設されており、この
固定部材5は、その外面に、前記弾性部材3の先端部が
接続されることによって、前記質量部材2と一体化され
ている。
【0034】そして、この固定部材5は、その内径が、
前記回転軸Sの外径よりも若干小さく形成されて、この
回転軸Sの外周に圧入されるようになされ、本実施例で
は、この固定部材5によって、前記質量部材2および弾
性部材3が回転軸Sへ接続されるようになっている。
【0035】また、前記固定部材5の一端部外周には、
所定深さを有する環状溝5aが全周に亙って形成されて
おり、たとえば、固定部材5と回転軸Sとの固定を強固
にするための金属バンド等が装着されるようになってい
る。
【0036】さらに本実施例においては、図1および図
2に示すように、質量部材2の長さ方向の中間部内面
で、かつ、前記弾性部材3の間に位置する部分に、前記
固定部材に対して所定間隔gをおいて対向させられるス
トッパー6が複数設けられており、前記質量部材2と固
定部材5との過度の相対移動を規制するようになってい
る。
【0037】そして、これらの弾性部材3、被覆層4、
固定部材5、および、ストッパー6が一体に形成されて
おり、たとえば、前記質量部材2をインサート部材とし
て、金型を用いたインサート成形を行なうことによっ
て、本実施例のダイナミックダンパ1が形成されるよう
になっている。
【0038】このように構成された本実施例のダイナミ
ックダンパ1は、前記両固定部材5を介してドライブシ
ャフト等の回転軸Sへ取り付けられ、この回転軸Sの回
転に伴う振動にダイナミックダンパ1が共振させられる
ことにより、回転軸Sと質量部材2とが、それぞれの軸
方向や軸直角方向に相対移動させられるとともに、両者
間を連結する弾性部材3が弾性変形させられ、この弾性
部材3の弾性変形により前記回転軸Sの振動エネルギが
吸収されて、その振動が抑制される。
【0039】そして、本実施例のダイナミックダンパ1
では、質量部材2の軸方向とこれと直交する軸直角方向
における固有振動数が調整されているが、これらの固有
振動数の設定に必要な、弾性部材3における前記両方向
のばね定数の設定について、図3を参照して説明する。
【0040】前記ばね定数を決定する複数の弾性部材3
の内、図3に実線で示す一方向に傾斜させられた弾性部
材3(3a)においては、これらの弾性部材3aが質量
部材2の軸線に対して、角度θで傾斜させられているこ
とにより、弾性部材3aの長さ方向に沿った縦弾性率、
および、壁と直交する方向の横弾性率のそれぞれに、前
記傾斜角θに依存する軸方向ならびに軸直角方向の成分
が含まれることから、これらの各方向毎の成分が合成さ
れて、慣性部材2の軸線に対する軸直角方向ならびに軸
方向の見掛け上の弾性率が生成される。
【0041】これによって、弾性部材3aの長さ方向に
沿った縦弾性率に応じたばね定数Cと、長さ方向と直交
する方向の横弾性率に応じたばね定数Dが、合成された
前記各弾性率に応じて、軸直角方向のばね定数Eaと軸
方向のばね定数Faとなされる。
【0042】ここで、弾性部材3aの縦弾性率および横
弾性率の軸方向ならびに軸直角方向の成分が、弾性部材
3aの傾斜角θによって決定されるから、この傾斜角θ
の変更によって、両方向の成分比が調整され、これによ
って、軸直角方向のばね定数Eaと軸方向のばね定数F
aの比が調整される。
【0043】一方、逆方向に傾斜させられた弾性部材3
bにおいても、前記一方に傾斜させられた弾性部材3a
と同様にして、質量部材2の軸線に対する軸直角方向の
ばね定数Ebと、軸方向のばね定数をFbがえられる。
【0044】そして、この両ばね定数Ea(Eb)・F
a(Fb)の比は、傾斜角θの値によって、理論的には
0〜∞まで可能であることから、実用域に限った場合で
も広範囲の調整範囲が確保される。
【0045】一方、弾性部材3の全体としての軸直角方
向のばね定数Gと軸方向のばね定数Hは、前記弾性部材
3a・3bにおけるそれぞれの方向のばね定数の合成値
として得られ、つぎの2式および3式によって表わされ
る。
【0046】G=Ea+Eb・・・・・2式 H=Fa+Fb・・・・・3式 ここで、前記2式および3式の右辺が、前述したよう
に、弾性部材3a・3bの傾斜角θによって調整可能で
あることから、前記弾性部材3の全体としての両ばね定
数G・Hも同様に調整される。
【0047】このように、本実施例に係わるダイナミッ
クダンパ1においては、弾性部材3の傾斜角θの調整に
より、弾性部材3の軸直角方向と軸方向とのばね定数比
を広範囲に亙って調整可能とし、軸直角方向ならびに軸
方向の何れの方向においても、回転軸Sに対する確実な
制振作用を行ない得る固有振動数の設定が可能となる。
【0048】また、本実施例においては、両環状壁3a
・3bの先端に、回転軸Sに嵌着される固定部材5を連
設したから、これらの固定部材5を介して弾性部材3を
回転軸Sに取り付けることにより、装着が簡便なものと
なるとともに、前記弾性部材3の弾性変形領域が明確に
なり、この弾性部材3の機能の計画値に対するずれが抑
制される。
【0049】さらに、ダイナミックダンパ1と回転軸S
との共振によって質量部材2と固定部材5との相対移動
量が所定量に至ると、前記質量部材2の内面に設けられ
ているストッパー6が前記固定部材5の表面に当接させ
られることにより、前記固定部材5と質量部材2との過
度の相対移動が拘束される。
【0050】したがって、ダイナミックダンパ1への過
大入力により、このダイナミックダンパ1の損傷が抑制
される。
【0051】なお、前記実施例において示した各構成材
の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき
種々変更可能である。
【0052】たとえば、前記実施例においては、前記各
弾性部材3を質量部材2や固定部材5へ直接接続した例
について示したが、前記各弾性部材3の端部の少なくと
も一方に、質量部材2の軸線に対して直交する方向に沿
った延設部を設け、この延設部を介して、弾性部材3を
前記質量部材2や固定部材5へ接続するようにしてもよ
い。
【0053】このように、延設部を設けることにより、
弾性部材3におけるばね定数が変化することとなるが、
この場合におけるばね定数は、前記延設部を1箇所に設
けた場合を例にとって図4を参照して説明すれば、以下
のとおりとなる。
【0054】すなわち、前記延設部が軸直角方向に沿っ
て配設されていることから、その縦弾性率が軸直角方向
であり、かつ、横弾性率が軸方向となって、ダイナミッ
クダンパ1における制振方向とそれぞれ一致し、この延
設部における軸直角方向のばね定数Aおよび軸方向のば
ね定数Bが、前記各弾性率に応じた値となる。
【0055】そして、これらの各ばね定数A・Bと前記
各弾性部材3における各方向におけるばね定数との合成
値が、ダイナミックダンパ1全体の軸直角方向のばね定
数Gおよび軸方向のばね定数Hとなり、それぞれ、つぎ
の4式および5式によって示される。
【0056】 1/G=1/A+1/(Ea+Eb)・・・・・4式 1/H=1/B+1/(Fa+Fb)・・・・・5式 したがって、このような延設部を設けることにより、ダ
イナミックダンパ1における各方向のばね定数の調整範
囲が拡大される。
【0057】また、前記実施例おいて示した固定部材5
についても省略が可能である。この場合には、弾性部材
3を回転軸Sに取り付ける場合、前記各環状壁3a・3
bの先端部を回転軸Sに直接接着ないしは溶着により接
続する必要が生じる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に記載のダイナミックダンパによれば、質量部材と回転
軸とを連結する弾性部材を、前記質量部材の周方向に間
隔をおいて複数設け、かつ、これらの各弾性部材を、前
記質量部材の軸線を通る面内において前記質量部材の軸
線に対して傾斜させ、かつ、隣接する弾性部材の傾斜方
向を相互に逆方向としたことにより、これらの弾性部材
の傾斜角の調整により、弾性部材の軸直角方向と軸方向
とのばね定数比を広範囲に亙って調整可能とすることが
できる。
【0059】この結果、弾性部材の基本寸法の大幅な変
更を伴うことなく、軸直角方向ならびに軸方向の固有振
動数を有効に調整することができ、これによって、回転
軸の軸直角方向、ならびに、軸方向の何れの方向におい
ても確実な制振作用を得ることができる。
【0060】また、本発明の請求項2に記載のダイナミ
ックダンパによれば、各弾性部材の少なくとも一方の端
部に、前記質量部材の軸線と直交する方向に沿った延設
部を連設したことにより、弾性部材の軸直角方向ならび
に軸方向のばね定数を設定するにあたり、前述した弾性
部材において調整された各ばね定数に弾性部材における
両方向のばね定数を合成することにより、ダイナミック
ダンパにおける軸直角方向および軸方向のばね定数の調
整範囲を拡大することができる。
【0061】さらに、本発明の請求項3に記載のダイナ
ミックダンパによれば、各弾性部材の先端部が接続さ
れ、回転軸に嵌着される固定部材を連設したから、これ
らの固定部材を介して弾性部材を回転軸に取り付けるこ
とにより、その装着を簡便なものとすることができると
ともに、弾性部材の弾性変形領域を明確にして、弾性部
材の機能とその計画値とのずれを抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるダイナミックダンパ
を示すもので、ず2におけるIーI線に沿う矢視断面図
である。
【図2】本発明の一実施例に係わるダイナミックダンパ
の正面図である。
【図3】本発明の一実施例に係わるダイナミックダンパ
におけるばね定数の状態を示す概略図である。
【図4】本発明の他の実施例に係わるダイナミックダン
パにおけるばね定数の状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ダイナミックダンパ 2 質量部材 3(3a・3b)弾性部材 5 固定部材 S 回転軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸まわりに、この回転軸との間に間
    隔をおいて略同心状に配設される円筒状の質量部材と、
    この質量部材と前記回転軸とを連結する弾性部材とを備
    えたダイナミックダンパにおいて、前記弾性部材が、前
    記質量部材の周方向に間隔をおいて複数設けられ、か
    つ、これらの各弾性部材が、前記質量部材の軸線を通る
    面内において前記質量部材の軸線に対して傾斜させら
    れ、かつ、隣接する弾性部材の傾斜方向が相互に逆方向
    となされていることを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 【請求項2】 前記各弾性部材の少なくとも一方の端部
    に、前記質量部材の軸線と直交する方向に沿った延設部
    が連設されていることを特徴とする請求項1に記載のダ
    イナミックダンパ。
  3. 【請求項3】 前記質量部材の内部には、前記各弾性部
    材の先端部が接続される固定部材が同心状に設けられ、
    この固定部材を介して前記回転軸に取り付けられるよう
    になされていることを特徴とする請求項1または請求項
    2の何れかに記載のダイナミックダンパ。
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