JPH11267891A - 粉末成形プレスにおける粉末充填方法および給粉装置 - Google Patents
粉末成形プレスにおける粉末充填方法および給粉装置Info
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- JPH11267891A JPH11267891A JP7071298A JP7071298A JPH11267891A JP H11267891 A JPH11267891 A JP H11267891A JP 7071298 A JP7071298 A JP 7071298A JP 7071298 A JP7071298 A JP 7071298A JP H11267891 A JPH11267891 A JP H11267891A
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Abstract
際、従来はフィーダー内の粉末の重量を負荷したまま擦
り切るためにダイ内の表層部の粉末がフィーダーの後退
に引き摺られて動き、ダイ内壁の一方に片寄って密に堆
積する結果、密度の均一な成形品を得られなかった。こ
の現象は成形品が薄い場合に特に著しい。 【解決手段】 擦り切りを少なくとも2段階に分け、先
ずフィーダーの前縁12で所定の充填深さよりも若干厚
く残した状態で擦り切り、次にこの余分の粉末を掻き板
21で所定の充填深さに擦り切る。最終擦り切り時の負
荷が小さいために粉末の片寄りは生ぜず、厚さが薄い場
合でも均一に充填することができる。
Description
金,セラミックスなどの分野で用いられる粉末成形プレ
スにおける原料粉の充填方法および給粉装置、特にその
フィーダーに関するものである。
30に取り付けられたダイ40およびこのダイに嵌合す
る下パンチ50が形成するダイキャビティ内に、給粉装
置から原料粉を充填し、ダイ内の粉末を上・下のパンチ
間に圧縮成形するものであり、給粉装置は通常、図7に
例示するように高架されて原料粉を貯えるホッパー60
と底のない箱状のフィーダー10とをフレキシブルホー
ス61で連結した構成になっている。このフィーダー
は、先ずその待機位置からダイに向かって(図では左方
に)前進し、ダイ40の上に至って原料粉を流し込み、
次いでダイ内に堆積した粉末の上面をフィーダーの下縁
で平らに擦り切りつつ待機位置まで後退して充填の1サ
イクルを終了する訳である。図の11は、油圧シリンダ
ーなどの駆動装置(図示せず)に連結してフィーダーを
進退させる駆動ロッドである。
際、一般に用いられるのは落とし込み法で、図8の
(イ)が示すように、予め所定の充填深さまで下パンチ
50を下降させて(またはダイ40を上昇させて)ダイ
キャビティを形成しておき、その上にフィーダーを移動
させて粉末の自由落下によって充填する。この場合、粉
末の落下を容易にするために、ダイの上でフィーダーを
前後に数回振動させることが多い。
は深く、落とし込みでは十分な充填ができない場合に用
いられる吸い込み充填法で、図8の(ロ)が示すように
予めフィーダーをダイの上に移動させておき、次に所定
の充填深さまで下パンチ50を下降(またはダイ40を
上昇)させ、ダイキャビティを形成しつつフィーダーか
ら粉末を吸い込んで充填する。
の何れの場合でも、ダイキャビティが粉末で充満された
時点では図5の(イ)に示す状態になっている。この状
態からフィーダー10を後退させるとフィーダーは図の
(ロ)に示すように、その前縁12でダイ40内の粉末
を平らに擦り切りつつ待機位置に戻る。その際、ダイ内
の表層部の粉末はフィーダー(およびその中の粉末)の
移動に引き摺られて一緒に、フィーダーの後退方向に,
即ちフィーダーの待機位置側に動く傾向を示す。
したもので、(イ)の粉末充填状態では表層部の粉末は
待機位置側のダイ内壁に片寄って密に堆積し、その反対
側では、ダイ内壁から離れている。従ってこの状態で圧
縮成形すると、(ロ)に示すように圧粉密度がダイ内の
待機位置側では高く、その反対側(フィーダーの前進方
向)では低い圧粉体が成形される。この様な密度の不均
一は充填深さが浅い,従って得られる圧粉体の厚さが薄
い場合により顕著に生じ、その結果、焼結時に反りや歪
みを生じたり、焼結製品に強度などの機械的性質の不均
一,重心の偏りその他種々の欠陥を招くという問題があ
った。なおこの様な粉末の片寄り現象は粉末の充填深さ
が著しく浅い場合は更に顕著で、フィーダーの前進方向
(図の左側)のキャビティ内では、折角充填した粉末が
フィーダーに引き摺られて戻ってしまい、充填されない
ことがある。
てダイ内の(表層部の)粉末に前述のような片寄りを生
じるのは、フィーダー内の大量の粉末の重量が負荷され
た状態で擦り切られるためと考えられる。してみれば、
所定の充填深さでの擦り切りに先立ってダイの上に堆積
している粉末を減らし、表層部への負荷を軽減してから
擦り切るようにすれば、擦り切りに伴う粉末の片寄りは
解消されることになる。
たもので、従来はフィーダー本体と一体で常時ダイプレ
ート30に接していたその前縁12を分離して上下自在
に、且つその下端とフィーダーの下縁(ダイプレート3
0の上面)との隙間を任意に設定できる構造とし、且
つ、フィーダーの前部に一枚ないし複数枚の,その下縁
とダイプレートの上面との隙間を任意に調整できる掻き
板21を備える擦り切り装置20を設けたことを特徴と
するものである。前縁12と掻き板21の機能について
は、後に図2,図3に基づいて説明する。
係るフィーダーの一実施例を示したもので、図の(イ)
に示すように、従来はフィーダー本体10と一体であっ
た前縁12を分離して上下動自在に、且つその下端とフ
ィーダーの下縁(ダイプレート30の上端面)との隙間
を任意に設定して固定できる構造とした。従ってフィー
ダーはその隙間の分だけ、前面下部が開放されている。
そしてフィーダーの前面に支持枠22を設けてこの支持
枠に掻き板21を2枚、ダイプレートとの隙間を任意に
調整できるように取り付けてある。なお、図の(ロ)は
掻き板21などを省いてフィーダー本体10を前から見
た斜視図であり、前縁12は所定の位置に、止めネジ1
3で固定されている。駆動ロッド11はフィーダーの向
きを示すために描いたが、フレキシブルホース61は省
いてある。
のものを掻き板211,これと前縁12との中間のもの
を掻き板212,213…とすると、前縁12とダイプ
レートとの隙間は所定の充填深さよりも若干大きく設定
し、掻き板21とダイプレートとの隙間は、先端の掻き
板211では所定の充填深さと等しく、中間の掻き板2
12…では漸次段階的に大きくなるよう調整してある。
即ち、このフィーダーでは先ず前縁12が所定の充填深
さより若干余分に粉末を残して擦り切った後、この余分
の粉末を掻き板21が例えば鉋で板を削るように掻き取
って所定の充填深さに仕上げる訳である。従ってこの様
な目的に適するよう、その下端はナイフエッジ状で、且
つフィーダー側に(前縁12側に)傾いていることが好
ましい。ちなみに先端の掻き板211は必須であるが、
中間の掻き板212は省ける場合もあれば、2枚(2
段)以上を要する場合もある。
ィーダーを落とし込み充填法に適用した場合を示したも
ので、図の(イ)は待機位置から前進したフィーダー1
0がダイ40の上に至り、ダイ内に粉末が充填された状
態を示している。前縁12とダイプレート30との間に
は所定の隙間が設けられているので、フィーダー内の粉
末が一部、この隙間から前方に漏れている。ここで前縁
12の下端を通りダイプレート30と平行な面を仮想す
ると、フィーダーの後退に際してこの仮想平面より上に
ある粉末はフィーダーと一緒に戻り、仮想平面よりも下
の粉末は隙間と同じ厚さの層をなしてダイ上に残り、前
縁12による擦り切りの影響をこの層で受け止めてダイ
内の粉末に直接及ぶのを防止する。一方では、擦り切り
装置20に残される量が少ないほど中間の掻き板212
を減らせるので、隙間の大きさは上記の防止効果が有効
な範囲内で、なるべく小さく設定することが好ましい。
せると、(ロ)に示すように、ダイの上に前縁12が残
した粉末の一部を中間の掻き板212が先ず掻き取る。
残る粉末は先端の掻き板211によって擦り切られる
が、その厚さが僅かなのでダイ内の粉末には影響しな
い。かくして、従来のような擦り切りに伴う粉末の偏り
を生じることなく、精密な擦り切り充填が完了する。な
お、掻き板の隙間を個々に調整する代わりに支持枠22
を蝶番でフィーダーに取り付け、その角度の変更によっ
て一括して調整することもできる。
場合における吸い込み充填に、この発明に係るフィーダ
ーを応用した事例を図3に示す。図の(イ)は吸い込み
充填を説明した図8の(ロ)と同じく、ダイキャビティ
の形成前に、ダイ40のやや前方までフィーダー10を
(厳密にはその前縁12を)前進させた状態で、前縁1
2とダイプレートとの隙間は所定の充填深さよりも若干
大きく設定してある。また、この例では擦り切り装置2
0が掻き板21を2枚備えているが、それらの掻き板と
ダイプレートとの隙間は、中間の掻き板212では前縁
12の隙間より幾分小さくし、先端の掻き板211では
所定の充填深さと等しく調節してある。
(ロ)に示すように前縁12の隙間からフィーダー内の
粉末が、所定の充填深さより若干厚い層をなして流れ出
す。続いてこの層の表面を中間の掻き板212が削り、
最後に先端の掻き板211によって所定の充填深さと等
しい厚さに擦り切られる。かくして所定の厚さの粉末層
がダイ40およびその前後のダイプレート30の上に形
成されるが、この層は少しずつ段階的に削り取って形成
されたもので、且つ連続しているので、粉末の部分的な
偏りは生じない。そこで下パンチ50を下降(またはダ
イ40を上昇)させれば、(ハ)に示すように下パンチ
の上の粉末がダイ内にそのまま移行し、均一で所定の充
填深さの吸い込み充填が完了する。この充填方式では厚
さが薄い場合にも均質で精密な充填が可能なので、例え
ば半導体装置のセラミックス部品などの成形に利用する
ことができる。
傾斜手段,例えば図4に示すようにフィーダー10に嵌
めた外枠14を調節ネジ15で加減するなどの手段を設
けてフィーダーを側方に傾斜させておくことにより、厚
さが連続的に変化した粉末層が得られる。そこで、その
まま吸い込み充填して成形すれば、密度およびそれに伴
う強度,含浸率その他の諸性質が連続的に変化した、機
能傾斜型の製品を得ることができる。また調節ネジ15
を加減してフィーダーを前方に傾斜させると、前縁12
および掻き板21とダイプレートとの隙間を小さくする
ことができる。そこでこれらの隙間を予め大まかに設定
しておき、調節ネジ15によって微調整することも可能
である。
掻き板21を上下に移動することでダイプレートとの隙
間を調整する態様の実施例であるが、前縁12および掻
き板21の上端に軸を設けてこの軸をフィーダーまたは
支持枠20の側壁に揺動自在に取り付け、ダイプレート
との隙間が所定の大きさになるよう傾斜させ、ナットな
どで固定する方式も可能である。また掻き板21は、フ
ィーダー10の前方に設けた支持枠20に取り付けた態
様の実施例を示したが、従来のフィーダーからその前縁
を取り除き、その中に実施例の前縁12に相当する掻き
板および掻き板211,212…を配置した構造とする
こともできる。
フィーダーの擦り切りに伴うダイ内の粉末の片寄りが解
消され、製品の厚さが厚い場合はもとより薄い場合にも
偏りのない、均質で精密な成形品を得ることができる。
る図面である。
用態様を説明する図面である。
用態様を説明する図面である。
図面である。
る。
りを生じた状態、およびそれを圧縮成形した状態を説明
する模式図である。
を説明する図面である。
説明する図面である。
0…ダイプレート,40…ダイ,50…下パンチ,60
…ホッパー,61…フレキシブルホース,13…止めネ
ジ,20…擦り切り装置,21…掻き板,22…支持
枠,14…外枠,15…調節ネジ,70…上パンチ。
Claims (8)
- 【請求項1】 粉末成形プレスのダイプレート上を進退
する底のない箱状のフィーダーによる後退時の粉末擦り
切りを少なくとも2段階に分け、第1段階でダイ上に供
給された粉末を所定の充填深さよりも若干厚く残して擦
り切り、この残余の粉末を第2段階ないし最終段階で所
定の充填深さに擦り切ることを特徴とする、粉末成形プ
レスにおける粉末充填方法。 - 【請求項2】 予め下パンチ50をダイプレートの面ま
で上昇させておき、ダイプレートおよび下パンチの上に
所定の充填深さに等しい厚さの粉末層を形成したのち、
下パンチ50を下降させてその上に堆積している粉末を
ダイ内に移行させることを特徴とする、請求項1に記載
の粉末充填方法。 - 【請求項3】 粉末成形プレスのダイプレート上を進退
する底のない箱状のフィーダーにおいてフィーダーの前
縁12の前方に掻き板21を設け、前縁12とダイプレ
ートとの隙間を所定の充填深さよりも若干厚く設定し、
掻き板21とダイプレートとの隙間を所定の充填深さに
調整したことを特徴とする、粉末成形プレスにおける給
粉装置のフィーダー。 - 【請求項4】 掻き板21が1枚の先端掻き板211
と,少なくとも1枚の中間掻き板212とから構成さ
れ、中間掻き板212とダイプレートとの隙間を前縁1
2および先端掻き板211の隙間の中間の大きさに調整
した、請求項3に記載の給粉装置のフィーダー。 - 【請求項5】 掻き板の下端がナイフエッジ状で且つフ
ィーダー側に傾いている、請求項3または請求項4に記
載の給粉装置のフィーダー。 - 【請求項6】 フィーダーの前縁12および掻き板21
が、各々の下端とダイプレートとの隙間を任意の大きさ
に可変設定できる請求項3,請求項4または請求項5に
記載の給粉装置のフィーダー。 - 【請求項7】 フィーダーの前縁12および掻き板21
のダイプレートとの隙間の可変手段が、前縁12および
掻き板21を上下に移動または各々の上端を回転軸とす
る揺動である請求項6に記載の給粉装置のフィーダー。 - 【請求項8】 フィーダーをその進退方向に,または側
方に傾斜させる手段を備えた請求項3,請求項4,請求
項5,請求項6または請求項7に記載の給粉装置のフィ
ーダー。
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