JPH11268301A - 廃インク吸収体及びその製造方法 - Google Patents
廃インク吸収体及びその製造方法Info
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- JPH11268301A JPH11268301A JP9265498A JP9265498A JPH11268301A JP H11268301 A JPH11268301 A JP H11268301A JP 9265498 A JP9265498 A JP 9265498A JP 9265498 A JP9265498 A JP 9265498A JP H11268301 A JPH11268301 A JP H11268301A
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Abstract
なる廃インク吸収体、及びメラミン樹脂発泡体からなる
廃インク吸収体の製造方法を提供する。 【解決手段】 メラミン樹脂発泡体、硬質ポリウレタン
フォーム及びフェノール樹脂発泡体等を生成させるため
の発泡樹脂原料を成形型に注入し、電子線の照射、加熱
等、適宜の手段によって発泡、硬化させ、硬質樹脂発泡
体からなる廃インク吸収体を得る。この硬質樹脂発泡体
としてはメラミン樹脂発泡体が好ましい。特に、適量の
ヒドロキシフルオロエーテルを発泡剤として用い、成形
型の容量の2.5〜20倍の発泡樹脂原料を注入し、電
子線を照射して発泡、硬化させることにより、セル径が
50〜100μmの微細な構造を有するメラミン樹脂発
泡体からなる廃インク吸収体を得ることができる。
Description
易く、且つ吸収した廃インクを構成する水等の液体成分
が蒸散し得る廃インク吸収体及びその製造方法に関す
る。本発明の廃インク吸収体は、インクジェット方式の
プリンタなどの印字ヘッドの清掃によって生ずる廃イン
クを吸収するための廃インク吸収体として利用すること
ができる。
ータ等に接続される記録端末であるプリンタ、特に、イ
ンクジェット方式のプリンタなどでは、印字ヘッドの清
掃によって廃インクが生ずる。この廃インクは、不織
布、フェルト等に高分子吸水ゲルをコーティングし、又
は含浸させてなる廃インク吸収体に吸収され、水等の液
体成分はプリンタ外へ蒸散し、廃インク吸収体には不揮
発分が残留する。
プ等からなる不織布及びフェルトなどに高分子吸水ゲル
をコーティングし、又は含浸させたものが多用されてい
る。しかし、これらの廃インク吸収体では、界面活性剤
等の電解質など、インクの成分によって廃インクを吸収
する性能が左右されるとの問題がある。また、不織布
は、その厚さが高々8mm程度であり、例えば、この不
織布を4枚重ねて容量700ccの廃インク吸収体とし
て使用されているが、このように厚さが制限されるた
め、形状の自由度が損なわれるとの欠点もある。更に、
不織布、フェルト等は、密度が0.1〜0.3g/cm
3程度と必ずしも軽量とはいえず、プリンタの軽量化の
面でも不利である。
の問題を解決し、廃インクを十分に吸収し、且つこの廃
インクを構成する水等の液体成分が蒸散し得る廃インク
吸収体及びその製造方法を提供することを目的とする。
特に、特定のメラミン樹脂発泡体からなる廃インク吸収
体とすることによって、廃インクを吸収する性能等によ
り優れる廃インク吸収体及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
体は、硬質樹脂発泡体からなることを特徴とする。この
廃インク吸収体は、プリンタの印字ヘッドの清掃によっ
て生ずる廃インクを吸収し、この廃インクに含まれる不
揮発分が含浸され、保持されるものである。そして、プ
リンタの構造等によって、所定形状及び所要寸法のもの
がプリンタ内の適宜の位置に配設される。
法は、メラミン樹脂発泡体からなる廃インク吸収体の製
造方法であって、メラミンとホルムアルデヒドとを含む
単量体を反応させて得られる前縮合体、前記の式(1)
によって表されるヒドロキシフルオロエーテルからなる
発泡剤及び触媒を含有する発泡樹脂原料を成形型に注入
し、発泡、硬化させることを特徴とする。
を有する発泡樹脂原料を成形型に注入し、この発泡樹脂
原料に紫外線、電子線等を照射し、或いはそのまま室温
で、若しくは必要に応じて加熱し、発泡、硬化させるこ
とにより生成させることができる。この硬質樹脂発泡体
は、そのまま上記「廃インク吸収体」として使用するこ
とができる。この硬質樹脂発泡体としては、メラミン樹
脂発泡体、硬質ポリウレタンフォーム及びフェノール樹
脂発泡体などが挙げられる。これらの硬質樹脂発泡体
は、その原料が室温で十分な流動性を有するものが多
く、且つ電子線の照射、或いは加熱等により容易に発
泡、硬化させることができる。
ように、メラミン樹脂発泡体が好ましい。上記「メラミ
ン樹脂発泡体」は、主原料である上記「前縮合体」に、
触媒、乳化剤及び発泡剤などを配合し、混合した後、加
熱、或いは電子線の照射等、適宜の手段によって、発
泡、硬化させて得られる。前縮合体を生成させるための
「メラミン」と「ホルムアルデヒド」とのモル比は、メ
ラミン:ホルムアルデヒド=1:1.5〜4、特に1:
2〜3.5とすることが好ましい。また、数平均分子量
が200〜1000、特に200〜400の前縮合体が
好ましい。尚、ホルムアルデヒドとしては、通常、その
水溶液であるホルマリンが使用される。更に、メラミン
樹脂発泡体は、注型後、電子線の照射等を行わない限
り、発泡せず、体積膨張することがないため、他の発泡
樹脂と比べ、作業性に優れるとの利点がある。
「ホルムアルデヒド」の他に、この単量体を100重量
部とした場合に、50重量部、特に、20重量部までの
各種の単量体を使用することができる。メラミンに対応
する他の単量体としては、アルキル置換メラミン、尿
素、ウレタン、カルボン酸アミド、ジシアンジアミド、
グアニジン、スルフリルアミド、スルホン酸アミド、脂
肪族アミン、フェノール及びその誘導体などを使用する
ことができる。また、アルデヒド類としては、アセトア
ルデヒド、トリメチロールアセトアルデヒド、アクロレ
イン、ベンズアルデヒド、フルフロール、グリオキサー
ル、フタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドなどを
用いることができる。
クロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタン
等を使用することができる。特に、ペンタンは少量でも
容易に発泡体を得ることができる。しかし、トリクロロ
フルオロメタン等、所謂、フロンは環境問題の観点から
その使用が規制されている。また、ペンタンは揮発引火
性を有し、爆発の恐れもある危険物であり、その取り扱
いには十分な注意を要する。更に、これらの発泡剤で
は、発泡体のセル径は150〜250μmが限度であ
り、より微細な構造を有する発泡体とすることは困難で
ある。
「ヒドロキシフルオロエーテル」を使用する。ヒドロキ
シフルオロエーテルとしては、CF3CF2OCH3、
(CF3)2CFOCH3、CF3(CF2)3OCH3、C
F3(CF2)3OC2H5及び(CF3)2CFCF2OCH
3等が挙げられる。これらのうちでは、沸点が低いCF3
CF2OCH3(沸点;34℃)及び(CF3)2CFOC
H3(沸点;29℃)が、セル径が小さく、微細構造を
有する発泡体とするうえで特に好ましい。また、上記
「触媒」としては、通常、ギ酸が用いられる。更に、乳
化剤としては、スルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面
活性剤などを使用することができる。
を100重量部とした場合に、第7発明のように、「1
〜80重量部」、特に10〜70重量部、更には20〜
60重量部とすることが好ましい。このように特定量の
ヒドロキシフルオロエーテルを用いることによって、よ
り容易にセル径の小さいメラミン樹脂発泡体とすること
ができる。ヒドロキシフルオロエーテルの添加量が1重
量部未満では、通常の発泡、硬化反応をさせることがで
きない場合がある。一方、この添加量が80重量部を越
える場合は、セル径が小さい発泡体とすることが難しく
なる。
0〜50重量部とすることがより好ましく、セル径の小
さい発泡体を安定して得ることができ、廃インクを吸収
し易く、且つこの廃インクを構成する水等が蒸散し得る
優れた性能の廃インク吸収体を容易に得ることができ
る。尚、発泡剤としてペンタンを用いた従来の発泡体で
は、パック率が1の場合、そのセル径は500μm程度
である。一方、このヒドロキシフルオロエーテルを発泡
剤として使用することにより、パック率が1、即ち、オ
ープン発泡であっても、そのセル径が280〜480μ
m、特に200〜400μmのより微細な構造の発泡体
とすることができる。
得る材質からなり、且つ水の気化、及び発泡原料の発
泡、硬化にともなう昇温に耐えられるだけの耐熱性を有
するものを使用することができる。耐熱温度は、通常、
150℃以上であれば十分である。また、その材質とし
ては、アクリル樹脂、ポリアセタール及びポリアミド、
並びにこれらを繊維によって強化した樹脂などが挙げら
れる。特に、加工性、耐熱性及び耐圧性等を考慮すると
アクリル樹脂が好ましい。
明する。成形型への発泡原料の注入量は、オープン発泡
によって得られる発泡体の密度をもとに調整される。オ
ープン発泡とは、型を、閉じた空間とすることなく、開
放面を設け大気圧下で自由に発泡させた発泡体及び発泡
方法をいい、この密度は、上部が開放された筐体に所定
量の発泡原料を投入し、電子線を照射して発泡体とし、
この発泡体の重量と体積との比、即ち、嵩密度として算
出される。そして、この嵩密度に基づいて発泡原料の注
入量が調整され、所望の密度を有する発泡体が得られ
る。パック率は以下のように定義される。パック率=型
成形によって得られる発泡体の密度/同量の発泡原料を
オープン発泡させた場合の発泡体の密度
オープン発泡によって得られた発泡体の体積が成形型の
容積に一致する場合は、パック率は1であって、この発
泡体の密度と型成形によって得られる発泡体の密度が同
じになる。また、パック率が1である発泡体の体積に対
して、オープン発泡させれば、その体積が2倍となる発
泡原料を成形型に注入し、発泡、硬化させれば、その発
泡が型によって抑えられ、嵩密度が2倍の発泡体とな
り、パック率は2となる。
に、「2.5〜20」とすることが好ましい。パック率
を2.5〜20とすることにより、特に、第8発明のよ
うに、発泡剤剤として特定のヒドロキシフルオロエーテ
ルを用いた場合は、セル径が「50〜100μm」の微
細な構造を有する第4発明のメラミン樹脂発泡体を容易
に得ることができる。また、上記の発泡剤を使用し、パ
ック率を5〜20とすれば、セル径が50〜80μm程
度の発泡体が得られ、パック率を10〜20とすれば、
セル径が50〜70μm程度の発泡体が得られる。
つつある樹脂が型内に充満せず、欠肉を生じ易く、不良
率が高くなるため好ましくない。また、セル径も大き
く、微細構造とならず、型成形の長所を生かすことがで
きない。一方、パック率が20を越える場合は、密度の
低い発泡体とすることができないばかりか、内圧が高く
なり、型の消耗が激しくなる傾向にある。更に、型の重
ね合わせ部から発泡原料が漏洩し、作業性が低下するこ
ともある。
料に対して500〜1000kW、特に600〜800
kWとなるように調整する。この電力消費量が過少であ
ると発泡せず、低密度の硬化体が得られるにすぎない。
また、電力消費量が過多である場合は、発泡時の圧力が
著しく高くなり、型の消耗が激しいばかりか、爆発の危
険性すらあり、好ましくない。
定のセル径を有する微細構造の発泡体からなる廃インク
吸収体とすれば、廃インクを吸収し、且つこの廃インク
の液体成分が蒸散する性能に優れた廃インク吸収体を得
ることができる。しかし、メラミン樹脂発泡体は強度が
十分ではなく、脆いため、取り扱い時にはその点に留意
する必要がある。そのため、第9発明のように、メラミ
ン樹脂発泡体の表面に塗料を吹き付け、塗布した後、固
化させ、この表面に「樹脂皮膜」を形成することが好ま
しい。
り、メラミン樹脂発泡体は強化され、取り扱い易くな
る。但し、廃インク吸収体の全面に樹脂皮膜を形成した
場合は、廃インクを吸収する性能が低下したり、吸収さ
れた廃インクを構成する水等の液体成分が蒸散せずにそ
のまま吸収体に残存して、比較的短期間のうちに飽和し
てしまって、それ以上廃インクを吸収することができな
くなる等の問題を生ずることがある。第9発明では、ス
プレー塗装等、「吹き付け法」によって塗膜を形成し、
これを乾燥し、固化させて樹脂皮膜を形成する。このス
プレー塗装等においては、樹脂成分が被塗装面に被着す
る前に溶剤等の揮発分が散逸するため、塗膜及びこの塗
膜が固化してなる樹脂皮膜は、被塗装面の全面に均一
に、且つまだら状に形成される。このようにすれば、廃
インクを吸収し、且つ吸収された廃インクの液体成分が
蒸散し得る通気性を備える廃インク吸収体とすることが
できる。また、廃インク吸収体の表面からの樹脂発泡体
の剥落を抑えることができる。
は、吹き付け塗装することができ、塗膜を常温で、若し
くはメラミン樹脂発泡体等の硬質樹脂発泡体が劣化しな
い程度の温度に加熱することにより、容易に硬化させる
ことができるものを使用することができる。このような
塗料としては、アクリル樹脂、メラミン・アルキッド樹
脂、フタル酸樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂及びビ
ニル樹脂等を含有する各種の塗料が挙げられる。これら
の塗料は、いずれも特に制限されることなく使用するこ
とができるが、溶剤に十分に溶解させるためには、その
溶解度パラメータが近似していることが好ましい。この
塗料としては、第10発明のように、「沸点が80℃以
下の溶剤と、該溶剤に溶解し得る樹脂とを含み、不揮発
分が10〜50重量%、揮発分が50〜90重量%」で
ある物がとくに好ましい。この塗料を使用することによ
り、第5発明の廃インク吸収体を容易に製造することが
できる。
ン(沸点;56.5℃)、酢酸エチル(沸点;77.1
℃)、メチルエチルケトン(沸点;79.6℃)、メタ
ノール(沸点;64.5℃)及びメチレンクロライド
(沸点;39.7℃)等が挙げられる。沸点が80℃を
越える溶媒は、散逸することなく被塗装面を濡らすた
め、被塗装面が乾燥するのを待つ必要があり作業性に劣
る。また、溶剤が廃インク吸収体の内部にまで浸透し、
揮発し難くなるとの問題もある。更に、廃インク吸収体
の全面を覆って樹脂皮膜が形成され、廃インクを吸収す
る性能が低下し、且つ、吸収された廃インクを構成する
水等の液体成分が蒸散し難くなるため好ましくない。ま
た、不揮発分が10重量%未満であり、溶剤等、揮発分
が過剰である場合は、廃インク吸収体を十分に強化する
ことができず、その表面からの樹脂発泡体の剥落を抑え
ることができない。一方、不揮発分が50重量%を越え
る場合は、スプレー塗装の作業性が低下するとともに、
溶剤が散逸し難くなるため好ましくない。
ンフォームを使用することもできる。この硬質フォーム
の場合も、その原料は流動性に優れ、容易に成形型に注
入することができる。また、この硬質フォームでは、原
料を室温に静置、或いは必要に応じて適宜加熱すること
によって、容易に発泡、硬化させることができる。硬質
ポリウレタンフォームは、一般に、ポリイソソシアネー
トとポリオールを主原料とする。この主原料に、触媒、
発泡剤、整泡剤及びその他の助剤を添加し、これらを混
合し、攪拌した後、成形型に注入し、必要であれば加熱
することにより硬質ポリウレタンフォームからなる廃イ
ンク吸収体を生成させることができる。
レタンフォームに一般に用いられるものを使用すること
ができる。例えばクルード若しくはポリメリック−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)、クルード−
トルエンジイソシアネート(TDI)、並びにそれらの
プレポリマー等が挙げられる。また、クルードMDIと
クルードTDIとの混合物などを用いることもできる。
このポリイソシアネートに、イソシアネートインデック
スを75以下、特に40〜60程度としてポリオールを
反応させることにより、セル径が小さく、廃インクを吸
収する性能等に優れる廃インク吸収体とすることができ
る。
タンフォームの製造において従来より使用されているも
のを特に制限されることなく用いることができる。この
ようなポリオールとしては、エチレンジアミン系ポリエ
ーテルポリオール、芳香族系ポリエーテルポリオール、
シュークローズ系ポリエーテルポリオール、ソルビトー
ル系ポリエーテルポリオール、トルエンジアミン系ポリ
エーテルポリオール及び芳香族ポリエステルポリオール
等が挙げられる。これらは1種のみを使用してもよい
し、2種以上を併用することもできる。
めには、上記の主成分以外に各種の助剤等が配合され
る。整泡剤としては、ペンダント構造を有し、且つその
ポリエーテル部が、40〜60モル%のオキシプロピレ
ン基と60〜40モル%のオキシエチレン基とを有する
ジメチルポリシロキサンと、ポリエーテルとのブロック
共重合体などを使用することができる。また、触媒とし
ては、アミン誘導体、モルホリン誘導体等のアミン系触
媒等を用いることができる。
ン、塩化メチレン、ニトロアルカン、ギ酸等の発泡剤、
及びリン系ハロゲン化物等の難燃剤などを使用すること
もできる。更に、分散剤、ポリエーテルシロキサン、ス
ルホン化リシノール酸ナトリウム等のセルオープン化剤
などを用いることもできる。尚、この硬質ポリウレタン
フォームも強度は小さく、脆いため、メラミン樹脂発泡
体の場合と同様に、その表面に強化皮膜を形成すること
が好ましい。
しく説明する。 (1)廃インク吸収体の製造 実施例1 下記の組成の発泡原料をプロペラミキサーに投入し、常
温、常圧下、プロペラの回転数3000rpmで45秒
間攪拌した。 トリメチロールメラミン 37重量部 水 13重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 7.5重量部 ギ酸(純度;87%) 2重量部 CF3CF2OCH3(住友スリーエム株式会社製、商品名「HFE7100」 ) 15重量部
型に投入した。原料の投入量はパック率が2.5となる
ように調整した。次いで、成形型を出力750Wの家庭
用電子レンジ(株式会社東芝製、商品名「BMO302
J1」)に収納し、電子線を2分20秒間照射し、発
泡、硬化させた。原料の注入から電子線の照射までの時
間は7分であった。このようにして100μm程度のセ
ル径を有するメラミン樹脂発泡体を得た。この発泡体の
寸法は246.6(幅)×83(奥行き)×7.7(厚
さ)mmであった。その後、発泡体の側面を含む全表面
に1液型ウレタン樹脂塗料(セメダイン株式会社製、商
品名「G−843−3」)100重量部にアセトン(沸
点;56.5℃)を30重量部添加した塗料(不揮発
分;10重量%、揮発分;90重量%)をスプレー塗装
した。この塗料の被着量は16g/m2であった。次い
で、塗膜を常温で固化させ、表面がまだら状のウレタン
樹脂皮膜によって強化された廃インク吸収体を得た。
は、実施例1と同様にして塗料をスプレー塗装した。そ
の結果、この塗料の被着量は20g/m2 であり、イ
ソプロピルアルコールが発泡体の内部に浸透してしまっ
て十分に乾燥することができなかった。
ように調製した他は、実施例1と同様にして塗料をスプ
レー塗装した。その結果、塗料の粘度が高く、この塗料
をまだら状に吹き付けることができなかった。また、被
塗装面の全面が樹脂皮膜によって覆われ、廃インクの吸
収及びこの廃インクに含まれる水等の蒸散も十分ではな
かった。
と、同寸法の従来品、即ち、パルプからなる不織布及び
フェルトにより構成される廃インク吸収体の重量を化学
天秤によって秤量した。また、水及びインク(PMIC
1C 5色同量混合)を使用し、これらの廃インク吸収
体の浸透能力(吸収された水等が吸収体内を浸透してい
く性能)及び吸収容量(吸収体が水等を吸収し、保持し
得る性能)を下記の方法によって測定した。結果を表1
に示す。
端面から15mmの部分を23℃の水又はインクに12
0分間浸漬した場合の重量増加を測定する。 浸透能力(g)=水又はインクに浸漬した後の廃インク
吸収体の重量−水又はインクに浸漬する前の重量 吸収容量;廃インク吸収体を23℃の水又はインク5
00gに10分間浸漬した後、この廃インク吸収体の適
宜の角部を支持して常温の空気中に50分間吊り下げ、
その後、再び重量を測定する。 吸収容量(g)=水又はインクに浸漬し、その後、空気
中に吊り下げた後の廃インク吸収体の重量−水又はイン
クに浸漬する前の重量
からなる本発明の廃インク吸収体では、不織布及びフェ
ルトからなる従来の廃インク吸収体に比べて非常に軽量
であることが分かる。また、廃インク吸収体に水若しく
はインクが浸透していく能力も、本発明の廃インク吸収
体は、従来品に比べて非常に優れている。更に、本発明
の廃インク吸収体では、水とインクとで浸透能力にほと
んど差はないが、フェルトからなる従来品では、インク
の場合、水に比べて浸透能力が相当に低いことが分か
る。また、吸収容量も本発明の廃インク吸収体のほうが
従来品より大きく、インクの場合には、その差が大きく
なっている。このように、本発明の廃インク吸収体は、
特にインクの場合に、従来品に比べてより優れた性能を
有するものであることが分かる。
と、同寸法のパルプからなる不織布により構成される従
来の廃インク吸収体について、吸収された水の蒸発率を
下記の方法によって評価した。結果を図1に示す。 蒸発率;廃インク吸収体に飽和量の水を吸収させた
後、廃インク吸収体ケースに収納し、これらを蓋をせず
に40℃に調温された乾燥機に収容し、その重量を経時
的に測定し、下記の式によって蒸発率を求めた。結果を
図1に示す。 蒸発率(%)=[(飽和量の水を吸収した廃インク吸収
体の初期の重量−所定時間経過後の重量)/飽和量の水
を吸収した廃インク吸収体の初期の重量]×100
本発明の廃インク吸収体のほうが従来品に比べて経過時
間にかかわりなく僅かに多かった。しかし、図1のよう
に、蒸発率にはほとんど差はなく、本発明の廃インク吸
収体では、その表面に強化皮膜が形成され、廃インクが
吸収され、また、水等の液体成分が蒸散し得る表面積が
小さくなっているにもかかわらず、水等が従来品と同様
に蒸散し得るものであることが分かる。
施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で
種々変更した実施例とすることができる。例えば、上記
原料組成は、トリメチロールメラミンを100重量部と
した場合に、水を10〜55重量部、ギ酸等の触媒を
0.2〜15重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム等の乳化剤を8〜30重量部、及びCF3CF2O
CH3等のヒドロキシフルオロエーテルを1〜60重量
部とすることができる。このような組成の原料を使用す
れば、同様に優れた性能の廃インク吸収体を生成させる
ことができる。また、原料の注入から電子線の照射まで
の時間は5〜10分程度とすることができ、成形型に原
料を注入した後の操作、工程には十分な余裕がある。
なる従来の廃インク吸収体に比べ、廃インクを吸収する
性能等に優れる廃インク吸収体を得ることができる。ま
た、第2発明のように、硬質樹脂発泡体をメラミン樹脂
発泡体とし、第3発明のように、パック率を高くするこ
とによって、第4発明のように、セル径の小さい発泡体
とすることができ、より廃インクを吸収する性能等に優
れる廃インク吸収体とすることができる。更に、第5発
明のように、特定の塗料からなる樹脂皮膜を形成するこ
とにより、実用的な強度をも併せ備える廃インク吸収体
とすることができる。
使用することにより、第2〜5発明の廃インク吸収体を
容易に製造することができる。特に、第7発明のよう
に、特定量の発泡剤を使用し、第8発明のパック率とす
ることによって、容易により微細な構造を有する、優れ
た性能の廃インク吸収体とすることができる。更に、第
9発明のように、特に第10発明の特定の塗料を使用
し、その表面に樹脂皮膜を設けて強化することにより、
実用的な強度を有し、取り扱い易い廃インク吸収体を容
易に得ることができる。
織布により構成される従来の廃インク吸収体との、吸収
された水の蒸発率を比較して表わすグラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】 硬質樹脂発泡体からなることを特徴とす
る廃インク吸収体。 - 【請求項2】 上記樹脂発泡体がメラミン樹脂発泡体で
ある請求項1記載の廃インク吸収体。 - 【請求項3】 上記メラミン樹脂発泡体は型成形によっ
て得られ、下記のパック率が2.5〜20である請求項
2記載の廃インク吸収体。パック率=型成形によって得
られるメラミン樹脂発泡体の密度/同量の発泡原料をオ
ープン発泡させた場合の発泡体の密度 - 【請求項4】 上記メラミン樹脂発泡体のセル径が50
〜100μmである請求項2又は3記載の廃インク吸収
体。 - 【請求項5】 表面に、沸点が80℃以下の溶剤と、該
溶剤に溶解し得る樹脂とを含み、不揮発分が10〜50
重量%、揮発分が50〜90重量%である塗膜が乾燥
し、固化してなる樹脂皮膜が形成された請求項1乃至4
のうちのいずれか1項に記載の廃インク吸収体。 - 【請求項6】 メラミン樹脂発泡体からなる廃インク吸
収体の製造方法であって、メラミンとホルムアルデヒド
とを含む単量体を反応させて得られる前縮合体、下記の
式(1)によって表されるヒドロキシフルオロエーテル
からなる発泡剤及び触媒を含有する発泡樹脂原料を成形
型に注入し、発泡、硬化させることを特徴とする廃イン
ク吸収体の製造方法。 CnH2n+1OCmF2m+1 (1) (但し、n=1〜4、m=1〜8である。) - 【請求項7】 上記前縮合体を100重量部とした場合
に、上記発泡剤が1〜80重量部である請求項6記載の
廃インク吸収体の製造方法。 - 【請求項8】 請求項3記載のパック率を2.5〜20
とする請求項6又は7記載のメラミン樹脂発泡体の製造
方法。 - 【請求項9】 上記メラミン樹脂発泡体の表面に塗料を
吹き付け、塗布した後、固化させ、上記表面に、樹脂皮
膜を形成する請求項6乃至8のうちのいずれか1項に記
載の廃インク吸収体の製造方法。 - 【請求項10】 上記塗料は、沸点が80℃以下の溶剤
と、該溶剤に溶解し得る樹脂とを含み、不揮発分が10
〜50重量%、揮発分が50〜90重量%である請求項
6乃至9のうちのいずれか1項に記載の廃インク吸収体
の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006334792A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Bridgestone Corp | インク廃液吸収体及びその製造方法 |
JP2008213467A (ja) * | 2007-02-09 | 2008-09-18 | Oji Paper Co Ltd | インク吸収体 |
US7758150B2 (en) | 2005-08-24 | 2010-07-20 | Seiko Epson Corporation | Capture member and ink jet printer |
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1998
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