JP3949752B2 - 薬剤溶解機構付注射器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は薬液溶解機構を付加した注射器に関するもので更に詳しく述べると、溶液または分散液の状態で長時間保存すると化学変化を起こすおそれがある注射液を使用する時に調製する機構を内蔵し、患者が常に注射器を携帯し必要な時に本人自身で注射液を調整することが可能であると共に、所定量の注射液を自動的に注射できる機構も有する注射器である。
【0002】
【従来の技術】
従来からヒト成長ホルモン或いはインシュリン注射等患者自身が長期間にわたり定期的に注射をする必要がある場合、患者が常に注射器を携帯して必要時、自身で注射する方式が採用されている。この様な注射器は患者自身が容易に組み立てて使用し、アンプルと注射針のみを交換すれば何回も使用できる様な構造になっている。例えば、万年筆と同様な形状につくられている携帯用注射器が知られている。
【0003】
また、これらの注射用の薬剤には例えばヒト成長ホルモン、インターフェロン等の様に溶解時或いは溶解後注射液を保存する時、振盪しただけでも無視できない化学変化をおこすおそれがある物質もある。この様に不安定な物質は凍結乾燥してアンプル内に保存されている場合があるが、溶媒を加えて溶解して注射液を調整する際には、その溶解過程でも溶液に振蕩その他機械的な力が加わらない様な慎重な取扱方法が必要とされている。
【0004】
従来多室シリンダーアンプルを使用してこの様な注射液を調整するシステムが種々開示さているが、溶解工程で溶液にかかる振蕩、液の流れの乱れその他機械的な力を更に減少させるためには尚改善の余地が多く残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
多室シリンダーアンプルを使用して内部に封入されている薬剤と溶媒を混合させて溶解する際、溶解時または溶解後の溶液保存期間における薬剤の変質を防止するため、溶解工程で溶液にかかる機械的な力を一層減少せしめる機構を有すると共に、注射の操作を容易にするため薬液投与量設定機構及び自動注射機構も備えた注射器を開発して提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は主としてヒト成長ホルモン、インターフェロンその他種々なポリペプチッド等不安定な物質のため溶解した状態では長時間保存することが困難であり、且つこれらの薬剤の溶解過程でも振盪、液の流れの乱れその他機械的な力が加わると無視できない化学変化が生ずるおそれがある薬液にも充分適用できる様な、注射器の内部における薬剤溶解機構ついて検討した。
【0007】
その結果多室シリンダーアンプルの1室に封入されている薬剤に他の室の溶媒を注入する際、溶解工程で殆ど振盪も液の流れの乱れも起こらず機械的な力も加わらない様にするためには、シリンダー内部の液の流れを観察しながら溶解過程の薬剤及び溶媒に極力機械的な力がかからぬ様に、人力で注入速度を調節しながら極めてゆっくりと薬剤に溶媒を加えてゆく溶解方法が最適であるとの結論に達しこれに適合した形状とするため、スピンドルに薬剤溶解時のみ使用するアタッチメントを付加したシリンダーアンプル開発した。更に注射を容易にするための溶解後の薬液投与量設定機構及び、それに連動する注射機構ついても検討した結果本発明に到達した。
【0008】
すなわち、薬剤溶解機構付注射器1はシリンダーアンプル2、外筒3、針管保持部4及びスピンドル駆動装置5からなり、
(1) シリンダーアンプル2は前部スペース6及び後部スペース7の2室に分かれ、前部スペースの先端は針管で貫通可能な膜8により後側は可動性を有する中間隔壁9によりシールされ、後部スペースの前側は中間隔壁9により後側は可動性を有する後部隔壁10によりシールされ、アンプルの管壁にバイパス11が設けられ注射器使用前中間隔壁9はバイパスより後側に配置され、
【0009】
(2) 前部スペースには薬剤12が後部スペースに溶媒または分散媒13が互いに分離された状態で封入され、注射器使用時後部隔壁に接続したスピンドル14にアタッチメント22を取り付けて押し込むことにより後部隔壁10を前方へ移動させると、それに伴って中間隔壁9も前方へ移動するためバイパス11が開通して前部スペース6と後部スペース7が連結され、後部スペースの溶媒または分散媒13が前部スペース内へ流入し、溶媒または分散媒全量が前部スペース内へ移動し後部隔壁10が中間隔壁9と接触する迄スピンドル14が押し込まれ、前部スペースの内部に封入されていた薬剤12はバイパス11を通って流入した溶媒または分散媒13と接触して、溶解または分散されて注射液が調整される時、外部から溶媒または分散媒が前部スペース内に流れ込んで薬剤と接触する状況の観察が可能であり、且つその流入速度を手動で調節可能とするためアタッチメント22はアンプルの外部に露出した構造となっている。
【0010】
(3) 外筒3は前部に段落15と後端に、スピンドルを押し込んだ位置でアタッチメントを固定するためのカム23及びスピンドル駆動装置5に連結するためのカム16を有し、注射液が調整された後外筒3はシリンダーアンプル2の外側にその前側より段落15がバイパス11と接触する迄差し込まれて、シリンダーアンプル2に取り付けられ、後端のカム23はアタッチメントのカム23′に嵌め合わせてスピンドル14は薬剤の溶解または分散が完了した位置に固定され、
【0011】
(4) 針管保持部4は針管17及び針管基部18′からなり、針管の後部先端でシリンダーアンプル2の先端の膜8を貫通して差し込むと、針管基部18′がシリンダーアンプルの先端部分18に取り付けられて針管が固定される。
【0012】
(5) スピンドル駆動装置5は外筒に接続するネジ16′、薬液投与量設定機構19、駆動ロッド20及び注射操作部分21からなり、外筒よりアタッチメント22を取り外した後スピンドル駆動装置5のネジ16′を外筒3後端のネジ16に嵌め合わせて固定し、薬液投与量設定機構で薬液投与量を設定した後、注射操作部分21を操作して駆動ロッド20を所定の距離だけ前進させることにより、スピンドル14、後部隔壁10及び中間隔壁9を前進させ所定量の薬液が針管17から送り出されるように構成されてなる、ヒト成長ホルモン、インターフェロンその他、不安定なポリペプチッドに適用される薬剤溶解機能付注射器である。ここで、不安定なポリペプチッドにはインシュリンも含まれる。また、ロッド 20 の駆動装置は手動の他電動等動力を利用した装置でもよい。
【0015】
ここで薬剤の溶剤または分散剤と記載したのは通常薬剤は水で溶解されて注射液として使用される場合が多いが、薬剤の性質によっては水に分散させたエマルジョン或いは懸濁液の状態で注射液に使用される場合もあるからである。下記の説明では溶媒または分散剤を溶媒等と表示することがある。以下、本発明について詳しく説明する。
【0016】
本発明者等が開発した注射器は、患者が常に注射器を携帯し必要な時に本人自身で注射できる機能を有すると共に、薬剤ヒト成長ホルモン、インターフェロンその他不安定なポリペプチッドであり、溶或いは分散液の状態で長期間保存することが困難であるから、薬剤溶解機能を備えている必要がある。更に薬剤を溶解する場合の問題点として、溶解工程で薬剤に振盪等機械的な力が加わると無視できない化学変化を起こすおそれがあるため、これらの薬剤の性状に充分適用できる溶解機能が必要である。
【0017】
従来からこの様な目的に多室シリンダーアンプルが使用され、薬剤及びその溶剤或いは分散剤がそれぞれ別のスペースに封入されていて、使用する場合患者自身が注射器を操作して薬液を溶解して使用する方法である。ここで特に問題となるのは薬剤が溶媒等に接触する時或いは溶媒中に溶解する過程で、どの様にして薬剤や溶液等に振盪或いは液の流れの乱れその他機械的な力が加わらない様にするかである。
【0018】
例えば、シリンダーアンプルの前部スペースに薬剤、後部スペースに溶媒等が隔壁で分離して保持されている場合、後部隔壁を前進させバイパスを開通させ徐々に溶媒等を前室に流入させて溶解する場合、流入速度を低下させるため後部隔壁に連結したスピンドルの端を手動で回転させてネジ機構で隔壁を前進させる方式が多い。しかし、回転に伴って発生する微小な振動が溶解過程の溶液等に伝達されることは避けられない。
【0019】
更にこの際薬剤が封入されていたスペースの前端は閉止されているため残留ガスがアンプルの先端で圧縮された状態となるから、バックプレッシャーによる溶剤等の逆流を防止するためにも、隔壁を前進させる場合バックするおそれがないネジ機構等が必要となる。また、溶解された注射液はかなり加圧された状態でアンプルの内部に封入されているので、注射をする時アンプルの先端に針管を取り付けると残留ガスが瞬間的に外部に噴出して溶液に衝撃を与えるため、薬剤の変質を極力防止する見地からは好ましくない。
【0020】
本発明の注射器の薬剤溶解機構はこれらの問題点を解消するため、薬剤が封入されているスペースに溶媒を注入する時、使用するアタッチメントがアンプルの後部に露出した構造となっている。また、溶解過程においてアンプルの内部が観察し易い構造になっている。溶解過程の薬剤及び溶媒等にも極力振盪或いは液の流れの乱れその他の機械的な力が加わらない様にするためには、この注射器を例えば机の上などにほぼ垂直に立て、アンプルの内部を観察しながら注射器を上から緩やかに押さえる様にしてアタッチメントを押し込み、薬剤が封入されているスペースに溶媒等を流入させると、溶媒は層流の状態でバイパスを通過して徐々に薬剤に浸透してゆく状態となり最も好ましい。これに適した構造として前記の様な注射器を開発したものである。
【0021】
注射器を上から緩やかに押さえて隔壁を前進させる場合、薬剤が封入されている部屋がシールされていると、アンプルの先端部分に圧縮された残留ガスが蓄積し、バックプレッシャーによっては隔壁が後退し、溶媒が逆流して振盪や液の流れが乱れる原因となることがある。このため溶解操作をする前にシリンダーアンプルの先端には針管を取り付け、アンプルの内部で残留ガスが圧縮されない様にして溶解することが好ましい。尚、本発明の注射器も薬剤の性質等よっては、溶解時薬剤を封入したスペースの残留ガスをパージせずに溶媒を流入させて溶解し、溶解後残留ガスが蓄積した状態で注射液を保存することも可能である。その際バッグプレシャーによりアンプル内部の中間隔壁及び後部隔壁が後退することを防止するため、アタッチメントのカム23′を外筒後部のカム23に嵌め合せて溶解完了時の位置に保持することができる構造となっている。また、このような場合以外でも薬剤溶解操作完了後注射までの間は、調整された薬液の攪拌等による影響を防止するため、アタッチメントのカム 23 ′と外筒後部のカム 23 は嵌め合せた状態に保持される。
【0022】
患者自身が注射する場合注射器に取り付け、予め設定した長さだけ吸子を前進させて所定量の注射液を注射する装置は、従来から種々知られ市販されているものもある。例えば、オーエンマムフォード社の商品名「オートペン」は万年筆のキャップの様な形状で、上部の回転式ダイヤルで注射の際予め注射液量の設定が可能であり、針管の先端を皮膚に刺した後、注射装置の注射操作部分を操作すれば所定量の注射液が体内に注入される様になっている。ここで、市販品には注射操作部分が突起状でそれを押すとバネ等の力で吸子を前進させる方式と、注射操作部分を指先で押す力により吸子を前進させる方式がある。本発明には予め注射量を設定し注射操作機構を操作すれば、設定された所定量の注射液が体内に注入できる装置であれば、公知のこれらのいずれの方式もスピンドル駆動装置5として使用可能である。またその他の装置に代替使用した場合も本発明に含まれている。
【発明の実施の形態】
【0023】
次に、図面を参照しながら本発明の薬剤溶解機構付注射器の構造及び機能を具体的に説明する。図1に本発明の注射器の一態様を示す。(a) はアンプルの薬剤溶解開始時における注射器の中心軸を含む平面で切断した断面図を、(b) は薬剤の溶解が完了して、針管を取り付けた状態における(a) と同じ切断面の断面図を示す。また、図2(a) は、図1(a) に示したアンプルをA -A′線で切断した拡大断面図を、(b) は図1(b) に示したアンプル B-B′線で切断した拡大断面図を示す。図3は、図1の注射器の注射をする状態における図1(a) と同じ切断面の断面図を示す。
【0024】
注射器のシリンダーアンプル2の材質は、内部に保存している薬剤の性質が不安定であることを考慮すればガラス製が好ましいが、これに限定せず薬剤の形質を考慮してプラスチック製等適宜選択できる。しかし、アンプルの管壁は透明で外部からその内部の状態が観察できる材質及び形状である必要がある。注射器の先端は合成ゴム製の膜8でシールされ、薬液溶解時または注射時にはアンプルの先端に針管保持部4を取り付け、膜8に針管を貫通させて使用される。
【0025】
シリンダーアンプル2の前部スペース6は、先端に取り付けられている膜8と可動性を有する中間隔壁9によりシールされ、また、後部スペースの前側は前部スペース後側と共通の中間隔壁9により、後側は可動性を有する後部隔壁10によりシールされている。隔壁はいずれも合成ゴム製である。また、アンプルの管壁には断面が U字状に膨らんだバイパス11が設けられ、注射器使用前中間隔壁9はバイパスより後側に配置されているため、図1(a) に示す様に前部スペースと後部スペースは遮断されている。
【0026】
シリンダーアンプルの前部スペースには薬剤12が、また後部スペースには溶媒または分散媒13が互いに分離された状態で封入されている。注射器を使用するため注射液を調製する時は、後部隔壁にスピンドル14を介して接続したアタッチメント22を押し込むことによって後部隔壁10を前方へ移動させると、それに伴って後部スペースに封入されている溶媒等及び中間隔壁9も前部へ移動する。しかしアタッチメント22に連動して中間隔壁9が前方へ移動すると、図1(b) 及び図2(b) に示す様にバイパス11の前側の部分及び後側の部分が、それぞれ前部スペース及び後部スペースと連結した状態となるため、前部スペースと後部スペースが連結されスピンドル14の前方への移動に伴って、後部スペースに封入されていた溶媒等の前部スペースへの流入が開始される。
【0027】
バイパスの後側が後部スペースと連結されて、後部スペースの溶媒等が前部スペースへの流入が開始されると、中間隔壁には殆ど圧力がかからなくなるため、溶媒等の前部スペースへの流入が開始された位置で停止する。引き続いてアタッチメント22を押し込むと、それと連結している後部隔壁も先方へ移動し、後部スペースの溶媒等がバイパスを通って前部スペースへの流入が継続する。更に後部隔壁が前方へ移動して停止している中間隔壁と接触し、後部スペースに封入されていた溶媒等の全量が前部スペースに流入した時点で、アタッチメントの移動は停止される。また、後部隔壁が中間隔壁と接触した状態になると後室と連結していたバイパスは、図1(b) 及び図2(b) に示した状態となるため自動的に閉止され、また、後部スペースは消滅した状態となる。
【0028】
この操作で前部スペースに封入されていた薬剤は、後部スペースに封入されていた溶媒等によって溶解または分散される操作は終了し、注射液が調整された状態になる。注射液となる溶液または分散液は、前部スペースに封入された状態となっている。
【0029】
外筒3はこれを介してシリンダーアンプル2をスピンドル駆動装置5に連結するために使用される部分で、通常プラスチック成形品でつくられ前部に段落15と後端にスピンドル駆動装置5に連結するためのネジ16が設けられている。外筒3は注射液が調整済のシリンダーアンプル2の外側にその前側より取り付けられ、外筒の段落15がバイパス11と接触する迄差し込まれて、シリンダーアンプル2に取り付けられる。
【0030】
針管保持部4は金属製の針管17及びプラスチック成形品の針管基部18′から構成されている。注射をする時針管の後部先端でシリンダーアンプル2の先端の膜8を貫通して差し込むと、針管基部18′がシリンダーアンプルの先端部分18に取り付けられて針管が注射器に固定される。その他、アンプルに封入されている薬剤を溶解する時、薬剤が封入されているスペースの残留ガスを抜く目的でアンプルに針管を取り付ける場合もある。
【0031】
スピンドル駆動装置5は先端に外筒に接続するネジ16′があり、駆動装置5本体には薬液投与量設定機構19、駆動ロッド20及び注射操作部分21から構成されている。外筒よりアタッチメント22を取り外した後、スピンドル駆動装置5のネジ16′を外筒3後端のネジ16に嵌め合わせると、駆動装置5と外筒3が固定され、更に外筒3を介してシリンダーアンプル2に固定され、針管保持部4も含めて注射器本体1全体が組み立てられた状態となる。ここに示した実施態様においてはスピンドル駆動装置としてオーエンマムフォード社の商品名「オートペン」を使用しているが、前述の様に予め注射量を設定し注射操作機構を操作すると、設定された所定量の注射液が体内に注入できる装置であれば、その他の装置でも代替使用が可能である。
【0032】
注射器1をこの状態に組立ると駆動ロッド20の先端はスピンドル14と接触した状態となるが、隙間が生じた場合には駆動ロッドの先端をスピンドルと接触させるため、薬液投与量設定機構19により駆動ロッドを前進させる間隔を設定し、注射操作部分21を操作して、ロッドの先端がスピンドルと接触した状態とする。
【0033】
注射時には予め所定の注射液量を薬液投与量設定機構19のダイヤルで設定した後、注射操作部分21を操作することにより、駆動ロッド20が所定の長さだけ前進し、それに連結しているスピンドル14、後部隔壁10及び中間隔壁9も同じ長さだけ前進するため、シリンダーアンプル2の内部に保持されている注射液が針管17を通って押し出され患者の体内に注射される。
【0034】
この操作により駆動ロッド20が前進し、既に接触して重なった状態となっている中間隔壁9及び後部隔壁10も同時に前進して、1〜数回の注射によって2つの隔壁はアンプルの先端に達する。その間2つの重なった隔壁の前進によりバイパス11の後側が外気に開放されるが、2つの隔壁の厚さはバイパス11より厚いため、注射液が保存されているスペースとは接続されず内部の注射液が外部へ漏れ出すことはない。
【0035】
本発明には更に注射液である薬剤を溶媒または分散剤によって溶液または分散液を調整する方法も含まれている。本発明の注射器は患者自身が常に携帯し、必要時に注射するために使用されるものである。更に、注射液に含まれる薬剤には不安定な物質が使用されるため、注射液として使用される液状で長期間保存したり或いは溶媒等で溶解或いは分散させて注射液を調整する時、振盪、液の流れの乱れ或いはその他機械的な力が加えられると、無視できない化学変化が起きる場合がある点に特に留意する必要がある。
【0036】
従って、注射液の調整は可及的に注射の都度或いは少数回毎に調整する様に努めると共に、注射液の調整方法も極力薬剤の化学変化を起こさない方法を講ずる必要がある。
【0037】
本発明の注射器のシリンダリーアンプル等注射器の構造については前述で述べた様に、シリンダーアンプル2は前部スペース6及び後部スペース7の2室に分かれ、前部スペースの先端は針管により貫通可能な膜8により、また後部は可動性を有する中間隔壁9によりシールされ、後部スペースの前側は前部スペースと共通な中間隔壁9により、後側は可動性を有する後部隔壁10によりシールされている。
【0038】
アンプルの中程の管壁には断面が U字状に膨らんだバイパス11が設けられ、注射器使用前中間隔壁9はバイパスより後側に配置されているため、図1(a) に示す様に前部スペースと後部スペースは分離され、前部スペースには薬剤が後部スペースには溶媒または分散媒が封入されている。
【0039】
注射液を溶媒または分散媒で溶解して注射液を調製する場合、後部隔壁にスピンドル14を介して接続したアタッチメント22を押し込むことにより、後部隔壁10を前方へ移動させるとそれに伴って中間隔壁9も前部へ移動するため、図1(a) 及び図2(b) に示す様に、バイパス11が開通して前部スペース6と後部スペース7が連結され、後部スペースの溶媒または分散媒13が前部スペースへ流入して、前部スペースの内部で薬剤が流入した溶媒等と接触して溶解し、注射液が調製される。この時に発生する溶液の振盪、液の流れの乱れその他機械的な力の加わり方を如何にして低下させ、この時薬剤が受ける化学変化を抑制するかが問題となる。
【0040】
薬剤の溶解時、シリンダーアンプルの先端を上向きにしてほぼ垂直に保持し、前部スペースに溶媒等が流入した時残留ガスが蓄積すると、バックプレッシャーにより流入する液の流れが乱されるおそれがある。本発明の薬剤溶解機構付注射器ではそれを防止するため、予め前部スペース6の前側の膜8に針管17の後部先端を貫通させて針管17を取り付け、圧縮された残留ガスはアンプル先端に取り付けた針管を通して外部に放出させ、バックプレッシャーにより液の流れが乱されるのを防止している。
【0041】
前部スペースに流入する溶媒等は常に層流の状態でバイパス内を流れ静かに薬剤に接触する様にするため、溶媒が前部スペースに流れ込んで薬剤と接触する状態を外部から観察しながらアタッチメントの押し込み速度を調節して、薬剤の溶解過程における溶液の振盪、液の流れの乱れその他機械的な力が加わることを極力防止して溶解または分散させる方法である。
【0042】
【発明の効果】
本発明の薬剤溶解機構付注射器は患者が常に注射器を携帯し必要な時に本人自身で注射液を調整して注射することが可能であり、特に薬剤の溶解過程で振盪、液の流れの乱れその他機械的な力が溶液に加わることを極力防止することを可能とする構造となっている。このため特に不安定な薬剤である、ヒト成長ホルモン、インターフェロンその他不安定なポリペプチッド溶解した状態では長時間保存することが困難であり、且つこれらの薬剤の溶解過程でも振盪、液の流れの乱れその他機械的な力が加わると無視できない化学変化が生ずる薬液を使用する場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬剤溶解機構付注射器の一態様を示したもので、(a) はアンプルの薬剤溶解開始時における注射器の中心軸を含む平面で切断した断面図を、(b) は薬剤の溶解が完了して針管を取り付けた状態における(a) と同じ切断面の断面図を示す。
【図2】 (a) は、図1(a) に示した注射器を A-A′線で切断した断面図を、(b) は図1(b) に示した注射器を B-B′線で切断した断面図を示す。
【図3】図1の注射器の注射をする状態における図1(a) と同じ切断面の断面図を示す。
【符号の説明】
1 薬剤溶解機構付注射器
2 シリンダーアンプル
3 外筒
4 針管保持部
5 スピンドル駆動装置
6 アンプルの前部スペース
7 アンプルの後部スペース
8 膜
9 中間隔壁
10 後部隔壁
11 バイパス
12 薬剤
13 溶媒または分散媒
14 スピンドル
15 外筒前部の段落
16 、16′ ネジ
17 針管
18 アンプルの先端部分
18 ′針管基部
19 薬液投与量設定機構
20 駆動ロッド
21 注射操作部分
22 アタッチメント
23 、23′カム

Claims (1)

  1. 薬剤溶解機構付注射器1はシリンダーアンプル2、外筒3、針管保持部4及びスピンドル駆動装置5からなり、
    (1) シリンダーアンプル2は前部スペース6及び後部スペース7の2室に分かれ、前部スペースの先端は針管で貫通可能な膜8により後側は可動性を有する中間隔壁9によりシールされ、後部スペースの前側は中間隔壁9により後側は可動性を有する後部隔壁10によりシールされ、アンプルの管壁にバイパス11が設けられ注射器使用前中間隔壁9はバイパスより後側に配置され、
    (2) 前部スペースには薬剤12が後部スペースに溶媒または分散媒13が互いに分離された状態で封入され、注射器使用時後部隔壁に接続したスピンドル14にアタッチメント22を取り付けて押し込むことにより後部隔壁10を前方へ移動させると、それに伴って中間隔壁9も前方へ移動するためバイパス11が開通して前部スペース6と後部スペース7が連結され、後部スペースの溶媒または分散媒13が前部スペース内へ流入し、溶媒または分散媒全量が前部スペース内へ移動し後部隔壁10が中間隔壁9と接触する迄スピンドル14が押し込まれ、前部スペースの内部に封入されていた薬剤12はバイパス11を通って流入した溶媒または分散媒13と接触して、溶解または分散されて注射液が調整される時、外部から溶媒または分散媒が前部スペース内に流れ込んで薬剤と接触する状況の観察が可能であり、且つその流入速度を手動で調節可能とするためアタッチメント22はアンプルの外部に露出した構造を有し、
    (3) 外筒3は前部に段落15と後端に、スピンドルを押し込んだ位置でアタッチメントを固定するためのカム23及びスピンドル駆動装置5に連結するためのネジ16を有し、注射液が調整された後外筒3はシリンダーアンプル2の外側にその前側より段落15がバイパス11と接触する迄差し込まれて、シリンダーアンプル2に取り付けられ、後端のカム23はアタッチメントのカム23′に嵌め合わせてスピンドル14は薬剤の溶解または分散が完了した位置に固定され、
    (4) 針管保持部4は針管17及び針管基部18′からなり、針管の後部先端でシリンダーアンプル2の先端の膜8を貫通して差し込むと、針管基部18′がシリンダーアンプルの先端部分18に取り付けられて針管が固定され、
    (5) スピンドル駆動装置5は外筒に接続するネジ16′、薬液投与量設定機構19、駆動ロッド20及び注射操作部分21からなり、外筒よりアタッチメント22を取り外した後スピンドル駆動装置5のネジ16′を外筒3後端のネジ16に嵌め合わせて固定し、薬液投与量設定機構で薬液投与量を設定した後、注射操作部分21を操作して駆動ロッド20を所定の距離だけ前進させることにより、スピンドル14、後部隔壁10及び中間隔壁9を前進させ所定量の薬液が針管17から送り出されるように構成されてなる、ヒト成長ホルモン、インターフェロンその他、不安定なポリペプチッドに適用される薬剤溶解機構付注射器。
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