JPH11264219A - 防水工法及び防水構造 - Google Patents
防水工法及び防水構造Info
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- JPH11264219A JPH11264219A JP6657998A JP6657998A JPH11264219A JP H11264219 A JPH11264219 A JP H11264219A JP 6657998 A JP6657998 A JP 6657998A JP 6657998 A JP6657998 A JP 6657998A JP H11264219 A JPH11264219 A JP H11264219A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 施工が容易でありながら、地震や振動などに
より建屋に加えられる歪みによっては容易に破壊するこ
とのない高い防水性と断熱性を持つ防水構造を得る。 【解決手段】 床面等の被防水下地12の上に、下地断
熱材として、剛性を有する板材21と合成樹脂発泡体製
の板状断熱材22とを積層した傾斜勾配を有するもので
あって、該合成樹脂発泡体製の板状断熱材22は、少な
くとも前記剛性を有する板材に面する側に複数の独立し
た突起23したものを貼り付け、その上に防水性シート
30を貼り付ける。板状断熱材22の持つ突起23によ
り、躯体側からの歪みは吸収され、防水性シートに割れ
などの損傷が発生するのが抑制される。
より建屋に加えられる歪みによっては容易に破壊するこ
とのない高い防水性と断熱性を持つ防水構造を得る。 【解決手段】 床面等の被防水下地12の上に、下地断
熱材として、剛性を有する板材21と合成樹脂発泡体製
の板状断熱材22とを積層した傾斜勾配を有するもので
あって、該合成樹脂発泡体製の板状断熱材22は、少な
くとも前記剛性を有する板材に面する側に複数の独立し
た突起23したものを貼り付け、その上に防水性シート
30を貼り付ける。板状断熱材22の持つ突起23によ
り、躯体側からの歪みは吸収され、防水性シートに割れ
などの損傷が発生するのが抑制される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防水工法及び防水構
造に関し、特に、木造住宅のバルコニーや屋上に設置さ
れる床面等の防水工法及び防水構造に関する。
造に関し、特に、木造住宅のバルコニーや屋上に設置さ
れる床面等の防水工法及び防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】木造住宅における防水工法では、その構
成材料と木材の熱膨張率・弾性係数などの差異、木造躯
体の乾燥収縮などにより、仕舞部分に歪みや亀裂が生じ
ることがあり、また微振動や小地震による、仕舞部分・
継ぎ目部分の歪み、疲労が生じることもあり得る。上記
の点が従来より防水計画の際に懸念されており、木造住
宅における防水工事の大型化はなかなか普及をなしえな
かったのが実状である。加えて、従来の根太による現場
施工での水勾配確保は、手間を要する上、精度を確保し
難く、その点も大型化の普及を妨げる要因となってい
た。
成材料と木材の熱膨張率・弾性係数などの差異、木造躯
体の乾燥収縮などにより、仕舞部分に歪みや亀裂が生じ
ることがあり、また微振動や小地震による、仕舞部分・
継ぎ目部分の歪み、疲労が生じることもあり得る。上記
の点が従来より防水計画の際に懸念されており、木造住
宅における防水工事の大型化はなかなか普及をなしえな
かったのが実状である。加えて、従来の根太による現場
施工での水勾配確保は、手間を要する上、精度を確保し
難く、その点も大型化の普及を妨げる要因となってい
た。
【0003】そのような不都合を解消するために、木造
住宅のバルコニーや屋上の防水構造として、例えば図7
に示すように、バルコニーや屋上の床面に配された構造
用合板12a上に、勾配のついた板状の発泡断熱部材5
1と、防水用の軟質ゴム材52と、ゴムシート53と、
ガラス繊維強化樹脂(FRP)製の硬質材56及び不燃
材57を積層し、上記ゴムシート53は、上記軟質ゴム
材52の層の上に互いに間隙を設けて載置され、上記軟
質ゴム材52の層と上記硬質材52の層との間に空隙5
8を形成するようにしたものが知られている(特公平8
−6413号公報参照)。
住宅のバルコニーや屋上の防水構造として、例えば図7
に示すように、バルコニーや屋上の床面に配された構造
用合板12a上に、勾配のついた板状の発泡断熱部材5
1と、防水用の軟質ゴム材52と、ゴムシート53と、
ガラス繊維強化樹脂(FRP)製の硬質材56及び不燃
材57を積層し、上記ゴムシート53は、上記軟質ゴム
材52の層の上に互いに間隙を設けて載置され、上記軟
質ゴム材52の層と上記硬質材52の層との間に空隙5
8を形成するようにしたものが知られている(特公平8
−6413号公報参照)。
【0004】この防水構造によれば、軟質ゴム材52と
ガラス繊維強化樹脂(FRP)製の硬質材56の2層構
造による複合防水構造としたことにより、動的歪みの大
きい木造住宅においても長期にわたり防水効果を発揮し
得る耐久性の高い防水構造が得られることが期待でき
る。さらに、勾配の付いた板状の発泡断熱部材51を用
いたことから、当該発泡断熱部材を敷設するだけで外断
熱方式による建屋の断熱が行われると共に、水勾配も形
成される利点もある。
ガラス繊維強化樹脂(FRP)製の硬質材56の2層構
造による複合防水構造としたことにより、動的歪みの大
きい木造住宅においても長期にわたり防水効果を発揮し
得る耐久性の高い防水構造が得られることが期待でき
る。さらに、勾配の付いた板状の発泡断熱部材51を用
いたことから、当該発泡断熱部材を敷設するだけで外断
熱方式による建屋の断熱が行われると共に、水勾配も形
成される利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平8−641
3号公報に記載の防水構造は、長期にわたり高い防水性
能を果たすものと期待できるが、その施工に際して、板
状の発泡断熱部材51を構造用合板12aの上に敷設
し、次の作業として、防水用の軟質ゴム材52を敷設す
るようにしており、施工作業中に作業者が板状の発泡断
熱部材51の上に不注意に載ってしまい、発泡断熱部材
を損傷させてしまう恐れがある。また、軟質ゴム材52
を敷設した後でも、その上を作業者が歩行したり、ある
いはなんらかの点加重に近い衝撃加重が加えられた場合
に、発泡断熱部材が同様に損傷することが起こりうる。
さらに、防水用の軟質ゴム材52の上に、ゴムシート5
3を介して、ガラス繊維強化樹脂(FRP)製の硬質材
56を敷設するものであり、敷設作業に多くの工程を必
要とする。
3号公報に記載の防水構造は、長期にわたり高い防水性
能を果たすものと期待できるが、その施工に際して、板
状の発泡断熱部材51を構造用合板12aの上に敷設
し、次の作業として、防水用の軟質ゴム材52を敷設す
るようにしており、施工作業中に作業者が板状の発泡断
熱部材51の上に不注意に載ってしまい、発泡断熱部材
を損傷させてしまう恐れがある。また、軟質ゴム材52
を敷設した後でも、その上を作業者が歩行したり、ある
いはなんらかの点加重に近い衝撃加重が加えられた場合
に、発泡断熱部材が同様に損傷することが起こりうる。
さらに、防水用の軟質ゴム材52の上に、ゴムシート5
3を介して、ガラス繊維強化樹脂(FRP)製の硬質材
56を敷設するものであり、敷設作業に多くの工程を必
要とする。
【0006】本発明の目的は、発泡断熱材層の上に、ガ
ラス繊維強化樹脂(FRP)を主構成とする防水層を施
す木造の防水構造において、外部応力による木造躯体の
歪みを緩衝し、防水層及び仕舞部分の亀裂、隙間の発生
を回避することにあり、これにより、長期間安全な大型
の防水計画を木造住宅においても促すことが可能とな
る。
ラス繊維強化樹脂(FRP)を主構成とする防水層を施
す木造の防水構造において、外部応力による木造躯体の
歪みを緩衝し、防水層及び仕舞部分の亀裂、隙間の発生
を回避することにあり、これにより、長期間安全な大型
の防水計画を木造住宅においても促すことが可能とな
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明による防水工法は、基本的に、床面等の被防水
下地の上に、下地断熱材を接着剤により貼り合わせる工
程と、その上に、防水性シートを貼り合わせる工程とを
少なくとも有する防水工法において、前記下地断熱材と
して、剛性を有する板材と合成樹脂発泡体製の板状断熱
材とを積層した傾斜勾配を有するものであって、かつ、
前記合成樹脂発泡体製の板状断熱材は、少なくとも前記
剛性を有する板材に面する側に複数の独立した突起を形
成しており、該突起の先端を介して該剛性を有する板材
に対して接着剤により接着積層されている下地断熱材を
用いることを特徴とする。
の本発明による防水工法は、基本的に、床面等の被防水
下地の上に、下地断熱材を接着剤により貼り合わせる工
程と、その上に、防水性シートを貼り合わせる工程とを
少なくとも有する防水工法において、前記下地断熱材と
して、剛性を有する板材と合成樹脂発泡体製の板状断熱
材とを積層した傾斜勾配を有するものであって、かつ、
前記合成樹脂発泡体製の板状断熱材は、少なくとも前記
剛性を有する板材に面する側に複数の独立した突起を形
成しており、該突起の先端を介して該剛性を有する板材
に対して接着剤により接着積層されている下地断熱材を
用いることを特徴とする。
【0008】また、本発明による防水構造は、基本的
に、床面等の被防水下地の上に接着剤により貼り合わさ
れた下地断熱材と、該下地断熱材の上に接着剤により貼
り合わされた防水性シートとを少なくとも有する防水構
造において、前記下地断熱材として、剛性を有する板材
と合成樹脂発泡体製の板状断熱材とを積層した傾斜勾配
を有するものであって、かつ、前記合成樹脂発泡体製の
板状断熱材は、少なくとも前記剛性を有する板材に面す
る側に複数の独立した突起を形成しており該突起の先端
を介して該剛性を有する板材に対して接着剤により接着
積層されている下地断熱材を用い、前記該合成樹脂発泡
体製の板状断熱材側が接着剤により床面等の被防水下地
に貼り合わされていることを特徴とする。
に、床面等の被防水下地の上に接着剤により貼り合わさ
れた下地断熱材と、該下地断熱材の上に接着剤により貼
り合わされた防水性シートとを少なくとも有する防水構
造において、前記下地断熱材として、剛性を有する板材
と合成樹脂発泡体製の板状断熱材とを積層した傾斜勾配
を有するものであって、かつ、前記合成樹脂発泡体製の
板状断熱材は、少なくとも前記剛性を有する板材に面す
る側に複数の独立した突起を形成しており該突起の先端
を介して該剛性を有する板材に対して接着剤により接着
積層されている下地断熱材を用い、前記該合成樹脂発泡
体製の板状断熱材側が接着剤により床面等の被防水下地
に貼り合わされていることを特徴とする。
【0009】本発明においては、床面等の被防水下地の
上に接着剤により貼り合わされる下地断熱材として、剛
性を有する板材(好ましくは合板あるいは窯業系面材が
用いられる)と合成樹脂発泡体製の板状断熱材を積層し
た、全体として傾斜勾配を有するものであって、前記合
成樹脂発泡体製の板状断熱材は、少なくとも剛性を有す
る板材に面する側に複数の独立した突起を形成してい
て、その突起の先端を介して該剛性を有する板材に接着
剤により接着積層されている構造である下地断熱材を用
いることにより、 (1)該下地断熱材全体を工場で生産することができ、
防水構造施工現場での作業工程を大幅に減少ができる。 (2)破壊あるいは変形しやすい合成樹脂発泡体製の板
状断熱材は、工場で製造された時点で、表面を剛性を有
する板材で覆われているので、運搬中や防水施工中に不
用意に損傷すことはない。 (3)合成樹脂発泡体製の板状断熱材と剛性を有する板
材とは、板状断熱材の表面に一体成形された複数の独立
した突起を介してを接着剤により接着積層されているの
で、建屋に加えられる振動による歪みを該突起部分で吸
収することが可能であり、その上に配置される防水層に
ひび割れ等が生じるのを回避することができる。それに
より、長期にわたり高い防水性と断熱性を維持すること
の可能となる。
上に接着剤により貼り合わされる下地断熱材として、剛
性を有する板材(好ましくは合板あるいは窯業系面材が
用いられる)と合成樹脂発泡体製の板状断熱材を積層し
た、全体として傾斜勾配を有するものであって、前記合
成樹脂発泡体製の板状断熱材は、少なくとも剛性を有す
る板材に面する側に複数の独立した突起を形成してい
て、その突起の先端を介して該剛性を有する板材に接着
剤により接着積層されている構造である下地断熱材を用
いることにより、 (1)該下地断熱材全体を工場で生産することができ、
防水構造施工現場での作業工程を大幅に減少ができる。 (2)破壊あるいは変形しやすい合成樹脂発泡体製の板
状断熱材は、工場で製造された時点で、表面を剛性を有
する板材で覆われているので、運搬中や防水施工中に不
用意に損傷すことはない。 (3)合成樹脂発泡体製の板状断熱材と剛性を有する板
材とは、板状断熱材の表面に一体成形された複数の独立
した突起を介してを接着剤により接着積層されているの
で、建屋に加えられる振動による歪みを該突起部分で吸
収することが可能であり、その上に配置される防水層に
ひび割れ等が生じるのを回避することができる。それに
より、長期にわたり高い防水性と断熱性を維持すること
の可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本
発明による防水工法を木造住宅のバルコニーに適用する
場合の工程途中の状態を上から見て示している。図2は
下地断熱材の構成要素である合成樹脂発泡体製の板状断
熱材を示す斜視図であり、図3は下地断熱材全体を示す
斜視図である。図4は防水施工の途中での断面図であ
り、図5は施工終了時での断面図であり、図6は施工途
中での状態を説明する一部破断した斜視図である。ま
た、図7は従来の防水施工方法による防水構造を説明す
る断面図である。
明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本
発明による防水工法を木造住宅のバルコニーに適用する
場合の工程途中の状態を上から見て示している。図2は
下地断熱材の構成要素である合成樹脂発泡体製の板状断
熱材を示す斜視図であり、図3は下地断熱材全体を示す
斜視図である。図4は防水施工の途中での断面図であ
り、図5は施工終了時での断面図であり、図6は施工途
中での状態を説明する一部破断した斜視図である。ま
た、図7は従来の防水施工方法による防水構造を説明す
る断面図である。
【0011】図1において、a、aは建物本体側の柱で
あり、その側方に適宜の構造枠組みを介してバルコニー
10が構築される。11は周囲の壁部であり、12(図
4〜図6参照)は構造材としての被防水下地である。こ
の被防水下地12の上に、本発明での防水構造が構築さ
れる。
あり、その側方に適宜の構造枠組みを介してバルコニー
10が構築される。11は周囲の壁部であり、12(図
4〜図6参照)は構造材としての被防水下地である。こ
の被防水下地12の上に、本発明での防水構造が構築さ
れる。
【0012】被防水下地12の前方端には、好ましくは
耐溶剤性が改善されたスチレン改質ポリエチレンのビー
ズ型内発泡成形体である排水溝バネル13が配置され、
その両端にはドレン孔14などが開設される。そして、
被防水下地12の残りの部分には、本発明による下地断
熱材20が弾性エポキシ変性型接着剤などの適宜の接着
剤を介して好ましくは点付けで貼着される。図1では、
4枚の下地断熱材20が、その水勾配が前方側(図で左
方側)になるように貼着配置されている。
耐溶剤性が改善されたスチレン改質ポリエチレンのビー
ズ型内発泡成形体である排水溝バネル13が配置され、
その両端にはドレン孔14などが開設される。そして、
被防水下地12の残りの部分には、本発明による下地断
熱材20が弾性エポキシ変性型接着剤などの適宜の接着
剤を介して好ましくは点付けで貼着される。図1では、
4枚の下地断熱材20が、その水勾配が前方側(図で左
方側)になるように貼着配置されている。
【0013】下地断熱材20は、剛性を有する板材21
と合成樹脂発泡体製の板状断熱材22とを好ましくは弾
性エポキシ変性型接着剤により接着積層して形成され
る。剛性を有する板材21は、施工時あるいは施工後に
発生すると予想される上方からの負荷(特に集中負荷)
に耐え得る強度を持つことを条件に、その材料や厚みを
選定すればよいが、好ましくは、合板あるいは無機材料
系の面材である。他に、OSB(オリエンテッド・スト
ランド・ボード)やMDF(ミディアム・デンシティ・
ファイバーボード)のような材料も用いることができ
る。いずれの場合でも厚みは5〜12mm程度で十分で
ある。
と合成樹脂発泡体製の板状断熱材22とを好ましくは弾
性エポキシ変性型接着剤により接着積層して形成され
る。剛性を有する板材21は、施工時あるいは施工後に
発生すると予想される上方からの負荷(特に集中負荷)
に耐え得る強度を持つことを条件に、その材料や厚みを
選定すればよいが、好ましくは、合板あるいは無機材料
系の面材である。他に、OSB(オリエンテッド・スト
ランド・ボード)やMDF(ミディアム・デンシティ・
ファイバーボード)のような材料も用いることができ
る。いずれの場合でも厚みは5〜12mm程度で十分で
ある。
【0014】合成樹脂発泡体製の板状断熱材22は、や
はり、施工時あるいは施工後に発生すると予想される上
方からの負荷に耐え得る強度を持つことを条件に、その
材料や厚みを選定すればよいが、好ましくは、ポリスチ
レンのビーズ型内発泡品などであり、その厚みは30m
m〜50mm程度で十分である。他に、ポリスチレンの
押出発泡品、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアネー
トフォームのような材料も用いることができる。板状断
熱材22には、全体に1/100程度の下り勾配が付け
られると共に、表面側、すなわち、剛性を有する板材2
1に貼着される側の面には、図2に示すように、平面視
で長円状をなす多数の独立した突起23が一体成形され
る。この突起23の高さは板状断熱材22の厚みの半分
程度が好ましいが1/4程度であっても十分に所期の目
的は達成される。また、突起23の形状は上方からの負
荷によって潰れない程度の断面積を持つ形状であればよ
く、平面視で、円形、矩形、多角形などであつてもよ
い。突起と突起の間隔も特に制限はなく、強度を勘案し
て適宜定めればよい。
はり、施工時あるいは施工後に発生すると予想される上
方からの負荷に耐え得る強度を持つことを条件に、その
材料や厚みを選定すればよいが、好ましくは、ポリスチ
レンのビーズ型内発泡品などであり、その厚みは30m
m〜50mm程度で十分である。他に、ポリスチレンの
押出発泡品、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアネー
トフォームのような材料も用いることができる。板状断
熱材22には、全体に1/100程度の下り勾配が付け
られると共に、表面側、すなわち、剛性を有する板材2
1に貼着される側の面には、図2に示すように、平面視
で長円状をなす多数の独立した突起23が一体成形され
る。この突起23の高さは板状断熱材22の厚みの半分
程度が好ましいが1/4程度であっても十分に所期の目
的は達成される。また、突起23の形状は上方からの負
荷によって潰れない程度の断面積を持つ形状であればよ
く、平面視で、円形、矩形、多角形などであつてもよ
い。突起と突起の間隔も特に制限はなく、強度を勘案し
て適宜定めればよい。
【0015】図4に示すように、下地断熱材20は、そ
の下り勾配側先端が排水溝バネル13側となるようにし
て、被防水下地12上に貼り付け施工される。貼り付け
施工された下地断熱材20の上には、防水性シート30
が好ましくは弾性エポキシ変性型接着剤により点付け状
態で接着積層される。防水性シート30は従来このよう
な防水工法において用いられる任意のシートを用い得る
が、この実施の形態では、柔軟性を具備するガラス繊維
強化樹脂成形板31と弾性合成樹脂発泡シート32とを
積層した防水性シート30を、その弾性合成樹脂発泡シ
ート32側を下面側として貼り付けている。なお、この
シート自体は従来公知のものである。
の下り勾配側先端が排水溝バネル13側となるようにし
て、被防水下地12上に貼り付け施工される。貼り付け
施工された下地断熱材20の上には、防水性シート30
が好ましくは弾性エポキシ変性型接着剤により点付け状
態で接着積層される。防水性シート30は従来このよう
な防水工法において用いられる任意のシートを用い得る
が、この実施の形態では、柔軟性を具備するガラス繊維
強化樹脂成形板31と弾性合成樹脂発泡シート32とを
積層した防水性シート30を、その弾性合成樹脂発泡シ
ート32側を下面側として貼り付けている。なお、この
シート自体は従来公知のものである。
【0016】図4に示すように、下地断熱材20とその
上に貼り付けた防水性シート30の先端側の全厚みが、
排水溝バネル13の上面高さとほぼ一致するようにして
おくことは好ましい態様であり、それにより、防水性の
確保が容易となる。図4のようにして下地断熱材20と
防水性シート30とを積層した後で、目地部などにガラ
スクロステープなどを貼り付け、さらに、発泡樹脂が表
面に露出している部分を溶剤に対する耐食性の高いテー
プで被覆し、その上から、全面にポリエステル樹脂に硬
化剤を配合したもののような防水性の高い樹脂溶液をラ
イニングし硬化させることにより、防水施工はほぼ終了
する。その後に、必要に応じて、図5に示すように、樹
脂製ブロックなどの適宜の表面化粧材40が配置され
る。
上に貼り付けた防水性シート30の先端側の全厚みが、
排水溝バネル13の上面高さとほぼ一致するようにして
おくことは好ましい態様であり、それにより、防水性の
確保が容易となる。図4のようにして下地断熱材20と
防水性シート30とを積層した後で、目地部などにガラ
スクロステープなどを貼り付け、さらに、発泡樹脂が表
面に露出している部分を溶剤に対する耐食性の高いテー
プで被覆し、その上から、全面にポリエステル樹脂に硬
化剤を配合したもののような防水性の高い樹脂溶液をラ
イニングし硬化させることにより、防水施工はほぼ終了
する。その後に、必要に応じて、図5に示すように、樹
脂製ブロックなどの適宜の表面化粧材40が配置され
る。
【0017】上記の構成であり、本発明による防水構造
では、床面等の被防水下地12の上に好ましくは弾性接
着剤により貼り合わされる下地断熱材20が、剛性を有
する板材21と合成樹脂発泡体製の板状断熱材22を積
層した、全体として傾斜勾配を有するものであり、該板
状断熱材22の表面には、複数の独立した突起23が多
数形成されているので、地震などの振動により建物に歪
みが生じても、その歪みを該突起23の部分で吸収する
ことが可能となり、その上に配置される防水性シート3
0側にひび割れ等が生じるのを回避することができる。
そのために、長期にわたり高い防水性と断熱性を維持す
ることの可能となる。
では、床面等の被防水下地12の上に好ましくは弾性接
着剤により貼り合わされる下地断熱材20が、剛性を有
する板材21と合成樹脂発泡体製の板状断熱材22を積
層した、全体として傾斜勾配を有するものであり、該板
状断熱材22の表面には、複数の独立した突起23が多
数形成されているので、地震などの振動により建物に歪
みが生じても、その歪みを該突起23の部分で吸収する
ことが可能となり、その上に配置される防水性シート3
0側にひび割れ等が生じるのを回避することができる。
そのために、長期にわたり高い防水性と断熱性を維持す
ることの可能となる。
【0018】また、下地断熱材20全体を工場で生産す
ることができ、防水構造施工現場での作業工程を大幅に
減少ができると共に、破壊あるいは変形しやすい合成樹
脂発泡体製の板状断熱材22は、表面を剛性を有する板
材21で覆われているので、運搬中や防水施工中に不用
意に損傷すこも回避できる。さらに、施工に際して、接
着剤として弾性接着剤を用いて点付けすることにより、
振動による歪みの吸収を一層確実とするとができ、防水
効果はさらに有効となる。
ることができ、防水構造施工現場での作業工程を大幅に
減少ができると共に、破壊あるいは変形しやすい合成樹
脂発泡体製の板状断熱材22は、表面を剛性を有する板
材21で覆われているので、運搬中や防水施工中に不用
意に損傷すこも回避できる。さらに、施工に際して、接
着剤として弾性接着剤を用いて点付けすることにより、
振動による歪みの吸収を一層確実とするとができ、防水
効果はさらに有効となる。
【0019】
【発明の効果】本発明による防水工法及び防水構造によ
れば、施工が容易でありながら、地震や振動などにより
建屋に加えられる歪みによっては容易に破壊することの
ない高い防水性と断熱性を持つベランダやバルコニーな
どを容易に構築することができる。
れば、施工が容易でありながら、地震や振動などにより
建屋に加えられる歪みによっては容易に破壊することの
ない高い防水性と断熱性を持つベランダやバルコニーな
どを容易に構築することができる。
【図1】本発明による防水工法を木造住宅のバルコニー
に適用する場合の工程途中の状態を示す上面図。
に適用する場合の工程途中の状態を示す上面図。
【図2】下地断熱材の構成要素である合成樹脂発泡体製
の板状断熱材を示す斜視図。
の板状断熱材を示す斜視図。
【図3】下地断熱材全体を示す斜視図。
【図4】防水施工の途中での断面図。
【図5】施工終了時での断面図。
【図6】施工途中での状態を説明する一部破断した斜視
図。
図。
【図7】従来の防水施工方法による防水構造を説明する
断面図。
断面図。
10…バルコニー、12…バルコニー、20…バルコニ
ー、21…剛性を有する板材、22…合成樹脂発泡体製
の板状断熱材、23…複数の独立した突起、30…防水
性シート、31…柔軟性を具備するガラス繊維強化樹脂
成形板、32…弾性合成樹脂発泡シート、40…表面化
粧材
ー、21…剛性を有する板材、22…合成樹脂発泡体製
の板状断熱材、23…複数の独立した突起、30…防水
性シート、31…柔軟性を具備するガラス繊維強化樹脂
成形板、32…弾性合成樹脂発泡シート、40…表面化
粧材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三川 憲彦 滋賀県大津市向陽町9−12 (72)発明者 川瀬 泰司 東京都昭島市松原町3−10−26−205 (72)発明者 宮永 克己 茨城県古河市大字三和155 県営5−2− 3
Claims (9)
- 【請求項1】 床面等の被防水下地の上に、下地断熱材
を接着剤により貼り合わせる工程と、その上に防水性シ
ートを貼り合わせる工程とを少なくとも有する防水工法
において、前記下地断熱材として、剛性を有する板材と
合成樹脂発泡体製の板状断熱材とを積層した傾斜勾配を
有するものであって、該合成樹脂発泡体製の板状断熱材
は、少なくとも前記剛性を有する板材に面する側に複数
の独立した突起を形成しており、該突起の先端を介して
該剛性を有する板材に対して接着剤により接着積層され
ている下地断熱材を用いることを特徴とする防水工法。 - 【請求項2】 前記下地断熱材として、剛性を有する板
材が合板又は窯業系面材である下地断熱材を用いること
を特徴とする請求項1記載の防水工法。 - 【請求項3】 前記被防水下地と前記下地断熱材との接
着剤として弾性接着剤を用いることを特徴とする請求項
1記載の防水工法。 - 【請求項4】 前記下地断熱材と前記防水性シートとの
接着剤として弾性接着剤を用いることを特徴とする請求
項1記載の防水工法。 - 【請求項5】 床面等の被防水下地の上に接着剤により
貼り合わされた下地断熱材と、該下地断熱材の上に接着
剤により貼り合わされた防水性シートとを少なくとも有
する防水構造において、前記下地断熱材として、剛性を
有する板材と合成樹脂発泡体製の板状断熱材とを積層し
た傾斜勾配を有するものであって、該合成樹脂発泡体製
の板状断熱材は、少なくとも前記剛性を有する板材に面
する側に複数の独立した突起を形成しており、該突起の
先端を介して該剛性を有する板材に対して接着剤により
接着積層されている下地断熱材を用い、該下地断熱材の
前記合成樹脂発泡体製の板状断熱材側が接着剤により前
記床面等の被防水下地に貼り合わされていることを特徴
とする防水構造。 - 【請求項6】 前記下地断熱材は、剛性を有する板材が
合板又は窯業系面材である下地断熱材であることを特徴
とする請求項5記載の防水構造。 - 【請求項7】 前記被防水下地と前記下地断熱材との接
着剤として弾性接着剤が用いられていることを特徴とす
る請求項5記載の防水構造。 - 【請求項8】 前記下地断熱材と前記防水性シートとの
接着剤として弾性接着剤が用いられていることを特徴と
する請求項5記載の防水構造。 - 【請求項9】 前記被防水下地は表面層として水平に配
置された構造用合板又はALC板を有することを特徴す
る請求項5記載の防水構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06657998A JP3600724B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 防水工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06657998A JP3600724B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 防水工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11264219A true JPH11264219A (ja) | 1999-09-28 |
JP3600724B2 JP3600724B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=13320017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06657998A Expired - Fee Related JP3600724B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 防水工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3600724B2 (ja) |
-
1998
- 1998-03-17 JP JP06657998A patent/JP3600724B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3600724B2 (ja) | 2004-12-15 |
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