JP2008002677A - 筒形ダイナミックダンパ - Google Patents

筒形ダイナミックダンパ Download PDF

Info

Publication number
JP2008002677A
JP2008002677A JP2007125726A JP2007125726A JP2008002677A JP 2008002677 A JP2008002677 A JP 2008002677A JP 2007125726 A JP2007125726 A JP 2007125726A JP 2007125726 A JP2007125726 A JP 2007125726A JP 2008002677 A JP2008002677 A JP 2008002677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic
cylindrical
dynamic damper
circumferential
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007125726A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohito Kuwayama
直仁 桑山
Katsutoshi Izawa
克俊 伊澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2007125726A priority Critical patent/JP2008002677A/ja
Priority to DE200710023648 priority patent/DE102007023648A1/de
Publication of JP2008002677A publication Critical patent/JP2008002677A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F1/00Springs
    • F16F1/02Springs made of steel or other material having low internal friction; Wound, torsion, leaf, cup, ring or the like springs, the material of the spring not being relevant
    • F16F1/025Springs made of steel or other material having low internal friction; Wound, torsion, leaf, cup, ring or the like springs, the material of the spring not being relevant characterised by having a particular shape
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/14Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using masses freely rotating with the system, i.e. uninvolved in transmitting driveline torque, e.g. rotative dynamic dampers
    • F16F15/1407Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using masses freely rotating with the system, i.e. uninvolved in transmitting driveline torque, e.g. rotative dynamic dampers the rotation being limited with respect to the driving means
    • F16F15/1414Masses driven by elastic elements
    • F16F15/1435Elastomeric springs, i.e. made of plastic or rubber
    • F16F15/1442Elastomeric springs, i.e. made of plastic or rubber with a single mass
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F7/00Vibration-dampers; Shock-absorbers
    • F16F7/10Vibration-dampers; Shock-absorbers using inertia effect
    • F16F7/104Vibration-dampers; Shock-absorbers using inertia effect the inertia member being resiliently mounted
    • F16F7/108Vibration-dampers; Shock-absorbers using inertia effect the inertia member being resiliently mounted on plastics springs

Abstract

【課題】制振すべき振動の主たる入力方向である軸直角方向と捩り方向のばね特性が両立して高度に得られると共に、マス部材のこじり方向の首振り変位が抑えられて所期の制振効果や耐久性が安定して得られる新規な構造の筒形ダイナミックダンパを提供することにある。
【解決手段】筒状固定部12とマス部材14の対向面間に周上の複数箇所で軸直角方向に延びる複数の弾性連結部16を形成すると共に、それら複数の弾性連結部の周方向間に薄肉膜状の弾性膜状部20を弾性連結部16と一体形成して、複数の弾性膜状部20の少なくとも一つを筒状固定部12およびマス部材14の周方向線に対して傾斜させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種のシャフトやアーム、管体等のように、振動が伝達されて加振される中空乃至は中実のロッド状振動体に装着されて、ロッド状振動体の振動に対して制振効果が発揮され得る筒形ダイナミックダンパに関するものである。
力の伝達部材としてのシャフトやアーム等の他、流体の通路を形成する管体等の各種のロッド状部材においては、それ自体の共振やそれを介しての振動伝達等が問題となる場合がある。かかる問題に対処するための一つの方策として、ロッド状部材にダイナミックダンパを装着することが知られている。ダイナミックダンパは、一般に、筒形状の筒状固定部とマス部材を同一中心軸上に配設すると共に、それらを弾性体からなる弾性連結部で相互に連結した構造とされている。そして、筒状固定部がロッド状部材に外嵌固定されて、マス部材が弾性連結部および筒状固定部を介してロッド状部材に弾性支持されることで、ダイナミックダンパが、主振動系たるロッド状部材に対する副振動系として構成されるようになっている。具体的には、特許文献1(実公平2−18363号公報)や特許文献2(特開2000−55130号公報)等に示されるものが、それであり、例えば自動車のドライブシャフト用の制振装置等への適用が検討されている。
ところで、ダイナミックダンパでは、上記特許文献1,2にも示されているように、周方向で隣り合う弾性連結部の間を軸直角方向に広がるように薄膜状の弾性膜状部が設けられていることが多い。これにより、弾性連結部の間が弾性膜状部で閉塞されて、弾性連結部の間に小石等が侵入して詰まることが防止される。また、弾性膜状部が成形型の型合せ面に積極的に形成されることで、合わせ面における不規則なバリの発生が抑えられて、予測できない制振特性の悪化や耐久性の低下等による特性の不安定性の問題が解消される。
しかしながら、このような弾性膜状部を備えたダイナミックダンパでは、振動の入力方向となる軸直角方向でのマス部材の変位に際して、弾性膜状部が圧縮変形乃至は引張変形することとなる。そのために、軸直角方向における副振動系のばね成分を設定変更する際に、弾性膜状部の軸直角方向のばね特性による影響を無視することが出来ず、場合によっては、副振動系における軸直角方向のチューニング自由度が制限されることがあった。加えて、弾性膜状部の肉厚寸法の僅かなばらつきに起因してチューニング周波数が大きく変化することにより、目的とする制振効果が安定して得られないおそれもあった。
また、上述の特許文献1,2に記載の如き従来構造のダイナミックダンパでは、制振すべき振動が軸直角方向と捩り方向の2方向で入力されることがある。その場合に、これら2方向における制振特性のチューニング自由度が充分に得られ難いという問題があった。
すなわち、従来構造のダイナミックダンパでは、弾性膜状部が軸直角方向に広がっていることから、軸直角方向と捩り方向の何れの振動入力時においても、かかる弾性膜状部に対して圧縮/引張変形が生ぜしめられることとなる。そのために、弾性膜状部の弾性特性を調節して軸直角方向のチューニング周波数を大きくすると、それに伴って捩り方向のチューニング周波数まで大きくなってしまうことが避けられない。それ故、軸直角方向と捩り方向のばね比を大きく設定することが困難であり、それら両方向の独立したチューニング自由度が大幅に制限されてしまうという問題があったのである。
さらに、従来構造のダイナミックダンパでは、筒状のマス部材が、その軸方向中間部分において、複数の弾性連結部とそれらを繋ぐようにして軸直角方向に広がる弾性膜状部によって弾性支持されていることから、マス部材のこじり方向では十分な支持ばね剛性が得られ難かった。そのために、振動入力時にマス部材がこじり方向に首振り変位し易く、それに起因して振動状態が悪化したり、弾性連結部や弾性膜状部等に応力集中が発生して耐久性が十分に確保され難くなるという問題もあったのである。
実公平2−18363号公報 特開2000−55130号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、制振すべき振動の主たる入力方向である軸直角方向と捩り方向のばね特性が両立して高度に得られると共に、マス部材のこじり方向の首振り変位が抑えられて所期の制振効果や耐久性が安定して得られる新規な構造の筒形ダイナミックダンパを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、弾性体で形成されてロッド状振動体に外挿される筒状固定部を有すると共に、筒状固定部よりも大径の筒体形状を呈するマス部材が筒状固定部と同一中心軸上に配設される一方、筒状固定部とマス部材の対向面間には周上の複数箇所で軸直角方向に延びる複数の弾性連結部が形成されていると共に、それら複数の弾性連結部の周方向間には薄肉膜状の弾性膜状部が弾性連結部と一体形成されており、筒状固定部とマス部材が弾性連結部および弾性膜状部によって相互に連結された筒形ダイナミックダンパにおいて、複数の弾性膜状部の少なくとも一つが、筒状固定部およびマス部材の周方向線に対して傾斜していることにある。
このような本発明に従う構造とされた筒形ダイナミックダンパにおいては、弾性膜状部が周方向線(軸直角方向の断面の切り口となる線)に対して傾斜して周方向に延びていることから、この傾斜角度を調節することによって、副振動系における軸直角方向と捩り方向(周方向)のばね比を効率的にチューニングすることが可能となる。即ち、本発明に係るダイナミックダンパでは、マス部材をマス要素とすると共に弾性連結部および弾性膜状部をばね要素として副振動系が構成されるが、このばね要素となる弾性膜状部における軸直角方向と捩り方向(周方向)のばね定数の比を、かかる弾性膜状部の傾斜角度を変更設定することによって有利に調節することが可能となるのである。
その結果、マス要素を共通として構成される軸直角方向の副振動系と捩り方向の副振動系において、それぞれ、互いに異なる周波数域で制振すべき振動の周波数に応じてチューニングすることが可能となる。それ故、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、それが装着される制振対象物において問題となっている軸直角方向および捩り方向の振動の周波数に応じて、弾性膜状部の周方向線に対する傾斜角度を適当に設定することにより、それら軸直角方向と捩り方向の何れの振動に対しても有効な制振効果を得ることが可能となるのである。
さらに、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、弾性膜状部が周方向に傾斜していることで、かかる弾性膜状部における軸方向の実質的な部材長さが大きく設定されている。これにより、マス部材のこじり方向の変位に対して発揮される弾性膜状部のばね剛性が大きくされている。
その結果、振動入力時におけるマス部材のこじり方向の変位である首振り変位が抑えられる。それ故、マス部材の首振り変位に伴う振動状態の悪化や制振効果の低下が抑えられて、より一層優れた制振効果が発揮され得る。また、マス部材の首振り変位に起因する弾性膜状部の歪も応力も低減されることから、耐久性の向上も図られ得る。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、周方向で隣り合う弾性連結部が軸方向で互いに異なる位置に設けられている構造が、好適に採用される。
このような構造によれば、弾性連結部によるマス部材の支持点が軸方向に離隔した複数点とされることとなり、弾性連結部による軸直角方向のばね剛性を増大させることなく、こじり方向のばね剛性を大きく設定することが可能となる。それ故、マス部材の首振り変位に起因する上述の如き問題が、より効果的に防止されることとなる。
しかも、周方向で隣り合う弾性連結部を軸方向にずらせたことにより、それらの弾性連結部間に跨がって延びる弾性膜状部において、周方向線に対する傾斜角度を一層大きく設定することも可能となる。その結果、弾性連結部と弾性膜状部の協働作用により、こじり方向のばね剛性を一層大きく設定することが可能となると共に、弾性膜状部の傾斜設定に基づく軸直角方向と捩り方向のばね比のチューニング自由度の向上効果もより有利に発揮され得る。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、弾性膜状部の周方向一方の端部が、筒状固定部およびマス部材の軸方向中央部分の周方向線を挟んだ軸方向一方の弾性連結部における周方向線に近い側の軸方向端部と一体形成されていると共に、弾性膜状部の周方向他方の端部が、周方向線を挟んだ軸方向他方の弾性連結部における周方向線に近い側の軸方向端部と一体形成されている構造が、採用されても良い。
このような構造によれば、弾性膜状部が周方向線を跨いで、かかる周方向線を挟んで軸方向で互いに離隔配置された一対の弾性連結部の間に形成されることとなり、筒状固定部およびマス部材の対向面間の限られた周方向長さにおいて、弾性膜状部の周方向長さが有効に確保されることから、コンパクト化が図られつつ、捩り方向のばね定数のチューニング自由度が向上される。加えて、弾性膜状部の両端部が弾性連結部における周方向線から近い側の軸方向端部に接続されていることによって、弾性膜状部のボリュームが過大になることが抑えられ、捩り変形による応力集中の軽減が図られることにより、耐久性が有利に確保され得る。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、弾性膜状部が周方向に展開した形態で直線的に延びている構造が、好適に採用される。
このような構造によれば、弾性膜状部の設計が容易となると共に、その成形用金型の加工を含む製造も容易となる。また、弾性膜状部におけるばね特性の周上でのばらつきが抑えられると共に、歪や応力の局部的な集中も緩和され得て、制振効果の安定性の向上効果と耐久性の更なる向上効果も図られ得る。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、弾性連結部を挟んだ周方向両側の一対の弾性連結部が軸方向で同じ位置に設けられている構造が、採用されても良い。
このような構造によれば、弾性連結部を挟んだ周方向両側の一対の弾性連結部やそれら各周方向間に配される弾性膜状部における局所的な応力や歪みの集中が低減されて、耐久性が一層向上され得る。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、弾性膜状部の各部位が、筒状固定部およびマス部材の中心軸に対する直交線に沿って延びている構造が、採用されても良い。
このような構造によれば、弾性膜状部の幅寸法が筒状固定部とマス部材の対向面間の離隔距離と略等しくされて、弾性膜状部のボリュームが比較的に小さくされることから、捩り方向の弾性変形に際して、捩りばね定数を比較的に小さく設定することが出来ると共に、応力集中が有利に抑えられる。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、弾性膜状部の厚さ寸法が0.3〜2.0mmとされる構造が、好適に採用される。
このような構造によれば、目的とする耐久性や制振効果が一層安定して得られる。蓋し、弾性膜状部の厚さ寸法が0.3mmよりも小さいと、耐久性が十分に確保され難くなる一方、当該厚さ寸法が2.0mmよりも大きいと、弾性膜状部の剛性が過大になって、副振動系のばね定数に大きな影響を及ぼすおそれがあるからである。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、周方向線に対して一方の向きに傾斜する弾性膜状部と他方の向きに傾斜する弾性膜状部が周方向で交互に形成されていると共に、それら一方の弾性膜状部と他方の弾性膜状部が筒状固定部とマス部材の対向面間においてそれぞれ同じ数だけ設けられている構造が、好適に採用される。
このような構造によれば、弾性膜状部における局所的な応力や歪みの集中が低減されて、耐久性が一層向上され得る。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、筒状固定部がロッド状振動体に圧入固定されるようになっており、筒状固定部のロッド状振動体に対する圧入代が5〜30%とされる構造が、好適に採用される。
このような構造によれば、所期の耐久性や制振効果が有利に発揮され得る。即ち、筒状固定部のロッド状振動体に対する圧入代が5%に満たなければ、筒状固定部とロッド状振動体が、大きな振動等で簡単に変位する可能性があり、筒状固定部のロッド上振動体への装着安定性、延いては目的とする制振効果が安定して得られ難くなる一方、当該圧入代が30%よりも大きくなれば、装着作業が難しくなったり、筒状固定部の耐久性が十分に得られ難くなるおそれがあるからである。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、筒状固定部およびマス部材の軸方向中央部分の周方向線を外れた位置において、互いに軸方向の位置が異なる弾性連結部の一対が周方向で交互に形成されている構造が、採用されても良い。
このような構造によれば、複数の弾性連結部が軸方向および周方向にバランスよく広く分散した形態で形成されることとなり、それによって、こじり方向の支持ばね剛性が一層効率的に得られる。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、弾性膜状部が筒状固定部およびマス部材の軸方向線に対して傾斜している構造が、好適に採用される。
このような構造によれば、マス部材と筒状固定部の間の軸直角方向の振動入力時に、弾性膜状部が容易に剪断変形することで、弾性膜状部の圧縮引張変形を一層抑えることが出来、かかる圧縮引張変形に起因する副振動系のばね定数への影響をより小さくすることが出来る。また、本構造では、弾性膜状部が、その幅寸法を筒状固定部とマス部材の対向面間の離隔距離よりも大きくして、それらの間に設けられることから、弾性膜状部のボリュームが大きくなることを利用して、捩りばね定数やこじりばね定数を大きくすることも可能である。要するに、前述の弾性膜状部の周方向線に対する傾斜角度と本構造に示される弾性膜状部の軸方向線に対する傾斜角度を組み合わせて設定変更することによって、捩り方向やこじり方向の制振効果のチューニング自由度が一層向上されるのである。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、前記複数の弾性連結部が、前記筒状固定部および前記マス部材の軸方向中央部分の前記周方向線を通る平面上において周方向に等間隔に設けられていると共に、該周方向線から軸方向両側に向かって同じ長さで延び出すように形成されている一方、複数の前記弾性膜状部の少なくとも一つが、前記筒状固定部および前記マス部材の周方向線に対して傾斜していることにより、該弾性膜状部の周方向一方の端部が周方向で隣接する該弾性連結部の一方における軸方向一方の側の端部に連結されると共に、周方向他方の端部が該弾性連結部の他方における軸方向他方の側の端部に連結されている構造が、好適に採用される。
このような構造によれば、弾性連結部によりマス部材の安定した支持が可能となると共に、弾性連結部材の弾性膜状部に対する軸方向幅寸法の比を大きく設定することが可能となる。また、弾性膜状部における局所的な応力や歪みの集中も低減されて、所期の制振効果や耐久性能がより安定して得られる。
また、本発明に係る筒形ダイナミックダンパでは、弾性連結部の軸方向厚さ寸法が弾性膜状部の軸方向厚さ寸法の2〜14倍とされている構造が、好適に採用される。
このような構造によれば、弾性連結部の厚さ寸法が弾性膜状部の厚さ寸法の2倍よりも小さいと、こじり方向の剛性が十分に得られ難くなるという問題が有利に解消され得ると共に、弾性連結部の厚さ寸法が弾性膜状部の厚さ寸法の14倍よりも大きいと、弾性連結部の軸直角方向や周方向の剛性が大きくなることに起因して、目的とする軸直角方向や周方向のばね特性のチューニングが難しくなるおそれが有利に解消され得る。より好ましくは、弾性連結部の軸方向厚さ寸法が弾性膜状部の軸方向厚さ寸法の4〜10倍とされている。なお、弾性連結部の軸方向厚さ寸法とは、筒形ダイナミックダンパの軸方向における弾性連結部長さ寸法を言い、弾性膜状部の軸方向厚さ寸法とは、同様に、筒形ダイナミックダンパの軸方向における弾性膜状部の長さ寸法を言う。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜3には、本発明の一実施形態としての筒形ダイナミックダンパ10が示されている。この筒形ダイナミックダンパ10は、筒状固定部としての弾性取付部12とマス部材としての金属マス14が、弾性連結部としての支持ゴム弾性体16で相互に弾性連結された構造とされている。筒形ダイナミックダンパ10は、弾性取付部12が図示しないロッド状振動体としてのドライブシャフトに外嵌固定されることにより、装着されるようになっている。
より詳細には、弾性取付部12は、円筒形状を有しており、天然ゴムや、アクリル系やブチル系、スチレン系等の各種の合成ゴム等或いはそれらの複合材を用いて形成されている。弾性取付部12は、ドライブシャフトの外径寸法よりも僅かに小さな内径寸法で形成されていて、充分な圧入代を備えている。弾性取付部12の径方向外方には、金属マス14が配設されている。
金属マス14は、大径の円筒形状を有しており、鉄等の金属材で形成されている。この金属マス14が、弾性取付部12の径方向外方に所定距離を隔てて位置せしめられていると共に、金属マス14の中心軸と弾性取付部12の中心軸が同一線上に配されている。即ち金属マス14が、弾性取付部12と同一中心軸上に配されている。軸方向寸法に関して弾性取付部12と金属マス14が略同じとされており、弾性取付部12および金属マス14における各軸方向一方の端部と各軸方向他方の端部が、それぞれ軸方向で略同じ位置に位置せしめられている。また、弾性取付部12と金属マス14の径方向対向面間には、支持ゴム弾性体16が配設されている。
支持ゴム弾性体16は、弾性取付部12と一体形成されて、弾性取付部12の軸方向中間部分から軸直角方向外方に延び出す柱状とされている。本実施形態では、互いに独立する6つの支持ゴム弾性体16が、弾性取付部12と金属マス14の間を周方向に略等間隔に設けられている。支持ゴム弾性体16の径方向外方の先端部分(面)が、金属マス14の軸方向中間部分の内周面に加硫接着されている。これにより、弾性取付部12と金属マス14が、6つの支持ゴム弾性体16を介して相互に弾性連結されている。また、金属マス14の外周面には、支持ゴム弾性体16と一体形成された薄肉の被覆ゴム層18が全体に亘って被覆されている。
特に本実施形態では、6つの支持ゴム弾性体16が、何れもダイナミックダンパ10の軸方向中間部分において軸方向中央部分を挟んだ軸方向両側で軸直角方向に広がる二つの平面上にそれぞれ3つずつ設けられている。即ち、弾性取付部12の軸方向中央部分で軸直角方向に広がる一平面上を周方向に延びる周方向線(図2,3中、断面視で上下に延びる直線):lを挟んだ軸方向一方(図2中、左)の側に3つの支持ゴム弾性体16aが設けられていると共に、周方向線:lを挟んだ軸方向他方(図2中、右)の側に3つの支持ゴム弾性体16bが設けられている。そして、これら支持ゴム弾性体16aと支持ゴム弾性体16bが、ダイナミックダンパ10の周方向で交互に設けられている。
これにより、図4〜5にも示されているように、周方向で隣り合う支持ゴム弾性体16a,16bが、軸方向で互いに異なる位置に設けられているのであり、更に本実施形態では、一つの支持ゴム弾性体16a(16b)を挟んだ周方向両側の一対の支持ゴム弾性体16b(16a),16b(16a)が、軸方向で同じ位置に設けられている。
また、各支持ゴム弾性体16の周方向間には、弾性膜状部としての薄肉ゴム膜20が設けられている。薄肉ゴム膜20は、表面が平坦な薄肉の膜状とされていると共に、弾性取付部12や支持ゴム弾性体16と一体形成されており、弾性取付部12と金属マス14と支持ゴム弾性体16で囲まれた領域の軸方向中間部分を閉塞するように広がっている。
更にまた、薄肉ゴム膜20の縦断面が、ダイナミックダンパ10の軸直角方向(図3中、上下)と略平行に広がる板状を呈しており、薄肉ゴム膜20の縦断面の厚さ方向が、ダイナミックダンパ10の軸方向(図3中、左右)と略平行に延びている。即ち、本実施形態に係る薄肉ゴム膜20が、軸方向に傾斜していない形状を呈している。要するに、薄肉ゴム膜20は、その各部位が、ダイナミックダンパ10の中心軸に対する直交線に沿って弾性取付部12から金属マス14に向かって延び出した形状を有しているのである。
なお、薄肉ゴム膜20の周方向長さに直交する厚さ寸法が、好適には0.3〜2.0mm程度とされ、より好適には0.6〜1.3mm程度とされる。蓋し、薄肉ゴム膜20の厚さ寸法が小さ過ぎると、薄肉ゴム膜20の耐久性が問題となる場合があり、また薄肉ゴム膜20の厚さ寸法が大き過ぎると、薄肉ゴム膜20の剛性が必要以上に高くなって、副振動系のばね定数に影響を及ぼすおそれがあるからである。また、本実施形態では、薄肉ゴム膜20の厚さ寸法が全体に亘って略一定とされているが、例えば局所的に或いは全体に亘って段階的に変化していても良い。更に、本実施形態では、ダイナミックダンパ10の軸方向における支持ゴム弾性体16の厚さ寸法:Tが、ダイナミックダンパ10の軸方向における薄肉ゴム膜20の厚さ寸法厚さ寸法:tの2〜14倍とされ、より好適には4〜10倍とされる(図6参照。)。
また、支持ゴム弾性体16と薄肉ゴム膜20において、弾性取付部12の外周面や金属マス14(被覆ゴム層18)の内周面に接する端部には、端部外方に向かって外形寸法が次第に大きくなる厚肉部22が一体形成されていて、これにより、端部の応力が分散されて応力集中が軽減されるようになっている。
そこにおいて、薄肉ゴム膜20が、図6にも示されているように、周方向に展開した形態で直線的に延びる薄肉の板状を呈している。そして、薄肉ゴム膜20の周方向一方の端部が、弾性取付部12および金属マス14の軸方向中央部分の周方向線:lを挟んだ一方の支持ゴム弾性板16aにおける周方向線:lに近い側の軸方向端部と一体形成されていると共に、薄肉ゴム膜20の周方向他方の端部が、周方向線:lを挟んだ他方の支持ゴム弾性体16bにおける周方向線:lに近い側の軸方向端部と一体形成されている。
これにより、薄肉ゴム膜20が、弾性取付部12および金属マス14の周方向線:lに対して所定の角度で傾斜している。本実施形態では、薄肉ゴム膜20が周方向に展開した形状で、薄肉ゴム膜20の周方向線:lに対する傾斜角度が、αとされているが、かかる傾斜角度:αは薄肉ゴム膜20の要求されるばね特性や製作性等に応じて設定変更されるものであって、特に限定されるものでない。
また、軸方向一方の支持ゴム弾性体16a(16b)を挟んで周方向両側に位置せしめられる軸方向他方の支持ゴム弾性体16b(16a),16b(16a)にあって、支持ゴム弾性体16aと周方向一方の支持ゴム弾性体16bの間に配設される薄肉ゴム膜20aが、支持ゴム弾性体16aから一方の支持ゴム弾性体16bに向かって角度:αで傾斜せしめられている一方、支持ゴム弾性体16aと周方向他方の支持ゴム弾性体16bの間に配設される薄肉ゴム膜20bが、支持ゴム弾性体16aから他方の支持ゴム弾性体16bに向かって角度:−αで傾斜せしめられている。それによって、周方向で互いに逆向きに傾斜せしめられる薄肉ゴム膜20aと薄肉ゴム膜20bが周方向で交互に位置するように同じ数だけ(本実施形態では三つずつ)設けられている。特に本実施形態では、薄肉ゴム膜20aと薄肉ゴム膜20bの形状や寸法が互いに同一とされていると共に、傾斜角度:αの大きさ(絶対値)が等しくされている。
このような構造とされた筒形ダイナミックダンパ10においては、弾性取付部12が図示しないドライブシャフトに対して外挿状態で圧入固定されることにより、自動車に対して装着されるようになっている。特に本実施形態においては、弾性取付部12の内径寸法がドライブシャフトの外径寸法に比して充分に小さくされており、筒形ダイナミックダンパ10のドライブシャフトへの取付けのために締付バンド等の特別な部品を用いることなく、圧入によって安定した装着状態を実現可能とされている。
なお、弾性取付部12の締め代(圧入代)は、5〜30%とされていることが望ましく、より好適には、15〜25%とされている。ここにおいて、締め代は、圧入前の弾性取付部12の内径寸法:Bと、圧入後の弾性取付部12の内径寸法であるドライブシャフトの外径寸法:Aとを用いて、下式で表わされるものとする。
締め代=((A−B)/A)×100(%)
蓋し、締め代が小さ過ぎると、筒形ダイナミックダンパ10のドライブシャフトへの安定した装着状態が実現され難くなる一方、締め代が大き過ぎると、圧入による弾性取付部12の弾性変形量が大きくなって、装着作業の困難化や耐久性の低下等を招くおそれがあるからである。
そして、筒形ダイナミックダンパ10の装着状態において、ドライブシャフトで構成される主振動系に対して、金属マス14と支持ゴム弾性体16によるマス−バネ系からなる副振動系が構成されるようになっている。この副振動系の共振周波数を主振動系の共振周波数に応じてチューニングすることにより、金属マス14の発生力による制振効果を得ることが出来るようになっている。
ここにおいて、金属マス14と弾性取付部12の対向面間に軸直角方向の振動が入力されると、それらの間に配された支持ゴム弾性体16や薄肉ゴム膜20が圧縮変形乃至は引張変形する。
特に、本実施形態では、薄肉ゴム膜20が周方向に傾斜(α)していることから、この傾斜角度:αを適宜に設計変更することで、金属マス14が捩り方向(周方向)に変位せしめられた際のばね特性を効率的に調節することが可能となる。即ち、捩り方向のばね特性には、支持ゴム弾性体16と薄肉ゴム膜20が寄与するが、支持ゴム弾性体16は、その位置が軸方向で変化しても略純剪断の変形に変わりないことから、寄与するばね特性に変化がない。一方、薄肉ゴム膜20は、その傾斜角度(α)の大きさによって、該薄肉ゴム膜20全体のゴムボリュームが変化する。
具体的には、薄肉ゴム膜20おいて高さ寸法や厚さ寸法が同一であれば、その周方向線に対する傾斜角度が最小の時、即ち傾斜角度:α=0の時において、周長が最も小さくなる。捻り方向(周方向)の金属マス14の変位に際しては、すべての薄肉ゴム膜20が全周に亘って同等に引張変形せしめられることとなるが、薄肉ゴム膜20全体の周長が最も小さくなることで、薄肉ゴム膜20全体のゴムボリュームが小さくなる。その結果、傾斜角度:α=0の時において、薄肉ゴム膜20の周方向のせん断ばね定数、すなわち、捻りばね定数が最も小さくなる。一方、薄肉ゴム膜20の周方向線に対する傾斜角度(α)が大きくなるに従って、周長が大きくなり、薄肉ゴム膜20全体のゴムボリュームが大きくなる。その結果、薄肉ゴム膜20の周方向のせん断ばね定数、すなわち、捻りばね定数が大きくなる。
特に、薄肉ゴム膜20は、その周方向両端部が支持ゴム弾性体16に対して一体的に連結されており、支持ゴム弾性体16を含んで実質的に周方向の全周に亘って環状に連続した構造を有している。これにより、薄肉ゴム膜20は、その傾斜角度(α)が大きくなることに伴い、一層大きな捩り方向(周方向)のばね定数を発揮し得るようになっている。
一方、軸直角方向のばね特性には、支持ゴム弾性体16が大きく寄与することとなり、薄肉ゴム膜20の寄与が非常に小さい。それ故、薄肉ゴム膜20の傾斜角度:αを変化させても、軸直角方向では、支持ゴム弾性体16により、有効なばね特性が安定して発揮され得ることとなる。
従って、上述の如き構造とされた筒形ダイナミックダンパ10においては、薄肉ゴム膜20の傾斜角度:αを変更設定することにより、金属マス14と支持ゴム弾性体16および薄肉ゴム膜20で構成されるマス−バネ系からなる副振動系における固有振動数を、軸直角方向および捩り方向において、それぞれ、大きな自由度をもってチューニングすることが可能となるのである。特に、薄肉ゴム膜20の傾斜角度:αの変更設定により、かかる副振動系における軸直角方向と捩り方向との固有振動数比を大きな自由度で調節することが可能であり、それ故、例えば、軸直角方向と捩り方向で大きく異なる周波数域の振動に対しても、それぞれ、有効な制振効果を得ることも可能となるのである。
また、薄肉ゴム膜20が周方向に傾斜していることにより、薄肉ゴム膜20の周方向長さが大きく設定される。特に本実施形態では、薄肉ゴム膜20の周方向端部に連結される一対の支持ゴム弾性体16a,16bが軸方向で互いに異なる位置に形成されていることで、一対の支持ゴム弾性体16a,16bの周方向の離隔距離が大きくされていることに基づき、薄肉ゴム膜20の周方向長さおよび傾斜角度がより大きく設定可能とされている。それ故、薄肉ゴム膜20のチューニング自由度が大きくされて、制振すべき捩り方向の振動に対して薄肉ゴム膜20の共振作用に基づく制振効果が有利に発揮され得る。
しかも、本実施形態における複数の支持ゴム弾性体16は、ダンパ10の軸方向中央部分の周方向線:lを軸方向両側に外れた位置において、各複数位置するように、周方向だけでなく軸方向にも分散状態で形成されている。これにより、金属マス14に対して、軸方向や軸直角方向のばね特性を大幅に異ならせることなく、こじり方向において大きな支持ばね剛性が効率的に発揮され得る。
従って、本実施形態に係る筒形ダイナミックダンパ10では、金属マス14が弾性取付部12に対してこじり方向で首振り状に変位せしめられることが効果的に防止されることとなり、金属マス14を含んで構成された副振動系における制振効果を一層効率良く得ることが出来るのであり、しかも、金属マス14の首振り変位に起因して支持ゴム弾性体16や薄肉ゴム膜20に惹起される応力が軽減されて、耐久性の向上が図られ得るのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能である。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、支持ゴム弾性体16や薄肉ゴム膜20の形状や大きさ(寸法)、構造、数、配置等は、例示の如きものに限定されるものでない。
具体的には、前記実施形態において、複数の支持ゴム弾性体16や薄肉ゴム膜20が、それぞれ同種間で同じ大きさや形状とされていると共に、周方向に等間隔に設けられていたが、支持ゴム弾性体や薄肉ゴム膜の形状や大きさを異ならせたり、それらを不等間隔に設けたりすることで、剛性を周方向で変化させても良い。これは、特に主たる入力振動の入力方向が特定の径方向に限定される場合等に優れた制振効果を得る上で、有効である。
また、薄肉ゴム膜20も、必ずしも単一形状ではなくて良く、膜の厚さや平面形状が異なる薄肉ゴム膜20を組み合わせて採用することも出来る。更に、薄肉ゴム膜20の傾斜角度:αは、前記実施形態における具体的な記載によって何等限定されるものではない。更にまた、複数形成される薄肉ゴム膜20の傾斜角度の大きさは、一定とされている必要はなく、互いに異なっていても良い。具体的には、例えば、複数の薄肉ゴム膜の傾斜角度をそれぞれ調節し、周方向で変化させることも可能である。
また、前記実施形態では、支持ゴム弾性体16や薄肉ゴム膜20が、偶数個の6つ設けられていることによって、副振動系のばねの弾性主軸が傾斜するのが好適に防止されていたが、必ずしも当該数に限定されるものでなく、例えば4つの他、奇数個の5つ等が採用されても良い。
さらに、前記実施形態に示したような複数の薄肉ゴム膜20が何れも周方向に傾斜する構成要件や、周方向で隣り合う薄肉ゴム膜20a,20bの周方向での傾斜が互いに逆向きとなっている構成要件は必須ではなく、例えば、複数の薄肉ゴム膜の少なくとも一つが周方向に傾斜して、その他の薄肉ゴム膜は軸直角方向に広がる形状としたり、或いは複数の薄肉ゴム膜が全て同じ周方向に傾斜することも可能である。
以下に、前記実施形態に係る筒形ダイナミックダンパ10と異なる具体例の筒形ダイナミックダンパについて、図面を参照しつつ説明するが、前記実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位については、図中に前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
すなわち、前記実施形態では、薄肉ゴム膜20の縦断面が、ダンパ10の軸方向に傾斜しないでいたが、図7にも示されているように、薄肉ゴム膜20’の縦断面を軸方向に傾斜させても良い。換言すると、薄肉ゴム膜20が、ダンパ中心軸と平行に延びる弾性取付部12および金属マス14の軸方向線に対して傾斜していても良い。これにより、金属マス14と弾性取付部12の間の軸直角方向の振動入力時に、薄肉ゴム膜20’が容易に剪断変形することで、薄肉ゴム膜20’の圧縮引張変形を一層抑えることが出来、かかる圧縮引張変形に起因する副振動系のばね定数への影響をより小さくすることが出来る。また、軸方向に傾斜した薄肉ゴム膜20’によって、ばね系の弾性主軸が振動入力方向となる軸直角方向に対して傾斜せしめられることとなっても、本実施形態の如く周方向にも傾斜した薄肉ゴム膜20’が採用されていることによって、該弾性主軸の傾斜に起因する金属マス14の首振り変位が好適に抑えられるのである。
また、薄肉ゴム膜は、上述の軸方向に代えて或いは加えて、他の方向に傾斜していても良い。即ち、薄肉ゴム膜の周方向の傾斜に基づく首振り防止機能が安定して得られる形態下において、薄肉ゴム膜の形状は特に限定されない。
さらに、前記実施形態では、支持ゴム弾性体16a,16bが、金属マス14の軸方向中央部分に広がる周方向線:lを外れた位置において、周方向線:lを挟んで軸方向で互いに異なる位置の弾性取付部12の外周部分に配されると共に、周方向で交互に形成されるようになっていた。しかし、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば図8に示されるような別の態様を含んでいる。即ち、支持ゴム弾性体16a,16bは、周方向線:lを通る平面上で周方向に所定の間隔(本態様では等間隔)で設けられると共に、周方向線:lから軸方向両側に向かって同じ長さだけ軸方向に延びるようにしても良い。また、図8に示されるように、各薄肉ゴム膜20a,20bは、一方(図8中、下)の薄肉ゴム膜20a,20bの周方向一端部が支持ゴム弾性体の16a,16bの軸方向一方(図8中、左又は右)の端部付近に接続され、且つ他方(図8中、上)の薄肉ゴム膜20a,20bの周方向他端部が支持ゴム弾性体の16a,16bの軸方向他方(図8中、右又は左)の端部付近に接続されるようにして、周方向線:lに対して傾斜していても良い。また、本態様では、前記実施形態と同様に、ダイナミックダンパ10の軸方向における支持ゴム弾性体16の厚さ寸法:T’を、ダイナミックダンパ10の軸方向における薄肉ゴム膜20の厚さ寸法:t’の2〜14倍としても良い。
また、例えば特許文献2(特開2000−55130号公報)にも示されているように、弾性取付部の軸方向一方の端部を軸方向外方に延長し、かかる延長部分に締付バンドを外嵌して、締付バンドによる締め付け力によってドライブシャフトに対する固定力を一層大きくしても良い。
加えて、前記実施形態では、本発明が、自動車のドライブシャフト用の制振装置として採用されるものの具体例を示していたが、自動車または自動車以外の各種装置に設けられるアームや流体管路等の各種のロッド状振動体の制振用ダイナミックダンパとして適用可能である。
本発明の一実施形態としての筒形ダイナミックダンパを示す正面図。 図1のII−II断面図。 図1のIII−III断面図。 同筒形ダイナミックダンパの一部を理解し易いように示す側面説明図。 同筒形ダイナミックダンパの一部を理解し易いように示す斜視説明図。 同筒形ダイナミックダンパの一部を周方向に展開した形態で拡大して示す側面図。 同筒形ダイナミックダンパと異なる一具体例としての筒形ダイナミックダンパの一部を示す縦断面図。 同筒形ダイナミックダンパと異なる一具体例としての筒形ダイナミックダンパの一部を周方向に展開した形態で拡大して示す側面図。
符号の説明
10…筒形ダイナミックダンパ、12…弾性取付部、14…金属マス、16…支持ゴム弾性体、20…薄肉ゴム膜

Claims (13)

  1. 弾性体で形成されてロッド状振動体に外挿される筒状固定部を有すると共に、該筒状固定部よりも大径の筒体形状を呈するマス部材が該筒状固定部と同一中心軸上に配設される一方、該筒状固定部と該マス部材の対向面間には周上の複数箇所で軸直角方向に延びる複数の弾性連結部が形成されていると共に、それら複数の弾性連結部の周方向間には薄肉膜状の弾性膜状部が該弾性連結部と一体形成されており、該筒状固定部と該マス部材が該弾性連結部および該弾性膜状部によって相互に連結された筒形ダイナミックダンパにおいて、
    複数の前記弾性膜状部の少なくとも一つが、前記筒状固定部および前記マス部材の周方向線に対して傾斜していることを特徴とする筒形ダイナミックダンパ。
  2. 周方向で隣り合う前記弾性連結部が軸方向で互いに異なる位置に設けられている請求項1に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  3. 前記弾性膜状部の周方向一方の端部が、前記筒状固定部および前記マス部材の軸方向中央部分の前記周方向線を挟んだ軸方向一方の前記弾性連結部における該周方向線に近い側の軸方向端部と一体形成されていると共に、該弾性膜状部の周方向他方の端部が、該周方向線を挟んだ軸方向他方の前記弾性連結部における該周方向線に近い側の軸方向端部と一体形成されている請求項1又は2に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  4. 前記弾性膜状部が周方向に展開した形態で直線的に延びている請求項1乃至3の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  5. 前記弾性連結部を挟んだ周方向両側の一対の該弾性連結部が軸方向で同じ位置に設けられている請求項1乃至4の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  6. 前記弾性膜状部の各部位が、前記筒状固定部および前記マス部材の中心軸に対する直交線に沿って延びている請求項1乃至5の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  7. 前記弾性膜状部の厚さ寸法が0.3〜2.0mmとされる請求項1乃至6の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  8. 前記周方向線に対して一方の向きに傾斜する前記弾性膜状部と他方の向きに傾斜する前記弾性膜状部が周方向で交互に形成されていると共に、それら一方の弾性膜状部と他方の弾性膜状部が前記筒状固定部と前記マス部材の対向面間においてそれぞれ同じ数だけ設けられている請求項1乃至7の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  9. 前記筒状固定部が前記ロッド状振動体に圧入固定されるようになっており、該筒状固定部の該ロッド状振動体に対する圧入代が5〜30%とされる請求項1乃至8の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  10. 前記筒状固定部および前記マス部材の軸方向中央部分の前記周方向線を外れた位置において、互いに軸方向の位置が異なる前記弾性連結部の一対が周方向で交互に形成されている請求項1乃至9の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  11. 前記弾性膜状部が前記筒状固定部および前記マス部材の軸方向線に対して傾斜している請求項1、2、3、4、5、7、8、9、10の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  12. 前記複数の弾性連結部が、前記筒状固定部および前記マス部材の軸方向中央部分の前記周方向線を通る平面上において周方向に等間隔に設けられていると共に、該周方向線から軸方向両側に向かって同じ長さで延び出すように形成されている一方、複数の前記弾性膜状部の少なくとも一つが、前記筒状固定部および前記マス部材の周方向線に対して傾斜していることにより、該弾性膜状部の周方向一方の端部が周方向で隣接する該弾性連結部の一方における軸方向一方の側の端部に連結されると共に、周方向他方の端部が該弾性連結部の他方における軸方向他方の側の端部に連結されている請求項1、3、4、6、7、8、9、11の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
  13. 前記弾性連結部の軸方向厚さ寸法が前記弾性膜状部の軸方向厚さ寸法の2〜14倍とされている請求項1乃至12の何れか一項に記載の筒形ダイナミックダンパ。
JP2007125726A 2006-05-25 2007-05-10 筒形ダイナミックダンパ Pending JP2008002677A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007125726A JP2008002677A (ja) 2006-05-25 2007-05-10 筒形ダイナミックダンパ
DE200710023648 DE102007023648A1 (de) 2006-05-25 2007-05-22 Zylindrischer dynamischer Dämpfer

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006145132 2006-05-25
JP2007125726A JP2008002677A (ja) 2006-05-25 2007-05-10 筒形ダイナミックダンパ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008002677A true JP2008002677A (ja) 2008-01-10

Family

ID=38830832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007125726A Pending JP2008002677A (ja) 2006-05-25 2007-05-10 筒形ダイナミックダンパ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2008002677A (ja)
DE (1) DE102007023648A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106870629A (zh) * 2017-03-31 2017-06-20 桂林电子科技大学 一种具有消除刚性壳体震动功能的震动消除装置及附加式实验分析装置
US20230001436A1 (en) * 2019-12-12 2023-01-05 Yonwoo Co., Ltd. Elastic member and pump assembly comprising same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106870629A (zh) * 2017-03-31 2017-06-20 桂林电子科技大学 一种具有消除刚性壳体震动功能的震动消除装置及附加式实验分析装置
US20230001436A1 (en) * 2019-12-12 2023-01-05 Yonwoo Co., Ltd. Elastic member and pump assembly comprising same
US11813626B2 (en) * 2019-12-12 2023-11-14 Yonwoo Co., Ltd. Elastic member and pump assembly comprising same

Also Published As

Publication number Publication date
DE102007023648A1 (de) 2008-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4636441B2 (ja) 筒形ダイナミックダンパ
JP5759328B2 (ja) 防振装置
US10451133B2 (en) Tubular vibration-damping device
JP2008032121A (ja) 筒状制振装置とその製造方法および筒状制振装置を備えた装着構造体
US11028894B2 (en) Tubular vibration-damping device
JP6149116B2 (ja) 筒型防振装置
JP2009108912A (ja) ダイナミックダンパ及びダイナミックダンパ構成部材の組合せ構造体
US20170152909A1 (en) Vibration damping apparatus
WO2021085029A1 (ja) 車体ダンパーブレース
JP2007263341A (ja) 防振装置
JP2008002677A (ja) 筒形ダイナミックダンパ
JP5806877B2 (ja) 防振ブッシュ
JP5916502B2 (ja) 防振支持構造体
JP2009085315A (ja) 筒型防振装置
JP2003090375A (ja) 筒型防振装置
JP2014066297A (ja) 筒型防振装置
JP3627527B2 (ja) 筒形防振マウント
JP2006266383A (ja) ダイナミックダンパ
JP2010060023A (ja) 防振ブッシュ
JP6182077B2 (ja) 筒形防振装置
JP5396252B2 (ja) 筒形防振装置
JP2002235784A (ja) 防振支持装置
JP2018159455A (ja) 筒形防振装置
JP2007278501A (ja) 防振マウント
JP2023070307A (ja) トルクロッド