JPH11267044A - 合成樹脂製断熱容器 - Google Patents

合成樹脂製断熱容器

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JPH11267044A
JPH11267044A JP10070867A JP7086798A JPH11267044A JP H11267044 A JPH11267044 A JP H11267044A JP 10070867 A JP10070867 A JP 10070867A JP 7086798 A JP7086798 A JP 7086798A JP H11267044 A JPH11267044 A JP H11267044A
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Japan
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container
synthetic resin
heat insulating
heat
resin
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JP10070867A
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Takafumi Fujii
孝文 藤井
Masashi Yamada
雅司 山田
Atsuhiko Tanaka
篤彦 田中
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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    • B65D7/00Containers having bodies formed by interconnecting or uniting two or more rigid, or substantially rigid, components made wholly or mainly of metal
    • B65D7/02Containers having bodies formed by interconnecting or uniting two or more rigid, or substantially rigid, components made wholly or mainly of metal characterised by shape
    • B65D7/04Containers having bodies formed by interconnecting or uniting two or more rigid, or substantially rigid, components made wholly or mainly of metal characterised by shape of curved cross-section, e.g. cans of circular or elliptical cross-section
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    • B65D81/00Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
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    • B65D81/3818Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents with thermal insulation rigid container being in the form of a box, tray or like container formed with double walls, i.e. hollow

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一種類の樹脂のみで内外容器を作製でき、製
造が容易で、断熱性能等の性能にも優れた合成樹脂製断
熱容器の提供。 【解決手段】 本発明の合成樹脂製断熱容器1は、合成
樹脂製の二重壁容器の内容器3と外容器2の間の空隙に
空気よりも熱伝導率の低い低熱伝導率ガスを封入して断
熱層4を形成してなり、内容器と外容器を、ポリエステ
ル、芳香族ポリアミド、ポリケトン、ポリフッ化ビニリ
デン、アクリロニトリル系樹脂、シクロオレフィン系樹
脂からなる群から選択された少なくとも一種としたこと
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魔法瓶、クーラーボ
ックス、アイスボックス、断熱コップ、保温弁当箱等に
使用される断熱容器および断熱蓋に関し、詳しくは合成
樹脂製の二重壁構造体の各壁間の空間に低熱伝導率ガス
が封入された断熱層を有する合成樹脂製断熱容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、魔法瓶、保温弁当箱、断熱コ
ップ等の断熱容器において、軽量化、成形加工の容易
性、製造コストが安価である等の利点から合成樹脂製の
断熱容器の開発、製品化が進められている。このような
合成樹脂製断熱容器は、合成樹脂製の内容器を、これよ
りやや大きい略相似形の合成樹脂製の外容器内に収容
し、空隙を隔てて配置し、これらをそれぞれの開口端部
で接合、一体化し、二重壁構造の容器とし、前記空隙に
クリプトン、キセノン、アルゴンのうちの少なくとも一
種からなる低熱伝導率ガスを封入し断熱層とした断熱容
器である。このように内外容器間の空隙に封入する断熱
容器においては、断熱性能の維持のため、封入した前記
ガスが断熱層から容器壁を透過しないようにガスバリア
性機能を有する層を配することが重要であり、具体的に
はガスバリア性の高い合成樹脂を使用したり、また別の
形態として内外容器の空隙部側に金属メッキ層を配する
ことが必要となる。
【0003】この種の合成樹脂製断熱容器の従来例とし
ては、次のようなものがある。耐熱水性合成樹脂の内面
側にガスバリア性を有する合成樹脂を配する合成樹脂製
断熱器物及びその製造方法については、特開平8−28
2742号公報、特開平10−164号公報、特開平9
−24978号公報に開示されている。特開平8−28
2742号公報には、合成樹脂製の内容器を合成樹脂製
の外容器内に空隙を保って配し、これら内容器と外容器
とのそれぞれの口元を接合して一体化するとともに内容
器と外容器との空隙に断熱層を形成している二重壁構造
の合成樹脂製断熱容器であり、内容器と外容器との接触
部を除く内容器外面と外容器内面とに金属メッキ層を設
け、内容器の口元と外容器の口元をそれぞれ一体化した
構造とし、内外容器の間の空隙に低熱伝導率ガスを封入
した合成樹脂製断熱容器が開示されている。この従来の
合成樹脂製断熱容器はガスバリア性付与のために金属皮
膜層を形成している。しかし金属皮膜を形成するにあた
り、該金属皮膜が接合部分に残っていると、これらの接
合が十分になされない場合があるため、内容器の口元な
いし外容器の口元の接合部分に金属皮膜が形成されない
ように厳重な管理をすることが必要となる。そのために
金属皮膜を形成しない部分には、マスキングを行う必要
があり、このマスキングには高い精度が要求される。こ
のように内容器の外面ないし外容器の内面に金属皮膜を
施すため、そして精度を要するマスキングのために、コ
ストが上昇するといった問題を有していた。
【0004】また特開平10−164号公報には、まず
ガスバリア性を有する合成樹脂を用い内壁体、外壁体を
成形した後、一体化し内層体を作製する。次に該内層体
に空気より熱伝導率の小さい低熱伝導率ガスを充填口か
ら充填し、充填口の封止を行って断熱性の内層体を作製
する。また別途耐熱性、耐薬品性を有した合成樹脂で内
外容器を形成しておき、前記ガスを充填した内層体を内
外容器の間に形成される空隙にいれ一体化するといった
方法が開示されている。しかしこの公報に記載の断熱容
器は、内層体として内壁体及び外壁体並びに内容器及び
外容器の4パーツの構成となり成形部材が多くなる。ま
た内壁体及び外壁体の接合と、内容器と外容器との接合
の2段階での接合(溶着)操作が必要となり工程数が増
えるという問題があった。また、内層体を外容器と内容
器の間の空隙に介在させるため、精密な寸法管理が必要
となる。例えば内層体の寸法が前記空隙の寸法よりも小
さくなった場合には、内層体が空隙の中で動いてしま
い、異音を生じてしまう事がある。また逆に内層体の寸
法が前記空隙の寸法よりも大きくなった場合には、空隙
に収めることができず内容器と外容器が溶着一体化でき
ないという問題が発生することがあった。
【0005】さらに特開平9−24978号公報には、
いわゆる多色成形機を用いて成形する方法が開示されて
いる。これはガスバリア性を有する合成樹脂と耐熱水性
の合成樹脂を一回の射出工程内で成形する方法であり、
2層の合成樹脂が重なり一体となって成形されるこの多
色成形機で内容器と外容器を成形する時に、空隙部側に
ガスバリア性を有する合成樹脂を、そして大気側に耐
熱、耐薬品性を有する合成樹脂を配するように成形す
る。その後、前記内外容器を一体化して空隙を有した容
器とし、該空隙部に低熱伝導率ガスを封入する合成樹脂
製断熱容器について開示されている。この方法において
は、成形は一度で行うことができるが、多色成形機にて
成形する場合、多層とする樹脂の数だけ連続した射出工
程と冷却工程が必要であり、全工程を終了するまでに時
間がかかると言った問題を有していた。また金型の構造
が複雑になり、従って金型製作コストが高くなる。さら
に多色成形機自体の価格も高く、製造設備全体が高価に
なってしまう問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、一種類の樹脂のみで内外容器を作
製でき、製造が容易で、断熱性能と断熱性能の経時的性
能維持にも優れた合成樹脂製断熱容器の提供を課題とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による合成樹脂製
断熱容器は、合成樹脂製の二重壁容器の内容器と外容器
の間の空隙に空気よりも熱伝導率の低い低熱伝導率ガス
を封入して断熱層を形成してなる合成樹脂製断熱容器に
おいて、上記内容器と外容器を、ポリエステル、芳香族
ポリアミド、ポリケトン、ポリフッ化ビニリデン、アク
リロニトリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂からなる
群から選択された少なくとも一種としたことを特徴とし
ている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂製断熱容器(以
下、断熱容器という)は、合成樹脂製の二重壁構造体
(二重壁容器と二重壁蓋)の空隙に空気よりも熱伝導率
の低い低熱伝導率ガスを封入して断熱層を形成してな
り、二重壁構造体の合成樹脂材料としてポリエステル、
芳香族ポリアミド、ポリケトン、アクリロニトリル系樹
脂、シクロオレフィン系樹脂からなる群から選択された
少なくとも一種から構成したものである。本発明におい
て使用される低熱伝導率ガスとしては、キセノン、クリ
プトン、アルゴンからなる群から選択された少なくとも
一種のガスが好適である。
【0009】使用する樹脂は、耐熱・耐水性(耐透湿
度)および機械的強度に優れた合成樹脂が好ましく、具
体的には、透湿度がJIS Z 0280に準じ、温度
40℃、相対湿度90%の条件下で50g/m2/24
hr以下であり、曲げ弾性率(ASTM D790)が
10000kg/cm2以上及び/又はアイゾット衝撃
強度(ノッチ有り)(ASTM M D256)が20
J/m以上の合成樹脂である。さらにガスバリア性に優
れる合成樹脂材料、具体的にはフィルムの気体透過率
(ASTM D1434−58)が300(cc・mm)/
m2/24hr/atm(対象気体:O2,N2,CO2
以下、好ましくは50以下であるガスバリア性の高い合
成樹脂であることが望ましい。本発明において使用され
る樹脂材料のうち、ポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート、或いはポリエチレンナフタレート、
ポリブチレンナフタレート、液晶ポリマー(LCP)な
どの芳香族ポリエステルが挙げられる。また芳香族ポリ
アミドとしては、ポリアミド、非晶質ナイロンが挙げら
れる。またポリケトンとしては芳香族ポリケトン、脂肪
酸ポリケトンなどが挙げられる。またアクリロニトリル
系樹脂としては、ポリアクリロニトリルとポリメタクリ
ル酸メチル等が挙げられる。またシクロオレフィン系樹
脂としては、環状オレフィンポリマー、シクロヘキサジ
エンが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いられる
他、相溶性のある樹脂同士を混合したアロイ樹脂として
使用することもできる。
【0010】これらの合成樹脂は、内外容器または上下
蓋部材の溶着工程においても、特に予備加熱する必要も
無く、簡単にしかも良好に行うことができる。しかも空
隙に封入したガスの気密性を維持する機能が高い。従っ
て良好な保温性能を長期にわたって維持することができ
る。またこれらの合成樹脂は、吸着性が低く、耐薬品性
にも優れているので、食器、クーラーボックス、マグカ
ップ等に使用しても臭い移りの問題を大幅に低減するこ
とができる。更に断熱容器の板厚を薄くすることがで
き、軽量化を図ることができるとともに、有効容積率
(外観の大きさに対する内容量の割合)を増加させるこ
とができる。
【0011】
【実施例】本発明の断熱容器と断熱蓋の実施例について
図面を参照して説明する。図1は本発明の一例として断
熱容器と断熱蓋とからなる断熱食器を示している。断熱
容器1は、合成樹脂製の外容器2内に合成樹脂製の内容
器3を、空隙を介して収容し、外容器端部9と内容器端
部10とを振動溶着やスピン溶着により接合して一体化
し、内外容器2,3間にキセノン、クリプトン、アルゴ
ンからなる群から選択された少なくとも一種の低熱伝導
率ガスが封入されて断熱層4が形成されている。外容器
2の底部中央には、凹部8が形成され、この凹部8の中
央には断熱層4に通じる開孔6が穿設されている。凹部
8には外容器2と同質の合成樹脂からなる封止板7が嵌
入されている。この封止板7は凹部8の底面に、シアノ
アクリレート系接着剤などの接着剤によって気密に固定
され、開孔6を封止している。
【0012】内容器10の外面には、銅箔やアルミ箔な
どからなる輻射防止用の金属箔5が貼着されている。な
お、この金属箔5に代えて、赤外線の反射率の高い合成
樹脂フィルムやセラミックの反射物粉末を含有した塗料
を塗布することによって、ある程度の輻射防止効果を得
ることができると共に、金属箔を使用しないことによっ
て、断熱容器1を直接電子レンジに入れ、マイクロ波加
熱することも可能となる。
【0013】この断熱容器1は、上述した各種合成樹脂
の中から選択した樹脂を原料とし、射出成形などによっ
て外容器2と内容器3を成形し、内容器3の外面に金属
箔5を貼着した後、外容器2に内容器3を収容し、それ
ぞれの端部9,10をスピン溶着や振動溶着などにより
溶着し、二重壁容器とする。次に、外容器2の底部に穿
設された開孔6から、容器間の空隙を真空排気し、その
後低熱伝導率ガスを大気圧程度となるように充填する。
続いて外容器2の凹部8にシアノアクリレート系接着剤
を塗布し、別途作製しておいた封止板7を嵌入して固定
し、開孔6を封止する。
【0014】また断熱蓋21は、上記断熱容器1と同様
の構成を有しており、且つ同様の製造工程によって製造
される。即ち、上述した各種合成樹脂の中から選択した
樹脂を原料とし、射出成形などによって下蓋部材22と
上蓋部材23を成形し、下蓋部材22の上面側に金属箔
25を貼着した後、下蓋部材22と上蓋部材23を組み
合わせ、それぞれの端部をスピン溶着や振動溶着などに
より溶着し、二重壁蓋とする。次に、上蓋部材23の頂
部に穿設された開孔26から、内部空間を真空排気し、
その後低熱伝導率ガスを大気圧程度となるように充填す
る。続いて上蓋部材23の凹部28にシアノアクリレー
ト系接着剤を塗布し、別途作製しておいた封止板27を
嵌入して固定し、開孔26を封止する。以下、各種の合
成樹脂材料を用いて、図1に示す断熱容器1と断熱蓋2
1を作製し、性能を評価した結果を説明する。
【0015】(実施例1)断熱容器1は、芳香族ポリエ
ステルであるポリエチレンナフタレート(三菱化学
(株)製:NC900Z)を材料として作製した。内外
容器2,3の板厚を0.5〜5.0mmまで変え、板厚
の異なる内外容器を用いたポリエチレンナフタレート製
の断熱容器1を製造した。封入ガスとしてはクリプトン
を用いた。この断熱容器を用い、2年間、保温性能の経
時変化を調べた。その結果を図2に示す。保温性能は、
20℃の恒温室に1時間以上放置し、断熱容器1内に9
5℃±1℃の湯を入れ、断熱蓋を被せて同じ恒温室に1
時間放置した後に湯温を測定した。図2から明らかなよ
うに、板厚が薄い場合には時間の経過とともに保温性能
の劣化が見られるが、ある板厚から保温性能の低下は見
られず、性能の低下は見られなくなり、良好な保温性能
を維持できることが分かる。しかし板厚が厚すぎると保
温性能の経時的な劣化を防ぐことができるが、口元接合
部を介しての伝熱ロスが大きくなることと、樹脂の熱容
量が増すことから、初期の保温性能が低くなってしま
う。さらにこれらの保温性能実験中において、合成樹脂
製断熱容器に熱湯を入れ保持したが、内容器が水分を含
むことは無かった。また使用後約80℃の乾燥機内に2
0分程度保持しても、ほとんど変形することはなく非常
に良好な状態を維持することができた。これらのことか
ら初期段階から長期にわたって高い保温性能を維持する
ために好適な板厚は1.5mm以上あれば問題ないこと
がわかる。さらにこのどんぶり状の断熱容器における使
用状況を加味した場合、適正な板厚範囲が1.5〜3.
5mmの間に設定することが現実的であることが分か
る。さらに他の形状、用途の断熱容器に同じ樹脂を用い
た場合には、その使用条件に応じて適正な板厚を設定す
ることが望ましい。
【0016】(実施例2)断熱容器1は、液晶ポリエス
テルであるLCP(住友化学(株)製:スミカスーパー
E6808−W02)を材料として作製した。内外容器
2,3の板厚を0.5〜3.0mmまで0.5mm間隔
で変え、板厚の異なる内外容器を用いたLCP製の断熱
容器1を製造した。封入ガスとしてはクリプトンを用い
た。この断熱容器を用い、2年間、保温性能の経時変化
を調べた。その結果を図3に示す。保温性能は実施例1
と同じく、20℃の恒温室に1時間以上放置し、断熱容
器1内に95℃±1℃の湯を入れ、断熱蓋を被せて同じ
恒温室に1時間放置した後に湯温を測定した。図3に示
す結果から、図2と同様にLCPにも、合成樹脂製断熱
容器の保温性能に適した板厚があることが分かる。さら
にこれらの保温性能実験中において、合成樹脂製断熱容
器に熱湯を入れ保持したが、内容器が水分を含むことは
無かった。また使用後約80℃の乾燥機内に20分程度
保持しても、ほとんど変形することはなく非常に良好な
状態を維持することができた。これらのことから初期段
階から長期にわたって高い保温性能を維持するために好
適な板厚は0.5mm以上あれば問題ないことがわか
る。さらにこのどんぶり状の断熱容器における使用状況
を加味した場合、適正な板厚範囲が1.0〜2.5mm
の間に設定することが現実的であることが分かる。さら
に他の形状、用途の断熱容器に同じ樹脂を用いた場合に
は、その使用条件に応じて適正な板厚を設定することが
望ましい。
【0017】(実施例3)断熱容器1は、脂肪族ポリケ
トンであるポリケトン(シェルジャパン(株)製:カリ
ロン)を材料として作製した。内外容器2,3の板厚を
0.5〜4.0mmまで変え、板厚の異なる内外容器を
用いたポリケトン製の断熱容器1を製造した。封入ガス
としてはクリプトンを用いた。この断熱容器を用い、2
年間、保温性能の経時変化を調べた。その結果を図4に
示す。保温性能は実施例1,2と同じく、20℃の恒温
室に1時間以上放置し、断熱容器1内に95℃±1℃の
湯を入れ、断熱蓋を被せて同じ恒温室に1時間放置した
後に湯温を測定した。図4に示す結果から、図2及び図
3と同様にポリケトンにも、合成樹脂製断熱容器の保温
性能に適した板厚があることが分かる。さらにこれらの
保温性能実験中において、合成樹脂製断熱容器に熱湯を
入れ保持したが、内容器が水分を含むことは無かった。
また使用後約80℃の乾燥機内に20分程度保持して
も、ほとんど変形することはなく非常に良好な状態を維
持することができた。これらのことから初期段階から長
期にわたって高い保温性能を維持するために好適な板厚
は1.0mm以上あれば問題ないことがわかる。さらに
このどんぶり状の断熱容器における使用状況を加味した
場合、適正な板厚範囲が1.0〜3.5mmの間に設定
することが現実的であることが分かる。さらに他の形
状、用途の断熱容器に同じ樹脂を用いた場合には、その
使用条件に応じて適正な板厚を設定することが望まし
い。
【0018】(実施例4)断熱容器1は、シクロオレフ
ィン系樹脂(三井化学(株)製:アペル)を材料として
作製した。内外容器2,3の板厚を1.0〜4.0mm
まで1.0mm間隔で変え、板厚の異なる内外容器を用
いたシクロオレフィン系樹脂製の断熱容器1を製造し
た。封入ガスとしてはキセノンを用いた。この断熱容器
を用い、保温性能の経時変化を調べた。保温性能は他の
実施例と同じく、20℃の恒温室に1時間以上放置し、
断熱容器1内に95℃±1℃の湯を入れ、断熱蓋を被せ
て同じ恒温室に1時間放置した後に湯温を測定した。そ
の結果、図2〜4と同様にシクロオレフィン系樹脂に
も、合成樹脂製断熱容器の保温性能に適した板厚がある
ことが認められた。さらにこれらの保温性能実験中にお
いて、合成樹脂製断熱容器に熱湯を入れ保持したが、内
容器が水分を含むことは無かった。また使用後約80℃
の乾燥機内に20分程度保持しても、ほとんど変形する
ことはなく非常に良好な状態を維持することができた。
これらのことから初期段階から長期にわたって高い保温
性能を維持するために好適な板厚は2.0mm以上あれ
ば問題ないことがわかる。さらにこのどんぶり状の断熱
容器における使用状況を加味した場合、適正な板厚範囲
が2.0〜4.0mmの間に設定することが現実的であ
ることが分かる。さらに他の形状、用途の断熱容器に同
じ樹脂を用いた場合には、その使用条件に応じて適正な
板厚を設定することが望ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明は、低熱伝導率ガスを封入した断
熱層を有する合成樹脂製断熱容器と断熱蓋において、容
器または蓋をポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリケ
トン、ポリフッ化ビニリデン、アクリロニトリル系樹
脂、シクロオレフィン系樹脂からなる群から選択された
少なくとも一種で形成したことにより、内外容器または
上下蓋部材の溶着工程においても、特に予備加熱する必
要も無く、簡単にしかも良好に行うことができる。しか
も空隙に封入したガスの気密性を維持する機能が高い。
従って良好な保温性能を長期にわたって維持することが
できる。またこれらの合成樹脂は、吸着性が低く、耐薬
品性にも優れているので、食器、クーラーボックス、マ
グカップ等に使用しても臭い移りの問題を大幅に低減す
ることができる。更に断熱容器の板厚を薄くすることが
でき、軽量化を図ることができるとともに、有効容積率
を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の合成樹脂製断熱容器と断熱蓋の実施
形態を示す断面図。
【図2】 本発明に係る実施例1の保温性能試験の結果
を示すグラフ。
【図3】 本発明に係る実施例2の保温性能試験の結果
を示すグラフ。
【図4】 本発明に係る実施例3の保温性能試験の結果
を示すグラフ。
【符号の説明】
1 合成樹脂製断熱容器 2 外容器 3 内容器 4 断熱層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製の二重壁容器の内容器と外容
    器の間の空隙に空気よりも熱伝導率の低い低熱伝導率ガ
    スを封入して断熱層を形成してなる合成樹脂製断熱容器
    において、 上記内容器と外容器を、ポリエステル、芳香族ポリアミ
    ド、ポリケトン、ポリフッ化ビニリデン、アクリロニト
    リル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂からなる群から選
    択された少なくとも一種としたことを特徴とする合成樹
    脂製断熱容器。
JP10070867A 1998-03-19 1998-03-19 合成樹脂製断熱容器 Pending JPH11267044A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10070867A JPH11267044A (ja) 1998-03-19 1998-03-19 合成樹脂製断熱容器
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