JPH11269194A - パラトルオイルグルコシルジフルコルトロンの結晶化方法 - Google Patents

パラトルオイルグルコシルジフルコルトロンの結晶化方法

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JPH11269194A
JPH11269194A JP9235598A JP9235598A JPH11269194A JP H11269194 A JPH11269194 A JP H11269194A JP 9235598 A JP9235598 A JP 9235598A JP 9235598 A JP9235598 A JP 9235598A JP H11269194 A JPH11269194 A JP H11269194A
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JP
Japan
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water
water content
compound
propanol
ethoxyethanol
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Application number
JP9235598A
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English (en)
Inventor
Masaaki Numata
昌明 沼田
Kazuo Suzuki
和夫 鈴木
Hiroshi Sugai
啓 菅井
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Nissin Food Products Co Ltd
Original Assignee
Nissin Food Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アモルファス状態のパラトルオイルグルコシ
ルジフルコルトロンを適切に結晶化し、カラムクロマト
分画法以外の方法によって低コストで簡易に高純度のも
のを得る 【解決手段】 エタノール、1−プロパノール、含水1
−プロパノール、2−プロパノール、含水2−ブタノー
ル、1−ペンタノール、含水1−ペンタノール、2−エ
トキシエタノール、含水2−エトキシエタノール、及び
含水2−メトキシエタノールよりなる群から選ばれるひ
とつの溶媒を使用して再結晶させることによりパラトル
オイルグルコシルジフルコルトロンの結晶化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下式で示される化
合物I(パラトルオイルグルコシルジフルコルトロン
(正式化合物名: 6α,9-difluoro-11β-hydroxy-16 α
-methyl-21-[[2,3,4,6-tetrakis-O-(4-methylbenzoyl)-
β-D-glucopyranosyl]oxy]-pregna-1,4-diene-3,20-dio
ne(RN=169453-84-3)))の結晶化方法及びその精製方法
に関する。
【0002】
【化4】
【0003】
【従来の技術】上記式で示される化合物I(パラトルオ
イルグルコシルジフルコルトロン)は抗炎症剤として有
用であることが見出されている。この化合物は、数段階
の反応により生じた粗生成物を精製することにより得ら
れるが、医薬として用いる場合にはそれを更に高純度の
ものとする必要がある。そして、高純度のものを得るた
めに、通常はカラムクロマト分画による方法(具体的に
は高速液体クロマトグラフィー法)で不純物と分離し、
目的の画分の溶媒を減圧留去した後、残った懸濁水溶液
を凍結乾燥にかけていた。
【0004】ここで、上記化合物Iを凍結乾燥した後に
得られるのは、非晶質(アモルファス)の白色粉末であ
る。ところが、アモルファスは取り扱いにくく、安定性
もよくないという難点がある。これに関し、化合物Iは
実際には、吸入投与を行う喘息治療剤、点鼻投与を行う
アレルギー性鼻炎治療剤、関節腔内投与もしくは塗布投
与を行う関節炎治療剤、または塗布投与を行う皮膚炎治
療剤という形態で使用されるため、取り扱いが容易で保
存安定性の高い結晶の形態であることが望ましい。
【0005】加えて、カラムクロマト分画法は有機溶媒
を大量に消費し、設備も高価であるので製造コスト高を
招くという問題がある。また、本化合物I通常の抽出溶
媒(クロロホルム、ジクロロメタン等)では結晶化せ
ず、溶媒留去後の水溶性懸濁物は粒子が非常に細かくろ
過が困難であるため、カラムクロマト分画を行った場合
には最終的に凍結乾燥をする必要が生じ、多重要因によ
り製造コストが引き上げられることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
課題に鑑みてなされたものであり、アモルファス状態の
化合物Iを適切に結晶化する方法を提供することを第一
の目的とし、カラムクロマト分画法以外の方法によって
低コストで簡易に高純度の化合物Iを得る方法を提供す
ることを第二の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明者らが鋭意研究を行った結果、抽出
溶媒以外の溶媒で結晶化が可能なものを見出し、本発明
を完成するに至った。この知見に従い、本発明は以下に
示されるような方法を提供する。
【0008】(1) 下式で示される化合物Iのアモル
ファス体を結晶化する方法であって、エタノール、1−
プロパノール、含水1−プロパノール、2−プロパノー
ル、含水2−ブタノール、1−ペンタノール、含水1−
ペンタノール、2−エトキシエタノール、含水2−エト
キシエタノール、及び含水2−メトキシエタノールより
なる群から選ばれるひとつの溶媒を使用して再結晶させ
ることにより結晶化を行うことを特徴とする結晶化方
法。
【0009】
【化5】
【0010】(2) (1)記載の結晶化方法において、
前記含水1−プロパノールの含水量は3〜10%程度、
前記含水2−ブタノールの含水量は5〜15%程度、前
記含水1−ペンタノールの含水量は3〜10%程度、前
記含水2−エトキシエタノールの含水量は3〜30%程
度、及び前記含水2−メトキシエタノールの含水量は3
〜25%程度であることを特徴とする結晶化方法。
【0011】(3) (2)記載の結晶化方法において、
前記含水1−プロパノールの含水量は5%程度、前記含
水2−ブタノールの含水量は10%程度、前記含水1−
ペンタノールの含水量は5%程度、前記含水2−エトキ
シエタノールの含水量は5〜25%程度、及び前記含水
2−メトキシエタノールの含水量は5〜20%程度であ
ることを特徴とする結晶化方法。
【0012】(4) (3)記載の結晶化方法において、
前記含水2−エトキシエタノールの含水量は20%程度
であり、前記含水2−メトキシエタノールの含水量は8
〜15%程度であることを特徴とする結晶化方法。
【0013】(5) (1)から (4)いずれか記載の方法
により得られる結晶。
【0014】(6) (5)記載の結晶を有効量含有する
医薬。
【0015】(7) 抗炎症剤であることを特徴とする
(6)記載の医薬。
【0016】(8) 局所適用用抗炎症薬であることを
特徴とする (6)記載の医薬。
【0017】(9) 非経口投与薬であることを特徴と
する (7)又は (8)記載の局所適用用抗炎症剤。
【0018】(10) 吸入投与を行う喘息治療剤、点
鼻投与を行うアレルギー性鼻炎治療剤、関節腔内投与も
しくは塗布投与を行う関節炎治療剤、または塗布投与を
行う皮膚炎治療剤であることを特徴とする (7)又は (8)
記載の局所適用用抗炎症剤。
【0019】(11) 上記化合物Iの精製方法であっ
て、1−ペンタノールを再結晶溶媒として使用して再結
晶を行うことにより精製を行うことを特徴とする精製方
法。
【0020】(12) 上記化合物Iを含む混合物をエ
タノールに溶解した後、これに蒸留水を加えて析出物を
析出させ、この析出物を1−ペンタノールに加温溶解し
た後、当該溶液を放冷して再結晶させることにより、上
記化合物Iを精製する方法。
【0021】
【実施例】[使用溶媒 結晶化の確認 純度等]下記実
施例中、回収率は全て重量パーセントで、溶媒の濃度は
全て容量パーセントで表してある。従って、例えば20
%含水2−エトキシエタノールというのは、20%の水
(容量パーセント)を含む2−エトキシエタノールとい
う意味であり、92%2−メトキシエタノール水溶液と
いうのは、92%の2−メトキシエタノール(容量パー
セント)を含む水溶液という意味である。
【0022】なお、95%エタノール、99.5%エタ
ノール、98%2−エトキシエタノール、98%1−ペ
ンタノール、99.5%1−プロパノール、99.9%
2−プロパノールというのは、(株)関東化学より購入
した試薬を水を加えずにそのまま使用したものである。
その他、特に断らない限り、この実施例で使用される試
薬は(株)関東化学より購入したものである。
【0023】本実施例において、ろ過は白磁製のブフナ
ーロートを用い、ろ紙はアドバンテックの5C(90m
m)を用いた。
【0024】結晶の確認は、粉末X線回折測定( JEOL,T
DX-7F ) 及び偏光顕微鏡による判定により行われた。以
下の実施例により得られたものは、粉末X線回折測定(
JEOL,TDX-7F ) により回折ピークが観察され、結晶であ
ることが確認された。また、偏光顕微鏡により偏光面が
認められ、結晶であることが確認された。
【0025】ここで、実施例1〜20の対象となる非晶
質の化合物Iの純度は99.6%であるが、実施例1〜
20の再結晶を施すことにより、純度が99.8%〜9
9.9%にまで上昇した。純度は結晶性化合物Iの融点
に反映されるが、非晶質の化合物I自体の融点は142
−145℃である。
【0026】[結晶化]以下の実施例1〜20におい
て、パラトルオイルグルコシルジフルコルトロン(化合
物I: 6α,9-difluoro-11β-hydroxy-16 α-methyl-21
-[[2,3,4,6-tetrakis-O-(4-methylbenzoyl)-β-D-gluco
pyranosyl]oxy]-pregna-1,4-diene-3,20-dione)の結晶
化についての実施例を示す。
【0027】
【実施例1】95%のエタノール500mlに非晶質の
化合物I(34.9535g)を徐々に加え、約40℃
にて加温溶解した。これを一晩(14時間)室温に静置
し、得られた析出物をろ取し、氷冷エタノール50ml
×2で洗浄して室温で減圧乾燥し、31.01gの結晶
性粉末として、結晶性の化合物Iを得た(回収率88.
7%)。なお、ろ液についてはこれを40℃で溶媒の減
圧留去を行った後、減圧乾燥したところ、3.60g(
回収率10.3%)の残査を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 184.2℃]
【0028】
【実施例2】非晶質の化合物I(500.0mg)を9
0%の2−ブタノール水溶液(4.6ml)に加温(6
2℃)溶解し、室温で48時間放置した。析出した結晶
を濾取し、氷冷95%エタノール(20ml)で洗浄
後、室温で14.5時間真空乾燥(5torr)し、結晶性
の化合物I(175.6mg,回収率35.1%)を得
た。 [結晶性化合物Iの融点; 175−178℃]
【0029】
【実施例3】非晶質の化合物I(500.0mg)を2
0%含水の2−エトキシエタノール(2.0ml)に加
温(60℃)溶解し、室温で24時間放置した。析出し
た結晶を濾取し、氷冷20%含水エトキシエタノール
(4ml)で洗浄後、室温で真空乾燥(5torr)し、結
晶性の化合物I(422.7mg,回収率84.5%)
を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 181−183℃]
【0030】
【実施例4】非晶質の化合物I(500.0mg)を9
8%の2−エトキシエタノール(0.5ml)に加温
(60℃)溶解し、室温に24時間放置した。析出した
結晶を濾取し、氷冷98%エトキシエタノール(4m
l)で洗浄後、室温で真空乾燥(5torr)し、結晶性の
化合物I(316.1mg,回収率63.2%)を得
た。 [結晶性化合物Iの融点; 181−182℃]
【0031】
【実施例5】非晶質の化合物I(500.0mg)を2
0%含水の2−エトキシエタノール(1.0ml)に加
温(60℃)溶解し、0℃で5日間放置した。更に室温
で24時間放置し、析出した結晶を濾取し、氷冷20%
含水エトキシエタノール(10ml)で洗浄後、室温で
4時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合物I(45
4mg,回収率90.8%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 181−183℃]
【0032】
【実施例6】非晶質の化合物I(500.0mg)を2
0%含水の2−エトキシエタノール(1.0ml)に加
温(60℃)溶解し、8℃で5日間放置した。更に室温
で24時間放置し、析出した結晶を濾取し、氷冷20%
含水エトキシエタノール(10ml)で洗浄後、室温で
真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合物I(486m
g,回収率97.2%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 181−183℃]
【0033】
【実施例7】非晶質の化合物I(500.0mg)を9
8%の2−エトキシエタノール(1.0ml)に加温
(60℃)溶解し、0℃で3日間放置した。析出した結
晶を濾取し、氷冷98%エトキシエタノール(10m
l)で洗浄後、室温で真空乾燥(5torr)し、結晶性の
化合物I(215mg,回収率43%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 181−182℃]
【0034】
【実施例8】非晶質の化合物I(500.0mg)を9
8%の2−エトキシエタノール(0.5ml)に加温
(60℃)溶解し、室温で3日間放置した。析出した結
晶を濾取、氷冷98%エトキシエタノール(10ml)
で洗浄後、室温で真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合
物I(22.4mg,回収率4.6%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 179−181℃]
【0035】
【実施例9】非晶質の化合物I(500.0mg)を9
8%の2−エトキシエタノール(1.0ml)に加温
(60℃)溶解し、室温で24時間放置した。析出した結
晶を濾取し、氷冷98%エトキシエタノール(10m
l)で洗浄後、室温で真空乾燥(5torr)し、結晶性の
化合物I(59.6mg,回収率11.9%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 181−182℃]
【0036】
【実施例10】非晶質の化合物I(500.5mg)を
92%の2−メトキシエタノール水溶液(1.0ml)
に加温(46℃)溶解し、室温で24時間放置した。析出
した結晶を濾取し、氷冷95%エタノール(20ml)
で洗浄後、室温で真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合
物I(443.8mg,回収率88.7%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 184−185℃]
【0037】
【実施例11】非晶質の化合物I(517.9mg)を
85%の2−メトキシエタノール水溶液(1.5ml)
に加温(46℃)溶解し、室温で24時間放置した。析出
した結晶を濾取し、氷冷95%エタノール(20ml)
で洗浄後、室温で真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合
物I(468.3mg,回収率90.4%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 183−184℃]
【0038】
【実施例12】非晶質の化合物I(500.0mg)を
99.5%のエタノール(5ml)に加温(62℃)溶
解し、室温で48時間放置した。析出した結晶を濾取
し、氷冷95%エタノール(20ml)で洗浄後、室温
で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合物I
(399.5mg,回収率79.9%)を得た。[結晶
性化合物Iの融点; 176−179℃]
【0039】
【実施例13】非晶質の化合物I(500.0mg)を
95%のエタノール(5ml)水溶液に加温(62℃)
溶解し、室温で48時間放置した。析出した結晶を濾取
し、氷冷95%エタノール(20ml)で洗浄後、室温
で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合物I
(425.0mg,回収率85.0%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 180−182℃]
【0040】
【実施例14】非晶質の化合物I(500.0mg)を
98%の1−ペンタノール(10ml)に加温(70
℃)溶解し、室温で48時間放置した。析出した結晶を
濾取し、99.5%エタノール(20ml)で洗浄後、
室温で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合物
I(431.4mg,回収率86.3%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 180−183℃]
【0041】
【実施例15】非晶質の化合物I(500.0mg)を
98%の1−ペンタノール(5ml)に加温(70℃)
溶解し、0℃にて48時間放置した。析出した結晶を濾
取し、99.5%エタノール(20ml)で洗浄後、室
温で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合物I
(328.8mg,回収率65.8%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 173−176℃]
【0042】
【実施例16】非晶質の化合物I(500.0mg)を
95%の1−ペンタノール水溶液(5ml)に加温(7
0℃)溶解し、室温で48時間放置した。析出した結晶
を濾取し、99.5%エタノール(20ml)で洗浄
後、室温で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化
合物I(356.2mg,回収率71.2%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 176−179℃]
【0043】
【実施例17】非晶質の化合物I(500.0mg)を
95%の1−ペンタノール水溶液(5ml)に加温(7
0℃)溶解し、8℃で48時間放置した。析出した結晶
を濾取し、99.5%エタノール(20ml)で洗浄
後、室温で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化
合物I(313.4mg,回収率62.7%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 176−178℃]
【0044】
【実施例18】非晶質の化合物I(500.0mg)を
99.5%の1−プロパノール(10ml)に加温(7
0℃)溶解し、室温で48時間放置した。析出した結晶
を濾取し、99.5%エタノール(20ml)で洗浄
後、室温で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化
合物I(443.2mg,回収率88.6%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 175−178℃]
【0045】
【実施例19】非晶質の化合物I(500.0mg)を
95%の1−プロパノール水溶液(5ml)に加温(7
0℃)溶解し、室温で48時間放置した。析出した結晶
を濾取し、99.5%エタノール(20ml)で洗浄
後、室温で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化
合物I(411.7mg,回収率82.3%)を得た。 [結晶性化合物Iの融点; 178−180℃]
【0046】
【実施例20】非晶質の化合物I(500.0mg)を
99.9%の2−プロパノール(10ml)に加温(7
0℃)溶解し、室温で48時間放置した。析出した結晶
を濾取し、99.5%エタノール(20ml)で洗浄
後、室温で24時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化
合物I(207.1mg,回収率41.4%)を得た。
[結晶性化合物Iの融点; 173−175℃]
【0047】以下の表1は、実施例1〜20の条件と結
果をまとめたものである。
【0048】
【表1】
【0049】この表1から明らかなように、2−エトキ
シエタノールや2−メトキシエタノールにおいては含水
のもののほうが再結晶溶媒として適している。特に含水
の2−エトキシエタノールや含水の2−メトキシエタノ
ールは、他の溶媒と比較しても回収率が高く、再結晶溶
媒として好適である。
【0050】次の実施例は、パラトルオイルグルコシル
ジフルコルトロン(化合物I: 6α,9-difluoro-11β-h
ydroxy-16 α-methyl-21-[[2,3,4,6-tetrakis-O-(4-met
hylbenzoyl)-β-D-glucopyranosyl]oxy]-pregna-1,4-di
ene-3,20-dione)の結晶化による精製の実施例である。
【0051】
【実施例21】純度89.2%の非晶質の化合物I
(1.900g)を95%のエタノール(25ml)に
溶解した後、蒸留水(5ml)を加え、室温にて18時
間放置した。そして、析出物を濾取し、氷冷95%エタ
ノール水溶液(10ml)×2で洗浄した後、室温で2
4時間真空乾燥(5torr)した(1.790g,回収率
90.4%) 。
【0052】真空乾燥により得られたものを98%の1
−ペンタノール(36ml)に加温(60℃)溶解し、
室温で48時間放置した。析出した結晶を濾取し、9
9.5%エタノール(8ml)×2で洗浄後、室温で2
4時間真空乾燥(5torr)し、結晶性の化合物I(1.
264g,回収率70.6%)を得た。 [結晶性化合物Iの純度; 97.8%] [結晶性化合物Iの融点; 174−175℃]
【0053】
【効果】本発明によれば、化合物Iの大量製造時に生ず
るコスト高等の諸問題を解決することができる。まず、
結晶として得ることにより、高コストであるカラムクロ
マトによる精製操作をさけての低コストの精製が可能と
なっている。また、得られた結晶物はろ過洗浄操作が非
常に容易であり、大量生産プロセスを構築するのに好適
である。更に、得られた結晶には、溶媒、水等揮発性成
分等の付着が認められず、医薬品等の原料としては非常
に適した性質を有していたことから、再結晶を繰り返す
ことにより、高純度の標準品をも製造することができる
のは明らかである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式で示される化合物Iのアモルファス
    体を結晶化する方法であって、 エタノール、1−プロパノール、含水1−プロパノー
    ル、2−プロパノール、含水2−ブタノール、1−ペン
    タノール、含水1−ペンタノール、2−エトキシエタノ
    ール、含水2−エトキシエタノール、及び含水2−メト
    キシエタノールよりなる群から選ばれるひとつの溶媒を
    使用して再結晶させることにより結晶化を行うことを特
    徴とする結晶化方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の結晶化方法において、 前記含水1−プロパノールの含水量は3〜10%程度、
    前記含水2−ブタノールの含水量は5〜15%程度、前
    記含水1−ペンタノールの含水量は3〜10%程度、前
    記含水2−エトキシエタノールの含水量は3〜30%程
    度、及び前記含水2−メトキシエタノールの含水量は3
    〜25%程度であることを特徴とする結晶化方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の結晶化方法において、 前記含水1−プロパノールの含水量は5%程度、前記含
    水2−ブタノールの含水量は10%程度、前記含水1−
    ペンタノールの含水量は5%程度、前記含水2−エトキ
    シエタノールの含水量は5〜25%程度、及び前記含水
    2−メトキシエタノールの含水量は5〜20%程度であ
    ることを特徴とする結晶化方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の結晶化方法において、 前記含水2−エトキシエタノールの含水量は20%程度
    であり、前記含水2−メトキシエタノールの含水量は8
    〜15%程度であることを特徴とする結晶化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4いずれか記載の方法によ
    り得られる結晶。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の結晶を有効量含有する医
    薬。
  7. 【請求項7】 抗炎症剤であることを特徴とする請求項
    6記載の医薬。
  8. 【請求項8】 局所適用用抗炎症薬であることを特徴と
    する請求項6記載の医薬。
  9. 【請求項9】 非経口投与薬であることを特徴とする請
    求項7又は8記載の局所適用用抗炎症剤。
  10. 【請求項10】 吸入投与を行う喘息治療剤、点鼻投与
    を行うアレルギー性鼻炎治療剤、関節腔内投与もしくは
    塗布投与を行う関節炎治療剤、または塗布投与を行う皮
    膚炎治療剤であることを特徴とする請求項7又は8記載
    の局所適用用抗炎症剤。
  11. 【請求項11】 下式で示される化合物Iの精製方法で
    あって、 1−ペンタノールを再結晶溶媒として使用して再結晶を
    行うことにより精製を行うことを特徴とする精製方法。 【化2】
  12. 【請求項12】下式で示される化合物Iを含む混合物を
    エタノールに溶解した後、これに蒸留水を加えて析出物
    を析出させ、この析出物を1−ペンタノールに加温溶解
    した後、当該溶液を放冷して再結晶させることにより、
    下記式で示される化合物Iを精製する方法。 【化3】
JP9235598A 1998-03-19 1998-03-19 パラトルオイルグルコシルジフルコルトロンの結晶化方法 Pending JPH11269194A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003018581A1 (ja) * 2001-08-23 2004-12-09 住友製薬株式会社 1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン誘導体
JP2008007418A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Tokuyama Corp 安定な結晶構造を有するベンゾオキサジン化合物の製造方法
JP4610734B2 (ja) * 1998-03-19 2011-01-12 三笠製薬株式会社 21−置換グリコシルステロイド化合物

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