JPH11267820A - 溶鋼通過孔の内面の補修材とその補修材を使用する溶鋼通過孔の内面の補修方法 - Google Patents
溶鋼通過孔の内面の補修材とその補修材を使用する溶鋼通過孔の内面の補修方法Info
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- JPH11267820A JPH11267820A JP7634298A JP7634298A JPH11267820A JP H11267820 A JPH11267820 A JP H11267820A JP 7634298 A JP7634298 A JP 7634298A JP 7634298 A JP7634298 A JP 7634298A JP H11267820 A JPH11267820 A JP H11267820A
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Landscapes
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶鋼の通過孔の内面を補修するにあたっ
て、簡便安価で、確実な溶鋼の通過孔の内面の補修手段
を提供すること。 【解決手段】筒体3の外面に、溶鋼通過孔の内径と筒体
の外径との隙間以下の厚みを有する可塑性を有するシー
ト状耐火物2を配置し、この筒体を溶鋼通過孔に挿入
し、挿入後に筒体の拘束力が無くなることで、薄板の径
が拡大しようとる力を利用してシート状耐火物を溶鋼通
過孔の内面に押しつけ固着する。
て、簡便安価で、確実な溶鋼の通過孔の内面の補修手段
を提供すること。 【解決手段】筒体3の外面に、溶鋼通過孔の内径と筒体
の外径との隙間以下の厚みを有する可塑性を有するシー
ト状耐火物2を配置し、この筒体を溶鋼通過孔に挿入
し、挿入後に筒体の拘束力が無くなることで、薄板の径
が拡大しようとる力を利用してシート状耐火物を溶鋼通
過孔の内面に押しつけ固着する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転炉や電気炉の溶
鋼排出孔あるいは取鍋やタンディッシュに装着するスラ
イディングノズル装置に使用する上ノズル、プレートま
たは下部ノズル等の溶鋼通過孔の内面の補修に関する。
鋼排出孔あるいは取鍋やタンディッシュに装着するスラ
イディングノズル装置に使用する上ノズル、プレートま
たは下部ノズル等の溶鋼通過孔の内面の補修に関する。
【0002】
【従来の技術】このような溶鋼通過孔は、排出時の溶鋼
による摩耗や熱衝撃あるいはスラグによる溶損により、
損傷しその内径が拡大してくる。
による摩耗や熱衝撃あるいはスラグによる溶損により、
損傷しその内径が拡大してくる。
【0003】この溶鋼通過孔の内面の損傷がひどくなる
と、例えば、転炉から溶鋼を排出する出鋼孔は、あらか
じめスリーブ状の耐火物を交換可能に装着しておき、損
傷が大きくなるとスリーブ状の耐火物のみを交換すると
いう要領で、新しい耐火物に交換する。
と、例えば、転炉から溶鋼を排出する出鋼孔は、あらか
じめスリーブ状の耐火物を交換可能に装着しておき、損
傷が大きくなるとスリーブ状の耐火物のみを交換すると
いう要領で、新しい耐火物に交換する。
【0004】たとえば、取鍋の上ノズルにおいても、あ
らかじめ上ノズルが交換できる様にノズル受けれんがに
装着されて、予め、上ノズルが交換できる様にしてい
る。
らかじめ上ノズルが交換できる様にノズル受けれんがに
装着されて、予め、上ノズルが交換できる様にしてい
る。
【0005】ところが、これの実際の交換作業に際して
は、古い耐火物の解体作業、解体後の清掃作業そして新
しい耐火物の装着作業等の作業が必要で非常に時間を要
することと、耐火物そのもののコストが嵩む。
は、古い耐火物の解体作業、解体後の清掃作業そして新
しい耐火物の装着作業等の作業が必要で非常に時間を要
することと、耐火物そのもののコストが嵩む。
【0006】このため、溶鋼の通過孔の内面のみを補修
する方法が検討され、例えば、上ノズルについては、特
開昭55−54261号公報に、溶損摩耗した上部ノズ
ルの内壁を酸素で洗浄して付着地金を除去した後、ノズ
ル孔内に筒状耐火物を挿入する様にした後、ノズル孔内
壁と筒状耐火物の外壁間にモルタルを充填して,筒状耐
火物をノズル孔に固着嵌合させる方法が提案されてい
る。
する方法が検討され、例えば、上ノズルについては、特
開昭55−54261号公報に、溶損摩耗した上部ノズ
ルの内壁を酸素で洗浄して付着地金を除去した後、ノズ
ル孔内に筒状耐火物を挿入する様にした後、ノズル孔内
壁と筒状耐火物の外壁間にモルタルを充填して,筒状耐
火物をノズル孔に固着嵌合させる方法が提案されてい
る。
【0007】しかしながら、上ノズルの内壁は均一に溶
損することはむしろ希で、通常は片寄って溶損してい
る。このため、筒状の耐火物が装着しにくい問題があ
る。また、筒状耐火物は肉厚が薄いために高強度なもの
が必要であり、かなり高価になる。
損することはむしろ希で、通常は片寄って溶損してい
る。このため、筒状の耐火物が装着しにくい問題があ
る。また、筒状耐火物は肉厚が薄いために高強度なもの
が必要であり、かなり高価になる。
【0008】また、溶鋼通過孔の内面に不定形耐火物を
吹き付ける方法も考えられるが、上ノズル等の孔径が小
さいものには、吹き付け装置を小さくする必要があり、
その設計が難しく、また、作業も非常に手間がかかる。
そして手間がかかる割には、付着物がはがれやすいとい
う欠点があり、実用的ではない。
吹き付ける方法も考えられるが、上ノズル等の孔径が小
さいものには、吹き付け装置を小さくする必要があり、
その設計が難しく、また、作業も非常に手間がかかる。
そして手間がかかる割には、付着物がはがれやすいとい
う欠点があり、実用的ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決すべき課
題は、溶鋼の通過孔の内面を補修するにあたって、簡便
安価で、確実な手段を提供することである。
題は、溶鋼の通過孔の内面を補修するにあたって、簡便
安価で、確実な手段を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、溶
鋼通過孔の内径より小さな外径を有し、加熱により溶
融、焼失または分解する筒体の外面に、シート状耐火物
を配置したことを特徴とする溶鋼通過孔の内面の補修材
である。
鋼通過孔の内径より小さな外径を有し、加熱により溶
融、焼失または分解する筒体の外面に、シート状耐火物
を配置したことを特徴とする溶鋼通過孔の内面の補修材
である。
【0011】シート状耐火物は、可塑性を有する薄板状
の耐火物であって、常温又は熱間で溶鋼通過孔に挿入し
たときに、押しつけ力により変形し溶鋼通過孔の内面と
十分接触し、押しつけ時の耐火物の保有熱や使用される
までの予熱等により硬化して、溶鋼通過孔の表面に強固
に付着しかつ十分な耐用性を示す耐火物である。具体的
には、連続鋳造用ノズル等を接続するときにパッキンと
して使用されるものが使用でき、例えば特開昭57−1
23871号公報に開示されているように、耐火粉末の
少なくとも1種以上及び繊維よりなる配合に、低融点金
属及びバインダーを添加して混練、成形されてなるパッ
キンがある。さらに、特開平7−330448号公報に
開示されているように、装着される温度に応じて、低融
点ガラスを添加しておき、装着時に溶鋼通過孔の熱でよ
り軟化変形しやすくなるタイプもある。これらのシート
状耐火物は、常温でも軟らかく可塑性を有するため、使
用直前にシート状にしたりあるいは必要な大きさに切断
して使用することができる。また、最近は、常温では固
く熱を受けると軟らかくなるタイプも特開平6−142
859号公報に開示されているが、これも同様に使用す
ることができる。このほか、プラスチック材、パッチン
グ材あるいは固めに練ったモルタル等も使用可能であ
る。また、あらかじめ種々の厚みのシート状耐火物を準
備しておき、損傷の程度に応じて補修厚みを変えること
ができ、さらに偏った損傷に対しては損傷の大きい部分
のみにシート状耐火物を厚く設けることもできる。
の耐火物であって、常温又は熱間で溶鋼通過孔に挿入し
たときに、押しつけ力により変形し溶鋼通過孔の内面と
十分接触し、押しつけ時の耐火物の保有熱や使用される
までの予熱等により硬化して、溶鋼通過孔の表面に強固
に付着しかつ十分な耐用性を示す耐火物である。具体的
には、連続鋳造用ノズル等を接続するときにパッキンと
して使用されるものが使用でき、例えば特開昭57−1
23871号公報に開示されているように、耐火粉末の
少なくとも1種以上及び繊維よりなる配合に、低融点金
属及びバインダーを添加して混練、成形されてなるパッ
キンがある。さらに、特開平7−330448号公報に
開示されているように、装着される温度に応じて、低融
点ガラスを添加しておき、装着時に溶鋼通過孔の熱でよ
り軟化変形しやすくなるタイプもある。これらのシート
状耐火物は、常温でも軟らかく可塑性を有するため、使
用直前にシート状にしたりあるいは必要な大きさに切断
して使用することができる。また、最近は、常温では固
く熱を受けると軟らかくなるタイプも特開平6−142
859号公報に開示されているが、これも同様に使用す
ることができる。このほか、プラスチック材、パッチン
グ材あるいは固めに練ったモルタル等も使用可能であ
る。また、あらかじめ種々の厚みのシート状耐火物を準
備しておき、損傷の程度に応じて補修厚みを変えること
ができ、さらに偏った損傷に対しては損傷の大きい部分
のみにシート状耐火物を厚く設けることもできる。
【0012】シート状耐火物は有機バインダーや水分等
を含んでいるため、装着時にガスや蒸気が多く発生する
ために、あらかじめ貫通孔を設けておくと、低温領域か
らガスや蒸気が逃げるために組織をより緻密にすること
ができる。この貫通孔は、筒体の外周面から中心軸方向
に向かって設ける。また、シート状耐火物を筒体に配置
するときに、この貫通孔によりシート状耐火物が滑って
落下することを防止することができる。
を含んでいるため、装着時にガスや蒸気が多く発生する
ために、あらかじめ貫通孔を設けておくと、低温領域か
らガスや蒸気が逃げるために組織をより緻密にすること
ができる。この貫通孔は、筒体の外周面から中心軸方向
に向かって設ける。また、シート状耐火物を筒体に配置
するときに、この貫通孔によりシート状耐火物が滑って
落下することを防止することができる。
【0013】このシート状耐火物は、損傷した溶鋼通過
孔の内面に押し付けると内面の凹凸に応じて変形する。
そして、常温の場合には、主として内面の凹凸との物理
的絡み合いで、また、熱間の場合には、主に化学結合に
より、広い面積でシート状耐火物が接着することで補修
面を形成する。シート状耐火物は可塑性を有するため、
好きな大きさにすることができ、補修する部位の大きさ
に切って、筒体に貼り付けて装着することで任意の部位
のみを補修することもできる。
孔の内面に押し付けると内面の凹凸に応じて変形する。
そして、常温の場合には、主として内面の凹凸との物理
的絡み合いで、また、熱間の場合には、主に化学結合に
より、広い面積でシート状耐火物が接着することで補修
面を形成する。シート状耐火物は可塑性を有するため、
好きな大きさにすることができ、補修する部位の大きさ
に切って、筒体に貼り付けて装着することで任意の部位
のみを補修することもできる。
【0014】また、このシート状耐火物の内面は筒体に
接触しているため、溶鋼の流れを乱しにくい滑らかな表
面を持ち、且つ、正確な孔径を有する溶鋼通過孔が形成
できる。
接触しているため、溶鋼の流れを乱しにくい滑らかな表
面を持ち、且つ、正確な孔径を有する溶鋼通過孔が形成
できる。
【0015】このシート状耐火物の溶鋼通過孔への挿入
は、溶鋼通過孔まで作業者が近づけるときには手を使っ
て外面にシート状耐火物を設けた筒体を挿入し、離れて
いるときは冶具を使って行う。
は、溶鋼通過孔まで作業者が近づけるときには手を使っ
て外面にシート状耐火物を設けた筒体を挿入し、離れて
いるときは冶具を使って行う。
【0016】筒体を溶鋼の内面により強く押し付けるに
は、シート状耐火物の厚みを、筒体の外径と溶鋼通過孔
の内径との隙間より厚くしたものを使用することによっ
て、押しつけ力が得られる。また、筒体を円錐台形とす
ることで、筒体を挿入するときにシート状耐火物をさら
に強く押しつけることができ、溶鋼通過孔が擂鉢状の場
合にも対応できる。さらに、筒体を、挿入直後にその筒
体形状の拘束が解けて外径が広がる構造にしておくこと
によって、より強い押しつけ力が得られる。
は、シート状耐火物の厚みを、筒体の外径と溶鋼通過孔
の内径との隙間より厚くしたものを使用することによっ
て、押しつけ力が得られる。また、筒体を円錐台形とす
ることで、筒体を挿入するときにシート状耐火物をさら
に強く押しつけることができ、溶鋼通過孔が擂鉢状の場
合にも対応できる。さらに、筒体を、挿入直後にその筒
体形状の拘束が解けて外径が広がる構造にしておくこと
によって、より強い押しつけ力が得られる。
【0017】この筒体を構成する材料として、加熱によ
り溶融、焼失、または分解する金属、紙、高分子樹脂、
木または黒鉛等の材料を使用することによって、溶鋼の
通過を妨げることがない。この中でも金属は、耐熱性と
強度の面から都合が良く、特に鉄材は、成分的にも溶鋼
に溶け込んでも不純物となりにくいため好ましい。
り溶融、焼失、または分解する金属、紙、高分子樹脂、
木または黒鉛等の材料を使用することによって、溶鋼の
通過を妨げることがない。この中でも金属は、耐熱性と
強度の面から都合が良く、特に鉄材は、成分的にも溶鋼
に溶け込んでも不純物となりにくいため好ましい。
【0018】さらに、この筒体は、薄板を巻いたもので
作製すると、運搬や保管面で便利である。例えば、あら
かじめ拘束するためのバンドを準備しておき、使用前に
薄板を巻いてこのバンドで形状を拘束することにより、
所定の外径の筒体を簡単に得ることができ、運搬や保管
時にかさばることもない。
作製すると、運搬や保管面で便利である。例えば、あら
かじめ拘束するためのバンドを準備しておき、使用前に
薄板を巻いてこのバンドで形状を拘束することにより、
所定の外径の筒体を簡単に得ることができ、運搬や保管
時にかさばることもない。
【0019】筒体の厚みは、溶鋼の通過を妨げない範囲
で筒体を溶鋼通過孔に挿入する時に変形しないような厚
みが必要であり、金属の場合には0.1〜3mmが好ま
しく、0.lmm未満では溶鋼通過孔に装着するときに
保形性がないため、ハンドリングしにくくなり、3mm
を越えると溶鋼の熱で除去されにくく、溶鋼通過孔の閉
塞の原因になる可能性がある。有機物の場合にはそれぞ
れの素材に応じて決められるものであるが、0.5〜1
0mm程度である。0.5mm未満では保形成がなく、
10mmを越えると溶鋼の通過時の障害になることがあ
る。
で筒体を溶鋼通過孔に挿入する時に変形しないような厚
みが必要であり、金属の場合には0.1〜3mmが好ま
しく、0.lmm未満では溶鋼通過孔に装着するときに
保形性がないため、ハンドリングしにくくなり、3mm
を越えると溶鋼の熱で除去されにくく、溶鋼通過孔の閉
塞の原因になる可能性がある。有機物の場合にはそれぞ
れの素材に応じて決められるものであるが、0.5〜1
0mm程度である。0.5mm未満では保形成がなく、
10mmを越えると溶鋼の通過時の障害になることがあ
る。
【0020】この筒体は、外面にシート状耐火物を配置
して、溶鋼通過孔に挿入するので、筒体の外径は挿入直
前の溶鋼の通過孔の内径より小さくなくてはならない。
筒体の外径は、補修される溶鋼通過孔の補修後の孔径と
シート状耐火物の厚みに応じて決まる。
して、溶鋼通過孔に挿入するので、筒体の外径は挿入直
前の溶鋼の通過孔の内径より小さくなくてはならない。
筒体の外径は、補修される溶鋼通過孔の補修後の孔径と
シート状耐火物の厚みに応じて決まる。
【0021】筒体の形状は、溶鋼通過孔の形状に応じて
決めることができ一般的には円筒や円錐台形をした筒等
である。円錐台形の場合には、シート状耐火物をより強
く溶鋼通過孔の内面に押しつけることができ、より強い
接着力が得られる。
決めることができ一般的には円筒や円錐台形をした筒等
である。円錐台形の場合には、シート状耐火物をより強
く溶鋼通過孔の内面に押しつけることができ、より強い
接着力が得られる。
【0022】筒体の長さは、補修される面の長さに応じ
て決まり、補修部位以上の長さであれば問題無いが、筒
体が長すぎても溶融したり焼失するので特に間題はな
い。
て決まり、補修部位以上の長さであれば問題無いが、筒
体が長すぎても溶融したり焼失するので特に間題はな
い。
【0023】補修作業は、筒体の外面にシート状耐火物
を巻き付けつけることで配置して、手で挿入したりある
いは作業用治具で挿入し押しつけるような簡便な操作で
行うことができる。この時に、溶鋼通過孔の内径と筒体
の外径との隙間以上の厚みを有する可塑性を有するシー
ト状耐火物を配置すると、筒体を挿入するときに溶鋼通
過孔の内面にシート状耐火物をより強く押しつけること
ができ、強い接着力が得られる。
を巻き付けつけることで配置して、手で挿入したりある
いは作業用治具で挿入し押しつけるような簡便な操作で
行うことができる。この時に、溶鋼通過孔の内径と筒体
の外径との隙間以上の厚みを有する可塑性を有するシー
ト状耐火物を配置すると、筒体を挿入するときに溶鋼通
過孔の内面にシート状耐火物をより強く押しつけること
ができ、強い接着力が得られる。
【0024】さらに、筒体が金属の薄板を巻いて拘束し
たものであって、150℃〜800℃の温度で拘束力が
無くなる材料を使って拘束することで、筒体を挿入した
後で拘束が外れ、筒体の外径が広がろうとするために、
溶鋼通過孔の内面にシート状耐火物をより強く押しつけ
ることができ、強い接着力が得られる。
たものであって、150℃〜800℃の温度で拘束力が
無くなる材料を使って拘束することで、筒体を挿入した
後で拘束が外れ、筒体の外径が広がろうとするために、
溶鋼通過孔の内面にシート状耐火物をより強く押しつけ
ることができ、強い接着力が得られる。
【0025】150℃〜800℃で拘束力が無くなる材
料としては、例えば紙、高分子樹脂あるいは半田等が使
用でき、紙や高分子樹脂はバンド状にして外周を拘束す
ることができ、半田は部分的に接合するとよい。
料としては、例えば紙、高分子樹脂あるいは半田等が使
用でき、紙や高分子樹脂はバンド状にして外周を拘束す
ることができ、半田は部分的に接合するとよい。
【0026】この筒体の外面に、溶鋼通過孔の内径と筒
体の外径との隙間以下の厚みを有する可塑性を有するシ
ート状耐火物を配置し、この筒体を溶鋼通過孔に挿入
し、挿入後に筒体の拘束力が無くなることで、薄板の径
が拡大しようとする力を利用してシート状耐火物を溶鋼
通過孔の内面に押しつけ固着することもできる。この時
には、溶鋼通過孔の中に挿入するだけで内面にシート状
耐火物を押しつけることができるので、作業がより安全
で簡便である。
体の外径との隙間以下の厚みを有する可塑性を有するシ
ート状耐火物を配置し、この筒体を溶鋼通過孔に挿入
し、挿入後に筒体の拘束力が無くなることで、薄板の径
が拡大しようとする力を利用してシート状耐火物を溶鋼
通過孔の内面に押しつけ固着することもできる。この時
には、溶鋼通過孔の中に挿入するだけで内面にシート状
耐火物を押しつけることができるので、作業がより安全
で簡便である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明の実
施の形態を説明する。
施の形態を説明する。
【0028】
【実施例1】本発明の第1の実施例を図1と図2に示
す。図lは取鍋の底に設けた上ノズル5の溶鋼通過孔1
の内面4に、シート状耐火物2を外面に配置した筒体3
からなる補修材を押しつけ治具6を使って挿入した状態
を示す。図2は、1.2mm厚みの鋼板で形成した筒体
3の外面に厚み5mmのアルミナ質からなるシート状耐
火物2を配置した補修材を示す。このシート状耐火物
は、粒径lmm以下のアルミナ質原料、粘土、金属アル
ミと棚珪酸ガラスからなる配合にフェノール樹脂を添加
し、厚み5mmのシート状に成形したものである。
す。図lは取鍋の底に設けた上ノズル5の溶鋼通過孔1
の内面4に、シート状耐火物2を外面に配置した筒体3
からなる補修材を押しつけ治具6を使って挿入した状態
を示す。図2は、1.2mm厚みの鋼板で形成した筒体
3の外面に厚み5mmのアルミナ質からなるシート状耐
火物2を配置した補修材を示す。このシート状耐火物
は、粒径lmm以下のアルミナ質原料、粘土、金属アル
ミと棚珪酸ガラスからなる配合にフェノール樹脂を添加
し、厚み5mmのシート状に成形したものである。
【0029】また、筒体3として図3に示す円錐台形と
した筒体31を使用することができる。そして、この筒
体31の径の大きい方に切り込み7を軸方向に3本入れ
た例を示し、これによって、筒体32の外面にシート状
耐火物を巻き付けて溶鋼通過孔に挿入するに当たって、
切り込み7を設けた端部を広げることで、シート状耐火
物をより強く押し付けることができる。
した筒体31を使用することができる。そして、この筒
体31の径の大きい方に切り込み7を軸方向に3本入れ
た例を示し、これによって、筒体32の外面にシート状
耐火物を巻き付けて溶鋼通過孔に挿入するに当たって、
切り込み7を設けた端部を広げることで、シート状耐火
物をより強く押し付けることができる。
【0030】補修材の挿入作業は、溶鋼を排出した後上
ノズル5の溶鋼通過孔1を酸素で洗浄した後、ノズル孔
の溶損状況を観察して、シート状耐火物2を筒体3の外
面に巻き付けたものを、押しつけ治具6を使って溶鋼通
過孔1に挿入する。
ノズル5の溶鋼通過孔1を酸素で洗浄した後、ノズル孔
の溶損状況を観察して、シート状耐火物2を筒体3の外
面に巻き付けたものを、押しつけ治具6を使って溶鋼通
過孔1に挿入する。
【0031】この治具6は鉄製で、先端を溶鋼通過孔の
テーパに合わせて円錐台形としたものである。このと
き、作業中に筒体が冶具から落下しないように、取鍋を
傾斜して、ノズル孔を作業者から見て斜め上方に位置さ
せて、斜め上方に向かって冶具を動かして、ノズル孔へ
筒体を押しつけた。
テーパに合わせて円錐台形としたものである。このと
き、作業中に筒体が冶具から落下しないように、取鍋を
傾斜して、ノズル孔を作業者から見て斜め上方に位置さ
せて、斜め上方に向かって冶具を動かして、ノズル孔へ
筒体を押しつけた。
【0032】この押しつけ治具6で、約1分間押し付け
た後、押しつけ治具を外した。この時上ノズル5の溶鋼
通過孔の表面温度は約800度であり、シート状耐火物
2を押しつけると、シート状耐火物は軟化し、溶鋼通過
孔の表面の凹凸に応じて変形し、その表面に十分接着し
た。
た後、押しつけ治具を外した。この時上ノズル5の溶鋼
通過孔の表面温度は約800度であり、シート状耐火物
2を押しつけると、シート状耐火物は軟化し、溶鋼通過
孔の表面の凹凸に応じて変形し、その表面に十分接着し
た。
【0033】10個の上ノズルを5回使用する毎に補修
作業を実施した結果、溶鋼通過孔の平均耐用回数が従来
の22.5回から31.7回に向上した。
作業を実施した結果、溶鋼通過孔の平均耐用回数が従来
の22.5回から31.7回に向上した。
【0034】
【実施例2】この例の場合は、実施例1において、上ノ
ズルの溶鋼通過孔1が直線状になっている部分のみを補
修するもので、取鍋の底面側から円筒形状の筒体32を
使用して補修する例を示す。
ズルの溶鋼通過孔1が直線状になっている部分のみを補
修するもので、取鍋の底面側から円筒形状の筒体32を
使用して補修する例を示す。
【0035】図4はこの筒体32を示す。この筒体32
は、0.4mmの四角形に切ったスチール製の薄板8を
準備し、これに厚み0.6mm、幅10mmのスチール
製のバンド9を巻いて成形したものである。この筒体3
2を現場で組み立てれば、薄板8の保管は嵩張らずにで
きる。このバンド9として、スチール製に代えて化学繊
維(ポリエステル)製のものも使用できる。この筒体3
2には、直径3mmの貫通孔10を8個設けている。こ
れによって、シート状耐火物が加熱されることによって
発生するガスをシート状耐火物が硬化する前に逃がすこ
とできるため、補修した組織が緻密になる。さらにシー
ト状耐火物の滑り止めにもなる。
は、0.4mmの四角形に切ったスチール製の薄板8を
準備し、これに厚み0.6mm、幅10mmのスチール
製のバンド9を巻いて成形したものである。この筒体3
2を現場で組み立てれば、薄板8の保管は嵩張らずにで
きる。このバンド9として、スチール製に代えて化学繊
維(ポリエステル)製のものも使用できる。この筒体3
2には、直径3mmの貫通孔10を8個設けている。こ
れによって、シート状耐火物が加熱されることによって
発生するガスをシート状耐火物が硬化する前に逃がすこ
とできるため、補修した組織が緻密になる。さらにシー
ト状耐火物の滑り止めにもなる。
【0036】図5は、取鍋の底に設けた上ノズル5の溶
鋼通過孔1の内面4に、シート状耐火物2を外面に配置
した筒体32を挿入した状態を示す。補修作業は以下の
手順にて行なった。
鋼通過孔1の内面4に、シート状耐火物2を外面に配置
した筒体32を挿入した状態を示す。補修作業は以下の
手順にて行なった。
【0037】まず、溶鋼を排出した後、上ノズル5の溶
鋼通過孔1を酸素で洗浄し、溶鋼通過孔の溶損状況を観
察して、溶鋼通過孔の内径を測定した。
鋼通過孔1を酸素で洗浄し、溶鋼通過孔の溶損状況を観
察して、溶鋼通過孔の内径を測定した。
【0038】この時、ストレート部7の内孔の最小径は
58mmであった。次に、厚み3mmの実施例1と同材
質のアルミナ質のシート状耐火物2を、前記筒体3の外
面の全面に巻き付け(外径56mm)、取鍋の底側から
手で挿入した。挿入後、数分でバンドの強度が低下し切
れたため拘束がなくなり、筒体32の外径が広がり、シ
ート状耐火物2を溶鋼通過孔の内面4に強く押しつける
ことができた。そして、この状態のまま、取鍋内に溶鋼
を受け通常の作業を支障なく行うことができた。
58mmであった。次に、厚み3mmの実施例1と同材
質のアルミナ質のシート状耐火物2を、前記筒体3の外
面の全面に巻き付け(外径56mm)、取鍋の底側から
手で挿入した。挿入後、数分でバンドの強度が低下し切
れたため拘束がなくなり、筒体32の外径が広がり、シ
ート状耐火物2を溶鋼通過孔の内面4に強く押しつける
ことができた。そして、この状態のまま、取鍋内に溶鋼
を受け通常の作業を支障なく行うことができた。
【0039】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。
【0040】(1)非常に簡便で安価な方法で溶鋼通過
孔を補修することができ、その耐用性も向上する。
孔を補修することができ、その耐用性も向上する。
【0041】(2)挿入時の押しつけ力でシート状耐火
物を溶鋼通過孔の内面に接着することで、より強い押し
つけ力が得られ、シート状耐火物が強固に接着するので
耐用性が向上する。
物を溶鋼通過孔の内面に接着することで、より強い押し
つけ力が得られ、シート状耐火物が強固に接着するので
耐用性が向上する。
【0042】(3)筒体が薄板を巻く構造とすること
で、輪送や保管の際に嵩張ることがない。
で、輪送や保管の際に嵩張ることがない。
【0043】(4)筒体の一端側に、筒体の軸方向に複
数の切り込みを設けることで、溶鋼の表面にシート状耐
火物を強く押しつけることができるのでより高い接着強
度が得られる。
数の切り込みを設けることで、溶鋼の表面にシート状耐
火物を強く押しつけることができるのでより高い接着強
度が得られる。
【0044】(5)筒体の材質を鉄とすることで、溶鋼
の通過時点で筒体は確実に溶融するので溶鋼通過孔が詰
まる可能が少なく、しかも溶鋼や耐火物に対して悪影響
を及ぼす成分がないので、溶鋼の品質や補修材の耐用性
に対する悪影響がほとんどない。
の通過時点で筒体は確実に溶融するので溶鋼通過孔が詰
まる可能が少なく、しかも溶鋼や耐火物に対して悪影響
を及ぼす成分がないので、溶鋼の品質や補修材の耐用性
に対する悪影響がほとんどない。
【0045】(6)筒体を、厚み0.1〜3mmのスチ
ール製薄板から製造することで、より安定したハンドリ
ング作業ができ、かつ鉄の残留を起因とする介在物の付
着等のトラブルを防止することができる。
ール製薄板から製造することで、より安定したハンドリ
ング作業ができ、かつ鉄の残留を起因とする介在物の付
着等のトラブルを防止することができる。
【図1】 本発明を上ノズルの溶鋼通過孔の補修に適用
した実施例を示す。
した実施例を示す。
【図2】 本発明の補修材の実施例を示す。
【図3】 本発明の補修材のための筒体の構造例を示
す。
す。
【図4】 本発明の補修材のための筒体の他の構造例を
示す。
示す。
【図5】 本発明を上ノズルの溶鋼通過孔の直線部分の
補修に適用した実施例を示す。
補修に適用した実施例を示す。
1 溶鋼通過孔 2 シート状耐火物 3、3
1、32 筒体 4 溶鋼通過孔の内面 5 上ノズル 6 押し
つけ治具 7 筒体の切り込み 8 スチール製の薄板 9
バンド 10 貫通孔
1、32 筒体 4 溶鋼通過孔の内面 5 上ノズル 6 押し
つけ治具 7 筒体の切り込み 8 スチール製の薄板 9
バンド 10 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 敏秀 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎窯業株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 溶鋼通過孔の内径より小さい外径を有
し、加熱により溶融、焼失または分解する筒体の外面に
シート状耐火物を配置した溶鋼通過孔の内面の補修材。 - 【請求項2】 シート状耐火物が、溶鋼通過孔の内径と
筒体の外径との隙間以上の厚みを有する請求項1に記載
の溶融金属通過孔の内面の補修材。 - 【請求項3】 筒体が、薄板を巻き、その外周面をバン
ドで拘束したものである請求項1または請求項2に記載
の溶鋼通過孔の内面の補修材。 - 【請求項4】 筒体が、一端側に、筒体の軸方向に複数
の切り込みを設けた請求項1から請求項3の何れかに記
載の溶鋼通過孔の内面の補修材。 - 【請求項5】 筒体の材質が、鉄材である請求項1から
請求項4の何れかに記載の溶鋼通過孔の内面の補修材。 - 【請求項6】 筒体が、0.1〜3mmの厚みを有する
請求項5に記載の溶鋼通過孔の内面の補修材。 - 【請求項7】 筒体に外周面から中心軸方向に向かって
貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1から請求項6
の何れかに記載の溶鋼通過孔の内面の補修材。 - 【請求項8】 筒体が薄板を巻いて拘束したものであっ
て、その薄板が150℃〜800℃の温度で拘束力が無
くなる材料からなる請求項1から請求項7の何れかに記
載の溶鋼通過孔の内面の補修材。 - 【請求項9】 筒体の外面に、溶鋼通過孔の内径と筒体
の外径との隙間以下の厚みを有する可塑性を有するシー
ト状耐火物を配置し、この筒体を溶鋼通過孔に挿入し、
挿入後に筒体の拘束力が無くなることで、薄板の径が拡
大しようとする力を利用してシート状耐火物を溶鋼通過
孔の内面に押しつけ固着する溶鋼通過孔の内面の補修方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7634298A JPH11267820A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 溶鋼通過孔の内面の補修材とその補修材を使用する溶鋼通過孔の内面の補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7634298A JPH11267820A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 溶鋼通過孔の内面の補修材とその補修材を使用する溶鋼通過孔の内面の補修方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11267820A true JPH11267820A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13602698
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7634298A Pending JPH11267820A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 溶鋼通過孔の内面の補修材とその補修材を使用する溶鋼通過孔の内面の補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11267820A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104043815A (zh) * | 2014-06-30 | 2014-09-17 | 河南竹林耐材有限公司 | 一种钢包工作衬的钻孔填充维修方法 |
CN108637235A (zh) * | 2018-05-29 | 2018-10-12 | 马鞍山尚元冶金科技有限公司 | 钢包引流方法 |
-
1998
- 1998-03-24 JP JP7634298A patent/JPH11267820A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104043815A (zh) * | 2014-06-30 | 2014-09-17 | 河南竹林耐材有限公司 | 一种钢包工作衬的钻孔填充维修方法 |
CN108637235A (zh) * | 2018-05-29 | 2018-10-12 | 马鞍山尚元冶金科技有限公司 | 钢包引流方法 |
CN108637235B (zh) * | 2018-05-29 | 2019-12-27 | 马鞍山尚元冶金科技有限公司 | 钢包引流方法 |
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