JPH11264068A - 真空蒸着用素材及び蒸着薄膜 - Google Patents

真空蒸着用素材及び蒸着薄膜

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JPH11264068A
JPH11264068A JP8500498A JP8500498A JPH11264068A JP H11264068 A JPH11264068 A JP H11264068A JP 8500498 A JP8500498 A JP 8500498A JP 8500498 A JP8500498 A JP 8500498A JP H11264068 A JPH11264068 A JP H11264068A
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JP
Japan
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film
vapor deposition
thin film
vacuum
vacuum deposition
Prior art date
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Pending
Application number
JP8500498A
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English (en)
Inventor
Masaaki Matsushima
正明 松島
Kenji Ando
謙二 安藤
Minoru Otani
実 大谷
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Riyuuji Hiroo
竜二 枇榔
Hidehiro Kanazawa
秀宏 金沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に高屈折率の光学薄膜を蒸着(成膜)
するとき、その成分(組成)を適切に構成することによ
り、再現性良く、物理的及び化学的に安定した膜が得ら
れるレンズ、プリズム、ミラー、フィルター等の光学部
品に好適な真空蒸着用素材及び蒸着薄膜を達成するこ
と。 【解決手段】 真空中で基体に蒸着する為の真空蒸着用
素材であって、その組成がLaTi(1+x)(3-y)
(0<x≦0.2,0.3≦y≦0.7)である化合物
又は混合物であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空蒸着用素材及
び蒸着薄膜に関し、例えばレンズ、プリズム、ミラー、
フィルター等の反射防止、反射増加、ビームスプリッタ
ー等の光学薄膜材料として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より真空中において基板上に蒸着に
よって高屈折率の薄膜(光学薄膜)を形成し、反射防止
や増加、そして基板保護等を行っている。このとき基板
上に蒸着する真空蒸着用素材が種々と提案されている。
【0003】例えば特開平6−235803号公報で
は、屈折率が1.8以上の高屈折率を持った光学薄膜を
得るためにLa2 Ti27 の化合物(材料)を用いた
ものを提案している。
【0004】又、この材料に代わるものとしてLaTi
3 が使用されている。これらの材料は構成素材である
La23 およびTiO2 の蒸気圧がお互いに大きく違
うにもかかわらず基板上に成膜された膜の組成は大略、
出発素材の化合量論比になっている。しかし、これらの
材料は希土類であるLaが含まれているために大気中で
の安定性に問題がある。すなわち、蒸着用素材を大気中
に放置しておくと大気中の水分を吸収して、成膜時に膜
に対して有害なガスを大量に発生するために、成膜の再
現性に問題を生じている。又、成膜した膜を大気中に放
置しておくと、蒸着用素材と同様に吸湿して膜特性が変
化していってしまうばかりでなく、はなはだしい場合に
は白濁、膜剥がれが発生する。この他大気中での化学的
な安定性に問題が生じる。これは蒸着素材および成膜さ
れた膜中に遊離したLa23 が存在しており、このL
23 が大気中の水分と反応し酸化物から変化するた
めに起因している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、屈折率
が1.8以上の高屈折率を有した光学薄膜を基板上に蒸
着(成膜)するとき、大気中においても安定な光学薄膜
が得られない原因の1つは遊離したLa23 が成膜さ
れた膜中に存在することによる。即ち、成膜された後の
光学薄膜の膜中のLa23 とTiO2 との量が化学量
論比になるように蒸発原料を調合しなければならない
が、成膜中の種々のプロセス条件の後でも成膜後のLa
23 とTiO2 とが一定になっていなければならない
が、これらの物質は蒸気圧が異なっているために、これ
は事実上大変難しいことである。又、成膜中の基板を加
熱して膜材料を結晶化させることはプラスチックのよう
な有機物の基板に対しては困難である。
【0006】本発明は、基板上に高屈折率の光学薄膜を
蒸着(成膜)するとき、その成分(組成)を適切に構成
することにより、再現性良く、物理的及び化学的に安定
した膜が得られるレンズ、プリズム、ミラー、フィルタ
ー等の光学部品に好適な真空蒸着用素材及び蒸着薄膜の
提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の真空蒸着用素材
は、 (1-1) 真空中で基体に蒸着する為の真空蒸着用素材であ
って、その組成がLaTi(1+x)(3-y) ,(0<x≦
0.2,0.3≦y≦0.7)である化合物又は混合物
であることを特徴としている。
【0008】(1-2) 真空中で基体に蒸着する為の真空蒸
着用素材であって、その組成がLa2 Ti2(1+x)
(7-y) ,(0<x≦0.2,0.3≦y≦0.7)であ
る化合物又は混合物であることを特徴としている。
【0009】(1-3) 真空中で基板に蒸着する為の希土類
元素とTiを含んだ真空蒸着用素材であって希土類元素
(RE)1に対してTiが 1<Ti/RE≦1.2 含まれていることを特徴としている。
【0010】本発明の蒸着薄膜は、 (2-1) 基板上にLaTiO3 とLa2 Ti27 とを蒸
着する光学用の蒸着薄膜であって、TiとLaとの比T
i/Laが 1<Ti/La≦1.2 を満足するように設定していることを特徴としている。
【0011】(2-2) 真空中で基板に蒸着する為の希土
類元素とTiを含んだ蒸着薄膜であって希土類元素(R
E)1に対してTiが 1<Ti/RE≦1.2 含まれていることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】本実施形態における真空蒸着用素
材は、蒸発原料のLaとTiとの比を制御することによ
り基板上に蒸着している。特に、本発明の真空蒸着用素
材は蒸着された膜中のLaとTiとの比をTi/Laを
1以上にしている。La23 とTiO2 との化合物又
は混合物は、La2 Ti(2+2x)(7-y) ,(0<x≦
0.2,0.3≦y≦0.7)とかLaTi(1+x)
(3-y) ,(1<1+x≦1.2,y=0.3〜0.7)
という組成に調合した蒸着素材を使用すると、できた膜
の組成は化学量論比にごく近い組成になっている。しか
し、すでに述べたように、この素材を保管していると大
気中から吸湿して、狙った特性の膜を再現性良く製造す
ることができない。又、この膜を大気中に放置すると、
大気中の水分を吸収して膜特性が変化していってしま
い、はなはだしい場合には白濁、膜剥がれが発生する。
【0013】本発明では、以上のような問題点を蒸着素
材のTiの量を化学量論比よりも多くすることにより解
決することを解明した。即ち、蒸着素材の組成をTi/
Laの比が1.00より大きく1.20より小になるよ
うに調合し、水分と結合しやすいLa23 を安定なT
iの複合酸化物に変え、更に安定性を確実にするために
Tiの酸化物のみを蒸着素材の中に散在させることによ
り非常に安定で再現性の良い蒸着素材を得ている。この
場合、TiがLaよりも例えば1%でも多ければ良好な
る特性が得られることを確認した。更にこの蒸着素材を
使用して成膜すると、成膜のプロセスが安定し再現性の
良い膜ができるばかりでなく、大気中でも安定な膜を得
ることができる。しかし、Ti成分が多くなり過ぎると
光学特性(屈折率)が大きくなり設計した膜特性とかけ
離れるためTi/Laの比は1.20よりも大きくなら
ないようにするのが良い。
【0014】特に本実施形態では、希土類元素、例えば
Laの他にGd(ガトリニウム)、Y(イットリウ
ム)、Sc(スカンジウム)、Lu(ルテニウム)、D
y(ジスプロニウム)、とTiを含んだ真空蒸着用素材
として希土類元素(RE)1に対してTiが1より大き
く1.2より少なくすることにより良好なる特性を得て
いる。
【0015】以下、本発明の各実施例に基づいて説明す
る。
【0016】(実施例1)大気中800℃にて4時間熱
処理したLa23 を3/2モルとTiO2 を3.1モ
ルとをイソプロピールアルコールとともに3時間ボール
ミルをした。それを乾燥した後、直径25mm厚さ15
mmにプレス成形したものを950℃にて大気中にて8
時間焼成した。このようにして造ったペレットの1つを
80℃95%RHに48時間放置した。ペレットの形は
崩れず、そのままの状態であった。
【0017】もう1つのペレットを使って真空蒸着機に
よりガラスの上に成膜した。この膜を80℃95%RH
に48時間放置したが、膜の屈折率は変化せず、また膜
剥れも発生しなかった。
【0018】(実施例2)La23 を3モルとTiO
2 を3.2モルとして、他は実施例1と同じ条件にて実
施した。ペレットの放置試験においてはペレットの形は
崩れず、又、膜の放置試験の結果は膜の屈折率は変化せ
ず、又、白濁、膜剥れは発生しなかった。
【0019】次に、表−1に各実施例と従来例の組成及
び各試験の結果を示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、基板上に
高屈折率の光学薄膜を蒸着(成膜)するとき、その成分
(組成)を適切に構成することにより、再現性良く、物
理的及び化学的に安定した膜が得られるレンズ、プリズ
ム、ミラー、フィルター等の光学部品に好適な真空蒸着
用素材及び蒸着薄膜を達成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 枇榔 竜二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金沢 秀宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中で基体に蒸着する為の真空蒸着用
    素材であって、その組成がLaTi(1+x)(3-y)
    (0<x≦0.2,0.3≦y≦0.7)である化合物
    又は混合物であることを特徴とする真空蒸着用素材。
  2. 【請求項2】 真空中で基体に蒸着する為の真空蒸着用
    素材であって、その組成がLa2 Ti2(1+x)(7-y)
    (0<x≦0.2,0.3≦y≦0.7)である化合物
    又は混合物であることを特徴とする真空蒸着用素材。
  3. 【請求項3】 真空中で基板に蒸着する為の希土類元素
    とTiを含んだ真空蒸着用素材であって希土類元素(R
    E)1に対してTiが 1<Ti/RE≦1.2 含まれていることを特徴とする真空蒸着用素材及び膜。
  4. 【請求項4】 基板上にLaTiO3 とLa2 Ti2
    7 とを蒸着する光学用の蒸着薄膜であって、TiとLa
    との比Ti/Laが 1<Ti/La≦1.2 を満足するように設定していることを特徴とする蒸着薄
    膜。
  5. 【請求項5】 真空中で基板に蒸着する為の希土類元素
    とTiを含んだ蒸着薄膜であって希土類元素(RE)1
    に対してTiが 1<Ti/RE≦1.2 含まれていることを特徴とする蒸着薄膜。
JP8500498A 1998-03-16 1998-03-16 真空蒸着用素材及び蒸着薄膜 Pending JPH11264068A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6756137B2 (en) * 2000-12-29 2004-06-29 Merck Patent Gmbh Vapor-deposition material for the production of high-refractive-index optical layers, and process for the production of the vapor-deposition material
KR20100136919A (ko) 2009-06-19 2010-12-29 캐논 옵트론 가부시키가이샤 박막 형성용 조성물 및 광학 박막

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6756137B2 (en) * 2000-12-29 2004-06-29 Merck Patent Gmbh Vapor-deposition material for the production of high-refractive-index optical layers, and process for the production of the vapor-deposition material
KR20100136919A (ko) 2009-06-19 2010-12-29 캐논 옵트론 가부시키가이샤 박막 형성용 조성물 및 광학 박막

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