JPH08193409A - 繊維強化プラスチックパネル、その接合体および不燃複合繊維強化プラスチックパネル - Google Patents

繊維強化プラスチックパネル、その接合体および不燃複合繊維強化プラスチックパネル

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JPH08193409A
JPH08193409A JP2089295A JP2089295A JPH08193409A JP H08193409 A JPH08193409 A JP H08193409A JP 2089295 A JP2089295 A JP 2089295A JP 2089295 A JP2089295 A JP 2089295A JP H08193409 A JPH08193409 A JP H08193409A
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JP
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fiber
reinforced plastic
panel
frp
layer
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JP2089295A
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English (en)
Inventor
Nobuhito Niimura
能溥人 新村
Koji Kainuma
浩二 貝沼
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YAMATOMI SHOJI KK
Original Assignee
YAMATOMI SHOJI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 断熱及び防水、防湿性に優れた繊維強化プラ
スチック(FRPと記す)パネルを提供する。 【構成】 硬質発泡プラスチック板等の勾配付き下地素
材1の上に周辺部7が中央部8よりも低い段差を有する
FRP層2を形成せしめて一体化してなるFRPパネル
12、その複数のFRPパネル12を周辺部7で接合し
た接合体、及びFRP層2上に不燃材層を形成してなる
不燃複合FRPパネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化プラスチック
パネル、その接合体および不燃複合繊維強化プラスチッ
クパネルに関し、特にベランダ、バルコニー、陸屋根、
床面等の屋外および屋内の平面部に、水等の液体を滞留
させない目的で勾配を設け、その上面に他の材料を介す
ることなく直接繊維強化プラスチック層を形成させ一体
化させた勾配付き繊維強化プラスチックパネル、その接
合体およびそれ等に不燃材を設けた複合繊維強化プラス
チックパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ベランダ、バルコニー、陸屋根、
床面等の屋外および屋内の平面部に防水仕上げの施工を
行なうには、まず勾配を有する下地平面部を作るため
に、第一の工事者が合板等の木材やコンクリート、モル
タルなどを用いて工事を行い下地平面の施工した後、第
二の工事者が液体の侵入を防ぐための層(水にあっては
防水層)として繊維強化プラスチック層を形成する工事
が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
木材やコンクリート、モルタル等を用いた勾配を有する
下地作りでは、労力を要すばかりでなく、ある程度の専
門技能を必要とする。また、コンクリート、モルタルな
どは完全に硬化するまでに所定の養生期間を必要とする
ため、工期が長くなる欠点がある。
【0004】さらに、勾配を有する下地作りの工事者
と、その下地の上面に繊維強化プラスチック層を施工す
る工事者がそれぞれ別々であるため、発注の繁雑さや工
程管理の面倒があり、連絡の不徹底による時間的なロス
も発生している。
【0005】さらに、ベランダ、バルコニー、陸屋根等
の屋外の場合にあっては、雨水によって一旦コンクリー
ト、モルタルなどの勾配を有する下地が濡れてしまった
場合には、完全に乾くまで次の防水工事が行えず工期の
遅れにつながってしまうことが頻繁に発生している。
【0006】本発明は、この様な従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、勾配を有する下地作りと、その上
面にFRP層を形成する工事を単一の工事者が同時に行
えるようにすることによって、様々な時間的ロスや天候
による工期の遅れ、技能不足等を解消しようとするもの
である。
【0007】また、本発明は、断熱及び防水、防湿機能
を有し、かつ水密性や機械的強度に優れた勾配付き繊維
強化プラスチックパネルを提供しようとするものであ
る。また、本発明は、上記の複数の勾配付き繊維強化プ
ラスチックパネルを接合し、広い面積に施行することが
できる、断熱及び防水、防湿機能を有し、かつ水密性や
機械的強度に優れた繊維強化プラスチックパネルの接合
体を提供しようとするものである。
【0008】さらに、本発明は、上記の勾配付き繊維強
化プラスチックパネルの繊維強化プラスチック層上に不
燃材層を形成することにより、不燃性で、かつ断熱及び
防水、防湿機能を有する不燃複合繊維強化プラスチック
パネルを提供しようとするものである。また、本発明
は、下地素材に断熱材を用いることによって、省エネル
ギー性や室内の結露防止機能を付加しようとするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、勾配付
き下地素材の上に繊維強化プラスチック層を形成せしめ
て一体化してなることを特徴とする繊維強化プラスチッ
クパネルである。
【0010】また、本発明は、勾配付き下地素材の上に
未硬化の樹脂を塗布して強化用繊維とともに積層し、樹
脂を硬化させて繊維強化プラスチック層を形成すること
を特徴とする繊維強化プラスチックパネルの製造方法で
ある。
【0011】本発明は、勾配付き下地素材の上に周辺部
が中央部よりも低い段差を有する繊維強化プラスチック
層を形成せしめて一体化してなることを特徴とする繊維
強化プラスチックパネルである。
【0012】また、本発明は、勾配付き下地素材の全面
に未硬化の樹脂を塗布して強化用繊維とともに積層し、
次いで中央部に未硬化の樹脂を塗布して強化用繊維とと
もに積層し、樹脂を硬化させて周辺部が中央部よりも低
い段差を有する繊維強化プラスチック層を形成すること
を特徴とする繊維強化プラスチックパネルの製造方法で
ある。
【0013】本発明は、上記の繊維強化プラスチック層
に周辺部が中央部よりも低い段差を有する、複数個の勾
配が同一の繊維強化プラスチックパネルを勾配が同一方
向となるように配置し、隣接するパネル同志の接合部に
形成されたパネルの中央部よりも低い周辺部に繊維強化
プラスチック層を形成せしめて接合してなることを特徴
とする繊維強化プラスチックパネル接合体である。
【0014】また、本発明は、上記の繊維強化プラスチ
ック層に周辺部が中央部よりも低い段差を有する、複数
個の勾配が同一の繊維強化プラスチックパネルを勾配が
同一方向となるように配置し、隣接するパネル同志の接
合部に形成されたパネルの中央部よりも低い周辺部に、
未硬化の樹脂を塗布して強化用繊維とともに積層し、樹
脂を硬化させて繊維強化プラスチック層を形成せしめて
パネル同志を接合することを特徴とする繊維強化プラス
チックパネル接合体の製造方法である。
【0015】本発明は、勾配付き下地素材の上に繊維強
化プラスチック層を形成せしめ、該繊維強化プラスチッ
ク層上に不燃材層を形成してなることを特徴とする不燃
複合繊維強化プラスチックパネルである。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。図1は、
本発明の繊維強化プラスチック(以下、FRPと記す)
パネルの一例を示す説明図であり、図1(a)は斜視
図、図1(b)はAA線断面図である。同図において、
本発明のFRPパネル11は、勾配付き下地素材1の上
に直接FRP用樹脂を塗布して硬化せしめてFRP層2
を形成し、接着剤等を介することなく、硬質発泡プラス
チック板とFRP層を一体化させてなるFRPパネルで
ある。
【0017】本発明において、勾配付き下地素材1には
硬質発泡プラスチック板を用いるのが好ましい。硬質発
泡プラスチック板には、硬質で発泡した断熱性を有する
プラスチックであれば特に制限はなく使用することがで
きるが、例えばウレタンフォーム、塩化ビニールフォー
ム、アクリルフォーム、スチレン−ポリエチレングラフ
ト混合フォーム、フェノールフォーム、炭化コルク、フ
ォームドグラスなどが挙げられ、それらの中で特にウレ
タンフォーム、塩化ビニールフォーム、アクリルフォー
ム、フェノールフォームが好ましい。
【0018】硬質発泡プラスチック板は、施行面の防水
を良くするために、少なくとも一面に一定の勾配がつく
ように連続して厚さを変化させた平板を使用する。ま
た、下地素材に硬質発泡プラスチック板等の断熱材を用
いることによって、省エネルギー性や室内の結露防止機
能が得られる。
【0019】硬質発泡プラスチック板上に形成するFR
P層は、繊維で強化した樹脂層が用いられるが、用途に
応じて繊維と樹脂の量、繊維と樹脂の種類を適宜組み合
わせて材質を変えることによって、防水、防湿、強度や
柔軟性、耐薬品性など様々な特性を持たせることができ
る。
【0020】繊維としては、例えばガラス繊維、ポリエ
ステル繊維等の有機繊維などが挙げられる。また、FR
P用樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂など
が挙げられる。
【0021】ただし、一般に用いられるFRP用樹脂に
はスチレンモノマーが混入されているため、勾配付き下
地素材がポリスチレン系フォームの場合には溶解してし
まうので、ポリスチレン系フォームを用いる場合には、
スチレンモノマーを含まない不飽和ポリエステル樹脂等
の特別の樹脂を用いる必要がある。
【0022】また、本発明のFRPパネル11の製造方
法は、勾配付き硬質発泡プラスチック板などの下地素材
1の上に未硬化の樹脂を塗布して強化用繊維とともに積
層し、樹脂を硬化させてFRP層2を形成する。
【0023】硬質発泡プラスチック板上にFRP層を形
成する具体的な方法は、一面に一定の勾配を有する硬質
発泡プラスチック板上に直接不飽和ポリエステル樹脂な
どの樹脂を塗布し、次いで直ちにガラス繊維のマットを
敷き込み、さらに不飽和ポリエステル樹脂などの樹脂を
適量塗布して含浸させ、その後脱泡ローラーで気泡を除
去して放置して樹脂を硬化させる。その後、必要に応じ
てトップコート用樹脂を塗布して硬化させてトップコー
ト樹脂層を設けてもよい。トップコート用樹脂には、例
えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂等が用いられる。
【0024】上記の本発明の勾配付きFRPパネルは、
断熱及び防水、防湿機能を有し、かつ水密性や機械的強
度に優れている。
【0025】次に、図2は、本発明のFRPパネルの他
の例を示す説明図であり、図2(a)は斜視図、図2
(b)はBB線断面図である。同図において、本発明の
FRPパネル12は、勾配付き下地素材1の上に周辺部
7が中央部8よりも低い段差を有するFRP層2を形成
せしめて一体化してなるFRPパネルである。
【0026】また、本発明のFRPパネル12の製造方
法は、勾配付き硬質発泡プラスチック板などの下地素材
1の全面に未硬化の樹脂を塗布して強化用繊維とともに
積層してFRP層2aを形成し、次いで中央部8に未硬
化の樹脂を塗布して強化用繊維とともに積層してFRP
層2bを形成し、樹脂を硬化させて周辺部7が中央部8
よりも低い段差を有するFRP層を形成する。
【0027】本発明のFRPパネルは、上記の様な構造
を有するために、施工現場において簡単な切断等の加工
ができ、尚且つ特別な技能を必要としないで勾配を持っ
た下地を作ることができる利点を有し、一般に断熱材と
して用いられている硬質発泡プラスチック類をあらかじ
め勾配をもった形状に加工しておき、このものを施工面
に配置してFRP層を形成するか、または下地素材上に
FRP層を形成せしめてから配置するかして目的の工事
を完了させることができる。
【0028】施工面に対して必要なFRPパネルを形成
せしめる方法は、まず本発明に用いる勾配付き下地素材
のみを、屋外または屋内の平面部に、接着剤、粘着テー
プ等の接着層を介して接着固定するか、もしくは、釘な
どによって機械的に固定して配置する。配置された勾配
付き下地素材の上面に、直接未硬化の樹脂を塗布して強
化用繊維とともに積層し、一定の時間をおいて完全に硬
化させて一体化した勾配付きFRPパネルを得る。
【0029】本発明のFRPパネルは接着剤を使用して
いないが、接着剤を用いないで硬質発泡プラスチック板
などの下地素材とFRP層を一体化することができるの
は、硬質発泡プラスチック板は独立気泡構造を持ってい
るため、その表面は細かな凹凸状を呈しているので、そ
こに、液状のFRP用樹脂が塗布され入り込んで硬化す
るため、その接触面積は非常に大きくなると共に、アン
カー効果も働いて接着強度の向上に役立つ利点があるた
めである。このことは、硬質発泡プラスチック板に液状
の接着剤を塗布した場合にも言えるが、この場合には接
着剤層の上にFRP層を形成する必要があり、このFR
P層と接着剤層とは単純な平面で接着されることになり
アンカー効果は得られない。また、接着剤を使用する
と、接着剤を塗布するという工程が増えるばかりでな
く、別にFRP層のみを作成しておく必要があり大変面
倒な作業となる。
【0030】上記の本発明の勾配付きFRPパネルは、
断熱及び防水、防湿機能を有し、かつ水密性や機械的強
度に優れている。
【0031】次に、図3は、本発明のFRPパネル接合
体の一例を示す説明図であり、図3(a)は斜視図、図
3(b)は部分断面図である。同図において、本発明の
FRPパネル接合体13は、図2に示すFRP層2に周
辺部7が中央部8よりも低い段差を有するFRPパネル
12を接合してなるものであり、複数個の勾配が同一の
FRPパネル12を勾配が同一方向となるように配置
し、隣接するパネル同志の間に形成された接合部9に樹
脂パテ4を充填し、該接合部9に形成されたパネルの中
央部8よりも低い段差を有する周辺部7に接合用FRP
層3を形成せしめてパネルを接合してなるものである。
【0032】接合する複数のFRPパネルは、断面形状
は同一または異なるが、勾配が同一のパネルを用いるこ
とにより、勾配が同一方向となるように接合することが
でき、仕上がり状態の均一化が図られ、品質が安定す
る。
【0033】また、本発明のFRPパネル接合体13の
製造方法は、図2に示すFRP層2に周辺部7が中央部
8よりも低い段差を有する、複数個の勾配が同一のFR
Pパネル12を勾配が同一方向となるように使用面に固
定して配置し、隣接するパネル同志の接合部9に樹脂パ
テ4を充填し、該接合部9に形成されたパネルの中央部
8よりも低い段差を有する周辺部7に、未硬化の樹脂を
塗布して強化用繊維とともに積層し、樹脂を硬化させて
接合用FRP層3を形成せしめてパネル同志を接合す
る。
【0034】上記の様に、本発明の勾配付きFRPパネ
ルを施工面に対して施行し、勾配付きFRPパネル接合
体を形成せしめる方法としては、勾配付き下地素材にあ
らかじめFRP層を塗布・積層・硬化させて図2に示す
FRPパネルを作製しておき、このものを施工現場で前
記方法にて固定配置し、各FRPパネル間の接合部を接
合する。各FRPパネル間の接合方法としては、つなぎ
目に沿って一定幅で新たにFRP層を塗布・積層・硬化
せしめる。
【0035】本発明の勾配付きFRPパネル接合体は、
上記の様に複数の勾配付きFRPパネルを接合し、広い
面積に施行することができると共に、断熱及び防水、防
湿機能を有し、かつ水密性や機械的強度に優れている。
【0036】次に、図4は、本発明の不燃複合FRPパ
ネル14の一例を示す説明図であり、図4(a)は斜視
図、図4(b)はCC線断面図である。同図において、
本発明の不燃複合FRPパネル14は、勾配付き下地素
材1の上にFRP層2を形成せしめ、該FRP層2上に
接着剤または粘着剤6を介して不燃材層5を形成してな
るものである。
【0037】不燃材層5に用いられる不燃材としては、
例えばコンクリート、レンガ、ガラス、岩石、金属、木
毛セメント板、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板等の平
板が挙げられるが、それらの中で特にコンクリート板が
好ましい。
【0038】FRP層2上に不燃材層5を固着する接着
剤または粘着剤6としては、例えばエポキシ樹脂系接着
剤、アクリル樹脂系接着剤、エチレン・酢酸ビニル系接
着剤、合成ゴム系接着剤、ゴム系粘着剤による両面粘着
テープ類などが挙げられるが、それらの中で特にゴム系
粘着剤による両面粘着テープ類が好ましい。
【0039】本発明の不燃複合FRPパネルは、上記の
様に勾配付きFRPパネルのFRP層上に不燃材層を設
けることにより、不燃性で、かつ断熱及び防水、防湿機
能を有する。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0041】実施例1 図1に示す様に、下地素材1として勾配(1/100)
付き硬質ウレタンフォーム板の上に直接不飽和ポリエス
テル樹脂を塗布量600g/m2 をめどに塗布し、次い
で直ちにガラス繊維のマット(#450チョップドスト
ランドマット)を敷き込み、さらに不飽和ポリエステル
樹脂を適量塗布して含浸させる。その後、脱泡ローラー
にて気泡を除去して樹脂が硬化するまで放置してFRP
層2を形成する。その後、不飽和ポリエステル樹脂のト
ップコート用樹脂を塗布して硬化させFRPパネルを得
る。
【0042】この様にして得られたFRPパネルは、断
熱、防水、防湿に優れ、また表面強度があり、機械的な
強度や耐久性に優れている。
【0043】実施例2 1.段差付きFRPパネルの構造 図2において、勾配の度合いが10/910で1辺の長
さが910mm、水下側hの厚さ40mm、水上側Hの
厚さ50mmの硬質ウレタンフォーム(下地素材1)の
上面にFRP層2が直接形成されたパネル構造を有す
る。FRP層は中央部8と周辺部7の厚さが異なり、中
央部8はおよそ3mm、周辺部7はおよそ1.5mmと
段差になっている。この薄いFRP層の周辺部は、約5
0mmの幅でパネルの全周囲にわたって形成されてい
る。
【0044】2.段差付きFRPパネルの製造方法 上記の形状(たて910×よこ910×勾配付き厚さ4
0〜50mm)の硬質ウレタンフォーム(密度0.03
g/cm3 )を用意し、この上面にまず、所定量の硬化
剤(例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド)を混
合したハンドレイアップ用不飽和ポリエステル樹脂を塗
布量600g/m2 をめどに、ウールローラーにて全面
に塗布する。
【0045】次いで、直ちに910×910mmの大き
さのガラス繊維のマット(#450チョップドストラン
ドマット)を敷き込み、さらにその上から塗布量900
g/m2 をめどに不飽和ポリエステル樹脂を塗布して、
ガラス繊維のマットに樹脂を含浸させる。その後、さら
に810×810mmのガラス繊維のマットをパネルの
中央部に敷き込んで、この上からもう一度塗布量900
g/m2 をめどに不飽和ポリエステル樹脂を塗布して含
浸させる。次いで、脱泡ローラーを押し付けながら、中
に混入した気泡を取り除いて作業を終了する。そのまま
一定時間(約1時間)放置して樹脂を硬化させ、勾配付
き硬質ウレタンフォームとFRP層とが一体化した段差
付きFRPパネルを得る。
【0046】実施例3 1.FRPパネル接合体の構造 図3において、本実施例のFRPパネル接合体は、実施
例2の方法で作製した2つ以上のパネルを、FRP層2
を上面にして勾配方向が一定となるように並べ、接合部
9に沿って薄いFRP層の周辺部7の上面にのみ、新た
な接合用FRP層3を形成させてつなぎ合わせた接合体
である。この際、接合された部分とそれ以外の部分との
FRP層の厚みは、ほぼ同一の3mmとなる。
【0047】2.FRPパネル接合体の製造方法 実施例2の方法で作製した2つ以上のパネルを配置し、
パネル同志の接合線に沿って、補強の目的と、生じた隙
間を埋める目的で、硬化剤を混入した樹脂パテ4(不飽
和ポリエステル樹脂:タルク=4:6)をヘラを使って
平らに塗り込んで硬化させる。
【0048】次に、接合部は約100mm幅でFRPの
周辺部の薄い層ができているので、この部分にのみ塗布
量600g/m2 をめどに不飽和ポリエステル樹脂をウ
ールローラーで塗布し、直ちにガラス繊維のマット(#
450チョップドストランドマット)を張り付け、その
上から更に塗布量600g/m2 をめどに不飽和ポリエ
ステル樹脂を塗布してガラス繊維のマットに含浸させ
る。その後、脱泡ローラーにて混入した気泡を除去し、
作業を終了する。一定時間放置して樹脂を硬化させ、F
RPパネル接合体を得る。
【0049】実施例4 1.不燃複合FRPパネルの構造 図4において、本実施例の不燃複合FRPパネルは、実
施例1,2及び3によって予め作られたパネルのFRP
層2の上面に、ゴム系両面粘着テープ層(粘着剤6)を
介してコンクリートブロック板(不燃材層5)を接着せ
しめた不燃材複合パネルである。
【0050】2.不燃複合FRPパネルの製造方法 不燃材との複合化は、予め施工面にFRPパネルが配置
・接合され、必要とする連続したFRP層を形成せしめ
て後、行われる。パネルのFRP層2の上面に、幅10
0mmのゴム系両面粘着テープ(粘着剤6)を303m
mの間隔で貼り付ける。粘着テープの中心にコンクリー
トブロック板どうしの端部がくるように上から押し付け
て貼っていき、全体に隙間がないように敷き詰める。ゴ
ム系両面粘着テープは厚さ1〜2mm程度、コンクリー
トブロックの形状は303×303×25mmである。
【0051】上記の実施例において、本発明の勾配下地
素材として用いる硬質発泡プラスチック類は、一般に軽
量かつ切断等の加工が容易であるため、特別な技能、経
験を必要とせず、また電動ノコギリなどの工具も必要と
しない。それゆえ、ごく短時間での施工が可能である。
ただし、FRP層とのユニット化したFRPパネルを切
断する際には電動工具の使用が望ましい。
【0052】また、本発明のFRPパネル、その接合体
および不燃複合FRPパネルは、防水工事と同時に下地
を作ることになるため、雨水による漏れを心配する必要
がなく、工期の遅れが発生しない。さらに、本発明のF
RPパネル及びその接合体を用いれば、FRP積層部を
形成するための作業が一部軽減されるため、作業時間が
短縮化されるばかりでなく、仕上がり品の品質がより安
定化される。
【0053】また、従来の合板、モルタル等を用いた下
地作りに比べて、単位面積当たりの荷重が低減されるた
め、建築物の荷重に対する構造設計が容易となる。ま
た、防水工事者自らが下地作りを行うため、それまで下
地作りと防水工事とを別々の業者に発注しなければなら
なかったものが単純化され、工期の短縮化に効果的であ
る。
【0054】さらに、本発明のような接合方法を用いれ
ば、仕上がり面が平滑となるため、外観が良好であるば
かりでなく、部分的に液体の流れを妨げてしまうような
不陸の発生が軽減される。また、勾配付き下地素材は断
熱性能を有するため、建物の省エネルギー性が高まり、
尚且つ室内の結露防止にも有効である。本発明の不燃複
合FRPパネルは、FRP層上に不燃材層を設けること
により、不燃性で、かつ断熱及び防水、防湿機能を有す
る。
【0055】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下のような効果を有する。本発明は、勾
配を有する下地作りと、その上面にFRP層を形成する
工事を単一の工事者が同時に行えるようになるので、様
々な時間的ロスや天候による工期の遅れ、技能不足等を
解消できる。
【0056】本発明の勾配付きFRPパネルは、断熱及
び防水、防湿機能を有し、かつ水密性や機械的強度に優
れている。本発明のFRPパネルの接合体は、上記の複
数の勾配付きFRPパネルを接合し、広い面積に施行す
ることができ、また断熱及び防水、防湿機能を有し、か
つ水密性や機械的強度に優れている。
【0057】さらに、本発明の不燃複合FRPパネル
は、上記の勾配付きFRPパネルのFRP層上に不燃材
層を形成することにより、不燃性で、かつ断熱及び防
水、防湿機能を有する。また、本発明は、下地素材に断
熱材を用いることによって、省エネルギー性や室内の結
露防止機能を付加できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFRPパネルの一例を示す説明図であ
る。
【図2】本発明のFRPパネルの他の例を示す説明図で
ある。
【図3】本発明のFRPパネル接合体の一例を示す説明
図である。
【図4】本発明の不燃複合FRPパネルの一例を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 下地素材 2 FRP層 3 接合用FRP層 4 樹脂パテ 5 不燃材層 6 接着剤または粘着剤 7 周辺部 8 中央部 9 接合部 11 FRPパネル 12 FRPパネル 13 FRPパネル接合体 14 不燃複合FRPパネル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 勾配付き下地素材の上に繊維強化プラス
    チック層を形成せしめて一体化してなることを特徴とす
    る繊維強化プラスチックパネル。
  2. 【請求項2】 前記下地素材が硬質発泡プラスチック板
    である請求項1記載の繊維強化プラスチックパネル。
  3. 【請求項3】 勾配付き下地素材の上に未硬化の樹脂を
    塗布して強化用繊維とともに積層し、樹脂を硬化させて
    繊維強化プラスチック層を形成することを特徴とする繊
    維強化プラスチックパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 勾配付き下地素材の上に周辺部が中央部
    よりも低い段差を有する繊維強化プラスチック層を形成
    せしめて一体化してなることを特徴とする繊維強化プラ
    スチックパネル。
  5. 【請求項5】 前記下地素材が硬質発泡プラスチック板
    である請求項4記載の繊維強化プラスチックパネル。
  6. 【請求項6】 勾配付き下地素材の全面に未硬化の樹脂
    を塗布して強化用繊維とともに積層し、次いで中央部に
    未硬化の樹脂を塗布して強化用繊維とともに積層し、樹
    脂を硬化させて周辺部が中央部よりも低い段差を有する
    繊維強化プラスチック層を形成することを特徴とする繊
    維強化プラスチックパネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の複数個の勾配が同一の繊
    維強化プラスチックパネルを勾配が同一方向となるよう
    に配置し、隣接するパネル同志の接合部に形成されたパ
    ネルの中央部よりも低い周辺部に繊維強化プラスチック
    層を形成せしめて接合してなることを特徴とする繊維強
    化プラスチックパネル接合体。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の複数個の勾配が同一の繊
    維強化プラスチックパネルを勾配が同一方向となるよう
    に配置し、隣接するパネル同志の接合部に形成されたパ
    ネルの中央部よりも低い周辺部に、未硬化の樹脂を塗布
    して強化用繊維とともに積層し、樹脂を硬化させて繊維
    強化プラスチック層を形成せしめてパネル同志を接合す
    ることを特徴とする繊維強化プラスチックパネル接合体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 勾配付き下地素材の上に繊維強化プラス
    チック層を形成せしめ、該繊維強化プラスチック層上に
    不燃材層を形成してなることを特徴とする不燃複合繊維
    強化プラスチックパネル。
  10. 【請求項10】 前記下地素材が硬質発泡プラスチック
    板である請求項9記載の繊維強化プラスチックパネル。
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