JPH1120322A - 下地・仕上処理用インクリボン、この下地・仕上処理用インクリボンを収納したリボンカセット、熱転写プリンタおよびこの熱転写プリンタの記録方法 - Google Patents

下地・仕上処理用インクリボン、この下地・仕上処理用インクリボンを収納したリボンカセット、熱転写プリンタおよびこの熱転写プリンタの記録方法

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JPH1120322A
JPH1120322A JP9181291A JP18129197A JPH1120322A JP H1120322 A JPH1120322 A JP H1120322A JP 9181291 A JP9181291 A JP 9181291A JP 18129197 A JP18129197 A JP 18129197A JP H1120322 A JPH1120322 A JP H1120322A
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ink
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finishing
ink ribbon
recording
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JP9181291A
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Inventor
Yasufumi Ito
靖文 伊東
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱昇華転写記録の専用紙以外の記録紙に熱昇
華インクを転写して良好な熱昇華転写記録を施すことが
できるとともに、この記録により得た記録画像を耐候性
または光沢性の優れたものとすることができる下地・仕
上処理用インクリボン、この下地・仕上処理用インクリ
ボンを収納したリボンカセット、熱転写プリンタおよび
この熱転写プリンタの記録方法を提供すること。 【解決手段】 熱昇華転写記録前に記録紙表面に転写す
る下地処理インク層16aと、転写された下地処理イン
ク層16a上に着色用のインクリボン16Y,16M,
16Cにより画像を記録後、この記録画像の上から仕上
処理を施すための仕上処理樹脂層16bとを基材19の
長手方向に交互に形成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下地・仕上処理用
インクリボン、この下地・仕上処理用インクリボンを収
納したリボンカセット、熱転写プリンタおよびこの熱転
写プリンタの記録方法に係り、特に、葉書や普通紙等の
一般的な記録紙に対して熱昇華転写記録を行えるように
下地処理を施すとともに、所望の画像を記録した上から
仕上処理を施す下地・仕上処理用インクリボン、この下
地・仕上処理用インクリボンを収納したリボンカセッ
ト、熱転写プリンタおよびこの熱転写プリンタの記録方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱転写プリンタは、一般にプラテ
ンの前方に記録紙を支持するとともに、キャリッジに複
数の発熱素子が形成されたサーマルヘッドを搭載し、こ
れらのサーマルヘッドとプラテンとの間に基体に所望の
インクを塗布したインクフィルムの一例としてのインク
リボンと前記記録紙とを挟持し、サーマルヘッドをキャ
リッジとともにプラテンに沿って往復動させながら、前
記インクリボンを繰り出し、前記サーマルヘッドの各発
熱素子を記録データに基づいて選択的に発熱させること
により、記録紙上に所望の文字などの画像の記録を行な
うようになっている。このような熱転写プリンタは、高
記録品質、低騒音、低コスト、メンテナンスの容易性な
どの理由により、コンピュータ、ワードプロセッサなど
の出力装置として多用されている。
【0003】このような従来の熱転写プリンタおいて
は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などを基体
とした樹脂フィルムに熱溶融性インクが塗布されたイン
クリボン(熱溶融性インクリボン)を用いて記録紙に記
録を行なうものや、基体に熱昇華性インクが塗布された
インクリボン(熱昇華性インクリボン)を用いて記録紙
に記録を行なうものがよく知られている。
【0004】このうち前記熱昇華性インクリボンによる
記録を行う場合には、サーマルヘッドに付加するエネル
ギを制御することにより、熱昇華性インクの昇華量を調
整して記録紙に転写するインクの量を制御し、記録紙に
記録する画像の濃度を調節するようになっており、記録
紙として表面処理が施された専用紙を用いることにより
銀塩写真に匹敵する高画質のフルカラー画像を得ること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような熱
昇華転写記録に用いる専用紙は、入手が難しく、コスト
も高いという不都合がある。このため、熱昇華転写記録
による高画質のフルカラー画像を熱昇華転写記録の専用
紙ではなく、葉書や普通紙等の一般的な記録紙に対して
手軽に施したいとの要望が高まっているが、葉書や普通
紙になんら表面処理を施すことなく熱昇華転写記録を行
った場合には、熱昇華インクが転写されず、良好な記録
画像が得られなかった。
【0006】一方、専用紙を用いて熱昇華転写記録を施
したとしても、その状態のままでは、記録画像が傷つき
やすく、また、紫外線等による色褪せ等も生じるおそれ
があるなど耐候性が劣っているという問題があった。
【0007】さらに、熱昇華転写記録により記録した画
像は、そのままでは表面に凹凸が存在しており高品質の
画像とは言えないため、この凹凸面を滑らかな面にする
ことで光沢性を向上させたいとの要望もあった。
【0008】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、葉書や普通紙等の熱昇華転写記録の専用紙以
外の記録紙に熱昇華インクを転写して良好な熱昇華転写
記録を施すことができるとともに、この記録により得た
記録画像を耐候性または光沢性の優れたものとすること
ができる下地・仕上処理用インクリボン、この下地・仕
上処理用インクリボンを収納したリボンカセット、熱転
写プリンタおよびこの熱転写プリンタの記録方法を提供
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明に係る請求項1に記載の下地・仕上処理用インク
リボンの特徴は、熱昇華転写記録を行う前に記録紙の表
面に転写する下地処理インク層と、転写された前記下地
処理インク層上に着色インク層により画像を記録した後
にこの記録画像の上から仕上処理を施すための仕上処理
樹脂層とをフィルム基材の長手方向に交互に形成した点
にある。そして、このような構成を採用したことによ
り、1つのインクリボンで通常の記録紙に熱昇華転写記
録を可能とする下地処理と、記録画像の耐候性または光
沢性を向上させる仕上処理とを施すことができる。
【0010】また、請求項2に記載の下地・仕上処理用
インクリボンの特徴は、仕上処理樹脂層が、記録画像を
保護するために前記記録画像の上に熱転写する被覆処理
インク層とした点にある。そして、このような構成を採
用したことにより、1つのインクリボンで通常の記録紙
に熱昇華転写記録を可能とする下地処理と、記録画像の
耐候性を向上させる仕上処理とを施すことができる。
【0011】また、請求項3に記載の下地・仕上処理用
インクリボンの特徴は、仕上処理樹脂層を、記録画像の
表面を光沢に仕上げるための非転写層からなる光沢処理
樹脂層とした点にある。そして、このような構成を採用
したことにより、1つのインクリボンで通常の記録紙に
熱昇華転写記録を可能とする下地処理と、記録画像の光
沢性を向上させる仕上処理とを施すことができる。
【0012】また、請求項4に記載の下地・仕上処理用
インクリボンを収納したリボンカセットの特徴は、請求
項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の下地・仕上処
理用インクリボンを収納している点にある。そして、こ
のような構成を採用したことにより、1つのリボンカセ
ットで通常の記録紙に熱昇華転写記録を可能とする下地
処理と、記録画像の耐候性または光沢性を向上させる仕
上処理とを施すことができる。
【0013】また、請求項5に記載の熱転写プリンタの
特徴は、記録紙の表面に下地・仕上処理用インクリボン
の下地処理インク層を転写して下地処理を行い、この下
地処理インク層上に熱昇華性インクを熱昇華転写して画
像を記録し、さらにこの記録画像上に下地・仕上処理用
インクリボンの仕上処理樹脂層を転写して仕上処理を行
うように制御する制御手段を有する点にある。そして、
このような構成を採用したことにより、葉書や普通紙等
の熱昇華転写記録の専用紙以外の記録紙に熱昇華インク
を転写して良好な熱昇華転写記録を施すことができると
ともに、この記録により得た記録画像を耐候性または光
沢性の優れたものとすることができる。
【0014】また、請求項6に記載の熱転写プリンタの
記録方法の特徴は、記録紙の表面に下地・仕上処理用イ
ンクリボンの下地処理インク層を転写して下地処理を行
った後に、この下地処理インク層上に熱昇華性インクを
熱昇華転写して画像を記録し、さらにこの記録画像上に
下地・仕上処理用インクリボンの仕上処理樹脂層を転写
して仕上処理を行うようにした点にある。そして、この
ような方法を採用したことにより、葉書や普通紙等の熱
昇華転写記録の専用紙以外の記録紙であっても熱昇華転
写記録を行うことができるとともに、耐候性または光沢
性に優れた高品質の記録画像を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
一形態により説明する。
【0016】図1は本発明に係る熱転写プリンタの実施
形態の要部を示す斜視図であり、図2は要部の概略側面
図であり、図3はキャリッジの概略側面図であり、図4
乃至図6は、下地・仕上処理インクリボンの概略構成図
であり、図7は要部の構成を示すブロック図である。
【0017】図1に示すように、本発明の熱転写プリン
タ1の実施形態は、フレーム(図示せず)の所望の位置
に平板状のプラテン2がその記録面2aがほぼ垂直とな
るように配設されており、このプラテン2の前側下方に
は、ガイドシャフト3がプラテン2と平行に配設されて
いる。そして、ガイドシャフト3の適宜な位置には、上
下に分割されたキャリッジ4が取着されており、下方に
示す一方は、ガイドシャフト3に取着される下キャリッ
ジ4aとされ、上方に示す他方は、後述するリボンカセ
ット5が取着されるとともに下キャリッジ4aに対し上
下方向に接離可能とされた上キャリッジ4bとされてい
る。このキャリッジ4は、1対のプーリ(図示せず)に
巻回されている適宜な駆動ベルト6を、ステッピングモ
ータ等の駆動手段(図示せず)により駆動させて、ガイ
ドシャフト3に沿って往復動自在に駆動されるようにな
っている。また、キャリッジ4は、後述する制御部37
により、その移動速度を高速と低速との2段階の何れか
一方が選択可能とされている。
【0018】前記キャリッジ4には、前記プラテン2に
対して駆動モータの駆動力をもって動作可能な周知のヘ
ッド移動機構(共に図示せず)により接離自在とされ、
前記プラテン2に対して当接した圧接状態(ヘッドダウ
ン状態)においてプラテン2上の用紙(図示せず)に記
録をなすサーマルヘッド7が配設されている。そして、
このサーマルヘッド7は、キーボード、イメージスキャ
ナ等の適宜な外部入力装置(図示せず)により入力され
た所望の記録データに基づいて選択的に発熱される整列
配置された複数の発熱素子(図示せず)を備えている。
【0019】また、サーマルヘッド7は、後述する制御
手段たる制御部37により、プラテン2に対する圧接力
を強圧接と弱圧接との何れか一方が選択可能とされると
ともに、サーマルヘッド7の熱エネルギを大と小との2
段階(詳しくは、発熱素子に対する通電時間を長時間と
短時間との2段階)の何れか一方が選択可能とされてい
る。なお、前記サーマルヘッド7の熱エネルギは、発熱
素子ごとに異ならせることも可能とされている。
【0020】ここで、本実施形態におけるカセット交換
機構について説明する。
【0021】前記キャリッジ4は、ガイドシャフト3に
取着される下キャリッジ4aの上面に、略平行をなす板
状の上キャリッジ4bが平行クランク機構8により下キ
ャリッジ4aに対して接離するように平行移動自在に取
着されて構成されている。この平行クランク機構8は、
図3に示すように、キャリッジ4の左右両端に1対設け
られ、互いにX状に交差した1対のリンク9a,9bを
有しており、これらのリンク9a,9bの交差位置はピ
ン10aにより枢着され、リンク9a,9bの端部はピ
ン10b,10c,10d,10eによりそれぞれ下キ
ャリッジ4aおよび上キャリッジ4bの左右側部上端部
に形成された長孔(図示せず)に摺動自在に係止されて
いる。
【0022】また、前記下キャリッジ4aには、回転ク
ランク機構11が配設されており、この回転クランク機
構11により上キャリッジ4bの平行移動の操作がなさ
れるようになっている。この回転クランク機構11は、
下キャリッジ4aに回転駆動し得るように支持された回
転部材をなす回転板12と、この回転板12の偏心位置
にピン13aにより枢着された連結部材をなす連結リン
ク14とからなり、連結リンク14の先端が上キャリッ
ジ4bにピン13bにより枢着されて構成されている。
そして、回転板12は、モータ等の適宜な駆動手段(図
示せず)により回転駆動されるようになっている。
【0023】図1および図2に示すように、キャリッジ
4の上方には、適宜な間隔を隔てて、図示しないフレー
ムに図2において両矢印Aにて示すように開閉自在に支
持された略板状のキャノピー15が配設されている。こ
のキャノピー15は、閉状態において、紙送り機構(図
示せず)の出口側の紙押えとして機能するものであり、
キャリッジ4と対向するようにして配設されており、キ
ャリッジ4の移動領域とほぼ同一の長さとされている。
【0024】前記キャノピー15のキャリッジ4と平行
に対峙する下面の所定位置には、複数のリボンカセット
5を保持するカセットホルダ(図示せず)が設けられて
いる。このカセットホルダにより、複数、本実施形態に
おいては、熱昇華転写記録を施す前に記録紙の下地処理
を行うとともに当該記録後に仕上処理を行うための下地
・仕上処理用インクリボン16Aが収納された下地・仕
上処理リボンカセット5Aと、多色記録を行うための3
色のインクリボン16Y,16M,16Cが収納された
リボンカセット5Y,5M,5Cとが、キャリッジ4の
移動方向に一列状に配設されている。
【0025】本実施形態においては、下地処理インク層
および仕上処理樹脂層16bが交互に塗布されたインク
リボン16Aが内部に収納された下地・仕上処理リボン
カセット5Aと、熱昇華性インクが塗布されたインクリ
ボン(熱昇華性インクリボン)16Y、16M,16C
が内部に収納されたリボンカセット5Y,5M,5Cと
が、キャリッジ4の移動方向に一列状に配設されている
ものとする。
【0026】ここで、前記下地・仕上処理用インクリボ
ン16Aについて図4乃至図6を参照しつつより詳細に
説明する。
【0027】前記下地・仕上処理用インクリボン16A
は、図4に示すように、下地処理インク層(アンダーコ
ートインク層ともいう)16aと仕上処理樹脂層16b
とが、同等の長さをもって交互に繰り返し形成されてい
る。
【0028】前記下地処理インク層16aは、熱昇華性
インクが一般の記録紙に転写できるようにするために熱
昇華転写記録を行う前に記録紙に対して下地処理を行う
ためのインクである。
【0029】一方、前記仕上処理樹脂層16bは、記録
紙に熱昇華転写記録された記録画像の耐候性または光沢
性を向上させるために記録後に記録画像の上から仕上処
理を行うための樹脂層である。このうち、主として前記
記録画像の耐候性を向上させるための仕上処理樹脂層1
6bを特に被覆処理インク層(オーバーコートインク層
ともいう)16bといい、また、主として前記記録画像
の光沢性を向上させるための仕上処理樹脂層16bを特
に光沢処理インク層16bという。
【0030】そして、前記下地処理インク層16aおよ
び前記仕上処理樹脂層16bの長さL1,L2は、それ
ぞれ等しい長さに形成されており、例えば、葉書やA4
サイズの普通紙等の所望の記録紙の1行単位分の長さで
あったり、あるいは数行分に相当する長さや記録紙1枚
分を処理するのに対応する長さに形成されており、熱転
写プリンタ1の特性に十分対応できるようになってい
る。
【0031】さらに、前記下地処理インク層16aおよ
び前記仕上処理樹脂層16bの各先頭位置には、検出用
マーカ17が印刷されており、本実施形態では、下地処
理インク層16aの場合に前記検出用マーカ17を1本
だけ印刷してあり、また前記仕上処理樹脂層16bの場
合に前記検出用マーカ17を2本印刷してある。
【0032】これらの検出用マーカ17は、前記キャリ
ッジ4のサーマルヘッド7の近傍位置に配設されたマー
カ検出センサ18により検出されるようになっている。
このマーカ検出センサ18は、後述する制御部37に連
結されており、下地処理あるいは仕上処理を行う際に検
出用マーカ17を検出して前記制御部37に伝達するよ
うにされている。
【0033】つぎに、前記下地処理インク層16aの構
造について説明すると、前記下地処理インク層16a
は、図5に示すように、1〜10μm程度のポリエステ
ル樹脂フィルムを基材19として、この基材19の裏面
に、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂等の耐熱樹脂層
20が形成されている。
【0034】一方、前記基材19の表面には、0.1〜
5μm厚のシリコーンワックス、シリコーン樹脂あるい
はフッ素樹脂等の離型性に優れた材料、若しくはセルロ
ース樹脂、アクリル樹脂等にワックス等の熱離型材樹脂
を含有させた樹脂層からなる離型層21と、この離型層
21の上に形成されたビニル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、酢酸ビニル共重合体等の樹脂からなる0.1〜10
μm厚の受容層(染料受容層)22と、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等からなる0.1〜
10μm厚の接着層23とが形成された構造となってい
る。
【0035】つぎに、前記仕上処理樹脂層16bの構造
について説明する。
【0036】前記仕上処理樹脂層16bは、図6に示す
ように、1〜10μm程度のポリエステル樹脂フィルム
を基材19として、この基材19の裏面に、ニトロセル
ロース樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂あるいはこれ
らの変性樹脂であるシリコーン変性ウレタン樹脂、シリ
コーン変性アクリル樹脂等の耐熱性樹脂からなる背面層
24が0.3〜1.0μm程度の厚さに形成されてい
る。
【0037】一方、前記基材19の表面に積層される樹
脂層は、前記仕上処理樹脂層16bが被覆処理インク層
16bであるか、光沢処理インク層16bであるかによ
って異なる。
【0038】すなわち、前記仕上処理樹脂層16bが被
覆処理インク層16bである場合には、ポリエステル樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂およびこれらの
各樹脂の混合物等の耐薬品性、耐候性および耐摩擦摩耗
性に優れた保護インク層25aが形成された構造となっ
ている。この保護インク層25aは、サーマルヘッド7
の発熱素子の発熱により記録紙側へ転写されて記録画像
を被覆するようになっている。
【0039】また、前記仕上処理樹脂層16bが光沢処
理インク層16bである場合には、ニトロセルロース樹
脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂あるいはこれらの変性
樹脂であるシリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変
性アクリル樹脂等の耐熱性樹脂からなるスティック防止
層25bが0.05〜5.5μm程度に形成された構造
となっている。このスティック防止層25bは、前記記
録画像の表面の凹凸を前記サーマルヘッド7により再度
加熱することで円滑面に仕上げる際に、前記記録画像と
前記サーマルヘッド7との間に配設されて前記記録画像
への衝撃を抑制するための樹脂層である。このため、ス
ティック防止層25bは、記録紙側へ転写されることは
ない。
【0040】一方、前記インクリボン16Yはイエロ
ー、インクリボン16Mはマゼンタ、インクリボン16
Cはシアンのインクリボンである。
【0041】そして、各リボンカセット5A,5Y,5
M,5Cは、図2に両矢印Bにて示すように、回転クラ
ンク機構11に伴って動作する平行クランク機構8の動
作により、キャノピー15と上キャリッジ4bとの間で
選択的に受け渡しが行われるようになっている。
【0042】図1に戻り、前記キャリッジ4について更
に説明すれば、前記上キャリッジ4bの左右両側部に
は、先端が相互に内側に緩やかに湾曲し上下端に突起が
形成された係合部26aとされている板状のアーム26
が、ほぼリボンカセット5の幅と等しい間隔を隔てて立
設されている。そして、上キャリッジ4bの中央部に
は、相互に所定間隔を隔てて1対の回転可能なボビン2
7が上方に突出するようにして配設されており、このボ
ビン27によりインクリボン16が所定の方向に走行可
能とされている。この1対のボビン27は、一方がイン
クリボン16を巻取る巻取りボビン27aとされ、他方
がインクリボン16を送出する送出ボビン27bとされ
ている。
【0043】また、キャリッジ4のプラテン2に対して
遠方側の端縁上には、リボンカセット5に収納されたイ
ンクリボン16の種類を検出するセンサ28として、光
センサ28aが配設されている。本実施形態において
は、前記光センサ28aとして反射型のものが用いられ
ている。そして、前記光センサ28aは、熱転写プリン
タ1の記録動作等の制御をつかさどる制御部37に接続
されている。
【0044】この制御部37は、図示しないメモリ、C
PU等により、少なくともキャリッジ4の移動に伴う光
センサ28aからの出力信号に基づいて、リボンカセッ
ト5の有無およびリボンカセット5に収納されたインク
リボン16の種類、ホームポジションに対するキャリッ
ジ4の移動距離、後述するキャノピー15の開閉状態、
隣位あるいは離間した1対のリボンカセット5間の距離
等を判別または検出可能とされている。
【0045】なお、本実施形態の前記各リボンカセット
5A,5Y,5M,5Cは、インクリボン16の種類に
かかわらず、すべてが同一形状、同一寸法に形成されて
おり、上下1対とされた平面略矩形のケース本体29内
に、図示しない回転自在に支持された1対のリールと、
回転自在に支持された1対のリボン送りローラと、回転
自在に支持されたリボン経路に臨んでいる複数のガイド
ローラ等が配設されている。そして、1対のリール間に
インクリボン16が巻回され、インクリボン16のリボ
ン経路の中間部が外部に導出されている。
【0046】この1対のリールは、リボンカセット5が
上キャリッジ4bに搭載されると、その一方は、記録に
供した部分のインクリボン16を巻取る巻取りリールと
され、他方は、インクリボンを送出する送出リールとさ
れる。そして、各リールの内周面には、複数のキー溝が
周方向に間隔を隔ててスプライン状に形成されており、
一方のリールの内周面は、前記巻取りボビン27aが係
合される巻取り孔30aとされ、他方のリールの内周面
は、前記送出ボビン27bが係合される送出孔30bと
されている。
【0047】また、リボンカセット5のキャリッジ4に
搭載された状態でプラテン2と対向する面には、サーマ
ルヘッド7が臨む凹部31が形成されており、この凹部
31内においてインクリボン16の中間部が導出されて
いる。
【0048】また、リボンカセット5の凹部31が形成
された面と平行に延在する後面には、各リボンカセット
5内に収納されているインクリボン16の種類を判別す
るための識別マーク32が配置されている。本実施形態
の識別マーク32は、インクリボン16の種類によって
異なる数の縞状の非反射部33aを有する反射シール3
3により形成されている。
【0049】そして、この識別マーク32をキャリッジ
4に設けた光センサ28aによって検出し、この検出信
号を熱転写プリンタ1の制御部37に出力し、この制御
部37内において各リボンカセット5における識別マー
ク32の数を計数することによりリボンカセット5内に
収納されているインクリボン16の種類を判別するよう
になっている。
【0050】つまり、図1において左方に示す下地・仕
上処理リボンカセット5Aには、4本の非反射部33a
を有する反射シール33Aが、識別マーク32として配
置されており、図1において右方に示すリボンカセット
5Cには、1本の非反射部33aを有する反射シール3
3Dが識別マーク32として配置されている。
【0051】そして、リボンカセット5の図1において
手前側に示す後面の左端部が、識別マーク32の検出の
ための基準位置BPとされ、識別マーク32の図1にお
いて右端に位置する非反射部33aの右端面までの距離
Lを、すべての識別マーク32において同一とするとと
もに、この距離L内にインクリボン16の種類を識別す
るための所望の非反射部33aが形成されている。
【0052】そして、使用に供する識別マーク32を光
センサ28aが検出した状態でキャリッジ4が停止可能
とされており、キャリッジ4が停止した状態で、カセッ
トホルダに収納されているリボンカセット5が上キャリ
ッジ4bへ受け渡されるようになっている。
【0053】なお、識別マーク32は、リボンカセット
5に印刷してもよく、特に本実施形態の構成に限定され
るものではない。
【0054】また、本実施形態には、図7に示すよう
に、外部入力部34から入力された画像データや下地処
理および仕上処理のための熱転写データを記憶する記憶
部35と、前記画像データや下地処理データおよび仕上
処理データの熱転写モードを選択する熱転写モード選択
部36と、この熱転写モード選択部36により選択され
た熱転写モードに基づいて、前記リボンカセット5の選
択を行ない所望の熱転写を行なうように制御する制御部
37とが配設されている。
【0055】前記熱転写モード選択部36は、熱転写プ
リンタ1のフレーム(図示せず)の所望の位置に配設さ
れた図示しないモード選択スイッチSから送出される信
号に基づいて、当該熱転写動作を少なくとも下地・仕上
処理用インクリボン16Aを用いて熱溶融転写による下
地処理を行う下地処理モードあるいは仕上処理を行う仕
上処理モードか、熱昇華性インクリボン16Y,16
M,16Cを用いて熱昇華転写による記録を行う熱昇華
転写記録モードかを選択し、その結果を熱転写信号とし
て前記制御部37へ送出するようになされている。
【0056】なお、本実施形態において、前記モード選
択スイッチSは、下地処理モード、仕上処理モード、熱
昇華転写記録モードおよび自動選択モードを示す4種の
スイッチ(それぞれS1、S2、S3、S4と示す)で
あり、操作者が所望のモード選択スイッチSを操作する
ことで、前記熱転写モード選択部36に対して選択され
た熱転写モードを示す選択モード信号が送出されるよう
になっている。
【0057】また、前記熱転写モード選択部36は、前
記自動選択モードを示す熱転写モード選択スイッチSが
操作された場合に、前記記憶部36に記憶された記録デ
ータに基いて熱転写モードを自動的に選択するようにな
された自動選択手段38を有している。
【0058】この自動選択手段38は、前記熱転写デー
タが、画像データに関するものではなく、記録紙の表面
に下地処理を施すべきデータ(以下、下地処理データと
いう)であると判別したときは下地処理モードを自動的
に選択し、一方、3原色+階調データ(以下、画像デー
タという)であると判別したときは、熱昇華転写記録モ
ードを自動的に選択し、さらに、記録画像の上から仕上
処理を施すべきデータ(以下、仕上処理データという)
であると判別したときは、仕上処理モードを自動的に選
択するようになされている。
【0059】また、自動選択モードのスイッチS4が操
作された場合には、前記制御部37は、その熱転写デー
タが下地処理データであるか、画像データであるか、さ
らには仕上処理データであるかを判断し、下地処理デー
タであると判別したときは、下地処理モードを選択し、
画像データであると判別したときは熱昇華転写記録モー
ドを選択し、仕上処理データであると判別したときは仕
上処理モードを選択して自動的に下地処理、昇華転写記
録および仕上処理を行なうように制御するようになって
いる。
【0060】さらに、前記制御部37は、前記熱転写モ
ード選択部36の選択結果に基づいて、キャリッジ4の
移動速度、サーマルヘッド7への通電時間、サーマルヘ
ッド7のプラテン2に対する圧接力、リボンカセット5
の選択等を各モードに対応するように制御する下地処理
モード制御部39、熱昇華転写記録モード制御部40お
よび仕上処理モード制御部41とを有している。
【0061】そして、前記制御部37は、キャリッジ4
の移動に伴う光センサ28aからの出力信号に基づい
て、リボンカセット5の有無およびリボンカセット5に
収納されたインクリボン16の種類、ホームポジション
に対するキャリッジ4の移動距離、キャノピー15の開
閉状態、リボンカセット5,5…間の距離等を判別また
は検出するようになっている。
【0062】つぎに、本発明の熱転写プリンタ1の記録
方法について説明する。
【0063】まず、操作者は、外部入力部34から、所
望の記録データを入力した後、本実施形態の熱転写プリ
ンタ1を駆動し、記録目的に合致するように、モード切
換スイッチSを選択動作させることによって、熱転写モ
ードの選択が行われる。
【0064】そして、熱転写モードの選択動作が行われ
ると、前記モード切換スイッチSから熱転写モード選択
部36に対して信号が送出され、前記熱転写モード選択
部36は、選択されたモード切換スイッチSから送出さ
れた選択モード信号が、下地処理モード、熱昇華転写記
録モード、仕上処理モードおよび自動選択モードのうち
いずれのモードを示す選択モード信号であるかを判別
し、前記制御部37に対して熱転写モード信号を送出す
る。
【0065】このとき、操作者により選択されたモード
切換スイッチSが自動選択モードであると判別した場合
には、前記自動選択手段38により、外部入力部34か
ら入力され記憶部35に記憶されている熱転写データ
が、下地処理データであるか、画像データであるか、あ
るいは仕上処理データであるかを判断し、下地処理デー
タであると判別したときは下地処理モードを選択し、画
像データであると判別したときは熱昇華転写記録モード
を選択し、仕上処理データであると判別したときは仕上
処理モードを選択して、それぞれの熱転写モード信号を
制御部37に対し送出する。
【0066】つぎに、前記制御部37では、前記熱転写
モード信号に基づいて下地処理モード制御部39、熱昇
華転写記録モード制御部40および仕上処理モード制御
部41の何れか1つを動作させ、前記カセット交換機構
により、下地処理モード、熱昇華転写記録モードあるい
は仕上処理モードの何れかに対応したインクリボン16
が収納されたリボンカセット5の選択動作を開始する。
【0067】リボンカセット5の選択動作が開始される
と、制御部37(詳しくは、下地処理モード制御部3
9、熱昇華転写記録モード制御部40または仕上処理モ
ード制御部41の何れか1つ)からの指令により、ホー
ムポジションに位置するキャリッジ4を移動(走行)さ
せて、キャリッジ4に配設した光センサ28aが、リボ
ンカセット5の識別マーク32を検出する。
【0068】そして、光センサ28aは、非反射部33
aの配列およびピッチ等の構成による各識別マーク32
の固有の検出信号を制御部37に送出し、制御部37に
おいて発せられた指令に対応する識別マーク32かどう
かを判断し、指令に対応する識別マーク32の場合に
は、キャリッジ4の移動を停止し、指令に対応する識別
マーク32でない場合には、指令に対応する識別マーク
32を検出するまでキャリッジ4の移動を継続する。
【0069】そして、選択された熱転写モードに対応す
るインクリボン16を内部に収納したリボンカセット5
が、前述したカセット交換機構を構成する平行クランク
機構8および回転クランク機構11によって、図2に両
矢印Bにて示すように、キャノピー15と上キャリッジ
4bとの間で選択的に受け渡されて、リボンカセット5
がキャリッジ4に装着されてリボンカセット5の選択動
作が終了する。
【0070】なお、本実施形態の画像データの記録の色
順としては、イエローY、マゼンタM、シアンCの順に
行なうこととする。
【0071】また、本実施形態の熱転写プリンタ1によ
れば、リボンカセット5はキャノピー15の所定位置に
取着されているので、キャノピー15が開状態とされた
場合には、リボンカセット5の識別マーク32が光セン
サ28aに対して対向せず、結果として、キャリッジ4
の走査を行っても、光センサ28aによるリボンカセッ
ト5の識別マーク32の検知を行うことができないこと
となる。これを利用してキャノピー15の開閉状態を検
出することができる。
【0072】つぎに、前述のようにして、リボンカセッ
ト5の選択動作が終了すると、葉書や普通紙等の記録紙
がプラテン2とサーマルヘッド7との間に人手あるいは
図示しない給紙装置によりセットされたことを確認して
熱転写動作が開始される。
【0073】この場合、熱昇華転写記録用の専用紙が挿
入された場合には、下地処理を施す必要はないが、葉書
等の記録紙が挿入された場合には、最初に下地処理を施
す必要がある。このため、下地処理を施す場合には、前
記リボンカセット5は下地・仕上処理カセット5Aがセ
ットされている。
【0074】そして、自動選択手段38または操作者の
手動により熱転写モード選択部36が下地処理モードを
選択すると、前記制御部37の下地処理モード制御部3
9が、前記マーカ検出センサ18により下地処理インク
層16aの頭出しをする。その後、前記キャリッジ5を
プラテン2に沿って走行させ、前記サーマルヘッド7の
各発熱素子を発熱させることにより下地・仕上処理用イ
ンクリボン16Aの下地処理インク層16aを前記記録
紙に熱転写し、記録紙の表面に1行分の下地処理を施
す。
【0075】そして、この1行目の下地処理のための熱
転写の後、図示しない紙送りローラが記録紙を改行して
次の2行目の下地処理を行う準備を整える。この際、よ
り剥離しにくい下地処理インク層16aの転写を行うた
めに、1行目の下地処理を施した処理行の下端部と、次
の2行目の処理行の上端部とが1〜5ドット程度重複す
るように記録紙を搬送して改行してもよい。
【0076】この改行の後には、再び前記サーマルヘッ
ド7の各発熱素子を発熱させて前記下地処理インク層1
6aの熱転写を行い、このような下地処理と改行送りと
を順次繰り返し行うことにより、前記記録紙の全体(熱
昇華転写記録を施すのに必要な範囲)に下地処理を施し
て、熱昇華転写記録を行うのに最適な表面状態に仕上げ
る。
【0077】そして、前記記録紙に施した下地処理の上
面から熱昇華転写記録を行う。すなわち、前記熱昇華転
写記録モードを選択して、前記制御部37の熱昇華転写
記録モード制御部40からの指令により、ヘッドダウン
状態におけるプラテン2に対するサーマルヘッド7の圧
接力を0.2〜1.5kg程度として、キャリッジ4
(サーマルヘッド7)の移動速度(記録速度)を0.2
〜25cm/秒程度、サーマルヘッド7(詳しくは発熱
素子)の1ドットあたりの通電時間を170〜3000
0μ秒程度あるいは通電を複数回繰り返すように制御し
て、記憶部35に記憶されている画像データの記録を行
なう。これにより、熱昇華性インクリボン16Y,16
M,16Cを用いて記録紙に熱昇華転写による記録を確
実に施すことができる。
【0078】なお、熱昇華転写記録は、熱溶融転写記録
を施す場合よりも大きな熱エネルギを必要とするため、
前記熱昇華転写記録モード時におけるキャリッジ4(サ
ーマルヘッド7)の移動速度(記録速度)は、一般の熱
溶融転写記録を施す場合よりも遅くするとともに、発熱
素子の1ドットあたりの通電時間を長くするか、あるい
は複数回繰り返すことにより、熱昇華転写記録を確実に
施し、銀鉛写真に匹敵する高画質の記録品質を得るよう
にしている。
【0079】また、熱昇華転写記録モードにより記録を
行なう場合は、前記カセット交換機構の制御を行なって
リボンカセット5をイエローY、マゼンタM、シアンC
の順に記録に供するようにすることは前述の通りであ
る。
【0080】つぎに、前記熱昇華転写記録による記録画
像の耐候性または光沢性を向上させるべく、前記記録画
像を構成する熱昇華性インクの上から仕上処理を施す。
すなわち、前記自動選択手段38または操作者の手動に
より熱転写モード選択部36が仕上処理モードを選択
し、前記制御部37の仕上処理モード制御部41が、前
記マーカ検出センサ18により仕上処理樹脂層16bの
頭出しをする。その後、前記キャリッジ5をプラテン2
に沿って走行させて前記サーマルヘッド7の各発熱素子
を発熱させることにより、前記記録画像を下地・仕上処
理用インクリボン16Aの仕上処理樹脂層16bにより
仕上処理を施す。
【0081】このとき、記録画像の耐候性を向上させる
ことを主目的とする場合には、前記仕上処理樹脂層16
bとして被覆処理インク層16bを用い、これを前記記
録画像の上から熱転写し、前記記録画像を覆うようにし
て1行分の被覆処理を施す。
【0082】また、記録画像の光沢性を向上させること
を主目的とする場合には、前記仕上処理樹脂層16bと
して光沢処理樹脂層16bを用いて、これを介してサー
マルヘッド7の発熱素子を発熱させ、記録画像の表面を
加熱処理する。
【0083】そして、この1行分の仕上処理を施した
後、図示しない紙送りローラが記録紙を改行して次の2
行目の仕上処理を行う準備を整える。この際、被覆処理
インク層16bを記録画像に転写するときには、より剥
離しにくくするために、1行目の被覆処理を施した処理
行の下端部と、次の2行目の処理行の上端部とが1〜5
ドット程度重複するように記録紙を搬送して改行すると
よい。
【0084】このような仕上処理と記録紙の改行を繰り
返し行うことによって、記録紙全体(記録画像を被覆保
護または光沢処理するのに必要な範囲)の仕上処理が完
了する。
【0085】また、自動選択モードにスイッチを操作し
た場合には、制御部37において、その熱転写データが
下地処理データであるか、画像データであるか、あるい
は仕上処理データであるかを判断し、下地処理データで
あると判別したときは下地処理モードを選択し、画像デ
ータであると判別したときは熱昇華転写記録モードを選
択し、仕上処理データであると判別したときは仕上処理
モードを選択して自動的に記録を行なう。これにより、
操作者が熱昇華転写記録の開始前にその都度下地処理モ
ードを選択指示しなくとも、次々に下地処理を施した後
に熱昇華転写記録を自動的に進行し、さらに、この記録
画像の上から順次仕上処理が施される。
【0086】したがって、本発明の実施形態によれば、
葉書や普通紙等の熱昇華転写記録の専用紙以外の記録紙
であっても、下地処理インク層16aを記録紙に転写し
て下地処理を施すことにより熱昇華転写記録を行うこと
が可能となるとともに、熱昇華転写記録後の記録画像の
上から仕上処理樹脂層16bにより仕上処理を行うこと
により耐候性または光沢性に優れた高品質の記録画像を
得ることができる。
【0087】なお、本発明は前記実施の形態のものに限
定されるものではなく、必要に応じて種々変更すること
が可能である。
【0088】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る下地・仕
上処理用インクリボン、この下地・仕上処理用インクリ
ボンを収納したリボンカセット、熱転写プリンタおよび
この熱転写プリンタの記録方法によれば、葉書や普通紙
等の熱昇華転写記録の専用紙以外の記録紙であっても、
熱昇華転写記録を行うことができるとともに、熱昇華転
写記録により得た記録画像が耐候性または光沢性にも優
れ、高品質を有するものとすることができる等の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱転写プリンタの実施態態の要
部を示す斜視図
【図2】 本発明に係る熱転写プリンタの実施形態の要
部を示す概略側面図
【図3】 本発明に係る熱転写プリンタの実施形態のキ
ャリッジの概略側面図
【図4】 本発明に係る下地・仕上処理用インクリボン
の実施形態を示す一部省略平面図
【図5】 本発明に係る下地・仕上処理用インクリボン
の実施形態における下地処理インク層の断面図
【図6】 本発明に係る下地・仕上処理用インクリボン
の実施形態における仕上処理樹脂層の断面図
【図7】 本発明に係る熱転写プリンタの実施形態の要
部の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 熱転写プリンタ 2 プラテン 4 キャリッジ 5 リボンカセット 5A (下地・仕上処理用インクリボンが内部に収納さ
れた)リボンカセット 5Y,5M,5C (熱昇華性インクリボンが内部に収
納された)リボンカセット 7 サーマルヘッド 16 インクリボン 16A (下地・仕上処理用インクが塗布された)イン
クリボン 16Y,16M,16C (熱昇華性インクが塗布され
た)インクリボン 19 基材 20 耐熱樹脂層 21 離型層 22 受容層 23 接着層 24 背面層 25a 保護層 25b スティック防止層 35 記憶部 36 記録モード選択部 37 制御部 38 自動選択手段 39 下地処理モード制御部 40 熱昇華転写記録モード制御部 41 仕上処理モード制御部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材にインクを積層してなる下
    地・仕上処理用インクリボンであって、熱昇華転写記録
    を行う前に記録紙の表面に転写する下地処理インク層
    と、転写された前記下地処理インク層上に着色インク層
    により画像を記録した後にこの記録画像の上から仕上処
    理を施すための仕上処理樹脂層とをフィルム基材の長手
    方向に交互に形成したことを特徴とする下地・仕上処理
    用インクリボン。
  2. 【請求項2】 前記仕上処理樹脂層を、前記記録画像を
    保護するために前記記録画像の上に熱転写する被覆処理
    インク層としたことを特徴とする請求項1に記載の下地
    ・仕上処理用インクリボン。
  3. 【請求項3】 前記仕上処理樹脂層を、前記記録画像の
    表面を光沢に仕上げるための非転写層からなる光沢処理
    樹脂層としたことを特徴とする請求項1に記載の下地・
    仕上処理用インクリボン。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の下地・仕上処理用インクリボンを収納しているこ
    とを特徴とする下地・仕上処理用インクリボンを収納し
    たリボンカセット。
  5. 【請求項5】 行方向に複数の発熱素子を配列したサー
    マルヘッドをプラテンに対向するようにキャリッジに搭
    載するとともに、下地・仕上処理用インクリボンを収納
    したリボンカセットおよび熱昇華性インクリボンを収納
    したリボンカセットを搭載し、前記プラテンに対して記
    録紙と下地・仕上処理用インクリボンまたは熱昇華転性
    インクリボンとを介して前記サーマルヘッドを圧接しつ
    つ前記キャリッジを前記プラテンに沿って桁方向に移動
    させるとともに、下地処理データ、画像データおよび仕
    上処理データのそれぞれに基づいて選択的に前記発熱素
    子にエネルギを付与して発熱させることにより所望の記
    録画像を形成する熱転写プリンタであって、前記記録紙
    の表面に下地・仕上処理用インクリボンの下地処理イン
    ク層を転写して下地処理を行い、この下地処理インク層
    上に熱昇華性インクを熱昇華転写して画像を記録し、さ
    らにこの記録画像上から下地・仕上処理用インクリボン
    の仕上処理樹脂層により仕上処理を行うように制御する
    制御手段を有することを特徴とする熱転写プリンタ。
  6. 【請求項6】 行方向に複数の発熱素子を配列したサー
    マルヘッドをプラテンに対して記録紙と下地・仕上処理
    用インクリボンまたは熱昇華転性インクリボンとを介し
    て圧接させて桁方向に移動させるとともに、前記各発熱
    素子に下地処理データ、画像データおよび仕上処理デー
    タのそれぞれに基づいて選択的にエネルギを付与するこ
    とにより発熱させて所望の記録画像を形成する熱転写プ
    リンタの記録方法であって、前記記録紙の表面に下地・
    仕上処理用インクリボンの下地処理インク層を転写して
    下地処理を行った後に、この下地処理インク層上に熱昇
    華性インクを熱昇華転写して画像を記録し、さらにこの
    記録画像上から下地・仕上処理用インクリボンの仕上処
    理樹脂層により仕上処理を行うようにしたことを特徴と
    する熱転写プリンタの記録方法。
JP9181291A 1997-07-07 1997-07-07 下地・仕上処理用インクリボン、この下地・仕上処理用インクリボンを収納したリボンカセット、熱転写プリンタおよびこの熱転写プリンタの記録方法 Withdrawn JPH1120322A (ja)

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