JPH11261080A - 半導体素子及びその実装構造 - Google Patents

半導体素子及びその実装構造

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JPH11261080A
JPH11261080A JP8048698A JP8048698A JPH11261080A JP H11261080 A JPH11261080 A JP H11261080A JP 8048698 A JP8048698 A JP 8048698A JP 8048698 A JP8048698 A JP 8048698A JP H11261080 A JPH11261080 A JP H11261080A
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JP
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substrate
resin
semiconductor
glass
board
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JP8048698A
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English (en)
Inventor
Mamoru Yabe
衛 矢部
Kentaro Hara
健太郎 原
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化による半導体素子の特性の変動がな
い半導体素子を提供すること 【解決手段】 ダイアフラム12(可動電極14)を備
えた半導体基板10と固定電極21を備えたガラス基板
20とを接合した圧力センサの下側に、シリコーン樹脂
からなる応力吸収層40を介してPPC樹脂からなる樹
脂基板30を配置する。ガラス基板は、半導体基板を構
成するシリコンと熱膨張係数の等しいパイレックスガラ
スを用いることにより、両基板10,20間での温度変
化に伴う歪みは発生しない。樹脂基板は、回路基板とし
て一般に用いられるものと等価の材料を用いたので、や
はり回路基板上に実装した状態において樹脂基板と回路
基板との間でも熱的歪みは生じない。さらに、樹脂基板
とガラス基板との熱膨張係数の相違は、応力吸収層によ
り吸収されるので、温度変化に伴う応力は発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子及びそ
の実装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体基板を備えた半導体素子の
一例として、圧力センサ・加速度センサなどの半導体セ
ンサがある。この種のセンサは、圧力などの測定対象物
量を受けて変位する感知部分を半導体基板で形成し、そ
の半導体基板を固定する固定基板(多くの場合ガラス基
板が用いられる)に接合して一体化する。また、上記変
位を検知する方式として、静電容量型やピエゾ型などが
あり、静電容量型の場合には、固定基板の接合面側表面
のうち、上記した可動電極の変位する部分(可動電極と
なる)に対向する領域に固定電極を設け、電極間の距離
に応じて変化する静電容量に基づいて、センサにかかっ
た物理量を求めるようになっている。
【0003】そして、半導体基板と固定基板とを接合し
て形成されるセンサチップをパッケージレスの状態で信
号処理回路に接続する方法として、例えば特開平4−3
12980で開示された発明がある。この発明は、半導
体基板に圧力を受けて変形するダイアフラムを設け、そ
のダイアフラムの変位量から圧力を測定する圧力センサ
の接続構造に関するもので、まず、半導体基板の下に固
定基板(台座)を取り付け、その固定基板をプリント配
線板(実装基板)上に取り付けるようになっている。
【0004】そして、固定基板の内部には、上下に貫通
する貫通孔を形成するとともに、その貫通孔内に金など
の金属を充填することによりビアホールを形成し、その
ビアホールを利用して半導体基板に設けたピエゾ素子等
のダイアフラムの変位を検出する素子から出力される電
気信号を固定基板の非接合面、つまり、プリント配線板
(回路基板)への実装面に導くようにしている。これに
より、面実装が可能となる。
【0005】つまり、プリント配線板上に印刷された配
線パターンとビアホールの端部とを接触させた状態では
んだ付けすることにより、センサからの出力信号をプリ
ント配線板上の信号処理回路に送ることができるように
している。そして、はんだ処理時の熱を考慮して、固定
基板を構成するガラス板は、その板厚を十分に厚くして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の半導体素子の実装構造では、以下に示す種々の
問題を有している。
【0007】すなわち、従来から半導体センサで用いら
れている固定基板を構成するガラス板と、シリコン基板
の熱膨張係数が異なり、さらにガラス板とプリント配線
板の熱膨張係数も異なる。その結果、センサ使用時に温
度変化が生じたときや、半導体素子をプリント配線板に
はんだ付けにより取り付ける際の熱によりセンサチップ
を構成する基板間や、プリント配線板と固定基板との接
合部分で膨張率のずれに伴う応力が発生する。そして、
その応力によりダイアフラムなどの物理量を受けて変位
する部分の動作特性(物理量に対する変位量)が変動し
てしまい、センサ出力の誤差を招く。さらには、最悪の
場合に、センサチップが破壊されてしまうおそれもあ
る。さらにはまた、はんだが剥がれてしまい、プリント
配線板からセンサチップが剥離したり、仮に剥離までは
しないとしても、しっかりとオーミックコンタクトがと
れず、接続部分での抵抗が大きくなり、センサ出力の誤
差を招くおそれもある。
【0008】また、固定基板として使用するガラス板の
材料を選択することにより、半導体基板と熱膨張係数を
ほぼ等しくすることは可能であるが、その場合でも、固
定基板とプリント配線板の熱膨張係数の相違に基づき発
生する応力が、固定基板を介して半導体基板側にも伝達
されることがあり、やはり上記と同様の問題を生じる。
【0009】そこで、係る温度特性の影響をできるだけ
抑制するために、従来説明したように固定基板のガラス
板の肉厚を増すことにより、応力が半導体基板側に伝達
しにくくする必要がある。すると、センサチップ全体の
厚さが厚くなるので、センサチップが大型化してしま
う。さらに、そのように厚くなると、ビアホールの長さ
も増すため、形成しにくくしてしまう。また、係る固定
基板を形成するためのガラス板の材料費が増加してしま
うため、センサチップ全体のコスト高を招く。
【0010】さらには、固定基板を肉厚のガラス板で構
成した場合、ガラス板の容積が増すことから熱容量が大
きくなる。その結果、プリント配線板に実装する他の電
子部品と比べて、はんだが溶けにくい。従って、他の電
子部品とともに一括してリフローはんだを行ってはんだ
付けをすることができなくなり、作業性が悪くなる。し
かも、はんだ部分は固定基板の底面(プリント配線板と
の接合面)であるので、はんだの状態を目視することが
できないので、係る目視による検査を行えない。
【0011】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、耐熱性,温度特性が良好で、小型(薄型)とな
り、しかも、他の電子部品と一括して実装基板上にはん
だ付けすることができる半導体素子及びその実装構造を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る半導体素子及びその実装構造では、
半導体基板とガラス基板とを接合して一体化するととも
に、前記ガラス基板の前記半導体基板との非接合面に樹
脂基板を直接または所定層を介して樹脂基板が接合され
てなり、かつ、前記半導体基板と前記ガラス基板の温度
係数をほぼ等しくするとともに、前記樹脂基板には、前
記半導体基板と前記ガラス基板の少なくとも一方に形成
された電気回路と導通するとともにその樹脂基板の底面
側に至る引出配線経路を設けた(請求項1)。
【0013】ここで、電気回路は、実施の形態では、可
動電極・固定電極とそれに連続する引出配線等に対応す
る。また、引出配線経路は、実施の形態では、内周面に
メタライズした溝部(基板の側面に形成したもの)及び
その溝部内に充填した導電性樹脂により実現されてい
る。そして、この様に側面に形成することにより、はん
だ付けが容易かつ確実に行えるとともに、はんだ付けし
た後で外部から目視によりはんだ付けの良否を検査でき
るようになるので好ましい。但し、基板内部に形成した
ものであっても、はんだ付けを容易に行うようにした
り、温度特性を良好にするという効果は発揮でき、また
個々の基板の厚さを薄くすることができるので孔開け加
工も容易に行えるという効果も奏するので、必ずしも側
面に露出状態で形成する必要はない。
【0014】係る構成にすると、半導体基板とガラス基
板の接合面での温度変化に伴う応力発生はない。また、
通常樹脂基板とガラス基板の温度係数は異なるが、一般
に樹脂基板よりはガラス基板の方が剛性があり、仮にガ
ラス基板と樹脂基板との間で熱膨張係数の差に基づいて
温度変化時に応力が生じたとしても、それがガラス基板
を介して半導体基板側に伝達しにくくなる。よって、温
度特性が良好となる。さらに、ガラス基板を厚くする必
要がないので、孔開け加工をする場合にも容易に行え
る。
【0015】そして、半導体素子を回路基板にはんだ付
けするときには、ガラス基板よりも熱容量が小さい樹脂
基板の部分ではんだ付けされ、しかも、板厚もあまり厚
くする必要がないので、比較的小さな熱量でもってはん
だを溶解することができる。これにより、リフローによ
って他の電子部品と同時に回路基板上に実装することが
できる。
【0016】また、半導体ICの回路面と反対の実装面
側に、直接または所定層を介して樹脂基板が接合され、
前記樹脂基板には、前記半導体IC内の回路と導通する
とともにその樹脂基板の底面側に至る引出配線経路を設
けるようにしてもよい(請求項2)。この発明において
も、上記した請求項1における作用効果とほぼ同様の効
果が発揮される。また、ガラス基板がないため、ガラス
基板で温度変化時の応力の伝達を遮断する効果はないも
のの、樹脂基板と接合しているので、熱膨張係数が違っ
ていたとしても、温度変化に伴い発生する膨張・収縮の
差に基づく応力は樹脂基板でも吸収されるので低く抑え
られることが期待できる。
【0017】そして、好ましくは請求項1の発明を前提
とし、前記ガラス基板を前記半導体基板よりも大きく形
成して、前記ガラス基板の接合面側に前記半導体基板に
被覆されない領域を形成し、前記領域上に配線パターン
を形成するとともに、その配線パターンに接続されるI
C素子を配置するとよい(請求項3)。
【0018】つまり、係る構成にすると、ICを半導体
基板等で構成される電気回路に近づけて配置できるの
で、寄生容量などを抑え、特性の向上が図れるととも
に、素子の集積化及びそれに伴う小型化が図れる。
【0019】さらに、前記固定基板と前記樹脂基板の間
に、前記樹脂基板よりも弾性系数の小さい応力吸収層を
介在させるとより好ましい(請求項4)。この様にする
と、樹脂基板とガラス基板の熱膨張係数の違いにより、
温度変化に伴い両基板間で膨張率が異なっても応力吸収
層でその差を吸収するので結局各接合面で応力が発生し
ない。よって、温度特性がより向上する。
【0020】そして、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の半導体素子を、他の電子部品とともに、回路基板上
に面実装することにより本発明の半導体素子の実装構造
が構成できる(請求項5)。この時、樹脂基板を回路基
板に面接触させるとともに、はんだ付けなどを行うこと
になるが、樹脂基板の熱膨張係数を回路基板のそれに合
わせておくと、温度変化に伴い回路基板との接合面での
歪みの発生を可及的に抑制できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る半導体素子の
第1の実施の形態を示している。本形態では、静電容量
型の圧力センサの例を示している。同図に示すように、
半導体基板10と固定基板としてのガラス基板20を陽
極接合して一体化している。後述するように、この半導
体基板10とガラス基板20の部分で圧力センサのセン
シング部分を構成している。
【0022】そして、本発明では、このガラス基板20
の下面(半導体基板10との非接合面)に、応力吸収層
40を介して樹脂基板30を接合している。この応力吸
収層40及び樹脂基板30により、実装・配線引出機能
を発揮する部分を構成している。本発明では、各種の問
題を解決しているので、その解決目的に分けてその構造
の特徴を説明する。
【0023】*センシング部分 半導体基板10は、周枠部11の内側に薄肉のダイアフ
ラム12を設けている。このダイアフラム12を設ける
に際し、半導体基板10の中央の両側をそれぞれエッチ
ングすることにより形成する。この時、上面側を深く削
り込み、下面側(接合面側)を浅く削り込むことによ
り、ダイアフラム12の下側に凹部を形成し、その凹部
の開口部分がガラス基板20を接合することにより閉塞
され、圧力室13となる。さらに、そのダイアフラム1
2の下面は可動電極14となる。
【0024】一方、ガラス基板20の接合面側中央に
は、可動電極14に対向してリング状の固定電極21が
形成され、この固定電極21に連続する引出配線22も
合わせて形成されその先端の電極パッド22aは半円弧
状となり、ガラス基板20の側縁に達している。そし
て、この引出配線22に対向する半導体基板10の表面
には凹溝15が形成されるとともに、その凹溝15内に
ポリイミド樹脂16を充填し、引出配線22と半導体基
板10との絶縁と、圧力室13の密封を行っている。
【0025】また、ガラス基板20の接合面のうち、上
記引出配線22の先端と反対側の側縁には、半円弧状の
電極パターン23が形成されている。そして、この電極
パターン23と半導体基板10とをアルミコンタクト1
7により導通させている。これにより、可動電極14
は、電極パターン23まで引き出される。
【0026】さらに、ガラス基板20,応力吸収層4
0,樹脂基板30を積層方向に貫通する圧力導入孔41
を設けている。この圧力導入孔41の形成位置は、固定
電極21と同心円上にしている。これにより、圧力室1
4とセンサ外部とは圧力導入孔41を介して連通する。
【0027】係る構成にすることにより、測定対象圧力
を圧力導入孔41を介して圧力室14内に導入すること
ができ、圧力室14内の圧力に応じてダイアフラム12
を撓ませることができる。この撓みに伴い固定電極21
と可動電極14との間の電極距離が変動し、両電極間に
発生する静電容量も変化する。この変化する静電容量に
基づいて圧力が検出可能となる。この圧力のセンシング
自体は、基本的に従来と同様である。
【0028】*配線の引出構造 上記した両電極14,21間に発生する静電容量を外部
の信号処理回路に送るため、以下のように構成してい
る。すなわち、上記した「センシング部分」の説明にお
いて、可動電極14はガラス基板20の表面に形成した
電極パッド23に導通され、また固定電極21は引出配
線22を介してガラス基板20の側縁の先端側の電極パ
ッド22aにまで導通されている(厳密にいうと、係る
ガラス基板上等に形成した配線等も、この引出構造とな
る)。
【0029】そこで、本形態では、積層された各基板の
側面を利用して最終的に最下層の樹脂基板30の下面に
導くようにしている。具体的な構造は、以下のようにな
る。ガラス基板20,応力吸収層40,樹脂基板30の
側面に積層方向に延びるとともに、その両端がガラス基
板20の上面と樹脂基板30の下面に達するように溝部
42を形成する。この溝部42は、その内面形状が半割
の円筒状の側面と略一致するようになり、その時の半径
を固定電極21につながる半円弧状の電極パッド22a
の内周縁の半径と略一致させている。そして、その形成
位置も溝部42のガラス基板20側の上端内周縁が、電
極パッド22aの内周縁に一致するようにしている。し
かも、その溝部42の内周面をメタライズしている。こ
れにより、電極パッド22aと溝部42内周面とは電気
的に導通される。
【0030】さらに、樹脂基板30の下面のうち、溝部
42の下端に連続する位置に半円弧状の電極パッド32
を形成している。これにより、固定電極21からの信号
は、引出配線22→電極パッド22a→溝部42の内周
面のメタライズ部分を介して樹脂基板30の下面に形成
した電極パッド32に伝達されるので、係る電極パッド
32の部分で面実装が可能となる。
【0031】さらには、溝部42内に導電性樹脂43を
充填している。これにより、上記した溝部42における
電気伝導路をより確実に確保する。さらに、これにより
導電性樹脂43の側面と、基板20,30の側面とが面
一になり、導電性樹脂43の側面下方部分においてもリ
フローはんだ付けを行うことが可能となる。
【0032】同様な構成を用いて可動電極14の外部引
き出しを行う。つまり、上記した溝部42と反対側の側
面に、可動電極用の電気パッド23と連続するように内
周面をメタライズして半割円筒状の溝部44を形成す
る。そして、この溝部44内に導電性樹脂45を充填
し、さらにその溝部44の下端に連続するようにして樹
脂基板30の下面に半円弧状の電極パッド33を形成す
る。これにより、可動電極14からの信号は、半導体基
板10→アルミコンタクト17→電極パッド23→溝部
44の内周面のメタライズ部分及び導電性樹脂45を介
して樹脂基板30の下面に形成した電極パッド33に伝
達されるので、係る電極パッド33の部分で面実装が可
能となる。
【0033】なお、導電性樹脂43,45は、応力吸収
層40が応力吸収のため大きく変形して溝部42,44
の内周面に形成したメタルが破壊しても導通を維持する
ためにある。そして、導電性樹脂43,45は、応力吸
収層40の弾性を損ねないために、やはり弾性率が低い
シリコーン樹脂を用いた。
【0034】*温度変動対策 ガラス基板20としては、半導体基板10を構成するシ
リコンと熱膨張係数の近いパイレックスガラスを使用し
て形成している。これにより、少なくともセンシング部
分となる半導体基板10とガラス基板20の接合部分で
は、周囲温度の変化があっても接合部分に熱膨張・収縮
のずれがほとんど発生せず、よって、温度変化による特
性変動がない。
【0035】また、樹脂基板30は、実装対象の回路基
板と熱膨張係数が同等のPPS樹脂を使用しており、本
形態の半導体素子を回路基板上にはんだ付けして固定し
た場合に、その後の使用時における温度変動の繰り返し
によるはんだのクラックの発生を防いでいる。
【0036】さらには、ガラス基板20と樹脂基板30
との間に配置した応力吸収層40として、シリコーン樹
脂を用いている。このシリコーン樹脂は弾性係数が十分
に低いため、回路基板や樹脂基板30の熱膨張(はんだ
のリフロー時も含む)による応力をセンシング部分を構
成するガラス基板20,半導体基板10側に伝達しない
ように機能を発揮する。これにより、各層・基板の接続
部分で温度変化に伴う応力が発生せず、温度特性が良好
な半導体素子(圧力センサ)となる。また、樹脂基板3
0のガラス基板20との接続面側の頂点位置には、突起
31を設けている。この突起31は、本形態では、1組
の対角線上に1個ずつ設けている。これにより、ガラス
基板20と樹脂基板30の間には突起31の高さ分の間
隔が確保される。つまり、この突起31を設けることに
より、応力吸収層40の厚さを一定に保つようにしてい
る。さらにシリコーン樹脂は、ガラス基板20と樹脂基
板30を接合する接着剤としての機能も発揮している。
【0037】なお、この様に4層構造とするのが望まし
い実施の形態であるが、中間の応力吸収層40を省い
て、ガラス基板20と樹脂基板30の2層の積層として
も対応できる。つまり、少なくともセンシング部分での
温度特性が良好であるのは上記した通りであり、また、
温度変化により樹脂基板30と回路基板を接合するはん
だ付け部分がクラックすることを阻止できるという効果
が十分発揮できる。そして、樹脂基板30側からガラス
基板20側に応力伝達がされるおそれはあるが、ガラス
と樹脂との剛性の相違や、温度変化の少ない環境下では
十分使用に耐えられるからである。
【0038】*その他の構造 なお、樹脂基板30の下面中央、つまり、圧力導入孔4
1の外周囲には、リング状のメタル35がパターニング
されている。このメタル35は、後述する回路基板に半
導体素子1を実装する際に、そのメタル35の部分で回
路基板にもはんだ付けして固定するためのものである。
これにより、外部から供給される圧力測定対象媒体を圧
力導入孔41内に漏れることなく供給することができる
ようになる。
【0039】次に、上記した半導体素子を用いた本発明
に係る半導体素子の実装構造の実施の形態を説明する。
図2に示すように、半導体素子(圧力センサ)1を実装
する回路基板は、立体成形基板を用いたハウジング50
から形成され、そのハウジング50の底面にプリント配
線51が形成される。従って、見方をかえると、その底
面部分が回路基板ともいえる。
【0040】このハウジング50は、その下面に圧力導
入パイプ50aを突出形成し、また、側面には電気的入
出力のためのコネクタ部50bを形成している。つま
り、ハウジング50が、圧力導入機能,実装用の回路基
板機能,電子回路・部品のパッケージング機能,電気信
号の入出力機能(コネクタ部50b)を一つの部品で兼
ね備えている。
【0041】そして、このハウジング50の底面に形成
される回路基板上の所定位置に、本発明に係る圧力セン
サ1や、IC2並びに各種電子部品(図示の例では、フ
リップチップタイプのIC3,チップ抵抗やチップコン
デンサ4)を実装することにより、信号処理回路を構成
する。そして、圧力センサ1も他のIC2,電子部品
3,4と同様にリフローはんだ処理によりはんだ52を
付けて固定している。つまり、樹脂基板30の厚みはさ
ほど厚くしなくてもよいし、樹脂基板30の下面に形成
した電極パッド32,33及び導電性樹脂43,45の
側面下方部分ではんだ付けすることができるため、上記
のように他の電子部品と同時にリフローによりはんだ付
けできる。これにより、実装処理が簡略化する。
【0042】さらに、圧力センサ1の直下には、上記し
た圧力導入パイプ50aが位置しており、その圧力導入
パイプ50aと圧力センサ1の圧力導入孔41とが同一
直線状に位置するよう設定してある。そして、図示省略
するが、ハウジング50の底面の圧力導入パイプ50a
の開口部外周囲もメタライズしておき、そのメタライズ
部分と樹脂基板30に設けたメタル35もはんだ付けす
る。これにより、接続部分での気密性が確保でき、圧力
導入パイプ50を介して導入された圧力P1を圧力セン
サ1の圧力室13内に導入できる。
【0043】なお、圧力センサ素子1は、そのように圧
力室13内に供給された測定圧力P1と大気圧Paとの
差圧(P1−Pa)に応じた静電容量に応じた信号を出
力し、この静電容量に応じた信号が各素子2,3,4で
構成される信号処理回路でディジタル信号に変換しコネ
クタ50bより出力される。そして、外部の測定装置に
て圧力を算出するようになる。
【0044】図3〜図5は上記した半導体素子の製造プ
ロセスの一例を示し、図6は、それを実装する方法を示
している。
【0045】*シリコン側の製造プロセス まず、図3(A)に示すように、用意したシリコンウエ
ハ10′に対して接合面側の所定位置をパターニングし
たレジストでマスクするとともにTMAHによりエッチ
ングすることにより、静電容量形成空間(圧力室)1
3、ポリイミドを充填する凹溝15並びにアルミコンタ
クトを取り付けるための溝17′を生成する。
【0046】次いで、そのエッチングした面を、イオン
インプラで所定深さまでリン(P)を拡散させ、エッチ
ストップ層10a(ダイアフラム13の厚さ制御用)を
形成する(図3(B)参照)。また、このエッチストッ
プ層10aはアルミコンタクト部分(溝17′)にもリ
ンを注入・拡散することになるので、シリコンとアルミ
コンタクト17の電気的接続を良好にすることになる。
【0047】次に、同図(C)に示すように、シリコン
ウエハ10′にダイアフラム形成用のマスクMを形成す
る。これは、LPCVDで窒化膜形成後パターニングす
ることにより簡単に形成できる。つまり、周枠部12と
なる部分にマスクMを残すことになる。
【0048】そして、スパッタリングを行い、アルミを
シリコンウエハ10′の全面に成膜後、パターニングし
て、溝17′内にアルミコンタクト17を形成する(同
図(D)参照)。さらに、スピンローターでポリイミド
をシリコンウエハ10′の全面に塗布し、硬化後、パタ
ーニングすることにより、同図(E)に示すように、凹
溝15内に所定のパターンの封止用のポリイミド樹脂1
6を形成する。上記工程により、シリコンウエハ単独で
のプロセスを終了する。
【0049】*ガラス/樹脂積層プロセス まず、一般に電子部品で使用されるPPS樹脂からなる
樹脂ウエハ30′を用意する。この樹脂ウエハ30′
は、図4(A)に示すように、応力吸収層(シリコーン
樹脂)40の厚さを保持するための突起31がウエハ内
面と周囲(シリコーン樹脂注入部分を除く)に設けられ
ている。
【0050】一方、シリコンウエハと熱膨張係数の等し
いパイレックスガラスからなるガラスウエハ20′を用
意し(図4(A)参照)、そのガラスウエハ20′と上
記成形樹脂ウエハ30′の突起31の形成面を合わせて
保持する。これにより、突起31の高さに相当する分だ
け、両ウエハ20′,30′間に空間が形成されるの
で、その空間にシリコーン樹脂40を注入し、熱硬化さ
せる。この時、シリコーン樹脂の注入は、成形樹脂ウエ
ハ30′の周囲突起部31のない部分から行う。また、
熱硬化後であっても、シリコーン樹脂40は、十分低い
弾性係数を有している。そして、この熱硬化時に接触す
る成形樹脂ウエハ30′及びガラスウエハ20′の表面
と接着されるので、結果的にシリコーン樹脂40が両ウ
エハ20′,30′を接合する接着剤としての機能を発
揮し、シリコーン樹脂の硬化後は一枚の積層ウエハとな
る(同図(B))。
【0051】なお、ここで素子としての厚さを薄くする
ためにガラスウエハ20′または樹脂ウエハ30′を研
磨してもよい。つまり、両ウエハが積層されて全体とし
て厚さが厚くなるため、強度が向上して負荷のかかるハ
ンドリングに対しても割れたりしなくなるからである。
【0052】そして、接合されたガラスウエハ20′と
樹脂ウエハ30′に、超音波加工法,サンドブラスト加
工法等を用いて、導通用の孔42′,44′を開ける
(同図(C))。ここで、孔42′は、最終的に固定電
極21を引き出すための溝部42となり、孔44′は、
最終的に可動電極14を引き出すための溝部44となる
位置に形成する。
【0053】次に、ガラス/樹脂の積層ウエハに対し、
メッキ或いはスパッタを行いクロム等のメタルを成膜す
るとともにパターニングを行い、固定電極21や、電極
引出用の配線や、電極パッド22a,23と導通用の孔
42′,44′の内周面、さらには、裏面側の電極パッ
ド32,33及び圧力導入経路接続用パッド(メタル)
35を形成する。この時、パターニングの際に用いるレ
ジストは、孔42′,44′の中に入らないようにフィ
ルム状のものを用いる(同図(D))。
【0054】そして、内周面をメタライズした各孔4
2′,44′の内部に、ディスペンサーなどを用いて、
弾性系数が低く、導電性を有するシリコーン樹脂を充填
した後、係るシリコーン樹脂を熱硬化させることによ
り、導電性樹脂43,45の充填処理を終了する(同図
(E))。
【0055】さらに、超音波加工法,サンドブラスト加
工法等を用いて、固定電極21の中心位置に、接合ウエ
ハを積層方向に貫通する圧力導入孔41を形成する(同
図(F))。
【0056】*シリコンウエハとガラス/樹脂ウエハの
接合プロセス 図5(A)に示すように、上記した各工程を実施して得
られたシリコンウエハ10′と、ガラスウエハ20′/
樹脂ウエハ30′の接合ウエハを用意し、シリコンウエ
ハ10′とガラスウエハ20′を陽極接合して各ウエハ
を一体化する。
【0057】そして、シリコンウエハ10′の表面側を
ディープエッチングすることによりマスクMで覆われず
に露出する部分を除去し、ダイアフラム12を形成する
(同図(B))。これは、裏面に保護テープを貼り、樹
脂基板の保護と、圧力導入孔41等からのエッチング液
の進入を防いだ状態で、KOH溶液に浸漬してエレクト
ロケミカルエッチングを施すことにより行う。
【0058】その後、エッチング用のレジストを取り除
き、接合された基板をダイシングすることによって、複
数の半導体素子1を形成する(同図(C))。このダイ
シング位置は、導電用の孔42′,44′の中央で行
う。これにより、半割された溝部42,44(内部に円
柱(厳密には円錐台)を半割した形状の導電性樹脂が充
填)が、半導体素子(圧力センサ)1の側面に露出する
ように形成されることになる。
【0059】*コンポーネント組立て ハウジング50の底面に形成された回路パターン51上
の所定位置に、スクリーン印刷やディスペンサーを用い
てクリームはんだ55を塗布する(図6(A))。この
塗布位置は、実装する圧力センサ1や他の電子部品4の
電極位置に対応する位置としている。
【0060】次いで、所定の位置にセンサ素子1や電子
部品4を配置するとともに、リフローはんだ処理を実行
し、各素子をハウジング50の所定位置に対して電気・
機械的に接続し、コンポーネントとして完成させる(同
図(B))。
【0061】図7は、本発明に係る半導体素子の第2の
実施の形態を示している。本形態では、第1の実施の形
態における半導体素子の構造と相違して、ガラス基板2
0,樹脂基板30及び応力吸収層40の平面形状を、シ
リコン基板10のそれに比べて長くなるようにしてい
る。図示の例では、半導体基板10は、平面形状を正方
形状とし、ガラス基板20は、係る正方形を2個連続さ
せた長方形状としている。これにより、ガラス基板20
の接合面側は、その半分が半導体基板10に覆われずに
露出する。
【0062】そこでこの露出する面に、配線パターン2
5を形成するとともに、ICチップ5をフリップチップ
実装した(ICチップ5と、配線パターン25の先端に
形成されるパッド26との接続は、スタッドバンプ6を
介して行う)。そして、このICチップ5の外部回路へ
の引き出しも、圧力センサと同様に、基板の側面に形成
した上下に延びる溝部46(内周面をメタライズしてい
る)と、その内部に充填した導電性樹脂47さらには、
樹脂基板30の底面に連続して形成する電極パッド36
を介して行うようにしている。さらに、本形態では、上
記ICチップ5の上方、つまり、露出したガラス基板2
0の上方空間は、樹脂モールド60により固めている。
【0063】本形態によれば、圧力センサと回路・IC
チップが近くに配置されるため寄生容量の影響が少なく
良好な特性が得られ、第1の実施の形態に比べてさらに
小型で回路一体型の圧力センサが得られる。また、IC
チップ5はガラス基板20面上にフリップチップ実装さ
れるため、ICにとっても熱の影響を受け難くなるので
好ましい。
【0064】なお、圧力センサとして機能及びその構
造、並びに温度特性の改良などの基本的機能は、上記し
た第1の実施の形態と同様である(引出配線のパターン
や、導電性樹脂を充填した溝部の具体的な形成位置等は
異なる)ので、同一符号を付しその詳細な説明を省略す
る。
【0065】そして、上記構成のセンサを製造する方法
について簡単に説明すると、図3に示した第1の実施の
形態におけるシリコンウエハに基づく製造プロセスと同
様の工程を行い、適宜位置をエッチングして溝部を形成
したり、メタルコンタクト・ポリイミド樹脂を装着した
シリコンウエハを製造する。なお、このポリイミド樹脂
は、第1の実施の形態と同様にセンサ内部を外部から遮
断する封止機能とともに、樹脂モールドする際のモール
ド材がセンサ内部に流れ込むのを阻止する役目もなして
いる。また、図4に示したガラス/樹脂基板に基づく製
造プロセスとほぼ同様の工程を行い、所定位置にメタル
をパターニングするとともに、圧力導入孔や、溝部用の
孔(導電性樹脂充填済み)等を所定位置に形成した接合
ウエハを製造する。
【0066】そして、それらのウエハを重ねるととも
に、陽極接合することにより、図8(A)に示すように
各ウエハを一体化する。なお、同図からわかるように、
接合基板側には、圧力導入孔41とともに、モールド材
の充填用孔61も形成している(溝部用の孔はこの断面
には現れていない)。次いで、ディープエッチングによ
りダイアフラム12を形成する(同図(B))。ここま
での処理は、具体的なパターン形状等の相違があるもの
の、第1の実施の形態と同様の処理となる。
【0067】次に、IC搭載部の周囲をダイシングし
て、ICチップが搭載される部分のシリコンウエハを除
去する(同図(C))。これにより、ガラスウエハ2
0′の一部が露出する。
【0068】*ICチップ搭載プロセス 必要なICチップ5を用意する。この時、ICチップ5
の電極パッドには、金のスタッドバンプ6(ワイヤボン
ディングのlstボンドのみで得られたバンプ)が形成
されている(図9(A))。そして、係るICチップ5
をガラスウエハ20′上の所定位置に実装する。つま
り、ICチップ5のスタッドバンプ6とガラスウエハ2
0′のバンプ用パッド26の位置合わせをし、ICチッ
プ5に超音波を印加することでバンプ6とパッド26を
電気的,機械的に接続させる(同図(B))。
【0069】次いで、ウエハのシリコン側にダミーウエ
ハ62を押さえつけ、充填用孔62からモールド材(樹
脂60)を充填するとともに加熱硬化させる(同図
(C))。これにより、シリコンウエハ10′の存在し
ないガラスウエハ20′の上方空間部分に樹脂60が充
満する。なお、この樹脂60は、一般的なICの封止樹
脂であるエポキシを用いる。
【0070】その後、ダミーウエハ62を引き剥がし
(図10(A))、さらに、所定位置をダイシングする
ことにより、同図(B)に示すようなICチップ5を備
えた半導体素子が完成する。
【0071】図11は本発明に係る半導体素子及びその
実装構造の第3の実施の形態を示している。同図に示す
ように、本形態では回路基板55の片面に、半導体素子
1′と電子部品4がリフローはんだ付けされている。
【0072】半導体素子1′は、第1の実施の形態にお
ける半導体素子1の構造を基本とし、樹脂基板30に一
体的に圧力導入パイプ38を形成している。これによ
り、ハウジング50における圧力導入パイプ50aが不
要となる。さらに、ガラス基板20と樹脂基板30の間
に形成する応力吸収層40として、異方性導電シートを
使用するようにした点でも相違する。この様に異方性導
電シートを用いることで、製作工程が簡略化される。
【0073】また、ダイアフラム12に形成した可動電
極14と、ガラス基板20に形成した固定電極21の電
極取り出しを基板の側面で行うという点では上記した各
実施の形態と同様であるが、本実施の形態では、同図
(B)に示すように、同一の側面で取るようにしてい
る。つまり、内周面にメタライズした溝部42,44内
に導電性樹脂43,45を充填したものを、回路基板5
5の上面に形成した配線パターンに接触させるととも
に、はんだ付けする。
【0074】これにより、圧力導入パイプ38が、基板
平面と平行に突出するようになり、この圧力導入パイプ
38にチューブ56を装着し、圧力を供給するようにな
る。つまり、上記した各実施の形態と相違して、回路基
板55の下側に圧力導入管・パイプを突出する必要がな
いので、全体的に薄型化できる。
【0075】また、本形態では、ガラス基板20と樹脂
基板30の間に異方性導電シートからなる応力吸収層4
0を設けたため、第1,第2の実施の形態と相違して、
樹脂基板30に突起を設ける必要はなく、その点でも製
造工程を少なくすることができる。なお、その他の構成
並びに作用効果は上記した各実施の形態と同様である。
【0076】そして、上記構成のセンサを製造する方法
について説明すると、まず、シリコンウエハ10′を用
意し、第1の実施の形態と同様に片面(接合面)側をエ
ッチングして静電容量形成空間(圧力室)13,アルミ
コンタクト用の溝17′,ポリイミド用凹溝15を形成
し、さらに、リンを注入・拡散してエッチングストップ
層10aを形成した後、アルミコンタクト17及びポリ
イミド樹脂16を装着する。さらに、ダイアフラム形成
用のマスクMを形成することにより、図12(A)に示
すようになる。ここまでは第1の実施の形態と同様であ
る。
【0077】次に、ディープエッチングを行い、ダイア
フラム12を形成する(同図(B)参照)。つまり、上
記した各実施の形態では、いずれもシリコンウエハとガ
ラスウエハを接合後ダイアフラムを製造するようにした
が、本形態の場合には樹脂基板30には圧力導入パイプ
38を設けたため、シリコンとガラスの接合後にエッチ
ングを行うとすると樹脂ウエハをエッチング液から保護
するのが困難なため先にエッチングを行うようにした。
【0078】一方、ガラス/樹脂積層プロセスは、図1
3(A)に示すように、ガラスウエハ20′を用意し、
ガラスウエハ20′に、溝部を構成する孔42′,4
4′並びに圧力導入孔41を開けてから両面にメタル3
2,33をパターニングする。また、固定電極21等の
必要なメタルパターンも形成する。
【0079】また、異方性導電シート40′を用意す
る。この異方性導電シート40′としては、例えば日立
化成工業(株)製の商品名「フリップタップ」のように
加熱、加圧による接着で、応力吸収能力に優れているも
のを使用することができる。また、本シートの導通用の
孔42′,44′及び圧力導入用の孔41に相当する部
分は、あらかじめ打ち抜いて形成しておく。
【0080】さらに、成形樹脂ウエハ30′を用意す
る。この成形樹脂ウエハ30′には圧力導入用パイプ3
8が設けられており、また、導通用の孔42′,44′
の内部及び周囲にはメタルをパターニングしておく。
【0081】そして、上記のような所定形状のウエハ及
びシートを準備したならば、それらを各孔を位置合わせ
しつつ接着する(同図(D))。この接着は、ガラスウ
エハ20′,成形樹脂ウエハ30′並びに異方性導電シ
ート40′を導通用の孔を合わせながら重ねあわせ、加
圧及び加熱により異方性導電シート40′を溶融軟化さ
せ、接触するガラスウエハ20′及び成形樹脂ウエハ3
0′を接着一体化する。
【0082】さらに、上記の工程を経て製造したガラス
ウエハ20′の上にシリコンウエハ10′を積層した状
態で陽極接合して一体化する(図14(A))。この
時、プラスの電位は接合面に相当するガラスウエハ2
0′の樹脂基板側に印加するようにすると、より強固な
接合が得られるので好ましい。その後、所定位置をダイ
シングすることにより、半導体素子として完成させる
(同図(B))。
【0083】図15は、本発明に係る半導体素子の第4
の実施の形態を示している。本形態では、半導体素子と
して、IC素子に適用した例を示している。同図に示す
ように、シリコンのIC70において図中の上面にシリ
コン基板10からなる回路面で、その下面にシリコーン
樹脂からなる応力吸収層40とPPSなどの樹脂基板3
0が積層されている。そして、IC70の電気的入出力
は側面の溝部42の内周面にメタライズされたメタルパ
ターン48を通して下面に導かれるようにしている。係
る溝部42の内周面のメタルパターン48により、半導
体ICの電気信号を入出力することができる。そして、
図示省略するがこの溝部42の内周面のメタルパターン
48を用いてリフローはんだ付けを行うことで、一般の
電子部品と同様に表面実装ができる。さらに、温度特性
が良好となるのは、上記した各実施の形態と同様であ
る。
【0084】また、上記構成の半導体素子の製造方法と
しては、例えば図16に示すようなプロセスをとること
ができる。すなわち、まず一般のICプロセスで製作さ
れたシリコンウエハ10′を用意する(図16
(A))。そして、シリコンウエハ10′の回路とは反
対の面に、スピンローターなどでシリコーン樹脂を前面
に塗布し、応力吸収層40を形成する(同図(B))。
次いで、応力吸収層(シリコーン樹脂)40の表面に、
ウエハ状のPPS板(樹脂基板30)を張り合わせ、そ
の状態でシリコーン樹脂を加熱硬化させる。これによ
り、各ウエハが一体化される。
【0085】次にシリコンウエハ10′の回路面にマス
クを施し、電気的入出力用の孔が開けられるべき領域以
外の面に保護膜として酸化膜Mを付ける(同図
(D))。そして、超音波加工などで酸化膜Mにより覆
われていない露出部分に貫通孔49を形成する(同図
(E))。次いで、貫通孔49の内面を含む露出表面に
アルミなどのメタルパターン48を成膜する(同図
(F))。その後、酸化膜Mを除去することによりリフ
トオフしてその酸化膜Mの上面に成膜されたメタルを除
去し、さらに切断ラインLにてダイシングすることによ
り(同図(G))、素子として完成させる。
【0086】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る半導体素子
及びその実装構造では、回路基板への実装面側に樹脂基
板を設けたため、はんだ付けなどを行う場合であって
も、比較的厚みを薄くした熱容量の小さい樹脂基板の部
分で行えばよいので、回路基板にはんだ付けして実装す
る場合に、容易にはんだを溶融させることができるた
め、他の電子部品といっしょにリフロー処理によるはん
だ付けが可能となる。よって、作業性が向上する。さら
に、樹脂基板とガラス基板(或いは半導体基板)との間
の熱膨張係数の差に基づく応力が発生しようとしても、
樹脂基板側である程度吸収することができるので、やは
り半導体基板側まで応力が伝わるのを抑制することがで
きる。よって、温度特性も良好となる。
【0087】また、請求項1などに代表されるガラス基
板を備えた半導体素子であっても、各基板の厚さを薄く
することができ、加工が容易となる。また、半導体基板
とガラス基板の熱膨張係数をほぼ等しくしておくことに
より、両基板の接合部分での温度変化に伴う歪みは発生
しない。
【0088】また、樹脂基板とガラス基板の間に応力吸
収層を設けた場合には、温度変化に伴う樹脂基板とガラ
ス基板・半導体基板の変形率の相違を、応力吸収層で吸
収するため、結局各基板間の接合部分に応力が発生しな
い。よって、半導体素子の温度特性をさらに良好にする
ことができる。
【0089】また、半導体素子を構成するガラス基板上
にIC素子を設置した場合には、半導体基板等で構成さ
れる電気回路からIC素子までの距離が短くなるので、
寄生容量や配線抵抗等のロス分を可及的に小さくできる
ので、特性が向上する。さらには、集積化に伴う小型化
も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体素子の第1の実施の形態を
示す一部破断斜視図である。
【図2】本発明に係る半導体素子の実装構造の一実施の
形態を示す一部破断斜視図である。
【図3】第1の実施の形態における半導体素子の製造プ
ロセスを説明する工程図(その1)である
【図4】第1の実施の形態における半導体素子の製造プ
ロセスを説明する工程図(その2)である
【図5】第1の実施の形態における半導体素子の製造プ
ロセスを説明する工程図(その3)である。
【図6】図2に示す半導体素子の実装構造の製造プロセ
スを説明する工程図である。
【図7】本発明に係る半導体素子の第2の実施の形態を
示す一部破断斜視図である。
【図8】第2の実施の形態における半導体素子の製造プ
ロセスを説明する工程図(その1)である。
【図9】第2の実施の形態における半導体素子の製造プ
ロセスを説明する工程図(その2)である。
【図10】第2の実施の形態における半導体素子の製造
プロセスを説明する工程図(その3)である。
【図11】本発明に係る半導体素子の第3の実施の形態
における半導体素子及びその実装構造を説明するための
図である。
【図12】第3の実施の形態における半導体素子の製造
プロセスを説明する工程図(その1)である。
【図13】第3の実施の形態における半導体素子の製造
プロセスを説明する工程図(その2)である。
【図14】第3の実施の形態における半導体素子の製造
プロセスを説明する工程図(その3)である。
【図15】本発明に係る半導体素子の第4の実施の形態
を示す斜視図である。
【図16】第4の実施の形態における半導体素子の製造
プロセスを説明する工程図である。
【符号の説明】
10 半導体基板 20 ガラス基板 30 樹脂基板 40 応力吸収層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板とガラス基板とを接合して一
    体化するとともに、前記ガラス基板の前記半導体基板と
    の非接合面に樹脂基板を直接または所定層を介して樹脂
    基板が接合されてなり、 かつ、前記半導体基板と前記ガラス基板の温度係数をほ
    ぼ等しくするとともに、前記樹脂基板には、前記半導体
    基板と前記ガラス基板の少なくとも一方に形成された電
    気回路と導通するとともにその樹脂基板の底面側に至る
    引出配線経路を設けたことを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 半導体ICの回路面と反対の実装面側
    に、直接または所定層を介して樹脂基板が接合され、 前記樹脂基板には、前記半導体IC内の回路と導通する
    とともにその樹脂基板の底面側に至る引出配線経路を設
    けたことを特徴とする半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基板を前記半導体基板よりも
    大きく形成して、前記ガラス基板の接合面側に前記半導
    体基板に被覆されない領域を形成し、 前記領域上に配線パターンを形成するとともに、その配
    線パターンに接続されるIC素子を配置したことを特徴
    とする請求項1に記載の半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記固定基板と前記樹脂基板の間に、前
    記樹脂基板よりも弾性系数の小さい応力吸収層を介在さ
    せたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の半導体素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半
    導体素子を、他の電子部品とともに、回路基板上に面実
    装したことを特徴とする半導体素子の実装構造。
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