JPH1127050A - 電圧−周波数コンバータおよびそれを用いた周波数シンセサイザ - Google Patents

電圧−周波数コンバータおよびそれを用いた周波数シンセサイザ

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JPH1127050A
JPH1127050A JP9190738A JP19073897A JPH1127050A JP H1127050 A JPH1127050 A JP H1127050A JP 9190738 A JP9190738 A JP 9190738A JP 19073897 A JP19073897 A JP 19073897A JP H1127050 A JPH1127050 A JP H1127050A
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output
frequency
voltage
clock
comparator
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JP9190738A
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Inventor
Hideyuki Nosaka
秀之 野坂
Akihiro Yamagishi
明洋 山岸
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力周波数の絶対精度を無調整で得ることが
可能で、直線性がよく、位相ジッタをふくまない電圧−
周波数変換器を提供する。 【解決手段】 第一の電圧(VM )と第二の電圧(V
0 )の差の電圧、又は第三の電圧(VN )と前記第二の
電圧(V0 )の差の電圧のどちらか一方を制御入力に従
って選択して積分する積分器と、この積分器の出力電圧
と、スレッショルド電圧とを比較し、両電圧の大小に応
じて出力の論理レベルのハイ、ローを切り換えるコンパ
レータと、このコンパレータの出力をトリガとして出力
周波数を与えるマルチバイブレータと、前記コンパレー
タの出力をデータとして入力し、前記クロックをトリガ
として入力し、出力を前記積分器の制御入力に送出する
D−FFと、を備え前記第三の電圧(VN )に対応する
出力周波数(fOUT )を提供する電圧−周波数コンバー
タ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡単な回路構成で
周波数純度が高い出力信号が得られ、周波数シンセサイ
ザに適用可能である電圧−周波数コンバータに関する。
また、出力周波数の絶対値を入力データで精度よく設定
することが可能であるデジタル同期発振器に関する。ま
た、高速周波数切替が可能なPLL周波数シンセサイザ
に関する。
【0002】
【従来の技術】図11、及び図12は従来の電圧−周波
数コンバータ(VFC)の構成を示す(参考文献 アナ
ログデバイセズ社、コンバータ・データブック1995
/1996)。
【0003】図11は電荷平衡型VFCと呼ばれる構成
のVFCである。数字符号1はオペアンプ、2は抵抗
器、3はコンデンサ、4はコンパレータ、5はスイッ
チ、6は電流源、7はワンショット・マルチバイブレー
タ、8は電圧入力端子、9は負の電源電圧、10はスレ
ッショルド電圧入力端子、11は周波数出力端子を表し
ている。
【0004】オペアンプ1、抵抗器2、コンデンサ3は
積分器を構成している。電圧入力端子8に印加される電
圧VINは積分器のコンデンサ3をチャージする電流(I
=VIN/R)を発生し、コンデンサ3に電荷が蓄積する
のに従って積分器の出力電圧は減少していく。積分器出
力電圧がコンパレータ4のスレッショルド以下になる
と、コンパレータ4は直ちにワンショット・マルチバイ
ブレータ7をトリガする。ワンショット・マルチバイブ
レータ7がアクティブ状態の期間中スイッチ5はVIN
に切り替わり、電流源6は積分器のコンデンサ3を先ほ
どと逆方向にチャージするので、積分器出力電圧は増加
する。ワンショット・マルチバイブレータ7が待機状態
に戻るとスイッチ5はオペアンプ1出力側に切り替わ
り、再び積分器は電圧入力端子8の電圧VINによるチャ
ージを始める。電荷平衡型VFCの出力周波数fOUT
は、入力電圧VINに比例し抵抗器2の抵抗値Rに反比例
しコンデンサ3の容量値Cに反比例する。出力信号の各
パルスは等間隔であり、スプリアス特性が良い特徴を持
つ。
【0005】図12は同期型VFCと呼ばれる構成のV
FCである。数字符号1はオペアンプ、2は抵抗器、3
はコンデンサ、4はコンパレータ、5はスイッチ、6は
電流源、7はワンショット・マルチバイブレータ、8は
電圧入力端子、9は負の電源電圧、10はスレッショル
ド電圧入力端子、11は周波数出力端子、12はAND
ゲート、13はD−FF、14は入力クロック端子を表
している。
【0006】前述の電荷平衡型VFCではコンパレータ
4の出力が直ちにワンショットをトリガする。一方、同
期型VFCではコンパレータ4に出力が現れた後、クロ
ックパルスが入力されてからD−FF13がONに切り
替わり、ワンショットがトリガされる。スイッチ5は、
D−FF13がON状態である1クロック周期の期間、
入力電圧VIN側に切り替わる。
【0007】同期型VFCの特徴は、出力パルスが完全
に入力クロックに同期している点にある。例えば、適当
なVINを印加し、入力電流を電流源6の電流の1/4と
すると、入力電流の積分に3クロック周期、電流源6の
積分に1クロック周期が費やされる。ここで、入力電流
をわずかに増加すると、コンデンサ3に電荷が少しずつ
蓄積されるが、初めのうちは出力にまったく影響を及ぼ
さない。しかし、積分器の出力電圧のドリフトが進むに
つれ、やがて今まで入力電流の3クロック周期の積分で
スレッショルド電圧に達していたものが、2クロックの
入力電流の積分でスレッショルド電圧に達し、1周期が
失われる。すなわち4周期の動作の中に3周期が混じる
ことになり、平均の出力周波数はクロック周波数の1/
4に近いが、瞬時の周波数は平均の周波数から大きくは
ずれている。これは出力信号が入力クロックに同期して
いるために、時間軸が量子化されている結果である。同
期型VFCは電荷平衡型に比べて入力電圧と出力周波数
の直線性がよい特徴がある。
【0008】図13には従来のデジタル同調発振器(D
igitally Tuned Oscillato
r;DTO)の構成を示す。図13において、数字符号
11は周波数出力端子、18はデジタル−アナログ変換
器(DAC)、19はVCO、20はROM、21はデ
ータ入力端子を表している。図13(a)は最も基本的
なDTOの構成であり、入力されるデジタルデータはD
AC18において電圧に変換され、この電圧に対応する
発信周波数fOUT が出力される仕組みである。図13
(b)は設定データの値に比例した発振周波数fOUT
得ることを目的として、VCOの電圧−周波数特性の非
直線性を補正するためにROM20が挿入されている。
【0009】図14には従来の初期値提示型のPLL周
波数シンセサイザの構成を示す。数字符号11は周波数
出力端子、14はクロック入力端子、18はDAC、1
9はVCO、22は位相比較器、23はループフィル
タ、24は加算器、25は分周器、26は制御回路、2
7はデータ入力端子を表す。初期値提示型のPLL周波
数シンセサイザは、基本的なPLL回路に、デジタル同
調発振器DTO(Digitally Tuned O
scillator)を加算器を介して組み合わせた構
成である。PLL周波数シンセサイザにおいて周波数を
切り換える場合、一般に切替前後の周波数差が小さいほ
ど短い時間で周波数切替が完了する。そこで、周波数切
替を行う際、DTOに切替後の周波数を設定してごく近
い周波数で発振させておいてから位相同期させることに
より、位相同期にかかる時間を短縮している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のVFCである電
荷平衡型VFCの出力周波数fOUT は、抵抗器2の抵抗
値Rだけでなく、電流源6の電流値、ワンショット・マ
ルチバイブレータ7のパルス幅などの関数になっている
ので、出力周波数の絶対値は製造ばらつきにより大きく
影響を受ける上、温度変化、経年変化などでデバイスパ
ラメータが変化すると、これに伴い出力周波数が変化す
るので、周波数の安定性が求められる周波数シンセサイ
ザへの適用は難しい。また、同期型VFCは電荷平衡型
に比べて入力電圧と出力周波数の直線性がよい特徴があ
るものの、出力信号は大きなジッタを含むので、周波数
シンセサイザなど周波数純度の高い信号が必要なアプリ
ケーションには向かない。
【0011】また、従来のDTOではVCOの非直線性
をROMで補正することが可能であるものの、温度変
化、経年変化によるVCOの電圧−周波数特性の変化は
補正が難しい。
【0012】また、従来の初期値提示型のPLL周波数
シンセサイザでは、周波数切替時にDTOの方法により
VCOの初期値を与えるので、この周波数の初期値の精
度はDTOの精度で決まる。周波数切替時間を短くする
ためには周波数初期値の精度が求められるが、この初期
値の精度を上げるためには、VCOの電圧−周波数特性
を記憶するROMが必要になる。さらに精度を上げるた
めVCOの経年変化等を補正するためには、電圧−周波
数特性の記憶情報を順次更新する必要があり、構成が複
雑になる問題点がある。
【0013】本発明の目的は、従来のVFCの特徴であ
る簡単な回路構成である特長を残しながら、出力周波数
の絶対精度を無調整で得ることが可能で、入力電圧と出
力周波数の直線性がよく、なおかつ出力信号に位相ジッ
タを含まないVFCを提供することにある。また、この
VFCの原理を適用し、ROMを用いることなく所望の
周波数を設定できるDTOを提供する。
【0014】さらに本発明のDTOを初期値提示型のP
LL周波数シンセサイザに適用することで、従来よりも
簡単な回路構成により高速周波数切替が可能な局部発振
器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のVFCは、出力
信号をコンパレータ出力から取り出すことで、電荷平衡
型VFCの特徴である良好なスプリアス特性を得る一方
で、コンパレータ出力をD−FFにも入力し、このD−
FFを外部クロックでトリガし、このD−FFの出力に
より入力電圧(あるいは入力電流)を切り換えることに
より、同期型VFCと同様にクロックに同期した積分を
行い、良好な入力電圧と出力周波数の直線性を得るのと
同時に出力周波数の絶対値を入力電圧で精度よく設定す
ることを可能としたことを最も主要な特徴とする。従来
技術とは、外部クロックを入力しながら、出力信号がク
ロックに必ずしも同期しないことが異なり、出力信号の
パルスが等間隔になることから、良好なスプリアス特性
を持つ出力信号が得られ、発振器や周波数シンセサイザ
等のアプリケーションへの適用が可能である。
【0016】本発明のDTOは、本発明のVFCと同じ
動作原理を利用し、設定されたデジタルデータを反映し
た2種類の時定数の積分動作を繰り返すことにより、設
定された周波数の信号を精度よく出力することを最も主
要な特徴とする。従来技術とはVCOを使用しない点が
異なり、VCOを使用した場合に問題となる発振周波数
のデバイス依存性、温度変化、経年変化を低く抑えるこ
とができる。
【0017】本発明のPLL周波数シンセサイザは、従
来のVCOを本発明のVFCに置き換え、PLLが位相
同期すべき周波数に対応するVFCの入力電圧を、PL
Lのループフィルタ出力と加えてVFCに送出する回路
構成であり、周波数切替時VFCが位相同期すべき周波
数を精度よく発振してから位相引き込み動作をするの
で、高速周波数切替が可能であることを最も主要な特徴
とする。従来の初期値設定型のPLL周波数シンセサイ
ザと比較して、簡単な回路構成でありながら精度の良い
初期値提示が可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のVFCは、複数の入力電
圧をスイッチで切り換えて積分する積分器、積分器の出
力電圧をスレッショルド電圧と比較するコンパレータ、
コンパレータの出力を入力して直ちにパルスを出力する
ワンショット、コンパレータの出力を入力データとしク
ロックのパルスをトリガとするD−FFとから構成され
る。クロックに同期されたD−FFの信号を前記スイッ
チに入力することで入力電圧切り換えのタイミングをク
ロックに同期させる一方で、ワンショットはクロックと
非同期であるコンパレータ出力により直接トリガするこ
とにより、入力電圧で出力周波数の絶対値の設定が可能
で、出力信号の良好なスプリアス特性を実現する。
【0019】(第一の実施例:請求項1)図1は本発明
第一の実施例を示す図である。この図において数字符号
1はオペアンプ、2は抵抗器、3はコンデンサ、4はコ
ンパレータ、7はワンショット・マルチバイブレータ、
8は電圧VM 入力端子、11は周波数出力端子、12は
ANDゲート、13はD−FF、14はクロック入力端
子、15はスイッチ、16は電圧V0 入力端子、17は
電圧VN 入力端子、41は制御入力の論理レベルにより
2種類の時定数を切り換える積分器を表している。
【0020】第一の実施例に示すVFCは、入力する電
圧VM 、V0 、VN (VM >V0 、VN >V0 )を用い
て、 fOUT =((VN −V0 )/(VM −V0 ))・fCLK (1) で表される周波数の信号を出力する。但し入力電圧は、 VN −V0 <(VM −V0 )/2 (2) を満たすものとする。
【0021】図2にはVM =8、V0 =0、VN =3と
した場合の本発明第一の実施例の各部の波形を示す。
(a)はクロック、(b)は積分器41の出力電圧、
(c)はコンパレータ4の出力、(d)はD−FF13
の出力、(e)はワンショット・マルチバイブレータ7
の出力を表している。初め、積分器41の出力電圧がス
レッショルド電圧VS に達しておらず、コンパレータ
4、D−FF13がローレベルを出力しているものとす
ると、スイッチ15はV0 を選択し、積分器41の出力
電圧はVN −V0 =3に比例した傾きで増加する。この
期間を積分期間と呼ぶことにする。積分器41の出力電
圧がスレッショルド電圧VS に達すると、コンパレータ
4がハイレベルに反転し、直ちにワンショット・マルチ
バイブレータ7がパルスを発生する。一方でD−FF1
3はクロックが入力されるまでローレベルの出力を保
ち、スイッチ15はV0 を選択し続ける。クロックパル
スが入力されると、D−FF13はハイレベルに反転
し、これに従ってスイッチ15はVMを選択する。スイ
ッチ15がVM を選択している期間、出力電圧はVN
M =−5に比例した傾きで減少する。この期間をリセ
ット期間と呼ぶことにする。(2)式より|VN −VM
|>|VN −V0 |が成り立つので、積分器41の出力
電圧は1クロック以内にスレッショルド電圧VS を下回
る。従って、次のクロックの入力と共にD−FF13は
ローレベルに反転し、スイッチ15はV0 を選択し、再
び積分期間に入る。なお、ANDゲート12は、リセッ
ト期間を確実に1クロックで終了させる目的と、コンパ
レータ4出力の立ち下がり時に発生する不要なジッタに
よるワンショット・マルチバイブレータ7の誤動作を防
ぐ目的でD−FF13の前段に挿入されているが、原理
的には挿入する必要はない。
【0022】VM −VN とVM −V0 が整数比で表され
る場合、VM −V0 クロック周期分の時間内に、積分期
間がVM −VN クロック周期分、リセット期間がVN
0クロック周期分現れる。この結果、VM −V0 クロ
ック周期分の時間が経過すると積分器の出力電圧は元の
電圧に戻ることになる。図2ではVM =8、V0 =0、
N =3であるので、8クロック周期分の時間内に積分
期間が5クロック周期分、リセット期間が3クロック周
期分現れており、8クロック周期経過後に積分器の出力
電圧は元の電圧に戻っている。
【0023】すでに述べたようにリセット期間は必ず1
クロック周期であるので、図2(b)に示す積分器の出
力電圧の直線のうち、積分期間の直線(時間と共に電圧
が増加する直線)は必ず等間隔に並ぶ。従ってこの直線
がスレッショルド電圧VS と交差するタイミングも等間
隔となり、この結果コンパレータ4により直接トリガさ
れるワンショット・マルチバイブレータ7の出力パルス
は等間隔となる。
【0024】次にVM −VN とVM −V0 が整数比で表
されない場合について述べる。図3はVN を3よりも僅
かに小さくした場合の第一の実施例の各部の波形を示
す。積分器の出力電圧の時間変化は積分期間及びリセッ
ト期間両期間ともにVN =3の場合よりも僅かに小さく
なり、この結果、積分器出力の各直線がスレッショルド
電圧VS と交差するタイミングは時間の経過と共に少し
ずつ遅くなって行く。しかしながらD−FF13の出力
パルスは初めのうちはVN =3の場合とまったく変わら
ない。積分器の出力電圧が負方向にドリフトして行きそ
れまでの積分期間ではスレッショルド電圧VS に達さな
くなると初めてD−FF13は1クロック分遅れてパル
スを出力する。すなわち、D−FF13の出力信号の瞬
時の周波数は、D−FF13の出力信号の平均の周波数
から大きくはずれることになる。一方で、VM −VN
0 −VM が整数比で表されない場合においてもリセッ
ト期間は必ず1クロック周期であるので、ワンショット
・マルチバイブレータ7の出力パルスは等間隔となり、
その周波数はD−FF13出力の平均周波数と一致す
る。従って、VN 、VM 、V0 の電圧を連続的に変化さ
せるとワンショット・マルチバイブレータ7の出力のパ
ルス間隔は連続的に変化し、周波数は(1)式に従って
連続的に変化することになる。なお、ワンショット・マ
ルチバイブレータ7をT−FF(双安定マルチバイブレ
ータ)に置き換えると、T−FFの出力からはデューテ
ィ比50%の矩形波が得られる。この場合、T−FFの
出力周波数は(1)式の1/2の周波数となる。
【0025】図4は本発明第一の実施例を実現した試作
の各部の波形である。入力クロック周波数は1MHz、
入力電圧はそれぞれVM =4.0V、V0 =0V、VN
=1.5Vであり、(a)は入力クロック、(b)は積
分器41出力、(c)はD−FF13出力、(d)はワ
ンショット・マルチバイブレータ7出力である。クロッ
クパルスが8個入力される時間内に、D−FF13出
力、ワンショット・マルチバイブレータ7出力とも3個
のパルスを出力していることがわかる。ここで、D−F
F13出力はクロックに同期している反面、ワンショッ
ト・マルチバイブレータ7出力は等間隔に出力されてい
る。
【0026】図5、図6は本発明第一の実施例を実現し
た試作の出力スペクトルを示す。入力クロック周波数は
1MHz、入力電圧はそれぞれVM =4.0V、V0
0V、VN =1.5Vである。図5はD−FF13の出
力スペクトル(従来の同期型VFCの出力に対応)、図
6はワンショット・マルチバイブレータ7の代わりに置
き換えたT−FFの出力スペクトルである。図5におい
て、マーカで示した目的の周波数375kHz以外に大
きなスプリアスが存在し、そのレベルは−10dBcを
超えている。一方図6においては、マーカで示した目的
の周波数187.5kHz以外のスプリアスは抑えられ
ており、最大でも−40dBc以下の結果が得られた。
【0027】本発明第一の実施例のVFCの入力電圧と
出力周波数の関係は(1)式で表される。出力周波数は
クロック周波数と入力電圧で決定され、VFCを構成す
る抵抗器1やコンデンサ3の値には依らない(これらの
値のばらつきによる積分器41の出力電圧のずれは積分
期間とリーク期間でキャンセルする)ので、R、Cの値
が直接発振周波数に反映されるVCOに比べて、発振周
波数のデバイス依存性、温度変化、経年変化を低く抑え
ることができる。
【0028】(第二の実施例:請求項2)図7は本発明
第二の実施例を示す図である。この図において数字符号
1はオペアンプ、2は抵抗器、3はコンデンサ、4はコ
ンパレータ、7はワンショット・マルチバイブレータ、
11は周波数出力端子、12はANDゲート、13はD
−FF、14はクロック入力端子、15はスイッチ、2
8、29はDAC、30、31はデータ入力端子、42
は制御入力の論理レベルにより2種類の時定数を切り換
える積分器を表している。
【0029】本発明第二の実施例は、第一の実施例の電
圧入力部にDAC28、DAC29を設けることによ
り、デジタルデータを入力し、これに対応する出力周波
数が得られるDTO(デジタル同調発振器)を実現した
ものである。第一の実施例のVFCにおいて、電圧入力
0 を接地し、VM とVN にはそれぞれデジタルデータ
M、Nに比例した電圧を印加する。発振周波数は(1)
式よりデジタルデータM、Nによって表され、 fOUT =(N/M)・fCLK (3) となる。このように発振周波数はクロック周波数と入力
デジタルデータで決定され、DTOを構成する抵抗器2
やコンデンサ3の値には依らない(これらの値のばらつ
きによる積分器41の出力電圧のずれは積分期間とリー
ク期間でキャンセルする)ので、R、Cの値が直接発振
周波数に反映される従来のVCOを用いたDTOに比べ
て、発振周波数のデバイス依存性、温度変化、経年変化
を低く抑えることができる。
【0030】図7では第一の実施例のVFCのVM 、V
N 入力にDACを設けているが、DACの接続の仕方は
これに限られるものではない。例えば、単に入力データ
に比例した周波数出力を得るためには、電圧入力VM
は一定電圧を与えておけばよく、DAC29は不要であ
る。
【0031】(第三の実施例:請求項2)図8は本発明
第三の実施例を示す図である。この図において数字符号
4はコンパレータ、7はワンショット・マルチバイブレ
ータ、11は周波数出力端子、12はANDゲート、1
3はD−FF、14はクロック入力端子、30、31は
データ入力端子、32、33は電流スイッチ、34はコ
ンデンサ、37はデジタルデータMのビット個数のAN
Dゲート、43は制御入力の論理レベルにより2種類の
時定数を切り換える積分器を表している。
【0032】本発明は第二の実施例のDTOにおける積
分器42の働きを、電流スイッチ32、33、コンデン
サ34及びANDゲート37で実現する。電流スイッチ
32、33は、入力されるデジタルデータに比例した電
流をそれぞれ流し出し、流し込む。電流スイッチ32は
デジタルデータNが入力され、常にNに比例した電流を
流し出す。D−FF13の出力がロー(積分期間)の
時、ANDゲート37のすべての出力はローとなり、電
流スイッチ33のすべてのスイッチはオフとなる。一方
D−FF13の出力がハイ(リーク期間)の時、AND
ゲート37はデジタルデータMをそのまま出力し、電流
スイッチ33はMに比例した電流を流し込む。ここで、
電流スイッチ32及び電流スイッチ33は同じ設定デー
タに対して同じ絶対値かつ逆極性の電流を発生するもの
とする。
【0033】積分期間では電流スイッチ33はオフであ
り、コンデンサ34にはNに比例した電流が流れ込む。
従ってコンデンサ34の電流スイッチ側の電圧はNに比
例する傾きで増加する。一方、リーク期間では電流スイ
ッチ32からNに比例した電流が流れ出し、電流スイッ
チ33にMに比例した電流が流れ込むので、結果として
N−M(<0)に比例した電流がコンデンサ34に流れ
込む(M−Nに比例した電流がコンデンサ34から流れ
出す)。従ってコンデンサ34の電流スイッチ側の電圧
は減少する事になり、その傾きはN−Mに比例する。
【0034】例えば、MをNの4倍の値に設定した場
合、クロック3周期の積分期間とクロック1周期のリー
ク期間が繰り返し現れ、クロック4周期でコンデンサ3
4の電流スイッチ側の電圧は元の電圧に戻る。すなわ
ち、発振周波数はデジタルデータM、Nを用いて(3)
式で表される。第三の実施例は第二の実施例と比較し
て、オペアンプを使わないで積分動作をさせるので、ク
ロック周波数及び出力周波数を高くできる特長がある。
【0035】(第四の実施例:請求項2)図9は本発明
第四の実施例を示す図である。この図において数字符号
4はコンパレータ、7はワンショット・マルチバイブレ
ータ、11は周波数出力端子、12はANDゲート、1
3はD−FF、14はクロック入力端子、30、31は
データ入力端子、34はコンデンサ、38、39は電流
スイッチ、40はカレントミラー、44は制御入力の論
理レベルにより2種類の時定数を切り換える積分器を表
している。
【0036】第三の実施例のDTOにおける電流スイッ
チ32及び電流スイッチ33は同じ設定データに対して
同じ絶対値で逆極性の電流を発生する必要があるが、無
調整で両電流スイッチ間の相対精度を出すのは一般に難
しい。そこで、本発明第四の実施例では、同じ極性の電
流スイッチ38、39を用い、そのうち片方の電流出力
をカレントミラー40により逆極性の電流に変換するこ
とにより、相対精度の良い逆極性の電流を発生させる。
これにより、本発明第四の実施例のDTOは無調整で絶
対精度の良い出力周波数が得られる。
【0037】図9において、カレントミラー40は電流
スイッチ38に流れ込む電流Iと同じ値の電流をもう一
方のポートから流し出す。この様な働きをするカレント
ミラーは、一般に動作速度が遅いpnpタイプのバイポ
ーラトランジスタ、あるいはPMOSを必要とするが、
設定データNが一定の場合、電流スイッチ38は常に同
じ値の電流を流し込み続ける。従って、本DTOに定常
動作をさせる限りではカレントミラー40の動作速度は
問題にならない。本DTOの設定周波数を切り換える場
合に、カレントミラー40の動作速度がDTOの切替時
間のネックとなる可能性はある。
【0038】(第五の実施例:請求項3)図10は本発
明第五の実施例を示す図である。この図において数字符
号11は周波数出力端子、14はクロック入力端子、1
9はVFC、22は位相比較器、23はループフィル
タ、24は加算器、25は分周器、26、27はデータ
入力端子、35、36はDACを表している。
【0039】本発明第五の実施例は、PLL周波数シン
セサイザにおいて、従来のVCOを、第一の実施例のV
FCを利用したDTOに置き換えた構成である。PLL
周波数シンセサイザにおいて周波数を切り換える場合、
一般に切替前後の周波数差が小さいほど短い時間で周波
数切替が完了する。そこで、周波数切替時にDTOを切
替後の周波数に設定してから位相引き込みを行うことに
より、高速周波数切替を可能としている。従来のVCO
を用いたDTOと比較して、第一の実施例のVFCを利
用したDTOは出力周波数を精度よく設定することが可
能であるため、高速に位相同期させることができる。従
来のDTOにおいても、VCOの電圧−周波数特性の非
直線性を補正するためにROMを設けることにより、出
力周波数を精度よく設定することが可能であるものの、
ROMを用いるために構成が複雑になる上、消費電力が
大きくなる問題がある。
【0040】本発明第五の実施例のPLL周波数シンセ
サイザの出力周波数fOUT は基準周波数fREF を用いて
次式で表される。 fOUT =N・fREF (4) ここで、Nは分周器25の分周比である。
【0041】DAC35、36、加算器24、VFC1
9から構成されるDTOは、ループフィルタ23から入
力される電圧がゼロの場合、次式で表される周波数f
OUT'を出力する。 fOUT'=(N/M)・fCLK (5) ここで、N、Mはそれぞれデータ入力端子26、27か
ら入力されるデジタルデータの値、fCLK はクロック周
波数である。クロック周波数fCLK を基準周波数fREF
のM倍の周波数に選べば、(5)式は fOUT'=N・fREF (6) と表される。すなわちDTOの出力周波数(6)式は、
PLLの出力周波数(4)式に一致する。
【0042】本実施例のPLL周波数シンセサイザは、
出力周波数を切り換える場合、入力データの値Nが前記
DTOに入力され、まず(6)式で表される周波数を出
力する。この後にPLLの働きにより(4)式で表され
る周波数に位相同期されるので、DTOを設けない場合
に比べ位相同期に要する時間が大幅に短縮できる。
【0043】PLL周波数シンセサイザにVFCを適用
しようとする場合、そのVFCの出力周波数の入力電圧
(あるいは電流)に対する絶対精度、出力信号の周波数
純度などが要求されるが、第一の実施例のVFCはこれ
らの特性に優れている。従来の電荷平衡型VFCをPL
L周波数シンセサイザに適用した場合、VFCの出力周
波数の精度が期待できないので、位相同期時間の短縮効
果が十分に得られない可能性がある。また、従来の同期
型VFCをPLL周波数シンセサイザに適用した場合、
シンセサイザ出力の周波数純度が十分に得られない可能
性がある。
【0044】
【発明の効果】本発明のVFCは、積分期間とリーク期
間との切替をクロックに同期させる一方でコンパレータ
出力をワンショットのトリガとする構成により、簡単な
回路構成であるという従来のVFCの特長を残しなが
ら、出力周波数の絶対精度を無調整で得ることが可能
で、入力電圧と出力周波数の直線性がよく、なおかつ出
力信号に位相ジッタを含まない特長がある。
【0045】本発明のDTOは、ROMを用いることな
く、良好な入力データと出力周波数の直線性が得られる
のと同時に、出力周波数の絶対値を入力データで精度よ
く設定することが可能である。電流スイッチを利用した
積分手段を用いれば高周波までの出力信号が得られる。
【0046】本発明のPLL周波数シンセサイザは、本
発明のVFCを初期値提示型のPLL周波数シンセサイ
ザに適用することで、簡単な回路構成で高速周波数切替
が可能であり、出力周波数の純度が高い特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一の実施例を示す図である。
【図2】本発明第一の実施例の動作を表す図である。
【図3】本発明第一の実施例の動作を表す図である。
【図4】本発明第一の実施例を実現した試作の出力波形
の図である。
【図5】本発明第一の実施例を実現した試作の出力スペ
クトルの図である。
【図6】本発明第一の実施例を実現した試作の出力スペ
クトルの図である。
【図7】本発明第二の実施例を示す図である。
【図8】本発明第三の実施例を示す図である。
【図9】本発明第四の実施例を示す図である。
【図10】本発明第五の実施例を示す図である。
【図11】従来の電圧−周波数コンバータ(電荷平衡
型)の構成を示す図である。
【図12】従来の電圧−周波数コンバータ(同期型)の
構成を示す図である。
【図13】従来のデジタル同期発振器の構成を示す図で
ある。
【図14】従来の初期値提示型PLL周波数シンセサイ
ザの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 オペアンプ 2 抵抗器 3 コンデンサ 4 コンパレータ 5 スイッチ 6 電流源 7 ワンショット 8 電圧入力端子 9 負電源端子 10 スレッショルド 11 周波数出力端子 12 ANDゲート 13 D−FF 14 クロック入力端子 15 スイッチ 16 電圧入力端子 17 電圧入力端子 18 デジタル−アナログ変換器(DAC) 19 VCO 20 ROM 21 データ入力端子 22 位相比較器 23 ループフィルタ 24 加算器 25 分周器 26 データ入力端子 27 データ入力端子 28 デジタル−アナログ変換器(DAC) 29 デジタル−アナログ変換器(DAC) 30 データ入力端子 31 データ入力端子 32 電流スイッチ 33 電流スイッチ 34 コンデンサ 35 デジタル−アナログ変換器(DAC) 36 デジタル−アナログ変換器(DAC) 37 ANDゲート 38 電流スイッチ 39 電流スイッチ 40 カレントミラー 41 積分器 42 積分器 43 積分器 44 積分器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の電圧(VM )、第二の電圧(V
    0 )、第三の電圧(VN )、スレッショルド電圧(V
    S )及びクロック(fCLK )を入力し、 前記第一の電圧と前記第二の電圧の差の電圧、または前
    記第三の電圧と前記第二の電圧の差の電圧のどちらか一
    方を制御入力に従って選択して積分する積分器と、 この積分器の出力電圧と、前記スレッショルド電圧とを
    比較し、両電圧の大小に応じて出力の論理レベルのハ
    イ、ローを切り換えるコンパレータと、 このコンパレータの出力をトリガとして出力周波数を与
    えるマルチバイブレータと、 前記コンパレータの出力をデータとして入力し、前記ク
    ロックをトリガとして入力し、出力を前記積分器の制御
    入力に送出するD−FFと、 を備え前記第三の電圧(VN )に対応する出力周波数
    (fOUT )を提供することを特徴とする電圧−周波数コ
    ンバータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電圧−周波数コンバータ
    において、 前記第一の電圧(VM )及び前記第三の電圧(VN )が
    デジタルデータ(M、N)により与えられ、該デジタル
    データを電圧値(VM 、VN )に変換するデジタル−ア
    ナログ変換器(DAC)がもうけられることを特徴とす
    るデジタル同調発振器。
  3. 【請求項3】 第一の値(N)と第二の値(M)と基準
    周波数(fREF )及びクロック(fCLK )を入力とし、
    出力周波数(fOUT )を出力するPLL周波数シンセサ
    イザにおいて、 基準周波数(fREF )とフィードバック周波数との位相
    比較を行う位相比較器と、 その出力をループフィルタを介して印加され前記第一の
    値(N)との和を与える加算器と、 該加算器と出力と前記第二の値(M)と前記クロック
    (fCLK )を印加され前記出力周波数(fOUT )を与え
    る電圧−周波数コンバータ(VFC)と、 該コンバータの出力周波数を前記第一の値(N)に従っ
    てN分周して前記位相比較器に与える分周器とを有し、 前記電圧−周波数コンバータ(VFC)は、 前記第一の値(N)と所定の値(V0 )との差、又は前
    記第二の値(M)と前記所定の値(V0 )との差の一方
    を制御入力に従って選択して積分する積分器と、 この積分器の出力電圧と、スレッショルド電圧とを比較
    し、両電圧の大小に応じて出力の論理レベルのハイ、ロ
    ーを切り換えるコンパレータと、 このコンパレータの出力をトリガとして出力周波数を与
    えるマルチバイブレータと、 前記コンパレータの出力をデータとして入力し、前記ク
    ロックをトリガとして入力し、出力を前記積分器の制御
    入力に送出するD−FFと、を備えることを特徴とす
    る、PLL周波数シンセサイザ。
  4. 【請求項4】 前記第一の値(N)及び前記第二の値
    (M)がデジタル形式で与えられ、これらをアナログ形
    式に変換するデジタル−アナログ変換器がもうけられる
    請求項3記載のPLL周波数シンセサイザ。
JP9190738A 1997-07-02 1997-07-02 電圧−周波数コンバータおよびそれを用いた周波数シンセサイザ Pending JPH1127050A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002111388A (ja) * 2000-09-27 2002-04-12 Alps Electric Co Ltd 正弦波発生回路及びこの回路を用いた振動子の駆動装置

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