JPH11266595A - 誘導機可変速駆動装置 - Google Patents

誘導機可変速駆動装置

Info

Publication number
JPH11266595A
JPH11266595A JP10065337A JP6533798A JPH11266595A JP H11266595 A JPH11266595 A JP H11266595A JP 10065337 A JP10065337 A JP 10065337A JP 6533798 A JP6533798 A JP 6533798A JP H11266595 A JPH11266595 A JP H11266595A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
induction machine
rotation speed
calculation
current
vector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10065337A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3687331B2 (ja
Inventor
Yasushi Matsumoto
康 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP06533798A priority Critical patent/JP3687331B2/ja
Publication of JPH11266595A publication Critical patent/JPH11266595A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3687331B2 publication Critical patent/JP3687331B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Multiple Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転速度の演算値を高頻度で得ることがで
き、回転速度の急変にも対応した制御が可能な誘導機可
変速駆動装置を提供する。 【解決手段】 インバータ1と、このインバータ1によ
り駆動される誘導機2と、一次磁束指令ベクトルの向き
を基準にベクトル制御を行うベクトル制御手段と、誘導
機の一次電流を検出する電流検出器3と、その検出電流
を一次磁束指令ベクトルと平行なd軸成分と直交するq
軸成分とに分解する検出電流ベクトル回転手段5と、ベ
クトル制御に使用するために、検出電流のd軸成分およ
びq軸成分に基づいて、誘導機の回転速度を演算する回
転速度演算手段21とを備える。電流検出器3は、高頻
度で誘導機電流を検出できるため、パルス信号のカウン
トによる回転速度演算と比較して高頻度で回転速度の演
算結果を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベクトル制御によ
り誘導機を駆動するための誘導機可変速駆動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、インバータを使用する可変周波
数電源によって誘導電動機を速度制御する方式は、可変
速電動機を必要とする分野に広く用いられている。特
に、直流電動機と同等の特性を持っている上に、保守が
容易であって超高速回転にも向いており、1台のインバ
ータを用いて複数台の並列接続された誘導電動機を同時
運転することも行われている。そして、誘導電動機の速
度を正確に制御するために、ベクトル制御による誘導機
可変速駆動装置も、使用されるようになってきている。
【0003】このような装置においては、誘導機の速度
制御のために、その回転速度を検出する必要がある。図
9は、本出願人による特願平9−201709号に示さ
れた誘導機可変速駆動装置である。図において、1台の
インバータ1により並列運転される複数の誘導機21,2
2,……,2Nの回転速度は、パルス発生器41,42,…
…,4Nを使用して検出される。パルス発生器41,42,
……,4Nは、各誘導機21,22,……,2Nの回転速度に
比例した周波数のパルス信号P1,P2,……,PNを回転
速度演算手段221,222,……,22Nに出力する。
【0004】回転速度演算手段221,222,……,22
Nは、所定時間内に入力されるパルスのカウント値から
回転速度を演算し、回転速度演算値ωr1',ωr2',…
…,ω rN'を出力する。この回転速度演算値ωr1',
ωr2',……,ωrN'は、所定時間おきに更新されるよう
になっている。入力パルスをカウントする所定時間は、
電動機の低速運転時にも十分なパルス数を得ることがで
きるような時間に設定されている。このような構成とす
ることにより、広い速度範囲について、精度の高い回転
速度演算値を得るようにしている。
【0005】なお、図9において、3U,3V,Wは電流
検出器、5は検出電流ベクトル回転手段、6は基準角周
波数演算手段、7は一次磁束・二次電流指令位相差演算
手段、8はすべり角周波数指令演算手段、9は磁化電流
指令演算手段、10はd軸電流調節手段、11はq軸電
流調節手段、12は二次無効電流指令演算手段、13は
積分手段、14,15,16は加算手段、17は乗算手
段、18は指令電圧ベクトル回転手段である。これらの
動作については本発明の実施形態において説明する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
なパルス信号に基づいて回転速度演算値を得る方法にお
いては、入力パルスをカウントする所定時間を比較的長
く設定しているために、回転速度の演算頻度が少なくな
っている。従って、速度演算と速度演算との合間にたと
えば負荷の急激な変動により回転速度が急変した場合、
これを検出することができず、速度制御を迅速に応答さ
せることができないという問題があった。
【0007】そこで本発明は、回転速度の演算を高頻度
で行い、回転速度の急変にも迅速に対応することが可能
な誘導機可変速駆動装置を提供使用とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の課題
を解決するために、請求項1に記載した発明は、インバ
ータと、このインバータの出力により駆動される誘導機
と、誘導機電流を検出する電流検出器と、一次磁束指令
ベクトルの向きを基準にベクトル制御を行うベクトル制
御手段と、電流検出器の出力(電流検出値)を一次磁束
指令に平行な成分(d軸成分)とこれに直交する成分
(q軸成分)とに分解する検出電流ベクトル回転手段
と、誘導機電流のd軸成分とq軸成分とに基づいて誘導
機の回転速度を演算する回転速度演算手段とを備えたも
のである。
【0009】本発明は、一次磁束を基準として誘導機の
ベクトル制御を行う場合、誘導機の二次電流ベクトルの
向きがすべりに依存することに着目してなされたもので
ある。本発明において使用される回転子角周波数(回転
速度)ωrの演算式は、以下に述べるようにして導かれ
る。
【0010】図5は、1台の誘導機についてのL形等価
回路を示す。R1は一次抵抗、R2は二次抵抗、L1は一
次インダクタンス、Lσは二次漏れインダクタンス、s
はすべり、i1は一次電流、i2は二次電流、iMは磁化
電流、e1は誘起電圧である。図5の等価回路から、二
次電流i2は数式1によって表すことができる。
【0011】
【数1】
【0012】数式1において、ω1はインバータ角周波
数(一次角周波数)、ωsはすべり角周波数である。こ
こで、二次電流i2と誘起電圧e1との位相差βは、数式
1から導かれ、数式2で表される。
【0013】
【数2】
【0014】図6は、図5の等価回路に示された電流を
磁化電流iMを基準として表したベクトル図である。こ
こで、d軸は磁化電流iMの方向、すなわち一次磁束の
方向であり、q軸は磁化電流iMと直交する方向、すな
わち誘起電圧e1の方向である。角度αは、二次電流の
有効成分と無効成分とがなす角度、すなわち二次電流の
d軸成分i2dとq軸成分i2qとがなす角度であり、数式
3によって表される。
【0015】
【数3】
【0016】数式3において、i1dは一次電流のd軸成
分、i1qは一次電流のq軸成分である。なお、数式3及
び図6のベクトル図から明らかなように、i2q=i1q,i
2d=i1d-iMの関係がある。角度α,βの和は常に90
°となるので、すべり角周波数ωsは数式2及び数式3
から導かれ、数式4で表される。
【0017】
【数4】
【0018】なお、回転子角周波数(回転速度)ωr、す
べり角周波数ωs及び一次角周波数ω1の間には、ωr
1sの関係がある。また、磁化電流iMは、d軸電流調
節動作によって磁化電流指令値iM *と一致するように制
御されるので、iM=iM *と考えて良い。従って、回転子
角周波数(回転速度)ωrは、数式5により表される。
【0019】
【数5】
【0020】そこで、誘導機の一次電流i1を電流検出
器により検出し、これをd軸成分及びq軸成分に分解し
てi1d,i1qを得れば、回転子角周波数(回転速度)ωr
を数式5から演算により得ることができる。電流検出器
による電流検出及びその他の演算は、ほとんど瞬時に行
うことができるので、この発明によれば、誘導機の回転
速度を高頻度で得ることができる。また、パルス信号の
カウントによる回転速度演算と異なり、検出誘導機電流
検出の精度は、誘導機の回転速度の高低と無関係に、高
頻度で行うことができる。
【0021】また、この発明を、並列接続された複数の
誘導機を1台のインバータにより並列運転する誘導機可
変速駆動装置に適用する場合にも、電流検出器を各誘導
機ごとに設けてその一次電流を検出し、前記数式5の演
算を誘導機ごとに行うことにより、各誘導機の回転速度
を得ることができる。
【0022】更に、請求項2に記載した発明は、誘導機
電流に基づいて回転速度を演算する手段に加えて、パル
ス信号に基づく回転速度演算手段を備えたものである。
誘導機電流から回転速度を演算する手段から得られる演
算値は、パルス信号に基づく回転速度演算手段により得
られる演算値よりも精度が低いという欠点があるが、こ
の発明によれば、この欠点を補うことができる。すなわ
ち、誘導機電流に基づく回転速度演算手段及びパルス信
号に基づく回転速度演算手段の両者を備えることによ
り、それぞれが有する利点を生かすことができ、高頻度
かつ高精度に回転速度演算を行うことができる。
【0023】請求項3に記載した発明は、パルス信号か
らの回転速度演算値が基準値以下の場合に、誘導機電流
からの回転速度演算値をベクトル制御に使用し、基準値
を超える場合に、パルス信号からの回転速度演算値をベ
クトル制御に使用するための選択手段を備えたものであ
る。この発明では、誘導機の低速域において誘導機電流
に基づく回転速度演算を行うようにしたので、中・高速
域でのパルス信号に基づく演算頻度を高く設定すること
が可能となる。パルス信号に基づく演算頻度を高く設定
したとしても、パルス信号の周波数が高い回転速度領域
では、演算の精度を確保するために十分なパルス数を得
ることができる。したがって、この発明によれば、低速
域から高速域まで高頻度の回転速度演算を行うことがで
き、特に中・高速域での高精度の演算が実現可能であ
る。
【0024】請求項4に記載した発明は、誘導機電流に
基づく回転速度演算の頻度をパルス信号に基づく回転速
度演算の頻度よりも高く設定しておき、パルス信号に基
づく回転速度演算値が更新される時点では、これを使用
し、それ以外の時点では、誘導機電流に基づく回転速度
演算値を使用するための選択手段を備えたものである。
すなわち、パルス信号に基づく回転速度演算の合間を、
誘導機電流に基づく回転速度演算の演算値により補間す
る。このようにすることにより、定常的に、パルス信号
に基づく高精度の回転速度を得ることができ、回転速度
の急変は、誘導機電流に基づく回転速度演算によって瞬
時に検出可能となる。
【0025】請求項5に記載した発明は、誘導機電流に
基づく回転速度の演算結果が、パルス信号に基づく回転
速度の演算結果と一致するように、誘導機電流に基づく
回転速度演算に使用する誘導機定数を補正する手段を備
えたものである。これにより、高頻度かつ高精度の回転
速度演算を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に沿
って説明する。まず、本発明の第1実施形態による誘導
機可変速駆動装置の構成を図1を参照しながら説明す
る。この実施形態は、1台のインバータ1によって2台
の誘導機21,22を並列運転する例を示している。な
お、図9と同一の構成要素には同一符号を付してある。
【0027】図1において、磁化電流指令演算手段9
は、入力される一次磁束指令値φ1 *から、数式6に従っ
て磁化電流指令値iM *を演算する。この数式6におい
て、L1は誘導機1台あたりの一次インダクタンス、N
は並列運転される誘導機の台数である。
【0028】
【数6】
【0029】一次磁束・二次電流指令位相差演算手段7
は、入力されるトルク電流指令値(q軸電流指令値)i
1q *、一次磁束指令値φ1 *から、数式7に従って位相差α
を演算する。この数式7において、Lσは誘導機1台あ
たりの二次漏れインダクタンス値である。
【0030】
【数7】
【0031】すべり角周波数指令演算手段8には、一次
磁束・二次電流指令位相差演算手段7から位相差αが入
力されており、数式8に従ってすべり角周波数指令値ω
s *を演算する。この数式8において、R2は誘導機1台
あたりの二次抵抗値である。
【0032】
【数8】
【0033】二次無効電流指令演算手段12には、トル
ク電流指令値i1q *と一次磁束・二次電流指令位相差演
算手段7からの位相差αが入力されており、数式9に従
って二次無効電流指令値i2d *を演算する。
【0034】
【数9】
【0035】加算手段16は、磁化電流指令値iM *と二
次無効電流指令値i2d *とを加算し、d軸電流指令値i
1d *を算出する。加算手段14は、すべり角周波数指令
演算手段8からのすべり角周波数指令値ωs *と基準角周
波数演算手段6からの基準角周波数ωRとを加算するこ
とにより、インバータ1の角周波数指令値(一次角周波
数指令値)ω1 *を算出する。積分手段13は、一次角周
波数指令値ω1 *を積分して位相指令値θ*を算出する。
【0036】誘導機21,22に対応して設けられた電流
検出器31U,31V,31W及び32U,32V,32Wは、それぞれ
誘導機21,22の一次電流を検出する。検出電流ベクト
ル回転手段51,52は、積分手段13からの位相指令値
θ*と電流検出器31U,31V,31W及び32U,32V,32W
らの検出電流i1U,i1V,i1W及びi2U,i2V,i2Wとを入
力して、数式10に従って三相二相変換を行う。
【0037】
【数10】
【0038】上記変換の結果、検出電流ベクトル回転手
段51,52は、一次電流のd軸成分及びq軸成分を、そ
れぞれi1d1,i1q1及びi1d2,i1q2として出力する。
【0039】加算手段19は、検出電流ベクトル回転手
段51,52からの一次電流のd軸成分i1d1,i1d2を加算
して、一次電流のd軸成分の総和i1dを得る。同様にし
て加算手段20は、検出電流ベクトル回転手段51,52
からの一次電流のq軸成分i1q1,i1q2を加算して、一
次電流のq軸成分の総和i1qを得る。
【0040】d軸電流調節手段10には、d軸電流指令
値i1d *とd軸電流総和i1dとが入力され、d軸電流総
和i1dをd軸電流指令値i1d *に一致させる調節動作を
行い、d軸電圧指令値v1d *を出力する。同様にしてq
軸電流調節手段11には、q軸電流指令値i1q *とq軸
電流総和i1qとが入力され、q軸電流総和i1qをq軸電
流指令値i1q *に一致させる調節動作を行う。
【0041】乗算手段17は、加算手段14から得られ
た 一次角周波数指令値ω1 *と一次磁束指令値φ1 *とを
乗算して出力する。加算手段15は、乗算手段17の出
力とq軸電流調節手段11の出力とを加算し、q軸電圧
指令値v1q *を算出する。指令電圧ベクトル回転手段1
8は、q軸電圧指令値v1q *、d軸電圧指令値v1d *、位相
指令値θ*から、三相電圧指令値VU *,VV *,VW *を数式
11に従って演算し、インバータ1に与える。
【0042】
【数11】
【0043】 回転速度演算手段211,212は、前述の
数式5に従い、誘導機21,22の一次電流から、それぞ
れの回転角周波数(回転速度)ωr1 #,ωr2 #を演算し、
基準角周波数演算手段6に出力する。基準角周波数演算
手段6は回転角周波数ωr1 #r2 #に基づき、力行時は
速度が最も遅い誘導機の回転子角周波数を、回生時は、
得度が最も速い誘導機の回転子角周波数を、基準角周波
数ωRとして出力する。回転速度演算手段211には、検
出電流ベクトル回転手段51からの一次電流のd軸成分
1d1及びq軸成分i1q1、加算手段14からの一次角周
波数指令値ω1 *、磁化電流指令値iM *が入力される。一
方、回転速度演算手段212には、検出電流ベクトル回
転手段52からの一次電流のd軸成分i1d2及びq軸成分
1q2、加算手段14からの一次角周波数指令値ω1 *、磁
化電流指令値iM *が入力される。また、回転速度演算手
段211,212には、数式5における誘導機定数R2/L
σが設定されている。
【0044】このように構成された誘導機可変速駆動装
置において、回転速度は、前記数式5に従って誘導機電
流に基づいて演算される。そして、その演算のために必
要な電流検出器31,32による電流検出、及び検出電流
ベクトル回転手段51,52によるベクトル演算などは、
誘導機の回転速度と無関係に、高頻度で行うことができ
る。したがって、パルス発生器が出力するパルス信号か
ら回転速度を演算する従来の方式に比べて演算頻度を高
くすることができるので、回転速度の急変を瞬時に検出
し、誘導機を応答性良く駆動することが可能となる。
【0045】この第1実施形態では、1台のインバータ
1で2台の誘導機21,22を駆動する場合を説明した
が、より多くの誘導機(並列接続したN台の誘導機)を
駆動する場合にも、本発明が適用できることは言うまで
もない。並列接続されたN台の誘導機をL形等価回路で
示すと、図7のようになる。この図7において、R11,
12,R1Nは一次抵抗、R21,R22,R2Nは二次抵抗、L
11 ,12,L1Nは一次インダクタンス、Lσ1,Lσ2,Lσ
Nは二次漏れインダクタンス、s1,s2,sNはすべり、i
11,i12,i1Nは一次電流、i21,i22,i2Nは二次電流、
M1,iM2,iMNは磁化電流である。
【0046】各誘導機間で、一次抵抗R11,R12,R1N
一次インダクタンスL11,L12,L1Nにほとんど差がない
と仮定すると、全誘導機の磁化電流を常に指令値と一致
させることができる。すなわち、各誘導機ごとの電流を
電流検出器で検出し、数式5の演算を各誘導機ごとに行
うことで、各誘導機の回転速度を得ることができる。
【0047】次に、本発明の第2実施形態について、図
2を参照しつつ説明する。図2において、図1と共通す
る構成要素については、重複を避けるために説明を省略
する。図2において、パルス発生器41,42は、それぞ
れ誘導機21,22の回転子に結合されており、その回転
速度に比例する周波数のパルス信号P1,P2を出力す
る。回転速度演算手段221,222は、入力されたパル
ス信号P1,P2に基づき、回転速度演算値ωr1',ωr2'
を出力する。
【0048】選択手段231には、回転速度演算値ωr1'
及び回転速度演算手段211からの回転速度演算値ωr1 #
が入力される。また、選択手段232には、回転速度演
算値ωr2'及び回転速度演算手段212からの回転速度演
算値ωr2 #が入力される。そして、これらの選択手段2
1,232は、回転速度演算手段221,222による回転
速度演算値ωr1',ωr2'のいずれかが基準値以下の場合
には、回転速度演算手段211,212の出力を選択し、
その他の場合には回転速度演算手段221,222の出力
を選択する。
【0049】図2に示す装置では、回転速度演算手段2
1,212での誘導機電流に基づく回転速度演算と、回
転速度演算手段221,222でのパルス信号に基づく回
転速度演算とが行われるようになっているが、これら2
種類の回転速度演算には、それぞれ一長一短がある。す
なわち、演算頻度の点では、誘導機電流に基づく回転速
度演算は、パルス信号に基づく回転速度演算の場合のよ
うな制約を受けることなく演算頻度を高くでき、回転速
度の急変に対する応答性に優れている。一方、演算値の
精度の点では、パルス信号に基づく回転速度演算の方が
高精度と言える。
【0050】回転速度演算手段221,222における速
度演算は、パルス発生器41,42の出力を所定期間カウ
ントして回転速度を得ているので、誘導機21,22の回
転速度をほぼ直接的に検出していることになり、その演
算値の誤差は非常に小さい。一方、回転速度演算手段2
1,212からの回転速度演算値は、数式5の演算によ
るものであり、式中の誘導機定数R2/Lσの設定に起因
する誤差を含むことになる。
【0051】このような構成においては、パルス発生器
1,42が出力するパルス信号P1,P2の周波数が比較的
高い領域でのみ、回転速度演算手段221,222での回
転速度演算値ωr1',ωr2'を制御に使用することにな
る。したがって、回転速度演算手段221,222の演算
頻度を上げることが可能となり、中・高速域において、
高精度かつ高頻度の回転速度演算が可能となる。また、
低速域においては、誘導機電流に基づく回転速度演算に
より、高頻度の演算が可能である。
【0052】この第2実施形態では、第1実施形態にお
ける高頻度の回転速度演算が可能になるという効果に加
えて、中・高速域における高精度の回転速度演算が可能
になる。また、パルス発生器41,42のいずれか一方が
故障して、対応する回転速度演算手段211,または21
2からの回転速度演算値が常時ゼロとなった場合でも、
回転速度演算手段221,222の出力が選択されて回転
速度演算値ωr1 #r2 #による制御が行われ、運転継続
が可能となる。
【0053】次に、本発明の第3実施形態を、図3を参
照して説明する。図3において、図2の実施形態と異な
る点は、図2における選択手段231,232の代わり
に、別の機能を有する選択手段241,242を設けたこ
とである。選択手段241には、回転速度演算値ωr1'及
び回転速度演算手段211からの回転速度演算値ωr1 #
入力される。また、選択手段242には、回転速度演算
値ωr2'及び回転速度演算手段212からの回転速度演算
値ωr2 #が入力される。これらの選択手段241,24
2は、パルス信号に基づく回転速度演算値ωr1',ωr2'
が更新される瞬間は、回転速度演算手段221,222
出力を選択し、それ以外の時は、回転速度演算手段21
1,212からの出力を選択するようになっている。
【0054】このように構成したことにより、所定時間
ごとに、パルス信号に基づく回転速度演算値が選択手段
241,242により選択される。これは、精度の高い演
算値である。一方、回転速度演算手段211,212によ
る誘導機電流に基づく回転速度演算は高頻度で行うよう
にしており、パルス信号に基づく回転速度演算値を得る
ことができない演算の合間においても、その演算結果が
出力されている。この演算の合間においては、誘導機電
流に基づく回転速度演算値が選択手段241,242によ
り選択されることになる。
【0055】本実施形態では、定常的には、高頻度では
ないが高精度のパルス信号に基づく回転速度演算による
演算値を制御に利用でき、その合間を誘導機電流に基づ
く回転速度演算によって補間することにより、回転速度
の急変を瞬時に検知することができる。
【0056】次に、本発明の第4実施形態を、図4を参
照して説明する。この実施形態は、図3に示した装置に
対して誘導機定数補正手段251,252が追加されてい
る。誘導機定数補正手段251には、回転速度演算手段
221の出力ωr1'及び回転速度演算手段211の出力ω
r1 #が入力されており、補正された誘導機定数を回転速
度演算手段211に与えるように構成されている。同様
に、誘導機定数補正手段252には、回転速度演算手段
222の出力ωr2'及び回転速度演算手段212の出力ω
r2 #が入力されており、補正された誘導機定数を回転速
度演算手段212に与えるように構成されている。
【0057】誘導機定数補正手段251,252は、例え
ば図8に示すように構成されている。すなわち、図8に
おいて、絶対値演算手段26は、入力されるωr'の絶対
値を出力し、絶対値演算手段27は、入力されるωr #
絶対値を出力する。減算手段28は、これら2つの絶対
値の差を出力し、積分調節手段29は、この差を積分
し、ゲイン倍(K倍)した値を積分調節演算結果として
出力する。ゲイン手段30は、前記の積分調節演算結果
を二次抵抗設定値と漏れインダクタンス設定値との比
(R2N/LσN)に乗じることで、誘導機定数、すなわち
二次抵抗値と漏れインダクタンス値との比(R2/Lσ)
の補正値を得る。図中、Kは制御ゲイン、sはラプラス
演算子である。
【0058】このような構成とすることにより、回転速
度演算手段222の出力ωr2'及び回転速度演算手段21
2の出力ωr2 #を一致させることができる。すなわち、誤
差を含む可能性のある誘導機電流に基づく演算結果ωr1
#r2 #を、精度の高い演算結果ωr1',ωr2'に一致さ
せることができる。したがって、誘導機電流に基づく回
転速度演算の精度を向上させることができるので、高頻
度かつ高精度の回転速度演算を行うことができる。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、回転
速度の演算値を高頻度で得ることができる誘導機可変速
駆動装置を提供することができる。このような誘導機可
変速駆動装置を使用することにより、誘導機の回転速度
の急変にも迅速に応答する制御を行うことが可能であ
る。また、パルス信号に基づく回転速度演算と組み合わ
せることにより、回転速度の演算値を高頻度かつ高精度
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の第2実施形態を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の第3実施形態を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明の第4実施形態を示すブロック図であ
る。
【図5】誘導機1台についての等価回路を示す図であ
る。
【図6】図5に示した電流に関するベクトル図である。
【図7】複数台の誘導機についての等価回路を示す図で
ある。
【図8】図4における誘導機定数補正手段の構成を示す
図である。
【図9】従来技術の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 インバータ 2 誘導機 3 電流検出器 4 パルス発生器 5 検出電流ベクトル回転手段 6 基準角周波数演算手段 7 一次磁束・二次電流指令位相差演算手段 8 すべり角周波数指令演算手段 9 磁化電流指令演算手段 10 d軸電流調節手段 11 q軸電流調節手段 12 二次無効電流指令演算手段 13 積分手段 14〜16,19,20 加算手段 17 乗算手段 18 指令電圧ベクトル回転手段 21,22 回転速度演算手段 23,24 選択手段 25 誘導機定数補正手段 26,27 絶対値演算手段 28 減算手段 29 積分調節手段 30 ゲイン手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータと、 このインバータにより駆動される誘導機と、 一次磁束指令ベクトルの向きを基準としてベクトル制御
    を行うベクトル制御手段と、 前記誘導機の一次電流を検出する電流検出器と、 前記電流検出器による検出電流を前記一次磁束指令ベク
    トルと平行なd軸成分とこれに直交するq軸成分とに分
    解する検出電流ベクトル回転手段と、 前記ベクトル制御に使用するために、前記検出電流のd
    軸成分及びq軸成分に基づいて、誘導機の回転速度を演
    算する第1の回転速度演算手段と、 を備えたことを特徴とする誘導機可変速駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘導機可変速駆動装置に
    おいて、 前記誘導機の回転速度に比例する周波数のパルスを出力
    するパルス発生器と、 前記ベクトル制御に使用するために、このパルス発生器
    からのパルスを所定時間カウントすることにより誘導機
    の回転速度を演算する第2の回転速度演算手段と、 を備えたことを特徴とす誘導機可変速駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の誘導機可変速駆動装置に
    おいて、 前記第2の回転速度演算手段による演算値が基準値以下
    である場合に、前記第1の回転速度演算手段による演算
    値を前記ベクトル制御手段に与える選択手段を備えたこ
    とを特徴とする誘導機可変速駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の誘導機可変速駆動装置に
    おいて、 前記第1の回転速度演算手段による演算頻度を前記第2
    の回転速度演算手段による演算頻度よりも高くし、前記
    第2の回転速度演算手段による演算と演算との合間を前
    記第1の回転速度演算手段による演算結果で補間するこ
    とを特徴とする誘導機可変速駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の誘導機可変速駆動装置に
    おいて、 前記第1の回転速度演算手段による演算結果が前記第2
    の回転速度演算手段による演算結果と一致するように、
    前記第1の回転速度演算手段において演算に使用される
    誘導機定数を補正することを特徴とする誘導機可変速駆
    動装置。
JP06533798A 1998-03-16 1998-03-16 誘導機可変速駆動装置 Expired - Fee Related JP3687331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06533798A JP3687331B2 (ja) 1998-03-16 1998-03-16 誘導機可変速駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06533798A JP3687331B2 (ja) 1998-03-16 1998-03-16 誘導機可変速駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11266595A true JPH11266595A (ja) 1999-09-28
JP3687331B2 JP3687331B2 (ja) 2005-08-24

Family

ID=13284029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06533798A Expired - Fee Related JP3687331B2 (ja) 1998-03-16 1998-03-16 誘導機可変速駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3687331B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001286198A (ja) * 2000-03-31 2001-10-12 Yaskawa Electric Corp 誘導電動機の磁束位置推定方法および制御装置
WO2004095684A1 (ja) * 2003-04-22 2004-11-04 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. モータ制御装置、圧縮機、空気調和機、及び冷蔵庫
CN103178757A (zh) * 2013-02-27 2013-06-26 湘潭市电机车厂有限公司 斩波控制驱动盒
CN112968646A (zh) * 2016-09-20 2021-06-15 株式会社安川电机 电机的初始磁极位置检测方法和装置、电力变换装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001286198A (ja) * 2000-03-31 2001-10-12 Yaskawa Electric Corp 誘導電動機の磁束位置推定方法および制御装置
JP4596092B2 (ja) * 2000-03-31 2010-12-08 株式会社安川電機 誘導電動機の磁束位置推定方法および制御装置
WO2004095684A1 (ja) * 2003-04-22 2004-11-04 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. モータ制御装置、圧縮機、空気調和機、及び冷蔵庫
CN100395954C (zh) * 2003-04-22 2008-06-18 松下电器产业株式会社 电动机控制装置、压缩机、空调机、和冷藏库
US7650760B2 (en) 2003-04-22 2010-01-26 Panasonic Corporation Motor controlling device, compressor, air conditioner and refrigerator
CN103178757A (zh) * 2013-02-27 2013-06-26 湘潭市电机车厂有限公司 斩波控制驱动盒
CN112968646A (zh) * 2016-09-20 2021-06-15 株式会社安川电机 电机的初始磁极位置检测方法和装置、电力变换装置
CN112968646B (zh) * 2016-09-20 2024-04-19 株式会社安川电机 电机的初始磁极位置检测方法和装置、电力变换装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3687331B2 (ja) 2005-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0944164B1 (en) Sensorless control method and apparatus of permanent magnet synchronous motor
JP3467961B2 (ja) 回転電機の制御装置
JP3818086B2 (ja) 同期モータの駆動装置
JP3152058B2 (ja) 誘導電動機の可変速制御装置
JPH07245981A (ja) 電動機の磁極位置検出装置
JPH08182398A (ja) 永久磁石形同期電動機の駆動装置
JPH0919191A (ja) 回転モータ又はリニアモータの回転子の位置決め方法
JPH09219999A (ja) 可変速駆動装置
JP2005151714A (ja) ブラシレスモータ制御装置
JPH08280199A (ja) 永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御装置
JP2003299391A (ja) 回転電機の制御装置
JP3097610B2 (ja) 誘導機可変速駆動装置
US6242882B1 (en) Motor control apparatus
JP2929344B2 (ja) 電動機定数測定方法及びその装置
JPH11266595A (ja) 誘導機可変速駆動装置
JP3707659B2 (ja) 同期電動機の定数同定方法
JP3818237B2 (ja) 同期電動機の制御装置
JP3053121B2 (ja) 誘導電動機の制御方法
JP3161237B2 (ja) 誘導電動機制御装置
JP3160778B2 (ja) インバータ駆動電動機の速度推定方法及び装置並びにその速度推定方法を用いてなる電動機のベクトル制御装置
JP3609098B2 (ja) 誘導電動機のベクトル制御装置におけるモータ定数同定方法
JP2897373B2 (ja) 直流ブラシレスモータの制御装置
JPH0530792A (ja) 誘導電動機の制御装置
JP2946157B2 (ja) 誘導電動機の速度制御装置
JPH11136999A (ja) 誘導機の可変速駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20031226

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040728

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050125

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080617

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees