JP6312911B1 - 原子炉圧力容器の解体工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子炉圧力容器の解体工法の選択肢を広げることができる原子炉圧力容器の解体工法を提供することを目的としている。【解決手段】本発明の原子炉圧力容器の解体工法は、原子炉建屋10の原子炉格納容器14内で熱遮蔽壁141及び金属保温材142で囲まれた原子炉圧力容器12の解体工法であって、前記熱遮蔽壁141及び金属保温材142を上方から撤去する撤去工程と、前記熱遮蔽壁141及び金属保温材142が撤去された前記原子炉圧力容器12を切断するRPV一次切断工程と、を有することを特徴としている。【選択図】図12

Description

本発明は、原子炉建屋の原子炉格納容器内において熱遮蔽壁及び金属保温材で囲まれた原子炉圧力容器の解体工法に関する。
耐久年数の経過した原子力発電所は所定の廃止措置がとられる。廃炉作業において、建屋内の構造物は大型のため、所定の大きさに切断しなければ外部へ運び出すことができない。このとき切断時に発生するスラッジ等の放射性物質の拡散ならびに作業者の被ばくを防止することが求められている。
従来の原子炉圧力容器の解体工法として特許文献1に開示の技術は、原子炉圧力容器の上部開口から容器内部へ切断手段を挿入して、内側から容器を切断し、切断した原子炉圧力容器を外部に搬出している。
特開2004−61396号公報
特許文献1に開示の解体工法によれば、原子炉圧力容器を切断する際、容器の内部空間を利用するため作業スペースを確保できる。このとき機械式切断の反力を受けるための機構が必要となるが、この機構の設置スペースも容易に確保できる。
一方、原子炉圧力容器を外側から切断することができれば、被ばく及び放射性物質の拡散を低減しつつ使用可能な切断装置の種類が増えることから解体工法の選択肢を広げることができる。また、金属保温材は薄板状の金属膜が積層された構造であり、切断時に切断装置の刃に金属膜が絡まるなどのトラブルが発生しやすく、その際の対応が必要である。
しかしながら、現状の原子炉圧力容器は、容器を囲む熱遮蔽壁との間のスペースが狭く、この狭隘なスペースに切断手段を設置して外側から切断することは困難であり、解体工法が極めて限定的となっていた。
そこで上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は原子炉圧力容器の解体工法の選択肢を広げることができる原子炉圧力容器の解体工法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、原子炉建屋の原子炉格納容器内で熱遮蔽壁に囲まれて、外表面を金属保温材で覆われた原子炉圧力容器(Reactor Pressure Vessel、以下単にRPVということあり)の解体工法であって、
前記熱遮蔽壁を一次切断したのち、前記熱遮蔽壁の上面に前記原子炉圧力容器の外周に沿って囲む円形状の作業用足場を搬入して設置し、露出する金属保温材を上方から一部撤去する撤去工程と、
前記熱遮蔽壁及び金属保温材が撤去された前記原子炉圧力容器を切断するRPV一次切断工程と、
を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第1の手段によれば、熱遮蔽壁及び金属保温材を一部撤去して露出した原子炉圧力容器を外側又は内側から切断する方法及び装置の選択肢を広げることができる。
上記課題を解決するための第2の手段として、本発明は、前記第1の手段において、前記熱遮蔽壁の撤去工程は、前記熱遮蔽壁の外周をワイヤソーで巻き回して前記熱遮蔽壁を一次切断することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第2の手段によれば、熱遮蔽壁のみを切断して撤去する作業が容易となる。
上記課題を解決するための第3の手段として、本発明は、前記第1又は第2の手段において、前記金属保温材の撤去工程は、前記熱遮蔽壁の上面に作業用足場を設置する工程と、
前記作業用足場上から前記金属保温材を撤去する工程と、
を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第3の手段によれば、作業員の足場が確保でき、金属保温材を撤去する作業が容易となり、かつ作業者の安全性を確保することができる。
上記課題を解決するための第4の手段として、本発明は、前記第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記熱遮蔽壁及び金属保温材の撤去工程とRPV一次切断工程は、前記原子炉圧力容器の上方から下方に向けて段階的に複数回行うことを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第4の手段によれば、原子炉圧力容器の露出部分が切断対象箇所のみとなり、原子炉圧力容器から発生する放射線の遮蔽効果を確保できる。
上記課題を解決するための第5の手段として、本発明は、前記第1ないし4のいずれか1の手段において、前記RPV一次切断工程は、前記原子炉圧力容器の横切断面に沿った輪切り状に切断し、前記原子炉圧力容器の切断面より下方は前記熱遮蔽壁及び前記金属保温材で覆われていることを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第5の手段によれば、一次切断する原子炉圧力容器よりも下方は熱遮蔽壁及び金属保温材で囲まれているため、放射性物質の拡散防止及び放射線の遮蔽効果を確保できる。
上記課題を解決するための第6の手段として、本発明は、前記第1ないし第5のいずれか1の手段において、前記原子炉圧力容器を一次切断する前に、
前記原子炉圧力容器の圧力容器蓋を撤去した後、ドライヤ・セパレータプール及び原子炉ウェルの内部に水を充填する工程と、
前記原子炉圧力容器の炉内構造物を前記ドライヤ・セパレータプールへ搬送して切断する工程と、
を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第6の手段によれば、炉内構造物の切断工程を水中で行うことにより、放射性物質の拡散及び放射線の遮蔽効果を確保できる。
本発明によれば、熱遮蔽壁及び金属保温材を一部撤去して露出した原子炉圧力容器を外側又は内側から切断する方法及び装置の選択肢を広げることができる。
また原子炉圧力容器の露出部分が切断対象箇所のみとなり、原子炉圧力容器から発生する放射線の遮蔽効果を確保できる。
原子炉建屋の平面図及び縦断側面図である。 原子炉圧力容器の解体工法の処理フロー図である。 RPVヘッドを撤去する説明図である。 DSP内に二次切断装置を設置する説明図である。 DSP、原子炉ウェルを水張りする説明図である。 RPVの炉内構造物を撤去する説明図である。 熱遮蔽壁の上面に作業用足場を構成して金属保温材を撤去する説明図である。 熱遮蔽壁及び金属保温材を撤去したRPVを一次切断する説明図である。 RSWの一部を一次切断する説明図である。 RSW上に作業用足場を設置して金属保温材を撤去する説明図である。 RPVを一次切断する説明図である。 RSW、金属保温材、RSWを段階的に一次切断及び撤去する説明図である。
本発明の原子炉圧力容器の解体工法について、添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
図1は原子炉建屋の(A)平面図及び(B)縦断側面図である。図示のように原子炉建屋10は、ドライヤー(蒸気乾燥機)とセパレータ(気水分離機)とシュラウド(制御棒を収容する構造物)とジェットポンプなどの炉内構造物122(図3参照)を有する原子炉圧力容器12と、RPV12を囲んで放射線を遮蔽するコンクリート製の熱遮蔽壁(Radiation Shielding Wall,以下単にRSWということあり)141と、熱遮蔽壁141とRPV12の間に取り付けRPV12を囲んで輻射熱を反射する金属保温材142と、RPV12を収納する原子炉格納容器14と、定期点検中にドライヤとセパレータを保管し、またシュラウドを小片に切断するスペースとなるドライヤ・セパレータプール(DSP)16と、RPV12の上に設けられたプールとなる原子炉ウェル18と、使用済み燃料及び放射能で汚染された機器等を貯蔵する使用済燃料プール(SFP)20を備えている。
なお解体工法での搬送工程、切断工程は制御手段を介した遠隔操作とし、作業者の被ばくを防止している。またRSW141又はRPV12の一次切断とはRSW141又はRPV12を横切断面に沿った輪切り状に切断する切断をいい、二次切断とは一次切断したRSW141又はRPV12をさらに細かく切断して小片化することをいう。
[RPVの解体工法]
図2はRPVの解体工法の処理フロー図である。
なお、解体工法の前提としてRPV12内の核燃料及びSFP内の使用済核燃料、さらにSFP内の燃料ラック、RPV12に接続する各種配管等は全て撤去済みとする。
ステップ1:RPV12の圧力容器蓋となるRPVヘッド121を撤去する。図3はRPVヘッドを撤去する説明図である。図示のように天井クレーン11の主巻フック111を用いてRPVヘッド121を吊り上げて外部へ搬出する。
図4はDSP内に二次切断装置を設置する説明図である。DSP16内で炉内構造物122を切断するために水中二次切断装置163及びターンテーブル付仮受台(以下単に仮受台という)164を設置する。
本実施形態の水中二次切断装置163は、一例としてアブレシブウェータージェットを用いて切断している。この切断装置は、水を所定圧に加圧し小径ノズルから噴射する際に研磨剤(アブレシブ)を混入させて切断する装置であり、水中で構造物を切断加工できる。
仮受台164は、ドライヤ、セパレータなどの炉内構造物122をDSP16内で仮置きする平面視でほぼ円形のターンテーブルを備えた受台である。
ステップ2:次にDSP16及び原子炉ウェル18に水張りを行う。図5はDSP、原子炉ウェルを水張りする説明図である。原子炉ウェル18及びDSP16の間にはDSPプラグ(仕切り)161が設置されていたが(図4参照)DSPプラグ161を取り外した後、DSPゲート162を設置して、DSP16及び原子炉ウェル18を所定の水位(放射線が水中でとまる水位)まで水を張る。原子炉ウェル18はRPV12の上面開口と接続しており、RPV12の内部にも水が充填される。
ステップ3:RPV12のドライヤ、セパレータ、シュラウドなどの炉内構造物122を撤去する。図6はRPVの炉内構造物を撤去する説明図である。DSPゲート162は原子炉ウェル18とDSP16の間を開閉可能なゲートであり、切断作業により汚染された水の拡散を防止している。天井クレーン11を用いて炉内構造物122を吊り上げる。DSPゲート162を開放して原子炉ウェル18からDSP16へ炉内構造物122を水中で移動させる。このとき炉内構造物122が水面から気中に出ないようにして、放射性物質の拡散防止及び放射線の遮蔽を行っている。
DSP16内の仮受台164上に炉内構造物122を仮置きした後、DSPゲート162を閉じる。
作業フロア112で作業員を乗せた作業用台車113を仮受台164の上方付近に配置し、作業員の遠隔操作でDSP16内(水中)で炉内構造物122を水中二次切断装置163で切断する。なお切断片は後述するバスケット30に収納可能な大きさに切断する。
DSP16内にはあらかじめ上面開口を有する籠状のバスケット30及びその受台32が設置されている。
遠隔操作によるロボットアーム(不図示)を用いてバスケット30に切断片を収容する。バスケット30に所定量の切断片が収容されたら、天井クレーン11の主巻フック111に接続した放射線遮蔽吊具40を用いてDSP16外部へ搬送する。
放射線遮蔽吊具40は下面開口を有する容器状に形成し、内部に吊上げ手段42を設置している。
天井クレーン11で放射線遮蔽吊具40をバスケット30の上方まで移動する。このとき、放射線遮蔽吊具40の下面開口の端部をDSP16の水面に接触(水没)させる。次に吊上げ手段42のフックを下降させて先端のフックをバスケット30の上端に係止させる。そしてバスケット30をDSP16から放射線遮蔽吊具40の内部まで吊り上げる。バスケット30は籠状に形成されているため、放射線遮蔽吊具40の内部で水切りされて軽量化できる。ついで放射線遮蔽吊具40の内部に吊下げられたバスケット30は後述する作業フロア112上の処分容器収納エリア114(図1参照)へ搬送される。搬送中は容器状の放射線遮蔽吊具40に覆われているため放射性物質の拡散防止及び放射線の遮蔽ができる。なおその他の炉内構造物122についても上記同様の切断作業を行う。
ステップ4:RSW及び金属保温材を上方から一部撤去する。
図7は熱遮蔽壁の上面に作業用足場143を構成して金属保温材を撤去する説明図である。まずDSP16、原子炉ウェル18、RPV12に溜めてあった水を排水する。熱遮蔽壁141の上面に作業用足場143を設置する。作業用足場143は、RPV12と原子炉格納容器14の間で水平方向に配置し、RPV12の外周に沿って囲む様に連結された、全体として平面視で円形状の足場である。作業用足場143の構成部材は天井クレーン11により容易に搬入又は搬出可能な寸法となっている。作業員は作業用足場143上から露出している金属保温材142を撤去する。金属保温材142の撤去作業は、例えば複数の金属製パーツをビス留めした構成の金属保温材142の場合、ビス留めを除去、切断カッターを用いて切断するなどして撤去する。金属保温材142を一部撤去した後、天井クレーン11を用いて作業用足場143を作業フロア112へ搬出する。
ステップ5:露出したRPVを一次切断装置にて一次切断する。
図8は熱遮蔽壁及び金属保温材を撤去したRPVを一次切断する説明図である。天井クレーン11を用いてRPV一次切断装置123をRPV12内に搬送する。
本実施形態のRPV一次切断装置123は、気中でRPV12を横切断面に沿った輪切り状に切断可能な装置であり、一例としてプラズマアーク、アークソー、レーザー、機械式カッター等を用いることができる。図8に示すRPV一次切断装置123はRPV12の内側から輪切り状に切断可能な装置を示しているが、切断装置はこれに限定されず、その他RPV12の外側から輪切り状に切断可能な切断装置(例えばワイヤソーやバンドソーなど)を適用することもできる。この場合、前述の作業用足場を撤去せず(図8中の作業用足場を二点破線で示す)、ワイヤソーのサポートに用いるなどして利用できる。
またRPV12の一次切断は、天井クレーン11の吊り上げ能力、RPV12の大きさ等を考慮して輪切り切断を複数回行う。またRPV12に設置されている各種ノズル124はノズル切断装置125であらかじめ切断している。
RPV一次切断装置123でRPV12を一次切断する。RPV一次切断工程中は、RPV12の切断面よりも下方が熱遮蔽壁141及び金属保温材142で囲まれているため、放射性物質の拡散防止及び放射線の遮蔽効果を確保できる。
RPV12を一次切断した後、RPV一次切断装置123をRPV12の外部(作業フロア112など)へ移動させて、天井クレーン11で一次切断したRPV12を吊り上げ、作業フロア112上の気中二次切断装置115へ搬送する。
気中二次切断装置115は、気中でRPV12又はRSW141を小片状に切断可能な装置であり、一例としてプラズマアーク、アークソー、レーザー、機械式カッター等を用いることができる。なお切断片は前述のバスケット30に収納可能な大きさに切断する。遠隔操作によるロボットアームを用いてバスケット30に切断片を収容する。バスケット30に所定量の切断片が収容されたら、天井クレーン11の主巻フック111に接続した放射線遮蔽吊具40を用いて作業フロア112の処分容器収納エリア114へ搬送する。
図9は、RSWの一部を一次切断する説明図である。作業フロア112にRSW一次切断装置116を設置する。本実施形態のRSW一次切断装置116は、熱遮蔽壁141の外周よりも長いループ状の切断用のワイヤソー116aと、ワイヤソー116aを周回駆動させる駆動部116bと、作業フロア112上の駆動部116bから上下方向に移動してワイヤソー116aを回転可能に支持するローラを備えた支持部116cからなる。
このような構成のRSW一次切断装置116のワイヤソー116aをRSW141の外周に沿って巻き回して輪切り切断する。なおRSW141の一次切断は、天井クレーン11の吊り上げ能力、RSW141の大きさ、一次切断するRPVの切断面よりも下方(より近く)のRSW上面に作業用足場143が設置できるような位置まで輪切り切断を複数回行う。
RSW141を一次切断した後、天井クレーン11で吊り上げ、作業フロア112上の気中二次切断装置115へ搬送する。
気中二次切断装置115を用いてRSW141を小片状に二次切断した後、遠隔操作によるロボットアームを用いてバスケット30に切断片を収容する。バスケット30に所定量の切断片が収容されたら、天井クレーン11の主巻フック111に接続した放射線遮蔽吊具40を用いて作業フロア112の処分容器収納エリア114へ搬送する。
図9に示すRSW141の一次切断は、次のRPV12の一次切断面よりも下方(より近く)のRSW141上面に作業用足場143が設置できるような位置まで行っている。
図10はRSW上に作業用足場を設置して金属保温材を撤去する説明図である。図7と同様にRSW141の上面に作業用足場143を設置する。そして作業員は作業用足場143に載って、露出する金属保温材142を撤去する。金属保温材142の撤去作業は、RSW141が撤去されているため取り外しが容易な作業となる。露出した金属保温材142を全て撤去した後、天井クレーン11を用いて作業用足場143を作業フロア112へ搬出する。
図11はRPVを一次切断する説明図である。図8と同様に天井クレーン11を用いてRPV一次切断装置123をRPV12内に搬送する。
RPV一次切断装置123でRPV12を一次切断する。RPV一次切断工程中は、RPV12の切断面よりも下方が熱遮蔽壁141及び金属保温材142で囲まれているため、放射性物質の拡散防止及び放射線の遮蔽効果を確保できる。
RPV12を一次切断した後、RPV一次切断装置123をRPV12の外部(作業フロア112など)へ移動させて、天井クレーン11で一次切断したRPV12を吊り上げ、作業フロア112上の気中二次切断装置115へ搬送する。
二次切断した切断片は、遠隔操作によるロボットアームを用いてバスケット30に収容する。バスケット30に所定量の切断片が収容されたら、天井クレーン11の主巻フック111に接続した放射線遮蔽吊具40を用いて作業フロア112の処分容器収納エリア114へ搬送する。
図12はRSW、金属保温材、RSWを段階的に一次切断及び撤去する説明図である。図9に示すRSWの一次切断から図11のRPVの一次切断までの工程を段階的に複数回繰り返し行う。このときRPV一次切断工程中は、RPV12の切断面よりも下方が熱遮蔽壁141及び金属保温材142で囲まれているため、放射性物質の拡散防止及び放射線の遮蔽効果を確保できる。
このような本発明によれば、熱遮蔽壁及び金属保温材を一部撤去して露出した原子炉圧力容器を外側又は内側から切断する方法及び装置の選択肢を広げることができる。また原子炉圧力容器の露出部分が切断対象箇所のみとなり、原子炉圧力容器から発生する放射線の遮蔽効果を確保できる。
本発明は耐用年数の経過した原子力発電所の廃炉作業を行う原子力産業分野において、産業上の利用可能性を有する。
10………原子炉建屋、
11………天井クレーン、111………主巻フック、112………作業フロア、113………作業用台車、114………処分容器収納エリア、115………気中二次切断装置、116………RSW一次切断装置、
12………原子炉圧力容器(RPV)、121………RPVヘッド、122………炉内構造物、123………RPV一次切断装置、124………ノズル、125………ノズル切断装置、
14………原子炉格納容器、141………熱遮蔽壁(RSW)、142………金属保温材、143………作業用足場、
16………ドライヤ・セパレータプール(DSP)、161………DSPプラグ、162………DSPゲート、163………水中二次切断装置、164………ターンテーブル付仮受台、
18………原子炉ウェル、
20………使用済燃料プール(SFP)、
30………バスケット、32………受台、
40………放射線遮蔽吊具、42………吊上げ手段。

Claims (5)

  1. 原子炉建屋の原子炉格納容器内で熱遮蔽壁に囲まれて、外表面を金属保温材で覆われた原子炉圧力容器の解体工法であって、
    前記熱遮蔽壁を一次切断したのち、前記熱遮蔽壁の上面に前記原子炉圧力容器の外周に沿って囲む円形状の作業用足場を搬入して設置し、露出する金属保温材を上方から一部撤去する撤去工程と、
    前記熱遮蔽壁及び金属保温材が撤去された前記原子炉圧力容器を切断するRPV一次切断工程と、
    を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法。
  2. 前記熱遮蔽壁の撤去工程は、前記熱遮蔽壁の外周をワイヤソーで巻き回して前記熱遮蔽壁を一次切断することを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の解体工法
  3. 前記熱遮蔽壁及び金属保温材の撤去工程とRPV一次切断工程は、前記原子炉圧力容器の上方から下方に向けて段階的に複数回行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の原子炉圧力容器の解体工法。
  4. 前記RPV一次切断工程は、前記原子炉圧力容器の横切断面に沿った輪切り状に切断し、前記原子炉圧力容器の切断面より下方は前記熱遮蔽壁及び前記金属保温材で覆われていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1に記載の原子炉圧力容器の解体工法。
  5. 前記原子炉圧力容器を一次切断する前に、
    前記原子炉圧力容器の圧力容器蓋を撤去した後、ドライヤ・セパレータプール及び原子炉ウェルの内部に水を充填する工程と、
    前記原子炉圧力容器の炉内構造物を前記ドライヤ・セパレータプールへ搬送して切断する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1に記載の原子炉圧力容器の解体工法。
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