JPH11258407A - 反射防止フイルム - Google Patents

反射防止フイルム

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JPH11258407A
JPH11258407A JP10076685A JP7668598A JPH11258407A JP H11258407 A JPH11258407 A JP H11258407A JP 10076685 A JP10076685 A JP 10076685A JP 7668598 A JP7668598 A JP 7668598A JP H11258407 A JPH11258407 A JP H11258407A
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sio
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元成 柳町
Jun Onishi
潤 大西
Takayuki Hirayama
貴之 平山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着力と表面硬度に優れた各種表示体に使用
される反射防止フイルムを提供する。 【解決手段】 透明プラスチックフイルム基材上に、
(ハードコート層を介して、)少なくとも光吸収性層と
低屈折率層を積層した反射防止フイルムであって,透明
プラスチックフイルム基材(または該基材上のハードコ
ート層)と光吸収性層との間に、、SiOXY薄膜層を
設けた反射防止フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密着力や表面硬度
に優れた、LCDやCRT、プラズマデイスプレイ等の
表示体の表面反射を低減させる反射防止フイルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】透明プラスチックフイルムに直接または
ハードコート層を介して、複数の無機光学薄膜を積層し
た反射防止フイルムはLCDやCRT、プラズマデイス
プレイ等の表示体の表面反射を低減させる多層薄膜積層
反射防止フイルムとして多用されこれらの層構成も多数
提案されている。また透明基材上に光吸収性層とシリカ
等の低屈折率層が設けられた光吸収性層の反射防止フイ
ルムも提案されこれらの層構成も多数提案されている。
これらの従来提案されている反射防止フイルムは、実用
上、基材としての透明プラスチックフイルムと、または
透明プラスチックフイルム上に設けられたハードコート
層と、無機光学薄膜または光吸収性層との密着性が不十
分である場合が多く、また前記の密着力が十分な場合該
反射防止フイルムの表面硬度が不十分なため、傷、割れ
等の不良が発生する場合が多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】密着力を向上させるた
め無機光学薄膜層や光吸収性層の下地として基材として
の透明プラスチックフイルムに、有機系や無機系のプラ
イマー層を設けることも提案されているが、それらのう
ち、代表的なアルコキシシラン加水分解縮合樹脂、メラ
ミン樹脂、チタネート系化合物からのものがあるが、密
着力は或程度向上するが表面硬度が不十分である。
【0004】また、硬度の高い無機薄膜層としてよく知
られている窒化チタン、窒化珪素、ジルコニア、アルミ
ナ、等を無機光学薄膜積層体や光吸収性層の下地として
基材としての透明プラスチックフイルムに施した場合に
は、表面硬度において満足し得るものが得られても、無
機光学薄膜積層体と下地との密着力において満足し得る
ものがなかった。さらに、透明プラスチックフイルムや
下地の表面をグロー放電等でプラズマ処理して後、無機
光学薄膜積層体や光吸収性層を設けることも提案されて
いるが、密着力の向上は見られても、表面硬度において
不満足な場合が多かった。本発明は、前記の密着力と表
面硬度とを同時に満足する光吸収性層を利用した反射防
止フイルムを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、透
明プラスチックフイルム上に、光吸収性層が設けられた
反射防止フイルムであって、透明プラスチックフイルム
と光吸収性層との間にSiOXY薄膜を設けたことを特
徴とする反射防止フイルムであり、550nmにおける
反射率が1.0%以下である前記の反射防止フイルムで
あり、SiOXY薄膜がX/Y=10.0からX/Y=
0.1であるSiOXY薄膜である前記の反射防止フイ
ルムである。
【0006】また、透明プラスチックフイルムに、あら
かじめハードコート膜が形成され、その上にSiOXY
薄膜、光吸収性層、低屈折率層が設けられた前記の反射
防止フイルムであり、低屈折率層上に更に、珪素とフッ
素とを含有するシリコン・フッ素系コート剤のコート膜
が形成されている前記の反射防止フイルムである。本発
明は、透明プラスチックフイルムまたは下地を設けた透
明プラスチックフイルム上に光吸収性層を設けてなる反
射防止フイルムにおいて、透明プラスチックフイルムと
光吸収性層との間にSiOXY薄膜を設けてなる反射防
止フイルムとする反射防止フイルムあり、密着力と表面
硬度とを同時に満足させ、かつ膜の厚さの低減を得る反
射防止フイルムである。本発明の反射防止フイルムは5
50nmにおける反射率が1.0%以下であり、好まし
くは0.7%以下であり、更に好ましくは0.5%以下
のものである。
【0007】
【発明の実施態様】本発明における透明プラスチックフ
イルムとしては、透明性のある無機光学薄膜積層時に、
寸法的にも、化学的にも耐え得るものであれば特に限定
されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタ
レートフイルム、ポリエチレンナフタレートフイルム、
ポリカーボネートフイルム、トリアセチルセルロースフ
イルム、(メタ)アクリロニトリルフイルム、ポリエー
テルサルフォンフルム、ポリフェニレンスルフィッドフ
ルム、等が挙げられる。これらのフイルムは、透明性に
おいて優れた値を有するものたとえば全光透過率で85
%以上のもの、また耐熱性においても150℃での収縮
率が全方向で2%以下のもの、また光学的に異方性のな
いもの、が好適に使用される。
【0008】本発明おいては、上記の透明プラスチック
フイルムに直接SiOXY薄膜を設けてもよいが、紫外
線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、アルコキシシラン加水分
解縮合系樹脂、メラミン系樹脂、チタネート系化合物か
らのもの等のハードコート層を予め設けその上に、Si
XY薄膜を設ける方が好ましい場合が多い。これらハ
ードコート層の形成は、従来公知の樹脂を公知の方法で
施せばよいが、こららのハードコート層の硬度は鉛筆硬
度で2H以上であることが好ましい。これらのハードコ
ート層形成のための材料としては、(メタ)アクリレー
ト系アルコール変性多官能化合物、トリメチロールプロ
パン(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、1,6ヘキサンジオール(メタ)アクリレート等、
があげられるがこれらに限定されるものではない。
【0009】透明プラスチックフイルムまたは下地(ハ
ードコート層)を設けた透明プラスチックフイルム上に
SiOXY薄膜を設けるが、これらの表面をSiOXY
薄膜を設けるに先立って予めプラズマ処理、イオンボン
バード処理、コロナ放電処理などを施し、密着性を更に
高めてもよいことは勿論である。ついで、透明プラスチ
ックフイルムまたは下地を設けた透明プラスチックフイ
ルム上に、最初にSiOXY設けることが必須である。
該SiOXY薄膜を設ける方法は、CVD,EB蒸着、
イオンプレーテイング、スパッタリング、等があるが、
例えばスパッタリングによりSiO、またはSiOとS
iO2混合物などのSi酸化物をターゲットとして用
い、窒素雰囲気下でSiOXY薄膜を設ける方法であ
る。該薄膜において、X/Y=10.0からX/Y=
0.1であるSiOXYであることが好ましく、より好
ましくはX/Y=5.0からX/Y=0.5であるSi
XYであり、さらに好ましくはX/Y=4.0からX
/Y=1.0であるSiOXYである。
【0010】X/Yが10.0を超える場合は、密着力
は満足し得るが表面硬度において不満足に成る場合があ
る。またからX/Yが0.1に満たないときには、表面
硬度において満足であるが密着力において不満足な場合
がある。該SiOXY薄膜の厚さは、0.5nmから2
00nmであり、好ましくは2.0nmから50nmで
あり、これらの厚さは他の無機光学薄膜との組み合わせ
によって最適な反射防止フイルムとなるように適宜選択
使用される。SiOXY薄膜上に、光吸収性層、低屈折
率層を順次スパッタリング、EB蒸着等の手段によって
形成するが、これらの光吸収性層の光吸収率は、10か
ら40%であり、光吸収性層としては1nmから25n
mの厚さのチタン、クロム、ジルコニウム、モリブデ
ン、ニッケル、金、銀、銅、ステンレス等の金属薄膜、
5nmから25nmの厚さのチタン、クロム、ジルコニ
ウム等の酸化物膜、窒化物膜が挙げられ、低屈折率膜と
しては、屈折率が1.6以下の、厚さ70nmから12
0nmの、例えばSiOX、MgFX(Xは、0.1から
2の数字である)等の膜が挙げられる。
【0011】前記の光吸収性層と低屈折率層との間に、
ITO,TiO2等の屈折率が1.7以上の高屈折率層
を厚さ10nmから40nmで設けてもよい。前記のS
iOXY薄膜上に設けられる光吸収性層の導電性により
反射防止フイルムの帯電性も改良され、電磁波シールド
性も付与され、実用上好ましい反射防止フイルムが得ら
れる。
【0012】本発明においては、最外層の低屈折率膜を
設けることによって、無機光学薄膜積層の形成が終了
し、反射防止フイルムとしての反射防止機能を満足し得
る、かつ密着性、表面硬度の両方を満足し得る反射防止
フイルムが得られるが、実用上表示体に使用された時の
ために、最外層の低屈折率膜の上にさらに公知のフッ素
系コート剤、シリコン系コート剤、シリコン・フッ素系
コート剤等の防汚染コート層を設けることが好ましく、
なかでもシリコン・フッ素系コート剤が好ましく適用さ
れる。これらの防汚染コート層の厚さは、好ましくは1
00nm以下で、より好ましくは10nm以下であり、
さらに好ましくは5nm以下である。これらの防汚染コ
ート層の厚さが100nmを超えるときは、防汚染性の
初期値は優れているが、耐久性において劣るものとな
る。防汚染性とその耐久性のバランスから5nm以下が
最も好ましい。
【0013】
【実施例】**実施例1 アクリレート系アルコール変性多官能化合物を主材とす
る塗布液を塗布・予備乾燥・紫外線硬化して厚さ5ミク
ロンのハードコート層を形成した、厚さ80ミクロンの
トリアセチルセルロースフイルムの、該ハードコート層
を、真空室内でアルゴンガスを導入し4Paの圧で対向
するSUS電極にDC1.0KVを加えグロー放電処理
し、該処理されたハードコート層上にSiターゲットを
用いてアルゴン・酸素・窒素ガスを導入して、2Paの
圧で高周波スパッタを行い、厚さ16nmのSiO11
の膜を形成した、ついでTiターゲットを用いてアルゴ
ン・窒素ガスを導入して、0.5Paの圧でDCスパッ
タを行い、厚さ11nmのTiNの膜を形成した、つい
でITO(インジウム:錫=90:10)ターゲットを
用いてアルゴン・酸素ガスを導入して、0.5Paの圧
でDCスパッタを行い、厚さ23nmのITOの膜を形
成した、ついでSiターゲットを用いてアルゴン・酸素
ガスを導入して、2Paの圧で高周波スパッタを行い、
厚さ69nmのSiO2の膜を形成した、さらに、該S
iO2の膜上にシリコン・フッ素系防汚染剤である、パ
ーフルオロアルキル基含有シリコン系化合物を、厚さ
3.0nmとなるように塗布乾燥硬化せしめて防汚染層
を形成し、反射防止フイルムを得た。
【0014】**実施例2 アクリレート系アルコール変性多官能化合物を主材とす
る塗布液を塗布・予備乾燥・紫外線硬化して厚さ5ミク
ロンのハードコート層を形成した、厚さ188ミクロン
のポリエチレンテレフタレートフイルムの、該ハードコ
ート層を、真空室内でアルゴンガスを導入し4Paの圧
で対向するSUS電極にDC1.0KVを加えグロー放
電処理し、該処理されたハードコート層上にSiを坩堝
に入れ、5×10-4Paまで排気し、酸素・窒素ガスを
導入して、2×10-2Paの圧で真空中に設けたアンテ
ナに高周波(13.56MHz,1.5KW)をかけな
がら、EB蒸着を行い、厚さ16nmのSiO11の膜
を形成した、ついでTiを坩堝に入れ、窒素ガスを導入
して、2×10-2Paの圧で真空中に設けたアンテナに
高周波(13.56MHz,1.5KW)をかけなが
ら、EB蒸着を行い、厚さ10nmのTiNの膜を形成
した、ついでSiを坩堝に入れ、5×10-4Paまで排
気し、酸素ガスを導入して、1×10-2Paの圧で、E
B蒸着を行い、厚さ86nmのSiO2の膜を形成し
た、さらに、該SiO2の膜上にシリコン・フッ素系防
汚染剤である、パーフルオロアルキル基含有シリコン系
化合物を、厚さ3.0nmとなるように塗布乾燥硬化せ
しめて防汚染層を形成し、反射防止フイルムを得た。
【0015】**比較例1 実施例2でのSiO11の膜をSiO2の膜に変更する
以外は、実施例2と同様にして、反射防止フイルムを得
た。
【0016】**比較例2 実施例2でのSiO11の膜をSi34の膜に変更する
以外は、実施例2と同様にして、反射防止フイルムを得
た。
【0017】**比較例3 実施例2でのSiO11の膜を形成しない以外は、実施
例2と同様にして、反射防止フイルムを得た。
【0018】前記の実施例、比較例の評価結果を、反射
率、密着性、表面硬度の順に下記する。尚、反射率は5
50nm波長での入射角5度の反射率を、密着性はJI
Sによるセロテープ剥離碁盤目テストの測定値を、表面
硬度はJISによる鉛筆硬度の測定値を、それぞれ示
す。 *実施例1 0.4%、100/100、2H *実施例2 0.3%、100/100、3H *比較例1 0.3%、100/100、 H *比較例2 0.5%、 0/100、3H *比較例3 0.3%、 0/100、 H
【0019】
【発明の効果】本発明の、透明プラスチックフイルム
(または下地を設けた透明プラスチックフイルム)上に
少なくとも光吸収性層と低屈折率層を設ける反射防止フ
イルムにおいて、透明プラスチックフイルム(または下
地を設けた透明プラスチックフイルム)と光吸収性層と
の間にSiOXYを設けることで、反射防止性能は勿論
のこと、と透明プラスチックフイルム(または下地を設
けた透明プラスチックフイルム)と光吸収性層との密着
性、反射防止性薄膜積層の表面硬度においても優れた反
射防止フイルムが得られた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明プラスチックフイルム上に、少なく
    とも光吸収性層と低屈折率層が設けられた反射防止フイ
    ルムであって、透明プラスチックフイルムと光吸収性層
    との間にSiOXY薄膜を設けたことを特徴とする反射
    防止フイルム。
  2. 【請求項2】 550nmにおける低屈折率層側の反射
    率が1.0%以下である請求項1記載の反射防止フイル
    ム。
  3. 【請求項3】 SiOXY薄膜がX/Y=10.0から
    X/Y=0.1であるSiOXYである請求項1記載の
    反射防止フイルム。
  4. 【請求項4】 透明プラスチックフイルムに、あらかじ
    めハードコート膜が形成され、その上にSiOXY
    膜、光吸収性層および低屈折率層が設けられた請求項1
    記載反射防止フイルム。
  5. 【請求項5】 最外層の低屈折率層上に更に、珪素とフ
    ッ素とを含有するシリコン・フッ素系コート剤のコート
    膜が形成されている請求項1記載の反射防止フイルム。
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