JPH11270152A - 建屋の解体工法 - Google Patents

建屋の解体工法

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JPH11270152A
JPH11270152A JP7990698A JP7990698A JPH11270152A JP H11270152 A JPH11270152 A JP H11270152A JP 7990698 A JP7990698 A JP 7990698A JP 7990698 A JP7990698 A JP 7990698A JP H11270152 A JPH11270152 A JP H11270152A
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JP
Japan
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building
dismantling
duct enclosure
floor
work
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Katsuyuki Torii
克之 鳥井
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建屋を効率よくかつ安全に解体することによ
って短工期化・低コスト化を図ることのできる建屋の解
体工法を提供することを課題とする。 【解決手段】 原子炉建屋1のダクトエンクロージャ4
および生体遮蔽体3を、それぞれ地下1階B1において
ブロック状に切り出しつつ、上方のダクトエンクロージ
ャ4あるいは生体遮蔽体3をリフトダウンさせることに
よって、ダクトエンクロージャ4および生体遮蔽体3を
下方から上方に順次解体する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子力発電
所の原子炉建屋等を解体するときに用いて好適な建屋の
解体工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所に設置される原子炉建屋
は、原子炉本体(圧力容器)を囲むようにコンクリート
製の生体遮蔽体が形成され、さらにその外周側に外周建
屋が形成されている。
【0003】従来、原子炉の廃止等にともない原子炉建
屋を解体するときには、外周建屋を解体撤去した後、生
体遮蔽体を上方から下方に向けて順次解体している。こ
のとき、放射化している部分については、ブロック状に
解体し、これをクレーンなどで取り出し、所定の容器に
収めて搬送するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の建屋の解体工法には、以下のような問題
が存在する。まず、ブロック状に解体した建屋を取り出
すには上記したようにクレーン等の揚重設備を用いてい
るが、このような大掛かりな設備は当然のことながらコ
ストも高い。しかも、揚重設備の能力がそのまま解体作
業の効率に影響するため、工期長期化を防いで作業の効
率化を図るには機材コストの上昇を免れることができな
い。また、生体遮蔽体をブロック状に解体するには、遠
隔操作できる解体装置が必要であるが、その構造が複雑
にならざるを得ず、開発や製作にも多大なコストがかか
る。またその操作も遠隔操作であるために難しい。さら
に、解体箇所が広範囲にわたるために、揚重設備による
搬送経路が長くなり、また解体装置も解体箇所が変わる
たびに順次移動しなければならないため、これらも工期
長期化に影響を及ぼしている。
【0005】加えて、解体作業時には原子炉の冷却水を
回収しなければならないが、生体遮蔽体を上方から下方
に解体していたのでは、解体箇所が広範囲にわたるた
め、回収を広範囲で行わなければならず、回収管理が難
しくまた回収のための設備も大掛かりなものとなる。
【0006】また、放射能汚染区域内に持ち込まなけれ
ばならない資機材が多く、放射能廃棄物の量が増えると
いう問題がある。さらに加えれば、生体遮蔽体を上方か
ら下方に解体するには、高所作業が伴うため、仮設足場
の組立・解体にも多大な手間が掛かり、また作業の安全
確保にも細心の注意を配する必要がある。
【0007】上記したような問題のうち、放射能に関す
る取り扱い以外の問題は、ビル等の各種建屋の解体時に
も共通して伴う問題である。
【0008】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、建屋を効率よくかつ安全に解体することに
よって短工期化・低コスト化を図ることのできる建屋の
解体工法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
建屋の解体工法であって、前記建屋の少なくとも一部
を、該建屋の下層の特定階にて解体していく工程と、そ
の上方の建屋をリフトダウンさせる工程とを繰り返すこ
とによって前記建屋を下方から上方に順次解体すること
を特徴としている。
【0010】このようにして建屋を特定階において下方
から上方に順次解体することによって、解体作業箇所を
この特定階で集中して行うことができ、また高所作業も
削減される。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1記載の建
屋の解体工法において、前記建屋の少なくとも一部を解
体する工程では、前記建屋の一部をブロック状に切断
し、これを移動手段で略水平方向に引き出す作業と、前
記切り出した部分の上方の建屋をジャッキで支持する作
業を繰り返していき、前記建屋の解体すべき部分の全域
が、前記ジャッキで支持された後に、前記ジャッキを作
動させて前記上方の建屋を下降させることを特徴として
いる。
【0012】これにより、建屋の一部をブロック状に切
り出すことができる。また建屋の全域を切り出した後に
は、その上方の建屋をジャッキで下降させることによっ
て、リフトダウンすることができる。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の建屋の解体工法において、前記建屋の一部を解体
するときには、これが転倒するのを防止するため、転倒
防止部材を備えておくことを特徴としている。
【0014】これにより、解体すべき部分が細長い場合
等でも、この部分の転倒が防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建屋の解体工
法の実施の形態の一例を、図1ないし図9を参照して説
明する。ここでは、例えば原子力発電所の原子炉建屋を
解体する場合の例を用いて説明する。
【0016】図1および図2に示すものは構築すべき原
子炉建屋であって、これらの図において、符号1は鉄筋
コンクリート造でGCR型の原子炉建屋(建屋)、2は
原子炉建屋1の中央部に位置する原子炉本体、3は原子
炉本体2を囲み込む鉄筋コンクリート造の生体遮蔽体
(建屋の一部)、4は生体遮蔽体3を囲むように構築さ
れたダクトエンクロージャ(建屋の一部)、5は生体遮
蔽体4の上方に位置するようダクトエンクロージャ4の
上部に設けられた鉄骨上屋(図1のみに図示)、6はダ
クトエンクロージャ4の外周側に設けられて原子炉建屋
1の外周を構成する外周建屋(図1のみに図示)、をそ
れぞれ示している。
【0017】図3(a)に示すように、このような原子
炉建屋1を解体するには、まず、鉄骨建屋5と外周建屋
6を解体する。このとき、外周建屋6は、例えば地下部
6aのみを残し、他を全て解体する。そして、図3
(b)に示すように、ダクトエンクロージャ4の外周部
および上部を囲むように、防塵上屋10を各種仮設材料
等で設置する。
【0018】また、地下1階B1の床11aおよび壁1
1bの防水処理を行う。
【0019】続いて、ダクトエンクロージャ4の上部に
おいて、生体遮蔽体3の鉛直上方空間に張り出している
部分4aを解体する。これは、この後にダクトエンクロ
ージャ4を解体・リフトダウンするときに、生体遮蔽体
3に干渉するのを回避するためである。
【0020】さらに、ダクトエンクロージャ4が、その
内周側の生体遮蔽体3に接する部分C1を切断し、ダク
トエンクロージャ4を生体遮蔽体3から切り離す。
【0021】そして、ダクトエンクロージャ4の外周側
において、切り離されたダクトエンクロージャ4の転倒
を防止するため、略L字状をなした転倒防止ガイド12
を防塵上屋10の側面と外周建屋6の地下部6aとの間
に設置する。
【0022】次いで、以下のようにしてダクトエンクロ
ージャ4を解体する。
【0023】[セット工程] 1−)これにはまず、図4(a)に示すように、地下
1階(特定階)B1において、ダクトエンクロージャ4
の底部を、ワイヤーソー等の切断手段で、平面視所定寸
法以内で所定の高さを有したブロック状のブロックZ1
に切断し、これを側方に引き出す。
【0024】1−)そして、ブロックZ1を切り出す
ことによって形成された空間に、図4(b)に示すよう
に、例えばチルタンク13等の移動手段をセットする。
続いて、その上方のダクトエンクロージャ4を切断し、
所定の高さのブロックZ2を切り出す。図4(c)に示
すように、このブロックZ2は、チルタンク13に載せ
られて側方に引き出される。
【0025】1−)図4(d)に示すように、ブロッ
クZ2を引き出すことによって形成された空間に、複数
のサポート14Aを設置し、各サポート14A上に油圧
ジャッキ(ジャッキ)15をセットする。そして、これ
ら油圧ジャッキ15で上方のダクトエンクロージャ4の
下面を支持する。次いで、ダクトエンクロージャ4を、
地上1階部分の床版16から切断する。これによりダク
トエンクロージャ4は、他の部分から完全に切り離され
たこととなる。
【0026】上記1−)〜1−)の作業を、地下1
階B1の全域で順次行っていき、ダクトエンクロージャ
4の地下1階B1部分の全てを撤去していく。すると、
ダクトエンクロージャ4は、その荷重が多数の油圧ジャ
ッキ15のみで支持されたこととなる。
【0027】[リフトダウン工程] 2−)次に、これらの油圧ジャッキ15を一斉に短縮
駆動させ、支持したダクトエンクロージャ4をリフトダ
ウンさせる。
【0028】この後の工程においては、ダクトエンクロ
ージャ4を支持している全ての油圧ジャッキ15を2基
一組とし、一方を油圧ジャッキ15A、他方の油圧ジャ
ッキ15Bと称する。すなわち、ダクトエンクロージャ
4を支持する油圧ジャッキ15の半数が油圧ジャッキ1
5Aとなり、また残りの半数が油圧ジャッキ15Bとな
る。
【0029】2−)そして、油圧ジャッキ15Bのみ
をさらに短縮させてダクトエンクロージャ4の底面から
離し、他方の油圧ジャッキ15Aのみでダクトエンクロ
ージャ4を支持させる。この状態で、油圧ジャッキ15
Bのサポート14Aを、図5(a)に示すように、所定
寸法低いサポート14Bに交換した後、油圧ジャッキ1
5Bを伸ばしてダクトエンクロージャ4を再び支持させ
る。この作業を、ダクトエンクロージャ4を支持してい
る全ての油圧ジャッキ15を対象として順次行ってい
き、全ての油圧ジャッキ15Bをサポート14B上にセ
ットした状態とする。
【0030】2−)続いて、図5(b)に示すよう
に、他方の油圧ジャッキ15Aを短縮させてダクトエン
クロージャ4の底面から離した後、サポート14Aを所
定寸法低いサポート14C(サポート14Bよりも低
い)に交換し、その上に油圧ジャッキ15Aをセット
し、上方に伸ばした状態としておく。この状態で、油圧
ジャッキ15Aはダクトエンクロージャ4の底面には接
していない。さらに、図5(c)に示すように、ダクト
エンクロージャ4を支持している全ての油圧ジャッキ1
5Bを一斉に短縮駆動させ、ダクトエンクロージャ4を
リフトダウンさせ、油圧ジャッキ15Aと油圧ジャッキ
15Bとで支持する状態とする。
【0031】2−)この後は、上記2−)の工程と
2−)の工程を同様に繰り返して、ダクトエンクロー
ジャ4を順次リフトダウンさせていき、図5(d)に示
すように、最終的にはダクトエンクロージャ4が、床1
1a上に伸長状態でセットされた油圧ジャッキ15A,
15B上に支持された状態とする。
【0032】[ブロック搬出工程] 3−)次に、図6(a)に示すように、ダクトエンク
ロージャ4の底部を、平面視所定寸法以内で所定の高さ
を有したブロック状のブロックZ2に切断する。
【0033】3−)そして、図6(b)に示すよう
に、このブロックZ2を支持する一方の油圧ジャッキ1
5Aを縮めて引き出し、そこに、チルタンク13等の移
動手段をセットする。
【0034】3−)続いて、図6(c)に示すよう
に、他方の油圧ジャッキ15Bを縮め、ブロックZ2を
ジャッキダウンさせてチルタンク13に支持させる。
【0035】3−)さらに、図6(d)に示すよう
に、ブロックZ2をチルホール18等の牽引手段で側方
に引き出す。そして、ブロックZ2を引き出した部分に
は、図4(d)に示したのと同様に、サポート14A上
にセットした油圧ジャッキ15A,15Bを設置する。
【0036】上記3−)から3−)の工程を、地下
1階B1の全域で順次行っていき、ダクトエンクロージ
ャ4の全域からブロックZ2を切り出していく。する
と、ダクトエンクロージャ4は、その荷重が多数の油圧
ジャッキ15のみで支持されたこととなる。
【0037】しかる後には、図7(a)に示すように、
上記2−)〜2−)のリフトダウン工程と、3−
)〜3−)のブロック搬出工程とを順次繰り返すこ
とによって、ダクトエンクロージャ4を下方から上方に
順次解体撤去していく。そして、図7(b)に示すよう
に、ダクトエンクロージャ4が全て解体された後、転倒
防止ガイド12を撤去する。さらに、防塵上屋10を、
生体遮蔽体3の上面へ盛り替える。
【0038】続いて、生体遮蔽体3の解体に取りかか
る。これにはまず、図7(c)に示すように、生体遮蔽
体3がその内側の地下支承壁20に接続されている部分
C2を切断する。
【0039】この後は、図4ないし図6に示したダクト
エンクロージャ4の解体作業と同様に、前記1−)〜
3−)の、セット工程、リフトダウン工程、ブロック
搬出工程を順次行い、図8(a)に示すように、生体遮
蔽体3の側壁部3aをブロック状に切り出しつつリフト
ダウンして、下方から上方へと解体していく。
【0040】そして、図8(b)に示すように、生体遮
蔽体3の上部一次遮蔽床版3bが下部遮蔽床版3cに着
座した時点で生体遮蔽体3の側壁部3aの解体は完了す
る。
【0041】続いて、下部遮蔽床版3cの下方に形成さ
れている地下支承壁20を解体するが、このときにも、
前記1−)〜2−)の、セット工程、リフトダウン
工程を同様に行い、地下支承壁20をブロック状に切り
出した後に、その上部の下部遮蔽床版3cをリフトダウ
ンさせる。
【0042】図8(c)に示すように、地下支承壁20
の解体撤去後、下部遮蔽床版3cおよび上部一次遮蔽床
版3bをブロック状に解体し、取り出す。
【0043】ところで、図9に示すように、上記解体作
業において切り出されたブロックZ1等は、地下1階B
1に設けた細断エリア21で所定の大きさに細断され
る。そして、放射化されているものは容器収納エリア2
2に送られてここで所定の容器23に密封収納され、搬
出エリア24から搬出される。一方、裁断されたものの
うち放射化されていない部分は、細断エリア21からブ
ロック解体エリア25に送られ、ここでブレーカ26等
で解体され、そのコンクリートガラ27は破砕機28で
さらに破砕され、再生骨材として送り出される。
【0044】また、冷却水は、地下1階B1の所定位置
に設けられた冷却水供給・回収再処理プラント29で一
括して所定の処理が行われる。
【0045】上記のようにして生体遮蔽体3を解体した
後には、図8(d)に示すように、防塵上屋10を解体
撤去し、放射線管理区域を解除し、原子炉建屋1の残り
の放射化していない躯体1aを通常の解体方法で解体撤
去する。これにより、原子炉建屋1の解体が完了する。
【0046】上述した原子炉建屋1の解体工法では、ダ
クトエンクロージャ4および生体遮蔽体3を、それぞれ
地下1階B1において、ブロック状に切り出しつつ、切
り出した部分に油圧ジャッキ15を設置し、この油圧ジ
ャッキ15で上方のダクトエンクロージャ4あるいは生
体遮蔽体3をリフトダウンさせていくことによって、ダ
クトエンクロージャ4および生体遮蔽体3を、それぞれ
下方から上方に順次解体する構成となっている。これに
よって、解体作業箇所を地下1階B1に集中させること
ができる。したがって、解体すべきダクトエンクロージ
ャ4や生体遮蔽体3の全体を網羅するような切断装置、
揚重設備、搬送設備が不要であり、機材コストを抑える
とともに、機材の移動を最小限として工期短縮化に貢献
することができる。
【0047】また、地下1階B1を作業階とすることに
より、仮設足場等が不要であり、その組立解体の手間を
省くことができるだけでなく、高所作業を削減して作業
安全性を高めることができる。
【0048】しかも、解体作業時に発生する粉塵をこの
地下1階B1以外に洩らさず、周囲環境への影響を抑え
ることができる。加えて、防水処理した地下1階B1内
で解体作業を行うことにより、冷却水を容易に回収する
ことができ、冷却水等を地下1階以外に洩らすことな
く、汚染の拡大を防止することができる。また、地下1
階B1のみで作業を行い、しかも作業自体は同様の作業
の繰り返しであるため、最小限の資機材で作業を行うこ
とができ、新たに持ち込む資機材の量を抑えて資機材の
汚染を少なくすることができる。
【0049】さらに、ダクトエンクロージャ4や生体遮
蔽体3をブロック状に切り出すことによって、解体作業
が同様の作業の繰り返しとなるため、作業効率が高ま
り、より一層の短工期化および低コスト化を図ることが
できる。しかも、ダクトエンクロージャ4や生体遮蔽体
3をブロック状に切り出すことによって、揚重設備を用
いる場合に比較して、大ブロック化を図ることができ、
これによっても作業効率を高めることができる。
【0050】さらに加えて、ダクトエンクロージャ4の
解体時には、転倒防止ガイド12を設けておく構成とな
っている。これにより、ダクトエンクロージャ4の転倒
を防止することができ、作業を安全に行うことができ
る。
【0051】なお、上記実施の形態において、解体に用
いる各種機器や、解体作業や各種処理を行う場所、およ
びその方法等については、本願発明の主旨を逸脱しない
限り、他のものを採用することが可能である。また、上
記形態では、原子炉建屋1を、外周建屋6、鉄骨上屋
5、ダクトエンクロージャ4、生体遮蔽体3とに区切っ
て順次解体作業を行うようにしたが、その区切り方はこ
れ以外であっても良い。
【0052】さらに、対象とする原子炉建屋1の構造等
については、上記に示したものに限定する意図はなく、
いわゆるBWR型原子力発電所等、他の型の原子力発電
所の生体遮蔽体でも良いし、また例えばツインプラント
型の原子炉建屋等、他の種々の原子炉建屋の構築に適用
することが可能である。もちろん、本発明に係る技術
は、原子炉建屋1に限らず、例えばビルや倉庫等、他の
コンクリート製の建屋にも同様に適用可能である。
【0053】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また
上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものと
しても良いのは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る建
屋の解体工法によれば、建屋の少なくとも一部を、下層
の特定階において下方から上方に順次解体する構成とな
っている。これによって、解体作業箇所をこの特定階で
集中して行うことができる。したがって、全建屋を網羅
するような切断装置、揚重設備、搬送設備が不要であ
り、機材コストを抑えることができる。また、下層階を
特定階とすることにより、仮設足場等が不要であり、そ
の組立解体の手間を省くことができるだけでなく、高所
作業を削減して作業安全性を高めることができる。しか
も解体作業時に発生する粉塵等をこの特定階以外に洩ら
さず、周囲環境への影響を抑えることができる。特に解
体すべき建屋が原子炉建屋等である場合には、特定階の
所定領域を防水処理し、この領域内で解体作業を行うこ
とにより冷却水を容易に回収することができ、冷却水等
を特定階以外に洩らすことなく、汚染の拡大を防止する
ことができる。また、最小限の資機材で作業を行うこと
ができるため、新たに持ち込む資機材の量を抑えること
ができ、資機材の汚染を少なくすることができる。この
ようにして、上記建屋の解体工法を適用することによっ
て、建屋を効率よくかつ安全に解体することができ、そ
の結果、短工期化および低コスト化を図ることができ
る。
【0055】請求項2に係る建屋の解体工法によれば、
建屋の少なくとも一部をブロック状に切り出す工程で
は、建屋の一部をブロック状に切断して引き出す作業
と、切り出した部分の上方の建屋をジャッキで支持する
作業を繰り返し、建屋の解体すべき部分の全域がジャッ
キで支持された時点で、ジャッキを作動させて上方の建
屋を下降させる構成となっている。これにより、請求項
1に係る建屋の解体工法を実現することができる。しか
も、建屋の一部をブロック状に切り出すことによって、
解体作業が同様の作業の繰り返しとなるため、作業効率
が高まり、より一層の短工期化および低コスト化を図る
ことができる。しかも、揚重設備を用いずに建屋をブロ
ック状に切り出すことによって、ブロックを大ブロック
化することにより、これによっても作業効率を高めるこ
とができる。
【0056】請求項3に係る建屋の解体工法によれば、
建屋の一部には、これが転倒するのを防止するため、転
倒防止部材を備えておく構成となっている。これによ
り、解体すべき部分が細長い場合等でも、その転倒を防
止することができ、作業を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る建屋の解体工法を適用する建屋
の一例を示す立断面図である。
【図2】 前記建屋の地下部分の平断面図である。
【図3】 前記解体工法を示す工程図である。
【図4】 同解体工法において、建屋の一部をブロック
状に切断し、ジャッキを設置する手順を示した工程図で
ある。
【図5】 同、建屋をリフトダウンする手順を示した工
程図である。
【図6】 同、建屋をブロック状に切断したものを引き
出す手順を示した工程図である。
【図7】 同、図3に続く工程を示す工程図である。
【図8】 同、図7に続く工程を示す工程図である。
【図9】 同、建屋をブロック状に切断したものの処理
方法を示す平面図である。
【符号の説明】
1 原子炉建屋(建屋) 3 生体遮蔽体(建屋の一部) 4 ダクトエンクロージャ(建屋の一部) 12 転倒防止ガイド 15 油圧ジャッキ(ジャッキ) B1 地下1階(特定階)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建屋の解体工法であって、前記建屋の少
    なくとも一部を、該建屋の下層の特定階にて解体してい
    く工程と、その上方の建屋をリフトダウンさせる工程と
    を繰り返すことによって前記建屋を下方から上方に順次
    解体することを特徴とする建屋の解体工法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建屋の解体工法におい
    て、前記建屋の少なくとも一部を解体する工程では、前
    記建屋の一部をブロック状に切断し、これを移動手段で
    略水平方向に引き出す作業と、前記切り出した部分の上
    方の建屋をジャッキで支持する作業を繰り返していき、 前記建屋の解体すべき部分の全域が、前記ジャッキで支
    持された後に、前記ジャッキを作動させて前記上方の建
    屋を下降させることを特徴とする建屋の解体工法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の建屋の解体工法
    において、前記建屋の一部を解体するときには、これが
    転倒するのを防止するため、転倒防止部材を備えておく
    ことを特徴とする建屋の解体工法。
JP7990698A 1998-03-26 1998-03-26 建屋の解体工法 Withdrawn JPH11270152A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009299350A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Disco Abrasive Syst Ltd 建造物の解体方法
JP2014059159A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 Takenaka Komuten Co Ltd 鉄筋コンクリート造等で成る大型筒状構造物の切断・解体工法及び切断・解体装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009299350A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Disco Abrasive Syst Ltd 建造物の解体方法
JP2014059159A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 Takenaka Komuten Co Ltd 鉄筋コンクリート造等で成る大型筒状構造物の切断・解体工法及び切断・解体装置

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