JP2009079731A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸に対して、十分な耐抜け力をもって取り付けられ得ると共に、共振周波数が低コストにチューニングされ得るダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】回転軸10に外挿された状態で取り付けられる筒状ゴム弾性体12に、複数の分割筒体22a,22bからなる剛性のマス部材14を、非接着で外嵌し、組み付けて、該筒状ゴム弾性体12を介して回転軸10に外挿すると共に、該マス部材14の外周面に締付部材16を巻き付けて、締付固定することにより、該マス部材14が、該筒状ゴム弾性体12に圧接、固定されて、該筒状ゴム弾性体12にて弾性支持せしめられるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイナミックダンパに係り、特に、振動体としての回転軸に取り付けられることにより、かかる回転軸の振動を低減するダイナミックダンパに関するものである。
従来から、自動車のドライブシャフトやプロペラシャフト等のように振動(曲げ振動や捩り振動)が入力される回転軸には、多くの場合、その振動を低減する目的で、ダイナミックダンパが取り付けられている。このダイナミックダンパには各種の構造を有するものがあり、その中の一種として、所定質量のマス部材を、回転軸に対して、ゴム弾性体によって弾性的に連結支持せしめるように構成されたものが、知られている。
ところで、かくの如き従来のダイナミックダンパにあっては、一般に、筒状乃至はリング状のマス部材が、軸方向に延びる内孔を備えた筒状乃至はリング状のゴム弾性体の外周部に加硫接着されてなり、このゴム弾性体の内孔内に回転軸が圧入されることによって、回転軸に対して外挿された状態で、取り付けられている。
そのため、そのような従来構造のダイナミックダンパを、例えば、自動車のドライブシャフトに取り付ける際には、ドライブシャフトを自動車に装着した状態で、ダイナミックダンパをドライブシャフトに取り付けることが出来ず、必ず、ドライブシャフトに対して、それを自動車に装着する前に取り付ける必要があった。それ故、かかる従来のダイナミックダンパを用いる場合、それが取り付けられるドライブシャフトが自動車に装着された状態下において、ダイナミックダンパの共振周波数をチューニングすることが不可能であった。
従って、かくの如き従来のダイナミックダンパを様々な車種の自動車のドライブシャフトに取り付ける場合には、予め、互いに異なる共振周波数を有するダイナミックダンパが取り付けられたダイナミックダンパ付きドライブシャフトを、ドライブシャフトが取り付けられるべき自動車よりも多くの種類と多くの数だけ、余分に準備しておく必要があり、それが、大きな経済負担となっていた。
かかる状況下、上記の如き問題を解消し得るドライブシャフト用ダイナミックダンパが、例えば、下記特許文献1等において提案されている。このダイナミックダンパは、ゴム弾性体からなる内輪と、鉄製で所定の質量を有する環状ウェイトを備えた外輪と、それら内輪と外輪と連結する、ゴム弾性体からなる放射状の複数の連結部材とを含むリング体にて構成され、また、かかるリング体が、回転中心を含む面にて、周方向に二分割されている。そして、このような二つの分割体からなるダイナミックダンパにおいては、ドライブシャフトに対して、二つの分割体が外嵌されて、リング状を呈するように組み付けられた状態下で、二つに分割された外輪が、結合プレート等を介してボルト止めされることにより、一体的に結合され、以て、ダイナミックダンパ全体が、ドライブシャフトに取り付けられるようになっている。
かくして、かかる分割タイプのダイナミックダンパにおいては、自動車に既に装着されたドライブシャフトに対しても、容易に取り付けられ得るようになっており、また、その際に、ドライブシャフトに取り付けられるダイナミックダンパを、環状ウェイトの質量、或いは内輪や連結部材のばね定数が種々異なるもの等に適宜に変更することで、ダイナミックダンパの共振周波数がチューニング可能となっている。
それ故、このような従来のダイナミックダンパを様々な車種の自動車のドライブシャフトに取り付ける場合にあっては、自動車に装着されたドライブシャフトには取付不可能な従来品を用いる場合とは異なって、環状ウェイトの質量、或いは内輪や連結部材のばね定数が互いに異なる複数種類のダイナミックダンパを用意しておけば、準備されるべきドライブシャフトの数が、自動車と同じ数だけで済むようになる。そして、それによって、各種の自動車に装着されるドライブシャフトにダイナミックダンパを取り付けるのに要される費用の削減が図られ得るのである。
ところが、かくの如き従来の分割タイプのダイナミックダンパにおいては、共振周波数の幅広いチューニングを行うために、環状ウェイトの質量、或いは内輪や連結部材のばね定数が互いに異なる、より多くの種類のものを準備しておく必要があり、そのためのコストが嵩むといった問題が内在していた。
また、かかる従来のダイナミックダンパでは、振動入力時に、複数の連結部材と共に弾性変形せしめられて、かかる入力振動を吸収する作用を発揮するゴム弾性体からなる内輪が、二つに分割されている。そのため、かかる内輪が一つの筒体やリングからなるものとは異なって、内輪のばね特性が周方向において不均一となるだけでなく、所望のばね特性を得ることが困難となってしまうことが避けられなかった。それ故、周方向において均一なばね特性が要求される場合は勿論、周方向の互いに異なる方向において、互いに異なるばね特性が要求される場合にも、それらの要求特性を、十分に満足し得るレベルにおいて安定的に確保することが、極めて困難であったのである。
さらに、従来のダイナミックダンパにおいては、二つの分割体からなる外輪が結合プレートを介して一体的に結合せしめられた際に生ずる締付力に基づいて、二つに分割された内輪が、ドライブシャフト等の回転軸に対して、その外周面に圧接されて、取り付けられるようになっているのであるが、内輪と外輪とを連結する連結部材がゴム弾性体からなるものであるため、外輪の一体的な結合に伴って生ずる締付力にて、連結部材が不可避的に弾性変形せしめられるようになる。それ故、ドライブシャフト等の回転軸に対する内輪の圧接力が小さくなって、内輪の回転軸に対する耐抜け力が不十分なものとなってしまうことが避けられなかったのである。
実公平3−34336号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、所定の位置に装着された回転軸に対して、十分な耐抜け力をもって有利に取り付けられ得るだけでなく、かかる回転軸への取付状態下で、共振周波数が、より低コストにチューニングされ得ると共に、所望のばね特性が安定的に発揮され得るダイナミックダンパを提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、その要旨とするところは、(a)軸方向に延びる内孔を有し、該内孔内に所定の回転軸が圧入されることにより、該回転軸に外挿された状態で取り付けられる筒状ゴム弾性体と、(b)軸方向に延びる分割面を有する複数の分割筒体からなり、それら複数の分割筒体が、前記筒状ゴム弾性体に対して外嵌されて、筒形状を呈するように非接着で組み付けられることにより、該筒状ゴム弾性を介して前記回転軸に外挿されるマス部材と、(c)該回転軸に外挿されたマス部材の外周面に巻き付けられて、該マス部材に締付固定される締付部材とを含み、前記締付部材のマス部材に対する締付固定により、該締付部材の締付力に基づいて、該マス部材が、前記筒状ゴム弾性体に圧接、固定されて、該筒状ゴム弾性体にて弾性支持せしめられるように構成したことを特徴とするダイナミックダンパにある。
すなわち、この本発明に従うダイナミックダンパにあっては、筒状ゴム弾性体を回転軸に予め取り付けておけば、回転軸が所定位置に装着された後においても、マス部材を構成する複数の分割筒体が、回転軸に取り付けられた筒状ゴム弾性体に対して、筒状を呈するように外嵌されて、マス部材が回転軸に外挿された状態で、かかるマス部材に締付部材が締付固定されることにより、マス部材が、筒状ゴム弾性体に固定されて、このゴム弾性体にて、回転軸に対して弾性支持せしめられ得るようになる。
しかも、かかるダイナミックダンパでは、所定位置に装着された回転軸に予め取り付けられるゴム弾性体にマス部材を固定する際に、ゴム弾性体を共通化した上で、単に、マス部材を質量の異なるものに種々変更するだけで、共振周波数が容易にチューニング可能となる。また、同一の質量のマス部材がゴム弾性体に取り付けられる場合にあっても、締付部材の締付力を増減すれば、それに応じて、かかる締付力に基づくマス部材の筒状ゴム弾性体への圧接量が変化せしめられて、筒状ゴム弾性体のばね定数が調整され得るようになり、これによっても、ダイナミックダンパの共振周波数が有利にチューニングされ得ることとなる。それ故、このような本発明に従うダイナミックダンパにおいては、互いに質量の異なるマス部材を必要以上に多く準備しなくとも、その中でのマス部材の選択と締付部材の締付力の調整とによって、共振周波数のチューニングが、より低コストに実施され得るのである。
また、そのように、本発明に係るダイナミックダンパにおいては、回転軸に取り付けられた筒状ゴム弾性体に固定されるマス部材を、質量が互いに異なるものに種々変更したり、マス部材に締付固定される締付部材の締付力を調整したりすることで、共振周波数が容易にチューニング可能となっているため、例えば、様々な車種の自動車のドライブシャフトに取り付けられる場合にあっても、筒状乃至はリング状の一体品からなり、ダイナミックダンパ付きドライブシャフトの形態で使用される従来のダイナミックダンパとは異なって、準備されるべきドライブシャフトの数が、自動車と同じ数だけで済むようになる。そして、それによって、各種の自動車に装着されるドライブシャフトへのダイナミックダンパの取付費用が、効果的に抑制され得るといった利点が得られる。
さらに、本発明に係るダイナミックダンパにおいては、非分割形態を呈する筒状ゴム弾性体の内孔内に回転軸が圧入された状態下において、マス部材に締付固定される締付部材の締付力が、剛性のマス部材を介して、筒状ゴム弾性体に作用せしめられるようになっている。そのため、筒状ゴム弾性体が、回転軸とマス部材との間で十分に弾性的に圧縮変形せしめられ、それによって、そのような筒状ゴム弾性体の復元力に基づいて、筒状ゴム弾性体の回転軸に対する耐抜け力が、十分に且つ安定的に確保され得る。
更にまた、本発明に従うダイナミックダンパでは、入力振動により弾性変形せしめられる筒状ゴム弾性体が、非分割形態を呈する筒形状を有している。それ故、例えば、かかる筒状ゴム弾性体が、一定の肉厚をもって軸方向に延びる円筒形状とされている場合には、周方向において均一なばね特性が有利に発揮され得るのであり、また、例えば、かかる筒状ゴム弾性体が、径方向の一方向の両側に位置する二つの部分が、軸方向の全長に亘って、他の部分に比して薄肉とされた円筒形状とされている場合には、かかる径方向一方向とそれとは直角な方向において、互いに異なるばね特性が発揮され得る。従って、かかるダイナミックダンパにおいては、単に、筒状ゴム弾性体の肉厚を種々変更するだけで、所望のばね特性が、容易に且つ安定的に確保され得ることとなる。
なお、この本発明に従うダイナミックダンパの好ましい態様の一つによれば、前記筒状ゴム弾性体の外周面に、周方向に連続して延びる突条が一体形成されて、前記締付部材が前記マス部材に締付固定された状態下で、該筒状ゴム弾性体の突条が、該締付部材の締付力に基づいて、該マス部材の内周面にて径方向内方に押圧されて、圧縮変形せしめられる一方、該マス部材の内周面のうちの該突条の押圧部分を除く内周面部分に対して、該筒状ゴム弾性体が非接触となるように構成される。
このような本態様においては、筒状ゴム弾性体のうちで、締付部材の締付力により、マス部材と回転軸との間で弾性的に圧縮変形せしめられる部分が、突条とそれの径方向内側に位置する一部の部分に限定される。そして、それにより、振動入力時において、実質的に、突条とそれの径方向内側に位置する部分からなる筒状ゴム弾性体の一部分のみが弾性変形せしめられるようになり、以て、そのような筒状ゴム弾性体の一部分のみの弾性変形に基づいて、振動低減作用が発揮され得るようになる。一方、かかる筒状ゴム弾性体は、突条の径方向内側に位置する部分の内周面部分に、突条の非形成部位の内周面部分とを加えた、内孔の内周面の全面において、回転軸の外周面に圧接状態で接触せしめられており、それによって、筒状ゴム弾性体の回転軸に対する耐抜け力が十分に確保され得る。
従って、かくの如き本態様によれば、筒状ゴム弾性体の回転軸に対する耐抜け力を損なうことなく、共振周波数を比較的に低周波数域においてチューニングすることが可能となる。
また、本発明に従うダイナミックダンパの別の望ましい態様の一つによれば、前記マス部材の内周面に、前記筒状ゴム弾性体の前記突条が嵌入せしめられる凹溝が、周方向に連続して延びるように形成されて、該凹溝内に嵌入せしめられた該突条が、該締付部材の締付力に基づいて、該凹溝の底面にて径方向内方に押圧されて、圧縮変形せしめられるように構成される。
かかる本態様によれば、筒状ゴム弾性体の突条の外周面とマス部材の凹溝の内周面とが軸方向において互いに係合せしめられることで、マス部材と筒状ゴム弾性体の軸方向の相対変位が阻止されるようになり、それによって、マス部材の筒状ゴム弾性体への外挿状態、更には回転軸とマス部材との間での筒状ゴム弾性体の弾性的な圧縮変形状態が安定的に維持され得る。そして、その結果として、筒状ゴム弾性体の回転軸に対する十分な耐抜け力を、より十分に確保しつつ、共振周波数を比較的に低い周波数域においてチューニングすることが可能となる。
しかも、本態様においては、例えば、凹溝の深さを種々変更すれば非接触とされたマス部材の内周面と回転軸の外周面との間の距離が一定とされていても、つまり、回転軸への取付状態でのダイナミックダンパの外径寸法を変えることなく、凹溝の深さに応じて、締付部材の締付力に基づく突条とそれの径方向内側に位置する部分からなる筒状ゴム弾性体部分の圧縮量が変化せしめられて、そのような筒状ゴム弾性体部分のばね定数が調整され得るようになる。そして、これによって、制限されたスペース内でのダイナミックダンパの外周面の回転軸からの距離を変化させることなく、ダイナミックダンパの共振周波数が、比較的に低い周波数域において、より有利にチューニングされ得ることとなる。
さらに、本発明に従うダイナミックダンパの有利な他の態様の一つによれば、前記マス部材の前記複数の分割筒体が外嵌される前記筒状ゴム弾性体部分の外周面と、該複数の分割筒体のそれぞれの内周面のうちの少なくとも何れか一方に、径方向に突出する凸部が一体形成される一方、それらのうちの少なくとも何れか他方に、該凸部が嵌入する凹部又は孔部が設けられて、該凸部が該凹部内又は該孔部内に嵌入し、該凸部の外周面と該凹部又は該孔部の内周面とが軸方向において互いに係合せしめられることにより、該分割筒体と該筒状ゴム弾性体の軸方向の相対変位が阻止されるように構成される。
この本態様によれば、マス部材の筒状ゴム弾性体への外挿状態、更には回転軸とマス部材との間での筒状ゴム弾性体の弾性的な圧縮変形状態が安定的に維持され、それによって、筒状ゴム弾性体の回転軸に対する耐抜け力が、より十分に確保され得る。
上述の説明から明らかなように、本発明に従うダイナミックダンパにあっては、所定の位置に装着された回転軸に対して、十分な耐抜け力をもって有利に取り付けられ得るだけでなく、かかる回転軸への取付状態下で、共振周波数が、より低コストにチューニングされ得ると共に、所望のばね特性が安定的に発揮され得る。そして、その結果として、回転軸、更にはそれが装着される各種の装置等に対する組付性乃至は取付性が飛躍的に高められ得ると共に、入力振動を適性に低減せしめ得る優れた防振乃至は制振性能が極めて有効に且つ低コストに確保され得ることとなるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に従う構造を有する幾つかの実施形態について、図面を参照しつつ、それぞれ詳細に説明することとする。
<第一実施形態>
先ず、図1には、本発明に従う構造を有するダイナミックダンパの第一実施形態としての自動車のドライブシャフト用ダイナミックダンパが、ドライブシャフトに取り付けられた状態での半截断面形態において、示されている。かかる図1から明らかなように、本実施形態のダイナミックダンパは、長手ロッド状のドライブシャフト10に外挿固定される本体ゴム弾性体12と、この本体ゴム弾性体12に外嵌されるマス部材14と、かかるマス部材14に締付固定される締付部材としての締付バンド16とを有して、構成されている。
より詳細には、ダイナミックダンパを構成する本体ゴム弾性体12は、ドライブシャフト10の外径よりも僅かに小さな内径と、一定の肉厚と、軸方向に延びる内孔18を備えた円筒状の全体形状を有している。つまり、ここでは、この本体ゴム弾性体12にて、筒状ゴム弾性体が構成されている。また、このような本体ゴム弾性体12の軸方向中央部の外周面には、径方向外方に低い高さで突出する矩形状の凸部20の複数(図1には一つのみを示す)が、互いに周方向に所定の距離を隔てて、一体形成されている。
そして、かかる本体ゴム弾性体12が、その内孔18内にドライブシャフト10が圧入されることにより、ドライブシャフト10に対して、外挿された状態で位置固定に取り付けられているのである。
一方、マス部材14は、軸方向に延びる分割面を備えた二つの分割円筒金具22a,22bにて、構成されている。それら二つの分割円筒金具22a,22bは、何れも、半円に満たない同一の横断面形状と同一の軸方向長さとを有して、それぞれの質量が、互いに等しい大きさとされている。更に、金属製で且つ厚い肉厚とされていることで、十分な剛性が具備せしめられている。
また、各分割円筒金具22a,22bの外周面の軸方向中央部には、径方向外方に開口する、浅底で広幅の矩形状の周溝24が、周方向に連続して延びるように形成されている。更に、各分割円筒金具22a,22bの内周面の軸方向中央部には、本体ゴム弾性体12の外周面に設けられた凸部20が嵌入可能な大きさと、かかる凸部20の突出高さよりも所定寸法深い深さとを有する矩形の凹部26が、周方向に所定距離を隔てて、複数(図1には一つのみを示す)設けられている。なお、ここでは、それら複数の凹部26同士の周方向での離間距離が、本体ゴム弾性体12の外周面に設けられた複数の凸部20同士の周方向での離間距離と一致せしめられている。
そして、このような二つの分割円筒金具22a,22bが、ドライブシャフト10に外挿、固定された本体ゴム弾性体12に対して、各分割円筒金具20a,20bの内周面の全面を本体ゴム弾性体12の外周面の全面に接触させつつ(重ね合わせつつ)、全体として筒形状を呈するように外嵌されている。また、かかる外嵌状態下で、本体ゴム弾性体12の複数の凸部20が、各分割円筒金具20a,20bの複数の凹部26内に、それぞれ一つずつ嵌入し、そして各凸部20の外周面が、各凹部26の内周面に対して、本体ゴム弾性体12の軸方向に係合せしめられ得るようになっており、以て、各分割円筒金具20a,20bが、本体ゴム弾性体12に対して軸方向に相対変位しないように位置せしめられている。
かくして、二つの分割円筒金具22a,22bからなるマス部材14が、本体ゴム弾性体12に対して、軸方向位置が位置決めされつつ、筒状形態をもって、非接着で組み付けられており、以て、本体ゴム弾性体12を介して、ドライブシャフト10に外挿、配置されている。そして、そのような状態において、二つの分割円筒金具22a,22bのそれぞれの周溝24が互いに組み合わされて、マス部材14の外周面の軸方向中央部において、それを一周して延びる如き形態とされている。
また、締付バンド16は、長手の金属平板が円形に湾曲されてなる形態を有し、且つ公知の構造により、内径の大きさが可変とされると共に、内径が種々異ならしめられた状態で、何れも、両端部同士が固定されるようになっている。即ち、図示されてはいないものの、例えば、円形に丸められて、両端部が互いに重ね合わされた状態で、それら両端部のそれぞれの重合せ面に設けられた係合部同士が互いに係合せしめられることにより、両端部同士が固定され得るようになっている。また、そのような係合部が、両端部のそれぞれの重合せ面において長手方向に並んで複数設けられて、係合されるべき係合部が適宜に選択されることによって、両端部同士が固定されたときの内径の大きさが可変となる構造とされている。
そして、このような締付バンド16が、ドライブシャフト10に外挿、固定された本体ゴム弾性体12に外嵌されて、非接着で組み付けられたマス部材14の外周面に、それを一周して延びるように形成された周溝24,24内に嵌め込まれた状態で、一周以上巻き付けられている。そしてまた、そのような巻付状態下で、例えば、締付バンド16の長手方向両端部のそれぞれの重合せ面において、それぞれ長手方向に並んで複数設けられ係合部のうちから、係合されるべき係合部が適宜に選択されて、それらの係合部同士が係合されることにより、締め付けられつつ、長手方向の両端部同士において固定されている。
これによって、締付バンド16が、マス部材14に対して、所定の締付力をもって締付固定されている。そして、この締付バンド16の締付力に基づいて、マス部材14(二つの分割円筒金具22a,22b)の内周面が、その全面において、ドライブシャフト10に外挿、固定された本体ゴム弾性体12の外周面に圧接され、以て、マス部材14が、本体ゴム弾性体12に固定されている。また、マス部材14を介して本体ゴム弾性体12に作用せしめられる締付バンド16の締付力により、本体ゴム弾性体12が、マス部材14の内周面と、内孔18に内挿される(本体ゴム弾性体12が外挿される)ドライブシャフト10の外周面との間で弾性的に圧縮変形せしめられている。なお、ここでは、例えば、締付バンド16の長手方向両端部の係合されるべき係合部が種々変更されて、長手方向の両端部同士が固定されたときの締付バンド16の内径が増減せしめられることによって、締付バンド16のマス部材14に対する締付力が、任意の大きさに、容易に変更され得るようになる。
かくして、円筒状の本体ゴム弾性体12と、二つの分割円筒金具22a,22bからなるマス部材14とを有する本実施形態のダイナミックダンパが、ドライブシャフト10に取り付けられている。そして、それによって、自動車に装着されたドライブシャフト10に振動(曲げ振動や捩り振動)が入力された際に、マス部材14が、本体ゴム弾性体12の弾性変形を伴って振動変位せしめられ、その結果、かかるダイナミックダンパにおいて、ドライブシャフト10への入力振動に対する防振乃至は制振効果が発揮され得るようになっているのである。
このように、本実施形態のダイナミックダンパにあっては、ドライブシャフト10に外挿、固定された本体ゴム弾性体12に対して二つの分割円筒金具22a,22bが外嵌されることで、マス部材14が本体ゴム弾性体12に更に外挿された状態下で、かかるマス部材14に締付バンド16が締付固定されることにより、ドライブシャフト10に取り付けられるようになっている。
それ故、かかるダイナミックダンパでは、例えば、ドライブシャフト10に本体ゴム弾性体12を外挿、固定して、かかるドライブシャフト10を自動車に装着した後においても、マス部材14が、本体ゴム弾性体12に外挿せしめられた状態で、締付バンド16によって固定され得る。従って、自動車に装着されたドライブシャフト10への取付けが不可能とされた従来品とは異なって、ドライブシャフト10への取付性が有利に高められている。
また、本実施形態のダイナミックダンパにおいては、ドライブシャフト10に直接に外挿、固定される本体ゴム弾性体12を共通化した上で、かかる本体ゴム弾性体12に外挿、固定されるマス部材14(二つの分割円筒金具22a,22b)を、質量が種々異なるものに変更するだけで、共振周波数が容易にチューニング可能となる。しかも、このマス部材14の変更による共振周波数のチューニングは、ドライブシャフト10が自動車に装着された後においても、簡単に且つ確実に行われ得る。
さらに、かかるダイナミックダンパでは、締付バンド16のマス部材14に対する締付力が可変とされているため、この締付力を増減すれば、それに応じて、かかる締付力に基づくマス部材14の本体ゴム弾性体12への圧接量が変化せしめられて、本体ゴム弾性体12のばね定数が容易に調整され得るようになり、これによっても、ドライブシャフト10が自動車に装着された後において、しかもマス部材14を質量の異なるものに変更することなしに、共振周波数が有利にチューニングされ得る。なお、ここでは、共振周波数が比較的に高い周波数域において容易にチューニング可能となる。
従って、このような本実施形態のダイナミックダンパにおいては、互いに質量の異なるマス部材14を必要以上に多く準備しなくとも、質量の異なるマス部材14の選択による共振周波数のチューニングに加えて、締付バンド16の締付力の調整による共振周波数のチューニングを実施すれば、より幅広い共振周波数のチューニングが、十分に低いコストで有利に実施され得るのである。
また、本実施形態のダイナミックダンパでは、ドライブシャフト10が自動車に装着された後において、共振周波数のチューニングが可能となっているため、自動車に装着されたドライブシャフト10への取付けが不可能とされてた従来品を使用する場合とは異なって、様々な車種の自動車にダイナミックダンパが取り付けられたドライブシャフト10を装着する際にあっても、準備されるべきドライブシャフト10の数が、それが取り付けられる自動車と同じ数だけで済むようになる。そして、それによって、様々な車種の自動車へのドライブシャフト10の取付費用が、効果的に低く抑えられ得るといった利点が得られる。
さらに、かかるダイナミックダンパにおいては、締付バンド16の締付力により、本体ゴム弾性体12の全体が、マス部材14の内周面とドライブシャフト10の外周面との間で弾性的に圧縮変形せしめられており、これによって、本体ゴム弾性体12のドライブシャフト10からの耐向け力が、本体ゴム弾性体12の復元力に基づいて、有利に高められ得ている。
更にまた、本実施形態のダイナミックダンパでは、本体ゴム弾性体12が、一定の肉厚をもって軸方向に延びる円筒形状を有しているため、そのような本体ゴム弾性体12において、周方向に均一なばね特性が有利に発揮され得る。これによって、周方向において均一な防振乃至は制振性能が、効果的に確保され得るのである。
従って、かくの如き本実施形態に係るダイナミックダンパにあっては、ドライブシャフト10、更にはそれが装着される自動車に対する組付性乃至は取付性が飛躍的に高められ得ると共に、入力振動を適性に吸収乃至は低減せしめ得る優れた防振性能が極めて有効に且つ低コストに確保され得ることとなるのである。
また、かかるダイナミックダンパでは、本体ゴム弾性体12の複数の凸部20が、マス部材14を構成する二つの分割円筒金具20a,20bの複数の凹部26内に、それぞれ嵌入せしめられて、それら各分割円筒金具20a,20bが、本体ゴム弾性体12に対して軸方向に相対変位しないように位置せしめられている。これによって、マス部材14の本体ゴム弾性体12に対する外挿状態、更にはドライブシャフト10とマス部材14との間での本体ゴム弾性体12の弾性的な圧縮変形状態が安定的に維持され、以て、本体ゴム弾性体12のドライブシャフト10に対する十分な耐抜け力が、より十分に確保され得ることとなる。
<第二実施形態>
次に、図2には、本発明に従う構造を有するダイナミックダンパの第一実施形態とは別の第二実施形態としての自動車のドライブシャフト用ダイナミックダンパが、ドライブシャフトに取り付けられた状態での半截断面形態において示されている。なお、この図2に示される第二実施形態、更には後述する図3や図4に示される第三実施形態に関しては、第一実施形態と同様な構造とされた部材及び部位について、図2乃至図4に、図1と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は省略した。
かかる図2から明らかなように、本実施形態のダイナミックダンパにあっては、前記第一実施形態のダイナミックダンパと同様に、本体ゴム弾性体12とマス部材14と締付バンド16とを有して、構成されている。そして、マス部材14と締付バンド16とが、第一実施形態のダイナミックダンパが有するものと同一の構造とされているものの、本体ゴム弾性体12が、前記第一実施形態のダイナミックダンパが有する本体ゴム弾性体12とは異なる構造とされている。
すなわち、本実施形態においては、全体形状が円筒形状とされた本体ゴム弾性体12の軸方向中央部の外周面に、径方向外方に所定高さで突出する突条28が、周方向に連続して延びるように一体形成されている。この突条28は、横断面矩形形状を呈し、その幅(軸方向長さ)が、本体ゴム弾性体12の幅(軸方向長さ)の略1/3程度の大きさとされている。
これによって、本体ゴム弾性体12の軸方向中央部が、突条28の存在により径方向外方に膨出せしめられた厚肉の本体部30とされている一方、軸方向両側の端部側部分が、それぞれ、本体部30と略同一の幅と本体部30よりも薄い肉厚を有する支持部32,32とされている。
また、それら二つの支持部32,32のそれぞれにおける本体部30側の端部、換言すれば、本体部30の両サイドにそれぞれ位置する支持部32部分には、すぐり部34が、比較的に浅い深さで周方向に連続して延びる凹溝形態をもって、形成されて、それら本体部30の両サイドに位置する支持部32部分が、その他の支持部32部分よりも更に薄肉化されている。これによって、本体部30が、外力により径方向に弾性圧縮せしめられたときに、それに伴って、二つの支持部32も弾性変形せしめられることが可及的に回避され得るようになっている。
そして、このような本体ゴム弾性体12の内孔18内にドライブシャフト10が圧入されることにより、かかる本体ゴム弾性体12の本体部30と二つの支持部32,32のそれぞれの内周面の全面がドライブシャフト10の外周面に圧接され、以て、本体ゴム弾性体12が、ドライブシャフト10に対して、外挿された状態で位置固定に取り付けられている。
而して、ここでは、特に、マス部材14を構成する二つの分割円筒金具22a,22bが、その軸方向中央の内周面部分を、ドライブシャフト10に外挿、固定された本体ゴム弾性体12のうち、本体部30の外周面のみに接触させつつ、全体として筒形状を呈するように外嵌されている。また、かかる外嵌状態下で、各分割円筒金具22a,22bの内周面と本体ゴム弾性体12の二つの支持部32の外周面との間に、隙間35がそれぞれ形成されて、それら内外周面が互いに非接触とされており、更に、本体ゴム弾性体12の本体部30に設けられた複数の凸部20が、各分割円筒金具20a,20bの複数の凹部26内に、それぞれ一つずつ嵌入せしめられている。
そうして、二つの分割円筒金具22a,22bからなるマス部材14が、本体ゴム弾性体12に対して、軸方向位置が位置決めされつつ、筒状形態をもって、非接着で組み付けられており、以て、本体ゴム弾性体12を介して、ドライブシャフト10に外挿、配置されている。また、そのような状態下で、締付バンド16が、各分割円筒金具22a,22bの周溝24,24内に嵌め込まれた状態で、マス部材14の外周面に一周以上巻き付けられて、マス部材14に締付固定されている。
かくして、本実施形態のダイナミックダンパにおいては、締付バンド16の締付力に基づいて、マス部材14(二つの分割円筒金具22a,22b)の軸方向中央部の内周面部分が、本体ゴム弾性体12の本体部30の外周面に圧接されて、マス部材14が、本体ゴム弾性体12に固定されている。また、そのような状態下において、実質的に、本体ゴム弾性体12の本体部30のみが、締付バンド16の締付力により、マス部材14(二つの分割円筒金具22a,22b)の軸方向中央部の内周面部分にて径方向内方に押圧されて、マス部材14の内周面(本体部30の外周面との接触部分)と、ドライブシャフト10の外周面(本体部30の内周面との接触部分)との間で弾性的に圧縮変形せしめられている。
従って、かくの如き本実施形態に係るダイナミックダンパにあっても、前記第一の実施形態と同様に、例えば、本体ゴム弾性体12が外挿、固定されたドライブシャフト10を自動車に装着した後においても、マス部材14が、締付バンド16によって、本体ゴム弾性体12に固定され得るのであり、以て、ドライブシャフト10に対する優れた取付性が効果的に発揮され得る。
しかも、ドライブシャフト10に予め外挿、固定された本体ゴム弾性体12に固定されるマス部材14(二つの分割円筒金具22a,22b)を、質量が種々異なるものに変更したり、或いは締付バンド16のマス部材14に対する締付力を増減したりすれば、ドライブシャフト10が自動車に装着された状態下で共振周波数が容易にチューニングされ得ることとなる。それ故、前記第一の実施形態と同様な作用・効果が有効に享受され得る。
そして、特に、本実施形態のダイナミックダンパにあっては、実質的に、本体ゴム弾性体12の本体部30のみが、締付バンド16の締付力によって、マス部材14とドライブシャフト10との間で圧縮変形せしめられるようになっている。このため、振動入力時において、実質的に、本体ゴム弾性体12よりも体積の小さな本体部30のみが弾性変形せしめられて、そのような本外部30のみの弾性変形に基づいて、振動低減効果が得られるようになる。
従って、かくの如き本実施形態においては、例えば、本体ゴム弾性体12の全体が、締付バンド16の締付力によって、マス部材14とドライブシャフト10との間で圧縮変形せしめられた状態で位置せしめられて、振動入力時において、そのような本体ゴム弾性体12の全体の弾性変形に基づいて振動低減効果が得られるようにしたもの(前記第一実施形態に示される如き構造を有するダイナミックダンパ)に比して、締付バンド16の締付力の調整により、共振周波数を低周波数域においてチューニングすることが可能となる。
しかも、かかるダイナミックダンパでは、本体ゴム弾性体12の本体部30と二つの支持部32,32のそれぞれの内周面の全面がドライブシャフト10の外周面に圧接されて、本体ゴム弾性体12が、ドライブシャフト10に外挿された状態で位置固定に取り付けられている。そのため、締付バンド16の締付力によって、本体ゴム弾性体12の本体部30のみが、マス部材14とドライブシャフト10との間で圧縮変形せしめられているにも拘わらず、本体ゴム弾性体12のドライブシャフト10に対する耐抜け力が、可及的に十分に確保され得るのである。
<第三実施形態>
次に、図3には、本発明に従う構造を有するダイナミックダンパの第一及び第二実施形態とは更に別の第三実施形態としての自動車のドライブシャフト用ダイナミックダンパが、ドライブシャフトに取り付けられた状態での半截断面形態において示されている。
かかる図3から明らかなように、本実施形態のダイナミックダンパにあっては、前記第一及び第二実施形態のダイナミックダンパと同様に、本体ゴム弾性体12とマス部材14と締付バンド16とを有して、構成されている。そして、本体ゴム弾性体12と締付バンド16とが、第二実施形態のダイナミックダンパが有するものと略同一の構造とされているものの、マス部材14が、前記第二実施形態のダイナミックダンパが有するものとは異なる構造とされている。
すなわち、本実施形態においては、マス部材14を構成する各分割円筒金具22a,22bの内周面における軸方向中央部に、周方向に連続して延びる凹溝36が、それぞれ形成されている。この凹溝36は、矩形状の横断面形状を有し、本体ゴム弾性体12の軸方向中央部に設けられた本体部30の外周側を与える突条28の先端側部分が嵌入可能な幅(軸方向長さ)と深さ:Dとを有している。
そして、ここでは、特に、そのような二つの分割円筒金具22a,22bが、各凹溝36内に、ドライブシャフト10に外挿、固定された本体ゴム弾性体12の突条28(本体部30)の先端部を嵌入させて、凹溝36の内周面と突条28の外周面とを軸方向において係合させつつ、全体として筒形状を呈するように外嵌されている。また、かかる外嵌状態下で、マス部材14の内周面と本体ゴム弾性体12の外周面とが、各分割円筒金具22a,22bの各凹溝36の底面と本体ゴム弾性体12の突条28の先端面のみにおいて互いに接触せしめられ、各分割円筒金具22a,22bの内周面と本体ゴム弾性体12の二つの支持部32の外周面との間に隙間35がそれぞれ形成されて、それら二つの支持部32外周面とマス部材14の内周面とが互いに非接触とされている。
そうして、二つの分割円筒金具22a,22bからなるマス部材14が、本体ゴム弾性体12に対して、軸方向位置が位置決めされつつ、筒状形態をもって、非接着で組み付けられており、以て、本体ゴム弾性体12を介して、ドライブシャフト10に外挿、配置されている。また、そのような状態下で、締付バンド16が、各分割円筒金具22a,22bの周溝24,24内に嵌め込まれた状態で、マス部材14の外周面に一周以上巻き付けられて、マス部材14に締付固定されている。
かくして、本実施形態のダイナミックダンパにおいては、締付バンド16の締付力に基づいて、マス部材14(二つの分割円筒金具22a,22b)の凹溝36の底面が、本体ゴム弾性体12の本体部30(突条28)の先端面に圧接されて、マス部材14が、本体ゴム弾性体12に固定されている。また、そのような状態下において、実質的に、本体ゴム弾性体12の本体部30のみが、締付バンド16の締付力により、マス部材14の凹溝36の底面にて径方向内方に押圧されて、マス部材14とドライブシャフト10との間で弾性的に圧縮変形せしめられている。
従って、かくの如き本実施形態に係るダイナミックダンパにあっても、前記第一及び第二の実施形態と同様に、例えば、本体ゴム弾性体12が外挿、固定されたドライブシャフト10を自動車に装着した後においても、マス部材14が、締付バンド16によって、本体ゴム弾性体12に固定され得るのであり、以て、ドライブシャフト10に対する優れた取付性が効果的に発揮され得る。
しかも、ドライブシャフト10に予め外挿、固定された本体ゴム弾性体12に固定されるマス部材14(二つの分割円筒金具22a,22b)を、質量が種々異なるものに変更したり、或いは締付バンド16のマス部材14に対する締付力を増減したりすれば、ドライブシャフト10が自動車に装着された状態下で共振周波数が容易にチューニングされ得ることとなる。それ故、前記第一の実施形態と同様な作用・効果が有効に享受され得る。
また、本実施形態のダイナミックダンパにあっても、実質的に、本体ゴム弾性体12の本体部30のみが、締付バンド16の締付力によって、マス部材14とドライブシャフト10との間で圧縮変形せしめられるようになっていると共に、本体ゴム弾性体12の内孔18の内周面の全面において、ドライブシャフト10の外周面に圧接された状態で、ドライブシャフト10に外挿、固定されているところから、第二実施形態と同様に、本体ゴム弾性体12のドライブシャフト10に対する耐抜け力を十分に確保しつつ、締付バンド16の締付力の調整により、共振周波数を低周波数域においてチューニングすることが可能となる。
そして、本実施形態においては、特に、本体ゴム弾性体12の本体部30の先端部分が各凹溝36内に嵌入されると共に、かかる嵌入状態下で、本体部30の先端部分の外周面が、各凹溝36の内周面に対して軸方向において係合せしめられているため、マス部材14と本体ゴム弾性体12の軸方向の相対変位が阻止されて、マス部材14の筒状ゴム弾性体12への外挿状態、更にはドライブシャフト10とマス部材14との間での本体ゴム弾性体12の本体部30の弾性的な圧縮変形状態が安定的に維持され得る。そして、その結果として、筒状ゴム弾性体12のドライブシャフト10に対する耐抜け力が、更に一層十分に確保され得ることとなる。
加えて、本実施形態のダイナミックダンパにあっては、例えば、図3及び図4に示されるように、凹溝36の深さ:Dが浅くされた各分割円筒金具22a,22bを用い、これらを上述のようにして、本体ゴム弾性体12に対して筒状を呈するように外嵌して、マス部材14を本体ゴム弾性体12に外挿させた状態で、締付バンド16にて固定した場合、マス部材14と本体ゴム弾性体12の各支持部32との間の距離:Lを一定とすると、本体ゴム弾性体12の本体部30のマス部材14とドライブシャフト10との間での圧縮量を増大せしめることが出来る。
そして、それによって、ドライブシャフト10の取付状態下でのダイナミックダンパの外径:Mを変えることなく、つまり、締付バンド16の締付位置を変えることなく、凹溝36の深さに応じて、締付バンド16の締付力に基づく本体ゴム弾性体12の本体部30の圧縮量が変化せしめられて、かかる本体部30のばね定数が調整が可能となる。その結果、制限されたスペース内でのダイナミックダンパの外周面のドライブシャフト10からの距離を変化させることなく、ダイナミックダンパの共振周波数が、比較的に低い周波数域において、より有利にチューニングされ得ることとなる。
なお、ここでは、凹溝36の深さを小さくしたときに、各分割円筒金具22a,22bの幅が小さくされて、マス部材14全体の質量が、凹溝36の深さを小さくする前と同一とされているが、マス部材14全体の質量を変更したり、或いは変更することなく、凹溝36の深さを変えるようにすれば、ダイナミックダンパの共振周波数が、より緻密にチューニングされ得ることとなる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、それらは、あくまでも例示であって、本発明は、そのような実施形態における具体的な記述によって何等限定的に解釈されるものでない。
例えば、前記幾つかの実施形態では、締付部材が、金属製の締付バンド16にて構成され、それが、マス部材14に巻き付けられた形態において、内径が種々変更されて、両端部同士において固定されることにより、マス部材14への固定状態でのマス部材14に対する締付力が適宜に変更可能とされていたが、この締付部材の材質やマス部材14への固定構造は、例示のものに、何等限定されるものではない。
また、筒状ゴム弾性体の全体形状も、回転軸が圧入可能な筒形状を有するものであれば、円筒形状以外のものであっても、何等差し支えない。
さらに、マス部材14は、軸方向に延びる分割面を有する三つ以上の分割筒体にて構成されていても良く、また、その材質も、剛性を有するものであれば、必ずしも金属材料からなるものである必要はない。
更にまた、前記第一及び第二の実施形態では、筒状ゴム弾性体たる本体ゴム弾性体12の外周面に凸部20が設けられる一方、マス部材14を構成する分割筒体としての各分割円筒金具22a,22bの内周面に凹部26が設けられて、かかる凸部20が凹部26内に嵌入され、それらが軸方向において係合せしめられることにより、各分割円筒金具22a,22bと本体ゴム弾性体12の軸方向への相対変位が阻止されるようになっていたが、それら凸部20と凹部26は、本発明において何等必須のものではなく、場合によっては省略され得るものである。なお、そのような凸部20や凹部26を設ける場合にあっても、それらのうちの少なくとも何れか一方が、分割筒体の内周面に設けられる一方、それらのうちの少なくとも何れか他方が、筒状ゴム弾性体の外周面に設けられておれば良い。また、凹部26に代えて、凸部20が嵌入可能な孔部を採用することも出来る。
また、本体ゴム弾性体12の外周面に突条28を設けると共に、各分割円筒金具22a,22bの内周面に凹溝36を設ける場合にも、それら突条28と凹溝36の形状や大きさ、形成位置が、例示のものに何等限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車のドライブシャフト用ダイナミックダンパに適用したものの具体例を示したが、本発明は、自動車のドライブシャフト以外の各種の回転軸に取り付けられるダイナミックダンパの何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う構造を有するダイナミックダンパの一実施形態を示す半截断面説明図である。 本発明に従う構造を有するダイナミックダンパの別の実施形態を示す図1に対応する図である。 本発明に従う構造を有するダイナミックダンパの更に別の実施形態を示す図1に対応する図である。 本発明に従う構造を有するダイナミックダンパの他の実施形態を示す図1に対応する図である。
符号の説明
10 ドライブシャフト 12 本体ゴム弾性体
14 マス部材 16 締付バンド
18 内孔 20 凸部
22 分割円筒金具 28 突条
30 本体部 36 凹溝

Claims (4)

  1. 軸方向に延びる内孔を有し、該内孔内に所定の回転軸が圧入されることにより、該回転軸に外挿された状態で取り付けられる筒状ゴム弾性体と、
    軸方向に延びる分割面を有する複数の分割筒体からなり、それら複数の分割筒体が、前記筒状ゴム弾性体に対して外嵌されて、筒形状を呈するように非接着で組み付けられることにより、該筒状ゴム弾性を介して前記回転軸に外挿される剛性のマス部材と、
    該回転軸に外挿されたマス部材の外周面に巻き付けられて、該マス部材に締付固定される締付部材と、
    を含み、前記締付部材のマス部材に対する締付固定により、該締付部材の締付力に基づいて、該マス部材が、前記筒状ゴム弾性体に圧接、固定されて、該筒状ゴム弾性体にて弾性支持せしめられるように構成したことを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記筒状ゴム弾性体の外周面に、周方向に連続して延びる突条が一体形成されて、前記締付部材が前記マス部材に締付固定された状態下で、該筒状ゴム弾性体の突条が、該締付部材の締付力に基づいて、該マス部材の内周面にて径方向内方に押圧されて、圧縮変形せしめられる一方、該マス部材の内周面のうちの該突条の押圧部分を除く内周面部分に対して、該筒状ゴム弾性体が非接触となるように構成されている請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記マス部材の内周面に、前記筒状ゴム弾性体の前記突条が嵌入せしめられる凹溝が、周方向に連続して延びるように形成されて、該凹溝内に嵌入せしめられた該突条が、該締付部材の締付力に基づいて、該凹溝の底面にて径方向内方に押圧されて、圧縮変形せしめられるようになっている請求項2に記載のダイナミックダンパ。
  4. 前記マス部材の前記複数の分割筒体が外嵌される前記筒状ゴム弾性体部分の外周面と、該複数の分割筒体のそれぞれの内周面のうちの少なくとも何れか一方に、径方向に突出する凸部が一体形成される一方、それらのうちの少なくとも何れか他方に、該凸部が嵌入する凹部又は孔部が設けられて、該凸部が該凹部内又は該孔部内に嵌入し、該凸部の外周面と該凹部又は該孔部の内周面とが軸方向において互いに係合せしめられることにより、該分割筒体と該筒状ゴム弾性体の軸方向の相対変位が阻止されるようになっている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載のダイナミックダンパ。
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