JPH03202420A - 真空脱ガス設備の溶鋼吸上管の除滓装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、たとえばＤＨ炉やＲＨ炉等の真空脱ガス設備
における溶融金属の吸上管に付着した地金及びスラグの
除滓装置に関する。

〔従来の技術〕

ＤＨ炉やＲＨ炉等には溶鋼を中に浸漬する耐火物製の円
筒状の吸上管が備えられている。この吸上管は、溶綱内
に数回の繰り返し浸漬して使用される場合、その都度外
周面に溶鋼地金とスラグが付着し、地金とスラグは円筒
状に数層の層となって固着する。

このように固着した溶鋼地金やスラグ等を除去するため
、従来から各種の提案がなされている。

たとえば、実公昭５２−５６３２２号公報及び特公昭６
３−２６１７２号公報には、吸上管に固着したスラグを
除去する装置が開示されている。これらの装置は、吸上
管の外周を覆う中空円筒状のカッタ又は外周に沿って移
動旋回可能なカッタを備え、これらのカッタによってス
ラグを切削する構成である。

また、この他にもたとえば特公昭４５−２３２０７号公
報に記載されているように、スラグを予熱する燃焼噴射
ノズル及び切削バイトを組込んでスラグを除去するもの
もある。

〔発明が解決しようとする課題〕

前者の装置では、カッタによるスラグ切削によってスラ
グの除去に対しては充分な効果が得られている。ところ
が、スラグと共に層をなして固着した溶鋼地金に対する
切削能力はなく、この溶鋼地金の除去まではできないと
いう機能上の限界がある。また、カッタが地金と耐火物
の間に喰込みやすく、これを引き抜く作業にも大きな負
担があった。

一方、後者の装置の場合もスラグのみの除去を目的とし
ていることは同様であり、地金に対する対策は講じられ
ていない。また、スラグの予熱は確かに切削負荷の低減
とこれに基づく効率化は達成されるが、スラグの予熱に
時間を要するしまた切削バイトでの全周除滓には１回当
たりの切削代を小さくする必要がある。このため、作業
時間が長くなり、稼動率及び生産性の面からみて実用性
に難点がある。

更に、従来の除滓作業は、除去されたスラグはスラグ受
けに一旦回収した後、これをクレーン等でその都度廃却
する要領で行われている。このため、クレーン等の待ち
時間ロスが多く、作業効率の面から見ると必ずしも万全
ではない。

このように、従来の技術はスラグを除滓することに終始
し、固着した地金も同時に除去できるものではなかった
。このため、固着した地金の切断除去には、酸素を利用
した溶断作業又はタガネ等による人手に頼るはかない状
況である。したがって、特に安全面等に問題があり作業
者の負担も太き（なるほか、生産性の向上の障害ともな
っていた。

そこで、本発明は、地金も含めてスラグを効率的に且つ
安全に切断、切削除去し、作業負担の軽減及び生産性の
向上を図ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の溶鋼吸上管の除滓装置は、吸上管の直下におい
て旋回可能且つ軸線方向へ昇降可能なターンテーブルと
、該ターンテーブルに装備された切断装置及び切削装置
とを備え、前記切断装置は、前記ターンテーブルの上昇
時に吸上管の周囲の溶鋼地金及びスラグの層に縦方向の
スリットを刻むカッタを備え、更に前記切削装置は、前
記ターンテーブルの上昇時に縦方向の切削ストロークを
持って前記層を切削する切削刃を備えていることを特徴
とする。

〔作用〕

ターンテーブルを上昇させると、切断装置のカッタは吸
上管の周りに付着している溶鋼地金及びスラグの層に対
して下から上に向けてスリットを刻み込む。このスリッ
トは、ターンテーブルを旋回させてカッタの位置を変更
すれば、吸上管の周方向にスリットを複数刻むことがで
き、層はこれらのスリットによって複数の条に分割され
る。

スリットを刻んだ後に切削装置の切削刃を設定すれば、
ターンテーブルの上昇によって切削刃は層を下から上に
向けて削り取ってゆく。そして、層は切断装置のカッタ
にって複数の条に分割されているので、スリットを越え
た外側の層からの切削刃への切削負荷はなく、切削抵抗
が軽減されて速やかな層の剥離除去が可能となる。

〔実施例〕

第１図は本発明の除滓装置を用いてＤＨ炉の吸上管に対
する作業状況を示す正面図、第２図は平面図である。

図において、ＤＨＨＢＯ２底面から突き出た吸上管５１
の真下の作業床５２に除滓装置が設置されている。この
除滓装置は、作業床５２を走行自在な台車１をベースと
して構成され、吸上管５１へ向けて昇降自在且つ中心局
りに回転可能な環状のターンテーブル２を切削装置及び
切断装置等の装着部として備えている。

ターンテーブル２は台車１に固定した複数の昇降シリン
ダ３のロッド３ａに固定されたデツキ３ｂの上に回転自
在に組み込まれ、ロッド３ａの進退によって昇降する。

また、デツキ３ｂとの間に、ターンテーブル２をその中
心局りに回転させるためのビニオン・ラック等の機械的
なもの又は油圧を利用した流体的な手段による連接機構
４ａを設け、これに駆動装置４を接続している。

ターンテーブル２の上面には、吸上管５１の外周面に付
着しているスラグ及び溶鋼地金を下端から切開して複数
の条に分割切断するための切断装置５が設けられ、更に
分割されたスラグ及び溶餌地金を下端から削り取って除
去する切削装置６が配置される。これらの切断装置５及
び切削装置６は第２図に示すようにそれぞれ３個ずつ互
いに隣り合うように配置されている。

第３図は切断装置５を第２図のＩ−Ｉ線矢視方向に見た
図である。

切断装置５はターンテーブル２に固定したベースフレー
ム５ａにアダプタ７ａを鉛直面内で回動可能となるよう
にビン７ｂによって枢着し、このアダプタ７ａにカッタ
７を着脱自在に取り付けている。また、カッタ７の姿勢
を図中に一点鎖線で示す位置まで寝かせるために、姿勢
設定シリンダ８がベースフレーム５ａに枢着され、その
ロッド８ａをアダプタ７ａに連接している。カッタ７は
吸上管５１の周面に付着したスラグ及び溶鋼地金を下端
からスリットを刻むため、平面形状が薄い偏平なヘッド
を持っている。

なお、カッタ７に振動を与えたり間欠的な衝撃力を与え
るようにすることもできる。この場合では、アダプタ７
ａに代えてシＩＪンダ等によってカッタを支持するよう
にし、シリンダロッドの往復動作によってカッタ７をそ
の軸線方向に進退させたり、カッタ７を強い力で間欠的
に押し出すようにする。このように、カッタ７に振動や
衝撃力を持たせることにより、スラグ及び溶鋼地金に対
する破砕力を増大させることができる。なお、カッタ７
に振動や間欠的な衝撃を与える機構としては、たとえば
市販されている土木用のブレーカ−やハンマ及びピック
等が代用できる。

第４図は切削装置６を第２図の■−■線矢視方向に見た
図である。

切削装置６はターンテーブル２に固定したベースプレー
）６ａの上面にスライダ９ａを摺動自在に備え、このス
ライダ９ａの先端に切削刃１０を取り付けたものである
。そして、スライダ９ａは切削刃１０の退避や切削深さ
等の設定を行う位置設定シリンダ９ｂのロッド９Ｃに連
接され、ロッド９ｃの進退によって切削刃ｌＯをターン
テーブル２の半径方向に移動可能としている。

再び第１図及び第２図に戻って、環状のターンテーブル
２を貫通してシμ−１１１が配置されている。このシュ
ート１１は吸上管５１の真下から台車１部分まで伸びて
その下端をホッパｌｌａとし、切断及び切削作業の際に
落下するスラグ及び溶鋼地金の破砕片をそのまま受けて
ホッパＩｌａから回収する。

以上の横絞の除滓装置による吸上管５１周りのスラグ及
び溶鋼地金の除去は、次の要領で行う。

まず、台車１を移動させてターンテーブル２が吸上管５
１とほぼ同軸配置となる位置に設定する。

次いで、切断装置５のカッタ７を第３図の一点鎖線の姿
勢とすると共に切削装置６のスライダ９ａを後退位置に
設定して、カッタ７及び切削刃１０を退避させる。この
後、昇降シリンダ３を駆動してそのロッド３ａを進出さ
せ、ターンテーブル２を吸上管５１の近くまで上昇させ
る。

吸上管５１に付着しているスラグ及び溶鋼地金の層の厚
さに合わせて切断装置５のカッタ７の姿勢を調節する。

これは姿勢設定シリンダ８のロッド８ａのストロークに
よってカッタ７の食い込み量を調整することによって行
う。たとえば、層の厚さが大きい場合は、食い込み量が
深すぎると切断負荷が大きくなるので、数回に分けて切
込みを入れることができるように調整すればよい。

このカッタ７の姿勢設定の後は、昇降シリンダ３を再び
駆動してターンテーブル２を上昇させ、この上昇によっ
てカッタ７をスラグと溶鋼地金の層に食い込ませる。こ
の作業によって、１回のターンテーブル２の上昇動作の
間に層の３箇所に縦方向のスラグ）Ｓが切開される。そ
して、層が厚く１回の上昇動作では切込み量が不足する
場合では、−旦ターンテーブル２を下降させてカッタ７
を層側に向けて倒す姿勢とし、再びターンテーブル２を
上昇させて切込みを深くする。

この後、ターンテーブル２を駆動装置４によって回転さ
せ、カッタ７が切り込む位置を変更し、上記と同様な要
領で層に切込みを刻み込む。そして、必要であれば切込
みを入れる個所を増やすために、更にターンテーブル２
を旋回させて新たな位置にスリットを刻み込む。

なお、前述のように、カッタ７の昇降動作だけでなく、
シリンダに保持して振動や間欠的な衝撃力を与えるよう
にしてもよい。この場合では、カッタ７の上昇時の切断
力だけでなく、カッタ７の振動や衝撃力によってスラグ
及び溶鋼地金を破砕しながら切断作業でき、効率向上が
図られる。

スラグ及び溶鋼地金の層に縦方向にスリットＳを刻んで
複数の条に分割した後は、カッタ７を第３図の斜線で示
す退避位置に戻す。そして、切削装置６の切削刃１０の
位置を位置設定シリンダ９ｂによって設定する。この設
定でも層の厚さに合わせた位置に切削刃ＩＯがくるよう
にし、層が厚い場合には数回に分けて切削する。切削刃
１０の位置を設定した後、昇降シリンダ３によってター
ンテーブル２を上昇させると、切削刃１０も一体に上昇
して層の下端からこれを切削する。なお、層が厚いとき
は、ターンテーブル２を一旦下降させた後にスライダ９
ａを第４図において右側へ移動させて切削代を大きくし
、再びターンテーブル２を上昇させて新たに切削する。

この切削装置６による切削作業では、スラグ及び溶鋼地
金の層は予め切断装置５によって周方向が複数の切込み
によって分割されているので、切削負荷の軽減が可能と
なる。すなわち、切削刃１０がたとえばスリットＳを刻
んだ間に対応させて切削する場合では、スリブ）Ｓより
外側の層から受ける切削抵抗は切削刃１０には作用しな
い。このため、スリットＳを入れないまま切削する場合
に比べると切削刃１０への負荷は小さくなり、昇降シリ
ンダ３の出力を大きくする必要もないしまた装置全体の
剛性も適度なもので十分に耐えるので、装置の簡略化も
可能となる。なお、切削刃１０の幅に数本のスリブ）Ｓ
が刻み込まれるように切断装置５を作動させれば、更に
切削負荷が低減されることは無論である。

また、予めスリットＳを刻んで切削刃１０で切削するの
で、食い込み量が大きくて層と吸上管５１の管壁とのＭ
　！ご切削刃１０が噛み込んでも、層は複数の条に分割
されているので切削刃１０を抜くときの抵抗も少なくな
る。このため、切削刃１０に対する外力の負荷を抑える
ことができ、破損や折れ等も防止される。そして、層が
薄いような場合に、切断装置５によるスリブ）Ｓの刻み
込みが不要な場合では、切削装置６だけを使ってスラグ
及び溶鋼地金を剥離除去でき、固着状況に応じた作業も
可能となる。

更に、切断及び切削作業の間に発生するスラグ及び溶鋼
地金の破砕片は自重により落下してシュート１１の中に
落ち込み、ホッパ１１ａから回収撤去される。このため
、従来のようにクレーンを設備する必要もなくまたクレ
ーン待ちの時間も不要となり、作業効率の向上が遠戚さ
れる。

なお、スラグと溶鋼地金の層が厚い場合は、切断装置５
によって成る程度の深さまでスリットｓを切開して切削
装置６で層厚を薄くし、サイド切断装置５て新たにスリ
ットを刻んで切削を行うようにすればよい。

〔発明の効果二 本発明では、スラグ及び溶鋼地金の層に切断装置ｊごよ
ってスリットを刻み込んで吸上管の周方向に層を複数の
条に分割し、この後切削装置によって層を削り取るよう
にしている。このため、切削刃に対する切削負荷は、層
を分割したことから小さくなり、速やかな切削によって
層を確実に剥離除去できる。したがって、従来のように
溶鋼地金までも含めた除去作業が機械的に行え、人力作
業に比べると格段に安全性が向上すると共に効率化も促
進される。そして、切削負荷の低減によって切削刃の耐
久性も向上し、装置全体の剛性も適度なものでよいので
、簡略化された設備として好適に利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の除滓装置の作業状況を示す正面図、第
２図は平面図、第３図は切断装置を第２図のＩ−１線矢
視方向に見た図、第４図は切削装置を第２図の■−■線
矢視方向に見た図である。 １：台車　　　　　　　２：ターンテーブル３：昇降シ
リンダ ３ｂ；デツキ ４：駆動装置 ５：切断装置 ６：切削装置 ７二カツタ ７ｂ＝ビン ８：姿勢設定シリンダ　８ａ：ロッド ９ａニスライダ　　　　　９ｂ：位置設定シリンダ９Ｃ
：ロッド ｌＯ：切削刃 １１：シュート ５０：ＤＨ炉 ５２：作業床 Ｓニスリット １１ａ：ホッパ ３ａ：ロッド ４ａ：連接機構 ５ａ：ベースフレーム ６ａ：ベースプレート ７ａ：アダプタ ５１：吸上管

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、吸上管の直下において旋回可能且つ軸線方向へ昇降
   可能なターンテーブルと、該ターンテーブルに装備され
   た切断装置及び切削装置とを備え、前記切断装置は、前
   記ターンテーブルの上昇時に吸上管の周囲の溶鋼地金及
   びスラグの層に縦方向のスリットを刻むカッタを備え、
   更に前記切削装置は、前記ターンテーブルの上昇時に縦
   方向の切削ストロークを持って前記層を切削する切削刃
   を備えていることを特徴とする真空脱ガス設備の溶鋼吸
   上管の除滓装置。