JPH11267205A - 薬剤溶解機構を内蔵した注射器 - Google Patents
薬剤溶解機構を内蔵した注射器Info
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- JPH11267205A JPH11267205A JP10092771A JP9277198A JPH11267205A JP H11267205 A JPH11267205 A JP H11267205A JP 10092771 A JP10092771 A JP 10092771A JP 9277198 A JP9277198 A JP 9277198A JP H11267205 A JPH11267205 A JP H11267205A
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Abstract
ース3、後部ケース4、針管保持部5、注射液投与器6
及びフランジャーからなり、多室シリンダーアンプルは
前部スペース及び後部スペースの2室に分かれ、前部ス
ペースの先端はパッキングにより、後側は前部ガスケッ
ト10によってシールされ、後部スペースの前側は前部ガ
スケットにより、後側は後部ガスケット11によってシー
ルされ、薬剤溶解時には単に手動で押し込み、プランジ
ャーを介して前部及び後部ガスケットが前進し、前部ガ
スケットがバイパス12の部分に入ると後部スペースの溶
媒がバイパスを通って前部スペースに流入して薬剤13が
溶解され、溶媒が全量前部スペースに流入後、前部及び
後部ケースをネジ16,16′を締めて固定した後、針
管28を通って注射が可能となる。
Description
注射器に関するもので更に詳しく述べると、溶液または
分散液の状態で長時間放置すると化学変化を起こすおそ
れがある注射液の場合に使用するものである。患者が常
に携帯する注射器の内部に薬液溶解機構を内蔵させ、必
要な時に本人自身で注射液を調整することが可能である
と共に、所定量の注射液を自動的に注射できる機構も有
する注射器である。
ュリン注射等患者自身が長期間にわたり定期的に注射を
する必要がある場合、患者が常に注射器を携帯して必要
時、自身で注射する方式が採用されている。この様な注
射器は患者自身が容易に組み立てて使用することがで
き、アンプルと注射針のみを交換すれば何回も使用でき
る様な構造になっている。例えば、万年筆と同様な形状
につくられている携帯用注射器が知られている。
ト成長ホルモン、インターフェロン等の様に溶解時或い
は溶解後注射液を保存する時、振盪しただけでも無視で
きない化学変化をおこすおそれがある物質もある。この
様に不安定な物質は凍結乾燥してアンプル内に保存され
ていることが多いが、溶媒を加え溶解して注射液を調整
する際、溶解過程でも溶液に振蕩その他機械的な力が加
わらない様な慎重な取扱方法が必要とされている。
の前部スペースに薬剤、後部スペースに溶媒等が隔壁で
分離して保持されている場合、後部ガスケットを前進さ
せバイパスを開通させて徐々に溶媒等を前室に流入させ
て溶解する時、流入速度を低下させるため後部ガスケッ
トに連結したプランジャーの端を手動で回転させるネジ
機構を用いてガスケットを前進させる方式が多い。しか
し、操作の煩雑さ及び回転に伴う注射器の動揺は避けら
れず、これらの振動が溶解過程の溶液等に伝達され悪影
響を与えるおそれがある。
の前端は閉止されていることが多いため、残留ガスがア
ンプルの先端で圧縮された状態となり、注射をする時ア
ンプルの先端に針管を取り付けると残留ガスが瞬間的に
外部に噴出して溶液に衝撃を与えるので、薬剤の変質を
防止する見地からは好ましくない。
の様な注射液を調整するシステムが種々開示さている
が、溶解工程で溶液にかかる振蕩、液の流れの乱れその
他機械的な力を更に減少させるためには尚改善の余地が
多く残されている。
ルを使用して内部に封入されている薬剤と溶媒を混合さ
せて溶解する際、溶解時または溶解後の溶液保存期間等
の薬剤の変質を防止するため、溶解工程で溶液にかかる
機械的な力を極力減少せしめる機構を有すると共に、注
射操作を容易にするため薬液投与量設定機構及び自動注
射機構も備えた注射器を開発して提供しようとするもの
である。
ト成長ホルモン、インターフェロンその他種々のポリペ
プチッド等不安定な物質のため溶解した状態では長時間
保存することが困難であり、且つこれらの薬剤の溶解過
程でも振盪、液の流れの乱れその他機械的な力が加わる
と無視できない化学変化が生ずるおそれがある注射液
を、患者自身が必要時に調製し使用できる注射器につい
て検討した。
封入されている薬剤に他の室の溶媒を注入する際、また
は溶解過程で極力振盪も液の流れの乱れも起こらず機械
的な力も加わらない様にするためには、シリンダー内部
の液の流れ及び溶解状態を観察しながら人力で注入速度
を調節して極めてゆっくりと薬剤に溶媒を加えてゆく溶
解方法が最適であり、且つ注射には自動注射機構を有す
る投与器の使用が最適であるとの結論に達した。注射器
をこれに適合した構造とするため、シリンダーアンプル
を2つの部分からなるケースの内部に挿入し、これを介
して注射液投与器を接続した構成とすることにより、薬
剤溶解時には投与器の内部機構は操作せず単に人力で押
し込む方式でスムースな操作が可能となる注射器を開発
した。更に、薬剤溶解時残留ガスのバックプレッシャー
により溶液が逆流するおそれもあるため、ラチェットに
よる逆流防止機構の内蔵についても検討し、これに基づ
いて本発明に到達した。
1は多室シリンダーアンプル2、前部ケース3、後部ケ
ース4、針管保持部5、注射液投与器6及びフランジャ
ー19からなり、 (1) 多室シリンダーアンプル2は前部スペース7及び後
部スペース8の2室に分かれ、前部スペースの先端は針
管で貫通可能なパッキング9により、後側は可動性を有
する前部ガスケット10によってシールされ、後部スペー
スの前側は前部ガスケット10により、後側は可動性を有
する後部ガスケット11によってシールされ、アンプルの
管壁にはバイパス12が設けられ薬剤溶解前には前部ガス
ケット10はバイパスより後側に配置され、前部スペース
には薬剤13が後部スペースには溶媒または分散媒14が互
いに分離された状態で封入されている。
イパス12の収納用溝15が設けられ、ケース3の先端はア
ンプル2を保持するため絞られた形状となり、ケースの
中間部分には薬剤溶解後、後部ケース4を固定するため
のネジ16が取り付けられ、また、ケース3の後端にはフ
ランジ17が設けられている。
けられ、前部ケースのフランジ17はネジ16′と取付部品
18の間に可動性を有する状態で挿入され、後端には注射
液投与器6が取付部品18を介して取り付けられ、また、
投与器6と後部ガスケット11がプランジャー19により連
結されている。
操作せず単に手動で押し込むことにより、プランジャー
19を介して前部及び後部ガスケット10、11が前進し、前
部ガスケットがバイパス12の部分に入ると後部スペース
の溶媒14がバイパスを通って前部スペースに流入して薬
剤13が溶解され、溶媒が全量前部スペースに流入後、前
部及び後部ケースをネジ16、16′を締めて固定した後、
注射液投与器の操作により注射液が針管保持部に含まれ
る針管28を通って注射が可能となる様に構成してなる、
不安定な薬剤にも適用可能な薬剤溶解機構を内蔵した注
射器である。
ケースの間に連結スリーブ20を設け、アンプルを固定し
た構造も本発明に含まれている。更にこの態様に加えて
前部ケースのフランジ17の位置にフランジに変えてケー
ス4のネジ16′に嵌め合わせ可能なネジ16″を設けた注
射器も本発明に含まれている。
後端の外面には、後部ケース4を固定するための切欠を
有するネジ23、23″が取り付けられ、ケース外面のネジ
23と23″の間には逆流防止用のラチェット24が取り付け
られ、後部ケース22の先端には切欠を有するネジ23′が
設けられ、薬剤溶解前は前部ケースのネジ23″に嵌め合
わせて固定され、ケースの中間部分の内面には前部ケー
スのラチェット24と噛み合う逆流防止用のラチェット2
4′が取り付けられた注射器も本発明に含まれている。
記載したのは通常薬剤は水で溶解されて注射液として使
用される場合が多いが、薬剤の性質によっては水に分散
させたエマルジョン或いは懸濁液の状態で注射される場
合もあるからである。下記の説明では溶媒または分散剤
を溶媒等と表示することもある。以下、本発明について
詳しく説明する。
に注射器を携帯し必要な時に本人自身で注射できる機能
を有すると共に、薬剤が主としてヒト成長ホルモン等不
安定な物質で溶解或いは分散液の状態で長期間保存する
ことが困難であるから、薬剤溶解機能を備えている必要
がある。更に薬剤を溶解する場合の問題点として、溶解
工程で薬剤に振盪等機械的な力が加わると無視できない
化学変化を起こすおそれがある薬剤にも、適用できる溶
解機能が必要である。
ンプルが使用され、薬剤とその溶媒または分散剤がそれ
ぞれ別のスペースに封入されている。使用する場合は患
者自身が注射器を操作して両者を混合・溶解して使用す
る様になっている。ここで特に課題となるのは溶媒が前
部スペースに流入する時、如何にして溶媒がバイパス内
を層流の状態で流れ静かに薬剤に接触する様にして、溶
解過程における振盪或いは液の流れの乱れその他機械的
な力が加わることを排除するかである。
問題点を解消するため、薬剤が封入されているスペース
に溶媒を注入する時注射器の先端に針管を取り付けて、
注射器の前部スペースの残留ガスの加圧によるバッグプ
レッシャーの発生を防止し、後部ケースを介して接続さ
れた投与器をその内部機構は操作せず単に手動で押し込
む構造となっている。ここで、投与器をその内部機構は
操作せず単に手動で押し込むとは、通常注射器の先端を
上側にして机等の平らな平面上にほぼ垂直に立て上から
抑えて、投与器に接続されたプランジャーで後部ガスケ
ットを押し上げる操作の意味で、この際投与器の内部機
構は一切関与せず実質的には注射器を保持するための台
としての役割を果しているのみである。また、前部ケー
スの内面には長さ方向にバイパス12の収納用溝15が設け
られ、アンプルの壁面から突出しているバイパスを収納
し、ケース内部でのアンプルの回転を防止する機能もも
っている。尚、本発明には薬剤の性質等によっては針管
を取り付けずに薬剤を溶解する場合も含まれている。
振盪或いは液の流れの乱れその他の機械的な力が加わら
ない様にするためには、薬剤溶解時この注射器の先端を
上側にして直立して保持することが好ましい。例えば机
の上など平面上に注射器をほぼ垂直に立ててアンプルの
内部を観察しながら注射器を上から緩やかに押さえる様
にして、投与器に接続されたプランジャーでアンプルの
後部ガスケットを下から上に徐々に押し上げ、薬剤が封
入されている前部スペースに溶媒等を流入させると、溶
媒は層流の状態でバイパスを通過して徐々に薬剤に浸透
してゆく状態となる。アンプルを前部及び後部ケース内
部に挿入しこれらのケースを介して投与器が接続されて
いるため、注射器の垂直軸が固定され上から押さえて薬
剤を溶解させる過程でも注射器の軸が屈曲して溶液が動
揺することがない。この様な溶解方法に適した注射器と
して前記の様な構造が開発されたものである。
かめながら、後部スペースからの溶剤流入量を調節し溶
剤全量を前部スペースに流入させた後、前部及び後部の
ケースを連結するネジ16、16′を締めて固定すると薬剤
溶解操作が終了する。注射をする場合は注射液投与器を
操作して所要量をセットした後、投与器後端を押して注
射される。
えて後部ガスケットを下から上に押し上げた場合、薬剤
が封入されているスペースがシールされていると、アン
プルの先端部分に圧縮された残留ガスが蓄積し、バック
プレッシャーによって溶媒が逆流し振盪や液の流れが乱
れる原因となることがある。このため溶解操作をする前
にシリンダーアンプルの先端には針管を取り付け、アン
プルの内部に残留ガスが圧縮されない様にして溶解する
ことが好ましい。尚、本発明の注射器も薬剤の性質等よ
っては溶解時薬剤を封入したスペースの残留ガスをパー
ジせずに溶媒を流入させて溶解し、溶解後残留ガスが蓄
積した状態で注射液を保存することも可能である。その
場合には前部ケース及び後部ケースにラチェットを設け
た態様の注射器〔図5(a) 、(b) 及び図6(a) 〜(d) 〕
が好ましい。この態様では溶媒を後部スペースから前部
スペースに流入させる期間中、前部及び後部ケースのラ
チェットが互いに噛み合った状態となるからバックプレ
ッシャーがかかっても溶液が逆流するおそれがなく、薬
剤の変質防止に有効である。
を使用する場合はラチェットから発生する振動は避けら
れない。可及的に振動を減少させるため軟質のプラスチ
ックまたはゴム等を使用することが好ましい。また、こ
の態様の注射器では後部ケースを約 90 °回転してラチ
ェットの噛み合わせが外れた状態とすることも可能であ
り、溶解過程では後部ケースを回転してラチェットの噛
み合せを外し溶媒が逆流しない様に注意深く流入させ、
溶解完了後再びラチェットを噛み合わせることも可能で
ある。
の連結部分として、通常のプランジャーの先端19〔図7
(a) 〕の他、プランジャーの先端にフランジを付加した
形状26〔図7(b) 〕で使用することもできる。本発明の
注射器は通常の注射器と異なりバックプレッシャーがか
かる場合がある。またガスケットの数も多いためプラン
ジャーを押した場合、後部ガスケットのゴムの部分が変
形してリークするおそれがあるが、強い力が働いた場合
にも変形しない様にするためである。
合に、予め設定した長さだけプランジャーを前進させ所
定量の注射液を注射する装置は、従来から種々知られ市
販されているものもある。例えば、オーエンマムフォー
ド社の商品名「オートペン」は万年筆のキャップの様な
形状で、上部の回転式ダイヤルで注射の際予め注射液量
の設定が可能であり、針管の先端を皮膚に刺した後、投
与器を操作すれば所定量の注射液が自動的に体内に注入
される様になっている。ここで、市販品には投与器のボ
タンを押すとバネ等の力で吸子を前進させる方式と、投
与器を指先で押して吸子を前進させる方式がある。本発
明には予め注射量が設定でき投与器を操作すれば、設定
量の注射液が体内に注入できる装置であれば、公知のこ
れらのいずれの方式も使用可能である。また同様な機能
を有するその他の投与器を使用した場合も本発明に含ま
れる。
しないが、成形性を考慮して主にプラスチック及びゴム
が好ましい。また、一部ガラスも使用される。これらの
中、多室シリンダーアンプルのシリンダーはガラス、ガ
スケットには合成ゴム(ニトリルゴム、シリコーンゴ
ム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタ
ジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム等)が好ま
しく、前部ケース及び後部ケースにはAS樹脂 (スチレン
・アクリロニトリル共重合樹脂、以下 AS という) また
はアクリル系樹脂、プランジャーにはポリプロピレンが
好ましい。また、注射器を構成する各部分の材質は ABS
樹脂 (スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合
樹脂、以下 ABSという) 、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、
ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル樹脂、金
属材料等も使用可能である。
の薬剤溶解機構付注射器の構造及び機能を具体的に説明
する。図1に本発明の注射器の一態様を示す。(a) は正
面図を、(b)は(a) の A−A ′線における断面図を示
す。図2(a) は薬剤の溶解が完了して針管を取り付けた
状態における図1(a) の A−A ′線と同じ切断面の断面
図を示す。また、図2(b) は図1(a) の B−B ′線にお
ける断面図を示す。
アンプル2はガラス製、ガスケットは合成ゴム、前部ケ
ースは AS 、後部ケースはアクリル系樹脂、プランジャ
ーはポリプロピレンである。
7は、先端に取り付けられているパッキング9と可動性
を有する前部ガスケット10によりシールされ、また、後
部スペースの前側は前部ガスケット10により、後側は可
動性を有する後部ガスケット11によりシールされてい
る。アンプルの管壁にバイパス12が設けられ薬剤溶解前
には前部ガスケット10はバイパスより後側に配置されて
いるため、前部スペースには薬剤13が後部スペースに溶
媒または分散媒14が互いに分離された状態で封入されて
いる。
挿入されている。前部ケース3の内面には長さ方向にバ
イパス12の収納用溝15が設けられ、アンプルの壁面から
突出しているバイパスを収納する機能を果している。ま
た、ケースの中間の部分には薬剤溶解後、後部ケース4
を固定するためのネジ16が取り付けられている。また、
ケース3の先端はアンプル2を保持するためフランジ状
に絞られた形状となっている。
ジ16に嵌め合わせて固定するためのネジ16′が設けら
れ、後端には注射液投与器6が取付部品18を介して取り
付けられている。前部ケース3と後部ケース4は固定さ
れていないが、ケース3はフランジ17がケース4のネジ
16′によって前方へ脱落しない様に保持され、また、取
付部品18によってケース4の後方へ脱落しない様にも保
持されている。後部ケース4と注射液投与器6は取付部
品18を介して接続され、投与器6と後部ガスケット11が
プランジャー19により連結されている。
には、注射液投与器6の内部機構は操作せず単に手動で
押し込み、プランジャー19を介して後部ガスケット11を
前進させることによって注射液が調製される。この操作
は通常注射器の先端を上側にして机の上等平面上にほぼ
垂直に立て、注射器を上側から抑えるとプランジャー19
を介して前部及び後部ガスケット10、11が前進する。前
部ガスケットがバイパス12の部分に入ると、後部スペー
スの溶媒14がバイパスを通って前部スペースに流入して
薬剤13が溶解され、溶媒が全量前部スペースに流入する
と溶解が完了する。この際投与器の内部機構は一切関与
せず実質的には注射器を保持する台としての役割を果し
ているのみである。
ながら、後部スペースからの溶媒流入量を調節して溶媒
全量を前部スペースに流入させた後、前部及び後部のケ
ースを連結するネジ16、16′を締めて固定すると薬剤溶
解操作が終了する。注射をする場合には注射液投与器の
注射量設定ダイヤル30を見ながら、注射量設定ノブ31を
回すと設定量に従って投与器後端32が繰り出されて設定
操作が完了する。針管を注射する部分の皮膚に刺した後
投与器後端を止まるまで押し込むと、設定量の注射液が
針管を通して注射される。
射器の他の一態様を示したもので、(a) は薬剤溶解前の
状態、(b) は薬剤の溶解が完了した状態の長さ方向の断
面図を示す。
様に図3(a) 及び(b) に示した様に連結スリーブ20を加
えた構造である。これはシリンダーアンプルを前部ケー
スに収納して保持する場合、アンプルの左右方向の回転
はバイパス12がバイパス収納用溝15に嵌め合わされて阻
止されているが、長さ方向ではアンプルの前端がケース
3の先端が絞られた形状によって、先端の方向に脱落し
ない様になっているのみで、後側へのずれを阻止する構
造はない。このため薬剤溶解前に針管を取り付ける場合
等アンプルが長さ方向に逃げて取り付け難い場合があ
る。これを改善するためアンプルの長さ方向の動きを阻
止するため、アンプルを連結スリーブによって前部ケー
スに固定したものでる。それ以外の機能は前記の図1及
び2に示した態様と全く同じである。
射器のその他の一態様を示したもので、(a) は薬剤溶解
前の状態、(b) は薬剤の溶解が完了した状態の長さ方向
の断面図を示す。
した態様において、前部ケースのフランジ17の位置にフ
ランジに代えてケース4のネジ16′に嵌め合わせ可能な
ネジ16″を設けたものである。これは注射器のアセンブ
リー作業の生産性向上と注射器を使用する場合の操作性
を向上させるためである。本発明の注射器を組み立てる
場合前記の2つの態様では、先ず前部ケース3にシリン
ダーアンプル2を収納して連結フランジ20を取り付けた
後、後部ケースを取り付ける場合には前側からネジ16′
を16に合わせて回転して前部ケースの外側に差し込んで
取り付け、その後、後部ケース4の後端に投与器取付部
品18を挿入して後部ケースの内面に接着し、更に投与器
を取付ける必要があった。前部ケースのフランジ17が邪
魔になって後部ケースのネジ16′が後側から差し込めな
いためである。アセンブリー作業に接着作業が入ると生
産性が著しく阻害される。
ネジ16″を設け、その部分で後部ケースのネジ16′を1
6″に合わせて回転して通過させることが可能となるた
め、投与器取付部品18が接着された後部ケースを後側か
ら前部ケースに差し込んで組み立てることが可能とな
る。
了した注射器で、前部と後部のケースは相互に固定され
ていないため、保管中何らかの原因で投与器に力がかか
った場合溶媒が薬剤スペースに流入するおそれがある。
しかし、本態様では薬剤溶解まえは前部及び後部ケース
がネジ16′と16″が噛み合って固定されているため、保
管中外部から力がかかっても溶媒が薬剤スペースに流入
することがない。それ以外の機能は前記の態様と同様で
ある。
内蔵した注射器の前部及び後部ケースのその他の一態様
を示したもので、その他の構成部分は前記の3つの態様
のいずれかが使用可能である。図5(a) は前部ケース及
び後部ケースの正面図を、図(b) は(a) の C−C ′線に
おける断面図を示す。また、図6(a) 、(b) 、(c) 及び
(d) はそれぞれ図5(a) の D−D ′線、 E−E ′線、 F
−F ′線及び G−G ′線で切断した断面図を示す。
溶解した場合、注射器の前部スペースの残留ガスが圧縮
されてバックプレシャーが発生し、溶液が逆流するおそ
れがある。本態様はこれを防止するため開発されたもの
で逆流防止機構を付加した構造である。前部ケース20の
材質は AS であり、後部ケース21はアクリル系樹脂であ
る。
ス12の収納用溝29が設けられ、ケース21の先端は前述の
態様と同様にアンプル2の先端を保持するため絞られた
形状となっている。中間部分及び後端には後部ケース22
を固定するための切欠を有するネジ23、23″が取り付け
られ、これらのネジは後部ケースのネジ23′に嵌めて両
ケースを固定するために使用されるもので、同一の仕様
になっている。ネジには図5(a) 及び図6(a) に示す様
な切欠が付けられている。切欠は両ケースのネジと切欠
の部分を互い違いに合わせるとケースを回転させること
なしに、前部ケースを後部ケースの内側に差し込める様
にするためである。ケースのネジ23と23″の間には逆流
防止用のラチェット24が取り付けられている。
23′が設けられ、薬剤溶解前は前部ケースのネジ23″に
嵌め合わせて固定されている。従って、保管中に注射器
に外力が働いても投与器が内部に押し込まれ、溶媒が誤
って薬剤のスペースに流入するおそれがない。また相互
のネジを固定するにはネジと溝を合わて捩じれば、噛み
合わせ部分が約60〜70°の回転で固定できる様な溝の形
状になっている。ケースの中間部分には前部ケースのラ
チェット24と噛み合う逆流防止用のラチェット24′が取
り付けられ、後端には注射液投与器6が取付部品18を介
して取り付けられ、投与器6とアンプルの後部ガスケッ
ト11は、プランジャー19により連結されている。
び後部ケースのラチェット24、24′が噛み合いながら進
たむため後戻りすることがなく、従って、薬剤溶液が逆
流するおそれがない状態で溶解操作が可能となる。前部
及び後部ケースのラチェット24、24′が噛み合って進行
する状態は図5(b) 及び図6(d) に示されている。ま
た、ラチェットを刻んだ幅は図6(b) 及び(d) に示す様
にケースの円周の一部分に過ぎないから、溶解過程で外
部ケースを少し回転させればラチェットが外れ、また再
び噛み合わせることも可能であり、ラチェットを外して
溶解することもできる。
溶解された後、前部及び後部ケースを連結するネジ23、
23′を捩じって固定すれば溶解操作が終了する。注射を
する場合は液投与器を操作して投与量を設定し、針管を
刺して投与器後端を押せば設定した量の注射液が針管を
通って注射される。
ては、溶解時薬剤を封入したスペースの残留ガスをパー
ジせずに溶媒を流入させて溶解し、溶解後残留ガスが蓄
積した状態で注射液を保存することが好ましい場合もあ
る。この様な時には逆流防止機構が特に有効である。
合せ機構を使用する場合は、ラチェットから発生する振
動は避けられない。振動を可及的に減少させるため軟質
のプラスチックまたはゴム等を使用することが好まし
い。或いは溶解操作中に後部ケースを約 90 °回転させ
ラチェットの噛み合わせが外れた状態で溶媒を流入さ
せ、プランジャーを一時停止する時には後部ケースを回
して元の位置に戻し、ラチェットを噛み合わせて逆流を
防止することもできる。
器に含まれるプランジャーと後部ガスケットの接続部分
の斜視図を示したものである。 (a)は通常の態様であり
(b)はバックプレッシャーがかかる場合に適した形態で
ある。
に残留ガスが圧縮されてバックプレッシャーが発生する
ことがある。プランジャーに接続している後部ガスケッ
トは通常ゴム製であるから、バックプレッシャーがかか
ると変形して溶媒がリークするおそれもある。(b) はガ
スケットの変形を防止するために接続部分にフランジを
設けた形態としたもので、前記の本発明の注射器のいず
れの態様にも適用可能である。
請求項も含まれているが、この説明は以上の各態様の構
造及びその機能に関する説明の中に含まれている。
常に注射器を携帯し必要な時に本人自身で注射液を調整
して注射することが可能であり、特に薬剤の溶解過程で
振盪、液の流れの乱れその他機械的な力が溶液に加わる
ことを極力防止することを可能とする構造及び溶解方法
である。このため特に不安定な薬剤例えば、ヒト成長ホ
ルモン、インターフェロンその他種々なポリペプチッド
等溶解した状態では長時間保存することが困難であり、
且つこれらの薬剤の溶解過程でも振盪、液の流れの乱れ
その他機械的な力が加わると無視できない化学変化が生
ずる薬液を使用する場合に好適である。
様において薬剤溶解前の状態を示したもので、(a) は正
面図を、(b) は(a) の A−A ′線における断面図を示
す。
の溶解が完了し、針管を取り付けた状態における注射器
の長さ方向の断面図を示す。(b) は図1の B−B ′線の
断面図を示す。
一態様を示したもので、(a) は薬剤溶解前の状態、(b)
は薬剤の溶解が完了した状態の長さ方向の断面図を示
す。
他の一態様を示したもので、(a) は薬剤溶解前の状態、
(b) は薬剤の溶解が完了した状態の長さ方向の断面図を
示す。
他の一態様における前部及び後部ケースを示したもの
で、(a) は正面図を、(b) は(a) の C−C ′線における
断面図を示す。
の D−D ′線、 E−E ′線、F−F ′線及び G−G ′線
で切断した断面図を示す。
構を内蔵した注射器に含まれるプランジャーの斜視図を
示す。
様において薬剤溶解前の状態を示したもので、(a)は
正面図を、(b)は(a)のA−A′線における断面図
を示す。
剤の溶解が完了し、針管を取り付けた状態における注射
器の長さ方向の断面図を示す。(b)は図1のB−B′
線の断面図を示す。
一態様を示したもので、(a)は薬剤溶解前の状態、
(b)は薬剤の溶解が完了した状態の長さ方向の断面図
を示す。
他の一態様を示したもので、(a)は薬剤溶解前の状
態、(b)は薬剤の溶解が完了した状態の長さ方向の断
面図を示す。
他の一態様における前部及び後部ケースを示したもの
で、(a)は正面図を、(b)は(a)のC−C′線に
おける断面図を示す。
図5(a)のD−D′線、E−E′線、F−F′線及び
G−G′線で切断した断面図を示す。
解機構を内蔵した注射器に含まれるプランジャーの斜視
図を示す。
ト成長ホルモン、インターフェロン等の様に溶解時或い
は溶解後注射液を保存する時、振盪しただけでも無視で
きない化学変化をおこすおそれがある物質もある。この
様に不安定な物質は凍結乾燥してアンプル内に保存され
ていることが多いが、溶媒を加え溶解して注射液を調整
する際、溶解過程でも溶液に振盪その他機械的な力が加
わらない様な慎重な取扱方法が必要とされている。
の様な注射液を調整するシステムが種々開示さている
が、溶解工程で溶液にかかる振盪、液の流れの乱れその
他機械的な力を更に減少させるためには尚改善の余地が
多く残されている。
1は多室シリンダーアンプル2、前部ケース3、後部ケ
ース4、針管保持部5、注射液投与器6及びプランジャ
ー19からなり、(1) 多室シリンダーアンプル2は前部ス
ペース7及び後部スペース8の2室に分かれ、前部スペ
ースの先端は針管で貫通可能なパッキング9により、後
側は可動性を有する前部ガスケット10によってシールさ
れ、後部スペースの前側は前部ガスケット10により、後
側は可動性を有する後部ガスケット11によってシールさ
れ、アンプルの管壁にはバイパス12が設けられ薬剤溶解
前には前部ガスケット10はバイパスより後側に配置さ
れ、前部スペースには薬剤13が後部スペースには溶媒ま
たは分散媒14が互いに分離された状態で封入されてい
る。
問題点を解消するため、薬剤が封入されているスペース
に溶媒を注入する時注射器の先端に針管を取り付けて、
注射器の前部スペースの残留ガスの加圧によるバックプ
レッシャーの発生を防止し、後部ケースを介して接続さ
れた投与器をその内部機構は操作せず単に手動で押し込
む構造となっている。ここで、投与器をその内部機構は
操作せず単に手動で押し込むとは、通常注射器の先端を
上側にして机等の平らな平面上にほぼ垂直に立て上から
抑えて、投与器に接続されたプランジャーで後部ガスケ
ットを押し上げる操作の意味で、この際投与器の内部機
構は一切関与せず実質的には注射器を保持するための台
としての役割を果しているのみである。また、前部ケー
スの内面には長さ方向にバイパス12の収納用溝15が設け
られ、アンプルの壁面から突出しているバイパスを収納
し、ケース内部でのアンプルの回転を防止する機能もも
っている。尚、本発明には薬剤の性質等によっては針管
を取り付けずに薬剤を溶解する場合も含まれている。
合に、予め設定した長さだけプランジャーを前進させ所
定量の注射液を注射する装置は、従来から種々知られ市
販されているものもある。例えば、オーエンマムフォー
ド社の商品名「オートペン」は万年筆のキャップの様な
形状で、上部の回転式ダイヤルで注射の際予め注射液量
の設定が可能であり、針管の先端を皮膚に刺した後、投
与器を操作すれば所定量の注射液が自動的に体内に注入
される様になっている。ここで、市販品には投与器のボ
タンを押すとバネ等の力で吸子を前進させる方式と、投
与器を指先で押して吸子を前進させる方式がある。本発
明は予め注射量を設定した後、投与器を操作すると、設
定量の注射液が体内に注入される装置であれば、これら
の公知のいずれの方式も使用可能である。また同様な機
能を有するその他の投与器を使用する場合も本発明に含
まれる。
ジ16に嵌め合わせて固定するためのネジ16′が設けら
れ、後端には注射液投与器6が取付部品18を介して取り
付けられている。前部ケース3と後部ケース4は固定さ
れていないが、ケース3はその後部のフランジ17がケー
ス4のネジ16′によって前方へ脱落しない様に保持さ
れ、また、取付部品18によってケース4の後方へ脱落し
ない様にも保持されている。後部ケース4と注射液投与
器6は取付部品18を介して接続され、投与器6と後部ガ
スケット11がプランジャー19により連結されている。
及び2に示した態様に連結スリーブ20を加えた構造であ
る。これはシリンダーアンプルを前部ケースに収納して
保持する場合、アンプルの左右方向の回転はバイパス12
がバイパス収納用溝15に嵌め合わされて阻止されてい
る。しかし、長さ方向ではアンプルはケース3の先端が
絞られた形状となっているため、先端の方向へは脱落し
ないが、後側へのずれを阻止する構造はない。このため
薬剤溶解前に針管を取り付ける場合等アンプルが長さ方
向に逃げて取り付け難い場合がある。そこでアンプルの
長さ方向の動きを阻止するために、前部ケース3の後部
内側に連結スリーブが取り付けられている。連結スリー
ブは図に示す様に前部ケースの内壁に密着する様に挿入
され摩擦で固定されている。それ以外の機能は前記の図
1及び2に示した態様と全く同じである。
した態様において、前部ケースのフランジ17の位置にフ
ランジに代えてケース4のネジ16′に嵌め合わせ可能な
ネジ16″を設けたものである。これは注射器のアセンブ
リー作業の生産性向上と注射器を使用する場合の操作性
を向上させるためである。本発明の注射器を組み立てる
場合前記の2つの態様では、先ず前部ケース3にシリン
ダーアンプル2を収納して前部ケース3の後部内側に連
結スリーブ20を取り付ける。その後、後部ケースを取り
付けるためにには前側からネジ16′を16に合わせて回転
して前部ケースの外側に差し込んで取り付ける。その
後、後部ケース4の後端に投与器取付部品18を挿入して
後部ケースの内面に接着し、更に投与器を取付ける必要
があった。その場合図3の態様では前部ケースのフラン
ジ17が邪魔になって後部ケースのネジ16′が後側から差
し込めないためである。また、アセンブリー作業に接着
作業が入ると生産性が著しく阻害される。
は組み立てが完了した注射器は、前部と後部のケースは
相互に固定されていないため、保管中何らかの原因で投
与器に力がかかった場合溶媒が薬剤スペースに流入する
おそれがある。しかし、本態様では薬剤溶解まえは前部
及び後部ケースがネジ16′と16″が噛み合って固定され
ているため、保管中外部から力がかかっても溶媒が薬剤
スペースに流入することがない。それ以外の機能は前記
の態様と同様である。
器に含まれるプランジャーと後部ガスケットの接続部分
の斜視図を示したものである。 (a)は通常の態様であり
(b)はバックプレッシャーがかかる場合に適した形態で
ある。_
Claims (6)
- 【請求項1】 薬剤溶解機構を内蔵した注射器1は多室
シリンダーアンプル2、前部ケース3、後部ケース4、
針管保持部5、注射液投与器6及びプランジャー19から
なり、(1) 多室シリンダーアンプル2は前部スペース7
及び後部スペース8の2室に分かれ、前部スペースの先
端は針管で貫通可能なパッキング9により、後側は可動
性を有する前部ガスケット10によってシールされ、後部
スペースの前側は前部ガスケット10により、後側は可動
性を有する後部ガスケット11によってシールされ、アン
プルの管壁にはバイパス12が設けられ薬剤溶解前には前
部ガスケット10はバイパスより後側に配置され、前部ス
ペースには薬剤13が後部スペースには溶媒または分散媒
14が互いに分離された状態で封入され、(2) 前部ケース
3の内面には長さ方向にバイパス12の収納用溝15が設け
られ、ケース3の先端はアンプル2を保持するため絞ら
れた形状となり、ケースの中間部分には薬剤溶解後、後
部ケース4を固定するためのネジ16が取り付けられ、ま
た、ケース3の後端にはフランジ17が設けられ(3) 後部
ケース4の先端にはネジ16′が設けられ、前部ケースの
フランジ17はネジ16′と取付部品18の間に可動性を有す
る状態で挿入され、後端には注射液投与器6が取付部品
18を介して取り付けられ、また、投与器6と後部ガスケ
ット11がプランジャー19により連結され、(4) 薬剤溶解
時には投与器6の内部機構は操作せず単に手動で押し込
むことにより、プランジャー19を介して前部及び後部ガ
スケット10、11が前進し、前部ガスケットがバイパス12
の部分に入ると後部スペースの溶媒14がバイパスを通っ
て前部スペースに流入して薬剤13が溶解され、溶媒が全
量前部スペースに流入後、前部及び後部ケースをネジ1
6、16′を締めて固定した後、注射液投与器の操作によ
り注射液が針管保持部5を通って注射が可能となる様に
構成してなる、不安定な薬剤にも適用可能な薬剤溶解機
構を内蔵した注射器。 - 【請求項2】 薬剤溶解機構を内蔵した注射器1は多室
シリンダーアンプル2、前部ケース3、連結スリーブ2
0、後部ケース4、針管保持部5、注射液投与器6及び
フランジャー19からなり、(1) 多室シリンダーアンプル
2は前部スペース7及び後部スペース8の2室に分か
れ、前部スペースの先端は針管で貫通可能なパッキング
9により、後側は可動性を有する前部ガスケット10によ
ってシールされ、後部スペースの前側は前部ガスケット
10により、後側は可動性を有する後部ガスケット11によ
ってシールされ、アンプルの管壁にはバイパス12が設け
られ薬剤溶解前には前部ガスケット10はバイパスより後
側に配置され、前部スペースには薬剤13が後部スペース
には溶媒または分散媒14が互いに分離された状態で封入
され、(2) 前部ケース3はスリーブ20によってシリンダ
ーアンプル2に固定され、ケースの内面には長さ方向に
バイパス12の収納用溝15が設けられ、ケース3の先端は
アンプル2を保持するため絞られた形状となり、中間部
分には薬剤溶解後、後部ケース4を固定するためのネジ
16が取り付けられ、ケース3の後端にはフランジ17が設
けられ、(3) 後部ケース4の先端にはネジ16′が設けら
れ、前部ケースのフランジ17はネジ16′と取付部品18の
間に可動性を有する状態で挿入され、後端には注射液投
与器6が取付部品18を介して取り付けられ、また、投与
器6とアンプルの後部ガスケット11がプランジャー19に
より連結され、(4) 薬剤溶解時には投与器6の内部機構
は操作せず単に手動で押し込むことにより、プランジャ
ー19を介して前部及び後部ガスケット10、11が前進し、
前部ガスケットがバイパス12の部分に入ると後部スペー
スの溶媒14がバイパスを通って前部スペースに流入して
薬剤13が溶解され、溶媒が全量前部スペースに流入後、
前部及び後部ケースをネジ16、16′を締めて固定した
後、注射液投与器の操作により注射液が針管保持部5を
通って注射が可能となる様に構成してなる、不安定な薬
剤にも適用可能な薬剤溶解機構を内蔵した注射器。 - 【請求項3】 薬剤溶解機構を内蔵した注射器1は多室
シリンダーアンプル2、前部ケース3、連結スリーブ2
0、後部ケース4、針管保持部5、注射液投与器6及び
フランジャー19からなり、(1) 多室シリンダーアンプル
2は前部スペース7及び後部スペース8の2室に分か
れ、前部スペースの先端は針管で貫通可能なパッキング
9により、後側は可動性を有する前部ガスケット10によ
ってシールされ、後部スペースの前側は前部ガスケット
10により、後側は可動性を有する後部ガスケット11によ
ってシールされ、アンプルの管壁にはバイパス12が設け
られ薬剤溶解前には前部ガスケット10はバイパスより後
側に配置され、前部スペースには薬剤13が後部スペース
には溶媒または分散媒14が互いに分離された状態で封入
され、(2) 前部ケース3はスリーブ20によってシリンダ
ーアンプル2に固定され、ケースの内面には長さ方向に
バイパス12の収納用溝15が設けられ、ケース3の先端は
アンプル2を保持するため絞られた形状となり、中間部
分及び後端には後部ケース4を固定できるネジ16、16″
が取り付けられ、(3) 後部ケース4の先端にはネジ16′
が設けられ薬剤溶解前は前部ケースのネジ16″に嵌め合
わせて固定され、後端には注射液投与器6が取付部品18
を介して取り付けられ、投与器6と後部ガスケット11が
プランジャー19により連結され、(4) 薬剤溶解時には前
部ケースのネジ16″と後部ケースのネジ16′の噛み合わ
せを外し、投与器6の内部機構は操作せず単に手動で押
し込むことにより、プランジャー19を介して前部及び後
部ガスケット10、11が前進し、前部ガスケットがバイパ
ス12の部分に入ると後部スペースの溶媒14がバイパスを
通って前部スペースに流入し薬剤13が溶解され、溶媒が
全量前部スペースに流入後、前部及び後部ケースをネジ
16、16′を締めて固定した後、注射液投与器の操作によ
り注射液が針管保持部5を通って注射が可能となる様に
構成してなる、不安定な薬剤にも適用可能な薬剤溶解機
構を内蔵した注射器。 - 【請求項4】 (1) 前部ケース21の内面には長さ方向に
バイパス12の収納用溝29が設けられ、ケース21の先端は
アンプル2を保持するため絞られた形状となり、中間部
分及び後端には後部ケース22を固定するための切欠を有
するネジ23、23″が取り付けられ、ケースのネジ23と2
3″の間には逆進防止用のラチェット24が取り付けら
れ、(2) 後部ケース22の先端には切欠を有するネジ23′
が設けられ、薬剤溶解前は前部ケースのネジ23″に嵌め
合わせて固定され、ケースの中間部分には前部ケースの
ラチェット24と噛み合う逆流防止用のラチェット24′が
取り付けられ、後端には注射液投与器6が取付部品18を
介して取り付けられ、投与器6とアンプルの後部ガスケ
ット11はプランジャー19により連結され、(3) 薬剤溶解
時には前部ケースのネジ23″と後部ケースのネジ23′の
噛み合わせを外し、投与器6の内部機構は操作せず単に
手動で押し込むと、前部及び後部ケースのラチェット24
と24′が噛み合うため溶媒が逆流することなく、プラン
ジャー19を介して前部及び後部ガスケット10、11が前進
し、前部ガスケットがバイパス12の部分に入ると後部ス
ペースの溶媒14がバイパスを通って前部スペースに流入
し、溶媒が全量前部スペースに流入して薬剤13が溶解さ
れた後、前部及び後部のケースを連結するネジ23、23′
を締めて固定し薬剤調製工程を完了する構成を有する、
請求項1〜3のいずれかに記載した不安定な薬剤にも適
用可能な薬剤溶解機構を内蔵した注射器。 - 【請求項5】 注射液投与器のプランジャー26にプラン
ジャーフランジ27を設けた請求項1〜4のいずれかに記
載した薬剤溶解機構を内蔵した注射器。 - 【請求項6】 薬剤溶解機構を内蔵した注射器1は多室
シリンダーアンプル2、前部ケース3、後部ケース4、
針管保持部5、注射液投与器6及びフランジャー19を含
み、多室シリンダーアンプル2は前部スペース7及び後
部スペース8の2室に分かれ、前部スペースの先端は針
管で貫通可能なパッキング9により、後側は可動性を有
する前部ガスケット10によりシールされ、後部スペース
の前部は前部ガスケット10により、後側は可動性を有す
る後部ガスケット11によりシールされ、アンプルの管壁
にはバイパス12が設けられ薬剤溶解前、前部ガスケット
10はバイパスより後側に配置され、前部スペースには薬
剤13が後部スペースには溶媒または分散媒14が互いに分
離された状態で封入され、アンプルは前部ケースに挿入
され後部ガスケット11と投与器はプランジャー19によっ
て連結され、薬剤溶解時注射器の先端を上側にして立
て、投与器を操作することなく注射器を上から静かに抑
えると、プランジャー19を介してアンプル内の前部及び
後部ガスケット10、11が前進し、前部ガスケットがバイ
パス12の部分に入ると後部スペースの溶媒14がバイパス
を通って前部スペースに流入して薬剤13が溶解され、溶
媒が全量前部スペースに流入後、前後のケースを連結す
るネジ16、16′を締めて固定することを特徴とする不安
定な薬剤にも適用可能な薬剤調製方法。
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EP99104076A EP0943349B1 (en) | 1998-03-19 | 1999-03-18 | Injection syringe including device for preparation of injection |
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