JPH0857820A - キャスタブル耐火物の施工方法 - Google Patents
キャスタブル耐火物の施工方法Info
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- JPH0857820A JPH0857820A JP21943894A JP21943894A JPH0857820A JP H0857820 A JPH0857820 A JP H0857820A JP 21943894 A JP21943894 A JP 21943894A JP 21943894 A JP21943894 A JP 21943894A JP H0857820 A JPH0857820 A JP H0857820A
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- Japan
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- castable
- steel plate
- mold
- construction
- castable refractory
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 キャスタブル耐火物の施工に当たり、繰り返
し使用可能な強度を有する型枠を用いてコストを削減
し、且つ、脱泡を促進させる。 【構成】 キャスタブル坏土6に振動を与えないセルフ
フローキャスタブルを施工する際に、複数の孔が30〜
60%の範囲内の開孔率で開孔されている孔開き鋼板か
らなる型枠1を用いる。型枠1は孔開き鋼板の孔の形状
を円形とし、孔の直径をφ5mm〜φ8mmの範囲内と
し、且つ、鋼板の厚みを1.5mm未満とする。
し使用可能な強度を有する型枠を用いてコストを削減
し、且つ、脱泡を促進させる。 【構成】 キャスタブル坏土6に振動を与えないセルフ
フローキャスタブルを施工する際に、複数の孔が30〜
60%の範囲内の開孔率で開孔されている孔開き鋼板か
らなる型枠1を用いる。型枠1は孔開き鋼板の孔の形状
を円形とし、孔の直径をφ5mm〜φ8mmの範囲内と
し、且つ、鋼板の厚みを1.5mm未満とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、キャスタブル耐火
物、特に、セルフフローキャスタブルの施工方法に関す
るものである。
物、特に、セルフフローキャスタブルの施工方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のキャスタブル耐火物の施工は、図
3に示すように、鋼板9およびフレーム4によって型枠
1(高炉樋材等の施工においては型枠を中子と称するこ
ともある)を作製し、外枠7と型枠1とで仕切った隙間
にキャスタブル坏土5(振動施工タイプ)を投入し、こ
れを加振することにより施工されていた。加振は型枠に
バイブレーターを取り付けるか、または、図3に示す棒
状バイブレーター2をキャスタブル坏土5中に挿入する
ことにより行われていた。加振エネルギーは、キャスタ
ブル坏土に流動性を与え均一に充填された組織を形成す
るとともに、キャスタブル坏土中に混練中に内包された
気泡を浮上させて取り除く働きをする。即ち、バイブレ
ーター2を作動させると同時に脱泡が進行し、泡はキャ
スタブル坏土5の上面より外気へ逃げる。
3に示すように、鋼板9およびフレーム4によって型枠
1(高炉樋材等の施工においては型枠を中子と称するこ
ともある)を作製し、外枠7と型枠1とで仕切った隙間
にキャスタブル坏土5(振動施工タイプ)を投入し、こ
れを加振することにより施工されていた。加振は型枠に
バイブレーターを取り付けるか、または、図3に示す棒
状バイブレーター2をキャスタブル坏土5中に挿入する
ことにより行われていた。加振エネルギーは、キャスタ
ブル坏土に流動性を与え均一に充填された組織を形成す
るとともに、キャスタブル坏土中に混練中に内包された
気泡を浮上させて取り除く働きをする。即ち、バイブレ
ーター2を作動させると同時に脱泡が進行し、泡はキャ
スタブル坏土5の上面より外気へ逃げる。
【0003】ところが、この加振作業は、特に棒状バイ
ブレーター2を使用するときにおいては作業者8にとっ
て重負荷作業であることから、最近、無振動で施工でき
る(以下、「セルフフロー性」という)キャスタブル耐
火物(以下、「セルフフローキャスタブル」という)が
開発され、市場に出てきている。このセルフフローキャ
スタブルは、粒度構成の調整、分散剤の選定等の対策に
より、無振動でも良好に流動し、且つ、脱泡するキャス
タブル耐火物であるが、脱泡については、従来のキャス
タブル耐火物の場合のようにバイブレーターによる強制
脱泡でないため、キャスタブル坏土の投入直後から約3
0〜60分間、徐々に脱泡が進行するという特徴を有し
ている。
ブレーター2を使用するときにおいては作業者8にとっ
て重負荷作業であることから、最近、無振動で施工でき
る(以下、「セルフフロー性」という)キャスタブル耐
火物(以下、「セルフフローキャスタブル」という)が
開発され、市場に出てきている。このセルフフローキャ
スタブルは、粒度構成の調整、分散剤の選定等の対策に
より、無振動でも良好に流動し、且つ、脱泡するキャス
タブル耐火物であるが、脱泡については、従来のキャス
タブル耐火物の場合のようにバイブレーターによる強制
脱泡でないため、キャスタブル坏土の投入直後から約3
0〜60分間、徐々に脱泡が進行するという特徴を有し
ている。
【0004】このセルフフローキャスタブルを施工する
に当たり、従来のキャスタブル耐火物と同様の鋼板製の
型枠を用いると、脱泡が長時間に渡るためと、材料の硬
化開始時期との兼ね合いで、型枠の表面に気泡が集中し
て残留し、脱枠後外観が著しく悪くなることがある。更
に、型枠の表面は、キャスタブル使用時の稼働面になる
ことが多く、使用上、低耐用をも招きかねない状況にあ
った。
に当たり、従来のキャスタブル耐火物と同様の鋼板製の
型枠を用いると、脱泡が長時間に渡るためと、材料の硬
化開始時期との兼ね合いで、型枠の表面に気泡が集中し
て残留し、脱枠後外観が著しく悪くなることがある。更
に、型枠の表面は、キャスタブル使用時の稼働面になる
ことが多く、使用上、低耐用をも招きかねない状況にあ
った。
【0005】この一つの解決策として、従来から、JI
S G 3351に規定されているエキスパンドメタル
を前記鋼板の代わりに用いて作製した型枠を使用する施
工方法が開発され、有効性が確かめられている。即ち、
キャスタブル坏土中を移動して型枠であるエキスパンド
メタルの表面付近に到達した気泡は、エキスパンドメタ
ルの孔を通って外部へ逃げ、気泡残留の弊害が解消され
る。そして、この孔の大きさを調整しておけば、キャス
タブル坏土がエキスパンドメタルの孔を通過して漏れる
こともない(以下、「先行技術1」という)。
S G 3351に規定されているエキスパンドメタル
を前記鋼板の代わりに用いて作製した型枠を使用する施
工方法が開発され、有効性が確かめられている。即ち、
キャスタブル坏土中を移動して型枠であるエキスパンド
メタルの表面付近に到達した気泡は、エキスパンドメタ
ルの孔を通って外部へ逃げ、気泡残留の弊害が解消され
る。そして、この孔の大きさを調整しておけば、キャス
タブル坏土がエキスパンドメタルの孔を通過して漏れる
こともない(以下、「先行技術1」という)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1では、エキスパンドメタルからなる型枠は開孔率が
極端に大きいため(80%以上)、強度が小さく脱枠が
困難であるという問題があった。従って、型枠を埋め殺
した状態でそのまま使用せざるを得ず、型枠に要するコ
ストが大きいという欠点があった。
術1では、エキスパンドメタルからなる型枠は開孔率が
極端に大きいため(80%以上)、強度が小さく脱枠が
困難であるという問題があった。従って、型枠を埋め殺
した状態でそのまま使用せざるを得ず、型枠に要するコ
ストが大きいという欠点があった。
【0007】従って、この発明の目的は、従来技術が有
していた上述の欠点を解決し、特にセルフフローキャス
タブルの施工に当たり、繰り返し使用可能な型枠を用い
てコストを削減でき、且つ、脱泡を促進させることがで
きるキャスタブル耐火物の施工方法を提供することにあ
る。
していた上述の欠点を解決し、特にセルフフローキャス
タブルの施工に当たり、繰り返し使用可能な型枠を用い
てコストを削減でき、且つ、脱泡を促進させることがで
きるキャスタブル耐火物の施工方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、キャスタブル耐火物を施工する際に、複数の孔が3
0〜60%の範囲内の開孔率で開孔されている孔開き鋼
板からなる型枠を用い、キャスタブル坏土内の脱泡を促
進させることに特徴を有するものである。
は、キャスタブル耐火物を施工する際に、複数の孔が3
0〜60%の範囲内の開孔率で開孔されている孔開き鋼
板からなる型枠を用い、キャスタブル坏土内の脱泡を促
進させることに特徴を有するものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
方法において、キャスタブル耐火物がセルフフロー性を
有するものであることに特徴を有するものである。
方法において、キャスタブル耐火物がセルフフロー性を
有するものであることに特徴を有するものである。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の方法において、前記孔開き鋼板の孔径を5m
m〜8mmの範囲内とし、且つ、前記鋼板の厚みを1.
5mm未満とすることに特徴を有するものである。
2に記載の方法において、前記孔開き鋼板の孔径を5m
m〜8mmの範囲内とし、且つ、前記鋼板の厚みを1.
5mm未満とすることに特徴を有するものである。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の方法において、前記孔開き鋼板の孔の形状を
円形とし、孔の直径をφ5mm〜φ8mmの範囲内と
し、且つ、前記鋼板の厚みを1.5mm未満とすること
に特徴を有するものである。
2に記載の方法において、前記孔開き鋼板の孔の形状を
円形とし、孔の直径をφ5mm〜φ8mmの範囲内と
し、且つ、前記鋼板の厚みを1.5mm未満とすること
に特徴を有するものである。
【0012】
【作用】孔開き鋼板からなる型枠を使用することによ
り、キャスタブル坏土中を移動し型枠の表面付近に到達
した気泡が型枠の孔を通って外部に逃げることにより、
キャスタブル坏土中の気泡の脱泡を促進させることがで
きる。開孔率を規定することにより型枠は複数回の使用
に耐え得べく適当な構造体としての強度を有する。孔径
および孔開き鋼板の厚みを規定することにより、孔内に
キャスタブル坏土が強固に詰まることがない。
り、キャスタブル坏土中を移動し型枠の表面付近に到達
した気泡が型枠の孔を通って外部に逃げることにより、
キャスタブル坏土中の気泡の脱泡を促進させることがで
きる。開孔率を規定することにより型枠は複数回の使用
に耐え得べく適当な構造体としての強度を有する。孔径
および孔開き鋼板の厚みを規定することにより、孔内に
キャスタブル坏土が強固に詰まることがない。
【0013】本発明においては、複数の孔が30〜60
%の範囲内の開孔率で開孔されている孔開き鋼板を型枠
として使用する。このような鉄鋼製品として、例えば、
パンチングメタルがあり市販などされている。パンチン
グメタルは、鋼板あるいは薄板に、打ち抜き(パンチン
グ)によって、例えば、円形等の所要の形状の複数の孔
が開孔された孔開き鋼板である。
%の範囲内の開孔率で開孔されている孔開き鋼板を型枠
として使用する。このような鉄鋼製品として、例えば、
パンチングメタルがあり市販などされている。パンチン
グメタルは、鋼板あるいは薄板に、打ち抜き(パンチン
グ)によって、例えば、円形等の所要の形状の複数の孔
が開孔された孔開き鋼板である。
【0014】図1はこの発明の1実施態様を示す断面図
である。図1は高炉樋材において、孔開き鋼板からなる
型枠(高炉樋材等の施工においては型枠を中子と称する
こともあるが説明は型枠で統一する)を用い、セルフフ
ローキャスタブルを施工する状態を示している。型枠1
は、孔開き鋼板3およびフレーム4からなり、孔開き鋼
板3はフレーム4に溶接により固定されている。型枠1
と外枠7とで仕切った隙間に投入された無振動タイプの
キャスタブル(セルフフローキャスタブル)坏土6と接
する面すべてが孔開き鋼板3で構成されている。フレー
ム4はキャスタブル坏土6から型枠1に伝わる力に耐え
得るに必要な構造体強度を有すべく任意に設計すれば良
い。また、フレーム4により孔開き鋼板3に開孔されて
いる孔の一部が塞がれるが、まったく問題はない。
である。図1は高炉樋材において、孔開き鋼板からなる
型枠(高炉樋材等の施工においては型枠を中子と称する
こともあるが説明は型枠で統一する)を用い、セルフフ
ローキャスタブルを施工する状態を示している。型枠1
は、孔開き鋼板3およびフレーム4からなり、孔開き鋼
板3はフレーム4に溶接により固定されている。型枠1
と外枠7とで仕切った隙間に投入された無振動タイプの
キャスタブル(セルフフローキャスタブル)坏土6と接
する面すべてが孔開き鋼板3で構成されている。フレー
ム4はキャスタブル坏土6から型枠1に伝わる力に耐え
得るに必要な構造体強度を有すべく任意に設計すれば良
い。また、フレーム4により孔開き鋼板3に開孔されて
いる孔の一部が塞がれるが、まったく問題はない。
【0015】孔開き鋼板3の孔の形状は円形が好ましい
が、特にこの形状に限られない。孔径、即ち、最大孔径
は、5〜8mmの範囲内が好ましい。孔が円形の場合に
は、孔径(直径)はφ5mm〜φ8mmの範囲内が好ま
しい。これは、孔径が5mm未満、円形孔の孔径(直
径)がφ5mm未満では、脱泡効率が低下し、更に、セ
ルフフローキャスタブル坏土が孔を埋め、これが強固に
固着して、型枠の再(複数回)使用を阻害するためであ
る。一方、孔径が8mm超え、円形孔の孔径(直径)が
φ8mm超えでは、セルフフローキャスタブル坏土が一
部孔より流れ出すことがあり、適当でない。
が、特にこの形状に限られない。孔径、即ち、最大孔径
は、5〜8mmの範囲内が好ましい。孔が円形の場合に
は、孔径(直径)はφ5mm〜φ8mmの範囲内が好ま
しい。これは、孔径が5mm未満、円形孔の孔径(直
径)がφ5mm未満では、脱泡効率が低下し、更に、セ
ルフフローキャスタブル坏土が孔を埋め、これが強固に
固着して、型枠の再(複数回)使用を阻害するためであ
る。一方、孔径が8mm超え、円形孔の孔径(直径)が
φ8mm超えでは、セルフフローキャスタブル坏土が一
部孔より流れ出すことがあり、適当でない。
【0016】孔開き鋼板の開孔率は30〜60%とすべ
きである。脱泡効率からは、開孔率は大きい程好ましい
が、30%以上であれば満足すべき脱枠後外観が得られ
る。一方、開孔率が極めて大きいと孔開き鋼板自身の強
度が小さくなり、セルフフローキャスタブル坏土の圧力
により容易に変形して型枠の再(複数回)使用を阻害す
る。開孔率が60%以下なら上記の問題が起こらない。
なお、孔開き鋼板として最も好ましいパンチングメタル
は、その開孔率が最大でも60%以下程度であり、通常
そのまま適用できコスト上有利である。
きである。脱泡効率からは、開孔率は大きい程好ましい
が、30%以上であれば満足すべき脱枠後外観が得られ
る。一方、開孔率が極めて大きいと孔開き鋼板自身の強
度が小さくなり、セルフフローキャスタブル坏土の圧力
により容易に変形して型枠の再(複数回)使用を阻害す
る。開孔率が60%以下なら上記の問題が起こらない。
なお、孔開き鋼板として最も好ましいパンチングメタル
は、その開孔率が最大でも60%以下程度であり、通常
そのまま適用できコスト上有利である。
【0017】孔開き鋼板の厚みが1.5mm以上である
と、孔内にセルフフローキャスタブル坏土が詰まってし
まい、容易にこれを排除することができなくなり、型枠
の再使用を阻害する。また、薄さの下限は特に規定しな
いが、厚みが薄すぎるとキャスタブル坏土の圧力で型枠
が変形しやすい。従って、孔開き鋼板の厚みは、キャス
タブル施工量等を考慮して設計されるべきである。図1
の高炉樋材施工については、0.8mm厚のパンチング
メタルの使用で良好な結果が得られる。
と、孔内にセルフフローキャスタブル坏土が詰まってし
まい、容易にこれを排除することができなくなり、型枠
の再使用を阻害する。また、薄さの下限は特に規定しな
いが、厚みが薄すぎるとキャスタブル坏土の圧力で型枠
が変形しやすい。従って、孔開き鋼板の厚みは、キャス
タブル施工量等を考慮して設計されるべきである。図1
の高炉樋材施工については、0.8mm厚のパンチング
メタルの使用で良好な結果が得られる。
【0018】このように、本発明施工方法は、型枠を孔
開き鋼板で作製することにより、キャスタブル坏土中を
移動して型枠の表面付近に到達した気泡が孔開き鋼板の
孔を通って外部へ逃げることにより、キャスタブルの脱
泡を促進することができる。さらに、型枠は何回も使用
すべく、適当な構造体としての強度を有し、また、孔内
にキャスタブル坏土が強固に詰まることを抑制するよ
う、上記のような工夫がなされている。上記の開孔率、
孔径、厚みを満足するパンチングメタルにおいては、若
干の孔内の詰まりは、スチールブラシ等で容易に除去可
能である。
開き鋼板で作製することにより、キャスタブル坏土中を
移動して型枠の表面付近に到達した気泡が孔開き鋼板の
孔を通って外部へ逃げることにより、キャスタブルの脱
泡を促進することができる。さらに、型枠は何回も使用
すべく、適当な構造体としての強度を有し、また、孔内
にキャスタブル坏土が強固に詰まることを抑制するよ
う、上記のような工夫がなされている。上記の開孔率、
孔径、厚みを満足するパンチングメタルにおいては、若
干の孔内の詰まりは、スチールブラシ等で容易に除去可
能である。
【0019】更に、本発明に使用される型枠は、従来の
キャスタブル耐火物で使用されていた鋼製型枠に比べ、
著しく軽量化されており、型枠の脱着が容易に行えると
いうメリットを有する。
キャスタブル耐火物で使用されていた鋼製型枠に比べ、
著しく軽量化されており、型枠の脱着が容易に行えると
いうメリットを有する。
【0020】尚、本発明方法により、振動施工キャスタ
ブルの鋳込みを施工すると、加振時に孔部よりキャスタ
ブルが流れ出しやすい。従って、この場合には、バイブ
レーターの位置、加える振動エネルギーの大きさ等につ
いて調整を必要とし、例えば、棒状バイブレーターをパ
ンチングメタルからなる型枠の表面から50mm以内に
近付けない等の工夫により、同様な効果を奏せしめるこ
とができる。
ブルの鋳込みを施工すると、加振時に孔部よりキャスタ
ブルが流れ出しやすい。従って、この場合には、バイブ
レーターの位置、加える振動エネルギーの大きさ等につ
いて調整を必要とし、例えば、棒状バイブレーターをパ
ンチングメタルからなる型枠の表面から50mm以内に
近付けない等の工夫により、同様な効果を奏せしめるこ
とができる。
【0021】
【実施例】次に、この発明を図面を参照しながら更に詳
細に説明する。
細に説明する。
【0022】図1および図2に示す装置を使用し、円形
状の孔が開孔されている鋼板(本実施例ではパンチング
メタルを使用)からなる型枠を使用し、添加水量6w
t.%のAl2 O3 −SiC−C系セルフフローキャス
タブル坏土を使用し、無振動施工を実施した。このとき
のキャスタブル坏土の流動性は、JIS 5201に規
定された標準コーン(φ70/φ100×60)を用
い、無振動、30秒後のフロー値(坏土直径)を測定し
たところ、230mmであった。図2において、1はパ
ンチングメタル3および中空角状フレーム4からなる型
枠、7は外枠である。パンチングメタル3としては、表
1に示すように仕様(孔径、開孔率および厚み)が種々
異なるものを使用し、その種類別に施工No. 1〜12と
した。また、比較のため、孔の開いていない鋼板製の型
枠、または、エキスパンドメタルからなる型枠を使用し
て同様にセルフフローキャスタブルの施工を実施し、施
工No.13(鋼板製型枠)、No. 14(エキスパンドメ
タル製型枠)として表1に表示した。エキスパンドメタ
ルは、元板厚0.8mm、開孔部が図4に示すような形
状を有し、その寸法は図4中のAが14mm、Bが7m
mのものを使用した。そして、施工No. 1〜14の各々
について、脱泡性、型枠孔部からのキャスタブル坏土の
流出、型枠変形および脱泡後の孔詰まりについて調べ
た。その結果を鋳込結果として表1に合わせて示す。
状の孔が開孔されている鋼板(本実施例ではパンチング
メタルを使用)からなる型枠を使用し、添加水量6w
t.%のAl2 O3 −SiC−C系セルフフローキャス
タブル坏土を使用し、無振動施工を実施した。このとき
のキャスタブル坏土の流動性は、JIS 5201に規
定された標準コーン(φ70/φ100×60)を用
い、無振動、30秒後のフロー値(坏土直径)を測定し
たところ、230mmであった。図2において、1はパ
ンチングメタル3および中空角状フレーム4からなる型
枠、7は外枠である。パンチングメタル3としては、表
1に示すように仕様(孔径、開孔率および厚み)が種々
異なるものを使用し、その種類別に施工No. 1〜12と
した。また、比較のため、孔の開いていない鋼板製の型
枠、または、エキスパンドメタルからなる型枠を使用し
て同様にセルフフローキャスタブルの施工を実施し、施
工No.13(鋼板製型枠)、No. 14(エキスパンドメ
タル製型枠)として表1に表示した。エキスパンドメタ
ルは、元板厚0.8mm、開孔部が図4に示すような形
状を有し、その寸法は図4中のAが14mm、Bが7m
mのものを使用した。そして、施工No. 1〜14の各々
について、脱泡性、型枠孔部からのキャスタブル坏土の
流出、型枠変形および脱泡後の孔詰まりについて調べ
た。その結果を鋳込結果として表1に合わせて示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1からわかるように、施工No. 1は、孔
径がφ10mmで、孔部からのキャスタブル坏土の流出
量が大きすぎた。しかしながら、脱泡性は良好で、型枠
変形も無く、エキスパンドメタルより優れていることが
わかる。
径がφ10mmで、孔部からのキャスタブル坏土の流出
量が大きすぎた。しかしながら、脱泡性は良好で、型枠
変形も無く、エキスパンドメタルより優れていることが
わかる。
【0025】施工No. 2および6は、開孔率が20%と
本発明範囲外であり、脱泡性が悪かった。
本発明範囲外であり、脱泡性が悪かった。
【0026】施工No. 10は、孔径がφ3mmで、脱泡
効率が低下し、更に、セルフフローキャスタブル坏土が
孔を埋め、これが強固に固着した。しかしながら、型枠
変形は無く、強度はエキスパンドメタルより優れている
ことがわかる。
効率が低下し、更に、セルフフローキャスタブル坏土が
孔を埋め、これが強固に固着した。しかしながら、型枠
変形は無く、強度はエキスパンドメタルより優れている
ことがわかる。
【0027】施工No. 12は、パンチングメタルの厚み
が1.5mmで、セルフフローキャスタブル坏土が孔を
埋め、これが強固に固着した。しかしながら、脱泡性は
良好で、型枠変形も無く、エキスパンドメタルより優れ
ていることがわかる。
が1.5mmで、セルフフローキャスタブル坏土が孔を
埋め、これが強固に固着した。しかしながら、脱泡性は
良好で、型枠変形も無く、エキスパンドメタルより優れ
ていることがわかる。
【0028】施工No. 13は、従来の孔無し鋼板製型枠
を使用した例であり、脱泡性が悪かった。
を使用した例であり、脱泡性が悪かった。
【0029】施工No. 14は、エキスパンドメタルを使
用した例であり、型枠強度不足のため変形が著しく、ま
た、孔にキャスタブル坏土が強固に固着した。キャスタ
ブル硬化後、エキスパンドメタル製型枠を脱枠しようと
したが、キャスタブル坏土と固着して回収不能であっ
た。
用した例であり、型枠強度不足のため変形が著しく、ま
た、孔にキャスタブル坏土が強固に固着した。キャスタ
ブル硬化後、エキスパンドメタル製型枠を脱枠しようと
したが、キャスタブル坏土と固着して回収不能であっ
た。
【0030】これに対して、請求項1〜4の全ての条件
を満足する施工No. 3、4、5、7、8、9および11
は、脱泡性が良好で、型枠孔部からのキャスタブル坏土
の流出がほとんど無く、型枠変形および脱泡後の孔詰ま
りが無く、良好な結果が得られた。以上のように、孔開
き鋼板、例えば、パンチングメタルを使用した型枠を使
用した本発明キャスタブル耐火物の施工方法によれば、
脱泡性が良好で、使用後の型枠の歪みおよび損傷がな
く、繰り返し使用に耐え得るものであることが確認され
た。
を満足する施工No. 3、4、5、7、8、9および11
は、脱泡性が良好で、型枠孔部からのキャスタブル坏土
の流出がほとんど無く、型枠変形および脱泡後の孔詰ま
りが無く、良好な結果が得られた。以上のように、孔開
き鋼板、例えば、パンチングメタルを使用した型枠を使
用した本発明キャスタブル耐火物の施工方法によれば、
脱泡性が良好で、使用後の型枠の歪みおよび損傷がな
く、繰り返し使用に耐え得るものであることが確認され
た。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、孔開き鋼板を型枠として使用し、セルフフローキャ
スタブルを施工することにより、型枠の孔部よりキャス
タブル坏土中の内包気泡が良好に脱泡し、良好な組織の
キャスタブル施工体が得られ、更に、この型枠は孔無し
鋼板を使用したものよりも軽量化されており脱着が容易
であり、また、エキスパンドメタルを使用した型枠のよ
うに変形することがなく複数回の繰り返し使用が可能で
経済的に有利であり、かくして、工業上有用な効果がも
たらされる。
ば、孔開き鋼板を型枠として使用し、セルフフローキャ
スタブルを施工することにより、型枠の孔部よりキャス
タブル坏土中の内包気泡が良好に脱泡し、良好な組織の
キャスタブル施工体が得られ、更に、この型枠は孔無し
鋼板を使用したものよりも軽量化されており脱着が容易
であり、また、エキスパンドメタルを使用した型枠のよ
うに変形することがなく複数回の繰り返し使用が可能で
経済的に有利であり、かくして、工業上有用な効果がも
たらされる。
【図1】この発明の1実施態様を示す断面図である。
【図2】実施例に使用した型枠の形状を示す平面図であ
る。
る。
【図3】従来のキャスタブル耐火物の施工方法を説明す
る断面図である。
る断面図である。
【図4】エキスパンドメタルの開孔部を示す説明図であ
る。
る。
1:型枠(中子) 2:棒状バイブレーター 3:孔開き鋼板(パンチングメタル) 4:フレーム(中空角状フレーム) 5:キャスタブル坏土(振動施工タイプ) 6:セルフフローキャスタブル坏土(無振動施工タイ
プ) 7:外枠 8:作業者 9:孔無し鋼板
プ) 7:外枠 8:作業者 9:孔無し鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 敏 兵庫県高砂市梅井5−6−1 旭硝子株式 会社高砂工場内 (72)発明者 小野 泰史 兵庫県高砂市梅井5−6−1 旭硝子株式 会社高砂工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 キャスタブル耐火物を施工する際に、複
数の孔が30〜60%の範囲内の開孔率で開孔されてい
る孔開き鋼板からなる型枠を用い、キャスタブル坏土内
の脱泡を促進させることを特徴とするキャスタブル耐火
物の施工方法。 - 【請求項2】 キャスタブル耐火物がセルフフロー性を
有するものであることを特徴とする請求項1記載のキャ
スタブル耐火物の施工方法。 - 【請求項3】 前記孔開き鋼板の孔径を5mm〜8mm
の範囲内とし、且つ、前記鋼板の厚みを1.5mm未満
とすることを特徴とする請求項1または2記載のキャス
タブル耐火物の施工方法。 - 【請求項4】 前記孔開き鋼板の孔の形状を円形とし、
孔の直径をφ5mm〜φ8mmの範囲内とし、且つ、前
記鋼板の厚みを1.5mm未満とすることを特徴とする
請求項1または2記載のキャスタブル耐火物の施工方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21943894A JPH0857820A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | キャスタブル耐火物の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21943894A JPH0857820A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | キャスタブル耐火物の施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0857820A true JPH0857820A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16735413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21943894A Pending JPH0857820A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | キャスタブル耐火物の施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0857820A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013011432A1 (fr) * | 2011-07-20 | 2013-01-24 | Saint-Gobain Centre De Recherches Et D'etudes Europeen | Canal d'alimentation de verre en fusion |
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CN114434592A (zh) * | 2021-09-26 | 2022-05-06 | 山东国茂冶金材料有限公司 | 回转窑预制件成型装置及方法 |
-
1994
- 1994-08-22 JP JP21943894A patent/JPH0857820A/ja active Pending
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