JP2006266383A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】 3種類の異なった周波数の振動を単独で減衰させることが可能なダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】 ダイナミックダンパ10は、取付金具11と、その径方向外方に離間して同軸状に配置された質量金具14と、取付金具11と質量金具14間を周方向の中心角θで120°以下の領域において連結するゴム弾性体連結部17とを備えている。取付金具11と質量金具14間の上記領域の周方向長さを二等分する位置と軸心を結ぶ径線方向すなわち当該領域の中心角θを二等分する二等分線方向(図示P方向)が基準となる第1の共振周波数に調整されている。P方向に直交する径方向(図示Q方向)が第1の共振周波数の略1/2倍である第2の共振周波数に調整されており、上記領域の周方向長さを二等分する位置を中心とする質量金具14の径方向への首振り方向(図示R方向)が第1の共振周波数の略2倍である第3の共振周波数に調整されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、取付金具と質量金具間がゴム弾性体連結部によって弾性的に連結されてなり、複数の周波数の振動を減衰させるダイナミックダンパに関する。
従来、この種のダイナミックダンパとしては、例えば、筒状の取付金具とその径方向外方に配設された筒状の質量金具間が、軸心を中心とした径方向両側で一対のゴム弾性体連結部により連結されており、その共振周波数が、ゴム弾性体連結部による両金具の連結方向で20〜30Hzの高周波数に、これに直交する方向で10〜15Hzの低周波数に調整されていた。このダイナミックダンパは、取付金具が車両のステアリング装置の中間シャフト等に圧入によって固定されて、車両から伝播する20〜30Hzの高周波数のシェイク振動をゴム弾性体の両金具の連結方向で減衰させ、10〜15Hzのアイドル振動をゴム弾性体の連結方向と直交する方向で減衰させていた。ところで、中間シャフトには、これら二つの周波数の振動の他に、40〜50Hzのさらに高い第3の周波数であるこもり音が生じているが、上記ダイナミックダンパのように取付金具と質量金具間が軸心を中心とした径方向両側で一対のゴム弾性体連結部によりそれぞれ連結されている構造では、このようなこもり音を減衰させることが困難であった。
また、他のダイナミックダンパとしては、例えば特許文献1に示すように、円筒状のブラケットの内側に周方向に等ピッチで3つのゴム弾性体を設け、各弾性体に固定したホルダプレートに円柱状の質量部材をスライド可能に支持させたものが知られている。しかし、このダイナミックダンパも、ゴム弾性体の径方向の剪断方向での固有振動数と、軸方向の剪断方向での固有振動数の二方向の振動を減衰させるものであり、三方向の異なる振動周波数の振動を減衰させるものではない。そのため、このような周波数の異なる3種類の振動を減衰させるために、従来は、それぞれ2種類の共振周波数に調整された二つのダイナミックダンパを用いる必要があり、そのため部品コストが高くなると共に、取付スペースが大きくなるという問題があった。
特開平5−10385号公報
本発明はこのような問題を解決しようとするもので、3種類の異なった周波数の振動を単独で減衰させることが可能なダイナミックダンパを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、筒状の取付金具と、取付金具の径方向外方又は径方向内方に離間して配置された質量金具と、取付金具と質量金具間にて周方向の120°以下の領域のみに少なくとも1つ設けられて取付金具と質量金具間を弾性的に連結するゴム弾性体連結部とを備え、取付金具によって制振対象部材に取り付けられることにある。なお、ゴム弾性体連結部が設けられる周方向の領域が、120°以下の範囲であればよいが、好ましくは100°以下である。周方向の領域が、120°より大きくなると、ダイナミックダンパによる3種類の周波数の振動を減衰させるという効果が適正に得られなくなる。
上記のように構成した本発明においては、取付金具と質量金具間を弾性的に連結するゴム弾性体連結部が取付金具と質量金具間にて周方向の120°以下の領域のみに少なくとも1つ設けられている。そのため、ダイナミックダンパに、当該領域の周方向長さを二等分する位置と軸心を結ぶ径線方向すなわち当該領域の角度を二等分する二等分線方向の共振モードと、これに直交する径方向の共振モードに加えて、上記領域の周方向長さを二等分する位置を中心とする質量金具の径方向への首振り方向の共振モードが生じる。そして、ダイナミックダンパは、上記領域の周方向長さを二等分する位置と軸心を結ぶ径線方向すなわち当該領域の角度を二等分する二等分線方向の第1の共振周波数と、これに直交する径方向の第2の共振周波数と、上記領域の周方向長さを二等分する位置を中心とする質量金具の径方向への首振り方向の第3の共振周波数に調整されている。そのため、ダイナミックダンパが、例えば車両のステアリング装置に取り付けられることにより、それぞれステアリングギアシャフトから伝達される上記第1から第3の共振周波数に相当する、20〜30Hzの高周波数のシェイク振動、10〜15Hzの低周波数のアイドル振動、及びさらに高い周波数である40〜50Hzのこもり音を減衰させることができる。その結果、本発明においては、従来と同様の簡易な構成の単一のダイナミックダンパによって、3種類の異なる共振周波数の振動を減衰させることができる。
また、本発明において、質量金具が筒状であって、取付金具の径方向外方に配置されることが好ましい。このように、質量金具が、取付金具の外方に配置されたことにより、質量金具の大きさの調節を自由に行うことができる。そのため、共振周波数の調整を行うことができ、また振動入力の大小に応じたダイナミックダンパの減衰性能に調節することができる。また、質量金具の内径を大きくすることにより、ゴム弾性体連結部の長さを長く調節することができ、それにより、ばね定数を低くすることができる。
また、本発明において、ゴム弾性体連結部が、互いに周方向に離間した一対のゴム連結部で構成されてもよい。これにより、ゴム弾性体連結部の互いに離間した一対のゴム連結部の角度を調節することができ、それにより、上記第1の共振周波数と第2の共振周波数との比を変更することができる。一対のゴム連結部の角度を小さくすることにより、第1の共振周波数の第2の共振周波数に対する比を大きくすることができ、角度を大きくすることにより、第1の共振周波数の第2の共振周波数に対する比を小さくすることができる。また、一対のゴム連結部の角度を変えずに厚さを薄くすることにより、第1〜第3の共振周波数を低くすることができる。
また、本発明において、ゴム弾性体連結部が、一つのゴム連結部で構成されてもよい。このように、ゴム弾性体連結部が、一つのゴム連結部で構成されたことにより、ゴム連結部が複数の場合に比べて金具からの拘束が少なくなり、そのため、ゴム弾性体連結部が複数の場合に比べて、共振周波数を高周波数に調整することが容易になる。
本発明によれば、ダイナミックダンパは、取付金具と質量金具間にて周方向の120°以下の領域の周方向長さを二等分する位置と軸心を結ぶ径線方向すなわち当該領域の角度を二等分する二等分線方向の第1の共振周波数と、これに直交する径方向の第2の共振周波数と、上記領域の周方向長さを二等分する位置を中心とする質量金具の径方向への首振り方向の第3の共振周波数に調整されており、単一のダイナミックダンパによって3種類の異なった周波数の振動を減衰させることができる。その結果、本発明においては、従来と同様の簡易な構成の1個のダイナミックダンパでよいため、ダイナミックダンパのコストを大幅に削減できると共に、ダイナミックダンパの取付スペースを低減することができる。
また、本発明においては、質量金具を取付金具の外方に配置させることにより、質量金具の大きさの調節が自由に行うことができ、共振周波数の調整を行うことができ、振動入力の大小に応じたダイナミックダンパの減衰性能に調節することができ、さらに、質量金具の内径を大きくしてゴム弾性体連結部の長さを長くすることにより、そのばね定数を低くすることができる。また、本発明において、ゴム弾性体連結部を互いに離間した一対のゴム連結部で構成することにより、両ゴム弾性体の角度を調節することができ、第1の共振周波数と第2の共振周波数との比を変更することができる。また、ゴム弾性体連結部を1つのゴム連結部にすることにより、共振周波数を高周波数に調整することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1、図2は、実施例1である車両のステアリング装置の中間シャフトに取り付けられるダイナミックダンパをI−I線断面図及び側面図により示したものであり、また、図3は、ダイナミックダンパのシャフトへの取り付け状態を説明図により示したものである。ダイナミックダンパ10は、筒状の取付金具11と、取付金具11の径方向外方に離間して同軸状に配置された質量金具14と、取付金具11と質量金具14間を周方向の中心角θで略100°の領域において連結するゴム弾性体連結部17とを備えている。
取付金具11は、円筒形の薄肉のストレートなパイプであり、その表面全体が薄肉の均一な厚さのゴム弾性体製の被覆部12により被覆されている。また、被覆部12には、内周側の周方向に等間隔な複数箇所にて、複数の突起部13が軸方向の両端側を除いた中間部分にて軸心方向にわずかに突出して設けられている。質量金具14は、厚肉の円筒形状でストレートな軸方向長さが取付金具11の略1.5倍程度であるパイプであり、その表面が薄肉の均一な厚さのゴム弾性体製の被覆部15により被覆されている。
なお、質量金具14の軸方向両端にて、被覆部15の径方向に対向する各2ヶ所設けた切欠き部15aは、質量金具14を加硫成形の金型にセットする際の金型の支持箇所に相当するものである。実施例1では、一方の一対の切欠き部15aがゴム弾性体連結部17の位置と対応しており、ダイナミックダンパ10を中間シャフト1へ組み付ける際の位置合せに用いられる。取付金具11は、質量金具14内の軸方向中間位置に配置されて、軸方向中間位置を中心として、軸方向に対称となっている。取付金具11の被覆部12外周面と質量金具14の被覆部15内周面との間の径方向の隙間は、被覆部12を含めた取付金具11の径方向厚さと同程度である。
ゴム弾性体連結部17は、取付金具11と質量金具14間において、取付金具11の軸方向中間を挟んで軸方向全長の略2/3の範囲でかつ周方向の中心角θで略100°の領域に配設されて両金具11,14間を弾性的に連結している。ゴム弾性体連結部17は、この中心角θで略100°の領域を周方向に略3等分して中間の空間部19を挟んだ周方向両側に設けられた同一周方向長さの一対のゴム連結部18により構成されており、一対のゴム連結部18は空間部19を挟んで周方向に対称に配置されている。ゴム弾性体連結部17は、ゴム被覆部12,15と共に、取付金具11及び質量金具14を成形金型にセットして、ゴム加硫成形を行うことにより一体で形成され、ダイナミックダンパ10が得られる。
ダイナミックダンパ10は、図2に示すように、取付金具11と質量金具14間にて上記中心角θで略100°の領域の周方向長さを二等分する位置(空間部19の周方向長さを二等分する位置に対応する)と軸心を結ぶ径線方向すなわち当該領域の中心角θを二等分する二等分線方向(図示P方向)が基準となる第1の共振周波数に調整されている。また、P方向に直交する径方向(図示Q方向)が第1の共振周波数の略1/2倍の周波数である第2の共振周波数に調整されており、上記領域の周方向長さを二等分する位置(空間部19の周方向長さを二等分する位置に対応する)を中心とする質量金具14の径方向への首振り方向(図示R方向)が第1の共振周波数の略2倍の周波数である第3の共振周波数に調整されている。本実施例1においては、第1、第2及び第3の共振周波数が、それぞれステアリングギアシャフトから伝達される、20〜30Hzの高周波数のシェイク振動、10〜15Hzの低周波数のアイドル振動、及び40〜50Hzのこもり音に対応している。
ダイナミックダンパ10は、図3に示すように、制振対象部材であるステアリング装置の中間シャフト1外周に取付金具11を圧入により挿嵌して取り付けられる。中間シャフト1は、下側の自在継手2を介してステアリングギアシャフト3に接続され、上側の自在継手4を介してステアリングシャフト5に接続されている。ダイナミックダンパ10は、ステアリングギアシャフト3から伝播する振動を減衰させて、ステアリングシャフト5への振動の伝達を抑えるようになっている。
上記構成の実施例1においては、ダイナミックダンパ10は、上記P方向、Q方向及びR方向の3方向の共振周波数が、ステアリングギアシャフト3から伝達される20〜30Hzの高周波数のシェイク振動、10〜15Hzの低周波数のアイドル振動、及び40〜50Hzのこもり音にそれぞれ対応して調整されている。そのため、単一のダイナミックダンパ10によってこれら3種類の異なった周波数の振動を減衰させることができる。その結果、本実施例1においては、従来と同様の簡易な構成の1個のダイナミックダンパ10を用いればよいため、ダイナミックダンパ10に要するコストを大幅に削減できると共に、ダイナミックダンパ10の取付スペースを低減することができる。
また、実施例1においては、質量金具14が、取付金具11の外方に配置されたことにより、質量金具14の大きさの調節を自由に行うことができる。そのため、ダイナミックダンパ10の共振周波数の調整を行うことができ、また振動入力の大小に応じたダイナミックダンパ10の減衰性能に調節することができる。また、質量金具14の内径を大きくすることにより、ゴム弾性体連結部17の径方向長さを長く調節することができ、それによりダイナミックダンパ10のばね定数を低くすることができる。
さらに、ゴム弾性体連結部17の互いに離間した一対のゴム連結部18の角度を調節することができ、それにより、上記P方向の第1の共振周波数と、これに直交するQ方向の第2の共振周波数との比を変更することができる。一対のゴム連結部18の角度を小さくすることにより、第1の共振周波数の第2の共振周波数に対する比を大きくすることができ、また、一対のゴム連結部18の角度を大きくすることにより、第1の共振周波数の第2の共振周波数に対する比を小さくすることができる。また、一対のゴム連結部18の角度を変えずに厚さを薄くすることにより、第1〜第3の共振周波数を低くすることができる。なお、ダイナミックダンパ10は、互いに同軸状に配置された取付金具11と質量金具14間をゴム弾性体連結部17で連結する構造であるため、ゴム弾性体連結部17の損傷により質量金具14が分離したとしても、質量金具14が中間シャフト1から脱落することもない。
つぎに、実施例2について説明する。
実施例2においては、ダイナミックダンパ10Aにおいて、実施例1のゴム弾性体連結部17に代えて、図4に示すように、ゴム弾性体連結部21を一つのゴム連結部で構成したものである。実施例2では、ゴム弾性体連結部21は、周方向の中心角θで略60°の領域に設けられている。このダイナミックダンパ10Aでは、ゴム弾性体連結部21の周方向長さを二等分する位置と軸心を結ぶ径線方向すなわち中心角θを二等分する二等分線方向が第1の共振周波数に調整されたP方向に対応している。また、P方向に直交する径方向(図示Q方向)が第1の共振周波数の略1/2倍の周波数である第2の共振周波数に調整されており、ゴム弾性体連結部21の周方向長さを二等分する位置を中心とする質量金具14の径方向への首振り方向(図示R方向)が第1の共振周波数の略2倍の周波数である第3の共振周波数に調整されている。その他、取付金具11、質量金具14等については、実施例1と同様である。実施例2においては、ゴム弾性体連結部21が、一つのゴム連結部で構成されたことにより、ゴム連結部が複数の場合に比べて金具からの拘束が少なくなり、ゴム弾性体連結部21が複数の場合に比べて振動の自由度が高められる。その結果、実施例1のダイナミックダンパ10に比べて共振周波数を高周波数に調整することが容易になる。
なお、上記実施例1,2においては、取付金具11側の軸方向長さが質量金具14側より短くなっているが、これに代えて、取付金具11側の方を長くしたり、あるいは両者の長さを同一にしたりすることも可能である。また、上記実施例1,2では、ゴム弾性体連結部17,21が、2つと1つのゴム連結部により構成されているが、中心角θで120°以下の領域内であれば、3つ以上のゴム連結部とすることもできる。さらに、上記実施例1,2では、取付金具11が円筒形になっているが、これに代えて、軸方向両端間に延びたスリットを設けた軸直角断面がC形状の筒状とすることもできる。また、質量金具14についても取付金具11と同様に円筒形になっているが、これに代えて、軸方向両端間に延びたスリットを設けた軸直角断面がC形状の筒状とすることもできる。
つぎに、実施例3について説明する。
実施例3においては、実施例1,2と異なり、質量金具を筒状の取付金具の径方向内方に離間して配置させたものである。図5に示すように、ダイナミックダンパ30は、ゴム弾性体の被覆部32で被覆された円筒形の取付金具31の径方向内方に離間して被覆部35で被覆された円柱形の質量金具34が同軸状に配置されており、取付金具31と質量金具34間が1つのゴム連結部からなるゴム弾性体連結部36によって連結されている。実施例3では、ゴム弾性体連結部36は、周方向の中心角θで略45°の領域に設けられている。このダイナミックダンパ30では、ゴム弾性体連結部36の周方向長さを二等分する位置と軸心を結ぶ径線方向すなわち中心角θを二等分する二等分線方向が第1の共振周波数に調整されたP方向に対応している。また、P方向に直交する径方向(図示Q方向)が第1の共振周波数の略1/2倍の周波数である第2の共振周波数に調整されており、ゴム弾性体連結部36の周方向長さを二等分する位置を中心とする質量金具34の径方向への首振り方向(図示R方向)が第1の共振周波数の略2倍の周波数である第3の共振周波数に調整されている。
取付金具31の被覆部32の外周面には、周方向に等間隔な複数箇所でわずかに突出する突起部33が設けられている。このダイナミックダンパ30は、振動入力の小さい、例えば車両のヘッドレストにおける防振用として用いられ、ヘッドレスト内の支持パイプ内に取付金具31側にて圧入して挿嵌することにより固定される。このダイナミックダンパ30によっても、実施例2と同様に、ヘッドレスト内に伝播する3種類の異なった周波数、特に高周波数の振動を抑えることができる。
なお、上記実施例3においては、取付金具31側の軸方向長さが質量金具34側より長くなっているが、これに代えて、質量金具34側の方を長くしたり、あるいは両者の長さを同一にしたりすることも可能である。また、上記実施例3では、ゴム弾性体連結部36が、1つのゴム連結部により構成されているが、中心角θで120°以下の領域内であれば、2つ以上のゴム連結部とすることもできる。さらに、上記実施例3では、取付金具31が円筒形になっているが、これに代えて、軸方向両端間に延びたスリットを設けた軸直角断面がC形状の筒状とすることもできる。また、質量金具34は円柱形になっているが、これに代えて、種々の棒状あるいは筒状とすることもできる。
なお、上記各実施例に示したダイナミックダンパについては、車両の以外の3種類の異なった周波数の振動を生じる制振対象部材に適用することも可能である。また、上記各実施例に示したダイナミックダンパの各部分の構造については一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することができる。
本発明は、ダイナミックダンパは、ゴム弾性体連結部が設けられる取付金具と質量金具間にて周方向の120°以下の領域の周方向長さを二等分する位置と軸心を結ぶ径線方向すなわち当該領域の角度を二等分する二等分線方向の第1の共振周波数と、これに直交する径方向の第2の共振周波数と、上記領域の周方向長さを二等分する位置を中心とする質量金具の径方向への首振り方向の第3の共振周波数に調整されており、簡易な構成の単一のダイナミックダンパによって3種類の異なった周波数の振動を減衰させることができるため、製品コストが安価になると共に、ダイナミックダンパの取付スペースを低減することができので、有用である。
本発明の実施例1であるダイナミックダンパを示す図2のI−I線方向の断面図である。 同ダイナミックダンパを示す側面図である。 同ダイナミックダンパのステアリング装置への取付状態を概略的に説明する説明図である。 実施例2であるダイナミックダンパを示す側面図である。 実施例3であるダイナミックダンパを示す図6のV−V線方向の断面図である。 同ダイナミックダンパを示す側面図である。
符号の説明
10,10A…ダイナミックダンパ、11…取付金具、14…質量金具、17…ゴム弾性体連結部、18…ゴム連結部、21…ゴム弾性体連結部、30…ダイナミックダンパ、31…取付金具、34…質量金具、36…ゴム弾性体連結部。

Claims (4)

  1. 筒状の取付金具と、該取付金具の径方向外方又は径方向内方に離間して配置された質量金具と、該取付金具と質量金具間にて周方向の120°以下の領域のみに少なくとも1つ設けられて該取付金具と質量金具間を弾性的に連結するゴム弾性体連結部とを備え、該取付金具によって制振対象部材に取り付けられることを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記質量金具が筒状であって、前記取付金具の径方向外方に配置されたことを特徴とする前記請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記ゴム弾性体連結部が、互いに周方向に離間した一対のゴム連結部で構成されたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のダイナミックダンパ。
  4. 前記ゴム弾性体連結部が、一つのゴム連結部で構成されたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のダイナミックダンパ。
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