JPH11268104A - ブロー成形装置と成形方法および成形体 - Google Patents

ブロー成形装置と成形方法および成形体

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JPH11268104A
JPH11268104A JP10075858A JP7585898A JPH11268104A JP H11268104 A JPH11268104 A JP H11268104A JP 10075858 A JP10075858 A JP 10075858A JP 7585898 A JP7585898 A JP 7585898A JP H11268104 A JPH11268104 A JP H11268104A
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temperature
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low
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JP10075858A
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Satoru Furuki
哲 古木
Hideki Ando
秀樹 安藤
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱媒体を用いた金型温調装置を使用して良好
な金型転写性と成形サイクルの短縮化を両立し、表面外
観の優れた中空構造製品を安価に提供すること。 【解決手段】 (a)m種の樹脂を溶融押出しするm台
の押出機、(b)n≦mなる関係にあるn層の多層パリ
ソンを形成する環状樹脂流路を有し、該環状樹脂流路の
少なくとも1つには、2種類の異なる溶融樹脂が導入さ
れる多層ダイヘッド、(c)ブロー成形用のキャビティ
を形成する左右一対の金型であって、その金型にはキャ
ビティ表面に近接して入口側集合管から分岐した複数の
熱媒体流路が並列回路で配置され、各々の熱媒体流路内
に高温熱媒体又は低温熱媒体を通過させてキャビティ表
面温度を短時間に高温又は低温に切り替えるようにした
金型装置、の組み合わせからなるブロー成形装置、及び
ブロー成形方法とそのブロー成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂のブ
ロー成形装置と成形方法および成形体に係り、特に短い
成形サイクルで金型キャビティの表面形状の転写性が高
く、成形品の表面を鏡面化した家電・OA製品、住設機
器、オフィス家具、自動車外板・外装等の表面外観を要
求される工業部品の製造に好適に用いられるブロー成形
装置と、これを用いたブロー成形方法並びにこの成形方
法により成形されたブロー成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂のブロー成形においては、
円筒状の樹脂溶融体であるパリソンを型開きした左右一
対のキャビティを形成する金型の間に押出または射出
し、金型を閉じて5〜10kgf/cm2程度の空気を
吹込み賦形する。この賦形圧力が射出成形と比較して低
いために、従来のブロー成形では金型キャビティの表面
形状の転写性が低く、例えば金型キャビティの表面を鏡
面加工したとしても成形品の表面を鏡面化することはき
わめて困難であった。従来は、表面平滑性が要求される
製品においては、成形後に成形品表面を機械的に研磨す
る等の仕上加工を施していたが、工程増加により生産性
が低下する問題点があり、そのことがブロー成形品の採
用を躊躇させる最大の理由となっていた。
【0003】そこで、仕上加工に頼らずにブロー成形技
術自体を改善し、金型キャビティの表面形状の転写性を
向上させる試みが数多くなされてきた。基本的な考え方
としては、溶融樹脂(パリソン)が金型キャビティと接
触した瞬間に高い流動性をもっていることが重要であ
り、その状態をいかにして実現するかで以下のように大
別される。 (1)樹脂の温度を上げる。 (2)樹脂の分子量を下げる。 (3)金型キャビティへの押付圧力を上げる。 (4)樹脂の温度を下がりにくくする。 (5)金型キャビティ表面の温度を上げる。
【0004】(1)については、例えばパリソン表面を
瞬間的に加熱する方法(特開平2−202426号公
報)、(2)については、例えば多層ブロー成形におい
て外層にMFRの大きい材料を選択する方法(特開平5
−8355号公報)がそれぞれ提案されているが、パリ
ソンの垂下(ドローダウン)を助長してしまうので好ま
しくない。(3)については、吹込圧力を上げる方法
(特開平2−292018号公報)と、金型キャビティ
表面から真空吸引して樹脂と金型キャビティの間の空気
を強制排気する方法(特公平5−37805号公報)と
に分類できるが、前者は低圧成形であるブロー成形の長
所(低設備コスト、低残留応力等)までもが喪失してし
まうので好ましくなく、後者は真空吸引のための排気孔
の痕跡が成形品表面に残ってしまうためにやはり好まし
くない。
【0005】(4)は、金型表面に低熱伝導率の材料を
被覆することにより、キャビティ内で溶融樹脂が急速に
冷却固化するのを防ぎ、良好な表面平滑性を有する成形
品を得るという技術である。例えば、特開昭54−14
2266号公報では弗素樹脂やエポキシ樹脂からなる被
覆層が、特開平4−211912号公報では各種の金属
酸化物やセラミックス類からなる被覆層が、また特開平
5−111937号、同5−169456号、同6−9
1736号及び同6−246797号各公報ではエポキ
シ樹脂やポリイミド樹脂からなる被覆層がそれぞれ低熱
伝導率の材料として提案されている。しかし、これらの
方法は、被覆層の金型基材に対する接着性が低いこと、
耐久性が低く金型寿命が短いこと等の問題点があり、ま
た被覆層を形成するのに複雑な工程を要することから、
金型コストが高くなってしまうので実用的ではない。
【0006】(5)の金型温度を上げるという考え方
は、最も一般的かつ効果的な方法であると考えられてき
た。しかし、通常の金型温調装置を用い、金型内流路に
熱媒体を導通して温度制御を行う方法では、これまでの
ところ成功していない。その理由は、一般に熱可塑性樹
脂の成形においては、金型温度を一定にして成形した場
合、金型温度が高いほど金型面の転写性に優れるが、そ
の反面、溶融樹脂の冷却固化時間が長くなるからであ
る。そこで従来から、金型温度を1サイクル中に上下さ
せる方法が考案され、具体的には加熱用に高温の熱媒体
を、冷却用に低温の熱媒体を金型の入口、出口のバルブ
切り替えにより金型内の同一の流路に流す方法が試みら
れてきた。ところがこのような方法によっても、成形サ
イクルの短縮化は容易ではない。その理由としては、第
一に、金型の熱容量が大きいために、金型表面温度の応
答速度が小さくなること、第二に、例えば冷却から加熱
に切り替えた場合には、金型内の流路を含む入口バル
ブ、出口バルブ間の配管中に残留した低温熱媒体が加熱
側の回路への流れ込み、高温熱媒体供給装置はこの流れ
込んだ余分の低温熱媒体をも加熱する必要が生じ、熱損
失とサイクルタイムの増大を招いてしまうことが挙げら
れる。
【0007】かかる問題点を解決して、加熱・冷却の応
答速度を早める目的で、金型を薄肉構造にして熱容量を
下げる方法が提案されている(特開平7−198534
号公報等)が、金型強度不足等の問題により適用できる
構造が制限されて一般的ではない。また特開平8−27
6432号公報には、薄肉化したことによる強度不足を
補うために、成形面の反対側の空間を予圧し、樹脂圧力
に拮抗させる方法が提案されているが、このような方法
で寸法精度の高い成形品を得ることは困難である。さら
に特開平2−88216号公報では、温調配管を含む金
型の表面部と金型本体(バックプレート)の間に金型枠
で隔てた中間層を設けて、該中間層に断熱材を充填する
か、加熱または冷却媒体の導通孔を有した補強リブを配
設することによって金型の表面部熱容量を下げ、かつキ
ャビティ側から金型表面を幅射加熱することで成形サイ
クルの短縮を計る方式が提案されている。
【0008】この方法のうち補強リブを配設することで
は金型強度不足の問題は少ないが、熱媒体による温調配
管の配列等については特別の配慮がなされていない上
に、温調以外に金型表面を幅射加熱する補助加熱手段を
付加している。かかる補助加熱手段を用いる方法はこの
報告例以外にも数多いが、共通した問題点として、キャ
ビティ内部に補助加熱装置を設置することの技術上の困
難さ、設備コストアップ、更には、金型表面温度のばら
つきが発生しやすいこと等の問題点があり、実際の工場
生産への適用は困難である。また特開平9−27736
1号公報では、加熱・冷却の応答速度を早める方法とし
て、多層ブロー成形を利用する方法が提案されている。
これは多層ブロー成形が前提になること以外に欠点のな
い方法ではあるが、優れた金型温調システムとの併用で
より一層の効果を挙げることが期待される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、ブロー成形において金型の転写性を向上させること
自体は困難ではないが、それを比較的短い成形サイクル
で実現させるためには、熱媒体を用いた通常の金型温調
装置では困難であるとの共通認識があり、何らかの補助
加熱手段を講ずるのが一般的解決法であった。しかし一
方では、経済的な観点から比較的簡単な(即ち低コスト
の)設備で転写性を向上させたいという強い要請もあ
る。従って、かかる状況に鑑みて本発明の目的は、従来
の問題点を解決した金型温調装置と特殊な多層ブロー成
形を可能とするダイヘッドを使用して良好な金型転写性
と成形サイクルの短縮化を両立させるためのブロー成形
装置と成形方法、およびそれによって製造される表面外
観の優れた中空構造製品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、金型内配管と
金型に熱媒体を供給するラインの設計を最適化し、多量
の熱媒体が乱流状態となって金型内流路をパス数を極力
少なく、好ましくは1パスだけの短時間に通過させるよ
うに工夫された金型装置と多層ブロー成形の技術を併用
することで、特別な補助加熱(冷却)装置を必要とせず
とも目的を達成できることを見出し、本発明を完成し
た。
【0011】即ち、本発明のブロー成形装置は、以下の
構成要素(a)〜(c)の組み合わせからなることを特
徴とするブロー成形装置である。 (a)m種の樹脂(但しmは2以上)を溶融押出しする
目的で設置された複数の押出機; (b)m種の溶融樹脂が導入されてn≦mなる関係にあ
るn層の多層パリソンを形成するための環状樹脂流路を
有し、該環状樹脂流路の少なくとも1つには、2種類の
異なる溶融樹脂が導入される多層ダイヘッド; (c)ブロー成形用のキャビティを形成する左右一対の
金型であって、その金型にはキャビティ表面に近接して
入口側集合管から分岐した複数の熱媒体流路が並列回路
で配置され、かつ各々が出口側集合管に接続されている
とともに、上記の入口側集合管と出口側集合管には高温
熱媒体を供給する高温熱媒体供給装置と低温熱媒体を供
給する低温熱媒体供給装置とが切替弁を介して配管で接
続されてそれぞれ独立した熱媒体循環ラインが形成さ
れ、各循環ラインからの高温熱媒体と低温熱媒体とを切
替弁の切り替え操作により交互に切り替えることによっ
て、上記の入口側集合管から出口側集合管に向けて金型
内の各々の熱媒体流路内に高温熱媒体又は低温熱媒体を
通過させてキャビティ表面温度を短時間に高温又は低温
に切り替えるようにした金型装置;
【0012】また本発明のブロー成形方法は、上記のブ
ロー成形装置を使用して、ブロー成形直前から金型の熱
媒体流路に高温度の熱媒体を通過させてキャビティ表面
を高温に保持し、ブロー成形品の冷却段階では、熱媒体
流路に低温度の熱媒体を通過させてキャビティ表面を低
温に保持するブロー成形法において、熱媒体を高温時に
おいても低温時においてもそれぞれ乱流条件で通過する
ように十分な流速を与えることを特徴とするものであ
る。
【0013】更に本発明のブロー成形体は、上記のブロ
ー成形方法で成形された熱可塑性樹脂の中空成形体であ
って、製品の外表面が金型のパーティング面を境界線と
して左右各々異なる性状の樹脂で構成され、その表面
は、JIS−B0601の中心線平均粗さ(Ra)で定
義される表面粗度が0.2μm以下か、又はJIS−K
7105で定義される60°鏡面光沢度が60%以上か
の、少なくとも一方の表面特性を満たしていることを特
徴とするものである。
【0014】ここで上記した本発明の特に好ましいブロ
ー成形装置としては、構成要素(c)における左右一対
の金型は、それぞれキャビティ表面を形成する金型構造
体と金型本体とが別体とされ、該金型構造体の内部又は
背面に熱媒体流路が形成されたものであることが、温度
調節すべき金型構造体の熱容量を小さく絞れて伝熱応答
速度をより高める効果がある点で好ましい。
【0015】また本発明の特に好ましいブロー成形方法
としては、上記に記載のブロー成形装置を使用して、n
層からなる多層パリソンの外層が、左右一対の金型パー
ティング面を境界線として左右各々異なる性状の樹脂で
構成され、表側外層を構成する樹脂のDTUL(荷重た
わみ温度:ASTM−D648準拠、1.81MPa荷
重)が、裏側外層および内層を構成する樹脂のDTUL
よりも低く、かつブロー成形直前からブロー成形段階中
はキャビティ表面を上記表側外層樹脂のDTUL以上の
高温度に保持し、ついでパリソンをキャビティ表面に接
触させた後の、ブロー成形品の冷却段階では、キャビテ
ィ表面を前記裏側外層及び内層樹脂のDTUL以下の低
温度まで下降させることで樹脂を十分に固化させた後、
1成形サイクル3分以内で成形品を取り出すことに特徴
を有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。先ず本発明のブロー成形方法を示す全体概
念図を図1に、図1中のダイヘッド2の一例である外観
模式図を図2に、同じく図1中のそのダイヘッドより押
し出された多層パリソン3の断面図を図3に、本発明の
ブロー成形装置の一部を構成する金型装置を示す片側の
金型6における配管接続形式の模式図を図4に、従来の
ブロー成形用金型装置を示す配管接続形式の模式図を図
5にそれぞれ示す。先ずブロー成形は図1に示した如
く、押出機1からダイヘッド2を経て加熱溶融された樹
脂がパリソン3として押し出され、ブロー成形用のキャ
ビティを形成する左右一対の金型6,6’の間で型締さ
れ予備賦形後にエア吹き込み装置4からパリソン内へ加
圧空気を吹き込みブロー成形する。
【0017】押出機1はm種の材料を用いる場合、m台
必要となるが図1では省略されている。また本発明の押
出機1としては、可塑化した樹脂を連続押出しする方式
でもよいし、又は一旦充填しその後に一斉に射出する機
能を有するいわゆるアキュムレーター装置を備えた方式
であってもよく、どちらでも同様に適用できる。ダイヘ
ッド2およびパリソン3は、それぞれ図2、図3におい
ては、m=4(種)、n=3(層)の場合を例示してい
るが、何らこれに制限されるものではない。A1、A2、
B、Cはそれぞれ異なる樹脂(ただし、A2,B,C
は、同一樹脂であってもよい)を示し、これらの樹脂と
金型キャビティ表面温度の選択が本発明の1つのポイン
トであり後述する。
【0018】また金型6,6’のキャビティ表面に近接
して設けた熱媒体流路配管8,8’に高温熱媒体(以下
0とする)を流してキャビティ表面を加熱した後、ブ
ロー成形品の冷却段階では熱媒体流路配管8,8’に低
温熱媒体(以下B0とする)を流して冷却固化させてか
ら金型6,6’を開けて成形品を取り出すものである。
本発明ではかかる左右一対の金型6,6’のキャビティ
表面を形成する、特に金型構造体5,5’にA0とB0
交互に供給する手段に特別の改良を加えたものであり以
下に詳細に説明する。
【0019】(1)金型装置の基本要素 本発明の目的は、少なくとも成形品の表面側又は裏面側
を含めた全表面への良好な金型転写性と成形サイクルの
短縮化を両立させることにあり、そのためには熱媒体と
金型の間の熱伝導効率を高める必要がある。それを実現
するために、本発明のブロー成形装置の一部を構成する
金型装置においては、図1と図4に示した如く、 a.左右一対の金型の少なくとも片方6(又は両方6,
6’)のキャビティ表面に近接して複数の熱媒体流路8
を並列回路で配置したこと、 b.熱媒体流路8は1パスにて入口側集合管9と出口側
集合管10の分岐管11,12に接続されていること、 c.入口側と出口側の集合管9,10には外部の高温熱
媒体供給装置13と低温熱媒体供給装置14に接続され
た循環ライン15,15’及び16,16’が切替弁1
7,18を介して接続されていること、
【0020】d.各循環ライン15,15’及び16,
16’からの切替弁17,18の同時切り替えで熱媒体
流路8に同一温度のA0又はB0を好ましくは1パスで流
しキャビティ表面温度を短時間に高温と低温に切り替え
るようにしたこと、の四つが主要なポイントになってお
り、これを本発明における「基本要素」と定義し、以下
で詳しく説明する。なお図4では図1の左右一対の金型
6,6’の内、片側の金型6について説明するが、他方
金型6’も同じ金型温調装置からの熱媒体循環ラインか
ら分岐させるか、又は別途独立した金型温調装置として
もよい。
【0021】本発明における第一のポイントは、熱媒体
流路8をキャビティ表面に近接して並列回路で配置する
ことで、金型温度、特に転写性に大きく影響を与える金
型表面温度の応答速度を向上させるとともに、熱媒体の
流量を増加させて乱流状態となるように金型構造体の設
計がなされている点にある。ここで熱媒体流路8とは、
キャビティ表面を形成する金型構造体6の内部に穿孔し
て形成させたものであってもよいし、或いは良伝熱配管
を埋設して形成したものであってもよい。
【0022】一般に流体が管内を流れる状態には、流体
粒子の進む道が管の壁面に平行に直線状になっている場
合と個々の粒子が渦を巻き不規則な乱れ運動をする二つ
の場合があり、前者を層流、後者を乱流という。管径D
(m)、流速U(m/h)、流体の密度ρ(kg/
3)、流体の粘度μ(kg/m・h)とするとRe=
DUρ/μなる無次元数(レイノルズ数)が2100以
下で層流、それ以上で乱流となることが知られている。
この式から明らかな如く同一の管径では流速Uすなわち
流量が多くなるほど乱流状態になり易い。なお流量が減
って層流状態となる場合、配管壁面と流体の間の境膜伝
熱係数が著しく小さくなり伝導伝熱量が減少して加熱・
冷却効率が著しく低下する。従って熱媒体は乱流条件で
流すことが加熱或いは冷却の熱伝導効率を高めるために
は重要である。
【0023】本発明の第二のポイントは、熱媒体流路8
はパス数を極力少なく、好ましくは1パスにて入口側と
出口側集合管に接続することで熱媒体流路の長さを極力
短くし、圧力損失を減少させてその分だけ熱媒体の流量
(即ち流速)を増加させていることである。この場合、
入口側集合管9と出口集合管10はそれぞれ熱媒体流路
8よりも配管径を大きく形成し、且つそれぞれ熱媒体循
環ラインと切り替え弁17,18を介して接続される
が、熱媒体流路8が1パスで通過するものであれば、全
てが同一方向に流してもよいし、或いは半分づつ位置を
ずらせて逆方向に流すようにしてもよい。
【0024】従来の場合では、金型内の熱媒体流路(配
管)8は図5に示したように各々が1本又は場合によっ
ては複数本が直列回路の関係になる「ひと筆書き」状態
に金型内を多数パスさせて熱媒体の循環ライン15,1
5’及び16,16’に接続されるのが常であり、本発
明の一例である図4のような並列回路状態で、しかも好
ましくは1パスのみで通過させるようには決して接続さ
れなかった。それは、入口(又は出口)での流量が同じ
場合、並列回路では各配管内の流速が小さくなり、前述
したレイノルズ数を大きくして乱流状態にするのが困難
と見なされてきたからである。
【0025】本発明者らは、共通の金型および金型温調
機を用い、熱媒体流路配管を図5に示す如き直列回路
と、図4の如き並列回路の各方式で接続し、各々の場合
において熱媒体の流量、流速等を詳細に検討した。ま
ず、図5のような一般的に推奨されている直列回路の場
合、予想以上に管内の圧力損失が大きく金型温調装置の
ポンプが有する最大吐出能力をはるかに下回る流量しか
流れず、このため伝熱量が極めて低くなることが判明し
た。一方図4のような並列回路で接続して実験したとこ
ろ、圧力損失が著しく低減され全体の流量が大幅に増大
し、各々の配管内部での流速も直列回路の場合とほぼ同
等であり十分に乱流状態となっていることが判明した。
配管内部で乱流状態となっていれば、境膜伝熱係数も十
分大きくなることと相俟って加熱或いは冷却の熱伝導効
率が損なわれことがない。
【0026】本発明の第三のポイントは、入口側集合管
9と出口側集合管10は外部の高温熱媒体供給装置13
と低温熱媒体供給装置14からの循環ライン15,1
5’及び16,16’に切替弁17,18を介して接続
されて、各循環ラインからのA0とB0を切替弁17,1
8の切替え操作により交互に切替えて入口側集合管9か
ら熱媒体流路8内へ供給されて出口側集合管10へ流通
させるようにしたことである。ここで高温(又は低温)
熱媒体供給装置13(又は14)としては、熱媒体貯留
タンク、ポンプ、及びヒーター(又はクーラー)等を内
蔵しており、かつ該熱媒体供給装置を含む熱媒体循環ラ
インには必要に応じてバイパスラインを設けてもよい。
各循環ラインからのA0とB0を切り替える切り替え弁1
7,18は、一方が入口側集合管9から熱媒体流路8内
へ供給される時には、他方は遮断されるものであればよ
い。
【0027】この場合、遮断と同時にその熱媒体供給装
置に内蔵された供給ポンプを停止させるか或いは停止さ
せずにバイパスラインを使用する循環ラインへ切り替え
てもよい。なお開閉弁17,18は図4に示したように
入口側集合管9又は出口側集合管10への合流ラインに
1個設けた三方向切り替え弁が望ましいが、各循環ライ
ン15,15’及び16 ,16’に個別に設けて交互
に逆開閉させる遮断弁を介して合流ラインに接続させて
もよいし、更には個別に設けて交互に逆開閉させる遮断
弁を介して直接に入口側集合管9と出口側集合管10に
それぞれ接続してもよい。これら切り替え弁の切り替え
操作はソレノイド作動式弁、電磁式弁その他の開閉方式
が利用でき、その切り替え開閉はタイマーを使用し自動
的に行うことが望ましい。
【0028】本発明の第四のポイントは、各循環ライン
からの切り替えで熱媒体流路8に同一温度の熱媒体A0
又はB0を好ましくは1パスでいっせいに流しキャビテ
ィ表面温度を短時間に高温と低温に切り替えるようにし
たことである。ここで上記した図5のような一般的に推
奨されている直列回路の場合は、「ひと筆書き」状態に
金型内を多数回パスさせることから各パス毎の熱媒体自
体の金型内への入り口温度が変化してその分金型内での
伝熱量が不均一状態で低下してくるのは避けられない。
【0029】これに対して本発明における図4のような
並列回路の場合、入口側集合管9から分岐管11を介し
ていっせいに流れる熱媒体の入口温度が全て同一温度で
あり、しかも好ましくは1パスだけの短時間に系内を通
過することから系内での温度降下が少なく従って系内伝
熱の温度差を大きくすることで伝熱量が均一状態で増加
し、キャビティ表面温度をそれ以外の補助加熱装置(幅
射加熱や高周波誘導加熱装置等)を使用しないでも短時
間に高温と低温に切り替えることができる。従ってブロ
ー成形の1サイクル時間が大幅に短縮される効果があ
る。特に、配管の長さ等にもよるが、高温(低温)熱媒
体供給装置において、熱媒体の出口温度と入口温度との
差、すなわち循環ラインを通って戻ってきたときの熱媒
体の温度変化が極力小さく、5℃以内、好ましくは3℃
以内、より好ましくは1℃以内であることが重要であ
る。とりわけ、金型の入り口、出口において熱媒体の温
度差が1℃以内、好ましくは実質的に無いようにすると
よい。
【0030】なお、本発明で使用するA0とB0は、切り
替え段階で混合することが避けられないので、混合して
も支障のないような同一種類の熱媒体を使用することが
望ましい。この場合の熱媒体としては、一般に水、水蒸
気、オイルその他各種有機質熱媒体類を適宜用いること
ができる。特に取り扱いの容易さの点で最も好ましい熱
媒体としては、高温度の熱媒体A0として100℃以上
の温度の高温水(高圧)を、低温度の熱媒体B0に10
0℃未満の低温水を使用することである。但し、高温水
は蒸発を抑えるために加圧状態に保持する必要上、あま
りにも高温度に保持する必要があるブロー成形の場合、
高温水保持の高圧設備が必要となるので、その場合に
は、沸点の高い有機質熱媒体類を使用することで高圧設
備を省略することができる。ただしこの場合の低温度状
態の有機質熱媒体では低粘度になり過ぎて乱流状態の保
持に支障を来さない温度条件で使用することが望まし
い。
【0031】また、水を熱媒体として用いる場合、液体
状の水ではなく水蒸気を用いる方法も考えられる。例え
ば特開平8−276433号公報には、キャビティ面の
反対側に空間を設けた薄肉金型を用い、その空間を利用
して水蒸気で加熱、水を噴霧して冷却する方法が提案さ
れている。この場合は高温の水蒸気を使用するために金
型や配管接続部分の気密性が必要となり、リークした場
合の危険性が大きいため取り扱いに注意が必要である。
更に、補助加熱手段として、幅射加熱や高周波誘導加熱
装置を使用するのは、前述したように設備的にも高価な
ものとなる上に、金型表面の温度むらが生じ易くこれも
また取り扱いが困難である。
【0032】(2)金型装置の拡張要素 本発明の基本要素に従って設計された金型装置であれ
ば、本発明の目的を十分に達成できるが、基本要素を満
たした金型装置を使用した上で、更に成形サイクルを短
縮化するための技術上の実施態様のポイントを「拡張要
素」と定義し、以下で詳しく述べる。まず本発明におけ
る金型装置での好ましい実施態様としては、図1に模式
的に示したように、左右一対の金型6,6’がキャビテ
ィ表面を形成する金型構造体5,5’と金型本体7,
7’との別体とし、かつ該金型構造体5,5’の内部に
熱媒体流路8,8’が形成され、特に金型構造体5,
5’を熱媒体によって加熱又は冷却するように構成する
ことである。これによってキャビテイ表面を形成する金
型構造体5,5 ’の重量が軽減され温度調節すべき金
型の熱容量を小さく絞れて伝熱応答速度をより高める効
果があることから更なる成形サイクルの短縮化が可能と
なる。この場合、キャビティを形成する金型構造体5,
5’の背面全面に低熱伝導率の断熱性薄層材18,18
’を介在させて金型本体7,7’に密着積層させた
り、又は、金型本体7,7’を別個独立させて温度制御
してもよい。
【0033】かかる目的で使用される断熱性薄層材は、
良好な断熱効果、好ましくは0.001〜1.0(kc
al/m・hr・℃)程度の低熱伝導率を有し、かつ加
熱時の圧縮強度が1000〜100000(kgf/c
2)程度に高い材料であれば特に制限されることはな
く、どのような材料でも使用することができるが、一般
的には、ガラス/フェノール樹脂のような補強材+熱硬
化性樹脂複合板や、アスベスト/セメントのような補強
材+無機質材複合板が使用される。断熱性薄層材は厚み
が10〜30mmの範囲内が好ましく、30mm以上で
は加熱時の断熱部材の圧縮歪み量が大きくなり金型の合
わせ面にずれや隙間を生じるので好ましくない。又10
mm以下では断熱効果が十分でなくやはり好ましくな
い。
【0034】また本発明における金型装置において、ブ
ロー成形用キャビテイを形成する金型構造体5,5’内
の熱媒体流路としては、キャビティ表面に沿うようにし
て穿孔され、かつ各々が平行となるよう配置された直線
状および/又は略直線状の並列回路に配置される配管
で、その直径は5mm〜15mmの範囲から選択される
のが好ましい。直径が5mm未満の場合、圧力損失が大
きくなって、流量が低下するので好ましくない。また、
直径が15mmを超えると、流速が低下するため伝熱係
数が小さくなるのでやはり好ましくない。上記の熱媒体
流路配管は、加工精度が許す限りにおいては互いに近接
して配置された方が加熱冷却効率上有利であり、各々の
中心線間距離は、好ましくは50mm以内である。ま
た、同様の理由で必要な金型強度が保持できる限りにお
いてはキャビティ表面に近接して配置された方が有利で
あり、キャビティ表面と配管中心線の最短距離は、好ま
しくは30mm以内である。
【0035】また、本発明における基本構成要素を満た
した金型装置において、高温熱媒体および低温熱媒体を
切り替える弁17,18を金型キャビティ表面に近接し
て設置し、弁と金型の間の配管長さが短くなるように配
置することにより、更なる成形サイクルの短縮化を計る
ことができる。一般に、本発明のように、熱媒体として
加熱用に高温水を、冷却用に低温水を金型への入口、出
口のバルブ17,18の切り替えにより金型内の同一の
流路に流す場合においては、低温水が金型部へ供給され
る時には、金型部の流体供給パイプと配管中の残留高温
水が低温水タンクへ流入し、低温水タンク内の水温が上
昇して冷却効率が低下する。
【0036】高温水が金型部に供給される時には、逆
に、金型部の流体供給パイプと配管中の残留低温水が高
温水タンクへ流入し、高温水タンク内の水温が下降して
加熱効率が低下する。そこで、前述したように、高温水
および低温水の切り替え弁17,18を金型に近接して
設置し、弁と金型の間の配管長さが、好ましくは2m以
下となるよう配置することにより、この残留高温水又は
残留低温水を低減することが可能となり、成形サイクル
を短縮することができる。本発明に用いられる金型の材
質については、特に制限されるものではなく、従来より
用いられている金型の材質が挙げられ、具体的には、鉄
又は鉄を主成分とする鋼材、アルミニウム又はアルミニ
ウムを主成分とする合金、亜鉛合金等を例示することが
できる。また、本発明に用いられる金型のキャビティ表
面には、パリソンと金型の間の空気を効果的に吸引除去
する目的で、適当な間隔でエア抜き穴を設けることもで
きる。
【0037】3)ブロー成形方法 次に本発明のブロー成形方法について説明する。ブロー
成形体の表面平滑性を向上させ、かつ、金型から成形体
を変形させることなく取り出すためには、(1)パリソ
ンの接触時において、金型温度が少なくとも外層材料の
DTUL(荷重たわみ温度)よりも高いこと、(2)成
形体を金型から取り出す際には、金型温度が少なくとも
内層材料のDTULよりも低いことの2条件を満足させ
る必要がある。
【0038】本発明におけるブロー成形方法で、特に好
ましい態様(請求項4)としては、DTUL値の異なる
複数の樹脂を用いた多層ブロー成形であって、低いDT
UL値をもつ表側外層樹脂(図2、図3におけるA1樹
脂)で金型面の転写性向上に寄与し、高いDTUL値を
もつ裏側外層樹脂A2や内層樹脂B,C等で成形サイク
ル時間の短縮に寄与する効果が発揮されることで、成形
サイクル時間を増大させることなく、かつ上記の2条件
を満足させることを可能にしたものである。この場合
は、表面平滑性の良好なブロー成形体を製造コストを上
昇させることなく提供することに主眼を置いており、本
質的に多層ブロー成形を前提にしている関係上、単層ブ
ロー成形には適用できない。従来技術を本発明の多層ブ
ロー成形の場合と比較すると、定性的には表1のように
整理される。
【0039】
【表1】 <記号の定義> ・単層ブロー成形時の材料のDTUL :T(℃) ・多層ブロー成形時の材料のDTUL :To(℃)(表側最外層樹脂) 同 上 :Ti(℃)(裏側最外層と内層樹脂) (但し、Tiは裏側最外層と内層樹脂のいずれか低い方のDTUL値とする。) ・一定金型温度で成形する時の金型温度:Tm(℃) ・加熱冷却切替で成形する時の金型温度:Tm1(℃)加熱(吹込開始)時 同 上 :Tm2(℃)冷却(製品取出)時
【0040】温度条件については、上記の関係を満たし
ていれば何ら制限されるものではないが、金型温度と樹
脂のDTULの温度差は、好ましくは10℃以上、更に
好ましくは15℃以上である。Tm1−To(本発明)が
10℃未満であると金型表面の転写性が十分でなく、Ti
−Tm2(本発明)が10℃未満であると、製品の冷却効
率が低く成形サイクル時間が増大するからである。従っ
て、冷却のみの場合や断熱金型を用いる場合、外層樹脂
と内層樹脂のDTULの差ΔT=Ti−Toの値は、好ま
しくは20℃以上、更に好ましくは30℃以上である。
【0041】ここで単層ブロー成形法では、金型温度と
樹脂のDTULの温度差を20℃(T−Tm2=Tm1−T
=20℃)とすると、加熱時と冷却時の金型温度差ΔT
m=Tm1−Tm2=40℃となる。一方本発明の好ましい
多層ブロー成形法では、加熱冷却切替(冷熱切替)の場
合、(Ti−To)=20℃の樹脂を選択し、同じ条件
(Tm1−To=Ti−Tm2=20℃)で成形するとき、Δ
Tm=Tm1−Tm2=40−(Ti−To)=20℃で成形
可能となる。即ち、(Ti−To)が大きい材料を選択す
るほど加熱時と冷却時の金型温度差を縮小でき、それだ
け成形サイクル時間を短縮することが可能となる。なお
Tm2はT0以上を維持させることで成形サイクルが短縮
されて好ましいが、場合によっては、Tm2はT0以下で
あってもよく、この場合成形サイクル時間が少し延びる
だけで金型転写性は変わらない。
【0042】本発明でいうDTUL(荷重たわみ温度)
とは、プラスチックの耐熱性の指標であり、ASTM
D−648で規定される。具体的には、長さ:127m
m、幅:12.7mm、厚さ:6.4mmの試験片を支
点間距離100mmの支持台の上に乗せ、中央に1.8
1MPaの曲げ応力を加え、2℃/分で昇温し、荷重に
よるたわみが0.254mmに達したときの温度をい
う。本発明に用いることのできる樹脂としては、DTU
Lが請求項4の条件を満たしていれば、他には何ら制限
されるものではないが、層状剥離(デラミネーション)
の防止、スクラップリターンやリサイクルの問題を考慮
すると、例えば表2に示したような組み合わせが好適に
用いられる。
【0043】
【表2】
【0044】外層樹脂と内層樹脂の肉厚構成比は特に制
限されるものではないが、外層が薄いほど成形サイクル
を短縮でき、外層が厚いほど表面平滑性を付与しやすく
なる関係上、通常は、外層肉厚/内層肉厚=1/20〜
1/1の範囲で選ばれるのが好ましい。外層肉厚/内層
肉厚<1/20の範囲では、DTULが高い内層材料の
影響が大きすぎて転写性が不十分になりやすい。また、
外層肉厚/内層肉厚>1/1の範囲ではDTULが低い
外層材料の構成比率が大きいため、冷却に時間がかかり
成形サイクルが長くなるからである。
【0045】次に、上記のように設定されたTm1とT
m2の具体的な制御方法について説明する。本発明のブロ
ー成形装置を使用して、ブロー成形直前からブロー成形
段階中は熱媒体流路に高温度の熱媒体を通過させてキャ
ビティ表面を高温(Tm1)に保持し、ブロー成形品の冷
却段階では熱媒体流路に低温度の熱媒体を通過させてキ
ャビティ表面を低温(Tm2)に保持するブロー成形法に
おいて、熱媒体を高温時においても低温時においても乱
流条件にて通過するように十分な流速を与えることを特
徴とするものである。
【0046】この場合、ブロー成形方法で良好な金型転
写性と短い成形サイクルを両立させるためには、熱媒体
として特に液体状の水を使用することが好ましく、水で
あれば、粘度が低いことから高温時においても低温時に
おいても乱流として配管内を通過するように、十分な流
速を与えられることが必要であり、その際のレイノルズ
数は、好ましくは2100以上である。実際にはレイノ
ルズ数が2100〜10000の範囲は、層流と乱流の
境で曖昧さがあるので、更に好ましくは10000以上
である。
【0047】本発明の具体的なブロー成形方法は、図1
において例えば以下のような手順で行われる。まず本発
明のブロー成形用金型装置を使用し、例えば高温熱媒体
として100℃以上の高温水を金型内配管8,8’に導
通し、成形対象である樹脂、特に表側最外層樹脂のDT
UL(荷重たわみ温度:ASTM−D648準拠、1.
81MPa荷重)以上の温度(Tm1)まで金型構造体
5,5’の表面温度を上昇させる。ついで本発明のブロ
ー成形用の押出機1によって溶融された熱可塑性樹脂
を、先端ダイ2に通じて、円筒状の多層プリフォーム
(パリソン)3を形成する。左右に開いて待機位置にあ
る一対の金型6,6’のキャビティ空間に上記パリソン
3を導通し、金型6,6’を閉じるとともにパリソン3
の内部にエア吹き込み装置4から空気を吹き込み金型表
面に押圧し、金型形状を賦形させる。前記した切り替え
弁17,18の操作により100℃未満の低温水を導通
し、金型表面温度を前記DTUL以下の温度(Tm2)ま
で下降させることで樹脂を十分に固化させた後、金型
6,6’を開いて成形体として取り出すことができる。
【0048】(4)ブロー成形体 本発明のブロー成形体は、本発明のブロー成形金型装置
を使用し上記した成形方法を用い、1成形サイクルが3
分以内で成形された熱可塑性樹脂成形体であって、製品
の外表面が金型のパーティング面を境界線として左右各
々異なる性状の樹脂で構成され、かつその表面は、JI
S−B0601の中心線平均粗さ(Ra)で定義される
表面粗度が0.2μm以下か、又はJIS−K7105
で定義される60°鏡面光沢度が60%以上かの、少な
くとも一方の表面特性を満たしていることを特徴とする
ブロー成形体である。上述の成形体は、キャビティ表面
が鏡面化された金型を用いて成形された例であるが、そ
れに何ら制限されるものではなく、例えばキャビティ表
面を「しぼ」と呼ばれる微細な起伏面とし、成形サイク
ルを損なうことなくそのしぼ面が良好に転写された成形
体等も本発明に包含される。
【0049】本発明のブロー成形体に用いられる材料と
しては、通常のブロー成形が可能な熱可塑性樹脂であれ
ば、特に制限されるものではないが、例えば、高密度ポ
リエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポ
リエチレン−プロピレン共重合体、汎用ポリスチレン
(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、A
BS樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアセター
ル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチ
レンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(P
C)、各種ポリアミド(PA)、変性ポリフェニレンエ
ーテル(PPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリフ
ェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリ
エーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイ
ミド(PI)、熱可塑性フッ素樹脂等の各種硬質樹脂が
使用できる。
【0050】その他にエチレン−プロピレンラバー(E
PR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、低
密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ー共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン−スチ
レン共重合体(SBS)、スチレン−エチレンブチレン
−スチレン共重(SEBS)、スチレン−イソプレン−
スチレン共重合体(SIS)、塩ビ系熱可塑性エラスト
マー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー、フッ素樹脂系熱可塑性エラストマー等の各種軟
質樹脂を例示することができ、これらは単独で使用して
も2種類以上の混合物やポリマーアロイとしても使用す
ることができるが、何らこれに制限されるものではな
い。
【0051】本発明のブロー成形体に用いられる熱可塑
性樹脂には、本発明の目的から外れない範囲で、必要に
応じて熱可塑性以外の樹脂成分、エラストマー、顔料、
有機/無機充填剤、各種添加剤等も添加することができ
る。この中で、成形体に剛性を付与する目的で使用され
る有機/無機充填剤としては、板状、粒状、繊維状のい
ずれのものを用いてもよい。具体的には、板状または粒
状の充填剤としては、各種金属粉末(アルミニウム粉
等)、金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化チタン、ア
ルミナ等)、金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム等)、炭酸・硫酸塩(炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等)、合成ケイ酸塩
(ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等)、天然
ケイ酸塩(タルク、マイカ、カオリン等)、炭化ケイ素
粉、合成・天然シリカ、カーボンブラック、木粉、綿粉
などが挙げられる。
【0052】また、繊維状充填剤としては、合成高分子
繊維(ナイロン、PET繊維、アラミド繊維、テフロン
繊維等)、天然高分子繊維(羊毛、木綿、パルプ等)、
ガラス繊維、カーボン繊維(カーボンウィスカー、グラ
ファイト繊維等)、セラミック繊維(シリカ・アルミナ
ファイバー、チタン酸カリウム繊維、アスベスト繊維
等)、炭化ケイ素繊維・ウィスカー、金属繊維(ボロン
繊維、スチール繊維、アルミニウム繊維等)などが挙げ
られる。その他の各種添加剤として、可塑剤、難燃剤、
熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤、着色剤、架橋
剤、分散助剤などが挙げられる。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお実施例における成形条件は下記の通りである。 <多層ブロー成形条件> ・成形機:日本製鋼所NB120S多層ブロー成形機
(4種3層) 型締力:120tonf 押出機:内層90mmφ、中間層50mmφ、表側外層
65mmφ、裏側外層65mmφ ・金型:700×450×20mm平板 ・キャビティ表面:鏡面仕上げ<Ra0.1μm ・吹込圧力:0.6MPa
【0054】実施例1 上記のブロー成形機のプラテン(型盤)に上記金型を取
り付け、各配管を図4のように並列回路で接続し、更に
三方バルブ(17、18)を経由して高温水供給装置1
3と低温水供給装置14に接続する。高温水供給装置1
3は120℃に、低温水供給装置14は80℃に温度を
設定する。まず、バルブ17,18を高温水供給装置1
3側に開き、120℃の高温水を金型内に導通し金型の
キャビティ表面を115℃まで昇温させる。以下、図1
と図4を用いて説明する。表側外層樹脂として、新日鐵
化学製(株)製ABS(エスチレンABS500;DTU
L85℃)、裏側外層及び内層樹脂として新日鐵化学
(株)製耐熱ABS(エスチレンABS 360;DTUL
105℃)を用い多層ブロー成形を行った。
【0055】先ず同樹脂を原料供給装置より押出機1に
供給して200℃で溶融可塑化し、更にダイ2を通じて
円筒状のパリソン3を形成し、金型6,6’のキャビテ
ィ空間内に誘導する。次いで金型6,6’を閉じ、パリ
ソン3を予め115℃に昇温加熱した金型のキャビテイ
に接触させると同時に、エア吹込針4を打ち込んでパリ
ソン内部にエアを0.6MPaの圧力で吹き込んでキャ
ビティ表面に押圧する。所定の時間が経過した後、バル
ブ17,18を低温水供給装置14側に切り替えて金型
のキャビティ表面を95℃まで降温させる。樹脂の冷却
固化が完了したら金型6,6’を開き、ブロー成形体を
取り出す。金型6,6’を開くのと同時に、バルブ1
7,18を再度高温水供給装置13側に切り替えて次の
成形に備えてキャビティ表面を115℃に昇温させる。
昇温が完了次第、次の成形サイクルに入る。 得られた
成形体の光沢度や成形サイクル時間等の成形結果を表3
に示した。また、高温水および低温水が金型内配管を流
れるときの流速は3m/秒、レイノルズ数は約1000
0(高温時と低温時の平均値)の乱流であった。
【0056】実施例2 表側外層樹脂として、新日鐵化学(株)製ABS(エス
チレンABS500;DTUL85℃)、裏側外層及び内
層樹脂として新日鐵化学(株)製耐熱ABS(エスチレ
ンABS380;DTUL115℃)を用い、加熱(吹込
開始)時の金型キャビティ表面温度130℃、冷却(製
品取出)時の金型キャビティ表面温度100℃の加熱冷
却条件以外は実施例1と同様にして多層ブロー成形を行
った。得られた成形体の光沢度や成形サイクル時間等の
成形結果を表3に示した。
【0057】実施例3 表側外層樹脂として、新日鐵化学(株)製ABS(エス
チレンMS300;DTUL87℃)、裏側外層樹脂として
新日鐵化学(株)製耐熱ABS(エスチレンABS360;
DTUL105℃)、内層樹脂として新日鐵化学(株)
製耐熱ABS(エスチレンABS380;DTUL115
℃)を用い、 加熱(吹込開始)時の金型キャビティ表
面温度125℃、冷却(製品取出)時の金型キャビティ
表面温度95℃の加熱冷却条件で多層ブロー成形を行っ
た。成形結果を表3に示した。
【0058】比較例1 実施例1で用いたのと同じ金型を使用し、各熱媒体配管
を図5のように直列回路で接続した他(熱媒体流路配管
の伝熱面積は実施例と同じ)は、実施例1と全く同様に
成形を行った。成形結果を表3に示した。実施例1で得
られたサンプルと同じ光沢度92%の成形体を得るのに
必要な成形サイクルは約40分であった。また、高温水
および低温水が金型内配管を流れるときの流速は0.6
m/秒、レイノルズ数は約2000(高温時と低温時の
平均値)であった。
【0059】比較例2 新日鐵化学(株)製ABS(エスチレンABS350;DT
UL95℃)を用いて、加熱(吹込開始)時の金型キャ
ビティ表面温度105℃、冷却(製品取出)時の金型キ
ャビティ表面温度85℃の加熱冷却条件で単層ブロー成
形を行った。成形結果を表3に示した。
【0060】比較例3 新日鐵化学(株)製ABS(エスチレンABS350;D
TUL95℃)を用い、加熱(吹込開始)時の金型キャ
ビティ表面温度115℃、冷却(製品取出)時の金型キ
ャビティ表面温度75℃の加熱冷却条件で単層ブロー成
形を行った。成形結果を表3に示した。
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱可塑性樹脂の多層ブロー成形において、DTULに着
目した樹脂の選択と、熱媒体の流動性に着目して金型の
設計、金型温調配管の接続方法、熱媒体の選択を最適化
することにより、一般的な金型温調装置を使用して良好
な金型転写性と成形サイクルの短縮化を両立し、表面外
観の優れた中空構造製品を安価に提供することが可能と
なるため、家電・OA製品、住設機器、オフィス家具、
自動車外板・外装等の幅広い分野への応用が期待され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロー成形方法を示す全体の概念図で
ある。
【図2】本発明のブロー成形装置のダイヘッドを示す外
観模式図である。
【図3】本発明のブロー成形方法におけるパリソンの模
式図である。
【図4】本発明のブロー成形装置を構成する金型装置の
配管接続様式(並列回路)を示す模式図である。
【図5】従来のブロー成形装置を構成する金型装置の配
管接続様式(直列回路)を示す模式図である。
【符号の説明】
1 押出機 2 ダイ 3 パリソン 4 エア吹込装置 5,5’ キャビテイ表面を形成する金型構造体 6,6’ 左右一対の金型 7,7’ 金型本体 8 熱媒体流路配管 9 熱媒体入口側集合管 10 熱媒体出口側集合管 11 熱媒体入口側集合管の分岐管 12 熱媒体出口側集合管の分岐管 13 高温熱媒体供給装置 14 低温熱媒体供給装置 15,15’ 高温熱媒体循環ライン 16,16’ 低温熱媒体循環ライン 17, 18 熱媒体の切り替え弁 A0 高温熱媒体 B0 低温熱媒体 A1 表側外層樹脂 A2 裏側外層樹脂 B 内層樹脂 C 内層樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 1/09 B65D 1/00 C // B29L 22:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の構成要素(a)〜(c)の組み合
    わせからなることを特徴とするブロー成形装置。 (a)m種の樹脂(但しmは2以上)を溶融押出しする
    目的で設置された複数の押出機; (b)m種の溶融樹脂が導入されてn≦mなる関係にあ
    るn層の多層パリソンを形成するための環状樹脂流路を
    有し、該環状樹脂流路の少なくとも1つには、2種類の
    異なる溶融樹脂が導入される多層ダイヘッド; (c)ブロー成形用のキャビティを形成する左右一対の
    金型であって、その金型にはキャビティ表面に近接して
    入口側集合管から分岐した複数の熱媒体流路が並列回路
    で配置され、かつ各々が出口側集合管に接続されている
    とともに、上記の入口側集合管と出口側集合管には高温
    熱媒体を供給する高温熱媒体供給装置と低温熱媒体を供
    給する低温熱媒体供給装置とが切替弁を介して配管で接
    続されてそれぞれ独立した熱媒体循環ラインが形成さ
    れ、各循環ラインからの高温熱媒体と低温熱媒体とを切
    替弁の切り替え操作により交互に切り替えることによっ
    て、上記の入口側集合管から出口側集合管に向けて金型
    内の各々の熱媒体流路内に高温熱媒体又は低温熱媒体を
    通過させてキャビティ表面温度を短時間に高温又は低温
    に切り替えるようにした金型装置;
  2. 【請求項2】 構成要素(c)における左右一対の金型
    は、それぞれキャビティ表面を形成する金型構造体と金
    型本体とが別体とされ、該金型構造体の内部又は背面に
    熱媒体流路が形成されたものである請求項1記載のブロ
    ー成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のブロー
    成形装置を使用して、ブロー成形直前から金型の熱媒体
    流路に高温度の熱媒体を通過させてキャビティ表面を高
    温に保持し、ブロー成形品の冷却段階では、熱媒体流路
    に低温度の熱媒体を通過させてキャビティ表面を低温に
    保持する多層ブロー成形法において、熱媒体を高温時に
    おいても低温時においてもそれぞれ乱流条件で通過する
    ように十分な流速を与えることを特徴とするブロー成形
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のブロー
    成形装置を使用して、n層からなる多層パリソンの外層
    が、左右一対の金型パーティング面を境界線として左右
    各々異なる性状の樹脂で構成され、表側外層を構成する
    樹脂のDTUL(荷重たわみ温度:ASTM−D648
    準拠、1.81MPa荷重)が、裏側外層および内層を
    構成する樹脂のDTULよりも低く、かつブロー成形直
    前からブロー成形段階中はキャビティ表面を上記表側外
    層樹脂のDTUL以上の高温度に保持し、ついでパリソ
    ンをキャビティ表面に接触させた後の、ブロー成形品の
    冷却段階では、キャビティ表面を前記裏側外層及び内層
    樹脂のDTUL以下の低温度まで下降させることで樹脂
    を十分に固化させた後、1成形サイクル3分以内で成形
    品を取り出すことを特徴とするブロー成形方法。
  5. 【請求項5】 高温度の熱媒体に100℃以上の温度の
    高温水を、低温度の熱媒体に100℃未満の低温水を使
    用する請求項3または請求項4に記載のブロー成形方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜請求項5のいずれか1項に記
    載のブロー成形方法で成形された熱可塑性樹脂の中空成
    形体であって、製品の外表面が金型のパーティング面を
    境界線として左右各々異なる性状の樹脂で構成され、そ
    の表面は、JIS−B0601の中心線平均粗さ(R
    a)で定義される表面粗度が0.2μm以下か、又はJ
    IS−K7105で定義される60°鏡面光沢度が60
    %以上かの、少なくとも一方の表面特性を満たしている
    ことを特徴とするブロー成形体。
JP10075858A 1997-12-26 1998-03-24 ブロー成形装置と成形方法および成形体 Withdrawn JPH11268104A (ja)

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