JP4432112B2 - 原子炉圧力容器の解体工法 - Google Patents

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Description

本発明は原子炉圧力容器の解体工法に関する。
原子力発電所などの原子炉施設では運転の使命を終了すると廃止措置がとられる。廃止措置は系統除染、安全貯蔵、解体撤去の順に行われる。解体撤去では内部の配管や機器類を撤去した後に、建屋を撤去する。解体撤去においては放射性物質を外部に飛散させないこと、解体撤去に従事する作業者への被曝を防止することが必要である。機器類の中では原子炉施設の心臓部である原子炉圧力容器の撤去がもっとも難題である。
図12は原子炉建屋の主要部の一例を示した断面図である。原子炉建屋10内には原子炉格納容器12が形成され、この原子炉格納容器12内に原子炉圧力容器14が据え付けられている。原子炉圧力容器14の周囲には熱遮蔽壁16が設けられている。原子炉格納容器12内の上部空間はバルクヘッドプレート17によって仕切られている。バルクヘッドプレート17の上方が原子炉ウェル18であり、この原子炉ウェル18の上部開口はウェルシールドプラグ20によって密閉されている。原子炉ウェル18の側方には水を張り込み可能なドライヤセパレータプール22が配置されている。原子炉ウェル18とドライヤセパレータプール22とは仕切り手段を有した連通口21によって連通可能とされる。原子炉建屋10の最上部は操作エリア24とされ、操作エリア24内には天井クレーン26が走行自在に配設されている。
発電容量が40万kW級の原子力発電所では原子炉圧力容器14は直径が約5m、高さが約20m、胴体肉厚が約150mmに達する。また、シュラウドなどの内部構造物を含めた原子炉圧力容器14の総重量は約700トン、内部構造物を取り除いた空胴重量は約350トンに達する。このような巨大な原子炉圧力容器14を、前記したように放射性物質を外部に飛散させず、作業者への被曝を防止して解体撤去することは至難である。
特許文献1には原子炉圧力容器の内部構造物を切断する方法が開示されている。この特許文献1に記載の方法は原子炉圧力容器及び原子炉ウェルに水を満たした状態で、炉内構造物を1次切断し、切断した炉内構造物を原子炉ウェルに移動して2次切断する。この方法によれば、切断を水中で行うため放射性物質が外部に飛散しにくく、作業者への被曝を低減できる。また、1次切断と2次切断を並行して行うことができるので作業時間の短縮及び作業者の被曝低減を図ることができる。特許文献2にも原子炉圧力容器の内部構造物を水中切断する方法が開示されている。この特許文献2に記載の方法は炉内構造物の切断操作及び切断物の移送を既設の燃料交換機や天井クレーンを利用する点に特徴がある。しかしながら、このような特許文献1や特許文献2に開示された水中切断方法を原子炉圧力容器本体の解体に適用しようとすると、巨大な原子炉圧力容器の全体を水中に浸漬させた状態にすること自体が非常に困難であり適当ではない。
また、特許文献3には原子炉圧力容器を気中で切断解体する方法が開示されている。この特許文献3に記載の方法では原子炉圧力容器内に遮蔽材としてモルタルを充填し硬化させた後に、原子炉圧力容器全体を横断面に沿って輪切りするように3分割し、各分割体を順次搬出する。搬出に際しては原子炉建屋最上部の操作エリアに揚重装置を設置し、原子炉ウェル内で切断した各分割体を原子炉ウェルの上部開口から揚重装置によって吊り上げることによって行う。しかしながら、この特許文献3に記載の方法では原子炉圧力容器を切断した際に内部に充填したモルタルの切断粉が多量に発生する。この切断粉は強い放射能を帯びており、放射性廃棄物として措置しなければならない。また、原子炉圧力容器を固定した状態で切断することになるが、前記したように原子炉圧力容器は熱遮蔽壁によって囲われているため、ワイヤーソーなどの切断機械を所望の切断位置にセットし、稼動させることは極めて困難である。仮に可能であるとしても事前に熱遮蔽壁の一部又は全部を取り壊すなどの準備が必要であり、多大な手間を要するとともに、作業者への被曝の危険性が高まる。
また、特許文献4には原子炉圧力容器を上面から順次、切削して解体する方法が開示されている。しかしながら、前記したように直径が約5m、高さが約20m、胴体肉厚が約150mmに達する巨大な原子炉圧力容器を削り下げるための切削装置はその実現に困難を伴う。また、切削工期が数ヶ月の長期にわたることも問題である。
特開平8−240693号公報 特開平8−75892号公報 特開2004−77149号公報 特開平9−105799号公報
本発明の目的は前記従来技術の問題点を改善し、原子炉圧力容器を能率よく、かつ安全に解体することが可能な原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る原子炉圧力容器の解体工法は、原子炉圧力容器の下方にジャッキを配置し、当該ジャッキによって前記原子炉圧力容器を押し上げながら原子炉ウェル内の定位置で前記原子炉圧力容器の胴体上部を順次、気中切断する第1工程と、第1工程によって胴体上部が切断された原子炉圧力容器を前記ジャッキによって押し上げ、押し上げた前記原子炉圧力容器の胴体下部と前記原子炉ウェルの底部とを水封した後に当該原子炉ウェル内に水を満たし、前記原子炉圧力容器の胴体下部を水中切断する第2工程とを含むことを特徴とする。
前記ジャッキとしてシリンダーを使用し、当該シリンダーの側方に連結支柱を継ぎ足すことによって、前記原子炉圧力容器を押し上げることが望ましい。また、前記切断した切断片をプール設備の水中へ移送することが望ましい。
本発明に係る第1の原子炉圧力容器の解体工法によれば、ジャッキによって押し上げた原子炉圧力容器の胴体と原子炉ウェルの底部とを水封した後に当該原子炉ウェル内に水を満たし、原子炉圧力容器の胴体を水中切断するようにした。このため、満たした水が原子炉圧力容器から放射される放射線や放射性物質を遮蔽することになり、原子炉圧力容器を安全に解体することができる。
本発明に係る第2の原子炉圧力容器の解体工法によれば、第1工程では原子炉圧力容器を押し上げながら原子炉ウェル内の定位置で前記原子炉圧力容器の胴体上部を順次、気中切断するようにした。このため、放射能レベルが比較的低い原子炉圧力容器の胴体上部を、気中切断によって能率よく解体することができる。第2工程では原子炉ウェル内に水を満たし、原子炉圧力容器の胴体下部を水中切断するようにした。このため、放射能レベルが高い部位を含む原子炉圧力容器の胴体下部を水中で安全に解体することができる。
また、ジャッキとしてシリンダーを使用し、当該シリンダーの側方に連結支柱を継ぎ足すようにした。このため、簡単な設備で原子炉圧力容器を段階的に高く押し上げることができる。また、切断した切断片をプール設備の水中に移送するようにしたので、プール設備では受け入れた放射性の切断片を水中で保管容器に自動的に収納するなどの安全措置を講じることができる。
以下、本発明に係る原子炉圧力容器の解体工法を図面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明の第1実施形態の各段階を示す断面図である。また、図11は原子炉圧力容器14の断面図である。図11に示したように原子炉圧力容器14は上蓋70と胴体72と下鏡74に大別される。放射能レベルは内部構造物によって差があり、シュラウドや燃料集合体が配置される胴体72の下部Y1の放射能レベルが最も高く、その上部Xと下部Y2が中レベルであり、上蓋70や下鏡74が最も低い。
原子炉圧力容器14の解体にあたっては、まず、図12に示した状態から放射能レベルが低い上蓋70を取り外す。この上蓋70の取り外し作業は上蓋70と胴体72とを連結するフランジ76のボルトを外して行う。次に天井クレーン26によってウェルシールドプラグ20を取り外し、原子炉ウェル18の上部開口を開放する。次に天井クレーン26によって取り外した上蓋70を上記の上部開口から引き出し、適当な方法で処分する。図1は操作エリア24の一角に取り外した上蓋70を仮置き保管した状態を示している。
次に、原子炉圧力容器14の内部構造物を解体撤去する。内部構造物の解体撤去作業は例えば特許文献1又は特許文献2に記載された水中切断による解体撤去方法が採用される。原子炉圧力容器14の内部が空になった状態で、準備が完了する。本実施形態の第1段階では図1に示したように原子炉圧力容器14の下方にジャッキ30を配置し、当該ジャッキ30によって原子炉圧力容器14を押し上げる。次に、押し上げた原子炉圧力容器14の胴体72と原子炉ウェル18の底部であるバルクヘッドプレート17とを溶接等によって水封する。その後、原子炉ウェル18内に水Wを満たす。この際、ドライヤセパレータプール22にも連通口21を介して水Wを満たす。上記原子炉ウェル18内に水Wを満たすことによって、原子炉圧力容器14の胴体72内にも張り込まれた水が胴体72内から発散される放射性物質を遮蔽し、安全が確保される。
次いで、図1に示したように原子炉ウェル18の上部開口の上方に水中切断装置32を配置する。この水中切断装置32としては例えば全自動化したプラズマ式切断機を用いる。ただし、プラズマ式に替えてウォータジェット式、レーザ式もしくは機械切削式の切断機を用いることもできる。また、水中切断装置32及びドライヤセパレータプール22の上方開口を覆うようにしてグリンハウス34を設ける。グリンハウス34は解体作業中に発散する放射性物質の外部漏れを防止する。
図1に示した状態から、原子炉圧力容器14の胴体72を水中切断装置32によって水中切断する。切断する部位は原子炉ウェル18に水没した胴体72の上部Xである。切断片は図示しない搬送手段によってドライヤセパレータプール22内の水中に移送する。ドライヤセパレータプール22では受け入れた放射性の切断片を水中で保管容器に自動的に収納するなどの安全措置を講じることができる。
図2はジャッキ30の実施形態を示す手順図である。まず、図2(1)に示したように基台54にシリンダー67を搭載する。また、原子炉圧力容器14底部の燃料棒制御管群63に受板62をあてがい、この受板62に上部支柱68を吊り下げ、固定する。シリンダー67の伸縮ロッド67Aの上端には水平棒67Bが取り付けられている。また、上部支柱68には上下2段に連結具68Aが設けられている。水平棒67Bの両端を連結具68Aと連結することによって、伸縮ロッド67Aの伸縮に合わせて上部支柱68が上下動する。図2(1)に示した状態から伸縮ロッド67Aを伸長させると、図2(2)に示したように、上部支柱68の下方に空間S3ができる。次に図2(3)に示したように空間S3を利用して、上部支柱68の下端に連結支柱69を吊り下げ、固定する。
次に図2(4)に示したように水平棒67Bを下段の連結具68Aと連結するように連結替えをした後、図2(5)に示したように伸縮ロッド67Aを伸長させる。次に図2(6)に示したように連結支柱69の下方にできた空間を利用して、連結支柱69の下端に次の連結支柱69Aを継ぎ足す。以下、同様の手順を繰り返すことによって、原子炉圧力容器14を連結支柱69の高さ分だけ一段づつせり揚げることができる。このため、簡単な設備で原子炉圧力容器14を段階的に高く押し上げることができる。また,シリンダー67は常に下方の定位置にあるので、シリンダー67を作動させるためのポンプユニットの移動やホースの延長が不要となる。なお、熱遮蔽壁16の上端には複数本のブラケット36を配置し、ブラケット36の先端にローラー38を回転自在に取り付ける。ローラー38が原子炉圧力容器14の外面と転動接触することによって、原子炉圧力容器14の横揺れが防止される。
図3は本実施形態の第2段階を示す断面図である。すなわち、この第2段階では原子炉圧力容器14の胴体72上部Xが切断されている。また、胴体72と原子炉ウェル18の底部であるバルクヘッドプレート17との水封が解除され、原子炉ウェル18内は水が排除されている。次の第3段階では図4に示したように、再度、ジャッキ30によって原子炉圧力容器14を押し上げる。次に、押し上げた原子炉圧力容器14の胴体72とバルクヘッドプレート17とを再度、水封する。その後、原子炉ウェル18内とドライヤセパレータプール22に水Wを満たす。次いで、前記と同様に原子炉圧力容器14の胴体72を水中切断装置32によって水中切断する。切断する部位は原子炉ウェル18に水没した胴体72の下部Y1である。
以降、前記と同様に(原子炉圧力容器14の押し上げ)→(水封)→(原子炉ウェル18内への注水)→(胴体72の水中切断)→(水封解除)→(原子炉ウェル18内の水の排除)の一連のサイクルを2回程度、繰り返す。その結果、第4段階では図5に示したように原子炉圧力容器14の下鏡74を残して、胴体72のほぼすべてを解体することができる。下鏡74は前記したように放射能レベルが低い。したがって、第5段階の図6に示したように、グリンハウス34と水中切断装置32を操作エリア24から撤去した後に、天井クレーン26によって下鏡74を吊り上げ、上蓋70と同様に適当な方法で処理処分する。その後、ジャッキ30を撤去することによって原子炉圧力容器14の解体撤去が完了する。
この第1実施形態によれば、原子炉圧力容器14の上蓋70と下鏡74を除く、胴体72のほぼすべてを原子炉ウェル18内で水中切断によって解体することができる。このため、原子炉圧力容器を安全に解体することできる。また、水中切断装置32の切断具を原子炉ウェル18内の比較的高い位置で操作させるだけで十分であるから、切断具を奥深く下ろす場合に比べて水中切断装置32の構造を簡単にすることができる。
また、ジャッキとしてシリンダーを使用し、当該シリンダーの側方に連結支柱を継ぎ足すようにした。このため、簡単な設備で原子炉圧力容器を段階的に高く押し上げることができる。また、切断した切断片をプール設備の水中に移送するようにしたので、プール設備では受け入れた放射性の切断片を水中で保管容器に自動的に収納するなどの安全措置を講じることができる。
また、第1実施形態を実施する際には、図1に示したように熱遮蔽壁16の上端に配置したローラー38が原子炉圧力容器14の外面と転動接触することによって、原子炉圧力容器14の横揺れを防止する。このため、原子炉圧力容器14の姿勢を安定に維持することができ、原子炉圧力容器14の押し上げ又は切断を円滑に行うことができる。また、このローラー38は原子炉圧力容器14の解体期間中に地震が発生した場合にも、耐震手段として機能する。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図12の状態から原子炉圧力容器14の上蓋70を取り外し、原子炉圧力容器14の内部構造物を解体撤去するまでの準備作業は上述の第1実施形態と同様である。この第2実施形態では第1工程と第2工程からなる。第1工程では原子炉圧力容器14の下方にジャッキを配置し、このジャッキによって原子炉圧力容器14を押し上げながら、原子炉ウェル18内の定位置で原子炉圧力容器14の胴体72の上部Xを順次、気中切断する。第2工程では同様にジャッキによって原子炉圧力容器14を押し上げた後に、原子炉ウェル18内に水を満たして原子炉圧力容器14の胴体下部を水没させ、水中切断する。
図7は第1工程を説明するための断面図である。また、図8は図7の主要部の断面図である。まず、原子炉圧力容器14の下方にジャッキ30を配設する。また、原子炉ウェル18の定位置には気中切断装置40を配置する。この気中切断装置32は原子炉格納容器12の内壁から張り出したブラケット42によって支持される。原子炉ウェル18とドライヤセパレータプール22の連通口21を貫通してモノレール44を原子炉ウェル18とドライヤセパレータプール22間に張り渡し、モノレール44に走行自在に取り付けたホイスト45によって、後述する切断片を原子炉ウェル18からドライヤセパレータプール22に向けて移送する。ドライヤセパレータプール22は上部が開放されており、この開放部に対応する操作エリア24の領域にはグリンハウス48が設けられる。このグリンハウス48はドライヤセパレータプール22に運び込まれた切断片から放散される放射性物質が操作エリア24の他の領域に拡散することを防ぐ。
図9は気中切断装置40の概念構成を示す平面図である。気中切断装置40は環状の基台40Aを備え、この基台40Aには輪切り切断用の1台のミーリング切断機50と縦裁断用の4台のミーリング切断機52が搭載される。ミーリング切断機50は基台40Aに沿って周回可能な構成とされ、エンドミルを原子炉圧力容器14に対して横方向に移動させることによって、原子炉圧力容器14を輪切り切断する。4台のミーリング切断機52は切断時には定位置で同時に使用され、エンドミルを原子炉圧力容器14に対して縦方向に移動させることによって、原子炉圧力容器14を縦裁断する。このミーリング切断機52はそれぞれが角度90度の範囲で基台40Aに沿って移動可能とされる。したがって、縦裁断のピッチPを小さくしたい場合には、各ミーリング切断機52を例えば二点鎖線で示した位置に移動させて縦裁断を行うことができる。
第1工程では図7に示した状態から実質的な解体撤去作業を進める。第1工程では前記したジャッキ30によって原子炉圧力容器14を押し上げる。この原子炉圧力容器14の押し上げによって、図10に示したように原子炉圧力容器14の上部が切断装置40での切断位置に達するとジャッキ30による押し上げ操作を停止し、上部の切断作業に移る。
切断作業では輪切り切断用の1台のミーリング切断機50と縦裁断用の4台のミーリング切断機52とを並行して自動的に駆動させる。輪切り切断用のミーリング切断機50は原子炉圧力容器14の外周面に沿って周回移動し、原子炉圧力容器14の1回分の押し上げ高さhに相当する位置にエンドミルを設定することにより、原子炉圧力容器14を輪切り切断する。一方、縦裁断用の4台のミーリング切断機52がそれぞれ図9に示したピッチPで原子炉圧力容器14を縦裁断する。
切り離した切断片をホイスト45によって吊り下げる。ホイスト45はモノレール44に沿って走行し、切断片を原子炉ウェル18からドライヤセパレータプール22に向けて移送する。ドライヤセパレータプール22では受け入れた切断片を水中で保管容器に自動的に収納するなどの安全措置を講じられる。保管容器に収納する切断片の寸法を例えば100cm×80cmの矩形に設定した場合には、前記した押し上げ高さhを100cm、縦裁断のピッチPを80cmに設定すればよい。
上記1工程を実施する際には、原子炉ウェル18の上部開口をウェルシールドプラグ20で塞いだ状態で行う。ウェルシールドプラグ20によって、原子炉圧力容器14から放射される放射線が遮蔽される。このため、操作エリア24において別の作業に従事している作業員への被曝を低減できる。
上記押し上げと切断の1回分が終了すると、以降、同様の操作を繰り返すことによって、原子炉圧力容器14の上部Xを順次、切断していく。第1工程によって、図11に示した原子炉圧力容器14の上部Xの解体撤去が終わると、次の第2工程に移る。第2工程に移る準備作業として、まず、原子炉ウェル18の上部開口からウェルシールドプラグ20を外す。また、気中切断装置40、ブラケット42、モノレール44及びホイスト45を撤去する。次に図4に示したように原子炉ウェル18の上部開口の上方に水中切断装置32を配置し、また、水中切断装置32及びドライヤセパレータプール22の上方開口を覆うようにしてグリンハウス34を設ける。その後の第2工程は前述の第1実施形態と同様に、ジャッキ30によって押し上げた原子炉圧力容器14の胴体と原子炉ウェル18の底部とを水封した後に原子炉ウェル18内に水を満たし、原子炉圧力容器14の胴体72下部(図11に示した下部Y1,Y2)を水中切断装置32によって水中切断する。
この第2実施形態の原子炉圧力容器の解体工法によれば、ジャッキ30によって原子炉圧力容器14を押し上げながら第1工程では放射能が中レベルの胴体上部Xを順次、気中切断し、第2工程では放射能が高レベルの下部Y1や中レベルの下部Y2を水中切断するようにした。
このため、第1工程では構造が簡単な気中切断装置40によって胴体上部Xを所望寸法の切断片として能率よく切り出すことができる。また、第1工程を実施する際に、原子炉ウェル18の上部開口をウェルシールドプラグ20で塞ぐようにした。このため、操作エリア24において別の作業に従事している作業員への被曝を低減できる。
さらに、第2工程では水中切断装置32によって放射能が高レベルの胴体下部Y1を含む胴体下部を安全に所望寸法の切断片として切り出すことができる。なお、第1工程及び第2工程で切断した切断片をドライヤセパレータプール22の水中に移送するようにしたので、ドライヤセパレータプール22では受け入れた放射性の切断片を水中で保管容器に自動的に収納するなどの安全措置を講じることができる。
上記各実施形態ではジャッキ30として、シリンダーの側方に連結支柱を継ぎ足す構成を説明した。しかしながら、本発明に係るジャッキは上記のジャッキ30に限定されない。例えば、テレスコビック式のシリンダーによって代替することができる。
また、上記実施形態では切断した切断片をドライヤセパレータプール22の水中に移送するようにした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、切断片の移送先をドライヤセパレータプールに替えて使用燃料貯蔵プールにすることができる。また、切断片の放射能レベルが比較的低い場合には切断片を気中で保管容器に収納するなどの安全措置を講じることができる。
なお、第1実施形態では原子炉圧力容器14の胴体を全長にわたって水中切断する場合を、第2実施形態では原子炉圧力容器14の胴体の上部Xを気中切断し、下部Y1,Y2を水中切断する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、放射能が中レベルの上部Xを気中切断し、最も放射能レベルが高い下部Y1を水中切断し、放射能が中レベルの下部Y2を再び気中切断するようにしてもよい。
また、前記各実施形態では原子炉圧力容器14の胴体を切断する際の準備作業として、原子炉圧力容器14の内部構造物を予め解体撤去しておく場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、内部構造物を予め解体せずに、原子炉圧力容器14の胴体の切断と内部構造物の解体撤去とを同時に進めるようにしてもよい。このような同時進行式の解体工法であれば、原子炉圧力容器14の胴体の切断と内部構造物の解体を原子炉ウェル18内で上部側から順番に行うことができるので、より一層、能率のよい解体を実現することができる。
本発明の第1実施形態の第1段階を示す断面図である。 ジャッキ30の実施形態を示す手順図である。 本発明の第1実施形態の第2段階を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の第3段階を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の第4段階を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の第5段階を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の第1工程を示す断面図である。 図1の主要部の断面図である。 切断装置32の概念構成を示す平面図である。 切断装置32の側面図である。 原子炉圧力容器14の断面図である。 原子炉建屋の主要部の一例を示した断面図である。
符号の説明
10………原子炉建屋、12………原子炉格納容器、14………原子炉圧力容器、16………熱遮蔽壁、17………バルクヘッドプレート、18………原子炉ウェル、20………ウェルシールドプラグ、21………連通口、22………ドライヤセパレータプール、24………操作エリア、26………天井クレーン、30………ジャッキ、32………水中切断装置、34………グリンハウス、38………ローラー、40………気中切断装置、44………モノレール、45………ホイスト、48………グリンハウス、50………(輪切り切断用)ミーリング切断機、52………(縦裁断用)ミーリング切断機、54………基台、62………受板、63………燃料棒制御管群、67………シリンダー、67A………伸縮ロッド、67B………水平棒、68………上部支柱、68A………連結具、69………連結支柱、70………上蓋、72………胴体、74………下鏡。

Claims (3)

  1. 原子炉圧力容器の下方にジャッキを配置し、当該ジャッキによって前記原子炉圧力容器を押し上げながら原子炉ウェル内の定位置で前記原子炉圧力容器の胴体上部を順次、気中切断する第1工程と、第1工程によって胴体上部が切断された原子炉圧力容器を前記ジャッキによって押し上げ、押し上げた前記原子炉圧力容器の胴体下部と前記原子炉ウェルの底部とを水封した後に当該原子炉ウェル内に水を満たし、前記原子炉圧力容器の胴体下部を水中切断する第2工程とを含むことを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法。
  2. 前記ジャッキとしてシリンダーを使用し、当該シリンダーの側方に連結支柱を継ぎ足すことによって、前記原子炉圧力容器を押し上げることを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の解体工法。
  3. 前記切断した切断片をプール設備の水中へ移送することを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の解体工法。
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