JP2690500B2 - 耐火物ブロックの装着方法 - Google Patents

耐火物ブロックの装着方法

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JP2690500B2
JP2690500B2 JP63105966A JP10596688A JP2690500B2 JP 2690500 B2 JP2690500 B2 JP 2690500B2 JP 63105966 A JP63105966 A JP 63105966A JP 10596688 A JP10596688 A JP 10596688A JP 2690500 B2 JP2690500 B2 JP 2690500B2
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勉 弥栄
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黒崎窯業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶融金属容器の開孔部に耐火物ブロックを
装着する方法に関する。なお、本願明細書においては、
ガス吹込み用のポーラスプラグ,溶融金属流出用のノズ
ル,ガス吹込みと溶融金属の流出との両方の機能を備え
た耐火物等を総称して耐火物ブロックという。
〔従来の技術〕 取鍋等の溶融金属容器に収容した溶融金属浴に不活性
ガスや精錬ガスを直接吹き込むとき、溶融金属容器の器
壁に開孔部を設け、ここにポーラスプラグを装着してい
る。
第2図は、従来法によるポーラスプラグの装着を示し
た図である。取鍋の底部に装着したプラグ受け煉瓦1に
形成したテーパ孔2に、截頭円錐形のポーラスプラグ3
を下方から嵌合し、目地モルタル4で固定する。このポ
ーラスプラグ3は、プラグを構成する耐火物を補強する
と共に、吹き込まれたガスの側面からの漏洩防止等のた
め、下部の外周面と底部にメタルケース等の金属製被覆
5が施されている。そして、金属製被覆5の底面中心に
ガス送給管6を接続し、このガス送給管6及びポーラス
プラグ3を介して取鍋内の溶融金属に不活性ガス等を吹
き込んでいる。
このポーラスプラグ3は、溶鋼による侵食や不活性ガ
ス等の吹込み圧による物理的な損傷を起こしやすい。そ
こで、実公昭52−9850号公報では、通気性のない不定形
耐火物でポーラスプラグ3の周囲を包囲し、ポーラスプ
ラグ3の頂面のみをガス噴出面としている。不定形耐火
物によってポーラスプラグ3を包囲することにより、側
面からのガス漏洩が防止され、しかもプラグ受け煉瓦1
に対する密着性が向上する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、ポーラスプラグ3が金属製被覆5で覆
われているため、耐火物系の目地モルタル4が付着し難
く、付着した目地モルタル4も不均一な厚みをもつもの
になりやすい。その結果、たとえば目地モルタル4が行
きわたらない或いは不充分な個所が発生して、この個所
から溶融金属が洩れ出す危険が高くなる。
また、ポーラスプラグ3を使用してガス吹込みを長時
間継続するとき、ポーラスプラグ3自体の損傷は避けら
れないものである。そのため、損傷したポーラスプラグ
3を交換する必要が生じる。ところが、目地モルタル4
でポーラスプラグ3がプラグ受け煉瓦1に固定されてい
るために、第2図で下方向にポーラスプラグ3を引き抜
こうとすると、破線7で示したようにポーラスプラグ3
が破断し易い。そこで、ポーラスプラグ3を引き抜いた
後、テーパ孔2に残留している部分を上方から叩き出す
ことが必要になる。
このような問題は、ガス吹込み用のポーラスプラグに
限らず、溶融金属を容器から流出させるノズル,スライ
ディングノズルの上ノズル等においても同様である。
そこで、本発明は、金属製被覆が施された耐火物ブロ
ックに予め粗面化処理を行うことにより、目地モルタル
を耐火物ブロックに均一且つ密着性良く塗布することを
可能にし、耐火物ブロックの装着及び取外しを容易にす
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の耐火物ブロック装着方法は、その目的を達成
するため、表面に金属被覆を施した耐火物ブロックを溶
融金属容器の開口部に装着する際、カーボンを含有する
耐火性粉体とバインダーを混練した混合物を前記耐火物
ブロックの少なくとも金属面に塗布して乾燥させ、その
上に目地モルタルを塗布することを特徴とする。
〔作用〕
本発明においては、第1図に示すようにポーラスプラ
グ3の周面に、耐火性粉体をバインダーに混練した混合
物を不定形材料として塗布することによって、粗面化層
8を形成する。この粗面化層8は、第1図に示すように
ポーラスプラグ3の側面全体にわたって形成しても、或
いは金属製被覆5部分にのみ形成してもよい。なお、第
1図は、ポーラスプラグ3の側面に粗面化層8を形成し
た状態を示しており、これを溶融金属容器のプラグ受け
煉瓦に取り付ける場合には、第2図で説明したように、
粗面化層8の上に更に目地モルタルを塗布する。この意
味で以下の説明においては、第2図の符番を適宜使用し
ている。
ここで、耐火性粉体としては、カーボン質,黒鉛質,
高アルミナ質,粘土質,珪石質,ジルコン質,炭化けい
素質,マグネシア質,クロム質等のモルタルが考えら
れ、目地モルタルと同じ材質を使用してもよい。これら
の中でも、カーボン質及び黒鉛質を含む耐火性粉体は、
離型性も備えているため特に好ましい材料である。たと
えばカーボン質の煉瓦屑や土状黒鉛等として添加するこ
とができる。この耐火性粉体を、必要に応じて水を添加
し、或いは添加しながら樹脂ボンド,水ガラス,アルミ
ナゾル,シリカゾル等のバインダーと混練する。
耐火性粉体とバインダーを混練したものを、ハケ,ロ
ーラコータ、特にブラシによって塗布するとき、バイン
ダーの粘着性によってブラシ等が通過するごとに凹凸が
現れる。このようにして塗布された混合物が乾燥する
と、粗面化層が形成される。このとき、混合物の塗布を
容易にするため、混合物に水を添加することもある。す
なわち、粗面化層を形成するとき、混合物の粘着性が大
きいほど、その表面に凹凸や波状が生じ易いが、逆に塗
布の作業性が劣る。そこで、この粗面化層の形成と塗布
作業性を比較・勘案して適量の水を加えることにより、
両者の要求を満足した粘着性をもつ混合物が得られる。
また、水の添加は、経済的な面でも有利である。
耐火性粉体とバインダーとの混合割合は、耐火性粉体
10重量部に対してバインダー3〜15重量部が好ましい。
また、水の添加量は、混合物10重量部に対して好ましく
は0〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部とする。
特に、バインダーに粉体を混入させなくても、バインダ
ー自体が乾燥してその粒子が凹凸を有する粗面化層を形
成しており、目地モルタルが容易に付着し耐火性を持ち
合わせている場合には、本発明が適用される範囲であ
る。
たとえば、黒鉛を含有する耐火性粉体を使用すると
き、第2図に示したように、プラグ受け煉瓦1に装着し
たポーラスプラグ3を取り外す際の離型性が向上する。
この混合物は、ハケ塗り,ブラシ塗り,ローラコータ等
によってポーラスプラグ3の側面に塗布される。塗布さ
れた混合物は、不定形材料であるため、金属製被覆5の
表面に均一に塗ることができ、バインダーの粘着性によ
って容易に金属製被覆に付着し、表面が波状,凹凸,刻
み等をもつ粗面化層となったまま乾燥する。このとき、
金属製被覆5がヤスリ状の刻み等をその表面大部分に形
成されているものであるとき、バインダーを含有した耐
火性不定形材料の塗布が一層容易になる。しかも、付着
力が強い被覆を形成することができる。
耐火性粉体は、粗粒,微粉,超微粉の何れであっても
よい。この耐火性粉体は、耐火物ブロックを溶融金属容
器に適用した場合に、溶融金属又は容器の熱によって消
失したり、溶解して流出してしまわない材料である限
り、種々のものを使用することができる。また、塗布或
いは貼り付けた後の粗面化層8の凹凸の高さは、3.5mm
以下とすることが好ましい。これは、一般的な施工時の
目地モルタル4の厚みが3.5mmを超えるとき、侵食,溶
損等が発生しやすくなり、目地として不適当になるため
である。したがって、耐火性粉体の粒径も、これを考慮
して選定することが要求される。
このようにしてポーラスプラグ3の側面に形成された
粗面化層8は、表面に多数の凹凸を有するものであるた
め、目地モルタル4の保持特性が良いものである。ま
た、その表面粗さも、均一に分散している。したがっ
て、目地モルタル4は、粗面化層8上に均一な厚みをも
って容易に塗布される。しかも、目地モルタル4の塗布
作業に必要な時間も、粗面化層8を形成していない場合
に比較して80%程度短縮される。
この粗面化層8は、カーボン成分を含有していると
き、ポーラスプラグ3本体及び金属製被覆5との間に焼
付きを生じない。カーボン成分は、耐火性粉体に混入さ
せても良く、或いは熱で炭化する樹脂等をバインダーと
して使用することによっても含有させることができる。
そのため、損傷したポーラスプラグ3を引き抜くとき
に、第2図で示したような破断部7が生じることがな
い。したがって、ポーラスプラグ3に下向きの力を加え
ることにより、粗面化層8から剥離してポーラスプラグ
3のみをプラグ受け煉瓦1から取り出すことが可能とな
る。その結果、ポーラスプラグ3の交換に必要な時間
も、従来のものに比較して約半分程度に短縮できる。
目地モルタルもカーボン,黒鉛等を含有する材質を使
用すると、さらに離型性が向上する。また、ポーラスプ
ラグ3の側面に粗面化層8を形成しているので、摩擦係
数が大きく、ポーラスプラグ3を持ち運ぶときの滑り止
めとなる。したがって、運搬時にポーラスプラグ3を落
として破損させる危険も少なく、取扱いが容易になる。
〔実施例〕
実施例1. 粒径0.5mm以上が2重量%以下で粒径0.074mm以下が60
重量%の高アルミナ質モルタルを、エマルジョン樹脂系
の木工用ボンドと水を重量比で10:7:10の割合で添加
し、混練して混合物を調製した。この混合物を金属製被
覆5によって包囲されたコランダム製のポーラスプラグ
3の側面に塗布し、乾燥させた。これにより、厚み1mm
の粗面化層8を形成した。この上に、耐火性の目地モル
タル4を10mm程度の厚みで塗布した。そして、目地モル
タル4が乾燥しないうちに、プラグ受け煉瓦1にポーラ
スプラグ3を固定した。
目地モルタル4が乾燥した後では、ポーラスプラグ3
とプラグ受け煉瓦1との間に充分な量のモルタルが充填
されており、優れた気密性でポーラスプラグ3が固定さ
れていた。また、ポーラスプラグ3に5トンの力を加え
ることによって、プラグ受け煉瓦1からポーラスプラグ
3を抜き取ることができた。粗面化層8はプラグ受け煉
瓦1側に残り、抜き取られたポーラスプラグ3には、何
ら損傷がみられなかった。
比較例 ポーラスプラグ3の側面に目地モルタル4を直接塗布
して、厚み10mmのモルタル層を形成した。これをプラグ
受け煉瓦1に装着して使用した後では、目地モルタル4
がポーラスプラグ3に焼き付いており、ポーラスプラグ
3の抜取りに10トン以上の力が必要であった。また、抜
き取られたポーラスプラグ3も、5回に4回の割合で破
断部7を生じていた。
なお、以上の例においては、不活性ガス,精錬ガスを
溶融金属浴に直接吹き込むために使用するポーラスプラ
グを説明した。しかし、本発明は、これに拘束されるも
のではなく、同様な使用雰囲気に曝される溶融金属流出
用のノズル等に対しても適用されることは勿論である。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明においては、耐火物ブ
ロックの側面に予め形成した粗面化層の上に目地モルタ
ルを塗布している。そのため、目地モルタルの付着性が
良く、必要な厚みをもつモルタル層を迅速に形成するこ
とができる。そして、形成された粗面化層は、耐火物ブ
ロックを溶融金属容器に設けた開孔部から引き抜く際
に、耐火物ブロック本体から容易に剥離する。そのた
め、耐火物ブロックに破断,割れ等の欠陥が生じること
がない。このようにして、本発明によるとき、溶融金属
容器に対する耐火物ブロックの装着,取外しが容易に行
われる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を具体的に説明するための図であり、第
2図は溶融金属容器のプラグ受け煉瓦に装着されたポー
ラスプラグを示す。 1:プラグ受け煉瓦、2:テーパ孔 3:ポーラスプラグ、4:目地モルタル 5:金属製被覆、6:ガス送給管 7:破断部、8:粗面化層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に金属被覆を施した耐火物ブロックを
    溶融金属容器の開口部に装着する際、カーボンを含有す
    る耐火性粉体とバインダーを混練した混合物を前記耐火
    物ブロックの少なくとも金属面に塗布して乾燥させ、そ
    の上に目地モルタルを塗布することを特徴とする耐火物
    ブロックの装着方法。
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