JPH11269613A - 化学エッチング性に優れたステンレス鋼 - Google Patents
化学エッチング性に優れたステンレス鋼Info
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- JPH11269613A JPH11269613A JP7098498A JP7098498A JPH11269613A JP H11269613 A JPH11269613 A JP H11269613A JP 7098498 A JP7098498 A JP 7098498A JP 7098498 A JP7098498 A JP 7098498A JP H11269613 A JPH11269613 A JP H11269613A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エッチング製品を安定して生産できる、エッ
チング性に優れたステンレス鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005〜0.05
%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜1.0
%、P:0.04%以下、S:0.005%以下、C
r:17.0〜20.0%、Ni:7.0〜10.0
%、Co:0.01〜0.3%、Cu:0.05〜0.
4%を含有し、さらに、Nb:0.003〜0.02
%、V:0.05〜0.2%の1種以上を含有し、残部
がFeおよび不可避的不純物からなり、下記の式で示さ
れるエッチング性指標E.I.の値が−46以上、−4
1以下であることを特徴とする化学エッチング性に優れ
たステンレス鋼。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V])
チング性に優れたステンレス鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005〜0.05
%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜1.0
%、P:0.04%以下、S:0.005%以下、C
r:17.0〜20.0%、Ni:7.0〜10.0
%、Co:0.01〜0.3%、Cu:0.05〜0.
4%を含有し、さらに、Nb:0.003〜0.02
%、V:0.05〜0.2%の1種以上を含有し、残部
がFeおよび不可避的不純物からなり、下記の式で示さ
れるエッチング性指標E.I.の値が−46以上、−4
1以下であることを特徴とする化学エッチング性に優れ
たステンレス鋼。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V])
Description
【0001】本発明は化学エッチング性に優れたステン
レス鋼素材に関する。
レス鋼素材に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼のエッチングによる加工
は、建材、ア−ト商品及び電子部品など多くの分野で行
われている。特開平4−107279号公報及び特開平
4−263085号公報に記載されているように、一般
にステンレス鋼のエッチングには、塩化第二鉄/塩酸溶
液を主成分とするエッチング液が用いられている。これ
らのエッチング製品はエッチング液に金属を溶解させて
製造されるが、エッチングによる板厚精度不良やエッチ
ングムラなどのいわゆるエッチング不良を起こす場合も
少なくない。このようなエッチング不良が生じた場合、
多大な損失となり非常に問題である。
は、建材、ア−ト商品及び電子部品など多くの分野で行
われている。特開平4−107279号公報及び特開平
4−263085号公報に記載されているように、一般
にステンレス鋼のエッチングには、塩化第二鉄/塩酸溶
液を主成分とするエッチング液が用いられている。これ
らのエッチング製品はエッチング液に金属を溶解させて
製造されるが、エッチングによる板厚精度不良やエッチ
ングムラなどのいわゆるエッチング不良を起こす場合も
少なくない。このようなエッチング不良が生じた場合、
多大な損失となり非常に問題である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した従
来技術の問題に鑑み、ステンレス鋼板材を塩化第二鉄と
塩酸系の混合水溶液中でエッチング処理する際、少なか
らず発生するエッチング不良に起因する製品生産性の低
下を未然に防止し、生産性を向上するための化学エッチ
ング性に優れたステンレス鋼素材を提供するものであ
る。
来技術の問題に鑑み、ステンレス鋼板材を塩化第二鉄と
塩酸系の混合水溶液中でエッチング処理する際、少なか
らず発生するエッチング不良に起因する製品生産性の低
下を未然に防止し、生産性を向上するための化学エッチ
ング性に優れたステンレス鋼素材を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、既に特願
平9−61518号にて、ステンレス鋼のエッチング性
評価液及びエッチング性評価方法を開示している。当該
特許明細書にも記載されているようにエッチングの過程
では、材料をエッチング液に浸漬した直後では不動態化
しており、その後、ステンレス鋼表面の不動態皮膜が溶
解してエッチングが開始され、活性溶解の進行とともに
エッチングが進行する。そしてエッチングの良・不良
は、この表面不動態皮膜が溶解してエッチングが開始さ
れ、活性溶解が起こるまでの時間(以下、自己活性化時
間と呼ぶ)の長短に関係する。具体的な例としては1%
塩化第二鉄+5.4%塩酸溶液(以下、エッチング評価
液と呼ぶ)、30℃中での自己活性化時間が5秒以下で
あればエッチング性は非常に良好になることなどが記載
されている。
平9−61518号にて、ステンレス鋼のエッチング性
評価液及びエッチング性評価方法を開示している。当該
特許明細書にも記載されているようにエッチングの過程
では、材料をエッチング液に浸漬した直後では不動態化
しており、その後、ステンレス鋼表面の不動態皮膜が溶
解してエッチングが開始され、活性溶解の進行とともに
エッチングが進行する。そしてエッチングの良・不良
は、この表面不動態皮膜が溶解してエッチングが開始さ
れ、活性溶解が起こるまでの時間(以下、自己活性化時
間と呼ぶ)の長短に関係する。具体的な例としては1%
塩化第二鉄+5.4%塩酸溶液(以下、エッチング評価
液と呼ぶ)、30℃中での自己活性化時間が5秒以下で
あればエッチング性は非常に良好になることなどが記載
されている。
【0005】本発明者は、上記のエッチング性評価液及
びエッチング性評価方法を用いて種々のSUS304ス
テンレス鋼(基本成分:18%Cr−8%Ni)のエッ
チング性に及ぼす微量合金成分(Cu,Co,Mo,
W,Sn,NbおよびV)の影響を検討した。その結
果、エッチング性を大幅に改善するのはNb及びVであ
ること、また、エッチング性をさらに改善するためには
Cu,Co,Mo,W,Snの各元素をある程度の量以
下に抑える必要があることなどが知見されたのである。
さらに、下記の式で示されるエッチング性指標E.I.
の値が−46以上、−41以下の範囲であれば自己活性
化時間が5秒以下となり、良好なエッチング性が得られ
ることも明らかになった。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V]) 本発明は、上記の知見に基づくものであって、その要旨
とするところは、 「 (1) 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Si:0.01〜1.0%、 Mn:0.1〜1.0%、 P :0.04%以下、 S :0.005%以下、 Cr:17.0〜20.0%、 Ni:7.0〜10.0%、 Co:0.01〜0.3%、 Cu:0.05〜0.4% を含有し、さらに、 Nb:0.003〜0.02%、 V :0.05〜0.2% の1種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物
からなり、下記の式で示されるエッチング性指標E.
I.の値が−46以上、−41以下であることを特徴と
する化学エッチング性に優れたステンレス鋼。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V]) (2) 鋼成分として、さらに重量%で、 W :0.001〜0.03%、 Sn:0.001〜0.02%、 Mo:0.01〜0.3% の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の
化学エッチング性に優れたステンレス鋼。」である。
びエッチング性評価方法を用いて種々のSUS304ス
テンレス鋼(基本成分:18%Cr−8%Ni)のエッ
チング性に及ぼす微量合金成分(Cu,Co,Mo,
W,Sn,NbおよびV)の影響を検討した。その結
果、エッチング性を大幅に改善するのはNb及びVであ
ること、また、エッチング性をさらに改善するためには
Cu,Co,Mo,W,Snの各元素をある程度の量以
下に抑える必要があることなどが知見されたのである。
さらに、下記の式で示されるエッチング性指標E.I.
の値が−46以上、−41以下の範囲であれば自己活性
化時間が5秒以下となり、良好なエッチング性が得られ
ることも明らかになった。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V]) 本発明は、上記の知見に基づくものであって、その要旨
とするところは、 「 (1) 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Si:0.01〜1.0%、 Mn:0.1〜1.0%、 P :0.04%以下、 S :0.005%以下、 Cr:17.0〜20.0%、 Ni:7.0〜10.0%、 Co:0.01〜0.3%、 Cu:0.05〜0.4% を含有し、さらに、 Nb:0.003〜0.02%、 V :0.05〜0.2% の1種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物
からなり、下記の式で示されるエッチング性指標E.
I.の値が−46以上、−41以下であることを特徴と
する化学エッチング性に優れたステンレス鋼。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V]) (2) 鋼成分として、さらに重量%で、 W :0.001〜0.03%、 Sn:0.001〜0.02%、 Mo:0.01〜0.3% の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の
化学エッチング性に優れたステンレス鋼。」である。
【0006】
【発明の実施形態】以下に本発明の構成用件の限定理由
を述べる。 [C量:0.005%以上、0.05%以下]Cはステ
ンレス鋼の耐食性に有害であるが、強度の観点からある
程度の含有量は必要である。0.005%未満の極低炭
素量では製造コストが高くなる。また、0.05%を超
えるとエッチングムラの発生が多大となる。よって、C
量は0.005%以上0.05%以下とする。
を述べる。 [C量:0.005%以上、0.05%以下]Cはステ
ンレス鋼の耐食性に有害であるが、強度の観点からある
程度の含有量は必要である。0.005%未満の極低炭
素量では製造コストが高くなる。また、0.05%を超
えるとエッチングムラの発生が多大となる。よって、C
量は0.005%以上0.05%以下とする。
【0007】[Si量:0.01%以上1.0%以下]
Siは0.01%未満の極低Si量では製造コストが高
くなる。また、エッチング性に影響を及ぼさない範囲
で、熱間圧延可能な通常のステンレス鋼の成分範囲とし
て、Si量は1.0%以下とした。
Siは0.01%未満の極低Si量では製造コストが高
くなる。また、エッチング性に影響を及ぼさない範囲
で、熱間圧延可能な通常のステンレス鋼の成分範囲とし
て、Si量は1.0%以下とした。
【0008】[Mn量:0.1%以上1.0%以下]M
nはオ−ステナイト安定化元素であり、高価なNiの代
替として添加することが可能であるが、本発明で対象と
している塩化第二鉄/塩酸系溶液中でのエッチング性は
1.0%を超えると急激に劣化する。エッチング性に影
響を与えないため、本発明におけるMn量は1.0%以
下とした。また、0.1%未満に低減するためには製造
コストが高くなることから、Mn量は0.1%以上とし
た。
nはオ−ステナイト安定化元素であり、高価なNiの代
替として添加することが可能であるが、本発明で対象と
している塩化第二鉄/塩酸系溶液中でのエッチング性は
1.0%を超えると急激に劣化する。エッチング性に影
響を与えないため、本発明におけるMn量は1.0%以
下とした。また、0.1%未満に低減するためには製造
コストが高くなることから、Mn量は0.1%以上とし
た。
【0009】[P量:0.04%以下]Pは耐食性およ
び熱間加工性の観点から少ないことが望ましい。0.0
4%を超えると熱間加工性が極端に劣化する。よって、
P量は0.04%以下とした。
び熱間加工性の観点から少ないことが望ましい。0.0
4%を超えると熱間加工性が極端に劣化する。よって、
P量は0.04%以下とした。
【0010】[S量:0.005%以下]Sは耐食性よ
りも熱間加工性に著しく影響する元素で低いほど良く、
0.005%(50ppm)以下とした。
りも熱間加工性に著しく影響する元素で低いほど良く、
0.005%(50ppm)以下とした。
【0011】[Cr含有量17.0%以上20.0%以
下]CrはNiとともに本発明鋼の基本構成元素であ
る。オ−ステナイト組織が得られるようにNi含有量と
の関連でCr含有量が定められる。また、一般的なステ
ンレス鋼として望まれる耐食性、強度、加工性を確保す
るためのCr含有量は適正な成分範囲が必要であり1
7.0%以上とした。しかし、20.0%を超えてCr
を含有させると、それに対応して多量のNiを含有させ
ることが必要になり、鋼材コストの上昇を招く。また、
多量のCr含有量は鋼材を硬質化し、加工性を低下させ
る原因となる。よって、Cr含有量を20.0%以下と
した。
下]CrはNiとともに本発明鋼の基本構成元素であ
る。オ−ステナイト組織が得られるようにNi含有量と
の関連でCr含有量が定められる。また、一般的なステ
ンレス鋼として望まれる耐食性、強度、加工性を確保す
るためのCr含有量は適正な成分範囲が必要であり1
7.0%以上とした。しかし、20.0%を超えてCr
を含有させると、それに対応して多量のNiを含有させ
ることが必要になり、鋼材コストの上昇を招く。また、
多量のCr含有量は鋼材を硬質化し、加工性を低下させ
る原因となる。よって、Cr含有量を20.0%以下と
した。
【0012】[Ni含有量7.0%以上10.0%以
下]NiはCrとともに本発明鋼の基本構成元素であ
る。組織をオ−ステナイト相にするために必要な合金元
素である。Ni含有量が7%未満ではフェライトなどが
混入した二相組織となり易く、耐食性も低下する。しか
し、10.0%を超える多量のNiが含有されると鋼材
コストが上昇するばかりでなく、圧延性や加工性などが
低下する。よって、Ni含有量を10.0%以下とし
た。
下]NiはCrとともに本発明鋼の基本構成元素であ
る。組織をオ−ステナイト相にするために必要な合金元
素である。Ni含有量が7%未満ではフェライトなどが
混入した二相組織となり易く、耐食性も低下する。しか
し、10.0%を超える多量のNiが含有されると鋼材
コストが上昇するばかりでなく、圧延性や加工性などが
低下する。よって、Ni含有量を10.0%以下とし
た。
【0013】[Co含有量0.01%以上0.3%以
下]Coはエッチング性を劣化させる合金元素であり、
低いほど良い。0.3%を超える多量のCoが含有され
るとエッチング性が極端に劣化する。また、0.01%
未満では製鋼コストが高くなる。そこで、Co量は0.
01%以上0.3%以下とした。
下]Coはエッチング性を劣化させる合金元素であり、
低いほど良い。0.3%を超える多量のCoが含有され
るとエッチング性が極端に劣化する。また、0.01%
未満では製鋼コストが高くなる。そこで、Co量は0.
01%以上0.3%以下とした。
【0014】[Cu含有量0.05%以上0.4%以
下]Cuはエッチング性を劣化させる合金元素であり、
低いほど良い。0.4%を超えて添加すると耐食性が著
しく向上し、エッチング性が極端に劣化する。このため
Cu量は0.4%以下とした。また、0.05%未満に
低減するためには製鋼コストが高くなることから0.0
5%以上とした。
下]Cuはエッチング性を劣化させる合金元素であり、
低いほど良い。0.4%を超えて添加すると耐食性が著
しく向上し、エッチング性が極端に劣化する。このため
Cu量は0.4%以下とした。また、0.05%未満に
低減するためには製鋼コストが高くなることから0.0
5%以上とした。
【0015】[Nb含有量0.003%以上0.02%
以下]Nbはエッチング性を向上させる合金元素であ
り、高いほど良い。0.003%未満の含有量ではエッ
チング性の向上は期待できないため、0.003%以上
とした。また、0.02%を超えて添加すると、圧延性
や加工性が劣化するとともに製品表面にリジングやロ−
ピングなどが多発するようになるので、Nb量は0.0
2%以下とした。
以下]Nbはエッチング性を向上させる合金元素であ
り、高いほど良い。0.003%未満の含有量ではエッ
チング性の向上は期待できないため、0.003%以上
とした。また、0.02%を超えて添加すると、圧延性
や加工性が劣化するとともに製品表面にリジングやロ−
ピングなどが多発するようになるので、Nb量は0.0
2%以下とした。
【0016】[V含有量0.05%以上0.2%以下]
Vはエッチング性を向上させる元素であり、高いほど良
い。0.05%未満の含有量ではエッチング性は向上し
ない。また、0.2%を超えて添加するとステンレス鋼
の強度が大きくなり、加工性が極端に劣化するとともに
製造コストが大幅に上昇する。よって、V量は0.05
%以上、0.2%以下とした。エッチング性向上のため
には、Nb、Vの少なくとも一方を必ず添加する。
Vはエッチング性を向上させる元素であり、高いほど良
い。0.05%未満の含有量ではエッチング性は向上し
ない。また、0.2%を超えて添加するとステンレス鋼
の強度が大きくなり、加工性が極端に劣化するとともに
製造コストが大幅に上昇する。よって、V量は0.05
%以上、0.2%以下とした。エッチング性向上のため
には、Nb、Vの少なくとも一方を必ず添加する。
【0017】また、下記の元素は、エッチング性に悪影
響があるので、以下のように制限することが好ましい。 [W含有量0.001%以上0.03%以下]0.03
%を超えて添加するとエッチング性が劣化するとともに
鋼材コストが上昇する。また、0.001%未満に低減
するには製鋼コストが高くなる。
響があるので、以下のように制限することが好ましい。 [W含有量0.001%以上0.03%以下]0.03
%を超えて添加するとエッチング性が劣化するとともに
鋼材コストが上昇する。また、0.001%未満に低減
するには製鋼コストが高くなる。
【0018】[Sn含有量0.001%以上0.02%
以下]0.02%を超えて添加すると、エッチング性が
劣化するとともに圧延性や加工性が極端に劣化するとと
もに製品表面のリジング・ロ−ピングなどが多発するよ
うになるので、0.02%以下に限定した。また、0.
001%未満に低減するには製鋼コストが高くなる。
以下]0.02%を超えて添加すると、エッチング性が
劣化するとともに圧延性や加工性が極端に劣化するとと
もに製品表面のリジング・ロ−ピングなどが多発するよ
うになるので、0.02%以下に限定した。また、0.
001%未満に低減するには製鋼コストが高くなる。
【0019】[Mo含有量0.01%以上0.3%以
下]耐食性を向上する元素ではあるが、0.3%を超え
て添加すると、エッチング性が劣化する。また、0.0
1%未満に低減するには製鋼コストが高くなる。
下]耐食性を向上する元素ではあるが、0.3%を超え
て添加すると、エッチング性が劣化する。また、0.0
1%未満に低減するには製鋼コストが高くなる。
【0020】そして、とくにMo、Cu、Co、W、S
n、Nb及びVの成分から下記の式で示されるエッチン
グ性指標E.I.の値が−46以上、−41以下の範囲
であれば自己活性化時間が5秒以下となり、エッチング
性が良好になる。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V]) 以上に述べたように本発明の最大の特徴は、優れた化学
エッチング性を確保するために既存SUS304ステン
レス鋼のCr、Niをベ−スにCo、Cu、W、Sn、
Mo、Nb及びVの含有量の関係を規定し、(13.5 ×[M
o])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(92.4 ×[W])+(187.3
×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×[V])の式で示されるエ
ッチング性指標E.I.の値を−46以上、−41以下
に限定した点にある。
n、Nb及びVの成分から下記の式で示されるエッチン
グ性指標E.I.の値が−46以上、−41以下の範囲
であれば自己活性化時間が5秒以下となり、エッチング
性が良好になる。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V]) 以上に述べたように本発明の最大の特徴は、優れた化学
エッチング性を確保するために既存SUS304ステン
レス鋼のCr、Niをベ−スにCo、Cu、W、Sn、
Mo、Nb及びVの含有量の関係を規定し、(13.5 ×[M
o])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(92.4 ×[W])+(187.3
×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×[V])の式で示されるエ
ッチング性指標E.I.の値を−46以上、−41以下
に限定した点にある。
【0021】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明を説明する。
供試材にはSUS304ステンレス鋼の冷間圧延材
(0.8mm厚)を通常のBAライン(光輝焼鈍ライン)
を通板したあと、板厚63.5μmまで冷間圧延したの
ち、アルカリ電解脱脂工程を経たものを採取し、1%塩
化第二鉄+5.4%塩酸溶液(以下、エッチング評価液
と呼ぶ)、30℃の条件下において自己活性化時間の測
定を1試料につき10回(N=10)おこなった。
供試材にはSUS304ステンレス鋼の冷間圧延材
(0.8mm厚)を通常のBAライン(光輝焼鈍ライン)
を通板したあと、板厚63.5μmまで冷間圧延したの
ち、アルカリ電解脱脂工程を経たものを採取し、1%塩
化第二鉄+5.4%塩酸溶液(以下、エッチング評価液
と呼ぶ)、30℃の条件下において自己活性化時間の測
定を1試料につき10回(N=10)おこなった。
【0022】自己活性化時間の測定は、高入力インピ−
ダンス型のポテンショメ−タ−(電位差計)と飽和KC
lの銀/塩化銀基準電極を用いて試料の自然電位を測定
する方法で行った。
ダンス型のポテンショメ−タ−(電位差計)と飽和KC
lの銀/塩化銀基準電極を用いて試料の自然電位を測定
する方法で行った。
【0023】自己活性化時間(以下、SATの記号で示
す)は自然電位の経時変化測定値が0mVより卑な電位
となる時間領域において自然電位の時間微分値が最低と
なる時間で評価し、1試料につき10回測定しその平均
値で示した。図1に自然電位の経時変化および自然電位
の時間微分値の経時変化測定例を示す。このような測定
を種々のステンレス鋼を用いて測定を繰り返し、SAT
が5秒以下となるステンレス鋼を○印でまた、SATが
5秒よりも大きくなるステンレス鋼を×印で表記した。
表1に上記の判定基準にしたがってSATを評価した結
果を示した。また、図2にSATとエッチング性指標
E.I.との関係を示した。E.I.値が−46以上、
−41以下のステンレス鋼ではSATが5秒以下とな
り、良好なエッチング性が得られる。これより、本発明
のステンレス鋼は優れたエッチング性を示していること
がわかる。
す)は自然電位の経時変化測定値が0mVより卑な電位
となる時間領域において自然電位の時間微分値が最低と
なる時間で評価し、1試料につき10回測定しその平均
値で示した。図1に自然電位の経時変化および自然電位
の時間微分値の経時変化測定例を示す。このような測定
を種々のステンレス鋼を用いて測定を繰り返し、SAT
が5秒以下となるステンレス鋼を○印でまた、SATが
5秒よりも大きくなるステンレス鋼を×印で表記した。
表1に上記の判定基準にしたがってSATを評価した結
果を示した。また、図2にSATとエッチング性指標
E.I.との関係を示した。E.I.値が−46以上、
−41以下のステンレス鋼ではSATが5秒以下とな
り、良好なエッチング性が得られる。これより、本発明
のステンレス鋼は優れたエッチング性を示していること
がわかる。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明により、SUS304ステンレス
鋼板材の塩化第二鉄/塩酸系エッチング処理液において
生産性を低下させることなくエッチング製品を安定的に
供給できるようになった。
鋼板材の塩化第二鉄/塩酸系エッチング処理液において
生産性を低下させることなくエッチング製品を安定的に
供給できるようになった。
【図1】 エッチング評価液(1%塩化第二鉄+5.4
%塩酸溶液)、30℃におけるSUS304鋼の自然電
位の経時変化およびその時間微分値とSAT(自己活性
化時間)の位置を示す測定例の図である。
%塩酸溶液)、30℃におけるSUS304鋼の自然電
位の経時変化およびその時間微分値とSAT(自己活性
化時間)の位置を示す測定例の図である。
【図2】 エッチング性指標E.I.とSATとの関係
を示す図である。E.I.の値が−46以上、−41以
下のステンレス鋼ではSATが5秒以下となり、エッチ
ング性良好となる。
を示す図である。E.I.の値が−46以上、−41以
下のステンレス鋼ではSATが5秒以下となり、エッチ
ング性良好となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Si:0.01〜1.0%、 Mn:0.1〜1.0%、 P :0.04%以下、 S :0.005%以下、 Cr:17.0〜20.0%、 Ni:7.0〜10.0%、 Co:0.01〜0.3%、 Cu:0.05〜0.4% を含有し、さらに、 Nb:0.003〜0.02%、 V :0.05〜0.2% の1種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物
からなり、下記の式で示されるエッチング性指標E.
I.の値が−46以上、−41以下であることを特徴と
する化学エッチング性に優れたステンレス鋼。 E.I.=(13.5×[Mo])+(8.7×[Cu])+(15.3 ×[Co])+(9
2.4 ×[W])+(187.3 ×[Sn])-(690.4×[Nb])-(481.8×
[V]) - 【請求項2】 鋼成分として、さらに重量%で、 W :0.001〜0.03%、 Sn:0.001〜0.02%、 Mo:0.01〜0.3% の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の
化学エッチング性に優れたステンレス鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7098498A JPH11269613A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 化学エッチング性に優れたステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7098498A JPH11269613A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 化学エッチング性に優れたステンレス鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11269613A true JPH11269613A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13447314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7098498A Withdrawn JPH11269613A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 化学エッチング性に優れたステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11269613A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150024945A (ko) | 2012-09-04 | 2015-03-09 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 스테인리스 강판 및 그 제조 방법 |
JPWO2017081834A1 (ja) * | 2015-11-13 | 2018-05-24 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 非水電解質電池および非水電解質電池用部材 |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP7098498A patent/JPH11269613A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150024945A (ko) | 2012-09-04 | 2015-03-09 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 스테인리스 강판 및 그 제조 방법 |
JPWO2017081834A1 (ja) * | 2015-11-13 | 2018-05-24 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 非水電解質電池および非水電解質電池用部材 |
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