JPH1126307A - アルミ電解コンデンサ - Google Patents

アルミ電解コンデンサ

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JPH1126307A
JPH1126307A JP9181067A JP18106797A JPH1126307A JP H1126307 A JPH1126307 A JP H1126307A JP 9181067 A JP9181067 A JP 9181067A JP 18106797 A JP18106797 A JP 18106797A JP H1126307 A JPH1126307 A JP H1126307A
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裕之 松浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温−高湿環境下での電解液の漏出を特殊な
ブチルゴム封口材を用いることなく容易に改善すること
ができる信頼性の高いアルミ電解コンデンサを提供する
ことを目的とするものである。 【解決手段】 陰極のリード引き出し部の電解液と接触
する部分および陰極用のアルミニウム箔の表面に、アル
ミニウムの化合物以外の被覆層を設けることなく、陰極
用のアルミニウム箔の電解液中における自然電位E1
と、陰極のリード引き出し部の電解液と接触する部分の
電解液中における自然電位E2との電位差E2−E1を
−0.60Vから0.60Vの範囲としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に利用
されるアルミ電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアルミ電解コンデンサは、帯状の
アルミニウム箔に化学的あるいは電気化学的にエッチン
グ処理を施して、アルミニウム箔の表面積を拡大させる
とともにこのアルミニウム箔にほう酸アンモニウム等の
化成液中で化成処理を施して表面にアルミニウムの酸化
物層を形成した陽極用のアルミニウム箔と、エッチング
処理のみを施した陰極用のアルミニウム箔とを、その間
にマニラ繊維等からなるセパレータを介在させて巻回す
ることによりコンデンサ素子を構成している。そして、
このコンデンサ素子は、電解コンデンサ駆動用の電解液
を含浸させた後、アルミニウム等からなる開口部を有す
る有底の外装ケースに収納し、そして外装ケースの開口
部には合成ゴムを含有する封口部材を装着し、絞り加工
等により外装ケースを密閉している。
【0003】陽極用のアルミニウム箔と陰極用のアルミ
ニウム箔には、それぞれの極を外部に引き出すためのリ
ード引き出し部がステッチ、超音波溶接等の手段により
接続されている。そしてこれらのリード引き出し部はア
ルミニウムからなる丸棒部と電極箔に当接する接続部か
らなり、さらに丸棒部の先端には半田付け可能な金属か
らなる外部接続部が溶接等の手段で固着されている。
【0004】コンデンサ素子に含浸される電解コンデン
サ駆動用の電解液には、電解コンデンサの性能によって
種々のものが使用されることが知られている。その中で
も、導電率が高く低温特性が良好でありかつ熱的安定性
に優れる電解液としては、γ−ブチロラクトンを含有す
る溶媒に電解質としてテトラアルキルアンモニウムを塩
基成分としカルボン酸を酸成分とする塩、いわゆる第4
級アンモニウム塩を溶解させたものが知られている(特
開昭62−264615号公報参照)。
【0005】また最近では、同様の性能を有する電解液
として、γ−ブチロラクトンを含有する溶媒に、電解質
としてアルキル置換アミジン基を有する塩基を塩基成分
としカルボン酸を酸成分とする塩、いわゆるアミジン塩
を溶解させたものが知られている(再公表特許 国際公
開番号WO95/15572)。
【0006】陰極用のアルミニウム箔に接続されるリー
ド引き出し部の電解液と接する丸棒部と接続部に使用さ
れるアルミニウムは、材料コスト的な観点から純度9
9.97%未満のものが選定されて使用されることがほ
とんどである。
【0007】陰極用のアルミニウム箔に接続されるリー
ド引き出し部の特殊な処理方法としては、前記第4級ア
ンモニウム塩を溶解した電解液の電解化学的な変質によ
る電解液の外部への漏出を防止する目的で、純度99%
のアルミニウムからなるリード引き出し部を化成処理に
より絶縁化し、電気的にリード引き出し部分を隔離する
工夫がなされたもの(特開平8−264392号公報)
が知られている。
【0008】また、陰極用のアルミニウム箔の特殊な処
理方法としては、同様に第4級アンモニウム塩を溶解し
た電解液の電気化学的な変質による電解液の外部への漏
出を防止する目的で、チタンやジルコニウムなどの窒化
物層を陰極用のアルミニウム箔上に形成し、意図的に陰
極用のアルミニウム箔の自然電位を、陰極用のアルミニ
ウム箔に接続されたリード引き出し部の電解液と接触す
る部分の自然電位より貴な側に変化させることにより、
陰極用のアルミニウム箔と電気的に接するリード引き出
し部の電解液と接触する部分との間で形成される局所電
池のカソードを、リード引き出し部の電解液と接触する
部分ではなく、陰極用のアルミニウム箔側へ変位させる
工夫がなされたもの(特開平8−264392号公報)
が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した第4級アンモ
ニウム塩を溶解させた電解液は導電率が高く低温特性が
良好でありかつ熱的安定性に優れているが、電気化学的
な変質により封口体における陰極引き出し用のリード線
を外部に導出させるための貫通孔から電解液が漏れ出や
すいという傾向がある。そのため、この電解液を用いた
アルミ電解コンデンサは電気的な性能に優れる反面、電
解液が漏れ出ることにより、このコンデンサが実装され
た機器のプリント基板を汚染する場合があった。
【0010】アミジン塩を溶解させた電解液は、前述し
た第4級アンモニウム塩の問題点を改善することによっ
て電解液の漏れ出やすさを大幅に改良したものであり、
高温環境下での電解液の漏出は改善できたものの、より
過酷な高温−高湿複合環境下での長時間に及ぶ信頼性試
験において電解液の漏出の抑制を実用十分たらしめるた
めには、特殊な加硫方法と特殊な充填材を配合したブチ
ルゴムを使用してコンデンサを構成しなければならず、
したがって、汎用的でない上コンデンサのコストが高い
という問題点があった。
【0011】また、リード引き出し部の特殊な処理方法
として、第4級アンモニウム塩を溶解した電解液の電解
化学的な変質による外部への漏出を防止する目的でリー
ド引き出し部を絶縁化する方法においては、アルミニウ
ムの化合物以外の絶縁層を被覆する方法を用いる場合に
は製造プロセス上の工程数と管理点が増えることにより
コンデンサがコスト高となり、また量産性も欠くという
問題点があった。また、リード引き出し部のアルミニウ
ムを酸化処理する方法を用いる場合には、絶縁層として
完全なものである酸化物層を形成することは困難であ
り、この場合、酸化物層の欠陥部を通じて漏れ電流が流
れるために、電解液の電気化学的な変質を抑制する手段
としては十分ではない。
【0012】また、陰極用のアルミニウム箔の特殊な処
理方法としてチタンやジルコニウムなどの窒化物層を陰
極用のアルミニウム箔上に形成し、意図的に陰極用のア
ルミニウム箔の自然電位を陰極のリード引き出し部の電
解液と接触する部分の自然電位より貴な側に変化させる
ことにより、陰極用のアルミニウム箔と、この陰極用の
アルミニウム箔に接続されたリード引き出し部の電解液
と接触する部分との間で形成される局所電池のカソード
を、リード引き出し部の電解液と接触する部分ではなく
陰極用のアルミニウム箔側へ変化させる方法も被覆層を
構成する貴金属が高価である上、金属窒化物を陰極箔上
に被覆させる装置も特殊かつ高価であり量産性とコスト
に問題がある。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、高温−高湿環境下での電解液の漏出を特殊なブチル
ゴム封口材を用いることなく容易に改善することができ
る信頼性の高いアルミ電解コンデンサを提供することを
目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のアルミ電解コンデンサは、リード引き出し部
を接続するとともに、表面に誘電体としてアルミニウム
酸化物層を形成したアルミニウム箔を陽極とし、リード
引き出し部を接続したアルミニウム箔を陰極として、こ
れらの陽極と陰極とをその間にセパレータを介在させて
巻回することにより構成されたコンデンサ素子と、この
コンデンサ素子に含浸される電解液と、前記コンデンサ
素子を収納する有底の外装ケースと、この外装ケースの
開口部を封口する封口部材とを備え、前記陰極用のアル
ミニウム箔の電解液中における自然電位E1と、陰極の
リード引き出し部の電解液と接触する部分の電解液中に
おける自然電位E2との電位差E2−E1を−0.60
Vから0.60Vの範囲にし、かつ陰極のリード引き出
し部の電解液と接触する部分および陰極用のアルミニウ
ム箔の表面に、アルミニウムの化合物以外の被覆層を設
けないようにしたもので、この構成によれば、高温−高
湿環境下での電解液の漏出を特殊なブチルゴム封口材を
用いることなく容易に改善することができる信頼性の高
いアルミ電解コンデンサを得ることができるものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、リード引き出し部を接続するとともに、表面に誘電
体としてアルミニウム酸化物層を形成したアルミニウム
箔を陽極とし、リード引き出し部を接続したアルミニウ
ム箔を陰極として、これらの陽極と陰極とをその間にセ
パレータを介在させて巻回することにより構成されたコ
ンデンサ素子と、このコンデンサ素子に含浸される電解
液と、前記コンデンサ素子を収納する有底の外装ケース
と、この外装ケースの開口部を封口する封口部材とを備
え、前記陰極用のアルミニウム箔の電解液中における自
然電位E1と、陰極のリード引き出し部の電解液と接触
する部分の電解液中における自然電位E2との電位差E
2−E1を−0.60Vから0.60Vの範囲にし、か
つ陰極のリード引き出し部の電解液と接触する部分およ
び陰極用のアルミニウム箔の表面に、アルミニウムの化
合物以外の被覆層を設けないようにしたもので、この構
成によれば、陰極用のアルミニウム箔の電解液中におけ
る自然電位を、陰極のリード引き出し部の電解液と接触
する部分の電解液中における自然電位に近づけることが
できるため、陰極用のアルミニウム箔と、この陰極用の
アルミニウム箔に接続されたリード引き出し部の電解液
と接触する部分との間で形成される局所電池の起電力を
低くすることができ、これにより、発生する電流を著し
く低減することができるため、電解液の電気化学的変質
を抑制できるものである。その結果、高温−高湿環境下
での電解液の漏出を特殊なブチルゴム封口材を用いるこ
となく容易に改善することができるものである。
【0016】陰極用のアルミニウム箔の電解液中におけ
る自然電位E1と、陰極のリード引き出し部の電解液と
接触する部分の電解液中における自然電位E2との電位
差E2−E1が−0.60V未満または0.60Vを越
える範囲では、陰極用のアルミニウム箔と、この陰極用
のアルミニウム箔に接続されたリード引き出し部の電解
液と接触する部分との間で形成される局所電池の起電力
を低くすることができないもので、その結果、発生する
電流を低減することができないため、有効な手段とはな
り得ない。
【0017】請求項2に記載の発明は、陰極のリード引
き出し部の電解液と接触する部分を、純度99.97%
以上のアルミニウムで構成したもので、この構成によれ
ば、陰極用のアルミニウム箔の電解液中における自然電
位E1と、陰極のリード引き出し部の電解液と接触する
部分の電解液中における自然電位E2との電位差E2−
E1を−0.60Vから0.60Vの範囲にすることが
できるものである。純度99.97%未満のアルミニウ
ムではE2−E1の値が−0.60Vから0.60Vの
範囲とならないため、有効な手段とはなり得ない。
【0018】なお、特開平8−264392号公報に示
されたものは、電解液の漏出の改善を目的に、アルミニ
ウムからなる陰極のリード引き出し部を化成処理するよ
うにしているが、これはリード引き出し部の電気的絶縁
を目的とするものであって、本発明のように電位差E2
−E1の制御を目的とするものではない。また、この従
来の方法ではE2−E1の値が−0.60Vから0.6
0Vの範囲とならないものである。
【0019】請求項3に記載の発明は、陰極用のアルミ
ニウム箔の表面に、熱酸化処理、化学酸化処理、電解酸
化処理およびこれらの処理群より選ばれる1種類以上の
方法により、1.0V以上の絶縁耐圧を有するアルミニ
ウムの酸化皮膜を形成したもので、この構成によれば、
陰極用のアルミニウム箔の電解液中における自然電位E
1と、陰極のリード引き出し部の電解液と接触する部分
の電解液中における自然電位E2との電位差E2−E1
を−0.60Vから0.60Vの範囲とすることができ
るものである。なお、アルミニウムの酸化皮膜の絶縁耐
圧が1.0V未満では、E2−E1の値が−0.60V
から0.60Vの範囲とならないため、有効な手段とは
なり得ない。
【0020】なお、陰極用のアルミニウム箔に種々の方
法により絶縁皮膜を形成する提案は従来からなされてい
るが、これらは自然酸化皮膜の絶縁耐圧(通常は約0.
4V程度)以上の絶縁耐圧を有しない陰極箔に更なる絶
縁耐圧を備えることによって、コンデンサへの過度のリ
ップル電流、逆電圧の印加に対する抗力の向上を目的と
したものであって、本発明のように電解液の電気化学的
な変質による電解液の外部への漏出の防止のために、電
位差E2−E1の制御を目的としたものではない。
【0021】請求項4に記載の発明は、電解液の電解質
を構成する塩基において、塩基または塩基の水酸化物の
水溶液中における水素イオン濃度を、塩基または塩基の
水酸化物の濃度が1重量%で、かつ測定温度が30℃の
時、1.0×10-13モル/dm3以上としたもので、こ
の構成によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の構成
と組み合わせることにより、電解液の漏出を特殊なブチ
ルゴム封口材を用いることなく容易に改善することがで
きるものである。水素イオン濃度が1.0×10-13
ル/dm3未満の強塩基性の塩基(例えばテトラアルキ
ルアンモニウムやテトラアルキルホスホニウム)の電解
質からなる電解液では、過酷な高温−高湿複合環境下で
の長時間に及ぶ信頼性試験において、耐漏出性を実用十
分とするためには、加硫方法と充填剤を限定した特殊な
ブチルゴムを使用してコンデンサを構成しなければなら
ないものであって、電解液の漏出を容易には改善し難い
ものである。
【0022】以下、本発明の一実施の形態について説明
する。本発明のアルミ電解コンデンサの基本は、陰極用
のアルミニウム箔の電解液中における自然電位E1と、
陰極のリード引き出し部の電解液と接触する部分の電解
液中における自然電位E2との電位差E2−E1を−
0.60Vから0.60Vの範囲にし、かつ陰極のリー
ド引き出し部の電解液と接触する部分および陰極用のア
ルミニウム箔の表面にアルミニウムの化合物以外の被覆
層を設けないようにしたものである。
【0023】本発明のアルミ電解コンデンサの封口部材
としては、耐薬品性に優れるブチルゴムが望ましい。ブ
チルゴムの加硫方法としては、ジクミルパーオキサイド
等の過酸化物を加硫剤に用いる過酸化物加硫、アルキル
フェノールホルマリン等の樹脂を加硫剤に用いる樹脂加
硫、キノン化合物を加硫剤に用いるキノイド加硫等が知
られており、ブチルゴムに配合する充填剤としては珪酸
アルミニウムや炭酸カルシウム等の無機化合物が知られ
ているが、いずれの加硫法および充填剤を配合したブチ
ルゴムを使用しても効果があるものである。
【0024】本発明のアルミ電解コンデンサの電解液と
しては、導電率が高く、低温特性の良好なγ−ブチロラ
クトンを溶媒として含有する電解液が好ましい。必要に
よりγ−ブチロラクトンに副溶媒として水やエチレング
リコール、グリセリン等のアルコール類を混合してもよ
いもので、この場合、電解液中での電位差E2−E1が
−0.60Vから0.60Vの範囲にあれば良い。
【0025】本発明のアルミ電解コンデンサの電解液に
副溶媒として水を含有させる場合は電解液の重量部に基
づいて10重量%以下が好ましい。含有させる水の量を
調節することによって、電解液中でのE2およびE1を
調整することができ、電位差E2−E1を−0.60V
から0.60Vの範囲へ調整することが容易になる。し
かしながら、水の量が10重量%を越えると電解液中で
の電位差E2−E1が−0.60Vから0.60Vの範
囲にあっても、アルミニウムの腐食によるガス発生が大
きくなりアルミ電解コンデンサの特性を著しく劣化させ
るので好ましくない。
【0026】本発明のアルミ電解コンデンサの電解液を
構成する塩基としては、炭素数1〜11のアルキル基ま
たはアリールアルキル基で4級化されたイミダゾール化
合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合
物(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)が挙げら
れる。具体的には、導電率が高い、1−メチル−1,8
−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1−
メチル−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン
−5、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,
2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3−
ジメチル−2−エチル−イミダゾリニウム、1,3,4
−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−
ジメチル−2−ヘブチルイミダゾリニウム、1,3−ジ
メチル−2−(3’ヘブチル)イミダゾリニウム、1,
3−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,
2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピ
リミジウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3
−ジメチルベンゾイミダゾリウムが好ましい。これらの
中でも特に好ましいのは、導電率が高く、熱的に安定
で、塩基の水酸化物の水溶液中の水素イオン濃度が大き
い1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムであ
る。
【0027】また、本発明のアルミ電解コンデンサの電
解液には必要により、種々の添加剤を混合しても良い。
添加剤を加えることによって、電解液中でのE2および
E1を調整することができ、電位差E2−E1を−0.
60Vから0.60Vの範囲へ調整することが容易にな
る。添加剤としては、リン系化合物(リン酸、リン酸エ
ステルなど)、ほう素化合物(ほう酸、ほう酸塩〔ほう
酸アンモニウムなど〕、ほう酸と多糖類〔マンニット、
ソルビットなど〕との錯化合物など)、ニトロ化合物
(p−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、o−
ニトロフェノール、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安
息香酸、o−ニトロ安息香酸、3−ニトロフタル酸、4
−ニトロフタル酸など)、有機酸(マレイン酸、o−フ
タル酸、安息香酸、アジピン酸、レゾルシル酸など)が
挙げられる。
【0028】(表1)は本発明の実施の形態1〜6およ
び比較例1〜3のアルミ電解コンデンサの構成材料を示
したものである。陰極用のアルミニウム箔の絶縁耐圧処
理は、いずれも陰極用のアルミニウム箔を製造する際の
エッチング処理の後に、連続処理装置を追加することに
よって容易に行えるため、アルミ電解コンデンサの大量
生産に適しているものである。
【0029】
【表1】
【0030】(表2)は本発明の実施の形態1〜6およ
び比較例1〜3のアルミ電解コンデンサの陰極用のアル
ミニウム箔の電解液中における自然電位E1と、陰極の
リード引き出し部の電解液と接触する部分の電解液中に
おける自然電位E2との電位差E2−E1、および陰極
用のアルミニウム箔と陰極のリード引き出し部の電解液
と接触する部分とを電気的に接合した後、両者を電解液
中に浸漬することによって生じる局所電池の発生電流を
温度25℃で測定した結果を示したものである。
【0031】
【表2】
【0032】(表2)から明らかなように、本発明の実
施の形態1〜6のアルミ電解コンデンサにおいては、陰
極用のアルミニウム箔の電解液中における自然電位E1
と、陰極のリード引き出し部の電解液と接触する部分の
電解液中における自然電位E2との電位差E2−E1が
−0.60Vから0.60Vの範囲にあることがわか
る。また、局所電池の発生電流も小さいことがわかる。
【0033】次に、本発明の実施の形態1〜6および比
較例1〜3のアルミ電解コンデンサ構成材料と陽極箔、
マニラ繊維のセパレータ、アルミニウムの外装ケースを
使用して、定格電圧25V−静電容量220μF、サイ
ズ;φ8.0mm×L11.2mmのアルミ電解コンデ
ンサを作成した。そしてこのアルミ電解コンデンサの各
々10個に温度85℃−相対湿度85%RHの環境下
で、電圧25Vを連続的に印加する5000hの信頼性
試験を実施し、試験終了後のコンデンサの封口ゴム面の
状態を観察した。その結果を(表3)に示す。
【0034】
【表3】
【0035】(表3)から明らかなように、本発明の実
施の形態1〜6のアルミ電解コンデンサの構成材料を用
いて作成したアルミ電解コンデンサは、陰極のリード引
き出し部の電解液と接触する部分および陰極用のアルミ
ニウム箔の表面に、アルミニウムの化合物以外の被覆層
を設けることなく、陰極用のアルミニウム箔の電解液中
における自然電位E1と、陰極のリード引き出し部の電
解液と接触する部分の電解液中における自然電位E2と
の電位差E2−E1を−0.60Vから0.60Vの範
囲にすることができるため、陰極用のアルミニウム箔
と、この陰極用のアルミニウム箔に接続されたリード引
き出し部の電解液と接触する部分との間で形成される局
所電池の起電力を低くすることができ、これにより、発
生する電流を著しく低減することができるため、電解液
の電気化学的変質を抑制でき、その結果、高温−高湿環
境下での電解液の漏出を特殊なブチルゴム封口材を用い
ることなく容易に改善でき、信頼性の高いアルミ電解コ
ンデンサを量産性に適した方法で安価に提供することが
できるものである。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明のアルミ電解コンデ
ンサは、陰極のリード引き出し部の電解液と接触する部
分および陰極用のアルミニウム箔の表面に、アルミニウ
ムの化合物以外の被覆層を設けることなく、陰極用のア
ルミニウム箔の電解液中における自然電位E1と、陰極
のリード引き出し部の電解液と接触する部分の電解液中
における自然電位E2との電位差E2−E1を−0.6
0Vから0.60Vの範囲にすることにより、高温−高
湿環境下での電解液の漏出を特殊なブチルゴム封口材を
用いることなく容易に改善することができるもので、こ
れにより、信頼性の高いアルミ電解コンデンサを量産性
に適した方法で安価に提供することができるものであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リード引き出し部を接続するとともに、
    表面に誘電体としてアルミニウム酸化物層を形成したア
    ルミニウム箔を陽極とし、リード引き出し部を接続した
    アルミニウム箔を陰極として、これらの陽極と陰極とを
    その間にセパレータを介在させて巻回することにより構
    成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に含浸
    される電解液と、前記コンデンサ素子を収納する有底の
    外装ケースと、この外装ケースの開口部を封口する封口
    部材とを備え、前記陰極用のアルミニウム箔の電解液中
    における自然電位E1と、陰極のリード引き出し部の電
    解液と接触する部分の電解液中における自然電位E2と
    の電位差E2−E1を−0.60Vから0.60Vの範
    囲にし、かつ陰極のリード引き出し部の電解液と接触す
    る部分および陰極用のアルミニウム箔の表面にアルミニ
    ウムの化合物以外の被覆層を設けないようにしたアルミ
    電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 陰極のリード引き出し部の電解液と接触
    する部分を、純度99.97%以上のアルミニウムで構
    成した請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 陰極用のアルミニウム箔の表面に、熱酸
    化処理、化学酸化処理、電解酸化処理およびこれらの処
    理群より選ばれる1種類以上の方法により、1.0V以
    上の絶縁耐圧を有するアルミニウムの酸化皮膜を形成し
    た請求項1または2に記載のアルミ電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 電解液の電解質を構成する塩基におい
    て、塩基または塩基の水酸化物の水溶液中における水素
    イオン濃度を、塩基または塩基の水酸化物の濃度が1重
    量%で、かつ測定温度が30℃の時、1.0×10-13
    モル/dm3以上とした請求項1〜3のいずれかに記載
    のアルミ電解コンデンサ。
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