JP2019148303A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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芳周 秋山
Yoshichika Akiyama
芳周 秋山
友樹 松本
Yuki Matsumoto
友樹 松本
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Abstract

【課題】剪断変形するゴム弾性体において安定したマス部材の支持ばね特性や変形態様を確保しつつ、互いに直交する径方向2方向で異なるばね特性ひいては共振周波数のチューニングを実現可能とする、新規な構造のダイナミックダンパを提供する。【解決手段】筒状のマス部材12の軸方向両側部分をシャフト16に弾性支持せしめる一対の弾性支持体14,14に対して、シャフト16の軸直角方向の振動が及ぼされた際に剪断変形が生ぜしめられる剪断タイプの筒型のダイナミックダンパ10であって、マス部材12の内周面を覆う内側弾性体30が弾性支持体14,14と一体形成されて、該内側弾性体30の内部を軸方向に延びるすぐり穴32,32が軸直角方向に対向位置して一対設けられていると共に、すぐり穴32,32の内周側において軸方向両側の弾性支持体14,14を相互に連結する弾性連結部40が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、制振対象とされるシャフトに外挿状態で装着される筒型のダイナミックダンパに関する。
従来から、自動車のドライブシャフトやプロペラシャフト等の制振対象とされる回転軸であるシャフトに装着されて、その振動を吸収し、抑制する制振装置の一種として、筒型のダイナミックダンパ(動的吸振器)が知られている。
そして、このような筒型のダイナミックダンパとしては、従来から、圧縮/引張タイプと、剪断タイプとの二つのタイプが提案されている。
前者の圧縮/引張タイプのダイナミックダンパは、特開2006−177525号公報(特許文献1)に示されているように、シャフトに外挿固定される取付スリーブの外周側に離隔して筒状のマス部材を配置すると共に、それら取付スリーブとマス部材とを径方向対向面間に配したゴム弾性体で連結せしめた構造とされている。このような圧縮/引張タイプのダイナミックダンパでは、シャフトの軸直角方向の振動が入力された際、マス部材の軸直角方向への変位に伴ってゴム弾性体が略圧縮/引張変形せしめられることとなる。
後者の剪断タイプのダイナミックダンパは、特公平6−37915号公報(特許文献2)に示されているように、シャフトの外周に離隔配置された筒状のマス部材を、軸方向両側部分において軸方向外方に延び出す一対の略テーパ筒状のゴム弾性体で、シャフトに弾性支持せしめる構造とされている。このような圧縮/引張タイプのダイナミックダンパでは、シャフトの軸直角方向の振動が入力された際、マス部材の軸直角方向への変位に伴ってゴム弾性体が略剪断変形せしめられることとなる。
これら何れのタイプのダイナミックダンパも、マス部材とゴム弾性体とによって構成される副振動系の共振周波数が、シャフトにおいて制振を目的とする振動周波数に応じてチューニングされる。その際、周囲の環境や条件などによって、制振を目的とする振動周波数が変化したり、ダイナミックダンパの共振周波数が変化することがある。例えば、自動車に装着されるダイナミックダンパでは、内燃機関の熱や気温などによって数十度以上の温度差に晒されたり、自動車走行条件によってシャフト振動が変化することもある。そのような状況下、ダイナミックダンパでは、ゴム弾性体の温度依存性や振幅依存性の影響等を受けて、最適なチューニング周波数の維持が難しく、要求される制振効果を安定して発揮することが難しい場合もあった。
このような問題に対処するために、前者の圧縮/引張タイプのダイナミックダンパでは、特許文献1にも開示されているように、ゴム弾性体において径方向に対向する両側部分をそれぞれ軸方向に貫通する一対の貫通孔を設けて、互いに直交する径方向2方向のばね特性ひいては共振周波数を異ならせることが提案されている。
しかしながら、圧縮/引張タイプのダイナミックダンパは、そもそも取付スリーブとゴム弾性体とマス部材とが径方向で重ね合わされて配置されているために、外径寸法が大きくなって装着スペースの確保が難しいという問題を内在している。それに加えて、上述のように圧縮/引張変形するゴム弾性体に対して周上で部分的に貫通孔を形成すると、貫通孔の周方向両端における応力や歪の集中が大きくなり過ぎて耐久性の確保が難しいという問題が発生することとなり、更に、過大な振動の入力時にマス部材が大きく変位して貫通孔が潰れた際にマス部材が圧縮ゴムを介してシャフトに打ち当たるために衝撃や打音の発生が問題になるおそれもあった。
一方、後者の剪断タイプのダイナミックダンパでは、軸方向両側に設けられたゴム弾性体が、略テーパ筒形状とされて剪断変形する比較的に柔らかいばね特性とされている。そのために、かかるゴム弾性体に対して軸方向に貫通する肉抜孔を設けると、マス部材に対する安定した支持ばね剛性の確保が難しくなり、振動入力時に座屈状のいびつな変形が生じてマス部材の挙動が安定しなくなるおそれもあり、目的とする制振効果を期待し難くなるという問題があったのである。
特開2006−177525号公報 特公平6−37915号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題とするところは、装着スペースについて有利な剪断タイプのダイナミックダンパを対象とし、剪断変形するゴム弾性体において安定したマス部材の支持ばね特性や変形態様を確保しつつ、互いに直交する径方向2方向で異なるばね特性ひいては共振周波数のチューニングを実現可能とする、新規な構造のダイナミックダンパを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、制振対象とされるシャフトに外挿状態で装着される筒型のダイナミックダンパにおいて、筒状のマス部材の軸方向両側から軸方向外方に向かって突出して先端側が小径とされることで該マス部材を前記シャフトに対して剪断支持せしめる一対の弾性支持体を有していると共に、該マス部材の内周面を覆う内側弾性体が該一対の弾性支持体と一体形成されており、更に、該内側弾性体の内部を軸方向に延びるすぐり穴が軸直角方向に対向位置して一対設けられていると共に、該すぐり穴の内周側には、該シャフトから外周に離隔して該一対の弾性支持体を軸方向で相互に連結する弾性連結部が前記内側弾性体によって形成されていることを、特徴とする。
本発明に従う構造とされたダイナミックダンパは、剪断タイプとされていることから、圧縮/引張タイプのダイナミックダンパに比して、外径寸法の大型化を抑えつつマス部材の質量を大きく設定したり、弾性体ボリュームによる耐久性を確保しつつ弾性支持体の低動ばね化したりすることが可能となって、装着スペースの制限下においても大きなチューニング自由度が実現され得る。
そのうえ、本発明に係るダイナミックダンパでは、各弾性支持体において径方向で対向する位置にすぐり穴が設けられることで、軸直角2方向で異なるばね特性が与えられて複数の共振周波数が設定されている。それ故、シャフトの軸直角方向の振動に対して、複数の又は広い周波数域で目的とする制振性能を発揮し得るチューニングが可能となる。
しかも、本発明に係るダイナミックダンパでは、一対の弾性支持体を、すぐり穴の内周側で相互に軸方向で連結する弾性連結部を備えている。それ故、各弾性支持体にすぐり穴を形成しても、各弾性支持体の変形態様が弾性連結部によって相互に且つ弾性的に安定化されることとなり、すぐり穴の形成によって弾性支持体の変形自由度が過度に大きくなってしまうことが防止される。その結果、一対の弾性支持体にすぐり穴を設けて特定径方向での低ばね化を図りつつ、振動入力時におけるマス部材の挙動を安定化させて、目的とする制振効果を安定して得ることが可能となる。
加えて、本発明に係るダイナミックダンパは剪断タイプを基本構造としており、すぐり穴の内周側において一対の弾性連結体を相互に連結する弾性連結部および内側弾性体の内周側には、制振対象であるシャフトへの装着状態下において当該シャフトとの間に径方向の隙間が存在する。それ故、たとえ過大な振動荷重の入力によってマス部材が大きく変位してすぐり穴が軸直角方向に潰れたとしても、衝撃がシャフトへ直接に入力されることがなく、衝撃や異音の発生が軽減され得る。
本発明の第二の態様は、第一の態様のダイナミックダンパにおいて、前記すぐり穴が、軸方向両側の前記一対の弾性支持体と前記内側弾性体とを貫通して軸方向に延びているものである。
本態様に従う構造とされたダイナミックダンパでは、すぐり穴が一対の弾性支持体及び内側弾性体を軸方向の全長に亘って貫通して形成されていることで、一対のすぐり穴が対向位置する軸直角方向の動ばね定数を十分に小さくして、ダイナミックダンパにおける軸直角2方向でのばね比ひいてはチューニング周波数をより大きく設定することができる。
なお、第一の態様に係るダイナミックダンパでは、すぐり穴が軸方向に非貫通の態様として、例えば各弾性支持体の軸方向外側面からそれぞれ軸方向内方に向かって、内側弾性体の軸方向中央までは達しない位置まで延びるすぐり穴を設けることも可能である。すぐり穴の軸方向寸法などを調節することで、ダイナミックダンパのばね定数ひいては共振周波数をチューニングすることも可能になる。尤も、そのような非貫通のすぐり穴を設けた場合に比して、本態様に従って軸方向に貫通したすぐり穴を採用することで、弾性連結部におけるすぐり穴の深さ方向の先端付近での局所的な応力や歪の集中を回避することも可能になる。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様のダイナミックダンパにおいて、前記弾性支持体が、軸方向外方への突出方向に向かって次第に小径となるテーパ筒状とされていると共に、該弾性支持体における軸方向外側のテーパ状面の大径側が前記マス部材の軸方向端面上にまで達しているものである。
本態様に従う構造とされたダイナミックダンパでは、弾性支持体の最大外径部位からのマス部材の突出高さを抑えることができて、必要とされる径方向の装着スペースをより小さくすることが可能になる。しかも、マス部材の軸方向端面が弾性支持体で覆われることにより、弾性支持体によるマス部材の軸方向の支持ばね剛性も効率的に確保することができる。また、マス部材の外径寸法の大型化を回避しつつ弾性支持体の厚さ寸法を大きく設定できることから、弾性支持体の耐久性やチューニング自由度の向上も図られ得る。
本発明によれば、剪断タイプのダイナミックダンパにおいて、各弾性支持体にすぐり穴を形成すると共に、すぐり穴の内周側で両弾性支持体を相互に連結する弾性連結部を設けたことにより、すぐり穴による低ばね化を達成しつつ、弾性支持体の変形態様の安定化ひいてはマス部材の挙動の安定化を実現し、以て、目的とする複数乃至は広い周波数域での制振性能の向上を図り得るのである。
本発明の第一の実施形態としてのダイナミックダンパを示す縦断面図であって、図2におけるI−I断面図。 図1の右側面図。 図1のIII−III断面図。 本発明の第二の実施形態としてのダイナミックダンパを示す縦断面図であって、図5におけるIV−IV断面図。 図4の右側面図。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態では、自動車の駆動車軸(ドライブシャフト)用の制振装置に対して、本発明を適用したものの具体例について説明するが、本発明に係るダイナミックダンパの装着対象は実施形態の記載によって限定されない。
先ず、図1〜3には、本発明の第一の実施形態であるダイナミックダンパ10が示されている。本実施形態のダイナミックダンパ10は全体として略円筒形状を有しており、その軸方向中央部分にマス部材12が配置されていると共に、軸方向両側部分には弾性支持体14,14が設けられている。そして、図1中に仮想線で例示されているように、制振対象であるシャフト16に対して外挿状態で、一体的に回転せしめられるようにして装着されることで、主振動系たるシャフト16に対する副振動系を構成するようになっている。即ち、装着状態下でシャフト16に軸直角方向の振動が生ずると、弾性支持体14,14が主に剪断方向に弾性変形することでマス部材12の軸直角方向の振動が許容され、マス部材12をマスとし且つ弾性支持体14,14をバネとするマス−バネ系の副振動系が構成されることで、シャフト16の振動を抑える制振装置が構成される。
より詳細には、マス部材12は、シャフト16の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する厚肉の略円筒形状とされた質量体であって、例えば鉄鋼等の金属の如き質量が比較的大きな材質によって形成されている。なお、マス部材12は、円筒形状の如き完全な回転対称形状である必要はなく、装着軸であるシャフト16の回転中心軸を一つの慣性主軸(自由軸)とすることで安定した中心軸回りの運動が実現されるものであればよい。
弾性支持体14,14は、マス部材12の軸方向両端部分から、それぞれ軸方向外方に向かって突出して設けられている。かかる弾性支持体14は、天然ゴム等のゴム弾性体の如き弾性材で形成されたものであって、軸方向外方に行くに従って次第に小径化するテーパ筒形状のテーパ部18を有している。また、テーパ部18の小径側端部には、軸方向外方に向かって略一定の内外径寸法で延び出す円筒形状の取付筒部20が一体形成されている。
本実施形態では、マス部材12の軸方向両端部分の内周面から弾性支持体14,14が、それぞれ、軸方向外方および径方向内方に向かって傾斜して延びだすように設けられており、各弾性支持体14は、軸方向外方に向かって次第に小径化する所定厚さのテーパ付きの円筒形状をもって形成されている。
また、弾性支持体14を構成する取付筒部20は、その内径寸法が、シャフト16の外径寸法と略同じとされている。また、取付筒部20の外周面には、周方向の全周に亘って連続して延びる環状凹溝22が形成されている。そして、ダイナミックダンパ10がシャフト16へ外挿された状態で、各弾性支持体14がシャフト16に外嵌状態とされると共に、各取付筒部20の環状凹溝22に巻き付けられた固定バンド24によって、各取付筒部20が外周面から締め付けられて、シャフト16に対して固定的に装着されるようになっている。
なお、マス部材12には、外周面を実質的に全体に亘って覆うことで保護する被覆ゴム26が設けられて、外周面に対して加硫接着されている。そして、この被覆ゴム26と弾性支持体14,14が一体形成されていることで、弾性支持体14,14のマス部材12に対する固着強度と信頼性の向上も図られている。なお、被覆ゴム26には、マス部材12の軸方向両端の外周縁部において、マス部材12をゴム成形型内で位置決めするための位置決め部28が、周方向で複数設けられている。
さらに、マス部材12の内周側には、被覆ゴム26が厚肉化された如き態様をもって内側弾性体30が形成されている。この内側弾性体30は、一対の弾性支持体14,14における外周部分での軸方向対向面間に亘って軸方向に延びており、弾性支持体14,14や被覆ゴム26と一体形成されている。なお、内側弾性体30の内径寸法は、シャフト16の外径寸法や取付筒部20の内径寸法よりも大きくされており、シャフト16へのダイナミックダンパ10の装着状態下でも、シャフト16の外周面上には、全周に亘って十分な空間が確保されるようになっている。
そして、この内側弾性体30に対して、シャフト16を挟んで軸直角方向で対向位置する部分において、一対のすぐり穴32,32が形成されている。本実施形態では、各すぐり穴32が、内側弾性体30の厚さ方向となる径方向の略中央に位置して、ダイナミックダンパ10の中心軸回りで同軸的に周方向に延びる円弧形状をもって形成されている。
なお、すぐり穴32の径方向寸法や周方向長さはチューニング対象であって限定されるものでないが、例えば各すぐり穴32は中心軸回りの周方向で30〜160度の周方向長さの範囲内で設定されることが望ましい。
また、すぐり穴32は、例えば軸方向両側の各弾性支持体14,14の軸方向外面に開口して、内側弾性体30の軸方向中央にまでは至らない深さ寸法で軸方向内方に向かってそれぞれ延びる形態を採用することも可能である。尤も、本実施形態におけるすぐり穴32は、内側弾性体30の全長に亘って軸方向に形成されており、軸方向の両端部分が、一対の弾性支持体14,14もそれぞれ貫通して軸方向両側の外面に開口する貫通構造とされている。
さらに、内側弾性体30にすぐり穴32,32が形成されることにより、すぐり穴32,32の内周側には、それぞれ、軸方向両側に位置する一対の弾性支持体14,14を軸方向で相互に弾性連結する弾性連結部40が形成されている。換言すれば、弾性連結部40は、一対の弾性支持体14,14を、すぐり穴32の内周側縁部において、軸方向で相互に連結している。なお、本実施形態の弾性連結部40は、全体に亘って略一定の径方向厚さ寸法をもって周方向及び軸方向に広がる湾曲円弧板形状をもって形成されている。そして、かかる弾性連結部40は、すぐり穴32の内周側を全体に亘って覆うように位置せしめられている。
上述の如き構造とされたダイナミックダンパ10は、図1に仮想線で示されているように、シャフト16に外挿状態で装着されて、前述のように一対の弾性支持体14,14の各軸方向突出先端部分において、取付筒部20に外嵌装着された固定バンド24によりシャフト16に対して固着されてシャフト16と一体的に回転するようにして装着される。そして、かかる装着状態下、シャフト16に軸直角方向の振動が発生すると、ダイナミックダンパ10に振動入力されて、弾性支持体14,14の弾性変形によりマス部材12の軸直角方向の変位が許容されて、マス−バネ系の振動系を構成することで、シャフト16の振動に対する制振効果を発揮することとなる。
ここにおいて、本実施形態のダイナミックダンパ10では、マス部材12の軸直角方向への変位に際して弾性支持体14,14には主として剪断変形が生ぜしめられる剪断タイプとされており、弾性支持体14,14がマス部材12を軸方向に外れた位置まで延びだして形成されていることから、マス部材の内周側に弾性支持体が配される圧縮/引張タイプのダイナミックダンパに比して、マス部材の外径寸法の大型化を回避しつつ弾性体ボリュームを大きくして耐久性の向上を図ったり、低動ばね化による副振動系の低周波数域へのチューニングを容易にすることが可能になる。また、マス部材12が軸方向両端部分において一対の弾性支持体14,14で支持されることから、マス部材を軸方向中央部分だけで弾性支持する圧縮/引張タイプのダイナミックダンパに比して、マス部材12の傾動によるこじり方向の不必要な変位も効果的に抑えられて、副振動系における安定した振動状態が発現され得る。
そのうえ、本実施形態のダイナミックダンパ10では、各弾性支持体14,14において径方向で対向する位置にすぐり穴32,32が形成されていることから、すぐり穴32,32の対向方向とそれに直交する方向との軸直角2方向においてバネ系の特性が異ならされている。これにより、シャフト16の軸直角方向の振動に対して、複数の又は広い周波数域で目的とする制振性能が発揮され得ることとなる。
しかも、一対の弾性支持体14,14は、すぐり穴32の内周側で、弾性連結部40により、相互に軸方向で弾性的に連結されている。これにより、各弾性支持体14,14の変形が弾性連結部によって相互に且つ弾性的に制限されることとなり、すぐり穴32,32の形成によって弾性支持体の変形自由度が過度に大きくなってしまうことが避けられる。それ故、一対の弾性支持体14,14にすぐり穴32,32を設けて特定径方向での低ばね化を図ることで複数の又は広い周波数域での制振性能の向上を図りつつ、振動入力時におけるマス部材の挙動を安定化させて、目的とする制振効果が安定して発揮され得る。
加えて、本実施形態のダイナミックダンパ10では、すぐり穴32,32の内周側には、シャフト16との間に径方向の隙間42が存在する。それ故、たとえ過大な振動荷重の入力によってマス部材12が大きく変位してすぐり穴32が軸直角方向に潰れたとしても、衝撃がシャフト16へ直接に入力されることがなく、衝撃や異音の発生が大きな問題になることもない。
次に、図4〜5には、本発明の第二の実施形態としてのダイナミックダンパ50が示されている。なお、本実施形態は、第一の実施形態のダイナミックダンパ10に比して、マス部材12や一対の弾性支持体14,14、すぐり穴32,32などの具体的な形状や寸法は相違するものの、それらの基本的構造は同じである。それ故、第一の実施形態と基本的構造を同じにする各部位については、対応する各部位について、第一の実施形態と同じ符号を付することにより詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態のダイナミックダンパ50では、マス部材12の軸方向両側部分から軸方向外方に延びだして、マス部材12の軸方向両側部分をそれぞれシャフト16にたいして弾性的に連結支持せしめる基本構造については、第一の実施形態と同様とされた一対の弾性支持体14,14を備えている。
しかし、本実施形態では、各弾性支持体14の具体的な形状が、第一の実施形態とは異なっている。具体的には、弾性支持体14が、第一の実施形態ではマス部材12の軸方向端部の内周面から軸方向外方に向かって延びだしていたが、本実施形態ではマス部材12の軸方向端面から軸方向外方に向かって延びだしている。しかも、弾性支持体14において軸方向外方に向かって次第に小径化するテーパ形状とされた外周面(軸方向外面)52において最大外径となる外周端の位置が、第一の実施形態ではマス部材12よりも内周側に位置せしめられていたが本実施形態ではマス部材12の外周端と同じかそれよりも外周側に位置せしめられている。
これにより、本実施形態のダイナミックダンパ50では、弾性支持体14のゴムボリュームが第一の実施形態よりも大きく確保されていると共に、特にマス部材12の軸方向両側端面を完全に覆うように弾性支持体14,14が設けられていることから、マス部材12に対する軸方向の支持ばね剛性の向上も図られている。
特に本実施形態では、一対の弾性支持体14における最大外径となる外周端Pの位置が、マス部材12の外周面を覆う被覆ゴム26の外周面54にまで達している。なお、弾性支持体14においてすぐり穴32が設けられた部分では、すぐり穴32よりも外周側において弾性支持体14が実質的に無くされており、マス部材12の軸方向両側において軸方向に開口する凹状部56,56とされている。これは、すぐり穴32によって実質的に弾性支持体14が縁切りされており、マス部材12の軸直角方向の変位に伴う弾性支持体14の弾性変形が、すぐり穴32よりも外周側では実質的に生じず、ばね特性として寄与しないからであり、ゴム材料の節約が実現されている。なお、すぐり穴32の外周側においても、すぐり穴32が設けられていない部分と同じように弾性支持体14を設けて、弾性支持体14の断面形状を全周に亘って一定とすることも可能である。
このような第二の実施形態としてのダイナミックダンパ50においても、第一の実施形態のダイナミックダンパ10と基本構造を同じにしており、第一の実施形態と同様な技術的作用効果が何れも発揮され得る。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、これらの実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
例えば、弾性支持体が、例えば周方向で部分的に厚さ寸法が異ならされたり、周方向で部分的に自由長が異ならされることなどによって、径方向のばね特性が部分的に異ならされた態様を採用することも可能である。
また、前記実施形態では弾性連結部40を構成する内側弾性体30の内径寸法が全周に亘って一定とされて、シャフト16の外径寸法よりも大きな円筒状内周面形状とされていたが、例えばすぐり穴32が形成されていない部分では弾性連結部40を設ける必要がないことから、内側弾性体30を形成しない態様や、内側弾性体30を薄肉にして内径を大きくする態様なども採用することが可能である。
更にまた、マス部材12の内周側においてシャフト16の外周面との間に隙間42を確保するための構成として、前記実施形態のようにダイナミックダンパ10,50の中央部分の内径寸法を、シャフト16に外嵌固定される取付筒部20,20の内径寸法に比して大きくする他、例えばシャフト16の外径寸法を軸方向で異ならせて、取付筒部20,20の嵌着部位のシャフト16の外径寸法よりもそれらの軸方向間においてシャフト16を小径とすることで、ダイナミックダンパの装着状態下でシャフト16の外周面上に隙間が形成されるようにしても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10,50:ダイナミックダンパ、12:マス部材、14:弾性支持体、16:シャフト、30:内側弾性体、32:すぐり穴、40:弾性連結部

Claims (3)

  1. 制振対象とされるシャフトに外挿状態で装着される筒型のダイナミックダンパにおいて、
    筒状のマス部材の軸方向両側から軸方向外方に向かって突出して先端側が小径とされることで該マス部材を前記シャフトに対して剪断支持せしめる一対の弾性支持体を有していると共に、該マス部材の内周面を覆う内側弾性体が該一対の弾性支持体と一体形成されており、更に、該内側弾性体の内部を軸方向に延びるすぐり穴が軸直角方向に対向位置して一対設けられていると共に、該すぐり穴の内周側には、該シャフトから外周に離隔して該一対の弾性支持体を軸方向で相互に連結する弾性連結部が前記内側弾性体によって形成されていることを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記すぐり穴が、軸方向両側の前記一対の弾性支持体と前記内側弾性体とを貫通して軸方向に延びている請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記弾性支持体が、軸方向外方への突出方向に向かって次第に小径となるテーパ筒状とされていると共に、該弾性支持体における軸方向外側のテーパ状面の大径側が前記マス部材の軸方向端面上にまで達している請求項1又は2に記載のダイナミックダンパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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