JPH11265617A - 架橋性電気絶縁用樹脂組成物及び電気絶縁物並びに電線・ケーブル - Google Patents

架橋性電気絶縁用樹脂組成物及び電気絶縁物並びに電線・ケーブル

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JPH11265617A
JPH11265617A JP6794598A JP6794598A JPH11265617A JP H11265617 A JPH11265617 A JP H11265617A JP 6794598 A JP6794598 A JP 6794598A JP 6794598 A JP6794598 A JP 6794598A JP H11265617 A JPH11265617 A JP H11265617A
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JP
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linear polyethylene
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group
butyl
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Application number
JP6794598A
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English (en)
Inventor
Takanori Yamazaki
孝則 山崎
Kiyoshi Watanabe
清 渡辺
Katsutoshi Hanawa
勝利 塙
Hideyuki Nozawa
英行 野沢
Junichi Abe
淳一 安部
Kenichi Furusawa
健一 古沢
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】押出成形性に優れ、加熱変形率と伸び、耐水ト
リー性、特に耐ボウタイトリー特性を大幅に改善できる
シラングラフト・水架橋法により架橋できる電気絶縁用
樹脂組成物及び当該樹脂組成物からなる電気絶縁物及び
電線・ケーブルの提供。 【解決手段】クロム系触媒により重合され、密度が0.
915〜0.950g/cm3 で融点が115〜130℃
の直鎖状ポリエチレンと、一般式 RR′SiY2 (式中Rはオレフィン性不飽和炭化水素基あるいはハイ
ドロカーボンオキシ基であり、Yは加水分解可能な有機
基であり、R′は前記R基かY基である)で表されるシ
ランとを、遊離ラジカルを生じさせる化合物の存在下で
反応させて得られるシラン変性直鎖状ポリエチレンから
なる架橋性電気絶縁用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分と接触させる
ことにより架橋させることができる架橋性電気絶縁用樹
脂組成物及びこの組成物からなる電気絶縁物並びに電線
・ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来技術】ポリオレフィン系樹脂にビニルアルコキシ
シラン等のシランを添加し、遊離ラジカルを生じさせる
化合物(以下「遊離ラジカル発生剤」とう)の存在下で
反応させて得られたシラングラフトポリオレフィンを、
シラノール縮合触媒の存在下で水分と接触させることに
より架橋させる、いわゆるシラングラフト・水架橋法
は、有機過酸化物を用いて架橋を行う化学架橋方式より
も低コストで架橋ポリエチレン材料を提供できるため、
電線・ケーブルの絶縁層やシース並びに電線・ケーブル
の付属品等の架橋方法として広く用いられている。
【0003】この方法は、より具体的には、高温の成形
加工機(例えば押出機)中で、少量の有機過酸化物を遊
離ラジカル発生剤として用い、ポリオレフィン系樹脂に
ビニルアルコキシシラン等のシランをグラフト共重合さ
せてから押出して成形体とし、その後、高温高湿度雰囲
気(または温水中)に成形体をさらすことにより水分と
接触させ、成形体中に混合された又は成形体表面から浸
透させたジブチル錫ジラウレート等のシラノール縮合触
媒の作用により、ポリオレフィン系樹脂にグラフトした
シランの加水分解および縮合を起こさせて架橋するもの
である。
【0004】しかしながら、このシラングラフト・水架
橋法には、加熱変形率等の高温特性を高める目的で架橋
度を高く設定すると、化学架橋法に比べて伸びが著しく
低下するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するた
め、加熱変形特性に優れた融点の高い直鎖状ポリエチレ
ンを使い、架橋度を低く設定して伸びを大きくするとい
う手法があるが、チーグラー触媒により重合された直鎖
状ポリエチレンのように分子量分布の狭いポリエチレン
を用いた場合、高速(高せん断速度領域)で押出成形す
ると、メルトフラクチャが発生し外観が悪化するという
問題が生じる。
【0006】また、銅導体、銅テープと直接触れるもの
には、銅イオンによる促進熱劣化、いわゆる金属害を防
ぐため、サリチル酸誘導体やヒドラジド誘導体に代表さ
れる金属害防止剤を配合するのが一般的であるが、融点
が200℃以上と高く、ポリエチレン中で溶融分散させ
にくい。また、溶媒にも溶解させにくいため、ビニルア
ルコキシシランに溶解してポリエチレンに供給すること
が困難である。そのため、ポリエチレン中での分散性が
悪く、絶縁体中で異物となり、耐水トリー特性、特に耐
ボウタイトリー特性を悪くする可能性がある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、押出成形性に優れ、加熱変形率と伸び、耐水
トリー性、特に耐ボウタイトリー特性を大幅に改善でき
るシラングラフト・水架橋法により架橋できる電気絶縁
用樹脂組成物及び当該樹脂組成物からなる電気絶縁物及
び電線・ケーブルの提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、クロム系触媒により重合され、密度が
0.915〜0.950g/cm3 で融点が115〜13
0℃の直鎖状ポリエチレンと、一般式 RR′SiY2 (式中Rはオレフィン性不飽和炭化水素基あるいはハイ
ドロカーボンオキシ基であり、Yは加水分解可能な有機
基であり、R′は前記R基かY基である)で表されるシ
ランとを、遊離ラジカルを生じさせる化合物の存在下で
反応させて得られるシラン変性直鎖状ポリエチレンから
なる架橋性電気絶縁用樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0009】また、本発明は上記目的を達成するため、
前記架橋性電気絶縁用樹脂組成物からなる成形体をシラ
ノール縮合触媒の存在下で水分と接触させることにより
架橋度が40%以上になるように架橋されている電気絶
縁物を提供するものである。
【0010】更に、本発明は前記目的を達成するため
に、導体または導体遮蔽層上に前記架橋性電気絶縁用樹
脂組成物からなる絶縁層を有し、当該絶縁層がシラノー
ル縮合触媒の存在下で水分と接触させることにより架橋
度が40%以上になるように架橋されている電線・ケー
ブルを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者は、種々のポリエチレン
について鋭意検討した結果、樹脂組成物の主成分として
クロム系触媒により重合され、密度が0.915〜0.
950g/cm 3 で融点が115〜130℃の直鎖状ポリ
エチレンを使用することにより、押出成形性に優れ、低
い加熱変形率と高い伸びを有する架橋成形体を実現でき
ることを見出し、本発明に至ったものである。このよう
に押出成形性に優れるのは、クロム系触媒により重合さ
れた直鎖状ポリエチレンは、分子量分布の指標である重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw
/Mnが10〜15と大きく設定することができるため
である。
【0012】本発明において、直鎖状ポリエチレンの密
度を0.915〜0.950g/cm3 としたのは、規定
値未満では、結晶化度が下がるため加熱変形率が大きく
なり、規定値を越えると、可撓性、及び押出性が悪化す
るためである。また、直鎖状ポリエチレンの融点を11
5〜130℃としたのも、同様に、規定値未満では、加
熱変形率が大きくなり、規定値を越えると、押出性が悪
化するためである。
【0013】本発明においては、直鎖状ポリエチレンと
してグラニュール(顆粒状)形状のものを用いると、シ
ランの吸収性が向上し且つシランが均一に吸収されるた
め、架橋度の向上及び伸びの向上をはかることができる
という顕著な効果が発揮される。なお、グラニュール形
状というのは、押出機により造粒を行っていないもの
で、反応器中で重合されたままの形状のものをいい、粒
径は略3mm程度以下である。
【0014】本発明において用いられる一般式、 RR′SiY2 で表されるシランにおいて、Rはオレフィン性不飽和炭
化水素基あるいはハイドロカーボンオキシ基であり、ビ
ニル基、アルリル基、ブテニル基、ジクロヘキセニル
基、シクロペンタジエニル基等をあげることができ、中
でもビニル基が好適である。Yは加水分解可能な有機基
であり、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基のような
アルコキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロ
ピオノキシ基のようなアシロキシ基、その他オキシム
基、アルキノアミノ基、アリールアミノ基等をあげるこ
とができ中でもアルコキシ基が好適である。R′は前記
R基かY基である。最も好適なシランは、ビニルアルコ
キシシランであり、具体的には、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエ
トキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、
ビニルエトキシジメチルシランなどがあげられ、これら
は単独、もしくは2種類以上組合わせて使用しても差し
支えない。シランの添加量は特に規定されないが、直鎖
状ポリエチレン100重量部に対し0.1〜10重量部
の範囲が好ましい。
【0015】直鎖状ポリエチレンにシランをグラフトす
る際に用いられる遊離ラジカル発生剤としては、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
α, α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロ
ピル)ベンゼン、ブチルクミルパーオキサイド、イソプ
ロピルクミル−t−ブチルパーオキサイドなどがあげら
れ、これらは単独もしくは2種類以上組み合わせて使用
しできる。ラジカル発生剤の添加量は、直鎖状ポリエチ
レン100重量部に対して0.05〜0.15重量部が
望ましく、0.05重量部未満では架橋度が不十分とな
る傾向にあり、0.15重量部越えると絶縁体内にラジ
カル開始剤の分解生成物に起因するボイドが発生しやす
くなる。
【0016】本発明においては、更に、酸化防止剤とし
て、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−
ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジンから選ばれる1種類または2種類以上とジラウリ
ルチオプロピオネートをそれぞれ、0.05〜0.5重
量部添加ずつ添加することにより、耐熱老化特性、特
に、金属害を防止できる。これらは、単独で使用しても
効果は小さく、併用することによって著しい相乗効果が
発揮される。これらの酸化防止剤は、予めポリエチレン
に高濃度に練り込んだマスターバッチの形やポリエチレ
ンにドライブレンドした形で供給することはもちろん、
シランに溶解して押出機内のポリエチレンに注入するこ
とも可能である。酸化防止剤各々の添加量は0.05〜
0.5重量部とするのが好ましく、0.05重量部未満
では、酸化防止、金属害防止の効果が少なく、また、
0.5重量部を越えるとポリエチレンの表面に析出する
いわゆるブルーム現象が生じる可能性がある。
【0017】本発明においては、架橋を促進するために
シラノール縮合触媒を直鎖状ポリエチレン中に添加、あ
るいは、成形物表面から直鎖状ポリエチレン中に浸透さ
せる。このようなシラノール縮合触媒は、一般に、錫、
亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属のカルボン酸塩、有機
塩基、無機酸、有機酸などである。具体的にはジブチル
錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫
ジオクタエート、酢酸第一錫、カブリル酸第一錫、ナフ
テン酸鉛、カブリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、エチ
ルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジ
ン、硫酸、塩酸などの無機酸、トルエンスルホン酸、酢
酸、ステアリン酸、マレイン酸などの有機酸が挙げられ
る。これらは、特に規定しないが直鎖状ポリエチレン1
00重量部に対して、0.01〜0.1重量部添加して
用いられる。
【0018】シラノール縮合触媒を含有する成形体の製
造方法としては、次のような2つの方法を挙げることが
できる。一つは、シラノール縮合触媒を高濃度に含む直
鎖状ポリエチレンのマスターバッチを作製し、予め作製
したシラングラフト直鎖状ポリエチレンと一緒に押出機
に供給して成形する2ショット法またはサイオプラス法
といわれる方法である。他の方法は、シラノール縮合触
媒、ラジカル発生剤を含む配合剤を押出機内の直鎖状ポ
リエチレンに供給し、ビニルアルコキシシランの直鎖状
ポリエチレンへのグラフト反応と成形を1つの押出機で
同時に行う1ショット法またはモノシル法と呼ばれる方
法である。本発明は、上記のいずれの方法をも採用可能
である。
【0019】直鎖状ポリエチレンを主体とする電気絶縁
物の架橋度を40%以上としたのは、高温での加熱変形
率を小さくするためであり、この値未満では変形が大き
くなる。
【0020】本発明においては、上記化合物の他に、耐
候性を付与するためにカーボンブラックの添加や、滑
剤、着色剤等の添加剤を加えることは一向に差し支えな
い。さらに、直鎖状ポリエチレンにエチレン−酢酸エチ
ル共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体等
のエチレン系ポリマを少量ブレンドすることもできる。
【0021】本発明の電線・ケーブルにおいては、導体
として、水の走水を防止するため、水密コンパウンドを
充填した水密導体を使用することも可能である。さら
に、本架橋ポリエチレン絶縁層の上に半導電性樹脂組成
物からなる絶縁体遮蔽層を設けることもできる。
【0022】
【実施例】<実施例1>クロム触媒により重合され、密
度が0.920、融点が118℃、Mw/Mnが14で
グラニュール形状の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエ
チレン(I))100重量部に対して、酸化防止剤とし
ての2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト](酸化防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリ
メトキシシランを1.5重量部、遊離ラジカル発生剤と
してのジクミルパーオキサイド(遊離ラジカル発生剤
(I))を0.15重量部、ジブチル錫ジラウレートを
0.05重量部の割合で200℃に設定した130mm押
出機に投入した。なお、酸化防止剤、遊離ラジカル発生
剤及びジブチル錫ジラウレートはビニルトリメトキシシ
ランに溶解させて押出機のホッパ下部から注入した。
【0023】上記コンパウンンドを断面積60mm2 の軟
銅撚線上に0.7mm厚の内部半導電層及び0.7mm厚の
外部半導電層と共に4.5mm厚さに押出し、その後、8
0℃、95%水蒸気の雰囲気に24時間放置して架橋さ
せ、架橋絶縁層を有する電気ケーブルを作製した。
【0024】<実施例2>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.920、融点が118℃、Mw
/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(I))を100重量部、酸化防
止剤としてのペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート](酸化防止剤(II))を0.1重量
部、ビニルトリメトキシシランを1.0重量部、ジクミ
ルパーオキサイド(遊離ラジカル発生剤(I))を0.
1重量部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部と
し、実施例1と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0025】<実施例3>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.943、融点が126℃、Mw
/Mnが13でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(II))を100重量部、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシシ
ランを1.0重量部、遊離ラジカル発生剤としての2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン(遊離ラジカル発生剤(II))を0.07重量
部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部とし、実
施例1と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0026】<実施例4>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.943、融点が126℃、Mw
/Mnが13でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(II))を100重量部、ペンタ
エリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(II))を0.1重量部、ビニルトリメトキシ
シランを1.2重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(遊離ラジカル発
生剤(II))を0.1重量部、ジブチル錫ジラウレート
を0.05重量部とし、実施例1と同様にして電気ケー
ブルを作製した。
【0027】<実施例5>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.920、融点が118℃、Mw
/Mnが14でペレット形状の直鎖状ポリエチレン(直
鎖状ポリエチレン(III ))を100重量部、酸化防止
剤として2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート](酸化防止剤(I))とジラウリルチオプロピ
オネート(酸化防止剤(III ))をそれぞれ0.1重量
部併用、ビニルトリメトキシシランを1.0重量部、ジ
クミルパーオキサイド(遊離ラジカル発生剤(I))を
0.1重量部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量
部とし、実施例1と同様にして電気ケーブルを作製し
た。
【0028】<実施例6>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.943、融点が126℃、Mw
/Mnが13でペレット形状の直鎖状ポリエチレン(直
鎖状ポリエチレン(IV))を100重量部、2,2−チ
オ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防止
剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシシラン
を1.0重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離ラジカ
ル発生剤(I))を0.1重量部、ジブチル錫ジラウレ
ートを0.05重量部とし、実施例1と同様にして電気
ケーブルを作製した。
【0029】<実施例7>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.920、融点が118℃、Mw
/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(I))を100重量部、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤(I))を0.1重量部、ジラウリルチオプロピ
オネート(酸化防止剤(III ))を0.1重量部、ビニ
ルトリメトキシシランを1.0重量部、ジクミルパーオ
キサイド(遊離ラジカル発生剤(I))を0.1重量
部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部、直鎖状
ポリエチレン(I)中にファーネスブラックが25重量
%含有されるように調整したカーボンマスターバッチを
4重量部とし、実施例1と同様にして200℃に設定し
た130mm押出機に投入し、続いて、断面積60mm2
軟銅撚線上に2.5mm厚さに押出し、その後、80℃、
95%水蒸気の雰囲気に24時間放置して架橋させ、架
橋絶縁層を有する電気ケーブルを作製した。
【0030】<実施例8>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.920、融点が118℃、Mw
/Mnが14でペレット形状の直鎖状ポリエチレン(直
鎖状ポリエチレン(III ))を100重量部、2,2−
チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防
止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシシラ
ンを1.0重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離ラジ
カル発生剤(I))を0.1重量部、ジブチル錫ジラウ
レートを0.05重量部、直鎖状ポリエチレン(III )
中にファーネスブラックが25重量%含有されるように
調整したカーボンマスターバッチを4重量部とし、実施
例7と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0031】<比較例1>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.910、融点が113℃、Mw
/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(V))を100重量部、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシシ
ランを1.0重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離ラ
ジカル発生剤(I))を0.1重量部、ジブチル錫ジラ
ウレートを0.05重量部とし、実施例1と同様にして
電気ケーブルを作製した。
【0032】<比較例2>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.953、融点が133℃、Mw
/Mnが13でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(VI))を100重量部、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシシ
ランを1.0重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離ラ
ジカル発生剤(I))を0.1重量部、ジブチル錫ジラ
ウレートを0.05重量部とし、実施例1と同様にして
電気ケーブルを作製した。
【0033】<比較例3>配合成分を、チーグラ触媒に
より重合され、密度が0.925、融点が123℃、M
w/Mnが4でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(VII ))を100重量部、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシ
シランを1.0重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離
ラジカル発生剤(I))を0.1重量部、ジブチル錫ジ
ラウレートを0.05重量部とし、実施例1と同様にし
て電気ケーブルを作製した。
【0034】<比較例4>配合成分を、チーグラ触媒に
より重合され、密度が0.925、融点が123℃、M
w/Mnが4でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(VII ))を100重量部、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシ
シランを1.0重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(遊離ラジカル発
生剤(II))を0.07重量部、ジブチル錫ジラウレー
トを0.05重量部とし、実施例1と同様にして電気ケ
ーブルを作製した。
【0035】<比較例5>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.910、融点が113℃、Mw
/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(V))を100重量部、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシシ
ランを1.0重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離ラ
ジカル発生剤(I))を0.1重量部、ジブチル錫ジラ
ウレートを0.05重量部、直鎖状ポリエチレン(V)
中にファーネスブラックが25重量%含有されるように
調整したカーボンマスターバッチを4重量部とし、実施
例7と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0036】<比較例6>配合成分を、チーグラ触媒に
より重合され、密度が0.925、融点が123℃、M
w/Mnが4でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(VII ))を100重量部、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシ
シランを1.0重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離
ラジカル発生剤(I))を0.1重量部、ジブチル錫ジ
ラウレートを0.05重量部、直鎖状ポリエチレン(VI
I )中にファーネスブラックが25重量%含有されるよ
うに調整したカーボンマスターバッチを4重量部とし、
実施例7と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0037】実施例1〜8及び比較例1〜6の配合組成
を評価結果と共に表1及び表2に示した。なお、評価は
次に基づいて行った。押出性は外観により評価し、加熱
変形率はJIS C3005に準拠し,120℃におけ
る電気ケーブルの加熱変形率が25%以下のものを良、
25%を越えるものを悪として示した。伸び、ゲル分率
は、JIS C3005に準拠して測定した。ボウタイ
トリー特性の評価試験は、導体内に注水した電気ケーブ
ルを90℃の温水中に浸漬し、導体と水との間に50H
zで9kVの交流電圧を500日間印加して行った。5
00日経過後、ケーブル断面を薄くスライスしてメチレ
ンブルー水溶液で煮沸染色し、光学顕微鏡を用いてボウ
タイトリー長さと200μm以上のボウタイトリーの発
生数を計数した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1に示したように、実施例1〜4は密度
と融点が本発明の範囲にある直鎖状ポリエチレンを用い
たもので、押出外観が良好で、ゲル分率が高く、加熱変
形率も小さい。また、伸び、ボウタイトリー等すべての
特性が良好である。実施例5と実施例6は、ペレット形
状のポリエチレンを用いたもので、実施例1〜4のグラ
ニュール形状の直鎖状ポリエチレンを用いた場合より
も、ゲル分率は小さくなるが、すべての特性を満足して
いる。また、本発明で請求項4で規定した酸化防止剤を
併用して用いた実施例5はボウタイトリーの発生が少な
い。実施例7と実施例8は、カーボンを配合したもので
あり、カーボンを添加してもいずれの特性も良好であ
る。
【0041】一方、本発明の規定範囲を外れる密度の低
い直鎖状ポリエチレンを使用した比較例1は加熱変形特
性に劣り、同じく密度の高い直鎖状ポリエチレンを用い
た比較例2と本発明で規定しないチーグラ触媒により重
合された直鎖状ポリエチレンを用いた比較例3、4は、
押出外観が悪く、ボウタイトリー特性も劣っている。比
較例5、6はカーボンを添加したものであるが、カーボ
ン非充填配合と同じ傾向を示しており、それぞれ、加熱
変形と押出性に劣る。
【0042】<実施例9>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.920、融点が118℃、Mw
/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(I))を100重量部、酸化防
止剤として2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート](酸化防止剤(I))とジラウリルチオプロ
ピオネート(酸化防止剤(III ))をそれぞれ0.05
重量部併用、ビニルトリメトキシシランを1.0重量
部、ジクミルパーオキサイド(遊離ラジカル発生剤
(I))を0.1重量部、ジブチル錫ジラウレートを
0.05重量部とし、実施例1と同様にして押出機に投
入し、続いて、断面積60mm2 の軟銅撚線上に2.5mm
厚さに押出し、その後、80℃、95%水蒸気の雰囲気
に24時間放置して架橋させ、架橋絶縁層を有する電気
ケーブルを作製した。
【0043】<実施例10>配合成分を、クロム触媒に
より重合され、密度が0.920、融点が118℃、M
w/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(I))を100重量部、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(I))を0.1重量部、ジラウリルチオプロ
ピオネート(酸化防止剤(III ))を0.1重量部、ビ
ニルトリメトキシシランを1.0重量部、ジクミルパー
オキサイド(遊離ラジカル発生剤(I))を0.1重量
部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部とし、実
施例9と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0044】<実施例11>配合成分を、クロム触媒に
より重合され、密度が0.920、融点が118℃、M
w/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(I))を100重量部、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(I))を0.5重量部、ジラウリルチオプロ
ピオネート(酸化防止剤(III ))を0.5重量部、ビ
ニルトリメトキシシランを1.5重量部、ジクミルパー
オキサイド(遊離ラジカル発生剤(I))を0.15重
量部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部とし、
実施例9と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0045】<実施例12>配合成分を、クロム触媒に
より重合され、密度が0.943、融点が126℃、M
w/Mnが13でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(II))を100重量部、ペン
タエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(酸化防止剤(II))を0.1重量部、ジラウリルチオ
プロピオネート(酸化防止剤(III ))を0.1重量
部、ビニルトリメトキシシランを1.0重量部、2,5
−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン(遊離ラジカル発生剤(II))を0.1重量部、
ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部とし、実施例
9と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0046】<実施例13>配合成分を、クロム触媒に
より重合され、密度が0.943、融点が126℃、M
w/Mnが13でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(II))を100重量部、オク
タデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート(酸化防止剤(IV))を
0.1重量部、ジラウリルチオプロピオネート(酸化防
止剤(III ))を0.1重量部、ビニルトリメトキシシ
ランを0.7重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離ラ
ジカル発生剤(I))を0.05重量部、ジブチル錫ジ
ラウレートを0.05重量部とし、実施例9と同様にし
て電気ケーブルを作製した。
【0047】<実施例14>配合成分を、クロム触媒に
より重合され、密度が0.943、融点が126℃、M
w/Mnが13でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(II))を100重量部、2,
4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−
トリアジン(酸化防止剤(V))を0.1重量部、ジラ
ウリルチオプロピオネート(酸化防止剤(III ))を
0.1重量部、ビニルトリメトキシシランを1.0重量
部、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン(遊離ラジカル発生剤(II))を0.
1重量部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部、
直鎖状ポリエチレン(II)中にファーネスブラックが2
5重量%含有されるように調整したカーボンマスターバ
ッチを4重量部とし、実施例9と同様にして電気ケーブ
ルを作製した。
【0048】<比較例7>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.910、融点が113℃、Mw
/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(V))を100重量部、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤(I))を0.05重量部、金属害防止剤として
のN,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンを0.0
5重量部、ビニルトリメトキシシランを1.0重量部、
ジクミルパーオキサイド(遊離ラジカル発生剤(I))
を0.1重量部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重
量部とし、実施例9と同様にして電気ケーブルを作製し
た。なお、金属害防止剤としてのN,N′−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニル]ヒドラジンはビニルトリメトキシシランに難
溶なので、直鎖状ポリエチレンに予めドライブレンドし
て押出機に投入した。
【0049】<比較例8>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.910、融点が113℃、Mw
/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(V))を100重量部、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤(I))を0.1重量部、N,N′−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニル]ヒドラジンを0.05重量部、ビニルトリメ
トキシシランを1.0重量部、2,5−ジメチル−2,
5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(遊離ラジ
カル発生剤(II))を0.07重量部、ジブチル錫ジラ
ウレートを0.05重量部とし、実施例9と同様にして
電気ケーブルを作製した。
【0050】<比較例9>配合成分を、クロム触媒によ
り重合され、密度が0.910、融点が113℃、Mw
/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレン
(直鎖状ポリエチレン(V))を100重量部、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤(I))を0.03重量部、ジラウリルチオプロ
ピオネート(酸化防止剤(III ))を0.03重量部、
ビニルトリメトキシシランを1.0重量部、ジクミルパ
ーオキサイド(遊離ラジカル発生剤(I))を0.1重
量部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部とし、
実施例9と同様にして電気ケーブルを作製した。
【0051】<比較例10>配合成分を、クロム触媒に
より重合され、密度が0.910、融点が113℃、M
w/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(V))を100重量部、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(I))を0.6重量部、ジラウリルチオプロ
ピオネート(酸化防止剤(III ))を0.6重量部、ビ
ニルトリメトキシシランを1.0重量部、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
(遊離ラジカル発生剤(II))を0.1重量部、ジブチ
ル錫ジラウレートを0.05重量部とし、実施例9と同
様にして電気ケーブルを作製した。
【0052】<比較例11>配合成分を、クロム触媒に
より重合され、密度が0.910、融点が113℃、M
w/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(V))を100重量部、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシ
シランを0.7重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離
ラジカル発生剤(I))を0.03重量部、ジブチル錫
ジラウレートを0.05重量部とし、実施例9と同様に
して電気ケーブルを作製した。
【0053】<比較例12>配合成分を、クロム触媒に
より重合され、密度が0.910、融点が113℃、M
w/Mnが14でグラニュール形状の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(V))を100重量部、2,
2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸
化防止剤(I))を0.1重量部、ビニルトリメトキシ
シランを1.5重量部、ジクミルパーオキサイド(遊離
ラジカル発生剤(I))を0.2重量部、ジブチル錫ジ
ラウレートを0.05重量部とし、実施例9と同様にし
て電気ケーブルを作製した。
【0054】実施例9〜14及び比較例7〜12の配合
組成を評価結果と共に表3及び表4に示した。なお、評
価は実施例1〜8、比較例1〜6の場合と同様にして行
ったが、金属害劣化特性は銅導体と接触した部分の変色
を調べ、変色の無いものを合格とした。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】実施例9〜14は酸化防止剤を2種類以上
併用して添加した例であるが、押出性や加熱変形特性等
に加え、金属害劣化特性に優れている。また、ボウタイ
トリー特性も良好である。一方、比較例7、8は従来の
金属害防止剤を用いたもので、ボウタイトリーの発生が
多い。酸化防止剤の添加量が本発明の規定量よりも少な
い比較例9は、金属害劣化特性が悪く、酸化防止剤の添
加量が規定量よりも多い比較例10は、酸化防止剤が表
面に析出し、汚れが生じた。また、遊離ラジカル発生剤
量が少なく、本発明で規定する値以下の架橋度を示す比
較例11は、加熱変形率が大きい。さらに、遊離ラジカ
ル発生剤の多い比較例12は絶縁体中にボイドが発生
し、ボウタイトリー特性が劣っている。
【0058】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、押出成形性、加熱変形率と伸び、耐ボウタイトリー
特性に優れる電気絶縁物及び架橋ポリエチレン絶縁電線
・ケーブルや付属品を安価に得ることができ、その工業
的価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08F 4/69 C08F 4/69 (72)発明者 野沢 英行 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 安部 淳一 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 古沢 健一 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム系触媒により重合され、密度が0.
    915〜0.950g/cm3 で融点が115〜130℃
    の直鎖状ポリエチレンと、一般式 RR′SiY2 (式中Rはオレフィン性不飽和炭化水素基あるいはハイ
    ドロカーボンオキシ基であり、Yは加水分解可能な有機
    基であり、R′は前記R基かY基である)で表されるシ
    ランとを、遊離ラジカルを生じさせる化合物の存在下で
    反応させて得られるシラン変性直鎖状ポリエチレンから
    なることを特徴とする架橋性電気絶縁用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記直鎖状ポリエチレンの形状がグラニュ
    ール( 顆粒状) である請求項1記載の架橋性電気絶縁用
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記直鎖状ポリエチレン100重量部に対
    し、前記遊離ラジカルを生じさせる化合物として、ジク
    ミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
    (t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
    −2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
    α, α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロ
    ピル)ベンゼン、ブチルクミルパーオキサイド、イソプ
    ロピルクミル−t−ブチルパーオキサイドから選ばれる
    1種類または2種類以上を0.05〜0.15重量部含
    有する請求項1記載の架橋性電気絶縁用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記直鎖状ポリエチレン100重量部に対
    し、酸化防止剤として、2,2−チオ−ジエチレンビス
    [3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
    ニル)プロピオネート] 、ペンタエリスリチル- テトラ
    キス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネート]、オクタデシル3−(3,
    5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
    オネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−
    (4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)
    −1,3,5−トリアジンから選ばれる1種類または2
    種類以上を0.05〜0.5重量部とジラウリルチオプ
    ロピオネートを0.05〜0.5重量部含有する請求項
    1記載の架橋性電気絶縁用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の架橋性電
    気絶縁用樹脂組成物からなる成形体をシラノール縮合触
    媒の存在下で水分と接触させることにより架橋度が40
    %以上になるように架橋されていることを特徴とする電
    気絶縁物。
  6. 【請求項6】導体または導体遮蔽層上に請求項1〜4の
    いずれかに記載の架橋性電気絶縁用樹脂組成物からなる
    絶縁層を有し、当該絶縁層がシラノール縮合触媒の存在
    下で水分と接触させることにより架橋度が40%以上に
    なるように架橋されていることを特徴とする電線・ケー
    ブル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018102242A1 (en) * 2016-12-01 2018-06-07 Dow Global Technologies Llc Peroxide-curable polyolefin composition

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