JPH11268312A - 熱転写プリンタ - Google Patents

熱転写プリンタ

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JPH11268312A
JPH11268312A JP10077807A JP7780798A JPH11268312A JP H11268312 A JPH11268312 A JP H11268312A JP 10077807 A JP10077807 A JP 10077807A JP 7780798 A JP7780798 A JP 7780798A JP H11268312 A JPH11268312 A JP H11268312A
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JP
Japan
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resin
ink
thermal transfer
transfer printer
based ink
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10077807A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kobayashi
浩 小林
Hiroyoshi Zama
宏芳 座間
Hiromitsu Takahashi
博光 高橋
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 堅牢性に優れる樹脂系インクを用いて、重色
および低濃度部でも正確な転写が得られ、かつ、鮮やか
な多階調記録を施すことができる熱転写プリンタを提供
すること。 【解決手段】 インクリボン17を基材26とこの基材
26上に積層された離型層27とこの離型層27上に積
層された樹脂系インク層28とにより形成するととも
に、記録画像の階調に応じてサーマルヘッド7への通電
時間を複数段階に制御する制御部25を備えているこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写プリンタに係
り、特に、インクリボンの熱溶融性インクとして樹脂系
インクを用いて記録紙にドット径階調記録を行うのに好
適な熱転写プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱溶融性インクを用いて多階
調記録を行う場合に、ディザ法や発熱素子の小さい特殊
なサーマルヘッドを用いた熱集中法が使用されていた。
さらに近年では、より高解像度のカラー画像が要求され
るに伴って、サーマルヘッドの発熱素子に通電するエネ
ルギを制御することにより多階調記録を行う熱転写プリ
ンタが提案されている。
【0003】このような熱転写プリンタは、インクリボ
ンとして、基材上にワックス系インク層を積層したイン
クリボンが使用されているとともに、記録紙としてマイ
クロポーラス紙と呼ばれる多孔質の特殊な専用紙が使用
されている。そして、前記インクリボンおよびマイクロ
ポーラス紙をプラテンとサーマルヘッドとの間に挟持し
て、前記サーマルヘッドの各発熱素子に通電するエネル
ギを制御することにより前記ワックス系インクに与える
熱エネルギを調整してインクの溶融面積を画像情報に応
じて制御するようになっている。
【0004】このように熱エネルギが与えられたワック
ス系インクは、70〜80℃の温度で溶融し、前記マイ
クロポーラス紙の表面や孔径が1〜10マイクロメート
ル程度の孔内に浸透して、記録画像を構成するようにな
っている。
【0005】また、他の方式として、基材上に0.2〜
1.0マイクロメートルの樹脂系の単層インク層を持つ
インクリボンを用いて専用受像シートに多値記録を行っ
た後に、記録画像を永久支持体に再転写する再転写方式
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱転写
プリンタにおいては、上述したワックス系インクを用い
て記録を行った場合は、インク自体が柔らかいため、記
録した画像を擦ると汚れてしまって記録画像が劣化して
しまうという擦過性の問題があった。
【0007】また、マイクロポーラス紙を使用した場合
は、インクが多孔質層に浸透し、マイクロポーラス紙の
表面特性の影響により鮮やかな画像が得られないといっ
た不具合があった。
【0008】一方、樹脂系の単層インク層を持つインク
リボンを使用して画像を記録する場合には、擦過性の問
題は解決されて堅牢性に優れ、かつ、鮮やかな画像が得
られるものの、樹脂系インクはワックス系インクに比べ
て転写感度が悪いことから、特に多階調記録での充分な
転写感度が得られず、転写不良などによるザラツキ感を
生じるといった不具合があった。
【0009】また、一旦専用受像シートに記録した後に
再転写するという工程が必要であり、取り扱いが複雑に
なるという欠点があった。
【0010】さらに、従来の熱転写プリンタにおいて、
この樹脂系インクを用いる場合は、図8および図9に示
すように、サーマルヘッド32の各発熱素子(図示せ
ず)の発熱により生じる熱エネルギが、インクリボン3
3から記録紙34の背面側へ抜けてしまい、放熱量が多
いため、さらに転写感度を低下させてしまうといった不
具合があった。
【0011】さらにまた、少なくともイエロー、シア
ン、マゼンタの3色のインクを用いてフルカラー画像を
記録する場合、転写されたインクの上に次の色のインク
を重ねて転写する重色において、専用受像シートへの直
接転写となる最下色のインクに比べて、重色ではさらに
インクの転写感度が低下し、色重ね不良などの欠陥が生
じるという不具合もあった。
【0012】このため、従来の熱転写プリンタでは、樹
脂系インクを用いて重色および低濃度部でも正確な転写
が得られ、かつ、鮮やかな多階調記録を行うことが重要
な課題となっていた。
【0013】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たもので、堅牢性に優れる樹脂系インクを用いて、重色
および低濃度部でも正確な転写が得られ、かつ、鮮やか
な多階調記録を施すことができる熱転写プリンタを提供
することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明に係る請求項1に記載の熱転写プリンタの特徴
は、インクリボンを基材とこの基材上に積層された離型
層とこの離型層上に積層された樹脂系インク層とにより
形成するとともに、記録画像の階調に応じてサーマルヘ
ッドへの通電時間を複数段階に制御する制御部を備えて
いる点にある。そして、このような構成を採用したこと
により、樹脂系インクをインクリボンから記録紙に容易
に転写させやすく、画像のハイライト部分であっても正
確に記録できてより高精細の多階調記録を行うことがで
きる。
【0015】また、請求項2に記載の熱転写プリンタの
特徴は、請求項1において、樹脂系インク層の溶融粘度
を100000〜2000000センチポイズとした点
にある。そして、このような構成を採用したことによ
り、擦過性に優れた強固な画像を得ることができる。
【0016】また、請求項3に記載の熱転写プリンタの
特徴は、請求項1または請求項2において、離系層を
0.1〜5マイクロメートルの厚さを有するワックス系
離型層とした点にある。そして、このような構成を採用
したことにより、樹脂系インクをインクリボンの離型層
からより剥離させやすくなって、特に熱エネルギの少な
い低濃度部での転写が確実に行えるようになる。
【0017】また、請求項4に記載の熱転写プリンタの
特徴は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項におい
て、複数色の樹脂系インク層を異なる溶融粘度に形成す
るとともに、その溶融粘度が大きい順に記録紙に溶融転
写するようにした点にある。そして、このような構成を
採用したことにより、すでに記録紙に転写された樹脂系
インクに重ねて転写する場合に確実に転写することがで
きる。
【0018】また、請求項5に記載の熱転写プリンタの
特徴は、請求項4において、複数色の樹脂系インク層を
少なくともシアン、マゼンタおよびイエローにより構成
するとともに、これらの樹脂系インク層の溶融粘度をシ
アン、マゼンタ、イエローの順に小さくなるように形成
した点にある。そして、このように視覚感度の高い色順
に重色を行うようにすることにより、より精細で粒状感
の少ない高画質の記録画像を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図7を参照して説明する。
【0020】本実施形態の熱転写プリンタ1には、フレ
ーム(図示せず)の所望の位置に平板状のプラテン2が
その記録面2aがほぼ垂直となるように配設されてお
り、このプラテン2の前側下方には、ガイドシャフト3
がプラテン2と平行に配設されている。そして、ガイド
シャフト3の適宜な位置には、上下に分割されたキャリ
ッジ4が取着されており、下方に示す一方のキャリッジ
4aは、ガイドシャフト3に取着される下キャリッジ4
aとされ、上方に示す他方のキャリッジ4bは、後述す
るリボンカセット5が取着されるとともに前記下キャリ
ッジ4aに対し上下方向に接離可能とされた上キャリッ
ジ4bとされている。
【0021】前記キャリッジ4は、1対のプーリ(図示
せず)に巻回されている適宜な駆動ベルト6を、ステッ
ピングモータなどの駆動手段(図示せず)により駆動さ
せて、ガイドシャフト3に沿って往復動自在に駆動され
るようになっている。
【0022】前記キャリッジ4には、プラテン2に対向
しこのプラテン2に対して駆動モータの駆動力をもって
動作可能な周知のヘッド移動機構(ともに図示せず)に
より接離自在とされ、プラテン2に対して当接した圧接
状態(ヘッドダウン状態)においてプラテン2上に搬送
された後述する記録紙29に記録をなすサーマルヘッド
7が配設されている。そして、このサーマルヘッド7
は、キーボードなどの適宜な入力装置(図示せず)によ
り入力された所望の記録情報に基づいて選択的に発熱さ
れる整列配置された複数の発熱素子(図示せず)を備え
ている。
【0023】また、サーマルヘッド7は、後述する制御
部25により、通電エネルギを15段階に選択的に制
御、すなわち、各発熱素子に対する通電時間を15段階
に制御されるようになっている。
【0024】前記キャリッジ4について更に詳しく説明
すると、このキャリッジ4は、前記下キャリッジ4aの
上面とほぼ平行をなす板状の上キャリッジ4bが平行ク
ランク機構8により下キャリッジ4aに対して接離する
ように平行移動自在に取着されて構成されている。この
平行クランク機構8は、図3に示すように、キャリッジ
4の左右両端に1対設けられ、互いにX状に交差した1
対のリンク9a,9bを有しており、これらのリンク9
a,9bの交差位置はピン10aにより枢着され、リン
ク9a,9bの端部はピン10b,10c,10d,1
0eによりそれぞれ下キャリッジ4aおよび上キャリッ
ジ4bの左右側部の上端部に形成された長孔(図示せ
ず)に摺動自在に係止されている。
【0025】また、前記下キャリッジ4aには、回転ク
ランク機構11が配設されており、この回転クランク機
構11により上キャリッジ4bの平行移動の操作がなさ
れるようになっている。この回転クランク機構11は、
下キャリッジ4aに回転駆動できるように支持された回
転部材をなす回転板12と、この回転板12の偏心位置
にピン13aにより枢着された連結部材をなす連結リン
ク14とからなり、連結リンク14の先端が上キャリッ
ジ4bにピン13bにより枢着されて構成されている。
そして、回転板12は、モータなどの適宜な駆動手段
(図示せず)により回転駆動されるようになっている。
【0026】図1に戻って、前記上キャリッジ4bの左
右両側部には、先端が相互に内側に緩やかに湾曲し上下
端に突起が形成された係合部15aとされている板状の
アーム15がほぼリボンカセット5の幅と等しい間隔を
隔てて立設されている。そして、上キャリッジ4bの中
央部には、相互に所定間隔を隔てて1対の回転可能なボ
ビン16が上方に突出するようにして配設されており、
このボビン16によりインクリボン17が所定の方向に
走行可能とされている。この1対のボビン16は、一方
がインクリボン17を送出する送出ボビン16aとさ
れ、他方がインクリボン17を巻取る巻取ボビン16b
とされている。
【0027】また、キャリッジ4のプラテン2に対して
遠方側の端縁上には、リボンカセット5に収納されたイ
ンクリボン17の種類を検出するセンサ18として、光
センサ18aが配設されている。この光センサ18aと
しては、本実施の形態においては反射型のものが用いら
れている。そして、光センサ18aは、熱転写プリンタ
1の所望の位置に配設された熱転写プリンタ1の記録動
作などの制御をつかさどる制御部25に接続されてい
る。
【0028】図1および図2に示すように、キャリッジ
4の上方には、適宜な間隔を隔てて、図示しないフレー
ムに図2において両矢印Aにて示すように開閉自在に支
持されたほぼ板状のキャノピ19が配設されている。こ
のキャノピ19は、閉状態において、紙送り機構(図示
せず)の出口側の紙押えとして機能するものであり、キ
ャリッジ4と対向するようにして配設されており、キャ
リッジ4の移動領域とほぼ同一の長さとされている。
【0029】前記キャノピ19のキャリッジ4と平行に
対峙する下面の所定位置には、リボンカセット5を保持
する複数のカセットホルダ(図示せず)が設けられてお
り、このカセットホルダにより、複数、本実施形態にお
いてはシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各
色の樹脂系インク28が塗布されたインクリボン17
(17a,17b,17c,17d)が内部に収納され
たリボンカセット5がキャリッジ4の移動方向に一列状
に配設されるようになっている。
【0030】そして、各リボンカセット5は、図2に両
矢印Bにて示すように、回転クランク機構11に伴って
動作する平行クランク機構8の動作により、キャノピ1
9と上キャリッジ4bとの間で選択的に受け渡しが行わ
れるようになっている。
【0031】本実施形態の各リボンカセット5は、イン
クリボン17の種類にかかわらず、すべてが同一形状、
同一寸法に形成されており、上下1対とされた平面ほぼ
矩形のケース本体20内に、図示しない回転自在に支持
された1対のリールと、回転自在に支持された1対のリ
ボン送りローラと、回転自在に支持されたリボン経路に
臨んでいる複数のガイドローラなどが配設されている。
【0032】そして、1対のリール間にインクリボン1
7が巻回され、インクリボン17の中間部が外部に導出
されている。この1対のリールは、リボンカセット5が
上キャリッジ4bに搭載されると、その一方は、記録に
供した部分のインクリボン17を巻取る巻取りリールと
され、他方は、インクリボンを送出する送出リールとさ
れている。そして、各リールの内周面には、複数のキー
溝が周方向に間隔を隔ててスプライン状に形成されてお
り、巻取りリールの内周面は、前記巻取りボビン16b
が係合される巻取り孔21bとされ、送出リールの内周
面は、前記送出ボビン16aが係合される送出孔21a
とされている。
【0033】また、リボンカセット5のキャリッジ4に
搭載された状態でプラテン2と対向する面には、サーマ
ルヘッド7が臨む凹部22が形成されており、この凹部
22内においてインクリボン17の中間部が導出されて
いる。
【0034】また、リボンカセット5の凹部22が形成
された面と平行に延在する後面には、各リボンカセット
5内に収納されているインクリボン17の種類を判別す
るための識別マーク23が配置されている。本実施形態
の識別マーク23は、インクリボン17の種類によって
異なる数の縞状の非反射部24aを有する反射シール2
4により形成されている。
【0035】そして、この識別マーク23をキャリッジ
4に設けた光センサ18aによって検出し、この検出信
号を熱転写プリンタ1の制御部25に出力し、この制御
部25内において各リボンカセット5における識別マー
ク23の数を計数することによりリボンカセット5内に
収納されているインクリボン17a,17b,17c,
17dの種類を判別するようになっている。
【0036】つまり、図1において最も左方に示すリボ
ンカセット5aには、3本の非反射部24aを有する反
射シール24Aが識別マーク23として配置されてい
る。そして、リボンカセット5の図1において手前側に
示す後面の左端部が識別マーク23の検出のための基準
位置BPとされ、識別マーク23の図1において右端に
位置する非反射部24aの右端面までの距離Lを、すべ
ての識別マーク23において同一とするとともに、この
距離L内にインクリボン17aの種類を識別するための
所望の非反射部24aが形成されている。そして、使用
に供する識別マーク23を光センサ18aが検出した状
態でキャリッジ4が停止可能とされており、キャリッジ
4が停止した状態で、カセットホルダに収納されている
リボンカセット5が上キャリッジ4bへ受け渡されるよ
うになっている。
【0037】また、本実施形態におけるインクリボン1
7は、図4に示すように、基材となるプラスチックフィ
ルム26の表面側にワックス系離型層27が積層されて
おり、このワックス系離型層27の上に樹脂系インク層
28が積層された構成となっている。
【0038】前記ワックス系離型層27は、樹脂系イン
ク層28の剥離効果の点から、0.1〜5マイクロメー
トル(μm)の厚さに形成されることが好ましい。ま
た、ワックスの種類としては、サーマルヘッドの発熱温
度に鑑みると、軟化点が50〜130℃のものが好まし
く、例えば、パラフィンワックス、シリコンワックス、
モンタンワックス、ポリエチレンワックス、木ロウ、密
ロウ、キャンデリラワックスおよびライスワックス等が
好ましい。
【0039】また、前記樹脂系インク層28は、記録紙
29への転写の良好性および階調表現の容易性の点か
ら、100℃における溶融粘度が100000〜200
0000センチポイズ(cP)の樹脂が好ましく、本実
施形態では、より好ましい溶融粘度として650000
センチポイズの樹脂を使用している。そして、樹脂系イ
ンク層28の種類としては、記録紙29への転写の良好
性および購入の容易性の点から、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニル、塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアクリルエステル等のビニ
ルポリマ、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂お
よびポリアミド系樹脂等が好ましい。
【0040】さらに、前記樹脂系インク層28は、各イ
ンク色毎に記録順に応じて順次溶融粘度が小さくなるよ
うに形成されている。本実施形態では、シアン、マゼン
タ、イエローおよびブラックの樹脂系インク層28の順
に溶融粘度がだんだん小さくなるように形成されてお
り、その小さくなる順番に記録紙29に溶融転写される
ようになっている。このような条件で溶融転写すること
により、各樹脂系インク28が重なる部分においても良
好に転写され、記録画像もきれいに表現することができ
るようになっている。
【0041】なお、本実施形態においては、前記樹脂系
インク28を塗布したインクリボン17を収納したリボ
ンカセット5として、必ずしもブラックの色のリボンカ
セット5が配設されていなくてもよく、少なくともシア
ン、マゼンタおよびイエローのインクリボン17が収納
されたリボンカセット5が配設されていればよい。
【0042】また、本実施形態において使用される記録
紙29は、基材紙30の表面(記録側面)に断熱層31
が形成された構成となっている。この断熱層31は、図
5に示すように、サーマルヘッドの発熱素子の熱が、イ
ンクリボン17および記録紙29を通過して記録紙29
の裏側へ放出されるのを抑制するためのものであり、こ
の断熱層31の断熱効果により、インクリボン17の樹
脂系インク28に付与する熱量が高められる。本実施形
態では、図6に示すように、インクリボン17の樹脂系
インク層28の温度が、前記断熱層31が無い記録紙2
9に記録を施す場合に比べて約6割程度上昇させられる
ようになっている。
【0043】前記記録紙29の一実施例としては、基材
紙30の表面に断熱層31として無機顔料粒子(図示せ
ず)を分散してコーティングしたものが挙げられる。こ
の断熱層31は、断熱効果を高める点から、前記無機顔
料粒子の粒径が0.5〜5マイクロメートルのものを使
用するのが好ましく、より好ましくは、粒径が2〜3マ
イクロメートルの無機顔料粒子である。また、前記無機
顔料粒子の例としては、タルク、カオリン、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、アルミナお
よび各種の酸化チタン等が挙げられる。
【0044】また、前記記録紙29の他の実施例として
は、前述した無機顔料粒子と、1〜3マイクロメータの
ポリマー系マイクロカプセル(図示せず)とを前記基材
紙30の表面に分散し、コーティングしたものである。
前記ポリマー系マイクロカプセルは、中空の球状に形成
されており、内部に空気層が存在していることから、よ
り断熱効果を高めることができるようになっている。
【0045】さらに、前記記録紙29の他の実施例とし
ては、その表面に孔径が1〜30マイクロメートルの複
数の孔が形成されたマイクロポーラス紙がある。このマ
イクロポーラス紙は、表面の孔内の空気により断熱効果
が発揮されるようになっている。
【0046】また、本実施形態における熱転写プリンタ
には、サーマルヘッド7の移動速度、サーマルヘッド7
のプラテン2に対する圧接力およびサーマルヘッド7の
各発熱素子への通電時間を制御する制御部25が配設さ
れている。
【0047】前記制御部25は、図示しないメモリ、C
PUなどから形成されており、前記サーマルヘッドの移
動速度は、樹脂系インク28を熱時剥離させられる点か
ら、サーマルヘッドと記録紙29との相対速度が2〜3
0インチ/秒、より好ましくは5インチ/秒となるよう
に制御されている。
【0048】また、前記制御部25は、サーマルヘッド
7のプラテン2に対する圧接力を、0.3キログラム/
センチメートル以上の圧力に制御するようになってお
り、樹脂系インク28を記録紙29へ確実に転写再現さ
せるとともに、各樹脂系インク28が重なる部分も安定
的に転写させるようになっている。
【0049】さらに、前記制御部25は、前記サーマル
ヘッドの各発熱素子に対する通電時間を15段階に制御
することにより、通電エネルギを調整し、記録紙29に
ドット径階調記録を行うようになっている。すなわち、
図7に示すように、1つの発熱素子に通電する時間、換
言すれば通電パルスの周期を変化させて、ドット径をレ
ベル1からレベル15までの15段階(通電しない場合
を含めると16段階)に制御することができ、これらの
各発熱素子から構成されるマトリクスを想定して、画像
をドット径階調記録として表現するようになっている。
前記マトリクスとしては、例えば、縦と横とが3×3の
9ドットから構成されている。
【0050】次に、本発明の実施形態の作用について説
明する。
【0051】本実施形態における熱転写プリンタは、ホ
ストコンピュータ等により画像処理された記録情報が制
御部25に送信されると、この制御部25からの指令に
より、ホームポジションに位置するキャリッジ4を移動
させて、キャリッジ4に配設した光センサ18aが、リ
ボンカセット5の識別マーク23を検出する。そして、
光センサ18aは、非反射部24aの配列およびピッチ
などの構成による各識別マーク23の固有の検出信号を
制御部25に送出し、制御部25において発せられた指
令に対応する識別マーク23かどうかを判断し、指令に
対応する識別マーク23の場合には、キャリッジ4の移
動を停止する。
【0052】本実施形態では、溶融粘度の大きい順にシ
アン、マゼンタ、イエロー、ブラックと形成されている
ので、まず最初に、シアンのインクリボン17の配設さ
れたリボンカセット5を識別する。
【0053】そして、選択された所望のインクリボン1
7を内部に収納したリボンカセット5が、平行クランク
機構8および回転クランク機構11によって、図2に両
矢印Bにて示すように、キャノピ19と上キャリッジ4
bとの間で選択的に受け渡されて、リボンカセット5が
キャリッジ4に装着されてリボンカセット5の選択動作
が終了する。
【0054】ついで、表面に断熱層31が積層されてい
る記録紙29が、プラテン2とサーマルヘッド7との間
に人手あるいは図示しない給紙装置によりセットされ記
録動作が開始される。そして、制御部25からの指令に
より、サーマルヘッドをヘッドダウンさせて、樹脂系イ
ンク28の塗布されたインクリボン17および前記記録
紙29を介してプラテンに対して0.3キログラム/セ
ンチメートルの線圧で圧接させるとともに、前記サーマ
ルヘッド7と記録紙29との相対速度が2〜30インチ
/秒となるようにキャリッジ4を移動させる。このよう
にサーマルヘッドを記録紙29に対して移動させつつ、
所望の記録画像の階調に応じてサーマルヘッド7の各発
熱素子への通電時間を制御して発熱させると、前記イン
クリボン17の樹脂系インク28が、ワックス系離型層
27から適量分だけ剥離されて記録紙29に転写され
る。
【0055】したがって、本発明の実施形態によれば、
インクリボン17の樹脂系インク28が基材フィルム上
にワックス系離型層27を介して積層されているため、
記録紙29に転写されやすく、画像のハイライト部分を
正確で高精細に表現することができる。
【0056】また、記録紙29はその表面に断熱層31
が形成されているため、サーマルヘッドの発熱温度を保
持しやすく、インクリボン17の樹脂系インク28を充
分に軟化させることができる。このため、樹脂系インク
28であっても容易に記録紙に高解像度のドット径階調
記録を直接施すことができる。
【0057】さらに、前記サーマルヘッドと前記記録紙
29との相対速度を2〜30インチ/秒となるようにキ
ャリッジの移動速度を制御するため、樹脂系インク28
を熱時剥離させることができ、樹脂系インク28を確実
に記録紙29に転写することができる。
【0058】なお、本発明は前記実施の形態のものに限
定されるものではなく、必要に応じて種々変更すること
が可能である。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明の請求項1に記
載の熱転写プリンタによれば、樹脂系インクをインクリ
ボンから記録紙に容易に転写させやすく、画像のハイラ
イト部分であっても正確に記録できてより高精細の多階
調記録を行うことができる。
【0060】また、請求項2に記載の熱転写プリンタに
よれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、堅牢性
を充分発揮できて、擦過性に優れた強固な画像を得るこ
とができる。
【0061】また、請求項3に記載の熱転写プリンタに
よれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に
加えて、樹脂系インクをインクリボンの離型層からより
剥離させやすくなって、記録紙へ転写しやすくなる。
【0062】また、請求項4に記載の熱転写プリンタに
よれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の
発明の効果に加えて、すでに記録紙に転写された樹脂系
インクに重ねて転写する場合にも確実に転写することが
できる。
【0063】また、請求項5に記載の熱転写プリンタに
よれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、視覚感
度の高い色順に重色を行うことで、より精細で粒状感の
少ない高画質の記録画像を得ることができる。
【0064】できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱転写プリンタの実施形態の要
部を示す斜視図
【図2】 図1の熱転写プリンタのキャリッジの概略側
面図
【図3】 図2の熱転写プリンタのキャリッジの平行ク
ランク機構を示す側面図
【図4】 本実施形態におけるインクリボンを示す側面
断面図
【図5】 本実施形態におけるインクリボンの断熱効果
を示すサーマルヘッド周辺の概略側面図
【図6】 本実施形態においてサーマルヘッドへの通電
後の経過時間に対するサーマルヘッドの温度と樹脂系イ
ンクの温度とを示すグラフ
【図7】 本実施形態における制御部によるサーマルヘ
ッドの通電制御を示すグラフ
【図8】 従来の熱転写プリンタにおけるインクリボン
の断熱効果を示すサーマルヘッド周辺の概略側面図
【図9】 従来の熱転写プリンタにおいてサーマルヘッ
ドへの通電後の経過時間に対するサーマルヘッドの温度
と樹脂系インクの温度とを示すグラフ
【符号の説明】
1 熱転写プリンタ 2 プラテン 4 キャリッジ 5 リボンカセット 7 サーマルヘッド 17 インクリボン 25 制御部 27 ワックス系離型層 28 樹脂系インク層 29 記録紙 30 基材紙 31 断熱層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/26 J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドをインクリボンおよび記
    録紙を介してプラテンに圧接しつつ駆動させて前記記録
    紙に前記インクリボンの熱溶融性インクを選択的に溶融
    転写して記録を行う熱転写プリンタであって、前記イン
    クリボンを基材とこの基材上に積層された離型層とこの
    離型層上に積層された樹脂系インク層とにより形成する
    とともに、記録画像の階調に応じて前記サーマルヘッド
    への通電時間を複数段階に制御する制御部を備えている
    ことを特徴とする熱転写プリンタ。
  2. 【請求項2】 前記樹脂系インク層の溶融粘度を100
    000〜2000000センチポイズとしたことを特徴
    とする請求項1に記載の熱転写プリンタ。
  3. 【請求項3】 前記離系層を0.1〜5マイクロメート
    ルの厚さを有するワックス系離型層としたことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の熱転写プリンタ。
  4. 【請求項4】 前記熱転写プリンタは、複数色の樹脂系
    インク層を用いてカラー記録を行う熱転写プリンタであ
    って、各樹脂系インク層を異なる溶融粘度に形成すると
    ともに、その溶融粘度が大きい順に前記記録紙に溶融転
    写するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれか1項に記載の熱転写プリンタ。
  5. 【請求項5】 前記各樹脂系インク層を少なくともシア
    ン、マゼンタおよびイエローにより構成するとともに、
    これらの樹脂系インク層の溶融粘度をシアン、マゼン
    タ、イエローの順に小さくなるように形成したことを特
    徴とする請求項4に記載の熱転写プリンタ。
JP10077807A 1998-03-25 1998-03-25 熱転写プリンタ Withdrawn JPH11268312A (ja)

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