JP4538399B2 - 穿孔工具及びスリーブ煉瓦の交換装置並びにスリーブ煉瓦の交換方法 - Google Patents

穿孔工具及びスリーブ煉瓦の交換装置並びにスリーブ煉瓦の交換方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば転炉などの溶融金属容器の内外を貫通する孔部を形成する筒状のスリーブ煉瓦を、打撃により穿孔して除去する穿孔工具、及び、この穿孔工具を備えたスリーブ煉瓦の交換装置、並びに、この交換装置を用いたスリーブ煉瓦の交換方法に関する。
一般に、溶融金属容器はその内壁の耐火物の損傷が甚だしく、特に製鋼用転炉の出鋼孔や、酸素その他のガスを吹き込む羽口(ノズル部)の痛みが激しい。このため、当該出鋼孔や羽口におけるスリーブ煉瓦を損傷の都度交換することにより局部補修を行っている。
従来、上記スリーブ煉瓦を交換する場合、出鋼終了後の高温状態のスリーブ煉瓦を作業者がブレーカーで破砕除去していたが、このような高温環境での作業は危険を伴い、また、高い取り付け精度が要求されるスリーブ煉瓦を交換することに多大の労力を要していた。このため、スリーブ煉瓦の交換に長時間を要し、この結果、炉の稼働率を低減させ、生産性を低下させる原因となっていた。さらにスリーブ煉瓦が大型化することに伴って、人力による装着作業も困難となっていた。
このような問題に際して、従来、溶融金属容器におけるスリーブ煉瓦を回転により切り取り除去する刃具(穿孔工具)を備えたスリーブ煉瓦交換装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の構成において、スリーブ煉瓦交換装置は、刃具を先端に回転可能に装着する刃具基台と、この刃具基台が前後進自在に搭載されたガイドフレームと、このガイドフレームを水平横行・昇降・俯仰・旋回自在に保持する移動台車もしくは固定架台とを備えている。そして、刃具は、有底円筒状に形成され、開口端面部に刃先が設けられている。また、刃先から内底までの深さは少なくともスリーブ煉瓦厚み以上とされている。
このようなスリーブ煉瓦交換装置では、スリーブ煉瓦に対し刃具を押し当てた後、当該刃具に回転力及び推進力さらには打槌しながら、ガイドフレームにて刃具基台を前進させることにより、熱間において円筒状コアを切り取り除去することが可能とされている。
すなわち、有底円筒状の刃具を回転、推進および打槌させることにより、この有底円筒の開口端面部に設けられた刃先にてスリーブ煉瓦を切削し、切削されたスリーブ煉瓦は順次刃具の内部に入り込む。そして、最終的にスリーブ煉瓦の中央部が円筒状コアとして切り取られるというものである。
特開昭58−158489号公報(図1参照)
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、刃具が有底円筒状であるために、スリーブ煉瓦の切削作業における終期において、刃具の内周面とスリーブ煉瓦との間で大きな摩擦抵抗が発生してしまい、スムーズに切削できなくなるおそれがある。これにより、切削に要する時間が長くなるおそれがある。また、当該摩擦抵抗のために刃具の回転に大きな回転トルクが必要となり、刃具の基端部に大きな負荷が掛かってしまう。結果として、刃具の寿命が短くなり、頻繁に取り替えなければならなくなるおそれがある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みて、寿命を延ばすことができかつ作業時間を短縮化できる穿孔工具、この穿孔工具を備えたスリーブ煉瓦の交換装置、および、この交換装置を用いたスリーブ煉瓦の交換方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、溶融金属容器の内外を貫通する孔部を形成する筒状のスリーブ煉瓦を、打撃により穿孔して除去する穿孔工具であって、前記筒状のスリーブ煉瓦を該筒状の軸方向に沿って打撃するための打撃面部を有し、この打撃面部の略中央に凹面部が形成されたホルダと、前記打撃面部の外周端部に植設され、打撃により前記スリーブ煉瓦に亀裂を生じさせる複数の外周側ビットと、この複数の外周側ビットの内側かつ前記凹面部の外周端部側に植設され、前記外周側ビットの打撃により生じた前記スリーブ煉瓦の亀裂片を、前記凹面部の中央側に押し込む複数の内周側ビットとを備え、前記ホルダは、前記打撃面部の法線方向の軸周りに回転し、さらに前記ホルダは、前記打撃面部の外周縁で交差する側面部を有し、この側面部には、前記打撃面部の法線方向に稜線部が延びる略楔形の側面ビットが植設され、前記外周側ビットおよび前記内周側ビットの先端は平坦化され、前記外周側ビットは、先端に稜線部が形成された略楔形状とされ、ホルダの回転接線方向に前記稜線部が倣うように配置され、前記内周側ビットは先端側が円錐台状に形成されていることを特徴とする穿孔工具である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の穿孔工具において、前記外周側ビット、前記内周側ビットおよび前記側面ビットのうち、少なくともいずれかのビットは、該ビットが植設される植設孔周りに拡開形成されたテーパ穴に溶接により溶接金属が充填されて固定されていることを特徴とする穿孔工具である。
請求項に記載の発明は、請求項1または請求項に記載の穿孔工具において、前記ホルダは、前記打撃面部の法線方向の軸周りに回転し、前記ホルダの打撃基端側には、該ホルダに対して遊嵌状態で環状部材が設けられ、この環状部材の外周面には、刃先が打撃方向に沿って延びて、残存したスリーブ煉瓦を割断する割断刃が設けられていることを特徴とする穿孔工具である。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の穿孔工具を備え、前記スリーブ煉瓦を交換するスリーブ煉瓦の交換装置であって、前記溶融金属容器の外側を前後移動する台車と、この台車上において、当該台車の移動方向と略直交する方向に横行自在に設けられた横行架台と、この横行架台上に旋回可能に設けられた旋回テーブルと、この旋回テーブルの上方にて傾動可能に設けられた傾動フレームと、この傾動フレーム上にて、互いに平行に配置され、一体に上下動および傾動が可能とされた工具ブームおよびスリーブブームとを備えており、前記工具ブームには、前記穿孔工具が取り付けられて、当該穿孔工具を前進後退させる工具ブーム用シリンダと、当該穿孔工具に振動力および回転力を与えるドリフターユニットとが設けられ、前記スリーブブームには、このスリーブブームの先端にて交換用のスリーブ煉瓦を保持するスリーブ支持具と、このスリーブ支持具が取り付けられたスリーブ挿入フレームと、このスリーブ挿入フレームを前進後退させるスリーブブーム用シリンダとが設けられ、前記穿孔工具および前記スリーブ支持具を三次元空間の任意の方向に移動可能としていることを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置において、前記台車の前方かつ下方には、前記台車の前記移動方向に伸縮可能で、かつ、上下方向に移動可能な作業デッキが設けられていることを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置である。
請求項に記載の発明は、請求項または請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置において、前記台車の前方かつ上方には、前記台車の前方へ向けて張り出した保護屋根が設けられており、この保護屋根の前方部は、前記台車の前記移動方向に伸縮可能となっていることを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置において、前記保護屋根の前方かつ下側には、前記台車の前記移動方向と直交する方向に横行可能な揚重装置が設けられていることを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置である。
請求項に記載の発明は、請求項ないし請求項のいずれかに記載のスリーブ煉瓦の交換装置において、前記工具ブームおよび前記スリーブブームのそれぞれの軸心を含む面上に、各軸心と平行な芯出し用の光線を照射する芯出装置を備えていることを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置を用いて、出鋼孔を備えた溶融金属容器における前記出鋼孔を形成する筒状のスリーブ煉瓦を、熱間で交換するスリーブ煉瓦の交換方法であって、前記スリーブ煉瓦の軸心と一致するように、芯出し用の光線を照射して芯出しを行って、前記工具ブームの姿勢を調整する工程と、初期段階では前記穿孔工具の打撃および回転により前記スリーブ煉瓦を穿孔し、終期段階から貫通時までは前記穿孔工具の打撃の頻度を低減させ、かつ、回転主体で前記穿孔工具を繰り返し前進後退させて、前記スリーブ煉瓦を穿孔する工程と、前記横行架台を横行させて前記スリーブブームを穿孔後の孔に正対させ、交換用のスリーブ煉瓦を挿入する工程とを具備したことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換方法である。
請求項1に記載の発明は、請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置を用いて、羽口を備えた溶融金属容器における前記羽口を形成する筒状のスリーブ煉瓦を、熱間で交換するスリーブ煉瓦の交換方法であって、前記台車の前方かつ下方に設けられ、前記台車の前記移動方向に伸縮可能で、かつ、上下方向に移動可能な作業デッキおよび前記台車の前方かつ上方に設けられ、前記台車の前方へ向けて張り出した保護屋根の前方部を前記溶融金属容器の外面と近接する位置まで伸張して作業環境を確保する工程と、前記溶融金属容器の底部に設けられた部材を取り外して前記保護屋根の前方かつ下側に設けられ、前記台車の前記移動方向と直交する方向に横行可能な揚重装置により搬出する工程と、前記工具ブームおよび前記スリーブブームのそれぞれの軸心を含む面上に備えている、各軸心と平行な芯出し用の光線を照射する芯出装置を用い、前記スリーブ煉瓦の軸心と一致するように、芯出し用の光線を照射して芯出しを行って、前記工具ブームの姿勢を調整する工程と、穿孔工具の打撃および回転により前記スリーブ煉瓦および前記溶融金属容器内の残留物を穿孔する工程と、前記横行架台を横行させて前記スリーブブームを穿孔後の孔に正対させ、交換用のスリーブ煉瓦を挿入する工程と、を具備したことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換方法である。
本発明の上記穿孔工具によれば、穿孔工具の寿命を延ばすことができ、かつ、スリーブ煉瓦の穿孔作業を短時間で実施できる。
すなわち、上記穿孔工具によれば、スリーブ煉瓦の穿孔作業において、スリーブ煉瓦の貫通孔を拡開する状態に切削を進行でき、この際、一度砕かれた亀裂片はスリーブ煉瓦を破砕している部分へ再び押し込まれることが少ない。このため、穿孔工具の軸ぶれが少なくなり、スリーブ煉瓦に対して高精度で穿孔処理を施すことができる。また、外周側ビットおよび内周側ビットはそれぞれスリーブ煉瓦の切削と押し出しの別々の機能を有し、かつ、一度砕かれた亀裂片が切削の障害になることもないので、穿孔工具は余分な外力を受けることもなくスムーズに切削できる。これにより、スリーブ煉瓦を迅速に穿孔でき、さらに、穿孔工具の各部が受けるダメージを極力減らすことができる。このため、穿孔工具の寿命を延ばすことができ、穿孔工具の取り替え回数を減少できる。さらに、穿孔工具に打撃力を与える装置側の負荷をも低減できるので、当該装置側の寿命を延ばすことができる。
例えば、転炉などの溶融金属容器におけるスリーブ煉瓦を除去して交換する場合、スリーブ煉瓦の穿孔に要する時間を短縮できることから、全体の作業時間を短縮化できる。結果として、当該スリーブ煉瓦を交換するために転炉の操業を停止しておく期間が短くて済むので、転炉の操業時間を長く確保することができる。
また、本発明によれば、スリーブ煉瓦の穿孔時に、各ビットの先端とスリーブ煉瓦との当接面積が大となり、スリーブ煉瓦の当接部に対して一度の衝撃動作で複数本の亀裂を生じさせることができる。このため、外周側ビットおよび内周側ビットのそれぞれの先端部が早期に損耗してしまうことを防ぐことができると共に、穿孔速度を向上できる。
したがって、穿孔工具の寿命を延ばすことができ、かつ、作業時間を短縮化できる。結果として、スリーブ煉瓦を交換するために転炉の操業を停止しておく期間が短くなり、転炉の操業時間を長く確保することができる。
さらに、本発明によれば、例えば、転炉などの溶融金属容器におけるスリーブ煉瓦の穿孔時に、当該楔形における稜線部にてスリーブ煉瓦に直線状の切れ込みを形成して破砕することができる。また、スリーブ煉瓦とこれを保持する転炉の一部との間に地金が存在する場合でも、この地金を切り込んで破砕することができる。このため、スリーブ煉瓦の穿孔速度を向上でき、かつ、穿孔工具が軸ぶれすることなく精密な穿孔を実現できる。そして、従来のように、スリーブ煉瓦を除去した後に残った地金に対して、作業者が別途ブレーカーにより除去作業を行う必要もないので、作業時間を大幅に短縮できる。
そして、本発明によれば、スリーブ煉瓦の穿孔時には、外周側ビットにて、円筒状のスリーブ煉瓦の内周面をスリーブ煉瓦の周方向に沿って切り崩すことができ、スリーブ煉瓦の切削効率をさらに向上できる。
加えて、本発明によれば、例えば、転炉などの溶融金属容器におけるスリーブ煉瓦の穿孔時に、スリーブ煉瓦とこれを保持する転炉の一部との間に不規則な形状の地金が存在する場合でも、スリーブ煉瓦の軸方向に沿って側面ビットが当該地金に切り込むので、ホルダの軸ぶれを防ぐことができる。このため、穿孔の精度を向上させることができる。また、側面ビットにて、当該地金やスリーブ煉瓦との摩擦により、ホルダの側面部が損耗することを防止できる。このため、穿孔工具の寿命をさらに延ばすことができる。
請求項に記載の本発明によれば、高温においても各ビットのホルダに対する良好な固着状態を得ることができる。各ビットの材料として、例えば、炭化タングステン(WC)にコバルト粉末(Co)をバインダーとして加えた超硬合金を用いた場合、800〜1000℃の温度環境下でも良好な固着状態を得ることができる。このため、高温環境においても破損することなく繰り返して使用できる。また、高温環境ではスリーブ煉瓦や地金が脆弱な状態となっており、かつ、各ビットの固着状態も安定しているので、高効率で穿孔作業を行うことができる。したがって、穿孔工具の寿命を延ばすことができ、かつ、作業時間を短縮化できる。
請求項に記載の本発明によれば、穿孔動作において、外周側ビットおよび内周側ビットにより切削された後に残存したスリーブ煉瓦に対して、環状部材の複数の割断刃が突き刺さる。そして、環状部材は、ホルダに対して遊嵌状態で設けられているので、ホルダが回転しても環状部材は回転せず、ホルダに与えられた打撃力のみがスリーブ煉瓦の残部に伝達する。これにより、スリーブ煉瓦の残部を、複数の割断刃にてスリーブ煉瓦の軸方向に沿って縦に割断できる。したがって、例えば、転炉などの溶融金属容器において、外周面がテーパ状に形成された羽口のスリーブ煉瓦に対して、作業者が別途のブレーカーなどにてスリーブ煉瓦の残部を除去せずとも、穿孔工具にて一度に全て除去することができるので、穿孔動作を迅速かつ高効率で行うことができる。
請求項に記載の本発明のスリーブ煉瓦の交換装置によれば、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の上記穿孔工具と同様に、穿孔工具の寿命を延ばすことができ、かつ、作業時間を短縮化できる。さらに、穿孔工具がスリーブ煉瓦側から余分な外力を受けないので、穿孔工具に打撃力を与えるドリフターユニットの負荷をも低減でき、このため、交換装置全体の寿命を延ばすことができる。そして、工具ブームおよびスリーブブームが傾動フレームに設けられているので、例えば、一度工具ブームで芯出しすればスリーブブームで再び芯出しする必要がなくなるため、作業時間を短縮できる。また、高温状態のスリーブ煉瓦に対して、作業者が別途のブレーカーで破砕除去することなく、穿孔工具にて高速かつ高精度で除去でき、更に、スリーブブームにて新たなスリーブ煉瓦を挿入することができる。このため、スリーブ煉瓦を容易かつ迅速に交換することができる。
例えば、転炉などの溶融金属容器において、出鋼終了後の高温状態のスリーブ煉瓦に対しても容易かつ迅速に交換作業を実施できるので、転炉の稼働率が低減することを防ぐことができる。また、従来のように、高温状態の転炉におけるスリーブ煉瓦の交換作業を作業者が直接行わずに済むので、作業者の安全性を確保することができる。
請求項に記載の本発明によれば、スリーブ煉瓦の交換作業において、作業者の足場を確保することができ、作業状況に合わせて好適な作業位置に調整できる。例えば、断崖状の空間に配置された転炉のような溶融金属容器に対して作業を行う場合でも、交換装置を断崖状の地面縁まで配置しさらに作業デッキを伸張させれば、足場となる地面がないところでも作業者の足場を確保することができる。
請求項に記載の本発明によれば、スリーブ煉瓦の交換作業において、例えば、上部からの落下物より作業者を保護することができる。したがって、作業中の作業者の安全を確保することができる。
請求項に記載の本発明によれば、例えば、揚重装置として転炉底部の治具などを吊り下げ可能なフックを備えたホイストを用いた場合、当該フックに当該治具を吊り下げて、これを作業者の作業の邪魔にならない場所まで移動すれば、交換作業をスムーズに行うことができる。
請求項に記載の本発明によれば、例えば、芯出装置により、芯の位置を目で確認しながら作業できるので高精度に芯出しすることができる。これにより、スリーブ煉瓦を高精度に穿孔することができ、さらに新たなスリーブ煉瓦を穿孔後に形成された孔に正確に挿入することができる。特に、光線軸をスリーブ煉瓦の軸心に一致させれば、横行架台をスライドするだけで工具ブームおよびスリーブブームのそれぞれの軸心をスリーブ煉瓦の軸心に一致させることができるので、スリーブ煉瓦の交換動作を迅速かつ容易に行うことができる。
請求項に記載の本発明のスリーブ煉瓦の交換方法によれば、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の上記穿孔工具と同様に、穿孔工具の寿命を延ばすことができ、かつ、作業時間を短縮化できる。そして、熱間にて、穿孔の初期段階ではスリーブ煉瓦を高速で切削することができ、さらに、穿孔の終期段階から貫通時まではスリーブ煉瓦および地金を共に切削できる。特に、不規則な形状の地金を切削する場合においても、穿孔工具にて軸ぶれすることなく高精度に切削することができる。このように、従来の作業のように終期段階がネックにならず、別途のブレーカーでの破砕除去の必要もない。したがって、一つの穿孔工具にて地金を避けることなく一度にスリーブ煉瓦の穿孔作業を行うことができるので、時間のロスが無く高効率であり、結果として転炉の操業時間を長く確保することができる。
請求項1に記載の本発明のスリーブ煉瓦の交換方法によれば、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の上記穿孔工具と同様に、穿孔工具の寿命を延ばすことができ、かつ、作業時間を短縮化できる。そして、熱間にて、転炉の底部に残存する容器内残存物およびスリーブ煉瓦を一度の動作で穿孔できるので、従来のようにスリーブ煉瓦の穿孔後、作業者がジェットランスやブレーカーなどを用いて容器内残存物を破砕していた構成に比べて、非常に安全でありかつ作業効率を大幅に向上できる。したがって、羽口におけるスリーブ煉瓦の交換を短時間で完了することができ、結果として転炉の操業時間を長く確保することができる。
(1)第1実施形態
以下に、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るスリーブ煉瓦の交換装置を模式的に示した側面図であり、図2はその平面図である。
(1-1)スリーブ煉瓦の交換装置1の全体構成
図1および2において、交換装置1は、高温状態の転炉における出鋼孔のスリーブ煉瓦を、打撃により穿孔・除去し、新たなスリーブ煉瓦に交換する装置である。
この交換装置1は、台車10と、横行架台20と、旋回テーブル30と、傾動フレーム40と、工具ブーム50と、スリーブブーム60と、芯出装置70と、駆動源80と、穿孔工具90とを備えている。そして、交換装置1は、穿孔工具90および後述するスリーブ支持具61を三次元空間の任意の方向に移動可能としている。
台車10は、図1に示すように、フレーム部11、および、このフレーム部11を移動させる移動部12を備え、転炉の外側を前後移動可能とされている。なお、以下において、台車10の前進方向を前方向、台車10の後退方向を後方向、台車10の前進方向に対して右を右方向、台車10の前進方向に対して左を左方向と称して説明する。
フレーム部11は、図1に示すように、例えば、略矩形状の底部111、この底部の四隅に立設された複数の支柱112、および、これら支柱112の上端部に連結された天井部113を備えた構造である。このようなフレーム部11には、作業デッキ13と、保護屋根14と、ホイスト15(揚重装置)とが設けられている。
移動部12は、図示を省略したが、フレーム部11底部の前後端部に回転可能に設けられるスプロケットおよびアイドラと、これらスプロケットおよびアイドラに巻装されるクローラを備えた走行装置として構成され、スプロケットに設けられる油圧モータによって駆動されることにより、フレーム部11を前後方向に走行させる。
作業デッキ13は、図1および2に示すように、台車10における底部111の前方において、前後方向に沿って伸縮可能で、かつ、上下方向に移動可能に設けられている。この作業デッキ13は、後述するスリーブ煉瓦の交換作業において、作業者の足場として利用できるようになっている。
保護屋根14は、図1および2に示すように、台車10における天井部113の前方において、前方向へ向けて張り出した状態で設けられており、この保護屋根の前方には前後方向に沿って伸縮可能なガード141(前方部)が設けられている。このガード141により、後述するスリーブ煉瓦の交換作業において、上部からの落下物より作業者を保護することが可能となっている。
ホイスト15は、図1に示すように、保護屋根14の前方かつ下側において、前後左右方向に横行可能に設けられている。このようなホイスト15は、フック151に転炉の炉底カバーや治具などの対象物を吊り下げて、当該対象物を上下させると共に前後左右方向に移動可能としている。
横行架台20は、図2に示すように、台車10の底部111上に設けられた4つのスライド軸受21、および、これらスライド軸受21に支持されて左右方向に沿って延びたスライド軸22を介して、底部111上にて左右方向に横行自在に設けられている。そして、底部111上に設けられた横行シリンダ23の作動により、横行架台20と共に当該架台上に積載された各装置が横行可能とされている。
旋回テーブル30は、横行架台20の上方において旋回可能に設けられた略円状のテーブルである。そして、旋回モータ31(図1参照)の作動により、旋回テーブル30と共に当該テーブル上に積載された各装置が旋回可能になっている。
傾動フレーム40は、旋回テーブル30の上方に設けられ、工具ブーム50およびスリーブブーム60を傾動可能に支持する。
すなわち、傾動フレーム40は、図1に示すように、旋回テーブル30の上方に取り付けられた本体部41と、この本体部41に傾動ピン42,43を介して傾動可能に連結された傾動シリンダ44,45と、これら傾動シリンダ44,45のそれぞれの上端に取り付けられたブーム連結ロッド46,47とを備えている。ブーム連結ロッド46,47は互いに平行に配設され、これらブーム連結ロッド46,47上には工具ブーム50およびスリーブブーム60が所定の間隔を置いて互いに平行に取り付けられている。これにより、ブーム連結ロッド46,47に直交する状態で取り付けられた工具ブーム50およびスリーブブーム60が、傾動シリンダ44,45のいずれか一方の作動により傾動可能となり、また、傾動シリンダ44,45の双方同時の作動により昇降可能となっている。
工具ブーム50は、傾動フレーム40の動作により、スリーブブーム60と共に一体に上下動および傾動が可能とされている。このような工具ブーム50は、図1に示すように、先端に穿孔工具90が取り外し可能な状態で取り付けられるドリフターロッド51と、このドリフターロッド51の基端側に設けられたドリフターユニット52と、このドリフターユニット52を内部に収容するドリフターフレーム53と、ドリフターフレーム53を前進後退させる工具ブーム用シリンダ54と、を備えている。
ドリフターロッド51は、先端側が円筒状とされ、その内周面に雌ねじが螺設されている(図3参照)。この雌ねじには、穿孔工具90の後述するホルダ91が螺合されるようになっている。
ドリフターユニット52は、ドリフターロッド51の軸方向に沿う打撃力、および、ドリフターロッド51の軸を中心とした回転力を、ドリフターロッド51を介して穿孔工具90に付与する。このドリフターユニット52による打撃力は例えば880Jとされ、その打撃数は例えば2800bpmとされている。また、ドリフターユニット52による回転力は例えば4900〜9800N・mとされ、その回転数は例えば40〜80min−1とされている。
工具ブーム用シリンダ54は、ドリフターロッド51の軸方向に沿ってドリフターフレーム53を前進後退させることにより、穿孔工具90を前進後退させることが可能となっている。
スリーブブーム60は、傾動フレーム40の動作により、工具ブーム50と共に一体に上下動および傾動が可能とされている。このようなスリーブブーム60は、図2に示すように、先端にて交換用のスリーブ煉瓦Sを保持可能なスリーブ支持具61と、このスリーブ支持具61の基端側を保持するスリーブ挿入フレーム62と、このスリーブ挿入フレーム62を前進後退させるスリーブブーム用シリンダ63とを備えている。
スリーブ支持具61は、図2に示すようなスリーブ煉瓦Sの貫通孔に挿入可能な突起状に形成される構成や、スリーブ煉瓦Sの端部を把持する図示しない把持機構を備えた構成などが採用可能である。
スリーブブーム用シリンダ63は、スリーブ挿入フレーム62を介してスリーブ支持具61を前進後退させ、これにより、スリーブ煉瓦Sが前進後退可能となっている。
芯出装置70は、工具ブーム50およびスリーブブーム60のそれぞれの軸心を結ぶ面内、すなわち、例えば図2に示すように、ブーム連結ロッド46における工具ブーム50とスリーブブーム60との中間位置に設けられている。そして、この芯出装置70は、工具ブーム50およびスリーブブーム60のそれぞれの軸心と平行する芯出し用のレーザービームを照射可能とされている。これにより、後述するスリーブ煉瓦の交換作業において、芯出装置70の光線軸と穿孔対象のスリーブ煉瓦の軸心とを一致させれば、横行架台20を左右方向にスライドさせることにより、工具ブーム50およびスリーブブーム60のそれぞれの軸心と当該スリーブ煉瓦の軸心とが一致するようになっている。
駆動源80は、例えばディーゼルエンジンなどであり、図1および図2に示すように、台車10の底部111の後方に設けられている。この駆動源80の前方かつ底部111上には、駆動源80からの動力伝達により作動する油圧ポンプ81が設けられている。この油圧ポンプ81から図示しない配管を介して供給される油圧により、移動部12や、作業デッキ13、ガード141、ホイスト15、横行シリンダ23、旋回モータ31、傾動シリンダ44,45、工具ブーム50、スリーブブーム60などの各部が駆動可能とされている。
(1-2)穿孔工具90の構成
次に、穿孔工具90の具体的な構成について図面に基づいて説明する。図3は本実施形態における穿孔工具を示す側断面図であり、図4はその平面図である。
穿孔工具90は、転炉の内外を貫通する出鋼孔を形成する筒状のスリーブ煉瓦を、打撃により穿孔して除去する工具である。この穿孔工具90は、図3に示すように、ホルダ91と、複数の外周側ビット92と、複数の内周側ビット93と、複数の側面ビット94とを備えている。
ホルダ91は、図3に示すように、例えばS45C(JIS)などの金属材などにて、略円筒状に形成され、また、当該円筒状の先端部(図中右端)に向けて漸次拡径されて、この先端部が肉厚板状の打撃面部911にて閉塞された形状となっている。
このホルダ91の外周面における基端側(図中左端側)には、工具ブーム50におけるドリフターロッド51の雌ねじ511に螺合可能な雄ねじ912が形成されている。当該螺合により、ドリフターロッド51とホルダ91の中心軸とが一致するようになっている。そして、ホルダ91は、ドリフターユニット52からの打撃力によりホルダ91の中心軸方向(打撃面部911の法線方向)に沿って振動し、ドリフターユニット52からの回転力によりホルダ91の中心軸(打撃面部911の法線方向の軸)周りに回転可能とされている。
打撃面部911は、筒状のスリーブ煉瓦と対向して、当該スリーブ煉瓦に該筒状の軸方向に沿って打撃力を与える面部となる。この打撃面部911の外周端部913はホルダ91の軸方向に略直交する平面状に形成され、外周端部913の内側(打撃面部911の略中央)には皿状に窪んだ凹面部914が形成されている。
また、打撃面部911には、図4に示すように、放射状に広がる複数の排出溝部915が形成されている。そして、ホルダ91には、打撃面部911の外周縁で略直交する側面部916が設けられている。この側面部916には、上記排出溝部915と連続して、ホルダ91の軸方向に沿った複数の排出溝部917が形成されている。これら排出溝部915,917により複数のビット植設領域918が区画形成されている。また、これら複数の排出溝部915,917に沿って、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時に発生するスリーブ煉瓦の亀裂片が排出されるようになっている。なお、図4では、ホルダ91には排出溝部915,917がそれぞれ8つ形成されてビット植設領域918も8つ形成された構成となっているが、排出溝部およびビット植設領域の数はこれに限定されずいずれの数としてもよく、さらには排出溝部が設けられない構成としてもよい。
さらに、ホルダ91における複数のビット植設領域918には、それぞれ所定の位置に冷媒噴出口919が形成されている。この冷媒噴出口919はホルダ91の内部と連通しており、ホルダ91の内周基端側から供給された冷却水などの冷媒が打撃面部911に向けて供給されるようになっている。これにより、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時に発生する高熱により、打撃面部911や、外周側ビット92、内周側ビット93、側面ビット94が破壊されることを防ぐようになっている。
外周側ビット92の具体的な構成について図面に基づいて説明する。図5は、外周側ビットを示す斜視図である。
外周側ビット92は、打撃によりスリーブ煉瓦に亀裂を生じさせるビットであり、それぞれのビット植設領域918の外周端部913側に複数本ずつ植設されている。このような外周側ビット92は、例えば、炭化タングステン(WC)にコバルト粉末(Co)をバインダーとして加えた超硬合金にて、図5に示すように基端側が略円柱状に形成され、かつ、先端側は、先端に稜線部921が形成された略楔形状とされている。これにより、スリーブ煉瓦の穿孔時に、当該楔形における稜線部921にてスリーブ煉瓦に直線状の切れ込みを形成して破砕し、スリーブ煉瓦と転炉との間に地金が存在する場合でもこの地金を切り込んで破砕可能になっている。
さらに、外周側ビット92先端の稜線部921は平坦化されている。このような外周側ビット92において、例えば外周側ビット92の基端側の径A1が15mm程度である場合、稜線部921の幅寸法A2は2〜3mm程度とされることが好ましい。また、例えば外周側ビット92の基端側の径A1が比較的大きくて、20mm程度とされた場合、稜線部921の幅寸法A2は7〜8mm程度とされることが好ましい。つまり、外周側ビット92の基端側の径A1に対する稜線部921の幅寸法A2の比(A2/A1)は、0.1〜0.4とされることが好ましい。
このような寸法とすることで、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時に、外周側ビット92先端の稜線部921とスリーブ煉瓦との当接面積が大となり、スリーブ煉瓦の当接部に対して一度の衝撃動作で複数本の亀裂を生じさせることが可能となる。
そして、上記比A2/A1が0.1より小さい場合、外周側ビット92先端の稜線部921が鋭利であり、外周側ビット92先端の稜線部921とスリーブ煉瓦との当接面積が小となるので、スリーブ煉瓦の当接部に対して一度の衝撃動作で1本の亀裂のみしか発生させることができない。
一方、上記比A2/A1が0.4よりも大きな場合、外周側ビット92先端の稜線部921とスリーブ煉瓦との当接面積が大き過ぎて、スリーブ煉瓦に良好に亀裂を生じさせることができない。
そして、外周側ビット92は、図3,4に示すように、各ビット植設領域918の外周端部913側に複数本設けられたビットのうち、最外周側の外周側ビット92は外方へ向けて開く状態に植設されており、これより内側の外周側ビット92はホルダ91の軸方向に略沿う状態に植設されている。これにより、スリーブ煉瓦に良好に亀裂を生じさせることが可能となる。
また、これら外周側ビット92は、ホルダ91の回転接線方向に稜線部921が倣うように配置されている。これにより、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時には、外周側ビット92にて、円筒状のスリーブ煉瓦の内周面をスリーブ煉瓦の周方向に沿って切り崩す状態となり、スリーブ煉瓦の切削効率が向上するようになっている。
内周側ビット93の具体的な構成について図面に基づいて説明する。図6は、内周側ビットを示す斜視図である。
内周側ビット93は、外周側ビット92の打撃により生じたスリーブ煉瓦の亀裂片を、凹面部914の中央側に押し込むビットであり、それぞれのビット植設領域918における複数の外周側ビット92の内側かつ凹面部914の外周端部側に複数本ずつ植設されている。このような配置とすることで、内周側ビット93の先端は、外周側ビット92の先端よりもホルダ91の基端側に位置する状態となる。これにより、外周側ビット92の打撃により生じたスリーブ煉瓦の亀裂片が、凹面部914の中央側に向けて傾斜し、内周側ビット93によりさらに当該亀裂片を凹面部914の中央側に向けて押し込むことが可能となる。
このような内周側ビット93は、例えば、炭化タングステン(WC)にコバルト粉末(Co)をバインダーとして加えた超硬合金にて、図6に示すように基端側が略円柱状に形成され、かつ、先端側が円錐台状に形成されており、さらに内周側ビット93の先端が平坦化されている。このような内周側ビット93において、内周側ビット93の基端側の径B1に対する先端部の径B2の比(B2/B1)は、上記外周側ビット92の場合と同様に0.1〜0.4とされることが好ましい。
側面ビット94の具体的な構成について図面に基づいて説明する。図7は、側面ビットを示す斜視図である。
側面ビット94は、図3,4に示すように、それぞれのビット植設領域918における側面部916に1つずつ植設されている。このような側面ビット94は、例えば、炭化タングステン(WC)にコバルト粉末(Co)をバインダーとして加えた超硬合金にて、図7に示すように基端側が略角柱状に形成され、かつ、先端側は、ホルダ91の軸方向(打撃面部911の法線方向)に稜線部941が延びる略楔形状に形成されている。これにより、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時に、スリーブ煉瓦と転炉との間に地金が存在する場合でも、スリーブ煉瓦の軸方向に沿って当該地金に切り込むので、ホルダ91の軸ぶれを防ぐガイドとして機能するようになっている。また、当該地金やスリーブ煉瓦との摩擦により、ホルダ91の側面部916が損耗することを防止している。
ここで、上記外周側ビット92、内周側ビット93および側面ビット94のホルダ91への植設部について、図面に基づいて説明する。図8は、ビットの植設部を模式的に示す側断面図である。なお、図8では、内周側ビット93の植設部のみを例示してあるが、外周側ビット92および側面ビット94の植設部についても同様の構成となっている。
図8において、ホルダ91には、内周側ビット93が植設される植設孔931と、この植設孔931周りに拡開形成されたテーパ穴932とが形成されている。そして、内周側ビット93は、植設孔931に挿入されて、溶接によりテーパ穴932に溶接金属933が充填されることにより固定されている。これにより、各ビットのホルダ91に対する固着状態が安定なものとなる。このため、内周側ビット93は、800〜1000℃の温度環境下でも破損することなく使用可能となっている。
(1-3)転炉の出鋼孔におけるスリーブ煉瓦の交換作業
次に、上記交換装置1を用いて転炉の出鋼孔におけるスリーブ煉瓦を熱間で交換する作業について、図面に基づいて説明する。図9は、出鋼孔のスリーブ煉瓦の交換方法を説明するためのフローチャートである。図10は、転炉、および、この転炉における出鋼孔のスリーブ煉瓦を穿孔する交換装置を模式的に示す側断面図である。
転炉における出鋼孔のスリーブ煉瓦を交換する作業は、以下に示す工程を経て実施される。まず、図10に示すように、移動部12を駆動して交換装置1を転炉T前の所定の位置に配置する(ステップS101)。
次に、保護屋根14のガード141を転炉Tに向けて前進させる(ステップS102)。
そして、作業デッキ13を前進昇降して作業者の足場を確保する(ステップS103)。
この後、交換対象であるスリーブ煉瓦Sの筒状の軸心と一致するように、芯出装置70にてレーザービームを照射して芯出しを行う(ステップS104)。具体的には、芯出装置70にてレーザービームを照射しながら、横行架台20による横行動作、旋回テーブル30による旋回動作、および、傾動フレーム40による傾動・昇降動作を行い、レーザービームの軸心をスリーブ煉瓦Sの軸心に一致させる。これに連動して、工具ブーム50およびスリーブブーム60が横行、旋回、傾動および昇降し、姿勢が調整される、すなわち、横行架台20を横行させるだけで工具ブーム50およびスリーブブーム60(図1および2参照)のそれぞれの軸心がスリーブ煉瓦Sの軸心と一致する状態となる。
芯出しが完了した後、横行架台20を横行させて工具ブーム50の軸心をスリーブ煉瓦Sの軸心と一致させて位置決めを行う(ステップS105)。
そして、ドリフターユニット52(図1参照)を駆動して穿孔工具90に打撃力および回転力を付与すると共に、工具ブーム用シリンダ54(図1参照)を駆動して穿孔工具90を前進させて、スリーブ煉瓦Sの穿孔を開始する。
穿孔の初期段階では、穿孔工具90の打撃および回転によりスリーブ煉瓦Sを穿孔する(ステップS106)。すなわち、穿孔工具90の打撃が主体となって、スリーブ煉瓦Sの内周面が拡大される状態に切削される。
穿孔の終期段階から貫通時までは、穿孔工具90の打撃の頻度を低減させ、かつ、回転主体で穿孔工具90を繰り返し前進後退させて、スリーブ煉瓦Sを穿孔する(ステップS107)。なお、これらステップS106およびS107のスリーブ煉瓦Sの穿孔動作については、後程詳述する。
そして、スリーブ煉瓦Sの穿孔動作が終了したら、工具ブーム用シリンダ54を駆動して穿孔工具90を出鋼孔T1より抜き出す(ステップS108)。
この後、スリーブブーム60のスリーブ支持具61(図2参照)に交換用のスリーブ煉瓦Sを装着し、横行架台20を横行させてスリーブブーム60を穿孔後の孔に正対させる(ステップS109)。
さらに、スリーブブーム用シリンダ63を前進させて交換用のスリーブ煉瓦Sを当該孔に挿入する(ステップS110)。
スリーブ煉瓦Sの挿入後、スリーブブーム用シリンダ63を後退させてスリーブ支持具61を抜き出し、保護屋根14のガード141および作業デッキ13を転炉Tから後退させる(ステップS111)。
そして、移動部12を駆動して交換装置1を移動させて(ステップS112)、一連の出鋼孔T1におけるスリーブ煉瓦Sの交換作業が終了する。
(1-4)スリーブ煉瓦の穿孔動作
図9におけるステップS106およびS107のスリーブ煉瓦Sの穿孔動作について、図面に基づいて説明する。図11は、穿孔工具の穿孔動作を模式的に示す側断面図である。
一般に、転炉Tの出鋼孔T1(図10参照)は、一定の径寸法で転炉Tの内側から外側までを貫通した円孔であり、この出鋼孔T1に内包されるスリーブ煉瓦Sは、図11に示すように円筒状に形成されている。そして、転炉Tの度重なる使用により、転炉Tの内側に対向するスリーブ煉瓦Sの一端側と、これに対向する出鋼孔T1との間には溶融物が侵入して、主成分が鉄の地金Jが形成される。
なお、スリーブ煉瓦Sの穿孔は、転炉Tの稼動停止時間を短縮するためにも、転炉Tの温度が稼動時よりも若干降温した1000℃程度の高温状態で行われることが好ましい。
また、スリーブ煉瓦Sを新たに交換する際は、スリーブ煉瓦Sおよび当該地金Jを全て除去する必要がある。このスリーブ煉瓦Sの除去は、穿孔工具90にて全て切削除去することや、穿孔工具90にて内周面を拡大する状態に切削して残部を作業者がブレーカーなどで削除することにより行われる
図9におけるステップS106の穿孔初期では、スリーブ煉瓦Sの一端側(図11中左側)を切削することになる。この場合、スリーブ煉瓦Sにおける煉瓦質の当該一端側に対して、主に穿孔工具90で打撃力を加え、緩やかに穿孔工具90を回転させることにより、スリーブ煉瓦Sが切削される。
具体的には、穿孔工具90の打撃により、各外周側ビット92にてスリーブ煉瓦Sに複数の亀裂を生じさせ、そして、内周側ビット93にて外周側ビット92の打撃により生じたスリーブ煉瓦Sの亀裂片S1を、凹面部914の中央側に押し込む。なお、破砕された亀裂片S1は前方の転炉Tの中へまたは排出溝部915,917を通って後方の転炉Tの外部へ排出され、一度砕かれた亀裂片S1がスリーブ煉瓦Sを破砕している部分へ再び押し込まれることが少ない。
これにより、穿孔時における穿孔工具90の軸ぶれが少なくなり、また従来のように回転力を主体として穿孔していた構成に比べて、スリーブ煉瓦の穿孔時間が短縮される。
さらに、穿孔時には、穿孔工具90の各部がスリーブ煉瓦Sより受けるダメージは少ないので、穿孔工具90自体の破損や交換装置1側の破損が殆ど無い。特に、転炉が高温状態(例えば1000℃)となっている場合でも、外周側ビット92、内周側ビット93および側面ビット94がホルダ91へ図8に示す植設法にて取り付けられているので、当該高温環境においても抜け落ちることなく穿孔工具90の切削能力が低下することがない。
図9におけるステップS107の穿孔終期から貫通時までは、スリーブ煉瓦Sの一端側(図11中右側)を切削することになるので、煉瓦質のスリーブ煉瓦Sおよび地金Jの双方を同時に切削しなければならない。この場合、穿孔工具90の打撃の頻度を低減させ、かつ、回転主体で穿孔工具90を繰り返し前進後退させることにより、スリーブ煉瓦Sおよび地金Jの双方が切削される。
ここで、地金Jは、穿孔時において、スリーブ煉瓦Sのように亀裂が生じて破壊が進行するものと異なり、弾塑性変形挙動を示す。特に、転炉が高温状態(例えば1000℃)となっているので、地金Jの塑性変形量が大であっても材料が断絶しない高粘性状態となっている。このため、穿孔工具90にて回転力を加えかつ穿孔工具90を繰り返し前進後退させることにより切削が好適に進行する。一方、穿孔工具90にて打撃力を主体的に加えても地金Jの切削が進行しない。
この際、外周側ビット92は先端に稜線部921が形成された略楔形状とされているので、ホルダ91の回転に伴って外周側ビット92が地金Jに切り込み、穿孔工具90全体が軸ぶれすることなく地金Jの切削が進行する。また、側面ビット94は、スリーブ煉瓦Sの軸方向に沿って地金Jに切り込み、ホルダ91の軸ぶれを防ぐガイドとして機能する。これにより、スリーブ煉瓦Sを高精度で切削・除去することが可能となる。
(1-5)穿孔工具、スリーブ煉瓦の交換装置および交換方法の効果
上記第1実施形態における穿孔工具90、交換装置1およびスリーブ煉瓦の交換方法によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1-5-1)穿孔工具90は、ホルダ91と、複数の外周側ビット92と、複数の内周側ビット93とを備えている。ホルダ91は、筒状のスリーブ煉瓦を該筒状の軸方向に沿って打撃するための打撃面部911を有し、この打撃面部911の略中央には凹面部914が形成されている。外周側ビット92は、打撃面部911の外周端部913に植設され、打撃によりスリーブ煉瓦に亀裂を生じさせる。内周側ビット93は、複数の外周側ビット92の内側かつ凹面部914の外周端側に植設され、外周側ビット92の打撃により生じたスリーブ煉瓦の亀裂片S1を、凹面部914の中央側に押し込む。
これにより、一度砕かれた亀裂片S1はスリーブ煉瓦Sを破砕している部分へ再び押し込まれることが少なくなる。このため、穿孔工具90の軸ぶれが少なくなり、スリーブ煉瓦Sに対して高精度で穿孔できる。また、外周側ビット92および内周側ビット93はそれぞれスリーブ煉瓦Sの切削と押し出しの別々の機能を有し、かつ、一度砕かれた亀裂片S1が切削の障害になることもないので、余分な外力を受けることもなくスムーズに切削できる。これにより、迅速にスリーブ煉瓦Sを削孔することができ、さらに、穿孔工具90の各部が受けるダメージを極力減らすことができる。このため、穿孔工具90の寿命を延ばすことができ、穿孔工具90の取り替え回数を減少できる。さらに、ドリフターユニット52などの穿孔工具90に打撃力を与える装置側の負荷をも低減できるので、交換装置1の寿命を延ばすことができる。また、穿孔に要する時間を短縮できることから、スリーブ煉瓦Sの交換に当って、全体の作業時間を短縮化できる。これにより、当該スリーブ煉瓦を交換するために転炉の操業を停止しておく期間が短くて済むので、結果として転炉の操業時間を長く確保することができる。
なお、破砕された亀裂片S1は前方の転炉Tの中へまたは排出溝部915,917を通って後方の転炉Tの外部へ排出される。
(1-5-2)外周側ビット92および内周側ビット93の先端を平坦化している。
これにより、スリーブ煉瓦の穿孔時に、各ビットの先端とスリーブ煉瓦との当接面積が大となり、スリーブ煉瓦の当接部に対して一度の衝撃動作で複数本の亀裂を生じさせることができる。このため、外周側ビット92および内周側ビット93のそれぞれの先端部が早期に損耗してしまうことを防ぐことができると共に、穿孔速度を向上できる。したがって、穿孔工具90の寿命を延ばすことができ、かつ、作業時間を短縮化できる。結果として、スリーブ煉瓦を交換するために転炉の操業を停止しておく期間が短くなり、転炉の操業時間を長く確保することができる。
(1-5-3)外周側ビット92は、先端に稜線部921が形成された略楔形状とされている。
これにより、スリーブ煉瓦の穿孔時に、当該楔形における稜線部921にてスリーブ煉瓦に直線状の切れ込みを形成して破砕し、スリーブ煉瓦と転炉との間に地金が存在する場合でもこの地金を切り込んで破砕することができる。このため、スリーブ煉瓦の穿孔速度を向上でき、かつ、穿孔工具90が軸ぶれすることなく精密な穿孔を実現できる。そして、従来のように、スリーブ煉瓦を除去した後に残った地金に対して、作業者が別途ブレーカーにより除去作業を行う必要もないので、作業時間を大幅に短縮できる。
(1-5-4)ホルダ91は、打撃面部911の法線方向の軸周りに回転し、外周側ビット92は、このホルダ91の回転接線方向に稜線部921が倣うように配置されている。
これにより、スリーブ煉瓦の穿孔時には、外周側ビット92にて、円筒状のスリーブ煉瓦の内周面をスリーブ煉瓦の周方向に沿って切り崩すことができ、スリーブ煉瓦の切削効率をさらに向上できる。
(1-5-5)ホルダ91は、打撃面部911の外周縁で交差する側面部916を有し、この側面部916には、打撃面部911の法線方向に稜線部941が延びる略楔形状の側面ビット94が植設されている。
これにより、スリーブ煉瓦の穿孔時に、スリーブ煉瓦と転炉との間に地金が存在する場合でも、スリーブ煉瓦の軸方向に沿って側面ビット94が当該地金に切り込むので、ホルダ91の軸ぶれを防ぐことができる。このため、穿孔の精度を向上させることができる。また、側面ビット94にて、当該地金やスリーブ煉瓦との摩擦により、ホルダ91の側面部916が損耗することを防止できる。このため、穿孔工具90の寿命をさらに延ばすことができる。
(1-5-6)外周側ビット92、内周側ビット93および側面ビット94のうち、少なくともいずれかのビットは、該ビットが植設される植設孔931周りに拡開形成されたテーパ穴932に溶接によって溶接金属933が充填されて固定されている。
これにより、高温においても各ビットのホルダ91に対する良好な固着状態を得ることができる。特に、各ビットの材料として、炭化タングステン(WC)にコバルト粉末(Co)をバインダーとして加えた超硬合金を用いることにより、800〜1000℃の温度環境下でも良好な固着状態を得ることができる。このため、高温環境においても破損することなく繰り返して使用できる。また、高温環境ではスリーブ煉瓦や地金が脆弱な状態となっており、かつ、各ビットの固着状態も安定しているので、高効率で穿孔作業を行うことができる。したがって、穿孔工具90の寿命を延ばすことができ、かつ、作業時間を短縮化できる。
(1-5-7)交換装置1は、台車10と、横行架台20と、旋回テーブル30と、傾動フレーム40と、工具ブーム50およびスリーブブーム60とを備えている。工具ブーム50には、穿孔工具90が取り付けられて、当該穿孔工具90を前進後退させる工具ブーム用シリンダ54と、当該穿孔工具90に振動力および回転力を与えるドリフターユニット52とが設けられている。スリーブブーム60には、先端にて交換用のスリーブ煉瓦Sを保持するスリーブ支持具61と、このスリーブ支持具61が取り付けられたスリーブ挿入フレーム62と、このスリーブ挿入フレーム62を前進後退させるスリーブブーム用シリンダ63とが設けられている。
このように、工具ブーム50およびスリーブブーム60が傾動フレーム40に設けられているので、例えば、一度工具ブーム50で芯出しすればスリーブブーム60で再び芯出しする必要がなくなるため、作業時間を短縮できる。
また、出鋼終了後の高温状態のスリーブ煉瓦を作業者が別途のブレーカーで破砕除去することなく、穿孔工具90にて高速かつ高精度で除去することができ、更にスリーブブーム60にて新たなスリーブ煉瓦を挿入することができる。このため、スリーブ煉瓦を容易かつ迅速に交換することができ、炉の稼働率が低減することを防ぐことができる。さらに、従来のように、高温状態の転炉におけるスリーブ煉瓦の交換作業を作業者が直接行わずに済むので、作業者の安全性を確保することができる。
そして、穿孔工具90がスリーブ煉瓦側から余分な外力を受けないので、穿孔工具90に打撃力を与えるドリフターユニット52の負荷をも低減でき、このため、交換装置1の寿命を延ばすことができる。
(1-5-8)台車10の前方かつ下方には、台車10の移動方向に伸縮可能で、かつ、上下方向に移動可能な作業デッキ13が設けられている。
これにより、スリーブ煉瓦の交換作業において、作業者の足場を確保することができ、作業状況に合わせて好適な作業位置に調整できる。特に、断崖状の空間に配置された転炉のような溶融金属容器に対して作業を行う場合、交換装置1を断崖状の地面縁まで配置しさらに作業デッキ13を伸張させれば、足場となる地面がないところでも作業者の足場を確保することができる。
(1-5-9)台車10の前方かつ上方には、台車10の前方へ向けて張り出した保護屋根14が設けられており、この保護屋根の前方には台車10の移動方向に伸縮可能なガード141が設けられている。
これにより、スリーブ煉瓦の交換作業において、上部からの落下物より作業者を保護することができる。したがって、作業中の作業者の安全を確保することができる。
(1-5-10)保護屋根14の前方かつ下側には、台車10の移動方向と直交する方向に横行可能なホイスト15が設けられている。
これにより、ホイスト15は、フック151に移動の対象物となる転炉の治具などを吊り下げて、当該治具を上下左右方向に移動させて作業者の作業の邪魔にならない場所まで移動すれば、交換作業をスムーズに行うことができる。
(1-5-11)交換装置1は、工具ブーム50およびスリーブブーム60のそれぞれの軸心を含む面上に、各軸心と平行な芯出し用の光線を照射する芯出装置70を備えている。この芯出装置70により、芯の位置を目で確認しながら作業できるので高精度に芯出しすることができる。
これにより、スリーブ煉瓦を高精度に穿孔することができ、さらに新たなスリーブ煉瓦を穿孔後に形成された孔に正確に挿入することができる。特に、光線軸をスリーブ煉瓦の軸心に一致させれば、横行架台20をスライドするだけで工具ブーム50およびスリーブブーム60のそれぞれの軸心をスリーブ煉瓦の軸心に一致させることができるので、スリーブ煉瓦の交換動作を迅速かつ容易に行うことができる。
(1-5-12)転炉Tにおける出鋼孔T1を形成する筒状のスリーブ煉瓦Sを熱間で交換する。具体的には、スリーブ煉瓦Sの軸心と一致するように、光線を照射して芯出しを行って、工具ブーム50の姿勢を調整する。そして、初期段階では穿孔工具90の打撃および回転によりスリーブ煉瓦Sを穿孔し、終期段階から貫通時までは穿孔工具90の打撃の頻度を低減させ、かつ、回転主体で穿孔工具90を繰り返し前進後退させて、スリーブ煉瓦Sを穿孔する。さらに、横行架台20を横行させてスリーブブーム60を穿孔後の孔に正対させ、交換用のスリーブ煉瓦Sを挿入する。
これにより、熱間にて、穿孔の初期段階ではスリーブ煉瓦Sを高速で切削することができ、さらに、穿孔の終期段階から貫通時まではスリーブ煉瓦Sおよび地金Jを共に切削できる。特に、不規則な形状の地金Jを切削する場合においても、穿孔工具90にて軸ぶれすることなく高精度に切削することができる。このように、従来の作業のように終期段階がネックにならず、別途のブレーカーでの破砕除去の必要もない。したがって、一つの穿孔工具90にて地金Jを避けることなく一度にスリーブ煉瓦の穿孔作業を行うことができるので、時間のロスが無く高効率であり、結果として転炉の操業時間を長く確保することができる。
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図面に基づいて説明する。なお、本実施形態に係るスリーブ煉瓦の交換装置は、上記第1実施形態と穿孔工具90の構成のみが異なり、その他の構成については同様である。このため、同様の構成については説明および図示を適宜省略する。
(2-1)穿孔工具90Aの構成
穿孔工具90Aの具体的な構成について図面に基づいて説明する。図12は本実施形態における穿孔工具を示す側断面図であり、図13はその平面図である。
穿孔工具90Aは、転炉の内外を貫通する羽口における筒状のスリーブ煉瓦を、打撃により穿孔して除去する工具である。この穿孔工具90Aは、図12に示すように、ホルダ91Aと、複数の外周側ビット92Aと、複数の内周側ビット93Aと、複数の側面ビット94Aと、環状部材95とを備えている。
ホルダ91Aは、図12に示すように略円筒状に形成され、また、当該円筒状の先端部(図中右端)が径大となっており、この先端部が肉厚板状の打撃面部911Aにて閉塞された形状となっている。
このホルダ91Aの外周面における基端側(図中左端側)には、工具ブーム50におけるドリフターロッド51の雌ねじ511に螺合可能な雄ねじ912Aが形成されている。
打撃面部911Aは、筒状のスリーブ煉瓦と対向して、当該スリーブ煉瓦に該筒状の軸方向に沿って打撃力を与える面部となる。この打撃面部911Aの外周端部913Aは面取りされてホルダ91Aの軸方向と交差するテーパ面となっている。この外周端部913Aの内側(打撃面部911Aの略中央)には皿状に窪んだ凹面部914Aが形成されている。
また、ホルダ91Aには、打撃面部911Aの外周縁で略直交する側面部916Aが設けられている。この側面部916Aには、ホルダ91Aの軸方向に沿った複数の排出溝部917Aが形成されている。この排出溝部917Aに沿って、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時に発生するスリーブ煉瓦の亀裂片が排出されるようになっている。
さらに、ホルダ91Aにおける打撃面部911Aには、それぞれ所定の位置に冷媒噴出口919Aが形成されている。この冷媒噴出口919Aはホルダ91Aの内部と連通しており、ホルダ91Aの内周基端側から供給された冷却水などの冷媒が打撃面部911Aに向けて供給されるようになっている。これにより、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時に発生する高熱により、打撃面部911Aや、外周側ビット92A、内周側ビット93A、側面ビット94Aが破壊されることを防ぐようになっている。
外周側ビット92Aは、打撃によりスリーブ煉瓦に亀裂を生じさせるビットであり、図12,13に示すように、外周端部913Aおよび凹面部914Aの外周端側に複数本植設されている。これら外周側ビット92Aのうち、外周端部913Aに植設された外周側ビット92Aは、外方へ向けて開く状態に植設されており、凹面部914Aの外周端側に植設された外周側ビット92Aは、ホルダ91Aの軸方向に略沿う状態に植設されている。これにより、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時に、スリーブ煉瓦に良好に亀裂を生じさせることが可能となる。
また、外周側ビット92Aは、図5に示すような略円柱状に形成され、当該円柱状の先端側は、先端に稜線部921が形成された略楔形状とされている。そして、外周側ビット92Aは、ホルダ91Aの回転接線方向に稜線部921が倣うように配置されている。
なお、この外周側ビット92Aは、図5に示す上記第1実施形態における外周側ビット92と同材質にて同形状に形成されている。
内周側ビット93Aは、外周側ビット92Aの打撃により生じたスリーブ煉瓦の亀裂片を、凹面部914Aの中央側に押し込むビットであり、図12,13に示すように、複数の外周側ビット92Aの内側かつ凹面部914Aに複数植設されている。特に、内周側ビット93Aは、羽口における肉厚のスリーブ煉瓦に対応させるために、凹面部914Aの中央側にまで設けられている。
このような配置とすることで、内周側ビット93Aの先端は、外周側ビット92Aの先端よりもホルダ91Aの基端側に位置する状態となる。これにより、外周側ビット92Aの打撃により生じたスリーブ煉瓦の亀裂片を、凹面部914Aの中央側に向けて押し込むことが可能となる。
なお、この内周側ビット93Aは、図6に示す上記第1実施形態における内周側ビット93と同材質にて略同形状に形成されている。
側面ビット94Aは、図12,13に示すように、側面部916Aから外周端部913Aに跨って複数植設されている。この側面ビット94Aは、図7に示すような略角柱状に形成され、当該角柱状の先端はホルダ91Aの軸方向(打撃面部911Aの法線方向)に稜線部が延びる略楔形状に形成されている。
なお、この内周側ビット93Aは、図6に示す上記第1実施形態における内周側ビット93と同材質にて形成されている。
また、上記外周側ビット92A、内周側ビット93Aおよび側面ビット94Aの植設部の構成は、上記第1実施形態における図8に示した植設部と同様の構成である。
環状部材95は、金属材料などにて環状に形成され、ホルダ91の打撃基端側(図12中左端側)に、該ホルダ91に対して遊嵌状態で設けられている。この環状部材95の外周面には、刃先がホルダ91の軸方向(打撃方向)に沿って延びて、残存したスリーブ煉瓦を割断する割断刃951が所定間隔を置いて複数設けられている。これにより、後述するスリーブ煉瓦の穿孔時に、残存するスリーブ煉瓦を好適に破砕することが可能となる。なお、図13では割断刃951は4つ設けられているが、これに限定されず、2つ以上であればいずれの数でもよい。
(2-2)転炉の羽口におけるスリーブ煉瓦の交換作業
次に、上記交換装置1を用いて転炉の羽口におけるスリーブ煉瓦を熱間で交換する作業について、図面に基づいて説明する。図14は、羽口のスリーブ煉瓦の交換方法を説明するためのフローチャートである。図15は、転炉、および、この転炉における羽口のスリーブ煉瓦を穿孔する交換装置を模式的に示す側断面図である。
転炉Tにおける羽口T2のスリーブ煉瓦を交換する作業は、以下に示す工程を経て実施される。まず、図15に示すように、移動部12を駆動して交換装置1を転炉T前の所定の位置に配置する(ステップS201)。
次に、保護屋根14のガード141を転炉Tの外面と近接する位置まで伸張させる(ステップS202)。そして、作業デッキ13を前進昇降して作業者の足場を確保する(ステップS203)。このようにして作業者の作業環境を確保する。
この後、転炉Tの底部に設けられた部材、例えば炉底カバー、配管、スリーブ受金物などを取り外して、これらをホイスト15により搬出する(ステップS204)。
当該底部の部材の搬出後、交換対象であるスリーブ煉瓦Sの筒状の軸心と一致するように、芯出装置70にてレーザービームを照射して芯出しを行う(ステップS205)。
芯出し後、横行架台20を横行させて工具ブーム50の軸心をスリーブ煉瓦Sの軸心と一致させて位置決めを行う(ステップS206)。
そして、ドリフターユニット52(図1参照)を駆動して穿孔工具90Aに打撃力および回転力を付与すると共に、工具ブーム用シリンダ54(図1参照)を駆動して穿孔工具90Aを前進させて、スリーブ煉瓦Sを穿孔する(ステップS207)。さらに、穿孔工具90Aを前進させて、転炉Tの炉底に溜まったスラグなどの容器内残存物をも穿孔する(ステップS208)。なお、このステップS207,S208における穿孔動作については後程詳述する。
そして、スリーブ煉瓦Sの穿孔動作が終了したら、工具ブーム用シリンダ54を駆動して穿孔工具90Aを羽口T2より抜き出す(ステップS209)。
この後、スリーブブーム60のスリーブ支持具61(図2参照)に交換用のスリーブ煉瓦Sを装着し、横行架台20を横行させてスリーブブーム60を穿孔後の孔に正対させる(ステップS210)。
さらに、スリーブブーム用シリンダ63を前進させて交換用のスリーブ煉瓦Sを当該孔に挿入する(ステップS211)。そして、スリーブブーム用シリンダ63を後退させてスリーブ支持具61を抜き出しておく。
ここで、転炉Tの炉底に複数の羽口T2が設けられている場合において、交換対象となるスリーブ煉瓦がまだ残っているか否かを判断し(ステップS212)、交換対象となるスリーブ煉瓦がまだ残っている場合は、上記ステップS205の処理を実施する。この場合、作業者が作業を行い易い位置に作業デッキ13を適宜昇降させて、作業者の足場を確保することが好ましい。
一方、ステップS212において、交換対象となるスリーブ煉瓦が残っていない場合は、転炉Tの底部における炉底カバー、配管、スリーブ受金物などをホイスト15を利用して取り付ける(ステップS213)。そして、保護屋根14のガード141および作業デッキ13を転炉Tから後退させる(ステップS214)。
この後、移動部12を駆動して交換装置1を移動させて(ステップS215)、一連の羽口T2におけるスリーブ煉瓦Sの交換作業が終了する。
(2-3)スリーブ煉瓦の穿孔動作
図14におけるステップS207およびS208の穿孔動作について、図面に基づいて説明する。図16は、穿孔工具90Aによる穿孔動作を模式的に示す側断面図である。
一般に、転炉Tの羽口T2は、転炉の外側から内側へ向けて漸次径小となるテーパ状に、転炉の外側から内側までを貫通形成した円孔である。このような羽口T2は、通常、転炉Tの底部に複数設けられており、これら羽口T2を介して酸素その他のガスが転炉T内部に導入される。
この羽口T2に内包されるスリーブ煉瓦Sは、図16に示すような肉厚の略円筒状で、その外周面は一端側から他端側へ向けて漸次径小となるテーパ状に形成されている。
また、通常、使用後の転炉T内部の炉底には、転炉Tの稼動時に発生したスラグなどの容器内残存物T3が貯留されて固化している。この容器内残存物T3により羽口T2が塞がれているので、スリーブ煉瓦Sを新たに交換する際は、穿孔工具90Aにてスリーブ煉瓦Sを全て切削除去し、さらに、転炉T内部へのガス導入を可能とするためにも容器内残存物T3をも穿孔し貫通させておく必要がある。
なお、スリーブ煉瓦Sの穿孔は、転炉の稼動停止時間を短縮するためにも、転炉の温度が稼動時よりも若干降温した1000℃程度の高温状態で行われることが好ましい。
穿孔前は、図16(A)に示すように、スリーブ煉瓦Sの内部にノズル管T4が嵌入されている。そして、作業者によりノズル管T4が引き抜かれ、図16(B)に示す状態となる。なお、ノズル管T4を引き抜かずに、穿孔工具90Aにてスリーブ煉瓦Sおよびノズル管T4の双方を切削除去してもよい。
そして、図16(C)に示すように、図14におけるステップS207のスリーブ煉瓦Sの穿孔段階では、スリーブ煉瓦Sに対して、主に穿孔工具90Aで打撃力を加え、緩やかに穿孔工具90Aを回転させることにより削孔する。
具体的には、穿孔工具90Aの打撃により、各外周側ビット92Aにてスリーブ煉瓦Sに複数の亀裂を生じさせ、そして、内周側ビット93Aにて外周側ビット92Aの打撃により生じたスリーブ煉瓦Sの亀裂片S1を、凹面部914Aの中央側に押し込む。特に、複数の内周側ビット93Aのうち一部は、凹面部914Aの中央側にまで設けられているので、当該内周側ビット93Aにて肉厚のスリーブ煉瓦Sの内周側が切削される。なお、破砕された亀裂片S1は前方の転炉Tの中へまたは排出溝部917Aを通って後方の転炉Tの外部へ排出され、一度砕かれた亀裂片S1がスリーブ煉瓦Sを破砕している部分へ再び押し込まれることが少ない。
さらに、外周側ビット92Aおよび内周側ビット93Aにより切削された後に残存したスリーブ煉瓦Sに対して、環状部材95の複数の割断刃951が突き刺さる。そして、環状部材95は、ホルダ91に対して遊嵌状態で設けられているので、ホルダ91が回転しても環状部材95は回転せず、ドリフターユニット52からの打撃力のみをスリーブ煉瓦Sの残部に伝達する。これにより、スリーブ煉瓦Sの残部は、複数の割断刃951にてスリーブ煉瓦Sの軸方向に沿って縦に割断される。以上にて、テーパ状に形成された肉厚のスリーブ煉瓦Sに対しても、短時間で効率良く穿孔・除去を行うことができる。
スリーブ煉瓦Sを貫通した後、穿孔工具90Aは容器内残存物T3に達する。そして、図16(B)に示すように、図14におけるステップS208の容器内残存物T3の穿孔段階では、容器内残存物T3に対して、主に穿孔工具90Aで打撃力を加え、穿孔工具90Aを回転させることにより、容器内残存物T3を穿孔する。
この場合、転炉Tが高温状態(例えば1000℃)で、容器内残存物T3が比較的軟化している必要があり、このような状態の容器内残存物T3に対して穿孔工具90Aは効果的に機能する。なお、外周側ビット92A、内周側ビット93Aおよび側面ビット94Aはホルダ91Aへ図8に示す植設法にて取り付けられているので、当該高温環境下でも抜け落ちることなく、穿孔工具90Aの切削能力が低下することがない。
(2-4)穿孔工具90A、スリーブ煉瓦の交換装置および交換方法の効果
上記第1実施形態における穿孔工具90A、交換装置1およびスリーブ煉瓦の交換方法によれば、上記(1-5-1)〜(1-5-11)に示す効果に加えて、以下に示す効果を奏することができる。
(2-4-1)ホルダ91Aは、打撃面部911Aの法線方向の軸周りに回転し、ホルダ91Aの打撃基端側には、該ホルダ91Aに対して遊嵌状態で環状部材95が設けられている。そして、環状部材95の外周面には、刃先が打撃方向に沿って延びて、残存したスリーブ煉瓦を割断する割断刃951が設けられている。
ここで、穿孔工具90Aによる穿孔動作において、外周側ビット92Aおよび内周側ビット93Aにより切削された後に残存したスリーブ煉瓦Sに対して、環状部材95の複数の割断刃951が突き刺さる。そして、環状部材95は、ホルダ91に対して遊嵌状態で設けられているので、ホルダ91が回転しても環状部材95は回転せず、ドリフターユニット52からの打撃力のみをスリーブ煉瓦Sの残部に伝達する。これにより、スリーブ煉瓦Sの残部を、複数の割断刃951にてスリーブ煉瓦Sの軸方向に沿って縦に割断できる。したがって、外周面がテーパ状に形成された羽口T2のスリーブ煉瓦Sに対して、作業者が別途のブレーカーなどにてスリーブ煉瓦Sの残部を除去せずとも、穿孔工具90Aにて一度に全て除去することができるので、穿孔動作を迅速かつ高効率で行うことができる。
(2-4-2)転炉Tにおける羽口T2を形成する筒状のスリーブ煉瓦Sを熱間で交換する。具体的には、作業デッキ13および保護屋根14のガード141を転炉Tの外面と近接する位置まで伸張して作業環境を確保する。そして、転炉の底部に設けられた部材を取り外してホイスト15により搬出する。さらに、スリーブ煉瓦Sの軸心と一致するように、光線を照射して芯出しを行って、工具ブーム50の姿勢を調整する。そして、穿孔工具90Aの打撃および回転によりスリーブ煉瓦Sおよび溶融金属容器内の容器内残存物T3を穿孔する。この後、横行架台20を横行させてスリーブブーム60を穿孔後の孔に正対させ、交換用のスリーブ煉瓦Sを挿入する。
これにより、熱間にて、転炉Tの底部に残存する容器内残存物T3およびスリーブ煉瓦Sを一度の動作で穿孔できるので、従来のようにスリーブ煉瓦の穿孔後、作業者がジェットランスやブレーカーなどを用いて容器内残存物T3を破砕していた構成に比べて、非常に安全でありかつ作業効率を大幅に向上できる。したがって、羽口T2におけるスリーブ煉瓦Sの交換を短時間で完了することができ、結果として転炉の操業時間を長く確保することができる。
(2-4-3)複数の内周側ビット93Aのうち一部は、凹面部914Aの中央側にまで設けられている。
これにより、当該内周側ビット93Aにてスリーブ煉瓦Sの内周側を切削することができるので、肉厚の羽口T2におけるスリーブ煉瓦Sに対して好適に穿孔できる。
(3)実施形態の変形
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、例えば、前記実施形態では、本発明の穿孔工具および交換装置を用いて、転炉の出鋼孔または羽口のスリーブ煉瓦を交換する構成を例示したが、これに限らない。すなわち、転炉以外の溶融金属容器であって、当該溶融金属容器の内外を貫通する孔部を形成する筒状のスリーブ煉瓦であれば、いずれのものにも適用できる。
前記実施形態では、外周側ビット92,92Aの先端を図5に示す略楔形状とし、内周側ビット93,93Aの先端を図6に示す紡錘状にするとしたが、これに限らない。すなわち、外周側ビットおよび内周側ビットは、同一形状のビットを用いてもよい。この場合、用いるビットの種類が少なくて済むので穿孔工具を安価に製造できる。また、これらビット先端の形状は、円錐状や角錐状などいずれの形状としてもよい。さらに外周側ビット92,92Aおよび内周側ビット93,93Aの先端が平坦化されているとしたが、いずれも平坦化されていない、あるいは、一部のビットのみが平坦化されている構成としてもよい。これらの場合でも、前記実施形態と同様に、穿孔工具を高寿命化できかつ作業時間を短縮化できる。
前記第1実施形態において、外周側ビット92は、ホルダ91の回転接線方向に稜線部921が倣うように配置されているとしたが、これに限らない。すなわち、例えば、図17に示した穿孔工具90Bのように、外周側ビット92がホルダ91の回転径方向に稜線部921が倣うように配置されている構成としてもよい。ここで、図17は、第1実施形態における穿孔工具の変形例を示す平面図であり、稜線部921の向き以外は図4に示す第1実施形態の穿孔工具90と同様の構成となっている。このような穿孔工具90Bによれば、上記第1実施形態における上記(1-5-1)〜(1-5-3)、(1-5-5)および(1-5-6)の効果に加え、次の効果を奏することができる。すなわち、外周側ビット92はホルダ91の回転径方向に稜線部921が倣うように配置されているので、これにより、スリーブ煉瓦の穿孔時には、外周側ビット92にて、円筒状のスリーブ煉瓦の内周面をスリーブ煉瓦の径方向に沿って切り崩すことができ、スリーブ煉瓦の切削効率をさらに向上できる。
前記実施形態では、穿孔工具90,90Aに側面ビット94,94Aを設ける構成としたが、これら側面ビットを設けない構成としてもよい。このような場合、部材点数が小さなものとなるので、穿孔工具を安価に製造できる。また、側面ビット94,94Aの形状や配置も、図3,4や図12,13に示すものに限らない。
前記第2実施形態において、穿孔工具90Aに環状部材95を設ける構成としたが、前記第1実施形態の穿孔工具90に当該環状部材95を設ける構成としてもよい。
本発明の第1実施形態に係るスリーブ煉瓦の交換装置を模式的に示す側面図である。 前記実施形態に係るスリーブ煉瓦の交換装置を模式的に示す平面図である。 前記実施形態における穿孔工具を示す側断面図である。 前記実施形態における穿孔工具を示す平面図である。 前記実施形態における外周側ビットを示す斜視図である。 前記実施形態における内周側ビットを示す斜視図である。 前記実施形態における側面ビットを示す斜視図である。 前記実施形態におけるビットの植設部を模式的に示す側断面図である。 前記実施形態における出鋼孔のスリーブ煉瓦の交換方法を説明するためのフローチャートである。 前記実施形態における転炉、および、この転炉における出鋼孔のスリーブ煉瓦を穿孔する交換装置を模式的に示す側断面図である。 前記実施形態における穿孔工具の穿孔動作を模式的に示す側断面図である。 本発明の第2実施形態に係る穿孔工具を示す側断面図である。 前記実施形態における穿孔工具を示す平面図である。 前記実施形態における羽口のスリーブ煉瓦の交換方法を説明するためのフローチャートである。 前記実施形態における転炉、および、この転炉における羽口のスリーブ煉瓦を穿孔する交換装置を模式的に示す側断面図である。 前記実施形態における穿孔工具の穿孔動作を模式的に示す側断面図であり、(A)は穿孔前における羽口のノズル管が装着された状態であり、(B)は穿孔前における羽口のノズル管を外した状態であり、(C)はスリーブ煉瓦を穿孔している状態であり、(D)は炉内残留物を穿孔している状態である。 前記第1実施形態における穿孔工具の変形例を示す平面図である。
符号の説明
1…交換装置
10…台車
11…フレーム部
111…底部
112…支柱
113…天井部
12…移動部
13…作業デッキ
14…保護屋根
141…ガード(前方部)
15…ホイスト(揚重装置)
151…フック
20…横行架台
21…スライド軸受
22…スライド軸
23…横行シリンダ
30…旋回テーブル
31…旋回モータ
40…傾動フレーム
41…本体部
42,43…傾動ピン
44,45…傾動シリンダ
46,47…ブーム連結ロッド
50…工具ブーム
51…ドリフターロッド
52…ドリフターユニット
53…ドリフターフレーム
54…工具ブーム用シリンダ
60…スリーブブーム
61…スリーブ支持具
62…スリーブ挿入フレーム
63…スリーブブーム用シリンダ
70…芯出装置
80…駆動源
81…油圧ポンプ
90,90B…穿孔工具
91…ホルダ
911…打撃面部
912…雄ねじ
913…外周端部
914…凹面部
915…排出溝部
916…側面部
917…排出溝部
918…ビット植設領域
919…冷媒噴出口
92…外周側ビット
921…稜線部
93…内周側ビット
931…植設孔
932…テーパ穴
933…溶接金属
94…側面ビット
941…稜線部
90A…穿孔工具
91A…ホルダ
911A…打撃面部
912A…雄ねじ
913A…外周端部
914A…凹面部
916A…側面部
917A…排出溝部
919A…冷媒噴出口
92A…外周側ビット
93A…内周側ビット
94A…側面ビット
95…環状部材
951…割断刃
J…地金
S…スリーブ煉瓦
S1…亀裂片
T…転炉
T1…出鋼孔
T2…羽口
T3…容器内残存物
T4…ノズル管

Claims (10)

  1. 溶融金属容器の内外を貫通する孔部を形成する筒状のスリーブ煉瓦を、打撃により穿孔して除去する穿孔工具であって、
    前記筒状のスリーブ煉瓦を該筒状の軸方向に沿って打撃するための打撃面部を有し、この打撃面部の略中央に凹面部が形成されたホルダと、
    前記打撃面部の外周端部に植設され、打撃により前記スリーブ煉瓦に亀裂を生じさせる複数の外周側ビットと、
    この複数の外周側ビットの内側かつ前記凹面部の外周端部側に植設され、前記外周側ビットの打撃により生じた前記スリーブ煉瓦の亀裂片を、前記凹面部の中央側に押し込む複数の内周側ビットとを備え、
    前記ホルダは、前記打撃面部の法線方向の軸周りに回転し、
    さらに前記ホルダは、前記打撃面部の外周縁で交差する側面部を有し、
    この側面部には、前記打撃面部の法線方向に稜線部が延びる略楔形の側面ビットが植設され、
    前記外周側ビットおよび前記内周側ビットの先端は平坦化され、
    前記外周側ビットは、先端に稜線部が形成された略楔形状とされ、ホルダの回転接線方向に前記稜線部が倣うように配置され、
    前記内周側ビットは先端側が円錐台状に形成されている
    ことを特徴とする穿孔工具。
  2. 請求項に記載の穿孔工具において、
    前記外周側ビット、前記内周側ビットおよび前記側面ビットのうち、少なくともいずれかのビットは、
    該ビットが植設される植設孔周りに拡開形成されたテーパ穴に溶接により溶接金属が充填されて固定されている
    ことを特徴とする穿孔工具。
  3. 請求項1または請求項に記載の穿孔工具において、
    前記ホルダは、前記打撃面部の法線方向の軸周りに回転し、
    前記ホルダの打撃基端側には、該ホルダに対して遊嵌状態で環状部材が設けられ、
    この環状部材の外周面には、刃先が打撃方向に沿って延びて、残存したスリーブ煉瓦を割断する割断刃が設けられている
    ことを特徴とする穿孔工具。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の穿孔工具を備え、前記スリーブ煉瓦を交換するスリーブ煉瓦の交換装置であって、
    前記溶融金属容器の外側を前後移動する台車と、
    この台車上において、当該台車の移動方向と略直交する方向に横行自在に設けられた横行架台と、
    この横行架台上に旋回可能に設けられた旋回テーブルと、
    この旋回テーブルの上方にて傾動可能に設けられた傾動フレームと、
    この傾動フレーム上にて、互いに平行に配置され、一体に上下動および傾動が可能とされた工具ブームおよびスリーブブームとを備えており、
    前記工具ブームには、前記穿孔工具が取り付けられて、当該穿孔工具を前進後退させる工具ブーム用シリンダと、当該穿孔工具に振動力および回転力を与えるドリフターユニットとが設けられ、
    前記スリーブブームには、このスリーブブームの先端にて交換用のスリーブ煉瓦を保持するスリーブ支持具と、このスリーブ支持具が取り付けられたスリーブ挿入フレームと、
    このスリーブ挿入フレームを前進後退させるスリーブブーム用シリンダとが設けられ、
    前記穿孔工具および前記スリーブ支持具を三次元空間の任意の方向に移動可能としている
    ことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置。
  5. 請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置において、
    前記台車の前方かつ下方には、前記台車の前記移動方向に伸縮可能で、かつ、上下方向に移動可能な作業デッキが設けられている
    ことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置。
  6. 請求項または請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置において、
    前記台車の前方かつ上方には、前記台車の前方へ向けて張り出した保護屋根が設けられており、
    この保護屋根の前方部は、前記台車の前記移動方向に伸縮可能となっている
    ことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置。
  7. 請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置において、
    前記保護屋根の前方かつ下側には、前記台車の前記移動方向と直交する方向に横行可能な揚重装置が設けられている
    ことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置。
  8. 請求項ないし請求項のいずれかに記載のスリーブ煉瓦の交換装置において、
    前記工具ブームおよび前記スリーブブームのそれぞれの軸心を含む面上に、各軸心と平行な芯出し用の光線を照射する芯出装置を備えている
    ことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換装置。
  9. 請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置を用いて、出鋼孔を備えた溶融金属容器における前記出鋼孔を形成する筒状のスリーブ煉瓦を、熱間で交換するスリーブ煉瓦の交換方法であって、
    前記スリーブ煉瓦の軸心と一致するように、芯出し用の光線を照射して芯出しを行って、前記工具ブームの姿勢を調整する工程と、
    初期段階では前記穿孔工具の打撃および回転により前記スリーブ煉瓦を穿孔し、終期段階から貫通時までは前記穿孔工具の打撃の頻度を低減させ、かつ、回転主体で前記穿孔工具を繰り返し前進後退させて、前記スリーブ煉瓦を穿孔する工程と、
    前記横行架台を横行させて前記スリーブブームを穿孔後の孔に正対させ、交換用のスリーブ煉瓦を挿入する工程とを具備した
    ことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換方法。
  10. 請求項に記載のスリーブ煉瓦の交換装置を用いて、羽口を備えた溶融金属容器における前記羽口を形成する筒状のスリーブ煉瓦を、熱間で交換するスリーブ煉瓦の交換方法であって、
    前記台車の前方かつ下方に設けられ、前記台車の前記移動方向に伸縮可能で、かつ、上下方向に移動可能な作業デッキ
    および
    前記台車の前方かつ上方に設けられ、前記台車の前方へ向けて張り出した保護屋根
    の前方部を前記溶融金属容器の外面と近接する位置まで伸張して作業環境を確保する工程と、
    前記溶融金属容器の底部に設けられた部材を取り外して、保護屋根の前方かつ下側に設けられ、前記台車の前記移動方向と直交する方向に横行可能な揚重装置により搬出する工程と、
    前記工具ブームおよび前記スリーブブームのそれぞれの軸心を含む面上に備えている、各軸心と平行な芯出し用の光線を照射する芯出装置を用い、前記スリーブ煉瓦の軸心と一致するように、芯出し用の光線を照射して芯出しを行って、前記工具ブームの姿勢を調整する工程と、
    穿孔工具の打撃および回転により前記スリーブ煉瓦および前記溶融金属容器内の残留物を穿孔する工程と、
    前記横行架台を横行させて前記スリーブブームを穿孔後の孔に正対させ、交換用のスリーブ煉瓦を挿入する工程と、を具備した
    ことを特徴とするスリーブ煉瓦の交換方法。
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