JP7462439B2 - オーステナイト系ステンレス鋼およびnの上限値の算出方法 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼およびnの上限値の算出方法 Download PDF

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Description

本発明はオーステナイト系ステンレス鋼に関する。
強度および耐食性が要求される用途に用いられるオーステナイト系ステンレス鋼として、SUS301に代表される準安定オーステナイト系ステンレス鋼が知られている。このようなオーステナイト系ステンレス鋼は、例えば自動車におけるエンジンのシリンダヘッドガスケットのようなばね材等に用いられる。
特許文献1では、ばね材に好適なステンレス鋼として、窒素を添加して、窒素吸収による結晶粒微細化を行った、高強度なオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。特許文献2では、積層欠陥エネルギーおよびγ相の安定度を調整することで強度および加工性を確保したオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。また特許文献3および4には、Niの含有量を下げ、コストと高強度とを両立したオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
特開2006-97050号公報 特開2018-3139号公報 特開2017-160492号公報 特開2016-41843号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は、高価なNiの含有量が多いため、オーステナイト系ステンレス鋼のコストが高くなる。そこで、Niの含有量をより低減した、安価なオーステナイト系ステンレス鋼が求められている。
また、特許文献1~4に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼はいずれも、耐食性の向上に有効なCrの含有量が約17質量%である。このため、特許文献1~4に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は、よりCrを多く含むSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼に比べると耐食性が低く、使用環境および耐食性の要求レベルによっては使用に不適な場合がある。オーステナイト系ステンレス鋼の耐食性の向上には、CrまたはNの含有量を増加させることが有効であるが、強度および延性のバランスを確保しつつ、オーステナイト系ステンレス鋼のCrまたはNの含有量を増加させることは、技術的に容易ではない。
本発明の一態様は、安価かつ、強度と延性のバランスに優れ、さらに耐食性にも優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.01~0.08%、Si:0.05~0.80%、Mn:2.50~8.00%、P:0.04%以下、S:0.010%以下、Ni:1.0~6.0%、Cr:17.5~20.5%、Cu:2.5%以下、N:0.1%以上およびAl:0.3%以下の条件を満たす。
本発明の一態様に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、Nの含有量が、質量%で、下記(1)式で示す値の範囲内であって、下記(1)式中のNmidの値は、下記(2)式により算出され、下記(3)式で示すMd30の値が5~40であり、かつ、下記(4)式で示すδcalの値が10以下であってよい。
Nmid-0.015≦N≦Nmid+0.015 (1)
Nmid=0.0102(Cr+Mn-0.1Ni-0.1Cu)-0.0654 (2)
Md30=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-29(Ni+Cu)-13.7Cr-18.5Mo (3)
δcal=-15-44.91C-0.88Mn-2.31Ni+2.20Cr-1.08Cu-28.8N (4)
上記(2)~(4)式の元素記号の箇所には、上記オーステナイト系ステンレス鋼が含有している各元素の含有量(質量%)が代入され、無添加の元素については0が代入される。
本発明の一態様に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、Mo:1.0%以下、V:0.5%以下およびB:0.0001~0.01%以下の、少なくとも何れか1つの条件をさらに満たしてよい。
本発明の一態様に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、Si:0.20~0.60%以下、Mn:3.00~7.50%以下、Ni:1.5~5.0%以下、Cr:18.0~20.0%以下、およびCu:2.0%以下の、少なくとも何れか1つの条件をさらに満たしてよい。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るNの上限値の算出方法は、質量%で、C:0.01~0.08%、Si:0.05~0.80%、Mn:2.50~8.00%、P:0.04%以下、S:0.010%以下、Ni:1.0~6.0%、Cr:17.5~20.5%、Cu:2.5%以下、N:0.1%以上およびAl:0.3%以下の条件を満たすオーステナイト系ステンレス鋼に含まれるNの上限値の算出方法であって、下記(5)式で表すNmidの値を基準として、Nmid+0.015質量%をNの上限値とする。
Nmid=0.0102(Cr+Mn-0.1Ni-0.1Cu)-0.0654 (5)
上記(5)式の元素記号の箇所には、上記オーステナイト系ステンレス鋼が含有している各元素の含有量(質量%)が代入され、無添加の元素については0が代入される。
本発明の一態様によれば、安価かつ、強度と延性のバランスに優れ、さらに耐食性にも優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供できる。
以下、本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼について詳細に説明する。また、以下の記載は発明の趣旨をよりよく理解させるものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上B以下」を意味する。
本明細書において「オーステナイト系ステンレス鋼」は、オーステナイト相のみを含むステンレス鋼であってよく、オーステナイト相と当該オーステナイト相の一部が加工誘起変態塑性(TRIP)現象により変態したマルテンサイト相とを含むステンレス鋼であってよい。さらに、オーステナイト系ステンレス鋼は、オーステナイト相およびマルテンサイト相以外の相を含んでもよく、例えばδフェライト相を含んでもよい。
オーステナイト系ステンレス鋼がδフェライト相を含む場合、当該オーステナイト系ステンレス鋼の体積に対するδフェライト相の体積%は、スラブの時点で平均15%以下、最終製品の時点で平均5.0%以下であることが好ましい。このようなオーステナイト系ステンレス鋼であれば、Nが固溶しにくいδフェライト相が過剰とならないため、当該オーステナイト系ステンレス鋼に含有できるNの量が低下することを抑制することができる。
また、δフェライト相が過剰に生成すると、δフェライト相に含有できなかったNが溶鋼中に拡散する。その結果、溶鋼中のNの濃度が過剰に高い箇所が発生することにより、Nガスの気泡が発生してしまう。すなわち、δフェライト相の生成を抑制すれば、Nガスの気泡の発生を抑制できる。この結果、オーステナイト系ステンレス鋼の強度および耐食性が低下することを低減できる。なお、本明細書において「溶鋼」とは、オーステナイト系ステンレス鋼の製造過程で生じる溶鋼を意図する。
〔成分組成〕
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は成分組成として、質量%で、C:0.01~0.08%、Si:0.05~0.80%、Mn:2.50~8.00%、P:0.04%以下、S:0.010%以下、Ni:1.0~6.0%、Cr:17.5~20.5%、Cu:2.5%以下、N:0.1%以上およびAl:0.3%以下の条件を満たす。以下、本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼に含まれる各元素の含有量の意義について説明する。
(C)
C(炭素)は、オーステナイト相を生成しやすくするオーステナイト生成元素であり、強度を得るために有効な元素である。オーステナイト系ステンレス鋼は、0.01~0.08質量%のCを含むことが好ましい。Cの含有量が0.01質量%以上であれば、良好な強度を有するオーステナイト系ステンレス鋼が得られる。またCの過剰添加はオーステナイト系ステンレス鋼の耐食性の低下を招くことから、Cの含有量は0.08質量%以下とする。
(Si)
Si(ケイ素)は、脱酸剤として有効な元素であり、フェライト相を生成しやすくするフェライト生成元素である。オーステナイト系ステンレス鋼は、0.05~0.80質量%のSiを含むことが好ましく、0.20~0.60質量%のSiを含むことがより好ましい。Siの含有量が0.05質量%以上であれば、オーステナイト系ステンレス鋼で脱酸剤として効果的に機能する。Siの含有量が0.20質量%以上であればより好ましい。また、Siの過剰添加はδフェライト相の過剰な生成を招くため好ましくない。そのため、Siの含有量は0.80質量%以下とし、また0.60質量%以下とすることがより好ましい。
(Mn)
Mn(マンガン)は、オーステナイト生成元素であり、またオーステナイト相を維持するために必要な元素である。また、Mnは溶鋼に対するNの溶解度を高める作用を有する元素である。オーステナイト系ステンレス鋼は、2.50~8.00質量%のMnを含むことが好ましく、3.00~7.50質量%のMnを含むことがより好ましい。Mnの含有量が2.50質量%以上であれば、溶鋼に対するNの溶解度を確保でき、Mnの含有量が3.00質量%以上であればより好ましい。また、Mnの過剰添加はオーステナイト系ステンレス鋼の耐食性の低下を招いてしまう。このため、Mnの含有量は8.00質量%以下とし、また7.50質量%以下とすることがより好ましい。
(P)
P(リン)は、不可避的不純物として混入する元素であり、Pの含有量は低いほど好ましい。製造性の観点から、オーステナイト系ステンレス鋼は、0.04質量%以下のPを含んでよい。Pの含有量が0.04質量%以下であれば、オーステナイト系ステンレス鋼の加工性等の材料特性への悪影響を低減できる。
(S)
S(硫黄)は、不可避的不純物として混入する元素であり、Sの含有量は低いほど好ましい。製造性の観点から、オーステナイト系ステンレス鋼は、0.010質量%以下のSを含んでよい。Sの含有量が0.010質量%以下であれば、オーステナイト系ステンレス鋼の加工性等の材料特性への悪影響を低減できる。より好ましくは0.003質量%以下である。
(Ni)
Ni(ニッケル)は、オーステナイト生成元素であり、またオーステナイト相を維持するために必要な元素である。オーステナイト系ステンレス鋼は、1.0~6.0質量%のNiを含むことが好ましく、1.5~5.0質量%のNiを含むことがより好ましい。Niの含有量が1.0質量%以上であれば、オーステナイト相が良好に生成し、また維持できる。Niの含有量が1.5質量%以上であればより好ましい。また、Niの過剰添加は溶鋼に対するNの溶解度を低下させてしまう。さらに、Niは高価な元素であることから、コスト低減の観点からも、Niの含有量は6.0質量%以下とし、また5.0質量%以下とすることがより好ましい。
(Cr)
Cr(クロム)は、オーステナイト系ステンレス鋼の耐食性を確保するために有効であり、かつ、溶鋼に対するNの溶解度を高める作用を有する元素である。オーステナイト系ステンレス鋼は、17.5~20.5質量%のCrを含むことが好ましく、18.0~20.0質量%のCrを含むことがより好ましい。Crの含有量が17.5質量%以上であれば、オーステナイト系ステンレス鋼の耐食性を確保できる。また、Crは溶鋼中に溶解できるNの量を上昇させるため、Nと合わせて添加することによりオーステナイト系ステンレス鋼の強度および耐食性をさらに効果的に向上できる。Crの含有量が18.0質量%以上であればより好ましい。
一方で、Crはフェライト生成元素でもあるため、Crの含有量を増加させる場合、オーステナイト相が生成されにくくなる。そこで、Crの含有量を増加させた上でオーステナイト系ステンレス鋼を製造するには、オーステナイト系ステンレス鋼に含まれる他のオーステナイト生成元素(例えばC、N、Ni、MnまたはCu等)の含有量を増加させる必要がある。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼に含まれるオーステナイト生成元素の含有量が過剰となると、オーステナイト相が安定化し、オーステナイト相のマルテンサイト相への変態が起こり難くなる。そのため、Crの含有量は20.5質量%以下とし、また20.0質量%以下とすることがより好ましい。
(Cu)
Cu(銅)は、オーステナイト生成元素であり、またオーステナイト相を維持するために有効な元素である。一方で、Cuは、溶鋼に対するNの溶解度を低下させる作用を有する元素である。また、Cuを過剰添加すると、スラブが凝固する過程において当該スラブの中心にCuMn相が生成してしまい、スラブの熱間加工性が低下する。そのため、オーステナイト系ステンレス鋼は、2.5質量%以下のCuを含むことが好ましく、また2.0質量%以下のCuを含むことがより好ましい。また、オーステナイト系ステンレス鋼が含有するCuは、0.01質量%以上であってもよい。
(N)
N(窒素)は、オーステナイト生成元素であり、また固溶強化作用および耐食性向上作用を有する元素である。オーステナイト系ステンレス鋼は、0.1質量%以上のNを含むことが好ましい。Nの含有量が0.1質量%以上であれば、オーステナイト系ステンレス鋼に要求される強度および耐食性の確保に有効である。また、過剰に添加されたNは溶鋼中に溶けることができず、オーステナイト系ステンレス鋼中に気泡として残ってしまうため、最終製品の欠陥原因となる。したがって、Nの含有量は、固溶できる上限値以上に添加しないことが好ましい。オーステナイト系ステンレス鋼に含まれるNの上限値については後述する。
(Al)
Al(アルミニウム)は、強力な脱酸作用を有する元素である。ただしAlの過剰添加は、オーステナイト系ステンレス鋼の靱性に悪影響を及ぼす。そのため、オーステナイト系ステンレス鋼は、0.3質量%以下のAlを含むことが好ましい。
本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は成分組成として、質量%で、Mo:1.0%以下、V:0.5%以下およびB:0.0001~0.01%以下の、少なくとも何れか1つの条件をさらに満たすことが好ましい。
(Mo、V)
Mo(モリブデン)およびV(バナジウム)は、耐食性の向上に有効な元素である。一方、MoおよびVはフェライト生成元素であり、高価な元素でもあることから、過剰な添加は好ましくない。したがって、オーステナイト系ステンレス鋼は、1.0質量%以下のMoを含むことが好ましい。また、オーステナイト系ステンレス鋼は、0.5質量%以下のVを含むことが好ましい。
(B)
B(ホウ素)は、熱間加工性を改善する元素であり、熱間圧延における耳切れ等の発生の抑制に有効な元素である。オーステナイト系ステンレス鋼は、0.0001~0.01質量%のBを含むことが好ましい。Bの含有量が0.001質量%以上であれば、熱間加工性の改善に有効である。ただし、Crが含まれるオーステナイト系ステンレス鋼へのBの過剰添加は、CrBの析出による耐食性の低下を招く。したがって、Bの含有量は0.01質量%以下であることが好ましい。
以上のように、本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、上述のような成分組成を有することにより、高価なNiの含有量を抑え安価に製造できる。また、CrおよびNの添加量を上述の範囲とすることにより、強度および耐食性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼を安定的に製造できる。さらに、オーステナイト生成元素の含有量を上述の範囲とすることにより、強度および延性のバランスにも優れる。
〔成分回帰式〕
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、Nの含有量が、質量%で、下記(1)式で示す値の範囲内であって、下記(1)式中のNmidの値は、下記(2)式により算出され、下記(3)式で示すMd30の値が5~40であり、かつ、下記(4)式で示すδcalの値が10以下である。
Nmid-0.015≦N≦Nmid+0.015 (1)
Nmid=0.0102(Cr+Mn-0.1Ni-0.1Cu)-0.0654 (2)
Md30=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-29(Ni+Cu)-13.7Cr-18.5Mo (3)
δcal=-15-44.91C-0.88Mn-2.31Ni+2.20Cr-1.08Cu-28.8N (4)
上記(2)~(4)式の元素記号の箇所には、上記オーステナイト系ステンレス鋼が含有している各元素の含有量(質量%)が代入され、無添加の元素については0が代入される。
上述のNの含有量、Md30の値およびδcalの値を満たすことにより、強度および耐食性により一層優れるオーステナイト系ステンレス鋼を実現できる。
(Nの含有量)
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼におけるNの含有量は、質量%で、上記(1)式で示す値の範囲内であって、上記(1)式中のNmidの値は、上記(2)式により算出される。なお、上記(2)式より導き出されるNmidは、本発明者らが、CrおよびMnはNの溶鋼に対する溶解度を高めること、またNiおよびCuは当該溶解度を低めることに着目した上で、鋭意検討の結果、新たに導き出した指標である。
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼において、Nmidの値は、オーステナイト系ステンレス鋼に含ませることができるNの上限値に関する指標である。そして、オーステナイト系ステンレス鋼に含ませることができるNの上限値は、Nmidの値を用いて示せば、Nmid+0.015質量%である。上述のNの上限値を超える量のNを当該オーステナイト系ステンレス鋼に添加した場合、添加したNの一部が溶鋼中にNガスの気泡として発生し、オーステナイト系ステンレス鋼に空隙が形成される。この結果、オーステナイト系ステンレス鋼の強度が低くなる。
Nの含有量が、質量%で、上記(1)式で示す値の範囲内(Nmid-0.015~Nmid+0.015)であることにより、当該オーステナイト系ステンレス鋼は、添加したNがNガスの気泡とならない範囲で、最大限にNを含有することができる。したがって、耐食性の確保に有効なNを最大限に含有した、強度と耐食性とを備えたオーステナイト系ステンレス鋼を安定的に製造することができる。
(Md30の値)
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼において、Md30の値は、オーステナイト相単相のオーステナイト系ステンレス鋼に対し30%の引張り歪みを与えた時に、オーステナイト系ステンレス鋼の組織の50%がマルテンサイト相に変態する温度(℃)を示す。このため、Md30の値は、オーステナイト相の安定度の指標として用いることができる。また、Md30の値は、オーステナイト系ステンレス鋼においてTRIP現象の生じやすさに影響する指標としても用いることができる。
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼のMd30の値は、5~40であることが好ましい。Md30の値は、その値が大きいほど、オーステナイト相から加工誘起マルテンサイト相への変態が起こりやすく、軽度の冷延ひずみの付与で高強度が得られるとともに、優れた延性を確保できる。また、成形が施される場合においても、曲げ部等の加工歪みが付与された部分は、TRIP現象によりさらに高い強度を得られやすい。このような効果は、Md30の値が5以上の場合に顕著に現れる。また、Md30の値が40を超えると、曲げ加工を施した部分における加工誘起マルテンサイト相の生成量が過剰となるため、割れが誘発されることにより、曲げ性が劣化する可能性がある。したがって、オーステナイト相の安定度の指標であるMd30の値が5~40であれば、高強度でかつ良好な延性を備えるオーステナイト系ステンレス鋼を安定して確保できる。
(δcalの値)
δcalは、連続鋳造後に1230℃で2時間の加熱処理を施した後の鋳片においてδフェライト相が生成する量(体積%)を示し、δフェライト相の生成しやすさを表す指標である。なお、連続鋳造後のスラブに対する加熱処理は、1230℃で2時間の条件に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼のδcalの値は、10以下であることが好ましい。δcalの値が10以下のオーステナイト系ステンレス鋼は、オーステナイト相に比べNを含有しにくいδフェライト相の生成が抑制される。したがって、このようなオーステナイト系ステンレス鋼であれば、含有できるNの量を確保しやすい。さらに、δフェライト相に含有できないNが溶鋼中に拡散することで、溶鋼中のNの濃度が過剰に高くなる箇所が発生することによるNガスの気泡の発生についても、δcalの値が10以下であれば効果的に抑制できる。以上より、Nガスの気泡の発生を抑制しつつ、最大限にNを添加することにより、オーステナイト系ステンレス鋼の強度および耐食性を効果的に向上させることができる。
〔Nの上限値の算出方法〕
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼に含まれるNの上限値の算出方法は、質量%で、C:0.01~0.08%、Si:0.05~0.80%、Mn:2.50~8.00%、P:0.04%以下、S:0.010%以下、Ni:1.0~6.0%、Cr:17.5~20.5%、Cu:2.5%以下、N:0.1%以上およびAl:0.3%以下の条件を満たすオーステナイト系ステンレス鋼に含まれるNの上限値の算出方法であって、下記(5)式で表すNmidの値を基準として、Nmid+0.015質量%をNの上限値として算出する。
Nmid=0.0102(Cr+Mn-0.1Ni-0.1Cu)-0.0654 (5)
上記(5)式の元素記号の箇所には、上記オーステンレス鋼が含有している各元素の含有量(質量%)が代入され、無添加の元素については0が代入される。
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼に含まれるNの上限値は、上記(5)式を用いて算出されるNmidの値を基準として、Nmid+0.015質量%として算出できる。具体的には、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼に含まれるNの量は、質量%で、(Nmid-0.015~Nmid+0.015)の範囲内となるように設定することが好ましい。これにより、オーステナイト系ステンレス鋼に含有できるNの上限値または上限近傍の値の量のNを含むオーステナイト系ステンレス鋼を得ることができる。この結果、Nを最大限含むことにより、強度および耐食性を高いオーステナイト系ステンレス鋼が安定的に得られる。さらに、Nガスの気泡の発生によって当該オーステナイト系ステンレス鋼の強度が低下することを抑制できる。
〔製造方法〕
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法は、N添加工程を含む。
(N添加工程)
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法は、Nの含有量が、質量%で、下記(6)式で示す値の範囲内となるようにNを添加するN添加工程を含み、下記(6)式中のNmidの値は、下記(7)式により算出される。
Nmid-0.015≦N≦Nmid+0.015 (6)
Nmid=0.0102(Cr+Mn-0.1Ni-0.1Cu)-0.0654 (7)
上記(7)式の元素記号の箇所には、上記オーステナイト系ステンレス鋼が含有している各元素の含有量(質量%)が代入され、無添加の元素については0が代入される。
N添加工程は、Nの含有量の範囲を上記(6)式で示す範囲内となるように算出する。これにより、オーステナイト系ステンレス鋼に含有できる量以上のNが、オーステナイト系ステンレス鋼に添加されることを抑制できる。また、オーステナイト系ステンレス鋼に含有できるNの含有量の上限値または上限の近傍の値までNを含有させることができる。以上より、Nガスの気泡の発生を抑制しつつ、最大限にNを添加することにより、オーステナイト系ステンレス鋼の強度および耐食性を効果的に向上させることができる。なお、N添加工程において、Nの添加方法は特に限定されない。
(その他の工程)
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法は、N添加工程以外の工程として、一般的なオーステナイト系ステンレス鋼の製造工程を含んでよい。以下に、本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法の一例を示すが、これに限られるものではない。
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法は、例えば、成分を調整した溶鋼を連続鋳造することによってスラブを製造する。そして、連続鋳造により製造したスラブを1100~1300℃に加熱した後、熱間圧延を施して熱延鋼帯を製造する。そして、熱間圧延を施した熱延鋼帯に酸洗を行う。なお、熱延鋼帯の酸洗前に焼鈍を施してもよく、焼鈍を施さずに酸洗を行ってもよい。そして、熱延鋼帯の酸洗前に焼鈍を施す場合、焼鈍温度は900~1150℃の範囲の温度で行うことが好ましいが、上述の範囲に限定されない。
そして、酸洗後の熱延鋼帯は、所定の板厚になるまで冷間圧延を施した後、仕上げ焼鈍を行う。仕上げ焼鈍は700~1150℃の範囲の温度で行うことが好ましいが、上述の範囲に限定されない。また、冷間圧延において、上述の所定の板厚が薄い場合等、必要に応じて中間焼鈍および中間圧延を行なってもよい。さらに、所定の板厚にした後、強度を高めるため、必要に応じて仕上げ焼鈍後に調質圧延を施してもよい。
<好適な用途>
本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、例えば、既知のばね用ステンレス鋼であるSUS301-CSP以上の強度と耐食性とを有する。さらに、当該オーステナイト系ステンレス鋼は、高い耐食性に加え、強度と延性とのバランスも良好である。したがって、当該オーステナイト系ステンレス鋼は、例えば、シリンダヘッドガスケット、ぜんまいばね、電子機器部品用ばね、構造材、およびメタルパッキンなどの、強度と耐食性とが要求されるばね製品の素材として好適である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例に係るオーステナイト系ステンレス鋼について以下に説明する。
<実施例1>
(成分組成)
本発明の実施例1に係るオーステナイト系ステンレス鋼の成分組成と、当該オーステナイト系ステンレス鋼の成分組成から算出したNmidの値、Md30の値およびδcalの値とを下記表1に示す。
Figure 0007462439000001
(製造方法)
本発明の実施例1として、表1に示す成分組成を有する鋼の溶製および熱延を行なった後、最終的に45%の調質圧延を施すことにより、板厚0.2mmのオーステナイト系ステンレス鋼板(45%圧延材)を製造した。
(評価方法)
本発明の実施例1に係る45%圧延材の引張特性および耐食性を評価した。
引張特性は、JIS Z 2241の引張試験によりJIS13号B試験片を用い、評点間距離50mm、クロスヘッド速度10mm/minにて、0.2%耐力および伸びを指標として評価した。「0.2%耐力」はオーステナイト系ステンレス鋼の強度の指標とし、0.2%耐力の値が1100MPa以上の場合を良好な強度を有するオーステナイト系ステンレス鋼とした。「伸び」はオーステナイト系ステンレス鋼の延性の指標とし、伸びの値が7.5%以上の場合を良好な延性を有するオーステナイト系ステンレス鋼とした。伸びの値が11%以上であれば、より良好な延性を有するといえる。さらに、「0.2%耐力×伸び」はオーステナイト系ステンレス鋼における強度と延性とのバランスの指標とし、0.2%耐力×伸びの値が8000以上の場合を強度と延性とのバランスが良好なオーステナイト系ステンレス鋼とした。0.2%耐力×伸びの値が10000以上であれば、強度と延性とのバランスがより良好であり、12000以上であれば、強度と延性とのバランスがさらに良好であるといえる。
耐食性は、孔食電位を指標として評価した。孔食電位は、面積1cmの鋼板を用い、液温30℃の3.5%NaCl水溶液中で、掃引速度20mV/minで掃引して評価した。参照電極にはAg/AgClを用いた。孔食電位(V’c100)は、電気密度が100μA/cmを超えた時の電位であって、7回それぞれ別の鋼板を用いて測定し、それらの平均値として求めた。耐食性は、孔食電位の値が300mV(vsAg/AgCl)以上の場合を良好なオーステナイト系ステンレス鋼とした。
<実施例2~5>
本発明の実施例2~5に係る45%圧延材は、表1に示すように成分を変更したこと以外は、実施例1と同様にして製造および評価した。
<比較例1~4>
本発明の比較例1~4に係る45%圧延材は、表1に示すように成分組成を変更したこと以外は、実施例1と同様にして製造および評価した。なお、比較例4は一般的な高強度ステンレス鋼である、SUS301を模したものである。また、表1において背景が灰色で示された値は、本発明の一実施形態の範囲外となる値であることを示している。
<結果>
引張特性および耐食性の結果を表2に示す。
Figure 0007462439000002
実施例1~4に係る45%圧延材は、いずれもNガスの気泡が発生することなく製造することができた。また、これらの45%圧延材における0.2%耐力の値は、いずれも1100MPaを超え、伸び(%)の値は、いずれも11%を超えた。さらに、これらの45%圧延材における0.2%耐力×伸びの値は、いずれも12000を超えた。以上より、実施例1~4に係る45%圧延材は、0.2%耐力の値、伸びの値および0.2%耐力×伸びの値はいれも良好であり、引張特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼であった。さらに、実施例1~4に係る45%圧延材の孔食電位の値はいずれも300mV(vsAg/AgCl)を超えていた。すなわち、これらの45%圧延材は引張特性に加え、耐食性にも優れたオーステナイト系ステンレス鋼であった。
また、実施例5に係る45%圧延材についても、Nガスの気泡が発生することなく製造することができた。また、実施例5に係る45%圧延材における0.2%耐力の値は、1000MPaを超えており、孔食電位の値は300mV(vsAg/AgCl)を超えていた。一方で、実施例5に係る45%圧延材における伸び(%)の値は、7.5%であり、0.2%耐力×伸びの値も8000であり、実施例1~4に比べ劣る結果だった。実施例5に係る45%圧延材はMd30の値が-47.6であったことから、実施例1~4に比べて加工性に劣るオーステナイト系ステンレス鋼が得られたと考えられる。
比較例1および2の45%圧延材は、Nガスの気泡が発生した。比較例1では、Crの添加量が本発明の一実施形態の範囲外(下限値以下)の値となる。また、Nmidの値を大きく超えた多量のNを添加したことにより、Nガスの気泡が発生したと考えられる。また比較例2では、Mnの添加量が本発明の一実施形態の範囲外(下限値以下)の値となる。また、δcalの値が11.2と高く、多量のδフェライト相が生成したため、δフェライト相から溶鋼中にNが拡散し、溶鋼中にNの濃度が過剰に高い箇所が発生することにより、Nガスの気泡が発生したと考えらえる。
また、比較例3の45%圧延材は、Niの添加量が本発明の一実施形態の範囲外(上限値以上)の値となる。また、Md30の値が-84.7と小さく、伸びの値および0.2%耐力×伸びの値に劣るオーステナイト系ステンレス鋼であった。
また、比較例4の45%圧延材は、孔食電位が250mV(vsAg/AgCl)であり、比較例4の45%圧延材は、実施例1~4の45%圧延材に比べ、耐食性に劣るオーステナイト系ステンレス鋼であった。
以上より、実施例1~4では、引張特性および耐食性に優れ、かつ、Niの含有量の低い安価なオーステナイト系ステンレス鋼が得られた。さらに、これらのオーステナイト系ステンレス鋼は、0.2%耐力と伸びとのバランスも良好であった。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.01~0.08%、Si:0.05~0.80%、Mn:2.50~8.00%、P:0.04%以下、S:0.010%以下、Ni:1.0~6.0%、Cr:17.5~20.5%、Cu:2.5%以下、N:0.1%以上およびAl:0.009%以上0.3%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    Nの含有量が、質量%で、下記(1)式で示す値の範囲内であって、下記(1)式中のNmidの値は、下記(2)式により算出される、オーステナイト系ステンレス鋼。
    Nmid-0.015≦N≦Nmid+0.015 (1)
    Nmid=0.0102(Cr+Mn-0.1Ni-0.1Cu)-0.0654 (2)
    上記(2)式の元素記号の箇所には、上記オーステナイト系ステンレス鋼が含有している各元素の含有量(質量%)が代入され、無添加の元素については0が代入される。
  2. 記(3)式で示すMd30の値が5~40であり、かつ、
    下記(4)式で示すδcalの値が10以下である、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼
    Md30=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-29(Ni+Cu)-13.7Cr-18.5Mo (3)
    δcal=-15-44.91C-0.88Mn-2.31Ni+2.20Cr-1.08Cu-28.8N (4)
    上記(3)~(4)式の元素記号の箇所には、上記オーステナイト系ステンレス鋼が含有している各元素の含有量(質量%)が代入され、無添加の元素については0が代入される。
  3. 質量%で、Mo:1.0%以下、V:0.5%以下およびB:0.0001~0.01%以下の、少なくとも何れか1つをさらに含む、請求項1または2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  4. 質量%で、Si:0.20~0.60%以下、Mn:3.00~7.50%以下、Ni:1.5~5.0%以下、Cr:18.0~20.0%以下、およびCu:2.0%以下の、少なくとも何れか1つをさらに含む、請求項1~3の何れか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  5. 質量%で、C:0.01~0.08%、Si:0.05~0.80%、Mn:2.50~8.00%、P:0.04%以下、S:0.010%以下、Ni:1.0~6.0%、Cr:17.5~20.5%、Cu:2.5%以下、N:0.1%以上およびAl:0.009%以上0.3%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼に含まれるNの上限値の算出方法であって、
    下記(5)式で表すNmidの値を基準として、Nmid+0.015質量%をNの上限値とする算出方法。
    Nmid=0.0102(Cr+Mn-0.1Ni-0.1Cu)-0.0654 (5)
    上記(5)式の元素記号の箇所には、上記オーステナイト系ステンレス鋼が含有している各元素の含有量(質量%)が代入され、無添加の元素については0が代入される。
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