JPH11264308A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JPH11264308A
JPH11264308A JP6996698A JP6996698A JPH11264308A JP H11264308 A JPH11264308 A JP H11264308A JP 6996698 A JP6996698 A JP 6996698A JP 6996698 A JP6996698 A JP 6996698A JP H11264308 A JPH11264308 A JP H11264308A
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JP
Japan
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actuator
valve
engine
control mode
cam
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JP6996698A
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English (en)
Inventor
Yuichi Shimazaki
勇一 島崎
Juichi Tanaka
重一 田中
Hiroomi Nemoto
浩臣 根本
Tetsuya Ishiguro
哲矢 石黒
Hidetoshi Oishi
英俊 大石
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Priority to AU89590/98A priority patent/AU710716B2/en
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  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】遊星ギヤ式もしくは遊星摩擦式の動力伝達手段
の1つにアクチュエータが連動、連結されるようにし
て、機関弁の作動特性を細密に変更可能とした上で、ア
クチュエータの作動により問題が生じる運転域では動弁
カムにより機関弁を駆動可能とする。 【解決手段】内輪41、外輪42およびキャリア43を
構成要素とする動力伝達手段40の各構成要素41,4
2,43のうち第1の構成要素43が第1動弁カム29
1 に連動、連結され、第2の構成要素41が機関弁V
Iに連結され、第3の構成要素42にその回動位置を制
御するアクチュエータが連動、連結され、第2動弁カム
29I2 に従動するロッカアーム62と、第1および第
2の構成要素43,41のいずれかとの間に、連結切換
手段64が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁装
置に関し、特に、機関の運転状態に応じて吸気弁や排気
弁である機関弁の作動特性を変更可能な内燃機関の動弁
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる動弁装置は、たとえば特公
平7−107368号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものでは、機関弁に連なるロッカアームを、カムプロフ
ィルが異なる複数種類の動弁カムで択一的に切換えて駆
動するように構成されており、機関弁の作動特性が機関
の運転状態に応じて2あるいは3段階に切換えられるも
のである。しかるに、機関の出力トルク、燃費および排
気性状等の機関性能をより向上するためには、機関運転
状態に応じて機関弁の作動特性をより細密に切換え可能
とすることが望ましく、上記従来の動弁装置の構成で
は、カムプロフィルを異ならせたより多くの種類の動弁
カムが必要となって動弁装置が大型化してしまい、実現
が困難である。
【0004】そこで、本出願人は、カム軸および機関弁
間に遊星ギヤ式もしくは遊星摩擦式の動力伝達手段が設
けられ、該動力伝達手段の1つの構成要素に、アクチュ
エータが連動、連結されており、前記構成要素の回動位
置をアクチュエータで制御することにより、複数の動弁
カムを不要とした小型の構成で機関弁の作動特性を細密
に変更可能とした動弁装置を既に提案(特願平9−13
9776号)している。しかるに、このものでは、アク
チュエータが機関の運転中に作動し続ける必要がある。
このため、機関の高速運転域では高速運転に応じた速や
かな応答性がアクチュエータに求められることになり、
高速化によるアクチュエータの大型化が避けられなくな
り、またアクチュエータが電気式のものである場合に、
機関の低速運転域でアクチュエータを作動し続けると、
低速運転域ではバッテリの充電量が比較的小さいことに
起因してバッテリに悪影響が生じることになる。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、動弁カムおよび機関弁間に動力伝達手段が設
けられるとともにその動力伝達手段の構成要素の1つに
アクチュエータが連動、連結されるようにして、機関弁
の作動特性を細密に変更可能とした上で、アクチュエー
タの作動により問題が生じる運転域では動弁カムにより
機関弁を駆動し得るようにした内燃機関の動弁装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、機関の運転状態に応じて機
関弁の作動特性を変更可能な内燃機関の動弁装置におい
て、軸線まわりに回動し得る内輪と、該内輪と同一軸線
まわりの回動を可能として内輪を囲繞する外輪と、内輪
および外輪間に配置される遊星回転体を前記内輪および
外輪の軸線と平行な軸線まわりに回転自在に支持すると
ともに該遊星回転体の前記内輪まわりの公転に連動して
回動するキャリアとを構成要素とした動力伝達手段を備
え、該動力伝達手段の構成要素のうち第1の構成要素が
カム軸に設けられた第1動弁カムに連動、連結され、第
2の構成要素が機関弁に連結され、第3の構成要素に、
第3の構成要素の回動位置を制御可能なアクチュエータ
が連結され、前記カム軸に設けられた第2動弁カムに従
動して前記内輪と同一軸線まわりに回動可能なロッカア
ームと、前記第1および第2の構成要素の一方との間
に、該一方の構成要素を前記ロッカアームに連結する状
態ならびにその連結を解除する状態を切換可能な連結切
換手段が設けられ、前記アクチュエータおよび前記連結
切換手段の作動を制御する制御手段が、前記アクチュエ
ータを作動せしめるとともに前記連結切換手段を連結解
除状態とする第1の制御モードと、前記アクチュエータ
を非作動状態とするとともに前記連結切換手段を連結状
態とする第2の制御モードとを機関の運転状態に応じて
切換えるべく構成されることを特徴とする。
【0007】上記構成によれば、制御手段が第1の制御
モードを選択したときには、動力伝達手段を構成する3
つの構成要素のうち第1および第2の構成要素が、第1
動弁カムおよび機関弁にそれぞれ連動、連結され、第3
の構成要素の回動位置がアクチュエータで制御されるこ
とにより、カム軸の回転による第1の構成要素の回動に
伴う第2の構成要素の回動すなわち機関弁の作動特性が
制御されることになり、第3の構成要素の回動量をアク
チュエータでより細密に制御することにより、機関弁の
作動特性をより細密に制御することが可能となる。しか
も動力伝達手段は、それを構成する3つの構成要素すな
わち内輪、外輪およびキャリアが同一軸線まわりに回動
可能に配置されて成るものであることにより、動力伝達
手段をコンパクトに纏めることができ、動弁装置の小型
化を図ることができる。また制御手段が第2の制御モー
ドを選択したときには、アクチュエータによる前記第3
の構成要素の回動位置制御が解消され、第1動弁カムか
ら動力伝達手段を介しての動弁駆動力の伝達はないが、
第2動弁カムで駆動されるロッカアームが動力伝達手段
の第1および第2の構成要素のいずれかに連結されるの
で、第2動弁カムにより機関弁を開閉駆動することがで
きる。したがって、アクチュエータの作動により問題が
生じる運転域では第2の制御モードを選択することによ
り、第2動弁カムにより機関弁を駆動するようにして、
アクチュエータの作動による問題が生じることを回避す
ることができる。
【0008】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記連結切換手段が油圧に
応じて連結および連結解除状態を切換えるべく構成さ
れ、前記制御手段は、第1の制御モードから第2の制御
モードへの切換時には前記連結切換手段の連結作動が終
了した後に電気式のアクチュエータを非作動状態とする
信号を出力し、第2の制御モードから第1の制御モード
への切換時には、前記アクチュエータを作動状態とする
信号を出力した後に前記連結切換手段を連結解除状態と
する信号を出力すべく構成されることを特徴とする。
【0009】このような請求項2記載の発明の構成によ
れば、第1の制御モードから第2の制御モードへの切換
時には、電気式であるアクチュエータの作動に比べて切
換作動が遅れがちとなる油圧式の連結切換手段の連結作
動が終了した後に、アクチュエータが非作動状態となる
ので、第2動弁カムによる機関弁の駆動が開始される前
にアクチュエータが非作動状態となることに起因して機
関弁の作動が乱れてしまうことを防止することができ
る。また第2の制御モードから第1の制御モードへの切
換時には、アクチュエータが連結切換手段の連結解除よ
りも前にアクチュエータが作動状態となるので、第1動
弁カム、動力伝達手段およびアクチュエータによる機関
弁の駆動が開始される前に、連結切換手段が連結解除状
態となることに起因して機関弁の作動が乱れてしまうこ
とを防止することができる。
【0010】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1または2記載の発明の構成に加えて、前記制御手段
が、機関の低速運転域で第1の制御モードを選択し、機
関の高速運転域で第2の制御モードを選択すべく構成さ
れることを特徴とし、かかる構成によれば、アクチュエ
ータで必要とされる応答性を機関の低速運転域に対応し
たものとすることができるので、アクチュエータの作動
を高速化することが不要であり、アクチュエータの小型
化を図ることができ、アクチュエータが電気式のもので
ある場合には小電力化に寄与することができる。
【0011】さらに請求項4記載の発明によれば、上記
請求項2記載の発明の構成に加えて、前記制御手段が、
機関の低速運転域で第2の制御モードを選択し、機関の
高速運転域で第1の制御モードを選択すべく構成される
ことを特徴とし、かかる構成によれば、バッテリの充電
量が比較的小さくなる機関の低速運転域でアクチュエー
タによりバッテリの電力を消費することを回避し、アク
チュエータの作動によりバッテリに悪影響が及ぶことを
防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1ないし図9は本発明の第1実施例を示
すものであり、図1は多気筒内燃機関の要部縦断面図、
図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線拡
大断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図2の
5−5線断面図、図6はヘッドカバーを省略して図1の
6−6線矢視方向から見た平面図、図7は制御系の構成
を示すブロック図、図8は第1の制御モードから第2の
制御モードへの切換時の制御手順を示すフローチャー
ト、図9は第2の制御モードから第1の制御モードへの
切換時の制御手順を示すフローチャートである。
【0014】先ず図1において、多気筒たとえば4気筒
の内燃機関において、図示しないシリンダブロックにそ
れぞれ摺動可能に嵌合されるピストンの上面およびシリ
ンダヘッド14間には各気筒毎に燃焼室15…が形成さ
れ、シリンダヘッド14には、各燃焼室15…の天井面
に開口するようにして一対の吸気弁口16…ならびに一
対の排気弁口17…が各気筒毎に設けられ、両吸気弁口
16…は吸気ポート18に連通され、両排気弁口17…
は排気ポート19に連通される。
【0015】両吸気弁口16…を個別に開閉可能な一対
の機関弁としての吸気弁VI…のステム20…は、シリ
ンダヘッド14にそれぞれ設けられたガイド筒21…に
摺動可能に嵌合され、各ガイド筒21…から上方に突出
したステム20…の上端部に設けられるリテーナ22…
とシリンダヘッド14との間には各ステム20…を囲繞
するコイル状の弁ばね23…が設けられ、それらの弁ば
ね23…により吸気弁VI…は吸気弁口16…を閉じる
方向に付勢される。また両排気弁口17…を個別に開閉
可能な一対の排気弁VE…のステム24…は、シリンダ
ヘッド14にそれぞれ設けられたガイド筒25…に摺動
可能に嵌合され、各ガイド筒25…から上方に突出した
ステム24…の上端部に設けられるリテーナ26…とシ
リンダヘッド14との間には各ステム24…を囲繞する
コイル状の弁ばね27…が設けられ、それらの弁ばね2
7…により排気弁VE…は排気弁口17…を閉じる方向
に付勢される。
【0016】上記両吸気弁VI…および両排気弁VE…
間には、図示しないクランク軸の軸線と平行なカム軸2
8が両吸気弁VI…の上端および両排気弁VE…の上端
よりも下方に位置するようにして回転自在に配置されて
おり、該カム軸28は1/2の減速比で前記クランク軸
に連動、連結される。しかもシリンダヘッド14の上面
にはオイルバス30が形成されており、前記カム軸28
は、該カム軸28が備える第1および第2吸気側動弁カ
ム29I1 ,29I2 と、一対の排気側動弁カム29E
…とを、オイルバス30内のオイル中に浸漬させ得る位
置に配置される。
【0017】両吸気弁VI…とカム軸28の第1および
第2吸気側動弁カム29I1 ,29I2 との間には、カ
ム軸28の回転運動を両吸気弁VI…の開閉運動に変換
可能な吸気側動弁装置31Iが設けられ、両排気弁VE
…と前記カム軸28の排気側動弁カム29E…との間に
は、カム軸28の回転運動を排気弁VE…の開閉運動に
変換可能な排気側動弁装置31Eが設けられる。
【0018】図2を併せて参照して、排気側動弁装置3
1Eは、カム軸28と平行な軸線を有して固定配置され
るロッカアーム軸32と、該ロッカアーム軸32に回動
可能に支持されて両排気弁VE…および排気側動弁カム
20E…間にそれぞれ設けられる一対の排気側ロッカア
ーム33…とを備える。両排気側ロッカアーム33…の
一端には排気側動弁カム29E…に接触するカムスリッ
パ34…が設けられ、両排気側ロッカアーム33…の他
端には、両排気弁VE…の上端にそれぞれ接触するタペ
ットねじ35…が進退位置を調整可能としてそれぞれね
じ込まれる。
【0019】各気筒の燃焼室15…の両側でシリンダヘ
ッド14上には、支持部14a…が設けられており、そ
れらの支持部14a…と、各支持部14a…に締結され
るシャフトホルダ36…との間に前記カム軸28が回転
自在に支承され、前記ロッカアーム軸32は、各シャフ
トホルダ36…で固定的に支持される。
【0020】而してロッカアーム軸32には、両排気側
ロッカアーム33…間の間隔を保持するための円筒状の
スペーサ37と、両排気側ロッカアーム33…およびシ
ャフトホルダ36…間の間隔を保持するための円筒状の
スペーサ38…が装着される。
【0021】図3および図4をさらに併せて参照して、
吸気側動弁装置31Iは、各気筒毎に動力伝達手段40
を備えるものであり、この動力伝達手段40は、軸線ま
わりに回動可能な内輪であるサンギヤ41と、該サンギ
ヤ41と同一軸線まわりに回動可能としてサンギヤ41
を囲繞する外輪であるリングギヤ42と、複数の遊星回
転体である遊星ギヤ44…を前記サンギヤ41およびリ
ングギヤ42の軸線と平行な軸線まわりに回転自在に支
持するとともにそれらの遊星ギヤ44…のサンギヤ41
まわりの公転に連動して回動するキャリア43とで、遊
星ギヤ式に構成される。
【0022】この動力伝達手段40のサンギヤ41は、
カム軸28と平行な軸線を有してカム軸28および両吸
気弁VI1 ,VI2 間に固定配置された支軸45で回転
自在に支持されるものであり、該支軸45は、前記ロッ
カアーム軸32を支持するシャフトホルダ36…で固定
的に支持される。
【0023】動力伝達手段40を構成する3つの構成要
素すなわちサンギヤ41、リングギヤ42およびキャリ
ア43の1つであるサンギヤ41には、支軸45を囲繞
して両側に延びる円筒部46,47が一体に設けられて
おり、両円筒部46,47の外端およびシャフトホルダ
36…間で支軸45には円筒状のスペーサ60,60が
装着される。
【0024】サンギヤ41と一体である前記円筒部4
6,47の外端部には、両吸気弁VI…側に延びる一対
の連結腕48,49の基部48a, 49aが嵌合、固着
される。これらの連結腕48, 49の先端部には、両吸
気弁VI…におけるステム20…の上端にそれぞれ接触
するタペットねじ50, 50が進退位置を調整可能とし
てそれぞれねじ込まれる。これにより、サンギヤ41は
両吸気弁VI…に連動、連結されることになり、サンギ
ヤ41の回動に応じて両吸気弁VI…が開閉駆動され
る。
【0025】動力伝達手段40を構成する構成要素の他
の1つであるキャリア43は、支軸45の軸線に沿って
前記連結腕48の基部48aに隣接した位置でサンギヤ
41の円筒部46で回転自在に支持されるリング板状の
第1支持部材51と、支軸45の軸線に沿って前記連結
腕49の基部49aとの間に間隔をあけた位置でサンギ
ヤ41の円筒部47で回転自在に支持されるリング板状
の第2支持部材52と、支軸45の軸線と平行な軸線を
有して両支持部材51,52に両端が支持される複数た
とえば6本の軸53,53…とを有するものであり、支
軸45の周方向に等間隔をあけた位置に配置される各軸
53,53…で、サンギヤ41の外周およびリングギヤ
38の内周に噛合う遊星ギヤ44…が回転自在に支持さ
れる。
【0026】キャリア43が備える両支持部材51,5
2には、カム軸28側に延びる腕51a,52aが一体
に設けられており、これらの腕51a,52aの先端部
にローラ54が軸支される。両腕51a,52aは、そ
の内面と両支持部材51,52の内面との間に段部5
5, 56を形成するようにしてカム軸28側に延設され
るものであり、支軸45の軸線と平行な軸線を有するロ
ーラ軸57の両端が両腕51a, 52aの先端部に固定
され、第1吸気側動弁カム29I1 にころがり接触する
ローラ58と、前記ローラ軸57との間にニードルベア
リング59が介装される。
【0027】すなわちキャリア43は、カム軸28の第
1吸気側動弁カム29I1 に連動、連結されるものであ
り、該カム軸28の回転に応じて第1吸気側動弁カム2
Iによりキャリア43が回動駆動される。
【0028】動力伝達手段40を構成する3つの構成要
素のうちの残余の構成要素であるリングギヤ42は、キ
ャリア43で回転自在に支持される。すなわち円筒状に
形成されているリングギヤ42の両端が、キャリア43
における両支持部材51,52の内面外周縁部でそれぞ
れ回転自在に支持されることになり、両支持部材51,
52に連なる腕51a,52aに対応する部分では、リ
ングギヤ42の両端が、両支持部材51,52および腕
51a,52a間に形成されている段部55,56で回
転自在に支持されることになる。
【0029】図5を併せて参照して、カム軸28の第2
吸気側動弁カム29I2 には、吸気側ロッカアーム62
に一体に設けられたカムスリッパ63が摺接されるもの
であり、この吸気側ロッカアーム62は、キャリア43
の第2支持部材52と、連結腕49の基部49aとの間
に挟まれるようにして、サンギヤ41の円筒部47で回
動自在に支承される。ところで、第1吸気側動弁カム2
9I1 が機関の低速運転域に対応したカムプロフィルを
有するものであるのに対し、第2吸気側動弁カム29I
2 は、機関の高速運転域に対応したカムプロフィルを有
するものである。
【0030】吸気側ロッカアーム62と、連結腕49の
基部49aとの間には、該ロッカアーム62および連結
腕49すなわちサンギヤ41の連結および連結解除を切
換可能な油圧式の連結切換手段64が設けられる。
【0031】該連結切換手段64は、吸気側ロッカアー
ム62への嵌合を可能として連結腕49の基部49aに
摺動自在に嵌合される連結ピストン65と、該連結ピス
トン65とともに移動することを可能として吸気側ロッ
カアーム62に摺動自在に嵌合される有底円筒状の連動
部材66と、該連動部材66を連結ピストン65側に付
勢するばね力を発揮して連動部材66および吸気側ロッ
カアーム62間に設けられる戻しばね67とを備える。
【0032】前記基部49aには、吸気側ロッカアーム
62側に開口した有底の第1摺動孔68が支軸45の軸
線と平行な軸線を有するようにして設けられており、連
結ピストン65は、第1摺動孔68の閉塞端との間に油
圧室69を形成するようにして第1摺動孔68に摺動自
在に嵌合される。
【0033】また吸気側ロッカアーム62には、第1摺
動孔68と同径である第2摺動孔70と、第2摺動孔7
0との間に環状の段部を形成して第2摺動孔70に同軸
に連なる小径の開放孔71とが、支軸45の軸線と平行
な軸線を有するようにして吸気側ロッカアーム62の両
端間にわたって設けられており、閉塞端を連結ピストン
65に摺接させるようにした連動部材66が第2摺動孔
70に摺動自在に嵌合される。さらに戻しばね67は、
第2摺動孔70および開放孔71間の段部および連動部
材66間に縮設される。
【0034】支軸45には油路72が同軸に設けられて
おり、支軸45、サンギヤ41の円筒部47および連結
腕49の基部49aには、サンギヤ41の回動にかかわ
らず前記油路72を油圧室69に連通させる連通路73
が設けられる。
【0035】前記油路72には制御弁手段95を介して
油圧源96が接続されており、油路72すなわち油圧室
69には、制御弁手段95により高低に切換えられる油
圧の作動油が供給される。また制御弁手段95よりも下
流側で油路72には、油圧が設定圧まで高圧になったこ
とを検出する圧力センサ97が付設されている。
【0036】このような連結切換手段64では、油圧室
69の油圧が低圧であるときには、連結ピストン65お
よび連動部材66の摺接面が連結腕49の基部49aお
よび吸気側ロッカアーム62間に位置しており、連結腕
49すなわちサンギヤ41と、吸気側ロッカアーム62
との相対回動が可能である。しかるに、油圧室69の油
圧が高圧になると、連結ピストン65の一部が戻しばね
67のばね力に抗して連動部材66を押しながら第2摺
動孔70に嵌合することになり、連結腕49の基部49
aおよび吸気側ロッカアーム62が連結ピストン65を
介して連結されて一体に回動作動することになる。而し
て前記圧力センサ97は、連結切換手段64が連結作動
を終了したことを、油路72の油圧が高圧になったこと
をもって検出することになる。
【0037】ところで、連結切換手段64が連結解除状
態にあって吸気側ロッカアーム62と、サンギヤ41と
の連結が解除されているときに、第1吸気側動弁カム2
9I 1 で腕51a,52aが押されることによりキャリ
ア43は、図1の矢印74で示す方向に回動するのであ
るが、両吸気弁VI…およびサンギヤ41には弁ばね2
3…によりたとえば20kgf程度の比較的大きなばね
荷重が作用しているので、リングギヤ42が自由に回動
し得る状態では該リングギヤ42は前記矢印74と同一
方向に自由に回動し、両吸気弁VI…が開閉作動するこ
とはない。しかるに、リングギヤ42の回動位置が制御
されると、その各遊星ギヤ44…が自転してサンギヤ4
1が回動作勤し、両吸気弁VI…が開弁作動することに
なり、リングギヤ42の回動位置を無段階に制御するこ
とにより両吸気弁VI…の最大リフト量および開弁期
間、すなわち作動特性を無段階に変更することができ
る。
【0038】動力伝達手段40のリングギヤ42には、
その外側方に延びる制御腕76が一体に設けられ、該制
御腕76には、該制御腕76すなわちリングギヤ42の
回動位置を無段階に制御する電気式のアクチュエータ7
7が連動、連結される。
【0039】アクチュエータ77は、ハウジング79
と、前記制御腕76に先端を接触せしめるべくハウジン
グ79から突出するロッド78を備えるものであり、ア
クチュエータ77の非作動状態では、ロッド78はその
伸長量を最大とした非作動位置に在り、その非作動位置
から設定範囲内の間で軸方向位置を無段階に変化させる
ようにしてロッド78が軸方向に作動せしめられる。
【0040】このアクチュエータ77は、両吸気弁VI
…を閉弁方向に付勢する弁ばね23…のばね力がサンギ
ヤ41、各遊星ギヤ44…を介してリングギヤ42に作
用し、制御腕76が矢印74で示す方向に付勢されるの
に対し、制御腕76を矢印74で示す方向とは反対方向
から受けて、制御腕76の位置を無段階に変更すること
ができる。而して両吸気弁VI…が或る開度まで開弁し
たときに制御腕76をロッド78で受けるようにしてリ
ングギヤ42の回動位置を制御することができ、両吸気
弁VI…の最大リフト位置もアクチュエータ77で定ま
る制御腕76の位置に制御されることになる。しかもア
クチュエータ77が非作動状態にあるとき、すなわちロ
ッド78が最大限伸長した状態にあるときでも、制御腕
76をロッド78で受けるようにして制御腕76すなわ
ちリングギヤ42の回動位置を所定位置に規制すること
ができる。
【0041】アクチュエータ77のハウジング79は円
筒状に形成されており、このハウジング79には、アク
チュエータホルダ80が固着される。而して各気筒の燃
焼室15…の両側でシリンダヘッド14の支持部14a
…に締結されてロッカアーム軸32および支軸45を固
定的に支持するとともに、前記支持部14a…との間で
カム軸28を回転自在に支承する一対のシャフトホルダ
36,36に、前記アクチュエータホルダ80が取付け
られる。
【0042】図6を併せて参照して、アクチュエータホ
ルダ80は、燃焼室15の両側に配置される一対のシャ
フトホルダ36,36間を跨ぐものであり、該アクチュ
エータホルダ80の一端は、各気筒の配列方向一側に配
置されるシャフトホルダ36の吸気弁VI…側の端部と
ともにボルト81でシリンダヘッド14に共締めされ、
アクチュエータホルダ80の他端は、各気筒の配列方向
他側に配置されるシャフトホルダ36の排気弁VE…側
の端部とともにボルト82でシリンダヘッド14に共締
めされる。
【0043】すなわちアクチュエータホルダ80は、各
気筒の配列方向との間で鋭角をなすようにして両シャフ
トホルダ36,36上に固定される。一方、排気側動弁
装置29Eにおける両排気側ロッカアーム33…間でシ
リンダヘッド14には、斜め上方に延びる挿入筒83の
下端が固着されており、燃焼室15の中央部に臨んでシ
リンダヘッド14にねじ込まれる点火プラグ84を挿入
筒83に挿入し得るのであるが、前記アクチュエータホ
ルダ80には、該挿入筒83に対する点火プラグ84の
挿脱操作に支障を来たすことがないように円弧状の切欠
き部80aが設けられている。
【0044】シリンダヘッド14に締結されるヘッドカ
バー851 の上部には、上方に突出した円筒状のカバー
部86が一体に設けられており、シャフトホルダ36,
36にアクチュエータホルダ80の両端を締結せしめた
アクチュエータ77におけるハウジング79の上部は、
前記カバー部86内に挿入される。
【0045】図5に特に注目して、吸気側ロッカアーム
62の上方に対応する部分でアクチュエータホルダ80
の下面には、吸気側ロッカアーム62のカムスリッパ6
3を第2吸気側動弁カム29I2 に常時接触させる付勢
力を発揮する弾発付勢手段87が設けられており、該弾
発付勢手段87は、上端がアクチュエータホルダ80の
下面に固着されて上下に延びる円筒状のガイド筒88
と、該ガイド筒88に摺動自在に嵌合されるピストン8
9と、該ピストン89を下方に向けて付勢するばね力を
発揮してガイド筒88に収納されるばね90とを備え、
ピストン89から下方に延びるロッド89aの下端が吸
気側ロッカアーム62の上面に接触する。
【0046】図7において、前記アクチュエータ77
と、連結切換手段64の作動すなわち油圧室69の油圧
を高低に切換可能な制御弁手段95の作動は、制御手段
98で制御されるものであり、この制御手段98には、
機関の回転数を検出する回転数センサ99の検出値と、
連結切換手段64の連結作動が終了したことを検出する
圧力センサ97の検出値とが入力される。而して制御手
段98は、両センサ97,99の検出値に基づいて前記
アクチュエータ77および制御弁手段95の作動を制御
することになる。
【0047】而して制御手段98は、機関の低速運転域
でアクチュエータ77を作動せしめるとともに連結切換
手段64を連結解除状態とする第1の制御モードと、機
関の高速運転域でアクチュエータ77を非作動状態とす
るとともに連結切換手段64を連結状態とする第2の制
御モードとを切換えて、アクチュエータ77および連結
切換手段64を制御するものであり、第1の制御モード
から第2の制御モードへの切換時には、図8で示す手順
に従ってアクチュエータ77および連結切換手段64を
制御する。
【0048】図8のステップS1では、回転数センサ9
9で検出される機関回転数NEが、予め設定された第1
の設定回転数N1たとえば3100rpmを超えるか否
かを判断し、NE>N1であったときには、ステップS
2において連結切換手段64を連結作動せしめる信号、
すなわち油路72の油圧を高油圧に制御するように制御
弁手段95を作動せしめる信号を出力する。
【0049】ステップS3では、圧力センサ97が高油
圧を検出したか否か、すなわち連結切換手段64の連結
作動がほぼ終了したか否かを判断し、終了していると判
断したときにステップS4で、アクチュエータ77の作
動を停止する。すなわち、制御手段98は、電気式であ
るアクチュエータ77の作動に比べて切換作動が遅れが
ちとなる油圧式の連結切換手段64の連結作動が終了し
た後に、アクチュエータ77の作動を停止することにな
る。
【0050】また制御手段98は、第2の制御モードか
ら第1の制御モードへの切換時には、図9で示す手順に
従ってアクチュエータ77および連結切換手段64を制
御するものであり、ステップS11では、回転数センサ
99で検出される機関回転数NEが、第1の設定回転数
N1未満となるかどうかを判断し、NE<N1であった
ときには、ステップS12でアクチュエータ77を作動
せしめた後、ステップS13において、機関回転数NE
が第1の設定回転数N1よりも小さな値として予め設定
された第2の設定回転数N2たとえば2900rpm未
満であるか否かを判断し、NE<N2であったときには
ステップS14に進んで、連結切換手段64を連結解除
状態とするための信号を出力する。
【0051】したがって第2の制御モードから第1の制
御モードへの切換時には、アクチュエータ77の作動を
先に開始したの後に、連結切換手段64の連結解除側へ
の作動が開始されることになる。
【0052】しかも第2の制御モードから第1の制御モ
ードへの切換を判断する基準となる第2の設定回転数N
2を、第1の制御モードから第2の制御モードへの切換
を判断する基準となる第1の設定回転数N1よりも小さ
く設定して、ヒステリシスを持たせるようにしており、
これにより第1および第2の制御モードの切換制御にハ
ンチングが生じるのを防止することが可能となる。
【0053】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、吸気側動弁装置31Iにおいて、機関の低速運転
域では制御手段98が第1の制御モードを選択すること
により、連結切換手段64が連結解除状態とされるとと
もにアクチュエータ77が作動せしめられ、動力伝達手
段40におけるリングギヤ42の回動位置をアクチュエ
ータ77で無段階に制御することにより、両吸気弁VI
…の作動特性を無段階にかつ細密に制御することができ
る。
【0054】また機関の高速運転域では、制御手段98
が第2の制御モードを選択することにより、連結切換手
段64が連結状態とされるとともに、アクチュエータ7
7の作動が停止される。これにより、第2吸気側動弁カ
ム29I2 により揺動駆動される吸気側ロッカアーム6
2とともにサンギヤ41が揺動し、両切換え弁VI…が
第2吸気側動弁カム29I2 のカムプロフィルに対応し
た作動特性で開閉作動することになる。
【0055】このように機関の低速運転域では、動力伝
達手段40およびアクチュエータ77を用いて両吸気弁
VI…の作動特性を無段階に変更可能とし、機関の高速
運転域では、第2吸気側動弁カム29I2 で定まる作動
特性で両吸気弁VI…を駆動するようにしたことで、ア
クチュエータ77で必要とされる応答性が機関の低速運
転域に対応したものであればよく、アクチュエータ77
の小型化を図ることが可能となり、電気式のアクチュエ
ータ77での電力消費量の低減を図ることができる。す
なわち、アクチュエータ77の応答性が問題となる高速
運転域では第2の制御モードを選択することにより、第
2吸気側動弁カム29I2 により吸気弁VI…を駆動す
るようにして、アクチュエータ77の作動による問題が
生じることを回避することができる。
【0056】しかも第1の制御モードから第2の制御モ
ードへの切換時には連結切換手段64の連結作動が終了
したことを圧力センサ97で検出した後に電気式のアク
チュエータ77を非作動状態とするので、アクチュエー
タ77の作動に比べて切換作動が遅れがちとなる油圧式
の連結切換手段64の連結作動が終了した後に、アクチ
ュエータ77が非作動状態となるようにし、第2吸気側
動弁カム29I2 による吸気弁VI…の駆動が開始され
る前にアクチュエータ77が非作動状態となることに起
因して吸気弁VI…の作動が乱れてしまうことを防止す
ることができる。一方、第2の制御モードから第1の制
御モードへの切換時には、アクチュエータ77を作動状
態とする信号を出力した後に連結切換手段64を連結解
除状態とするようにしているので、アクチュエータ77
が連結切換手段64の連結解除よりも前に作動状態とな
るようにし、第1吸気側動弁カム29I1 、動力伝達手
段40およびアクチュエータ77による吸気弁VI…の
駆動が開始される前に連結切換手段64が連結解除状態
となることに起因して吸気弁VI…の作動が乱れてしま
うことを防止することができる。
【0057】またアクチュエータ77が、ロッカアーム
軸32および支軸45を固定的に支持してシリンダヘッ
ド14に締結されるシャフトホルダ36,36に取付け
られるので、ヘッドカバーに取付けるようにしたものと
比べて、アクチュエータ77の取付け剛性を向上するこ
とが可能となり、ヘッドカバー851 の着脱作業時に動
力伝達手段40に対するアクチュエータ77の位置がず
れてしまうことはないので、ヘッドカバー851 の着脱
作業が容易となる。
【0058】またアクチュエータ77には、燃焼室15
の両側にそれぞれ配置されるシャフトホルダ36,36
間を跨ぐアクチュエータホルダ80が固定的に設けられ
ており、このアクチュエータホルダ80とシャフトホル
ダ36,36とが、共通のボルト81,82でシリンダ
ヘッド14に締結されるので、両シャフトホルダ36,
36の剛性を増大することができるとともに、部品点数
を少なくしたコンパクトな構造で、アクチュエータ77
をシャフトホルダ36,36に取付けることが可能とな
る。
【0059】さらにアクチュエータホルダ80の一端
が、各気筒の一側に配置される前記シャフトホルダ36
の吸気弁VI…側の端部とともにボルト81でシリンダ
ヘッド14に共締めされ、アクチュエータホルダ80の
他端が、各気筒の他側に配置される前記シャフトホルダ
36の排気弁VE…側の端部とともにボルト82でシリ
ンダヘッド14に共締めされるので、最小の本数である
2本のボルト81,82で両シャフトホルダ36,36
にアクチュエータホルダ80が取付けられることにな
り、着脱作業を容易としたコンパクトな構成でアクチュ
エータ77をシャフトホルダ36,36に取付けること
ができる。
【0060】ところで、動力伝達手段40は、それを構
成する3つの構成要素すなわちサンギヤ41、リングギ
ヤ42およびキャリア43が同一軸線まわりに回動可能
に配置されて成る遊星ギヤ式のものであるので、動力伝
達手段40のコンパクト化すなわち吸気側動弁装置31
Iの小型化を図ることができ、動力伝達手段40を構成
する各構成要素41, 42, 43相互の噛合い連結によ
り、吸気弁VI…の作動特性を正確に制御することが可
能となる。しかも吸気弁VI…にそれぞれ連結される一
対の連結腕48,49間に、リングギヤ42、遊星ギヤ
44…およびキャリア43が配置されるので、動力伝達
手段40をより一層コンパクト化することができる。
【0061】このような動力伝達手段40において、サ
ンギヤ41の回動量に対してキャリア43の回動量は大
幅に小さなものであり、キャリア43がカム軸28の第
1吸気側動弁カム29I に連動、連結され、サンギヤ4
1が吸気弁VI…に連動、連結されるものであるので、
吸気弁VI…で必要とされるリフト量すなわちサンギヤ
41の回動量に対する第1吸気側動弁カム29I1 の大
きさを大幅に小さく設定することが可能である。したが
ってキャリア43が第1吸気側動弁カム29I 1 から受
ける荷重を比較的小さくして動弁負荷の軽減に寄与する
ことが可能となり、キャリア43の腕51a,52aに
支持されたローラ58が第1吸気側動弁カム29I1
ころがり接触するので動弁負荷をより一層低減すること
ができる。さらに第1吸気側動弁カム29I1 が比較的
小さくなることから該動弁カム29I1 の回転に必要な
スペース、ならびにキャリア43の腕51a,52aの
作動に必要なスペースも比較的小さくなり、したがって
吸気側動弁装置31Iを配置する動弁室のコンパクト化
を図ることが可能となる。
【0062】またシリンダヘッド14の上面に形成され
たオイルバス30内のオイル中に吸気側および排気側動
弁カム29I1 ,29I2 ,29E…が浸潰されるの
で、各動弁カム29I1 ,29I2 ,29E…でオイル
をかき上げるようにして、動力伝達手段40の潤滑を十
分に行なうことができる。この際、カム軸28が図1の
反時計方向に回転するものであることにより、各動弁カ
ム29I1 ,29I2 ,29E…でかき上げるオイルを
動力伝達手段40側に有効に飛散せしめ、動力伝達手段
40の潤滑をより効果的に行なうことができる。
【0063】図10は本発明の第2実施例を示すもので
あり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符
号を付す。
【0064】動力伝達手段40′のサンギヤ41には吸
気弁VI…(第1実施例参照)に連結され、リングギヤ
42にはアクチュエータ77(第1実施例参照)が連
動、連結され、キャリア43′には、第1吸気側動弁カ
ム29I1 (第1実施例参照)が連動、連結される。
【0065】キャリア43′は、リング板状の第1およ
び第2支持部材51,52′と、両支持部材51,5
2′に両端が支持される複数の軸53,53…とを有す
るものであり、各軸53,53…で遊星ギヤ44…が回
転自在に支持される。
【0066】しかも第2吸気側動弁カム29I2 (第1
実施例参照)に従動する吸気側ロッカアーム62′と、
キャリア43′の第2支持部材52′との間には、連結
切換手段64′が設けられる。
【0067】該連結切換手段64′は、第2支持部材5
2′への嵌合を可能として吸気側ロッカアーム62′に
摺動自在に嵌合される連結ピストン65と、該連結ピス
トン65とともに移動することを可能として第2支持部
材52′に摺動自在に嵌合される有底円筒状の連動部材
66と、該連動部材66を連結ピストン65側に付勢す
るばね力を発揮して連動部材66および第2支持部材5
2′間に設けられる戻しばね67とを備える。
【0068】吸気側ロッカアーム62′には、第2支持
部材52′側に開口した有底の第1摺動孔100が支軸
45の軸線と平行な軸線を有するようにして設けられて
おり、連結ピストン65は、第1摺動孔100の閉塞端
との間に油圧室101を形成するようにして第1摺動孔
100に摺動自在に嵌合される。
【0069】また第2支持部材52′には、第1摺動孔
100と同径である有底の第2摺動孔102と、第2摺
動孔102の閉塞端部に通じる開放孔103とが設けら
れており、閉塞端を連結ピストン65に摺接させるよう
にした連動部材66が第2摺動孔102に摺動自在に嵌
合される。さらに戻しばね67は、第2摺動孔102の
閉塞端および連動部材66間に縮設される。
【0070】また吸気側ロッカアーム62′、サンギヤ
41の円筒部47および支軸45には、吸気側ロッカア
ーム62′の回動にかかわらず支軸45内の油路72を
油圧室101に連通させる連通路104が設けられる。
【0071】この第2実施例においても、機関の低速運
転域では連結切換手段64′が連結解除状態とされ、ま
た機関の高速運転域では連結切換手段64′が連結状態
とされる。
【0072】而して連結切換手段64′が連結状態とさ
れたときには、第2吸気側動弁カム29I2 により揺動
駆動される吸気側ロッカアーム62′とともにキャリア
43′が揺動する。この際、リングギヤ42は、非作動
状態にあるアクチュエータ77のロッド78(第1実施
例参照)により所定の回動位置に規制されるので、吸気
側ロッカアーム62′とともに揺動するキャリア43′
によりサンギヤ41が回動され、両吸気弁VI…が第2
吸気側動弁カム29I2 のカムプロフィルに対応した作
動特性で開閉作動することになる。
【0073】本発明のさらに他の実施例として、アクチ
ュエータ77を非作動状態とするとともに連結切換手段
64,64′を連結状態とする第2の制御モードを機関
の低速運転域で選択し、アクチュエータ77を作動せし
めるとともに連結切換手段64,64′を連結解除状態
とする第2の制御モードを機関の高速運転域で選択する
ようにしてもよい。そうすれば、バッテリの充電量が比
較的小さくなる機関の低速運転域でアクチュエータ77
によりバッテリの電力を消費することを回避し、アクチ
ュエータ77の作動によりバッテリに悪影響が及ぶこと
を防止することができる。
【0074】上記実施例では、油圧式の連結切換手段6
4,64′の連結作動が終了したことを、油圧を検出す
る圧力センサ97の検出値に基づいて判断するようして
いたが、連結切換手段64,64′を連結作動せしめる
信号を出力してから設定時間が経過するのに応じて連結
切換手段64,64′の連結作動が終了したと判断する
ようにしてもよく、また連結切換手段64,64′にお
ける連結ピストン65や連動部材66の作動を直接検出
するようにして連結切換手段64,64′の連結作動終
了を判断するようにしてもよい。
【0075】また本発明の他の実施例として、制御腕7
6に作用せしめる力が一定ではあるが、制御腕76に力
を作用せしめるタイミングを変更し得るアクチュエータ
を用いることも可能であり、その場合にも、吸気弁VI
…の作動特性を無断階に制御可能である。また動力伝達
手段として、特開平5−33840号公報、特開平5−
79450号公報、特開平5−157149号公報、特
開平6−34005号公報および特開平6−66360
号公報でそれぞれ開示されるような遊星摩擦式の動力伝
達手段(トラクションドライブ)を用いることも可能で
ある。
【0076】また上記実施例では、動弁カム29I1
キャリアが連結され、吸気弁VI…にサンギヤが連結さ
れ、リングギヤにアクチュエータが連結されたが、サン
ギヤ、リングギヤおよびキャリアと、動弁カム、吸気弁
およびアクチュエータとの連結関係は上述の実施例に限
定されるものではない。
【0077】さらに機関弁としての排気弁に本発明を適
用することも可能である。
【0078】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0079】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、第1の制御モードを選択したときには、動力伝達手
段を構成する内輪、外輪およびキャリアのうち2つが、
動弁カムおよび機関弁にそれぞれ連動、連結され、残余
の1つの回動位置がアクチュエータで制御されることに
より、機関弁の作動特性をより細密に制御することが可
能となる。しかも動力伝達手段は、それを構成する内
輪、外輪およびキャリアが同一軸線まわりに回動可能に
配置されて成るものであることにより、動力伝達手段を
コンパクトに纏めることができ、動弁装置の小型化を図
ることができる。また第2の制御モードを選択したとき
には、第2動弁カムにより機関弁を開閉駆動することが
できるので、アクチュエータの作動により問題が生じる
運転域では第2の制御モードを選択することにより、ア
クチュエータの作動による問題が生じることを回避する
ことができる。
【0080】また請求項2記載の発明によれば、第1制
御モードおよび第2制御モードの切換時に機関弁の作動
が乱れてしまうことを防止することができる。
【0081】請求項3記載の発明によれば、アクチュエ
ータで必要とされる応答性を機関の低速運転域に対応し
たものとすることができ、アクチュエータの小型化およ
び小電力化に寄与することができる。
【0082】さらに請求項4記載の発明によれば、バッ
テリの充電量が比較的小さくなる機関の低速運転域でア
クチュエータによりバッテリの電力を消費することを回
避し、アクチュエータの作動によりバッテリに悪影響が
及ぶことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の多気筒内燃機関の要部縦断面図で
ある。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図2の3−3線拡大断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】ヘッドカバーを省略して図1の6−6線矢視方
向から見た平面図である。
【図7】制御系の構成を示すブロック図である。
【図8】第1の制御モードから第2の制御モードへの切
換時の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】第2の制御モードから第1の制御モードへの切
換時の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】第2実施例の図4に対応した断面図である。
【符号の説明】
28・・・カム軸 29I1 ・・・第1動弁カム 29I2 ・・・第2動弁カム 40,40′・・・動力伝達手段 41・・・内輪としてのサンギヤ 42・・・外輪としてのリングギヤ 43,43′・・・キャリア 44・・・遊星回転体としての遊星ギヤ 62,62′・・・ロッカアーム 64,64′・・・連結切換手段 77・・・アクチュエータ 78・・・ロッド 98・・・制御手段 VI・・・機関弁としての吸気弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石黒 哲矢 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 大石 英俊 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の運転状態に応じて機関弁(VI)
    の作動特性を変更可能な内燃機関の動弁装置において、
    軸線まわりに回動し得る内輪(41)と、該内輪(4
    1)と同一軸線まわりの回動を可能として内輪(41)
    を囲繞する外輪(42)と、内輪(41)および外輪
    (42)間に配置される遊星回転体(44)を前記内輪
    (41)および外輪(42)の軸線と平行な軸線まわり
    に回転自在に支持するとともに該遊星回転体(44)の
    前記内輪(41)まわりの公転に連動して回動するキャ
    リア(43,43′)とを構成要素とした動力伝達手段
    (40,40′)を備え、該動力伝達手段(40,4
    0′)の構成要素(41,42,43,43′)のうち
    第1の構成要素(43,43′)がカム軸(28)に設
    けられた第1動弁カム(29I1 )に連動、連結され、
    第2の構成要素(41)が機関弁(VI)に連結され、
    第3の構成要素(42)に、第3の構成要素(42)の
    回動位置を制御可能なアクチュエータ(77)が連結さ
    れ、前記カム軸(28)に設けられた第2動弁カム(2
    9I2 )に従動して前記内輪(41)と同一軸線まわり
    に回動可能なロッカアーム(62,62′)と、前記第
    1および第2の構成要素(43,43′;41)の一方
    との間に、該一方の構成要素を前記ロッカアーム(6
    2)に連結する状態ならびにその連結を解除する状態を
    切換可能な連結切換手段(64,64′)が設けられ、
    前記アクチュエータ(77)および前記連結切換手段
    (64)の作動を制御する制御手段(98)が、前記ア
    クチュエータ(77)を作動せしめるとともに前記連結
    切換手段(64,64′)を連結解除状態とする第1の
    制御モードと、前記アクチュエータ(77)を非作動状
    態とするとともに前記連結切換手段(64,64′)を
    連結状態とする第2の制御モードとを機関の運転状態に
    応じて切換えるべく構成されることを特徴とする内燃機
    関の動弁装置。
  2. 【請求項2】 前記連結切換手段(64,64′)が油
    圧に応じて連結および連結解除状態を切換えるべく構成
    され、前記制御手段(98)は、第1の制御モードから
    第2の制御モードへの切換時には前記連結切換手段(6
    4,64′)の連結作動が終了した後に電気式のアクチ
    ュエータ(77)を非作動状態とする信号を出力し、第
    2の制御モードから第1の制御モードへの切換時には、
    前記アクチュエータ(77)を作動状態とする信号を出
    力した後に前記連結切換手段(64,64′)を連結解
    除状態とする信号を出力すべく構成されることを特徴と
    する請求項1記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段(98)が、機関の低速運
    転域で第1の制御モードを選択し、機関の高速運転域で
    第2の制御モードを選択すべく構成されることを特徴と
    する請求項1または2記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段(98)が、機関の低速運
    転域で第2の制御モードを選択し、機関の高速運転域で
    第1の制御モードを選択すべく構成されることを特徴と
    する請求項2記載の内燃機関の動弁装置。
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