JPH10230632A - 記録方法および記録装置 - Google Patents

記録方法および記録装置

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Publication number
JPH10230632A
JPH10230632A JP9036199A JP3619997A JPH10230632A JP H10230632 A JPH10230632 A JP H10230632A JP 9036199 A JP9036199 A JP 9036199A JP 3619997 A JP3619997 A JP 3619997A JP H10230632 A JPH10230632 A JP H10230632A
Authority
JP
Japan
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image
ink
thermal head
paper
carriage
Prior art date
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Pending
Application number
JP9036199A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kobayashi
浩 小林
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP98300269A priority patent/EP0856407B1/en
Priority to DE69802022T priority patent/DE69802022T2/de
Priority to US09/014,900 priority patent/US5896161A/en
Publication of JPH10230632A publication Critical patent/JPH10230632A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱溶融性インクからなるインクリボンを用い
て用紙に画像を記録した場合においても、くすみのない
より高い記録品質を得ることのできる記録方法および記
録装置を提供すること。 【解決手段】 プラテン2と、キャリッジ4と、サーマ
ルヘッド7とを具備し、インクリボン17の熱溶融性イ
ンクを用紙に転写して用紙に所望の画像の記録を行う記
録装置1であって、用紙に記録した画像を平滑にする際
に用いられる画像調整部材27と、用紙に所望の画像の
記録を行った後に、サーマルヘッド7の表面を画像調整
部材27を介して用紙に記録した画像の表面に当接させ
て用紙に記録した画像を平滑にする画像調整動作を行う
画像調整部34とを有することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録方法および記録
装置に係り、特に、熱溶融性インクからなるインクリボ
ンを用いてサーマルヘッドにより用紙上に所望の画像を
記録するのに好適な記録方法および記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、記録装置の一種である熱転写プ
リンタは、高記録品質、低騒音、低コスト、メンテナン
スの容易性などの理由により、コンピュータ、ワードプ
ロセッサなどの出力装置として多用されている。
【0003】このような従来の熱転写プリンタにおいて
は、プラテンに沿ってキャリッジを往復移動可能に形成
し、このキャリッジに複数の発熱素子を整列配置して形
成されたサーマルヘッドを搭載するとともに、所望の色
のインクリボンが収納されたリボンカセットを着脱自在
に装着して構成されている。
【0004】そして、前記プラテンとサーマルヘッドと
の間に前記リボンカセットから送出されるインクリボン
と用紙とを挟持し、サーマルヘッドをキャリッジととも
にプラテンに沿って往復移動させるとともに、前記イン
クリボンを巻取りながら、記録情報に基づいて前記サー
マルヘッドの発熱素子に選択的に通電して発熱させるこ
とにより、インクリボンのインクを部分的に用紙に転写
して用紙に所望の文字などの画像の記録を行なうように
なっている。
【0005】また、用紙にフルカラー画像を記録する場
合には、少なくともイエロー、マゼンタおよびシアンの
3色のインクにより形成されたインクリボンを収納した
3つのリボンカセットを配置し、この各リボンカセット
をキャリッジとの間で自動的に交換して記録に供するよ
うになっている。
【0006】このような従来からある熱転写プリンタに
おいては、PET(ポリエチレンテレフタート)などを
素材とした樹脂フィルムからなる基体に熱溶融性インク
が塗布されたインクリボンを用いて用紙に記録を行なう
ものがよく知られている。
【0007】この熱溶融性インクからなるインクリボン
を用いて用紙に記録を行なう熱転写プリンタは、普通
紙、厚紙、葉書、プラスチックシートなど多種多様の用
紙に記録することができ、使い勝手に優れたものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した熱溶
融性インクからなるインクリボン、特に、このインク層
として着色剤とともにバインダーとして樹脂を使用した
熱溶融性インクからなるインクリボンを用いて用紙に記
録を行う熱転写プリンタにおいては、用紙に転写・記録
される際のインクリボンの剥離によって、用紙に転写さ
れたインクの表面に凹凸が生じたり、転写されたドット
のエッジ部がめくれたり、更にはイエロー、マゼンタお
よびシアンの3色のインクを使用してフルカラー画像の
記録を行う場合には、最大3色のインクが重ねられるこ
とにより、用紙に記録された画像の表面には多くの凹凸
が発生する結果となっていた。
【0009】このように、画像の表面に凹凸ができるこ
とで、この部分で白色光の乱反射が起こり、色の彩度が
低下することでくすみという問題が生じ、より高品質の
記録した画像を得るための阻害要因となっている。
【0010】そこで、熱溶融性インクからなるインクリ
ボンを用いて用紙に所望の画像の記録を行った場合にお
いても、この記録した画像の表面の凹凸によるくすみの
ないより高い記録品質を得ることのできるものが望まれ
ている。
【0011】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、熱溶融性インクからなるインクリボンを用いて
用紙に画像を記録した場合においても、くすみのないよ
り高い記録品質を得ることのできる記録方法および記録
装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の記録方
法の特徴は、サーマルヘッドの複数の発熱素子に選択的
にエネルギを供給して、インクリボンの熱溶融性インク
を用紙に転写して用紙に所望の画像の記録を行った後
に、前記サーマルヘッドの表面を画像調整部材を介して
用紙に記録した画像の表面に当接させて用紙に記録した
画像を平滑にする画像調整動作を行う点にある。そし
て、このような構成を採用したことにより、用紙に凹凸
状に転写したインクを強制的に平滑にすることができ、
その結果、くすみのないより高い記録品質の記録を容易
に得ることができる。さらに、サーマルヘッドの表面を
画像調整部材を介して用紙に記録した画像に当接させる
ことができるので、サーマルヘッドの発熱素子の配設部
を含む表面が用紙に記録した画像と直接的に接しないの
で、画像調整時にサーマルヘッドの表面が汚れたり、ゴ
ミが付着したりしてサーマルヘッドの表面を傷つけてし
まうという不都合を防止することができる。
【0013】また、特許請求の範囲の請求項2に記載の
本発明の記録方法の特徴は、少なくともイエロー、マゼ
ンタおよびシアンの3色の熱溶融性インクにより形成さ
れたインクリボンを用い、サーマルヘッドの複数の発熱
素子に選択的にエネルギを供給して前記3色の熱溶融性
インクを重ねて用紙に転写して用紙に所望のフルカラー
画像の記録を行った後に、前記サーマルヘッドの表面を
画像調整部材を介して用紙に記録したフルカラー画像の
表面に間接的に当接させて用紙に記録したフルカラー画
像を平滑にする画像調整動作を行う点にある。そして、
このような構成を採用したことにより、少なくともイエ
ロー、マゼンタおよびシアンの3色の熱溶融性インクを
用紙に重ねて転写したフルカラー画像の表面を強制的に
平滑にすることができ、その結果、くすみのないより高
い記録品質のフルカラー画像の記録を容易に得ることが
できる。さらに、サーマルヘッドの表面を画像調整部材
を介して用紙に記録した画像に当接させることができる
ので、サーマルヘッドの発熱素子の配設部を含む表面が
用紙に記録した画像と直接的に接しないので、画像調整
時にサーマルヘッドの表面が汚れたり、ゴミが付着した
りしてサーマルヘッドの表面を傷つけてしまうという不
都合を防止することができる。
【0014】また、特許請求の範囲の請求項3に記載の
本発明の記録方法の特徴は、請求項1または請求項2に
おいて、前記画像調整動作を行う際に、前記サーマルヘ
ッドの発熱素子へ、前記熱溶融性インクを用紙に転写す
る際の前記サーマルヘッドの発熱素子へ供給する最大エ
ネルギよりも少ないエネルギを供給する点にある。そし
て、このような構成を採用したことにより、画像調整動
作により用紙に転写されたインクのつぶれ、ながれ、画
像調整部材との融着を確実に防止したうえで転写された
インクの表面を確実に平滑化することができ、その結
果、より高い記録品質の画像を容易に得ることができ
る。
【0015】また、特許請求の範囲の請求項4に記載の
本発明の記録装置の特徴は、プラテンと、このプラテン
に沿って往復移動可能とされ熱溶融性インクからなるイ
ンクリボンを収納したリボンカセットを搭載し得るキャ
リッジと、このキャリッジに配設され前記プラテンに対
して接離可能とされた複数の発熱素子を整列配置してな
るサーマルヘッドとを具備し、前記インクリボンの熱溶
融性インクを用紙に転写して用紙に所望の画像の記録を
行う記録装置であって、用紙に記録した画像を平滑にす
る際に用いられる画像調整部材と、用紙に所望の画像の
記録を行った後に、前記サーマルヘッドの表面を前記画
像調整部材を介して用紙に記録した画像の表面に当接さ
せて用紙に記録した画像を平滑にする画像調整動作を行
う画像調整部とを有する点にある。そして、このような
構成を採用したことにより、熱溶融性インクを用紙に転
写して用紙に所望の画像の記録を行うことができるとと
もに、画像調整部材を介してサーマルヘッドの表面を用
紙に記録した画像の表面に当接させて、用紙に記録した
画像の表面を強制的に平滑にすることができ、その結
果、くすみのないより高い記録品質を容易に得ることが
できる。さらに、サーマルヘッドの表面を画像調整部材
を介して用紙に記録した画像に当接させることができる
ので、サーマルヘッドの発熱素子の配設部を含む表面が
用紙に記録した画像と直接的に接しないので、画像調整
時にサーマルヘッドの表面が汚れたり、ゴミが付着した
りしてサーマルヘッドの表面を傷つけてしまうという不
都合を防止することができる。
【0016】また、特許請求の範囲の請求項5に記載の
本発明の記録装置の特徴は、プラテンと、このプラテン
に沿って往復移動可能とされ熱溶融性インクからなるイ
ンクリボンを収納したリボンカセットを搭載し得るキャ
リッジと、このキャリッジに配設され前記プラテンに対
して接離可能とされた複数の発熱素子を整列配置してな
るサーマルヘッドと、所定位置に配設され少なくともイ
エロー、マゼンタおよびシアンの3色の熱溶融性インク
からなるインクリボンを収納した3つのリボンカセット
とを具備し、前記各リボンカセットを自動的に交換し、
キャリッジに搭載して、前記各熱溶融性インクを用紙に
重ねて転写して用紙に所望のフルカラー画像の記録を行
う記録装置であって、用紙に記録したフルカラー画像を
平滑にする際に用いられる画像調整部材と、用紙に所望
のフルカラー画像の記録を行った後に、前記サーマルヘ
ッドの表面を前記画像調整部材を介して用紙に記録した
フルカラー画像の表面に当接させて用紙に記録したフル
カラー画像を平滑にする画像調整動作を行う画像調整部
とを有する点にある。そして、このような構成を採用し
たことにより、少なくともイエロー、マゼンタおよびシ
アンの3色の熱溶融性インクを重ねて用紙に転写して用
紙に所望のフルカラー画像の記録を行うことができると
ともに、画像調整部材を介してサーマルヘッドの表面を
用紙に記録したフルカラー画像の表面に当接させて、用
紙に記録したフルカラー画像の表面を強制的に平滑にす
ることができ、その結果、くすみのないより高い記録品
質のフルカラー画像の記録を容易に得ることができる。
さらに、サーマルヘッドの表面を画像調整部材を介して
用紙に記録したフルカラー画像に当接させることができ
るので、サーマルヘッドの発熱素子の配設部を含む表面
が用紙に記録したフルカラー画像と直接的に接しないの
で、画像調整時にサーマルヘッドの表面が汚れたり、ゴ
ミが付着したりしてサーマルヘッドの表面を傷つけてし
まうという不都合を防止することができる。
【0017】また、特許請求の範囲の請求項6に記載の
本発明の記録装置の特徴は、請求項4または請求項5に
おいて、前記画像調整部は、前記画像調整動作を行う際
に、前記サーマルヘッドの発熱素子へ、前記熱溶融性イ
ンクを用紙に転写する際の前記サーマルヘッドの発熱素
子へ供給する最大エネルギよりも少ないエネルギを供給
するように構成されている点にある。そして、このよう
な構成を採用したことにより、画像調整動作を行う際
に、サーマルヘッドの発熱素子へ、熱溶融性インクを用
紙に転写する際のサーマルヘッドの発熱素子へ供給する
最大エネルギよりも少ないエネルギを供給することがで
きるので、画像調整動作により用紙に転写されたインク
のつぶれ、ながれ、画像調整部材との融着を確実に防止
したうえで転写されたインクの表面を確実に平滑化する
ことができ、その結果、より高い記録品質の画像を容易
に得ることができる。
【0018】また、特許請求の範囲の請求項7に記載の
本発明の記録装置の特徴は、請求項4乃至請求項6の何
れか1項において、前記画像調整部材が耐熱性フィルム
である点にある。ここでいう耐熱性フィルムとは、具体
的にはPET(ポリエチレンテレフタート)、ポリアミ
ドなどの耐熱性の樹脂素材により形成されたフィルムを
示す。そして、このような構成を採用したことにより、
安価で耐久性に優れた画像調整部材を容易に得ることが
できる。
【0019】また、特許請求の範囲の請求項8に記載の
本発明の記録装置の特徴は、請求項4乃至請求項7の何
れか1項において、前記画像調整部材の少なくとも前記
サーマルヘッドの表面と対向する面にバックコートが施
されている点にある。ここでいうバックコートとは、イ
ンクリボンに施されるバックコートと同様のものであ
り、具体的には、薄膜塗工性に優れていることから、シ
リコーン変成−アクリル樹脂、シリコーン変成−エステ
ル樹脂、シリコーン変成−ウレタン樹脂、シリコーン変
成−アミド樹脂およびこれらの樹脂にシリコーンオイル
を含浸させたものなどを例示することができる。そし
て、このような構成を採用したことにより、画像調整動
作を行う際に、サーマルヘッドによる熱から画像調整部
材を防御するための耐熱性と、サーマルヘッドと画像調
整部材との間のステッキングを防止するための滑り性と
を容易に向上させることができる。
【0020】また、特許請求の範囲の請求項9に記載の
本発明の記録装置の特徴は、請求項4乃至請求項8の何
れか1項において、前記画像調整部材は、インクリボン
状に形成されてリボンカセットに収納されており、手動
または自動的に交換してキャリッジに搭載されている点
にある。そして、このような構成を採用したことによ
り、画像調整部材それ自身の取り扱い性および操作性を
容易に向上させることができる。さらに、画像調整部材
をインクリボン状に形成してリボンカセットに収納する
ことにより、手動または自動的に交換してキャリッジに
容易に搭載することができるので、画像調整部材の操作
性を容易に向上させることができるとともに、画像調整
動作を行う際に、画像調整部材をサーマルヘッドと記録
した画像との間に容易に位置させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態により説明する。
【0022】図1から図4は本発明に係る記録方法を適
用する記録装置の実施の形態を示すものであり、図1は
要部の斜視図であり、図2は要部の概略側面図であり、
図3はキャリッジの概略側面図であり、図4は制御部の
概略を示すブロック図である。
【0023】本実施の形態の記録装置は、イエロー、マ
ゼンタおよびシアンの3色の熱溶融性インクからなるイ
ンクリボンを収納した色毎の3つのリボンカセットおよ
びインクリボン状に形成された画像調整部材を収納した
リボンカセットを用いて用紙にフルカラー画像を記録す
ることのできるものである。
【0024】図1に示すように、本実施形態の記録装置
としての熱転写プリンタ1は、図示しないプリンタフレ
ームの所定位置に記録面2aがほぼ垂直となるように配
設された平板状のプラテン2を有しており、このプラテ
ン2の前側下方には、ガイドシャフト3が前記プラテン
2と平行に配設されている。このガイドシャフト3に
は、上下に分割されたキャリッジ4が取付けられてお
り、このキャリッジ4の下側は、前記ガイドシャフト3
に取付けられる下キャリッジ4aとされるとともに、キ
ャリッジ4の上側は、リボンカセット5が装着され前記
下キャリッジ4aに対して上下方向に接離可能とされた
上キャリッジ4bとされている。このキャリッジ4は、
一対のプーリ(図示せず)に巻回された駆動ベルト6の
一部に固着されており、この駆動ベルト6をステッピン
グモータなどの駆動手段(図示せず)を用いて駆動する
ことにより、前記キャリッジ4を前記ガイドシャフト3
に沿って往復移動させるようになっている。
【0025】前記キャリッジ4には、プラテン2に対向
しかつプラテン2に対して接離自在とされ、プラテン2
上の用紙(図示せず)に記録を行なうサーマルヘッド7
が配設されており、このサーマルヘッド7には、ホスト
コンピュータ、イメージリーダなど、あるいはキーボー
ドなどの適宜な入力装置(図示せず)により入力された
所望の記録情報に基づいて選択的に発熱される複数の発
熱素子(図示せず)が整列配置されている。
【0026】図3に示すように、前記キャリッジ4の左
右両側部には、一対の平行クランク機構8(一方のみ図
示)が配設されており、この平行クランク機構8によ
り、ガイドシャフト3に取着される下キャリッジ4aに
対して、上キャリッジ4bが接離するように平行に移動
自在に構成されている。前記各平行クランク機構8は、
互いにX状に交差した一対のリンク9a,9bを有して
おり、これら各リンク9a,9bの交差位置は、ピン1
0aにより枢着されるとともに、各リンク9a,9bの
端部は、ピン10b,10c,10d,10eにより、
下キャリッジ4aの左右両側部上面側および上キャリッ
ジ4bの左右両側部下面側にそれぞれ形成された長孔
(図示せず)にそれぞれ摺動自在に係止されている。
【0027】また、下キャリッジ4aには、回転クラン
ク機構11が配設されており、この回転クランク機構1
1は、下キャリッジ4aに回転駆動しうるように支持さ
れた回転板12を有している。この回転板12の偏心位
置には、連結リンク14の一端部がピン13aにより枢
着されており、この連結リンク14の他端部は、上キャ
リッジ4bにピン13bにより枢着されている。そし
て、前記回転板12をモータなどの駆動手段(図示せ
ず)により回転駆動させるようになっており、この回転
板12の回転により、前記連結リンク14を介して上キ
ャリッジ4bを下キャリッジ4aに対して平行に移動さ
せるようになっている。
【0028】図1に戻って、前記上キャリッジ4bの左
右両側部上面には、相互に内側に緩やかに湾曲してなる
板状の一対のアーム15がほぼリボンカセット5の幅と
等しい間隔を隔てて立設されており、この各アーム15
の先端部には、リボンカセット5を保持するための突起
からなる係合部15aが相互に対向するようにして形成
されている。また、前記上キャリッジ4bの中央部に
は、リボンカセット5に収納されたインクリボン17を
巻取る巻取りボビン16aおよびインクリボン17を送
出する送出ボビン16bが互いに所定間隔を隔てて回転
自在に配設されており、前記巻取りボビン16aを回転
駆動することにより、インクリボン17を所定の方向に
走行させるようになされている。
【0029】前記キャリッジ4のプラテン2に対して遠
方側の端縁上面には、リボンカセット5に収納されたイ
ンクリボン17の種類を検出する光センサ18が配設さ
れており、この光センサ18は、熱転写プリンタ1の所
望の位置に配設されこの熱転写プリンタ1の記録動作な
どの制御を行なう後述する制御部25に接続されてい
る。
【0030】図1および図2に示すように、キャリッジ
4の上方には、前記フレームに図2において両矢印Aで
示すように開閉自在に支持されたほぼ板状のキャノピ1
9が前記キャリッジ4に対して所定間隔を有するように
配設されている。このキャノピ19は、閉状態におい
て、紙送り機構(図示せず)の出口側の紙押えとして機
能するものであり、キャリッジ4と対向するようにし
て、キャリッジ4の移動領域とほぼ同一の長さとされて
いる。
【0031】前記キャノピ19のキャリッジ4と対向す
る下面の所定位置には、リボンカセット5を保持する複
数のカセットホルダ(図示せず)が設けられており、各
カセットホルダにより、フルカラー画像の記録を行なう
ための少なくともイエロー、マゼンタおよびシアンの3
色の熱溶融性インクからなるインクリボン17a,17
b,17c、および、これらのインクリボン17と同様
のインクリボン状に形成された後述する画像調整部材2
7が収納されたリボンカセット5a,5b,5c,5d
がキャリッジ4の移動方向に沿って1列に配列されるよ
うになっている。このうち、リボンカセット5aには、
イエローの熱溶融性インクからなるインクリボン17a
が、リボンカセット5bには、マゼンタの熱溶融性イン
クからなるインクリボン17bが、リボンカセット5c
には、シアンの熱溶融性インクからなるインクリボン1
7cが、また、リボンカセット5dには、インクリボン
状に形成された画像調整部材27がそれぞれ収納されて
いる。
【0032】そして、各リボンカセット5a,5b,5
c,5dは、図2に両矢印Bで示すように、キャノピ1
9と上キャリッジ4bとの間で選択的に受け渡しが行な
われるようになっている。
【0033】なお、フルカラー画像を形成するために
は、前記イエロー、マゼンタおよびシアンの3色の熱溶
融性インクの他に、ブラックの熱溶融性インクからなる
インクリボンや、目的に応じて金属光沢を持つ熱溶融性
インクからなるインクリボンなどを必要に応じて組み合
わせて用いてもよい。
【0034】図1に示すように、前記各リボンカセット
5a,5b,5c,5dのケース本体20は、内部に収
納されるインクリボン17および画像調整部材27の種
類にかかわらず、すべてが同一形状、同一寸法に形成さ
れており、このケース本体20の内部には、インクリボ
ン17が巻回され記録に供した部分のインクリボン17
あるいは画像調整に供した部分の画像調整部材27を巻
取る巻取りリール21a、および、インクリボン17あ
るいは画像調整部材27を送り出す送出リール21bが
回転自在に収容されている。また、前記リボンカセット
5のキャリッジ4に搭載された状態でプラテン2と対向
する面には、サーマルヘッド7が臨む凹部22が形成さ
れており、この凹部22の内側においてインクリボン1
7あるいは画像調整部材27の中間部が外部に導出され
るようになっている。さらに、前記ケース本体20の内
部であって前記インクリボン17あるいは画像調整部材
27の走行経路途中には、回転自在に支持された一対の
リボン送りローラ(図示せず)および複数のガイドロー
ラ(図示せず)などが配設されている。
【0035】また、リボンカセット5の凹部22が形成
された面と平行に延在する後面には、各リボンカセット
5内に収納されているインクリボン17の種類および画
像調整部材27を判別するための識別マーク23が形成
されており、この識別マーク23は、内部に収納されて
いるインクリボン17の種類および画像調整部材27に
よって異なる数の縞状の非反射部24aを有する反射シ
ール24により形成されている。そして、本実施の形態
においては、図1において左端に示すリボンカセット5
aには、3本の非反射部24aを有する反射シール24
Aが識別マーク23として貼着されており、以下順に、
リボンカセット5bには、4本の非反射部24aを有す
る反射シール24Bが識別マーク23として貼着されて
おり、リボンカセット5cには、2本の非反射部24a
を有する反射シール24Cが識別マーク23として貼着
されており、リボンカセット5dには、1本の非反射部
24aを有する反射シール24Cが識別マーク23とし
て貼着されている。さらに、リボンカセット5の後面の
左端部が識別マーク23の検出のための基準位置BPと
され、識別マーク23の図1において右端に位置する非
反射部24aの右端位置までの距離Lを、すべての識別
マーク23において同一とするとともに、この距離L内
にインクリボン17の種類あるいは画像形成部材27を
識別するための所望の非反射部24aを形成するように
なされている。
【0036】そして、この識別マーク23をキャリッジ
4に設けた光センサ18によって検出し、この検出信号
をプリンタの制御部25に出力し、この制御部25内に
おいて各リボンカセット5における識別マーク23の非
反射部24aの数を計数することによりリボンカセット
5内に収納されているインクリボン17の種類および画
像形成部材27を判別するようになっている。さらに、
使用に供するインクリボン17の種類および画像形成部
材27に対応する識別マーク23を光センサ18が検出
した状態でキャリッジ4が停止可能とされており、キャ
リッジ4が停止した状態で、キャノピ19のカセットホ
ルダに配設されているリボンカセット5が上キャリッジ
4bに自動的に受け渡されるようになっている。
【0037】前記画像調整部材27は、PET(ポリエ
チレンテレフタート)、PA(ポリアミド)などを素材
とした耐熱性とすべり性の良好な樹脂フィルムからなる
基体にバックコートを施すことにより形成されている。
このバックコートは、画像調整動作を行う際に、サーマ
ルヘッド7による熱から画像調整部材27を防御するた
めの耐熱性と、サーマルヘッド7と画像調整部材27と
の間のステッキングを防止するための滑り性とを付与す
るためのものであり、インクリボン17に施されるバッ
クコートと同様のものである。このバックコートとして
は、薄膜塗工性に優れていることから、シリコーン変成
−アクリル樹脂、シリコーン変成−エステル樹脂、シリ
コーン変成−ウレタン樹脂、シリコーン変成−アミド樹
脂などが好ましいものとして例示することができる。さ
らには、これらの樹脂にシリコーンオイルを含浸させた
ものを用いてもよい。そして、バックコートは、インク
リボン状に形成された画像調整部材27をリボンカセッ
ト5dに収納した際に、少なくともサーマルヘッド7の
表面と対向する面に施されている。
【0038】図4に示すように、前記制御部25は、少
なくともCPU31と、適宜な容量のROM、RAMな
どにより形成されたメモリ32と、サーマルヘッド7な
どの記録装置1の各部を駆動するためのコントローラ3
3とを有している。
【0039】前記メモリ32には、少なくとも記録のた
めの記録情報をイエロー、マゼンタ、シアンの3色に色
分解して色別の記録データとして格納されるようになっ
ており、実際の記録を行なう記録時に、使用されるイン
クリボン17の色に対応する色の記録データをコントロ
ーラ33へ出力し、このコントローラ33がサーマルヘ
ッド7の複数の発熱素子のいずれかを記録データに応じ
て選択的に駆動して発熱させるようになっている。
【0040】また、メモリ32には、少なくとも前記各
インクリボン17の熱溶融性インクを重ねて用紙に転写
して用紙に所望のフルカラー画像を記録した後に、前記
各リボンカセット5のうちのインクリボン状に形成され
た画像調整部材27を収納したリボンカセット5dをキ
ャリッジ4に搭載して、このリボンカセット5dに収納
されたインクリボン状の画像調整部材27をサーマルヘ
ッド7の表面と用紙に記録したフルカラー画像との間に
位置させ、その後、サーマルヘッド7の表面を画像調整
部材27を介して用紙に記録したフルカラー画像の表面
に当接させて、用紙に記録したフルカラー画像を強制的
に平滑にする画像調整動作を行うプログラムを格納した
画像調整部34を有している。また、この画像調整部3
4には、画像調整動作を行う際に、前記サーマルヘッド
7の発熱素子へ、熱溶融性インクを用紙に転写する際の
サーマルヘッド7の発熱素子へ供給する最大エネルギよ
りも少ないエネルギ、例えば、記録時のサーマルヘッド
7の発熱素子への最大のエネルギの供給を100%とし
た場合に、画像調整動作を行う際の発熱素子へのエネル
ギの供給を例えば5〜50%程度とするプログラムが格
納されたエネルギ調整部35が設けられている。なお、
画像調整動作を行う際のサーマルヘッド7の発熱素子へ
供給するエネルギは、画像調整部材27の種類や厚さな
どにより適正な値を決定すればよい。また、画像調整動
作を行う際のキャリッジ4の移動速度を、記録時のキャ
リッジ4の移動速度より速くするものであってもよい。
【0041】また、メモリ32には、記録情報に基づい
て、少なくとも記録時のサーマルヘッド7の発熱素子へ
の発熱動作および各発熱素子へのエネルギの供給量、プ
ラテン2に対するサーマルヘッド7の接離動作、図示し
ない紙送り機構による用紙の搬送動作などの各部の動作
を制御するプログラムや、キャリッジ4の移動に伴う光
センサ18からの出力信号に基づいてリボンカセット5
の有無およびリボンカセット5に収納されたインクリボ
ン17の種類、ホームポジションに対するキャリッジ4
の移動距離、キャノピ19の開閉状態、隣位あるいは離
間した一対のリボンカセット5間の距離などを判別また
は検出するプログラムや、記録情報に基づいて用紙に記
録するフルカラー画像の所定の濃度以上の部位を予め検
出するプログラムなどの各種のプログラムも格納されて
いる。
【0042】さらにまた、画像調整部材27を収納した
リボンカセット5dを反転使用や逆回転使用する構成と
してもよい。
【0043】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の作用を本発明方法とともに説明する。
【0044】本実施の形態においては、図示しないホス
トコンピュータやイメージリーダなどから熱転写プリン
タ1の制御部25に入力された記録情報は、使用される
イエロー、マゼンタおよびシアンの3色に色分解して色
別の記録データとしてメモリ32に保存される。そし
て、実際の記録は、リボンカセット5c,5b,5aの
順に使用してシアン、マゼンタ、イエローの順に行なわ
れる。なお、有彩色は、イエロー、マゼンタ、シアンの
3色のインクのうちのいずれか1色もしくは2色の組合
せに面積階調を加えて形成されるものであり、無彩色
は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクの組合
せに面積階調を加えて形成される。
【0045】まず、最初に行なわれるシアンのインクの
記録を用紙に行なう場合について説明する。シアンのイ
ンクリボン17cが収納されているリボンカセット5c
の検出動作は、制御部25からの制御指令により、例え
ば図1において左端部に設けられたホームポジションに
リボンカセット5を搭載しない非搭載状態で位置するキ
ャリッジ4を図1において右方向に移動させることによ
り、キャリッジ4に配設した光センサ18が、リボンカ
セット5の識別マーク23を検出することにより行なわ
れる。そして、光センサ18は、非反射部24aの配列
およびピッチなどの構成による各識別マーク23の固有
の検出信号を制御部25に送出し、制御部25において
制御指令に対応するリボンカセット5cの識別マーク2
3か否かを判断し、制御指令に対応するリボンカセット
5cの識別マーク23の場合には、キャリッジ4の移動
を停止し、制御指令に対応するリボンカセット5cの識
別マーク23でない場合には、指令に対応するリボンカ
セット5cの識別マーク23を検出するまでキャリッジ
4の移動を継続する。
【0046】その後、対応するリボンカセット5cに対
向する位置でキャリッジ4を停止し、平行クランク機構
8および回転クランク機構11を駆動して上キャリッジ
4bを上昇させ、キャノピ19のカセットホルダに保持
されシアンのインクリボン17cが収納されているリボ
ンカセット5cを上キャリッジ4に受け渡す。そして、
再度、各平行クランク機構8と回転クランク機構11を
駆動して上キャリッジ4bを下キャリッジ4aに接触す
るように下降させる。これにより、キャリッジ4は、シ
アンのインクリボン17cが収納されているリボンカセ
ット5cを搭載した搭載状態となる。
【0047】つぎに、サーマルヘッド7とプラテン2と
の間に図示しない公知の紙送り機構により所定の用紙を
所定位置へ搬送し、前記サーマルヘッド7をシアンのイ
ンクリボン17cおよび前記用紙を介してプラテン2の
記録面2aに圧接させたヘッドダウン状態とし、この状
態でキャリッジ4をプラテン2に沿って移動させるとと
もに、インクリボン17cを巻取りながら、制御部25
により記録する画像の濃度に応じて前記サーマルヘッド
7の発熱素子に選択的に通電して発熱させることによ
り、インクリボン17cのシアンの熱溶融性インクを部
分的に用紙に転写して用紙にシアンの記録を行なうよう
になっている。
【0048】このシアンの記録が終了したら、使用に供
したリボンカセット5cがあらかじめ保持されていた図
示しないカセットホルダに対向する位置にキャリッジ4
を停止させ、前述した動作と同様に上キャリッジ4bを
上昇させ、この上キャリッジ4bに搭載されているシア
ンのインクリボン17cを収納したリボンカセット5c
をカセットホルダに自動的に受け渡す。
【0049】ついで、光センサ18により次の記録に供
されるマゼンタのインクリボン17bを収納したリボン
カセット5bの識別マーク23を検出し、このリボンカ
セット5bをキャリッジ4に搭載し、前記シアンの記録
の場合と同様に、リボンカセット5bを使用したマゼン
タの記録を行なうようになっている。
【0050】このマゼンタの記録が終了したら、同様に
して、イエローの記録が行なわれる。
【0051】また、各色の記録を行う毎、または、所定
の使用時間毎などの必要に応じて、サーマルヘッド7の
表面は図示しない公知のクリーニング機構をもってクリ
ーニングがなされるのが一般的である。
【0052】ところで、通常の色の画像は2色以下の熱
溶融性インクの重ね合わせにより行なわれるが、黒色お
よび高濃度のグレーの画像を得るためにはシアン、マゼ
ンタ、イエローの3色の熱溶融性インクの重ね合わせを
行なう必要がある。
【0053】また、シアン、マゼンタ、イエローの各色
の熱溶融性インクを重ねて用紙にフルカラー画像を記録
した場合には、各色毎に各画素毎にディザ法などの面積
階調パターンを用いて多階調表現を行っている。ところ
で、熱溶融性インクを用いて用紙に画像を記録する場
合、その熱溶融性インクの性質上、特に、バインダーに
樹脂を用いたインクの場合、インクリボンのインクが溶
融・転写後冷却して固化する前、すなわち、インクがま
だ溶融状態にある時点でインクリボンを用紙から引き剥
がす、いわゆる熱時剥離にて記録を行う必要がある。こ
れは、インクが冷却・固化した後インクリボンを用紙か
ら引き剥がすと、一旦用紙に転写したインクが再度イン
クリボンに逆転写してしまい、良好な記録した画像であ
る記録画像が得られないためである。そして、熱時剥離
による記録においては、インクがまだ溶融状態にある時
点で用紙からのインクリボンの引き剥がしが行われるた
めに、用紙に転写されたインクの表面に凹凸が生じてし
まい、この凹凸面で白色光の乱反射が起こり、色の彩度
が低下することでくすみという問題が生じ、より高品質
の記録画像を得ることができない。
【0054】そこで、本実施の形態においては、シア
ン、マゼンタ、イエローの3色の記録が終了した後に、
制御部25から画像調整動作を行う制御指令が送出され
る。この画像調整動作は、制御部25からの制御指令に
より、前記記録時と同様にして、光センサ18がリボン
カセット5の識別マーク23を検出することにより行な
われる。そして、光センサ18は、非反射部24aの配
列およびピッチなどの構成による各識別マーク23の固
有の検出信号を制御部25に送出し、制御部25におい
て制御指令に対応する画像調整部材27が収納されたリ
ボンカセット5dの識別マーク23か否かを判断し、制
御指令に対応するリボンカセット5dの識別マーク23
の場合には、キャリッジ4の移動を停止し、制御指令に
対応するリボンカセット5dの識別マーク23でない場
合には、指令に対応するリボンカセット5aの識別マー
ク23を検出するまでキャリッジ4の移動を継続する。
【0055】その後、記録時と同様にして、対応するリ
ボンカセット5dに対向する位置でキャリッジ4を停止
し、キャリッジ4に画像調整部材27が収納されている
リボンカセット5dを搭載する。
【0056】そして、キャリッジ4にリボンカセット5
dを搭載した搭載状態でキャリッジ4をプラテン2に沿
って移動させるとともに、フルカラー画像の表面をサー
マルヘッド7を画像調整部材27を介して用紙に当接さ
せて、フルカラー画像の表面を強制的に平滑にする。
【0057】なお、キャリッジ4がプラテン2に沿って
移動している途中でサーマルヘッド7を用紙に接離させ
るのは、サーマルヘッド7を接離動作させる図示しない
公知の接離機構を頻繁に動作させてダメージを与える場
合があるので、記録動作時と同様に、サーマルヘッド7
を画像調整部材27を介して用紙に当接させたヘッドダ
ウン状態でキャリッジ4をプラテン2に沿って移動させ
るとよい。また、この場合においては、サーマルヘッド
7の表面が画像調整部材27を介して用紙に記録したフ
ルカラー画像と摺接することになるので、フルカラー画
像をより平滑にすることもできる。
【0058】そして、このような画像調整動作を行うこ
とにより、フルカラー画像の全体をくすみがなく、光沢
のある艶やかな画像としたより高い記録品質を容易に得
ることができる。
【0059】また、この時、サーマルヘッド7の発熱素
子に対しては、エネルギ調整部35に記憶されたプログ
ラムに基づいて熱溶融性インクを用紙に転写する際のサ
ーマルヘッド7の発熱素子へ供給する最大エネルギより
も少ないエネルギが供給されるので、画像調整動作によ
り用紙に転写されたインクのつぶれ、ながれ、画像調整
部材との融着を確実に防止したうえで転写されたインク
の表面を確実に平滑化することができ、その結果、より
高い記録品質の画像を容易に得ることができる。
【0060】さらに、画像調整時には、画像調整部材2
7を介してサーマルヘッド7の表面を用紙に記録したフ
ルカラー画像と当接させることにより、サーマルヘッド
7の発熱素子の配設部を含む表面がフルカラー画像と直
接的に接しないので、画像調整時にサーマルヘッド7の
表面が汚れたり、ゴミが付着したりしてサーマルヘッド
7の表面を傷つけてしまうという不都合を未然に防止す
ることができる。
【0061】また、本実施の形態においては、画像調整
部材27のサーマルヘッド7の表面と当接する一面にバ
ックコートが施されているので、サーマルヘッド7と画
像調整部材27とを円滑に摺動させることができ、サー
マルヘッド7と画像調整部材27とが円滑に摺動しない
場合に生じる画像調整部材27が溶けたり、サーマルヘ
ッド7の表面の損傷や摩耗などを確実に防止することが
できる。すなわち、画像調整部材27のサーマルヘッド
7の表面と当接する一面にバックコートを施すことによ
りサーマルヘッド7の動作を円滑にすることができると
ともに、サーマルヘッド7および画像調整部材27の耐
久性を向上させることができる。
【0062】さらにまた、本実施の形態においては、画
像調整部材27をインクリボン状としてリボンカセット
5dに収納した構成としたことにより、特別な、構成を
用いずに容易に画像調整部材27を使用することができ
る。すなわち、画像調整部材27それ自身の取り扱い性
および操作性を容易に向上させることができる。そし
て、画像調整部材27をインクリボン状に形成してリボ
ンカセットに収納することにより、手動または自動的に
交換してキャリッジに容易に搭載することができるの
で、画像調整部材27の操作性を容易に向上させること
ができるとともに、画像調整部材27を容易に熱転写プ
リンタ1に配設することができる。さらに、画像調整動
作を行う際に、画像調整部材27をサーマルヘッド7と
記録したフルカラー画像との間に容易に位置させること
ができる。また、インクリボン状の画像調整部材27
は、一般的なインクリボンを製造するための製造設備を
用いることができるので、製造が容易で、かつ、安価で
耐久性に優れたものを容易に得ることができる。さら
に、画像調整部材27として、PETにより形成された
フィルムを用いると、一般的なインクリボンからインク
を除去した構成と同一であるために、製造がより容易
で、かつ、より安価なものとすることができる。
【0063】なお、本実施の形態は、フルカラー画像を
形成することのできる熱転写プリンタ1を例示して説明
したが、記録装置としては、単色の熱溶融性インクを用
紙に転写するものであってもよい。この場合の制御部2
5のメモリ32には、記録のための記録情報を色分解せ
ずにヘッド解像度に応じた記録データとして格納し、実
際の記録を行なう記録時に、記録データをコントローラ
33へ出力し、このコントローラ33がサーマルヘッド
7の複数の発熱素子のいずれかを記録データに応じて選
択的に駆動して発熱させるようにすればよい。さらに、
画像調整動作を行う際に、キャリッジ4に対してインク
リボン状に形成した画像調整部材27の収納されたリボ
ンカセット5dを使用者が人手にて交換する構成、すな
わち、インクリボン状に形成した画像調整部材27の収
納されたリボンカセット5dを予めカセットホルダに保
持させないなどのリボンカセット5の自動交換を行わな
い構成としてもよい。この場合の制御部25のメモリ3
2の画像調整部34には、リボンカセット5の自動交換
を行うプログラムを格納する必要はない。
【0064】また、本発明は、前記実施の形態に限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々変更することがで
きる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明の記録方法お
よび記録装置によれば、熱溶融性インクを用紙に転写し
て用紙に所望の画像の記録を行うことができるととも
に、画像調整部材を介してサーマルヘッドの表面を用紙
に記録した画像の表面に当接させて、用紙に記録した画
像の表面を強制的に平滑にする画像調整動作を行うこと
ができ、その結果、くすみのないより高い記録品質を容
易に得ることができるという極めて優れた効果を奏す
る。さらに、サーマルヘッドの表面を画像調整部材を介
して用紙に記録した画像に当接させることができるの
で、サーマルヘッドの発熱素子の配設部を含む表面が用
紙に記録した画像と直接的に接しないので、画像調整時
にサーマルヘッドの表面が汚れたり、ゴミが付着したり
してサーマルヘッドの表面を傷つけてしまうという不都
合を防止することができるという極めて優れた効果を奏
する。
【0066】また、本発明の記録方法および記録装置に
よれば、画像調整動作を行う際に、サーマルヘッドの発
熱素子へ、熱溶融性インクを用紙に転写する際のサーマ
ルヘッドの発熱素子へ供給する最大エネルギよりも少な
いエネルギを供給するようにしたので、画像調整動作に
より用紙に転写されたインクのつぶれ、ながれ、画像調
整部材との融着を確実に防止したうえで転写されたイン
クの表面を確実に平滑化することができ、その結果、よ
り高い記録品質の画像を容易に得ることができるという
極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る記録方法を適用する本発明に係
る記録装置の実施の形態の一例を示す要部の斜視図
【図2】 図1の記録装置の要部の概略側面図
【図3】 図1の記録装置のキャリッジの概略側面図
【図4】 図1の記録装置の制御部の概略を示すブロッ
ク図
【符号の説明】
1 熱転写プリンタ 2 プラテン 4 キャリッジ 4a 下キャリッジ 4b 上キャリッジ 5、5a、5b、5c、5d リボンカセット 7 サーマルヘッド 17 インクリボン 17a (イエローの熱溶融性インクからなる)インク
リボン 17b (マゼンタの熱溶融性インクからなる)インク
リボン 17c (シアンの熱溶融性インクからなる)インクリ
ボン 18 光センサ 19 キャノピ 23 識別マーク 24 反射シール 24a 非反射部 25 制御部 27 画像調整部材 31 CPU 32 メモリ 33 コントローラ 34 画像調整部 35 エネルギ調整部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドの複数の発熱素子に選択
    的にエネルギを供給して、インクリボンの熱溶融性イン
    クを用紙に転写して用紙に所望の画像の記録を行った後
    に、前記サーマルヘッドの表面を画像調整部材を介して
    用紙に記録した画像の表面に当接させて用紙に記録した
    画像を平滑にする画像調整動作を行うことを特徴とする
    記録方法。
  2. 【請求項2】 少なくともイエロー、マゼンタおよびシ
    アンの3色の熱溶融性インクにより形成されたインクリ
    ボンを用い、サーマルヘッドの複数の発熱素子に選択的
    にエネルギを供給して前記3色の熱溶融性インクを重ね
    て用紙に転写して用紙に所望のフルカラー画像の記録を
    行った後に、前記サーマルヘッドの表面を画像調整部材
    を介して用紙に記録したフルカラー画像の表面に間接的
    に当接させて用紙に記録したフルカラー画像を平滑にす
    る画像調整動作を行うことを特徴とする記録方法。
  3. 【請求項3】 前記画像調整動作を行う際に、前記サー
    マルヘッドの発熱素子へ、前記熱溶融性インクを用紙に
    転写する際の前記サーマルヘッドの発熱素子へ供給する
    最大エネルギよりも少ないエネルギを供給することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の記録方法。
  4. 【請求項4】 プラテンと、このプラテンに沿って往復
    移動可能とされ熱溶融性インクからなるインクリボンを
    収納したリボンカセットを搭載し得るキャリッジと、こ
    のキャリッジに配設され前記プラテンに対して接離可能
    とされた複数の発熱素子を整列配置してなるサーマルヘ
    ッドとを具備し、前記インクリボンの熱溶融性インクを
    用紙に転写して用紙に所望の画像の記録を行う記録装置
    であって、 用紙に記録した画像を平滑にする際に用いられる画像調
    整部材と、用紙に所望の画像の記録を行った後に、前記
    サーマルヘッドの表面を前記画像調整部材を介して用紙
    に記録した画像の表面に当接させて用紙に記録した画像
    を平滑にする画像調整動作を行う画像調整部とを有する
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 【請求項5】 プラテンと、このプラテンに沿って往復
    移動可能とされ熱溶融性インクからなるインクリボンを
    収納したリボンカセットを搭載し得るキャリッジと、こ
    のキャリッジに配設され前記プラテンに対して接離可能
    とされた複数の発熱素子を整列配置してなるサーマルヘ
    ッドと、所定位置に配設され少なくともイエロー、マゼ
    ンタおよびシアンの3色の熱溶融性インクからなるイン
    クリボンを収納した3つのリボンカセットとを具備し、
    前記各リボンカセットを自動的に交換し、キャリッジに
    搭載して、前記各熱溶融性インクを用紙に重ねて転写し
    て用紙に所望のフルカラー画像の記録を行う記録装置で
    あって、 用紙に記録したフルカラー画像を平滑にする際に用いら
    れる画像調整部材と、用紙に所望のフルカラー画像の記
    録を行った後に、前記サーマルヘッドの表面を前記画像
    調整部材を介して用紙に記録したフルカラー画像の表面
    に当接させて用紙に記録したフルカラー画像を平滑にす
    る画像調整動作を行う画像調整部とを有することを特徴
    とする記録装置。
  6. 【請求項6】 前記画像調整部は、前記画像調整動作を
    行う際に、前記サーマルヘッドの発熱素子へ、前記熱溶
    融性インクを用紙に転写する際の前記サーマルヘッドの
    発熱素子へ供給する最大エネルギよりも少ないエネルギ
    を供給するように構成されていることを特徴とする請求
    項4または請求項5に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記画像調整部材が耐熱性フィルムであ
    ることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項
    に記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記画像調整部材の少なくとも前記サー
    マルヘッドの表面と対向する面にバックコートが施され
    ていることを特徴とする請求項4乃至請求項7の何れか
    1項に記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 前記画像調整部材は、インクリボン状に
    形成されてリボンカセットに収納されており、手動また
    は自動的に交換してキャリッジに搭載されることを特徴
    とする請求項4乃至請求項8の何れか1項に記載の記録
    装置。
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