JPH11136999A - 誘導機の可変速駆動装置 - Google Patents
誘導機の可変速駆動装置Info
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- JPH11136999A JPH11136999A JP9296932A JP29693297A JPH11136999A JP H11136999 A JPH11136999 A JP H11136999A JP 9296932 A JP9296932 A JP 9296932A JP 29693297 A JP29693297 A JP 29693297A JP H11136999 A JPH11136999 A JP H11136999A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高速域でかつ重負荷時の二次抵抗の推定誤差
を少なくし正確なトルク制御を行う。 【解決手段】 モデル電圧を演算4したフィードフォワ
ード電圧成分と、電流制御アンプ5,6によるフィード
バック電圧成分とを加算する電流制御系を有するベクト
ル制御部と、電流制御アンプのある特徴量が零となるよ
うに、すべり演算部13の二次抵抗成分を補償する二次
抵抗補償機能15を有する可変駆動装置において、電流
指令の位相φとこの位相をリミッタした位相φ′との位
相成分△φを演算17し、アンプ5,6からのγδ軸成
分△V1γ、△V1δからなる誤差電圧△V1を位相△φ
だけ座標変換18した誤差電圧△V1φ′を二次抵抗補
償機能15の入力とする。電圧誤差△V1の位相が△φ
分ずれ、重負荷時に電圧誤差△V1の位相とδ軸位相差
が90°に近くことがなくなる。そのため二次抵抗変換
補償が誤って推定・収束することはない。
を少なくし正確なトルク制御を行う。 【解決手段】 モデル電圧を演算4したフィードフォワ
ード電圧成分と、電流制御アンプ5,6によるフィード
バック電圧成分とを加算する電流制御系を有するベクト
ル制御部と、電流制御アンプのある特徴量が零となるよ
うに、すべり演算部13の二次抵抗成分を補償する二次
抵抗補償機能15を有する可変駆動装置において、電流
指令の位相φとこの位相をリミッタした位相φ′との位
相成分△φを演算17し、アンプ5,6からのγδ軸成
分△V1γ、△V1δからなる誤差電圧△V1を位相△φ
だけ座標変換18した誤差電圧△V1φ′を二次抵抗補
償機能15の入力とする。電圧誤差△V1の位相が△φ
分ずれ、重負荷時に電圧誤差△V1の位相とδ軸位相差
が90°に近くことがなくなる。そのため二次抵抗変換
補償が誤って推定・収束することはない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導機の二次抵
抗の変動を補償して誘導電動機速度をベクトル制御す
る、誘導機の可変速駆動装置に関するものである。
抗の変動を補償して誘導電動機速度をベクトル制御す
る、誘導機の可変速駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘導機(誘導電動機)の可変速駆動方式
として、ベクトル制御が盛んに利用されている。しか
し、ベクトル制御方式には誘導機の二次時定数が必要で
あるが、温度変動などにより二次抵抗が変動するため、
この二次時定数は常に一定とはならない。そこで、従
来、誘導機の電圧・電流・周波数情報などから二次抵抗
の変動成分を推定して補償する方式について様々な提案
がなされている。
として、ベクトル制御が盛んに利用されている。しか
し、ベクトル制御方式には誘導機の二次時定数が必要で
あるが、温度変動などにより二次抵抗が変動するため、
この二次時定数は常に一定とはならない。そこで、従
来、誘導機の電圧・電流・周波数情報などから二次抵抗
の変動成分を推定して補償する方式について様々な提案
がなされている。
【0003】本出願人も先にベクトル制御を行う際に二
次抵抗の変動を補償する誘導電動機のベクトル制御装置
について提案を行っている(特願平4−193563号
(特開平5−199784号))。この二次抵抗変動補
償方式のブロック図を図5に示す。なお、上記先の提案
では鉄損補償成分や励磁インダクタンスの変動補償まで
含んでいるが、これらについては、この発明とは直接関
係がないので省略してある。
次抵抗の変動を補償する誘導電動機のベクトル制御装置
について提案を行っている(特願平4−193563号
(特開平5−199784号))。この二次抵抗変動補
償方式のブロック図を図5に示す。なお、上記先の提案
では鉄損補償成分や励磁インダクタンスの変動補償まで
含んでいるが、これらについては、この発明とは直接関
係がないので省略してある。
【0004】磁束指令F1ux*とトルク指令Torque*がベ
クトル制御の入力指令である。ベクトル制御では、これ
らを励磁電流指令成分i1d*と、トルク電流成分i1q*
に変換したのち電流制御により誘導機に出力する電流を
制御する。この際電流指令成分i1d*とi1q*およびモ
ータ定数からすべりωs*を計算して、検出速度ωrに加
算して出力周波数ω1としている。
クトル制御の入力指令である。ベクトル制御では、これ
らを励磁電流指令成分i1d*と、トルク電流成分i1q*
に変換したのち電流制御により誘導機に出力する電流を
制御する。この際電流指令成分i1d*とi1q*およびモ
ータ定数からすべりωs*を計算して、検出速度ωrに加
算して出力周波数ω1としている。
【0005】このベクトル制御の電流とすべりを実現す
るために、図5では電流制御や速度検出および位相演算
などにより構成されている。ここで、この方式は電流指
令ベクトルを基準とするγδ座標上で電流制御系を構成
している点が特徴である。また、電流制御アンプの出力
電圧成分のうちδ軸成分をフィードバックして二次抵抗
の変動補償を形成している。
るために、図5では電流制御や速度検出および位相演算
などにより構成されている。ここで、この方式は電流指
令ベクトルを基準とするγδ座標上で電流制御系を構成
している点が特徴である。また、電流制御アンプの出力
電圧成分のうちδ軸成分をフィードバックして二次抵抗
の変動補償を形成している。
【0006】図5の各部の機能は次のとおりである。1
は磁束指令F1ux*から、励磁電流指令i1d*に変換する
変換器。2はトルク指令Torque*からトルク電流指令i
1q*に変換する変換器。
は磁束指令F1ux*から、励磁電流指令i1d*に変換する
変換器。2はトルク指令Torque*からトルク電流指令i
1q*に変換する変換器。
【0007】3は電流指令i1d*,i1q*の合成ベクト
ルを、振幅成分i1γ*(γ成分)とd軸(磁束軸)と
の位相角(φ)に変換する極座標変換器。
ルを、振幅成分i1γ*(γ成分)とd軸(磁束軸)と
の位相角(φ)に変換する極座標変換器。
【0008】4は電流指令i1γ*,位相角φ,出力角
周波数ω1および設定したモータ定数から、誘導機の端
子電圧成分をγδ軸成分V1γ*,V1δ*として演算す
るモデル電圧演算部。5はγ軸成分の電流指令と電流検
出との差をフィードバック制御し、電圧成分△V1γを
出力する電流制御アンプ。6はδ軸成分の電流指令と電
流検出との差をフィードバック制御し、電圧成分△V
1δを出力する電流制御アンプ。
周波数ω1および設定したモータ定数から、誘導機の端
子電圧成分をγδ軸成分V1γ*,V1δ*として演算す
るモデル電圧演算部。5はγ軸成分の電流指令と電流検
出との差をフィードバック制御し、電圧成分△V1γを
出力する電流制御アンプ。6はδ軸成分の電流指令と電
流検出との差をフィードバック制御し、電圧成分△V
1δを出力する電流制御アンプ。
【0009】7はγ、δの各軸成分について、演算部4
のモデル電圧成分とアンプ5,6の電流制御出力電圧を
加算してV1γ,V1δを求め、そしてこの電圧指令と等
価なPWM電圧パターンを出力するPWM制御部。ここ
で、このブロック内でγδ軸の直交2相電圧成分を3相
交流電圧成分に変換している。
のモデル電圧成分とアンプ5,6の電流制御出力電圧を
加算してV1γ,V1δを求め、そしてこの電圧指令と等
価なPWM電圧パターンを出力するPWM制御部。ここ
で、このブロック内でγδ軸の直交2相電圧成分を3相
交流電圧成分に変換している。
【0010】8は3相(または2相)の出力電流検出セ
ンサ。9は電流センサによる3相(または2相)電流成
分を位相積分器14の出力する位相角θと前述の極座標
変換器出力φとの合成位相θφにより、3相交流成分を
γδ軸の直交2相成分i1γ,i1δに変換する座標変換
部。
ンサ。9は電流センサによる3相(または2相)電流成
分を位相積分器14の出力する位相角θと前述の極座標
変換器出力φとの合成位相θφにより、3相交流成分を
γδ軸の直交2相成分i1γ,i1δに変換する座標変換
部。
【0011】10は負荷誘導電動機。11は速度を計測
するための速度検出器。12は速度検出器出力の計測結
果よりωrを演算する速度演算器。13はすべり演算
部。
するための速度検出器。12は速度検出器出力の計測結
果よりωrを演算する速度演算器。13はすべり演算
部。
【0012】14はすべりωsと速度検出ωrとを加算し
た出力周波数ω1を積分してd軸の位相角θを演算する
位相積分器で、さらに、d軸位相θとγ軸の位相角φを
加算して固定座標に対する電流指令の位相角θφを演算
する。
た出力周波数ω1を積分してd軸の位相角θを演算する
位相積分器で、さらに、d軸位相θとγ軸の位相角φを
加算して固定座標に対する電流指令の位相角θφを演算
する。
【0013】15はδ軸の電流制御出力△V1δが零と
なるように、すべり演算部の二次抵抗R2′成分の補償
係数Kを演算する二次抵抗補償制御部。
なるように、すべり演算部の二次抵抗R2′成分の補償
係数Kを演算する二次抵抗補償制御部。
【0014】次にこの従来の方式の動作原理と特徴を説
明する。こでは、図6に示すT−I形等価回路と、図7
に示す定常時のフェザーベクトル図とを使用する。
明する。こでは、図6に示すT−I形等価回路と、図7
に示す定常時のフェザーベクトル図とを使用する。
【0015】R1は一次抵抗、Lσは等価漏れインダク
タンス、M′は等価励磁インダクタンス、R2′は等価
二次抵抗、sはすべりである。また、出力角周波数をω
1としている。
タンス、M′は等価励磁インダクタンス、R2′は等価
二次抵抗、sはすべりである。また、出力角周波数をω
1としている。
【0016】また、端子から流入する電流成分を電流ベ
クトルI1,M′に流れる電流成分を電流ベクトルI
0(過渡時はi1dに相当)、R2″に流れる電流成分を電
流ベクトルIT(過渡時はi1qに相当)としている。
クトルI1,M′に流れる電流成分を電流ベクトルI
0(過渡時はi1dに相当)、R2″に流れる電流成分を電
流ベクトルIT(過渡時はi1qに相当)としている。
【0017】図7は電流ベクトルI0,ITと出力周波数
ω1を設定した場合の電圧電流ベクトル図である。電流
ベクトルI0成分をd軸に、電流ベクトルIT成分をq軸
にとっている。ここで、新たにγ軸を電流ベクトルI1
のベクトル方向にとり、δ軸はそれに直交させる。ここ
でd軸とγ軸との位相差をφとする。したがって、指令
に応じて電流ベクトルI0とITの比が変化すると、位相
差φも変化することになる。
ω1を設定した場合の電圧電流ベクトル図である。電流
ベクトルI0成分をd軸に、電流ベクトルIT成分をq軸
にとっている。ここで、新たにγ軸を電流ベクトルI1
のベクトル方向にとり、δ軸はそれに直交させる。ここ
でd軸とγ軸との位相差をφとする。したがって、指令
に応じて電流ベクトルI0とITの比が変化すると、位相
差φも変化することになる。
【0018】この図7の電圧成分のうち、等価励磁イン
ダクタンスM′の両端の電圧成分であるベクトルE2は
(1)式で得られる。
ダクタンスM′の両端の電圧成分であるベクトルE2は
(1)式で得られる。
【0019】
【数1】
【0020】さらに、一次抵抗R1と等価漏れインダク
タンスLσの電圧降下成分を電圧ベクトルE2に加算し
たものが(2)式の端子電圧ベクトルV1となる。
タンスLσの電圧降下成分を電圧ベクトルE2に加算し
たものが(2)式の端子電圧ベクトルV1となる。
【0021】
【数2】
【0022】図7の端子電圧ベクトルV1をγとδ軸成
分に分離してみると、一時抵抗R1による電圧降下成分
はγ軸のみに発生し、δ軸成分には発生しないことにな
る。従って、このδ軸成分の電圧を用いて二次抵抗変動
補償を構成すれば、一次抵抗R1の温度変動に影響を受
けない制御系を構成することができる。
分に分離してみると、一時抵抗R1による電圧降下成分
はγ軸のみに発生し、δ軸成分には発生しないことにな
る。従って、このδ軸成分の電圧を用いて二次抵抗変動
補償を構成すれば、一次抵抗R1の温度変動に影響を受
けない制御系を構成することができる。
【0023】さらに図7の二次抵抗回路の電圧成分は
(3)式の関係が成立する。
(3)式の関係が成立する。
【0024】
【数3】
【0025】これをすべり角周波数ωsを求める式に変
形すると(4)式となる。
形すると(4)式となる。
【0026】
【数4】 ωs=(s・ω1)=(R2′/M′)・IT/I0 ……(4) ここで、電流指令により演算したすべり演算部13の出
力すべりは設定したモータ定数を*記号で表すと(5)
式となる。
力すべりは設定したモータ定数を*記号で表すと(5)
式となる。
【0027】
【数5】 ωs*=(s・ω1)=(R2′*/M′*)・IT*/I0* ……(5) M′=M′*の場合に、二次抵抗の設定値R2′*と実
際の誘導機のR2′とに誤差が存在すると、(4)式と
(5)式より(6)式のようになり、すべりωsと電流
成分I1が指令通りに制御されている場合には、電流ベ
クトルIT,T0の分流比(IT/I0)が設定通りに流れ
ず正確なベクトル制御条件からずれることになる。
際の誘導機のR2′とに誤差が存在すると、(4)式と
(5)式より(6)式のようになり、すべりωsと電流
成分I1が指令通りに制御されている場合には、電流ベ
クトルIT,T0の分流比(IT/I0)が設定通りに流れ
ず正確なベクトル制御条件からずれることになる。
【0028】
【数6】 ωs/ωs*=1=(R2′/R2′*)(IT/I0)/(IT*/I0*) …… (6) そのため、図7の電圧電流ベクトル図は図8のような電
圧電流ベクトル図となってしまう。
圧電流ベクトル図となってしまう。
【0029】ここで、電流制御を行っているため実電流
ベクトルI1は電流指令ベクトルI1*に等しくベクトル
I1*が成立しており、さらにI0,ITが直交している
ため、二次抵抗が変化した場合に電流ベクトルI0成分
が変化する軌跡は、ちょうど電流I1を半径とする円周
上を移動することになる。
ベクトルI1は電流指令ベクトルI1*に等しくベクトル
I1*が成立しており、さらにI0,ITが直交している
ため、二次抵抗が変化した場合に電流ベクトルI0成分
が変化する軌跡は、ちょうど電流I1を半径とする円周
上を移動することになる。
【0030】そうすると、二次回路の誘起起電力ベクト
E2成分はjω1M′I0であるため、E2はちょうど電
流ベクトルI0から90度進んだ位相でかつ電流ベクト
ルI0と比例した大きさになる。このことから、I0とE
2とが対応するように、ちょうどI1を半径とする円に対
して90度位相の進んだ相似形の円上を誘起起動ベクト
ルE2は移動することになる。図8(a)はR1′<R2'
*のときの電圧ベクトルと(b)R2′>R2'*のとき
の電圧ベクトルの例を示す。
E2成分はjω1M′I0であるため、E2はちょうど電
流ベクトルI0から90度進んだ位相でかつ電流ベクト
ルI0と比例した大きさになる。このことから、I0とE
2とが対応するように、ちょうどI1を半径とする円に対
して90度位相の進んだ相似形の円上を誘起起動ベクト
ルE2は移動することになる。図8(a)はR1′<R2'
*のときの電圧ベクトルと(b)R2′>R2'*のとき
の電圧ベクトルの例を示す。
【0031】また、一次抵抗R1と等価漏れインダクタ
ンスLσ成分のモデル定数が実機の値と一致していれ
ば、電流ベクトル11が同一であるのでこれらの電圧降
下成分は常に一定となる。つまり、二次抵抗の設定誤差
は直接的には電流ベクトルIT,T0の分流比(IT/
I0)の誤差となるが、間接的には誘起起電力ベクトル
E2の誤差となり、そのベクトルE2の誤差成分は端子電
圧部分のモデル電圧と実電圧の差として検出することが
できる。そこで、このモデル電圧と実電圧のベクトル電
圧差△V1を利用して、二次抵抗の変動を推定し補償す
る構成を採用している。
ンスLσ成分のモデル定数が実機の値と一致していれ
ば、電流ベクトル11が同一であるのでこれらの電圧降
下成分は常に一定となる。つまり、二次抵抗の設定誤差
は直接的には電流ベクトルIT,T0の分流比(IT/
I0)の誤差となるが、間接的には誘起起電力ベクトル
E2の誤差となり、そのベクトルE2の誤差成分は端子電
圧部分のモデル電圧と実電圧の差として検出することが
できる。そこで、このモデル電圧と実電圧のベクトル電
圧差△V1を利用して、二次抵抗の変動を推定し補償す
る構成を採用している。
【0032】しかし、実際にはR1も温度により変動す
るため、この変動要素を排除しないと正確な二次抵抗の
推定はできない。そこで、γδ軸成分のうち、δ軸成分
の電圧は一次抵抗R1の影響を受けないことを利用し
て、ベクトル電圧差△V1から特徴量として電流制御ア
ンプ6の電流制御の出力電圧△V1δを選択し、この電
圧△V1δが零となるように二次抵抗補償制御部15の
フィードバック制御を追加する方式を採用している。こ
うすると電圧△V1δが零になったときに、すべり演算
に使用する二次抵抗R2'*が補正され実機の二次抵抗R
2′と一致するようになる。
るため、この変動要素を排除しないと正確な二次抵抗の
推定はできない。そこで、γδ軸成分のうち、δ軸成分
の電圧は一次抵抗R1の影響を受けないことを利用し
て、ベクトル電圧差△V1から特徴量として電流制御ア
ンプ6の電流制御の出力電圧△V1δを選択し、この電
圧△V1δが零となるように二次抵抗補償制御部15の
フィードバック制御を追加する方式を採用している。こ
うすると電圧△V1δが零になったときに、すべり演算
に使用する二次抵抗R2'*が補正され実機の二次抵抗R
2′と一致するようになる。
【0033】上記図5の方式における第1の特徴は、ま
ず電流制御系自体をγδ軸で構成していることである。
ず電流制御系自体をγδ軸で構成していることである。
【0034】これにより電流検出を直接γδ軸に変換し
ており、一度の座標変換のみでよい。これは一旦dq軸
などに変換後、さらにγδ軸変換するような場合に比
べ、座標変換回数が少なく精度がよい。第2の特徴は、
誤差電圧成分から特徴量をδ軸電圧成分として抽出して
から、二次抵抗を推定していることである。そのため、
一次抵抗R1の温度変化により一次抵抗R1の電圧降下成
分が変化してもその影響を受けない。とくに、速度が低
速となって出力周波数ω1が小さくなり、誘起起電力E2
成分に対して一次抵抗R1の電圧降下成分が無視できな
くなるような場合に、一次抵抗R1の影響を受けないこ
の方式は精度の劣化を避けることができるという利点が
ある。
ており、一度の座標変換のみでよい。これは一旦dq軸
などに変換後、さらにγδ軸変換するような場合に比
べ、座標変換回数が少なく精度がよい。第2の特徴は、
誤差電圧成分から特徴量をδ軸電圧成分として抽出して
から、二次抵抗を推定していることである。そのため、
一次抵抗R1の温度変化により一次抵抗R1の電圧降下成
分が変化してもその影響を受けない。とくに、速度が低
速となって出力周波数ω1が小さくなり、誘起起電力E2
成分に対して一次抵抗R1の電圧降下成分が無視できな
くなるような場合に、一次抵抗R1の影響を受けないこ
の方式は精度の劣化を避けることができるという利点が
ある。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図5の方
式では定出力範囲が広い場合に、高速域で運転すると問
題が生じてくる。
式では定出力範囲が広い場合に、高速域で運転すると問
題が生じてくる。
【0036】図9は図8の電圧電流ベクトル図のうち電
圧ベクトルE2成分を抽出したものである。ここで、前
述の説明より二次抵抗R2′の変動により生じる誤差電
圧ベクΔV1は、電圧ベクトルE2が接する円の接線方
向に生じている。
圧ベクトルE2成分を抽出したものである。ここで、前
述の説明より二次抵抗R2′の変動により生じる誤差電
圧ベクΔV1は、電圧ベクトルE2が接する円の接線方
向に生じている。
【0037】図9(a)では電流ベクトル比|IT/I1
|<1の場合を、また図9(b)は電流ベクトル比IT
/I0|≫1のように励磁電流に対してトルク電流成分
の比が極端に大きくなった場合を示している。
|<1の場合を、また図9(b)は電流ベクトル比IT
/I0|≫1のように励磁電流に対してトルク電流成分
の比が極端に大きくなった場合を示している。
【0038】図9(a)と(b)より次のことが分か
る。δ軸の位相φδは(7)式のようになり、軽負荷時
はq軸方向と平行な位相角に位置するが、負荷が大きく
なるにつれて−dq軸方向に回転していく。
る。δ軸の位相φδは(7)式のようになり、軽負荷時
はq軸方向と平行な位相角に位置するが、負荷が大きく
なるにつれて−dq軸方向に回転していく。
【0039】
【数7】 φδ=π/2+φ=π/2+tan-1(IT/I0) ……(7) 電圧誤差成分の発生する位相(π/2+η)は(8)式
のようになり、軽負荷時には一d軸方向に位置するが、
負荷が大きくなると次第にq軸方向に回転するようにな
る。これはφδの回転方向と逆になる。
のようになり、軽負荷時には一d軸方向に位置するが、
負荷が大きくなると次第にq軸方向に回転するようにな
る。これはφδの回転方向と逆になる。
【0040】
【数8】 π/2+η=π/2+tan-1(I0/IT) ……(8) この電流ベクトルIT/I0比と位相角φδ,ηを図で表
したものが図10である。ここでは力行から回生までの
範囲において示してある。
したものが図10である。ここでは力行から回生までの
範囲において示してある。
【0041】この特性から、次の問題点が発生すること
が分かる。電圧誤差ベクトルΔV1の発生方向(π/2
+η)と、δ軸の位相(π/2+φ)とが同一方向とな
るのは、電流ベクトル|IT|=|I0|のときだけであ
り、無負荷と重負荷時は(π/2+η)と(π/2+
φ)の位相差が90度に近づくため、δ軸に投影される
誤差分が小きくなってしまい、電圧の誤差の影響を受け
やすくなる。そのため、二次抵抗の推定誤差が大きくな
る欠点が存在する。
が分かる。電圧誤差ベクトルΔV1の発生方向(π/2
+η)と、δ軸の位相(π/2+φ)とが同一方向とな
るのは、電流ベクトル|IT|=|I0|のときだけであ
り、無負荷と重負荷時は(π/2+η)と(π/2+
φ)の位相差が90度に近づくため、δ軸に投影される
誤差分が小きくなってしまい、電圧の誤差の影響を受け
やすくなる。そのため、二次抵抗の推定誤差が大きくな
る欠点が存在する。
【0042】この発明は、従来のこのような問題点を解
決すべくなされたものであり、その目的とするところ
は、高速域でかつ重負荷時における二次抵抗の推定誤差
を少なくし正確なトルク制御を可能にする誘導機の可変
速駆動装置を提供することにある。
決すべくなされたものであり、その目的とするところ
は、高速域でかつ重負荷時における二次抵抗の推定誤差
を少なくし正確なトルク制御を可能にする誘導機の可変
速駆動装置を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】上記のように二次抵抗の
推定誤差が大きくなるのは、重負荷時でもδ軸の誤差成
分を利用して二次抵抗補償を行っているためである。そ
こで、電圧ベクトルE2に対して一次抵抗R1の電圧降下
成分が小さくなる高速域では、一次抵抗R1が温度によ
り変動してもE2に比較すると電圧降下成分の変動の影
響が少ないことから、無理にδ軸に固執する必要はな
い。そこで、δ軸以外の位相に電圧誤差ベクトル△V1
投影した成分を採用する。
推定誤差が大きくなるのは、重負荷時でもδ軸の誤差成
分を利用して二次抵抗補償を行っているためである。そ
こで、電圧ベクトルE2に対して一次抵抗R1の電圧降下
成分が小さくなる高速域では、一次抵抗R1が温度によ
り変動してもE2に比較すると電圧降下成分の変動の影
響が少ないことから、無理にδ軸に固執する必要はな
い。そこで、δ軸以外の位相に電圧誤差ベクトル△V1
投影した成分を採用する。
【0044】そのためには誤差電圧との位相角|η−φ
|が90度にならないようにすればよく、図3のように
重負荷領域で誤差電圧成分から等価二次抵抗R2′変動
補償成分を抽出する角度(π/2+φ)に適正な位相角
(π/2+θLIMIT)でリミッタを掛けることにより新
たに(π/2+φ′)位相を求め、電圧誤差成分ベクト
ルΔV1をこの位相に投影した成分で二次抵抗変動補償
すればよい。
|が90度にならないようにすればよく、図3のように
重負荷領域で誤差電圧成分から等価二次抵抗R2′変動
補償成分を抽出する角度(π/2+φ)に適正な位相角
(π/2+θLIMIT)でリミッタを掛けることにより新
たに(π/2+φ′)位相を求め、電圧誤差成分ベクト
ルΔV1をこの位相に投影した成分で二次抵抗変動補償
すればよい。
【0045】しかし、無負荷時は電圧誤差成分ベクトル
△Vlの振幅自体が零となるため、どの位相を採用して
も二次抵抗の変動による誤差電圧成分は抽出できない。
また、軽負荷時は電圧誤差成分ベクトル△V1の振幅自
体が小さいため、高速域でもR1の変動の影響を受けや
すいこと、また、少しでも負荷がかかるとすぐに誤差電
圧との位相角|η−φ|も90度から離れることから、
軽負荷時は従来のδ軸の位相のままとしておき、重負荷
時のみ検出位相の改良を行う。
△Vlの振幅自体が零となるため、どの位相を採用して
も二次抵抗の変動による誤差電圧成分は抽出できない。
また、軽負荷時は電圧誤差成分ベクトル△V1の振幅自
体が小さいため、高速域でもR1の変動の影響を受けや
すいこと、また、少しでも負荷がかかるとすぐに誤差電
圧との位相角|η−φ|も90度から離れることから、
軽負荷時は従来のδ軸の位相のままとしておき、重負荷
時のみ検出位相の改良を行う。
【0046】また、抽出位相角単にリミッタをかけたの
ではリミッタ動作前後の挙動が不連続になることがあ
り、トルクの直線性が悪くなることがある。そこで、図
4のように全域をリミッタ値以下となるように係数Kφ
倍することにより90度位相にならないような位相φ″
を求めることもできる。
ではリミッタ動作前後の挙動が不連続になることがあ
り、トルクの直線性が悪くなることがある。そこで、図
4のように全域をリミッタ値以下となるように係数Kφ
倍することにより90度位相にならないような位相φ″
を求めることもできる。
【0047】
【数9】 (π/2+Kφ・φ″)=(π/2+Kφ・φ) Kφ・φ″=Kφ・φ ……(9) ここで、係数Kφを、
【0048】
【数10】Kφ=θLIMIT/2π ……(10) とすれば(π/2±θLIMIT)を越えないようにするこ
とができる。
とができる。
【0049】そこで、従来図5のδ軸位相を利用した二
次抵抗補償方式に対して、高速域でかつ重負荷時におい
て、二次抵抗補償に利用する誤差電圧成分の位相角を、
従来のδ軸位相に対して補正を掛ける。
次抵抗補償方式に対して、高速域でかつ重負荷時におい
て、二次抵抗補償に利用する誤差電圧成分の位相角を、
従来のδ軸位相に対して補正を掛ける。
【0050】この補正を実現するために、補正した位相
とδ軸位相との差であるφ一φ′またはφ一φ″の位相
成分△φを演算する位相補正部と、γδ軸成分の電圧△
V1を△φ位相分だけ座標変換する座標変換部を設け、
この変換後のφ′またはφ″位相と直交な誤差電圧成分
△V1φ′を二次抵抗温度補償制御部の入力とする。
とδ軸位相との差であるφ一φ′またはφ一φ″の位相
成分△φを演算する位相補正部と、γδ軸成分の電圧△
V1を△φ位相分だけ座標変換する座標変換部を設け、
この変換後のφ′またはφ″位相と直交な誤差電圧成分
△V1φ′を二次抵抗温度補償制御部の入力とする。
【0051】また、図5のようにγδ座標ではなく、d
q座標で電流制御やモデル演算をしているものでは、電
流制御出力のdq軸電圧成分△V1d,△V1qから直接位
相φ′またはφ″と直交な誤差電圧△V1φに座標変換
する座標変換回路を設け、この誤差電圧△V1φを二次
抵抗温度補償制御部の入力とする。
q座標で電流制御やモデル演算をしているものでは、電
流制御出力のdq軸電圧成分△V1d,△V1qから直接位
相φ′またはφ″と直交な誤差電圧△V1φに座標変換
する座標変換回路を設け、この誤差電圧△V1φを二次
抵抗温度補償制御部の入力とする。
【0052】
実施の形態1 図1に実施の形態1にかかる二次抵抗変動補償方式の制
御ブロック図を示す。図中、1は磁束指令Flux*を励磁
電流指令i1dに変換する指令変換器、2はトルク指令T
orque*をトルク電流指令に変換する指令変換器、3は
電流指令i1d*,i1q*の合成ベクトルを、振幅成分
(γ成分)i1γ*とd軸(磁束軸)との位相角φに変
換する極座標変換器。4は電流指令i1γ*,位相角
φ,出力角周波数ω1および設定したモータ定数から、
誘導機の端子電圧成分をγ、δ軸成分V1γ*,V1δ*
として演算するモデル電圧演算部、5はγ軸成分の電流
成分の電流指令と電流検出との差をフィードバック制御
し、電圧成分△V1γを出力する電流制御アンプ、6は
δ軸成分の電流指令と電流検出との差をフィードバック
制御し、電圧成分△1δを出力する電流制御アンプ。
御ブロック図を示す。図中、1は磁束指令Flux*を励磁
電流指令i1dに変換する指令変換器、2はトルク指令T
orque*をトルク電流指令に変換する指令変換器、3は
電流指令i1d*,i1q*の合成ベクトルを、振幅成分
(γ成分)i1γ*とd軸(磁束軸)との位相角φに変
換する極座標変換器。4は電流指令i1γ*,位相角
φ,出力角周波数ω1および設定したモータ定数から、
誘導機の端子電圧成分をγ、δ軸成分V1γ*,V1δ*
として演算するモデル電圧演算部、5はγ軸成分の電流
成分の電流指令と電流検出との差をフィードバック制御
し、電圧成分△V1γを出力する電流制御アンプ、6は
δ軸成分の電流指令と電流検出との差をフィードバック
制御し、電圧成分△1δを出力する電流制御アンプ。
【0053】7はγ、δの各軸成分について、モデル電
圧演算部4のモデル電圧成分とアンプ5,6からの電流
制御出力電圧を加算して電圧V1γ,V1δを求め、この
電圧指令と等価なPWM電圧パターンを出力するPWM
制御部、8は3相(または2相)の出力電流検出セン
サ、9は電流検出センサによる3相電流成分を位相積分
器14の出力する位相角θφにより、3相交流成分を
γ、δ軸の直交2相成分i1γ,i1δに変換する座標変
換部。
圧演算部4のモデル電圧成分とアンプ5,6からの電流
制御出力電圧を加算して電圧V1γ,V1δを求め、この
電圧指令と等価なPWM電圧パターンを出力するPWM
制御部、8は3相(または2相)の出力電流検出セン
サ、9は電流検出センサによる3相電流成分を位相積分
器14の出力する位相角θφにより、3相交流成分を
γ、δ軸の直交2相成分i1γ,i1δに変換する座標変
換部。
【0054】10は3相の出力電流により駆動される負
荷誘導電動機(誘導機)、11は速度検出器、12は速
度検出器の計測結果から速度ωγを演算する速度演算
器、13は電流指令i1d*,i1q*から誘導機のすべり
ωsを演算するすべり演算部、14はすべりωsと速度検
出ωrとを加算した出力周波数ω1を積分してd軸の位相
角θを演算し、更に位相角φを加算し固定座標に対する
電流指令の位相角θφを演算する位相積分器。
荷誘導電動機(誘導機)、11は速度検出器、12は速
度検出器の計測結果から速度ωγを演算する速度演算
器、13は電流指令i1d*,i1q*から誘導機のすべり
ωsを演算するすべり演算部、14はすべりωsと速度検
出ωrとを加算した出力周波数ω1を積分してd軸の位相
角θを演算し、更に位相角φを加算し固定座標に対する
電流指令の位相角θφを演算する位相積分器。
【0055】A(15〜17)は二次抵抗変換補償回路
で、すべり演算部13に二次抵抗の変動を補償するフィ
ードバック係数Kを出力し、すべり演算部13が出力す
るすべり指令ωs*を二次抵抗温度補償されたすべり指
令とする二次抵抗変動補償部15と。
で、すべり演算部13に二次抵抗の変動を補償するフィ
ードバック係数Kを出力し、すべり演算部13が出力す
るすべり指令ωs*を二次抵抗温度補償されたすべり指
令とする二次抵抗変動補償部15と。
【0056】δ軸とd軸(磁束軸)との位相角(π/2
+φ)と図3又は図4に示すようにリミッタをかけて補
正した位相角(π/2+φ′)または(2π十φ″)と
の差であるφ一φ′またはφ一φ″の位相分△φを演算
する位相補正部17と。
+φ)と図3又は図4に示すようにリミッタをかけて補
正した位相角(π/2+φ′)または(2π十φ″)と
の差であるφ一φ′またはφ一φ″の位相分△φを演算
する位相補正部17と。
【0057】電流制御アンプ5,6の出力電圧成分△V
1γ,△V1δの電圧△V1を位相分△φだけ座標変換
し、変換後の位相φ′またはφ″位相と直交な誤差電圧
を二次抵抗温度制御部15に出力する座標変換部18と
で構成される。この制御ブロックは、二次抵抗変動補償
回路Aを除き従来図5のものと変わりがない。
1γ,△V1δの電圧△V1を位相分△φだけ座標変換
し、変換後の位相φ′またはφ″位相と直交な誤差電圧
を二次抵抗温度制御部15に出力する座標変換部18と
で構成される。この制御ブロックは、二次抵抗変動補償
回路Aを除き従来図5のものと変わりがない。
【0058】二次抵抗変動補償回路Aは、座標変換部1
8において、電流制御アンプ5,6からのγδ軸の電圧
△V1γ,△V1δからなる誤差電圧ベクトル△V1を、
位相補正部17で求めた位相差φ一φ′またはφ一φ″
の位相分△φに投影した誤差電圧△V1φ′を二次抵抗
変動補償部15のに入力に利用する構成となっているの
で、重負荷時でも誤差電圧成分△V1φ′があまり小き
くなることがない。
8において、電流制御アンプ5,6からのγδ軸の電圧
△V1γ,△V1δからなる誤差電圧ベクトル△V1を、
位相補正部17で求めた位相差φ一φ′またはφ一φ″
の位相分△φに投影した誤差電圧△V1φ′を二次抵抗
変動補償部15のに入力に利用する構成となっているの
で、重負荷時でも誤差電圧成分△V1φ′があまり小き
くなることがない。
【0059】したがって、高速域でかつ重負荷時におい
て、二次抵抗変動補償部15に入力する誤差電圧が小き
くなり、二次抵抗変動補償が誤って推定・収束すること
が無くなり、正確なトルク制御が可能となる。
て、二次抵抗変動補償部15に入力する誤差電圧が小き
くなり、二次抵抗変動補償が誤って推定・収束すること
が無くなり、正確なトルク制御が可能となる。
【0060】実施の形態2図2に実施の形態2にかかる
二次抵抗変動補償方式の制御ブロック図を示す。なお、
上記従来図5に示したものと同一構成部分は、同一符号
を付してその重複する説明を省略する。
二次抵抗変動補償方式の制御ブロック図を示す。なお、
上記従来図5に示したものと同一構成部分は、同一符号
を付してその重複する説明を省略する。
【0061】図2において、4′は励磁電流指令i
1d*,位相角φ,出力角周波数ωiおよび設定したモー
タ定数から誘導機の端子電圧成分をd,q軸成分V
1d*,V1q*として演算するモデル電圧演算部、5*は
電流指令i1d*と電流検出i1dの差をフィードバック制
御し、電圧成分△V1dを出力する電流制御アンプ、6′
は電流指令i1q*と電流検出i1qとの差をフィードバッ
ク制御し、電圧成分△V1qを出力する電流制御アンプ、
9′は電流センサ8による3相電流成分を位相積分器の
出力する位相角θにより、3相交流成分をd,q軸の直
交2相成分i1d,i1qに変換する座標変換部。
1d*,位相角φ,出力角周波数ωiおよび設定したモー
タ定数から誘導機の端子電圧成分をd,q軸成分V
1d*,V1q*として演算するモデル電圧演算部、5*は
電流指令i1d*と電流検出i1dの差をフィードバック制
御し、電圧成分△V1dを出力する電流制御アンプ、6′
は電流指令i1q*と電流検出i1qとの差をフィードバッ
ク制御し、電圧成分△V1qを出力する電流制御アンプ、
9′は電流センサ8による3相電流成分を位相積分器の
出力する位相角θにより、3相交流成分をd,q軸の直
交2相成分i1d,i1qに変換する座標変換部。
【0062】Aは二次抵抗変動補償部で、すべり演算部
13に二次抵抗の変動を補償するフィードバック係数K
を出力し、すべり演算部13が出力するすべり指令ωs
*を二次抵抗温度補償されたすべり指令とする二次抵抗
変動補償部15と、励磁電流指令i1d*とトルク電流指
令i1q*を座標変換し、r軸とd軸(磁束軸)との位相
角(φ)を出力する極座標変換器16と、この位相角
(φ)に図3又は図4に示すようにリミッタをかけ位相
角(π/2十φ′)または(π/2+φ″)の位相φ′
またはφ″を出力する位相補正部17と。
13に二次抵抗の変動を補償するフィードバック係数K
を出力し、すべり演算部13が出力するすべり指令ωs
*を二次抵抗温度補償されたすべり指令とする二次抵抗
変動補償部15と、励磁電流指令i1d*とトルク電流指
令i1q*を座標変換し、r軸とd軸(磁束軸)との位相
角(φ)を出力する極座標変換器16と、この位相角
(φ)に図3又は図4に示すようにリミッタをかけ位相
角(π/2十φ′)または(π/2+φ″)の位相φ′
またはφ″を出力する位相補正部17と。
【0063】電流制御アンプ5′と6′からのd,q軸
電圧成分△V1d,△V1qから直接位相補正部17からの
位相φ′またはφ″と直交なγδ軸の誤差電圧ベクトル
△V1φ′または△V1φ″に座標変換して二次抵抗変動
補償部15に出力する座標変換部18で構成されてい
る。
電圧成分△V1d,△V1qから直接位相補正部17からの
位相φ′またはφ″と直交なγδ軸の誤差電圧ベクトル
△V1φ′または△V1φ″に座標変換して二次抵抗変動
補償部15に出力する座標変換部18で構成されてい
る。
【0064】この二次抵抗変動補償回路Aは、座標変換
部18′がd,q軸電圧成分△V1d,△V1qを直接γδ
軸の誤差電圧ベクトル△V1φ′にまたは△V1φ″変換
しているが、実施例1同様に二次抵抗補償することがで
きる。
部18′がd,q軸電圧成分△V1d,△V1qを直接γδ
軸の誤差電圧ベクトル△V1φ′にまたは△V1φ″変換
しているが、実施例1同様に二次抵抗補償することがで
きる。
【0065】
【発明の効果】この発明は、上述のとおり構成されてい
るので、以下に記載する効果を奏する。
るので、以下に記載する効果を奏する。
【0066】(1)高速域でかつ重負荷時において、電
圧制御誤差などにより二次抵抗変動補償が誤って推定・
収束することにより正確なトルク制御ができなくなるこ
とを防止することができる。
圧制御誤差などにより二次抵抗変動補償が誤って推定・
収束することにより正確なトルク制御ができなくなるこ
とを防止することができる。
【0067】(2)等価励磁インダクタンスに流れる電
流成分I0も正確に制御できるようになり、端子電圧も
設計通りの値に収束するようになる。その結果、二次抵
抗が大きくなることによりI0成分が増大し、端子電圧
も増加して可変速装置の出力電圧限界に達してしまい、
そのために電流制御機能が効かなくなるといった異常現
象も防止することができる。
流成分I0も正確に制御できるようになり、端子電圧も
設計通りの値に収束するようになる。その結果、二次抵
抗が大きくなることによりI0成分が増大し、端子電圧
も増加して可変速装置の出力電圧限界に達してしまい、
そのために電流制御機能が効かなくなるといった異常現
象も防止することができる。
【図1】実施の形態1にかかる誘導機の可変速駆動装置
の制御ブロック図。
の制御ブロック図。
【図2】実施の形態2にかかる誘導機の可変速駆動装置
の制御ブロック図。
の制御ブロック図。
【図3】誘導電圧ベクトルの直線リミッタ方式による特
徴量抽出位相角を示すグラフ。
徴量抽出位相角を示すグラフ。
【図4】誤差電圧ベクトルの相似波形リミッタ方式によ
る特徴量抽出位相角を示すグラフ。
る特徴量抽出位相角を示すグラフ。
【図5】従来例にかかるら誘導機の可変速駆動装置の制
御ブロック図。
御ブロック図。
【図6】誘導電動機のT−I形等価回路図。
【図7】T−I形等価回路の電圧電流ベクトル図。
【図8】T−I形等価回路の電圧ベクトル図。
【図9】二次抵抗設定誤差時の電圧電流ベクトル図。
【図10】誤差電圧ベクトルとδ軸との位相角の関係を
示すグラフ。
示すグラフ。
1…磁束指令一励磁電流指令変換器 2…トルク指令一トルク電流指令変換器 3…dq軸電流をγ成分とd軸との位相角に変換する極
座標変換器 4…モデル電圧演算部 5,6…電流制御アンプ 7…PWM制御部 8…出力電流検出センサ 9…座標変換部 10…負荷誘導電動機 11…速度検出器 12…速度演算器 13…すべり演算部 14…位相積分器 15…二次抵抗補償制御部 16…dq軸電流をγ成分とd軸との位相角に変換する
極座標変換器 17…位相補償部 18…dq軸誤差電圧を位相φ′と直交な誤差電圧に変
換する座標変換部。
座標変換器 4…モデル電圧演算部 5,6…電流制御アンプ 7…PWM制御部 8…出力電流検出センサ 9…座標変換部 10…負荷誘導電動機 11…速度検出器 12…速度演算器 13…すべり演算部 14…位相積分器 15…二次抵抗補償制御部 16…dq軸電流をγ成分とd軸との位相角に変換する
極座標変換器 17…位相補償部 18…dq軸誤差電圧を位相φ′と直交な誤差電圧に変
換する座標変換部。
Claims (2)
- 【請求項1】 電源周波数と同期した回転座標系上でモ
デル電圧を演算したフィードフォワード電圧成分と、電
流制御アンプによるフィードバック電圧成分とを加算し
て出力する電流制御系を有するベクトル制御部と、前記
電流制御アンプの出力電圧のある特徴量が零となるよう
に、すべり演算部の二次抵抗成分を補正することができ
る二次抵抗補償部機能を有する誘導機の可変速駆動装置
において、 電流指令のベクトル位相φをリミッタした位相角φ′ま
たは電流指令のベクトル位相φを係数倍した位相角φ″
を演算する機能と、 前記電流制御アンプの出力電圧から前記位相角φ′また
はφ″に直交した軸に投影した電圧成分を求める機能と
を設け、 前記投影した電圧成分を前記二次抵抗変動補償機能の入
力としたことを特徴とする誘導機の可変速駆動装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記リミッタの値または前記計数倍の係数を、 低速域では電流指令のベクトル位相φを殆ど補正しない
値とし、高速域では電流指令のベクトル位相φが90度
とならないように、速度に応じて可変としたことを特徴
とする誘導機の可変速駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9296932A JPH11136999A (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 誘導機の可変速駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9296932A JPH11136999A (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 誘導機の可変速駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11136999A true JPH11136999A (ja) | 1999-05-21 |
Family
ID=17840046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9296932A Pending JPH11136999A (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 誘導機の可変速駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11136999A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006296197A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-26 | Schneider Toshiba Inverter Europe Sas | 電動機のパラメータ調整方法とその方法を利用した変速機 |
JP2009118689A (ja) * | 2007-11-08 | 2009-05-28 | Okuma Corp | モータの制御装置 |
JP2021044879A (ja) * | 2019-09-09 | 2021-03-18 | 株式会社明電舎 | 誘導電動機の制御装置 |
-
1997
- 1997-10-29 JP JP9296932A patent/JPH11136999A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006296197A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-26 | Schneider Toshiba Inverter Europe Sas | 電動機のパラメータ調整方法とその方法を利用した変速機 |
JP2009118689A (ja) * | 2007-11-08 | 2009-05-28 | Okuma Corp | モータの制御装置 |
JP2021044879A (ja) * | 2019-09-09 | 2021-03-18 | 株式会社明電舎 | 誘導電動機の制御装置 |
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