JPH11297122A - 半導電性樹脂組成物及び電線・ケーブル - Google Patents

半導電性樹脂組成物及び電線・ケーブル

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JPH11297122A
JPH11297122A JP9168998A JP9168998A JPH11297122A JP H11297122 A JPH11297122 A JP H11297122A JP 9168998 A JP9168998 A JP 9168998A JP 9168998 A JP9168998 A JP 9168998A JP H11297122 A JPH11297122 A JP H11297122A
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ethylene
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resin composition
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JP9168998A
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Kiyoshi Watanabe
清 渡辺
Takanori Yamazaki
孝則 山崎
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】押出機内での早期架橋を抑止することにより、
長時間にわたり安定してケーブルを製造できる半導電性
樹脂組成物、及びこれによって得られる電線・ケーブル
の提供。 【解決手段】エチレン−エチルアクリレート共重合体9
5〜60重量部と融点120℃以上のポリエチレン5〜
40重量部を含有する樹脂混和物に導電性カーボンブラ
ックを配合してなり、常温での体積抵抗率が5000Ω
・cm以下の半導電層を形成可能な半導電性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリオレフィ
ン絶縁電線・ケーブルの内部半導電層あるいは外部半導
電層の形成に適した半導電性樹脂組成物、特にシラング
ラフト・水架橋法により架橋された架橋ポリオレフィン
絶縁電線・ケーブルに適した半導電性樹脂組成物及びこ
れを用いた電線・ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来技術】架橋ポリエチレンを絶縁体とした高電圧電
力ケーブルの導体及び絶縁体の外周には、電気的ストレ
スの均一性を高め、コロナ放電を防止する目的で半導電
層が設けられる。従来より、半導電層は、エチレン−酢
酸ビニル共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重
合体等のエチレン系ポリマに導電性カーボンブラックを
配合した混和物を架橋することにより形成されている。
半導電層の架橋方法は、ケーブル製造上の制約により絶
縁体の架橋方法と整合させることが望ましく、シラング
ラフト・水架橋法で絶縁体を架橋するときは、半導電層
もシラングラフト・水架橋法で架橋することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、導電
性カーボンブラックを配合した半導電性樹脂組成物は吸
湿しやすいため、シラン、遊離ラジカル発生剤及びシラ
ノール縮合触媒を含む半導電性樹脂組成物は押出機の中
でシランの加水分解ならびに縮合による早期架橋(スコ
ーチ)が起き易い。そのため、長時間にわたる安定的な
ケーブル製造が困難であるという問題がある。
【0004】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、押出機内での早期架橋を抑止することによ
り、長時間にわたり安定してケーブルを製造できる半導
電性樹脂組成物、及びこれによって得られる電線・ケー
ブルの提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の半導電性樹脂組
成物は、エチレン−エチルアクリレート共重合体95〜
60重量部と融点120℃以上のポリエチレン5〜40
重量部を含有する樹脂混和物に導電性カーボンブラック
を配合してなり、常温での体積抵抗率が5000Ω・cm
以下の半導電層を形成可能であることを特徴とするもの
である。
【0006】また、本発明の電線・ケーブルは、導体外
周に前記半導電性樹脂組成物からなる半導電層が形成さ
れ、この外周に絶縁体層が形成されていることを特徴と
するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】エチレン−エチルアクリレート共
重合体95〜60重量部と融点120℃以上のポリエチ
レン5〜40重量部を含有する樹脂混和物に導電性カー
ボンブラックを配合した半導電性樹脂組成物で半導電層
を形成した場合、非架橋であっても架橋した場合と同等
の加熱変形性を有し、本質的にスコーチを起こさない非
架橋半導電層として使用できることを見出し、本発明に
至ったものである。ここで、融点は、示差走査熱量計
(DSC)を用い、昇温速度5〜10℃/分で測定して
求めたものである(結晶融解のピーク温度)。
【0008】本発明においては、エチレン−エチルアク
リレート共重合体は、JIS K6730に基づき19
0℃、2160g荷重の条件で測定したメルトインデッ
クスが1(g/10分)以下のものを用いると、優れた
耐水トリー性を発揮することが見出された。また、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体のエチルアクリレー
ト量は特に規定しないが、導電性カーボンブラックを混
和したときの可撓性を考慮すると、10〜30重量%の
範囲が望ましい。
【0009】本発明で使用する融点が120℃以上のポ
リエチレンとしては、エチレンの単独重合体の他に、エ
チレンとプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1、4−メチルペンテン−1等のαオレフィンと
の共重合体等があげられる。融点が120℃を下回るポ
リエチレンは、高温での加熱変形量が大きくなるため本
発明においては使用できない。本発明においれ、ポリエ
チレンの含有量を規定したのは、5重量%を下回ると高
温での加熱変形量が大きくなり、40重量部を越えると
可撓性、具体的には伸びが低下すると共に、浸水課電時
に半導電層を起点とする水トリーが発生し易くなるため
である。
【0010】本発明においては、エチレン−エチルアク
リレートとポリエチレンの樹脂混和物100重量部に対
してワックス状エチレン系樹脂を20重量部以下の範囲
で配合することにより、半導電性樹脂組成物を低粘度化
することができ、押出加工性の一層の向上をはかること
ができる。ワックス状エチレン系樹脂としては、分子量
10,000以下のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体などがあげられる。ワッ
クス状エチレン系樹脂の配合量が、20重量部を越える
と機械的強度が低下する。
【0011】本発明においては、半導電層は架橋するこ
とも可能である。この場合、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体とポリエチレンの樹脂混和物に、一般式 RR′SiY2 (式中Rはオレフィン性不飽和炭化水素基あるいはハイ
ドロカーボンオキシ基であり、Yは加水分解可能な有機
基であり、R′は前記R基かY基である)で表されるシ
ランと遊離ラジカル発生剤を添加し、シラノール縮合触
媒は添加しない半導電性樹脂組成物を調整し、絶縁体層
を形成する樹脂組成物に添加したシラノール縮合触媒の
移行により半導電層を架橋することができる。半導電性
組成物の押出成形時にシラノール縮合触媒を添加しない
ことにより、早期架橋を抑制できる。また、ケッチェン
ブラックのように少量の配合で充分な導電性を付与でき
る導電性カーボンブラックを使用すると、半導電性樹脂
組成物の吸湿性が小さくなるので、半導電性樹脂組成物
にシラノール縮合触媒を添加しても早期架橋の恐れは解
消される。
【0012】ここで、一般式、 RR′SiY2 で表されるシランにおいて、Rはオレフィン性不飽和炭
化水素基あるいはハイドロカーボンオキシ基であり、ビ
ニル基、アルリル基、ブテニル基、ジクロヘキセニル
基、シクロペンタジエニル基等をあげることができ、中
でもビニル基が好適である。Yは加水分解可能な有機基
であり、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基のような
アルコキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロ
ピオノキシ基のようなアシロキシ基、その他オキシム
基、アルキノアミノ基、アリールアミノ基等をあげるこ
とができ中でもアルコキシ基が好適である。R′は前記
R基かY基である。最も好適なシランは、ビニルアルコ
キシシランであり、具体的には、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエ
トキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、
ビニルエトキシジメチルシランなどがあげられ、これら
は単独、もしくは2種類以上組合わせて使用しても差し
支えない。シランの添加量は特に規定されないが、ポリ
マ成分100重量部に対し0.1〜10重量部の範囲が
好ましい。
【0013】ポリマ成分にシランをグラフトする際に用
いられる遊離ラジカル発生剤としては、ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼ
ン、ブチルクミルパーオキサイド、イソプロピルクミル
−t−ブチルパーオキサイドなどがあげられ、これらは
単独もしくは2種類以上組み合わせて使用しできる。ラ
ジカル発生剤の添加量は、ポリマ成分100重量部に対
して0.05〜0.15重量部が望ましく、0.05重
量部未満では架橋度が不十分となる傾向にあり、0.1
5重量部越えると絶縁体内にラジカル開始剤の分解生成
物に起因するボイドが発生しやすくなる。
【0014】架橋を促進するためにシラノール縮合触媒
をポリマ成分中に添加、あるいは、成形物表面からポリ
マ成分中に浸透させる。このようなシラノール縮合触媒
は、一般に、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属のカ
ルボン酸塩、有機塩基、無機酸、有機酸などである。具
体的にはジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテ
ート、ジブチル錫ジオクタエート、酢酸第一錫、カブリ
ル酸第一錫、ナフテン酸鉛、カブリル酸亜鉛、ナフテン
酸コバルト、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシル
アミン、ピリジン、硫酸、塩酸などの無機酸、トルエン
スルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸などの有
機酸が挙げられる。これらは、特に規定しないが直鎖状
ポリエチレン100重量部に対して、0.01〜0.1
重量部添加して用いられる。
【0015】シラノール縮合触媒を含有する成形体の製
造方法としては、次のような2つの方法を挙げることが
できる。一つは、シラノール縮合触媒を高濃度に含むポ
リマのマスターバッチを作製し、予め作製したシラング
ラフトポリマ及び導電性カーボンブラック等の必要成分
と一緒に押出機に供給して成形する2ショット法または
サイオプラス法といわれる方法である。他の方法は、シ
ラノール縮合触媒、ラジカル発生剤を含む配合剤を押出
機内のポリマ(必要に応じ、導電性カーボンブラック等
の成分を含む)に供給し、シランのポリマへのグラフト
反応と成形を1つの押出機で同時に行う1ショット法ま
たはモノシル法と呼ばれる方法である。本発明は、上記
のいずれの方法をも採用可能である。
【0016】導電性カーボンブラックとしては、アセチ
レンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラッ
ク等を使用することが可能で、体積抵抗率が5000Ω
・cm以下になるように混和する必要がある。このような
体積抵抗率となるような混和量は、アセチレンブラック
やファーネスブラックでは、ポリマ成分100重量部に
対して40重量部以上であり、ケッチェンブラックでは
ポリマ成分100重量部に対して10重量部以上であ
る。
【0017】本発明においては、更に、酸化防止剤とし
て、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−
ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジンから選ばれる1種類または2種類以上を添加する
ことにより、耐熱老化特性を改善できる。
【0018】
【実施例】<実施例1> 〔半導電層〕エチルアクリレート量が13重量%、メル
トインデックスが9のエチレン−エチルアクリレート共
重合体(エチレン−エチルアクリレート共重合体
(I))を95重量部、融点が126℃、密度が0.9
45、メルトインデックスが0.8の直鎖状ポリエチレ
ン(直鎖状ポリエチレン(I))を5重量部、ペンタエ
リスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化
防止剤)を1重量部、アセチレンブラックを60重量部
の割合でバンバリミキサで混練し、ペレット状にした後
200℃に設定した65mmの内部半導電層押出機I及び
75mmの外部半導電層押出機IIに投入した。
【0019】〔絶縁体〕密度が0.920g/cm3 、メ
ルトインデックスが0.8g/10min の直鎖状ポリエ
チレンを100重量部、2,2−チオ−ジエチレンビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート](酸化防止剤)を0.1重量
部、ビニルトリメトキシシランを1.0重量部、ジクミ
ルパーオキサイド(遊離ラジカル発生剤)を0.1重量
部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部の割合で
200℃に設定した130mm押出機IIに投入した。な
お、酸化防止剤、遊離ラジカル発生剤及びジブチル錫ジ
ラウレートはビニルトリメトキシシランに溶解させて押
出機のホッパ下部から注入した。
【0020】上記押出機I、II、III からのコンパウン
ンドをコモンヘッドに導き、断面積60mm2 の軟銅撚線
上に0.7mm厚の内部半導電層、4.5mm厚の絶縁体層
及び0.7mm厚の外部半導電層を押出し、その後、80
℃、95%水蒸気の雰囲気に24時間放置して架橋させ
た。
【0021】<実施例2>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が15重量%、メルトインデックスが
0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(II))を80重量
部、融点が126℃、密度が0.945、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(I))を20重量部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量
部、アセチレンブラックを60重量部とし、実施例1と
同様にして電気ケーブルを作成した。
【0022】<実施例3>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が25重量%、メルトインデックスが
5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチレン
−エチルアクリレート共重合体(III ))を70重量
部、融点が126℃、密度が0.945、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(I))を30重量部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量
部、アセチレンブラックを60重量部とし、実施例1と
同様にして電気ケーブルを作成した。
【0023】<実施例4>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が25重量%、メルトインデックスが
0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(IV))を70重量
部、融点が126℃、密度が0.945、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(I))を30重量部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量
部、アセチレンブラックを60重量部とし、実施例1と
同様にして電気ケーブルを作成した。
【0024】<実施例5>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が25重量%、メルトインデックスが
0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(IV))を70重量
部、融点が126℃、密度が0.945、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(I))を30重量部、分子量が2000の低密度
ポリエチレンワックスを10重量部、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)
を1重量部、アセチレンブラックを60重量部とし、実
施例1と同様にして電気ケーブルを作成した。
【0025】<実施例6>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が25重量%、メルトインデックスが
0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(IV))を60重量
部、融点が126℃、密度が0.945、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(I))を40重量部、分子量が2000の低密度
ポリエチレンワックスを20重量部、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)
を1重量部、アセチレンブラックを60重量部とし、実
施例1と同様にして電気ケーブルを作成した。
【0026】<実施例7>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が25重量%、メルトインデックスが
5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチレン
−エチルアクリレート共重合体(III ))を80重量
部、融点が126℃、密度が0.945、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(I))を20重量部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量
部、アセチレンブラックを60重量部、ビニルトリメト
キシシランを1.0重量部、2,5−ジメチル−2,5
−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン(遊離ラジ
カル発生剤)を0.1重量部とし、実施例1と同様にし
て電気ケーブルを作成した。なお、酸化防止剤及び遊離
ラジカル発生剤はビニルトリメトキシシランに溶解させ
て押出機のホッパ下部から注入した。
【0027】<実施例8>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が25重量%、メルトインデックスが
0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(IV))を70重量
部、融点が126℃、密度が0.945、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(I))を30重量部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量
部、分子量2000の低密度ポリエチレンワックスを5
重量部、ケッチェンブラックを10重量部、ビニルトリ
メトキシシランを1.0重量部、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン(遊
離ラジカル発生剤)を0.1重量部、ジブチル錫ジラウ
レートを0.05重量部とし、実施例1と同様にして電
気ケーブルを作成した。なお、酸化防止剤、遊離ラジカ
ル発生剤及びジブチル錫ジラウレートはビニルトリメト
キシシランに溶解させて押出機のホッパ下部から注入し
た。
【0028】<比較例1>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が13重量%、メルトインデックスが
9のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチレン
−エチルアクリレート共重合体(I))を100重量
部、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート](酸化防止剤)を1重量部、アセチレンブラック
を60重量部、ビニルトリメトキシシランを1.0重量
部、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパー
オキシ)−ヘキサン(遊離ラジカル発生剤)を0.1重
量部、ジブチル錫ジラウレートを0.05重量部とし、
実施例8と同様にして電気ケーブルを作成した。
【0029】<比較例2>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が13重量%、メルトインデックスが
9のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチレン
−エチルアクリレート共重合体(I))を100重量
部、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート](酸化防止剤)を1重量部、アセチレンブラック
を60重量部とし、実施例1と同様にして電気ケーブル
を作成した。
【0030】<比較例3>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が13重量%、メルトインデックスが
9のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチレン
−エチルアクリレート共重合体(I))を50重量部、
融点が126℃、密度が0.945、メルトインデック
スが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチレン
(I))を50重量部、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量部、
アセチレンブラックを60重量部とし、実施例1と同様
にして電気ケーブルを作成した。
【0031】<比較例4>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が15重量%、メルトインデックスが
0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(II))を80重量
部、融点が118℃、密度が0.920、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(II))を20重量部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量
部、アセチレンブラックを60重量部とし、実施例1と
同様にして電気ケーブルを作成した。
【0032】<比較例5>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が15重量%、メルトインデックスが
0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(II))を80重量
部、融点が118℃、密度が0.920、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(II))を20重量部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量
部、分子量2000の低密度ポリエチレンワックスを3
0重量部、アセチレンブラックを60重量部とし、実施
例1と同様にして電気ケーブルを作成した。
【0033】<比較例6>半導電層の配合成分を、エチ
ルアクリレート量が25重量%、メルトインデックスが
0.5のエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(IV))を70重量
部、融点が126℃、密度が0.945、メルトインデ
ックスが0.8の直鎖状ポリエチレン(直鎖状ポリエチ
レン(I))を30重量部、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)を1重量
部、分子量2000の低密度ポリエチレンワックスを5
重量部、ケッチェンブラックを8重量部とし、実施例1
と同様にして電気ケーブルを作成した。
【0034】実施例1〜8及び比較例1〜6の配合組成
を評価結果と共に表1及び表2に示した。なお、評価は
次に基づいて行った。粘度は、ペレットの200℃にお
けるムーニー粘度を測定した。押出安定性は24時間ケ
ーブルの押出成形を行った後の外部半導電層外観から判
断し、平滑な外観をもとものを良、スコーチによる外観
荒れがあるものを悪とした。機械的強度は、厚さ1mmの
テープ状に押出したものをダンベル3号で打抜いた後、
200mm/分の速度で引張試験を行い、引張強さ及び伸
びを求めた。体積抵抗率は、外部半導電層を用いて測定
した。加熱変形率は、厚さ2mmにシート成形し、JIS
C3005に準拠して測定した。水トリー発生数は、
ケーブルコアの導体内及びコアの外側を浸水させた後、
50Hz、20kVの交流電圧を導体とコア外側の水と
の間に課電し、課電終了後絶縁体を厚さ0.5mmにスパ
イラルカットし、メチレンブルー水溶液煮沸染色し、顕
微鏡で絶縁体と内部半導電層との界面に発生した水トリ
ー発生数を数えた。なお、水温は、常温8時間と90℃
16時間のヒートサイクルとし、課電日数は18ヶ月と
した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例1〜6は、本発明で規定する範囲の
半導電性樹脂組成物を非架橋で使用した例であり、早期
架橋を起こすことなく長時間にわたって安定した押出成
形が可能である。実施例7、8は架橋を行った例である
が、この場合も安定した押出成形が可能である。
【0038】比較例1は従来の組成物で架橋を行った例
であるが、押出時に早期架橋が発生し、安定した押出が
できない。比較例2はエチレン−エチルアクリレート共
重合体に対するポリエチレンの配合量が本発明の規定値
に満たない場合であり、高温での加熱変形率が大きい。
比較例3はエチレン−エチルアクリレート共重合体に対
するポリエチレンの配合量が本発明の規定値を越える場
合であり、伸びが小さいと共に水トリーの発生数が増加
している。比較例4は本発明の規定を外れるポリエチレ
ンを使用した例であり、加熱変形率が大きくなってい
る。比較例5はワックス状エチレン系樹脂の配合量が2
0重量部を越える例であり、加熱変形率が大きくなって
いる。比較例6はケッチャンブラックの配合量が少ない
場合であり、体積抵抗率が5000Ω・cmを越え、導電
性が不十分である。
【0039】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、半導電性樹脂組成物の押出機内での早期架橋を抑止
することにより、シラングラフト・水架橋による絶縁体
層を有する電線・ケーブルを長時間にわたり安定して製
造できるようになり、その工業的価値は著しく大きい。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−エチルアクリレート共重合体9
    5〜60重量部と融点120℃以上のポリエチレン5〜
    40重量部を含有する樹脂混和物に導電性カーボンブラ
    ックを配合してなり、常温での体積抵抗率が5000Ω
    ・cm以下の半導電層を形成可能な半導電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記エチレン−エチルアクリレート共重合
    体はメルトインデックスが1(g/10分)である請求
    項1記載の半導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記樹脂混和物100重量部に対し、ワッ
    クス状エチレン系樹脂を0〜20重量部配合してなる請
    求項1記載の半導電性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記ワックス状エチレン系樹脂は、分子量
    10,000以下のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体か
    ら選ばれる1種または2種以上である請求項3記載の半
    導電性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記樹脂混和物と、一般式 RR′SiY2 (式中Rはオレフィン性不飽和炭化水素基あるいはハイ
    ドロカーボンオキシ基であり、Yは加水分解可能な有機
    基であり、R′は前記R基かY基である)で表されるシ
    ランとを、遊離ラジカルを生じさせる化合物の存在下で
    反応させて得られるシラン変性ポリマと導電性カーボン
    ブラックを含有する請求項1記載の半導電性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】導体外周に請求項1〜請求項5のいずれか
    に記載の半導電性樹脂組成物からなる半導電層が形成さ
    れ、その外周に絶縁体層が形成されていることを特徴と
    する電線・ケーブル。
  7. 【請求項7】前記絶縁体層は、ポリオレフィンと、一般
    式 RR′SiY2 (式中Rはオレフィン性不飽和炭化水素基あるいはハイ
    ドロカーボンオキシ基であり、Yは加水分解可能な有機
    基であり、R′は前記R基かY基である)で表されるシ
    ランとを、遊離ラジカルを生じさせる化合物の存在下で
    反応させて得られるシラン変性ポリオレフィンを含む樹
    脂組成物からなり、シラノール縮合触媒の存在下で水分
    と接触することにより架橋されている請求項6記載の電
    線・ケーブル。
  8. 【請求項8】前記半導電層は非架橋である請求項7記載
    の電線・ケーブル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101312985B1 (ko) * 2011-06-02 2013-10-01 (주)폴리원테크놀로지 대전방지용 반도전성 수지 조성물 및 그 제조방법
KR20190082833A (ko) * 2016-11-23 2019-07-10 롬 앤드 하스 캄파니 다상 전도성 중합체 복합체 조성물
US10763004B2 (en) 2014-03-12 2020-09-01 3M Innovative Properties Company Conductive polymeric material

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