JP6788570B2 - 原子炉圧力容器の解体方法 - Google Patents
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、作業員の被ばくを抑制できる原子炉圧力容器の解体方法を提供することを目的とする。
図1は、原子力施設1(例えば原子力発電所)の縦断面図であり、該原子力施設1は、本発明の一実施形態による原子炉圧力容器解体方法に適用される
図1において、原子力施設1は、リアクターウェル32と、ドライヤセパレータプール34(プール)と、使用済燃料貯蔵プール36(プール)と、原子炉圧力容器10と、クレーン14と、オペレーションフロア26と、を備えている。
原子炉圧力容器10が寿命を迎えたとき、原子炉圧力容器10は解体される。図2は、本実施形態の解体方法の手順を示すフローチャートである。図3は、本実施形態の解体方法を適用中の原子力施設1の縦断面図である。
図2に示す解体方法が実行される前に、図1に示すドライヤ11、セパレータ12等は、解体される。これらの機器は、ゲート拡張工事(詳細は後述する)を行わなくても、ドライヤセパレータプール34等に搬送できるためである。また、図2に示す解体方法が実行される前に、ドライヤセパレータプール34および使用済燃料貯蔵プール36からは水が抜かれている。
次のステップS4においては、原子力施設1に切断装置22およびテーブル20(図3参照)が搬入される。切断装置22は、原子炉圧力容器10を輪切り切断する装置であり、テーブル20は、輪切り切断した輪切り切断片24をさらに細断する作業台である。
次のステップS6においては、原子炉格納容器(図示せず)の上部部材(図示せず)が撤去される。
次のステップS8では、先に原子力施設1に搬入された切断装置22等が、図3に示すように、原子炉圧力容器10に設置される。また、テーブル20も、図3に示すように、ドライヤセパレータプール34に設置される。
次のステップS12では、原子炉圧力容器10に接続されている各種ノズル・配管部(図示せず)が切断される。
次のステップS14では、原子炉圧力容器10が輪切り切断される。これにより、略円環状の輪切り切断片24(図3参照)が切り出される。
次のステップS18では、クレーン14によって、輪切り切断片24を、リアクターウェル32の位置からドライヤセパレータプール34の位置まで移動する。より詳細には、輪切り切断片24を、テーブル20の上方に位置させる。輪切り切断片24の移動における移動ルートRT1は、オペレーションフロア26のフロアレベルHFよりも輪切り切断片24の上端部が低い位置を維持するように設定される。
次のステップS22では、テーブル20において、図示せぬ溶接装置等によって輪切り切断片24を細断する。細断によって得られた細断片は、保管容器に収納され、原子力施設1の外部に搬出される。
次のステップS24では、原子炉圧力容器10が未だリアクターウェル32に残存しているか否かが判定される。ここで「Yes」と判定されると、作業はステップS14に戻り、原子炉圧力容器10が再び輪切り切断される。
以後、原子炉圧力容器10が輪切り切断されつつリアクターウェル32から撤去されるまで、ステップS14〜S22の作業が繰り返される。そして、原子炉圧力容器10がリアクターウェル32から撤去されると、図2における作業が終了する。
次に、本実施形態の効果を明らかにするため、比較例について説明する。本比較例において、対象となる原子力施設1は、図1に示したものと同様である。図4は、比較例の解体方法の手順を示すフローチャートであり、図5は、比較例の解体方法を適用中の原子力施設1の縦断面図である。
図4に示すように、本比較例においては、上述した実施形態におけるステップS1(図2、ゲート拡張工事)は実行されず、ステップS2の作業(レーン14等の機材の点検、各エリアのエリア整備)が実行される。
次のステップS36では、クレーン14によって輪切り切断片24を吊持し、該輪切り切断片24をオペレーションフロア26のフロアレベルHFよりも高い位置まで吊り上げる。図5に示す輪切り切断片24の高さは、このステップS36が実行された状態の高さの一例である。
以下、ステップS20〜S24の内容は、上記実施形態のものと同様である。すなわち、原子炉圧力容器10がリアクターウェル32から撤去されるまで、ステップS14,S36,S38,S20,S22の作業が繰り返され、原子炉圧力容器10がリアクターウェル32から撤去されると、図4における作業が終了する。
以上のように本実施形態によれば、ゲート(40)を横方向に拡張するゲート拡張工程(S1)と、原子炉圧力容器(10)を輪切り切断して、輪切り切断片(24)を得る輪切り工程(S14)と、輪切り切断片(24)を、オペレーションフロア(26)のフロアレベル(HF)よりも低い位置まで吊り上げる吊上げ工程(S16)と、輪切り切断片(24)の高さを、フロアレベル(HF)よりも低い位置に維持しつつ、輪切り切断片(24)をリアクターウェル(32)からプール(34)まで移動する移動工程(S18)と、プール(34)において輪切り切断片(24)を細断する細断工程(S22)と、を備えることを特徴とする。
これにより、輪切り切断片(24)の高さを、フロアレベル(HF)よりも低い位置に維持できるため、作業員の被ばくを抑制できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記実施形態の構成に他の構成を追加してもよく、構成の一部について他の構成に置換をすることも可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
10 原子炉圧力容器
14 クレーン
20 テーブル
22 切断装置
24 輪切り切断片
26 オペレーションフロア
32 リアクターウェル
34 ドライヤセパレータプール(プール)
36 使用済燃料貯蔵プール(プール)
40 第1ゲート(ゲート)
44 第2ゲート(ゲート)
Claims (3)
- 略円筒状の原子炉圧力容器を設置したリアクターウェルと、物品の通路であるゲートを形成した仕切壁を隔てて前記リアクターウェルに隣接するプールと、作業員が作業を行うオペレーションフロアと、を備えた原子力施設において、前記ゲートを横方向に拡張するゲート拡張工程と、
前記原子炉圧力容器を輪切り切断して、輪切り切断片を得る輪切り工程と、
前記輪切り切断片を、前記オペレーションフロアのフロアレベルよりも低い位置まで吊り上げる吊上げ工程と、
前記輪切り切断片の高さを、前記フロアレベルよりも低い位置に維持しつつ、前記輪切り切断片を前記リアクターウェルから前記プールまで移動する移動工程と、
前記プールにおいて前記輪切り切断片を細断する細断工程と、
を備えることを特徴とする原子炉圧力容器の解体方法。 - 前記ゲート拡張工程は、前記ゲートを、横方向に加えて高さ方向にも拡張する過程である
ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の解体方法。 - 前記プールは、ドライヤセパレータプールまたは使用済燃料貯蔵プールである
ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉圧力容器の解体方法。
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